JP5089908B2 - 高熱伝導性樹脂コンパウンド・高熱伝導性樹脂成形体・放熱シート用配合粒子、高熱伝導性樹脂コンパウンド・高熱伝導性樹脂成形体・放熱シート、および、その製造方法 - Google Patents
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Description
樹脂に加えるアルミナの充填率を上げることで高熱伝導率化を目指す方法が多く研究されており、フィラーの充填・分散を容易にするものとして、下記の特許文献1に記載されているように角を落とした丸味状アルミナを用いるものや、下記の特許文献2に記載されているように球状アルミナを用いる等のアルミナ形状を変える研究が行なわれた。
さらに、下記の特許文献4には、大きな粒子として50〜80μmの球状アルミナ、小さな粒子として5μm以下の非球状アルミナを用いて、配合率を調整し、充填量に見合う熱伝導率を発揮させ、実施例にて5.5W/mKの放熱シートが得られることが記載されている。
大小の粒径の異なる粒子の配合として、大径の球状粒子とその隙間を埋める小径粒子が用いられている。特許文献3では球状の大径粒子と球状の小径粒子を組合せた配合を用いており、特許文献4では大径の球状粒子と非球状の小径粒子を組合せた配合を用いている。
そこで本発明は、高熱伝導率と柔軟性に優れた低シート硬度を両立した放熱シートを製造することができる高熱伝導性樹脂コンパウンド・高熱伝導性樹脂成形体・放熱シート用配合粒子、高熱伝導性樹脂コンパウンド・高熱伝導性樹脂成形体・放熱シート、および、その製造方法を提供することを課題とする。
(1)平均粒径50〜100μmの球状アルミナ粒子が60〜80vol%、平均粒径0.5〜7μmの球状アルミナ粒子が5〜30vol%、平均粒径0.5〜7μmの非球状アルミナ粒子が10〜35vol%の配合で含まれることを特徴とする、高熱伝導性樹脂コンパウンド用配合粒子。
(2)(1)に記載の高熱伝導性樹脂コンパウンド用配合粒子を樹脂成形体に用いることを特徴とする高熱伝導性樹脂成形体用配合粒子。
(3)(2)に記載の高熱伝導性樹脂成形体用配合粒子を放熱シートに用いることを特徴とする放熱シート用配合粒子。
(4)平均粒径50〜100μmの球状アルミナ粒子が60〜80vol%、平均粒径0.5〜7μmの球状アルミナ粒子が5〜30vol%、平均粒径0.5〜7μmの非球状アルミナ粒子が10〜35vol%の配合で含まれる配合粒子を、体積比で60〜90vol%含むことを特徴とする、高熱伝導性樹脂コンパウンド。
(5)(4)に記載の高熱伝導性樹脂コンパウンドを用いて成形したことを特徴とする高熱伝導性樹脂成形体。
(7)前記放熱シートの熱伝導率が5.6W/mK以上であることを特徴とする、(6)に記載の放熱シート。
(8)前記放熱シートのアスカーC硬度が60以下であることを特徴とする、(6)または(7)に記載の放熱シート。
(9)平均粒径0.5〜7μmの球状及び非球状のアルミナ粒子と樹脂との混合物からなるマトリックスに、平均粒径50〜100μmの球状アルミナ粒子が均一に分散していることを特徴とする、(6)乃至(8)のいずれか1項に記載の放熱シート。
(10)前記マトリックスのうち樹脂の占める体積が23〜65vol%であることを特徴とする、(9)に記載の放熱シート。
(11)平均粒径0.5〜7μmの球状及び非球状のアルミナ粒子と樹脂とを予め混合してマトリックスを形成した後、該マトリックスに平均粒径50〜100μmの球状アルミナ粒子を混合して成形することを特徴とする、高熱伝導性樹脂コンパウンドの製造方法。
(12)(11)に記載の高熱伝導性樹脂コンパウンドを用いて成形することを特徴とする高熱伝導性樹脂成形体の製造方法。
(13)(12)12に記載の高熱伝導性樹脂成形体を用いて作製することを特徴とする放熱シートの製造方法。
ここに、球状粒子とは、粒子の円形度(相当円の周囲長/粒子投影像の周囲長)の平均値が0.8以上の粒子をいう。
また、非球状粒子とは、粒子の円形度(相当円の周囲長/粒子投影像の周囲長)の平均値が0.8未満の粒子をいう。
本発明の樹脂コンパウンドは、樹脂成形体 として用いる場合には、放熱シートやプリント配線板に用いられる一方、非成形体としては、放熱グリースや接着剤などに用いられる。
以下の説明は、樹脂コンパウンドを成形体の放熱シートとして用いる場合の実施形態を示す。
そこで、マトリックス内の小径アルミナ非球状粒子の一部を所定量の小径アルミナ球状粒子とすることにより、マトリックスに球状粒子の流動性を加味することができ、全体のアルミナ粒子を高充填した配合においても、シートの高熱伝導性を維持したまま放熱シートの柔軟性を得ることに成功した。小径アルミナ非球状粒子の接触面積が大きいことによる高い熱伝導性と小径アルミナ球状粒子の流動性との両者を兼ね備えることができ、熱伝導を維持したまま、シートの変形が起こる際に大径アルミナ球状粒子の動きを阻害することなくマトリックスが動くことができ、シートの柔軟性が確保できるのである。
ここに、球状粒子とは、粒子の円形度(相当円の周囲長/粒子投影像の周囲長)の平均値が0.8以上の粒子をいう。
また、非球状粒子とは、粒子の円形度(相当円の周囲長/粒子投影像の周囲長)の平均値が0.8未満の粒子をいう。
粒子の円形度は、電子顕微鏡と画像解析装置を用い、例えば、シスメックス社製FPIAを用いて測定することができる。
円形度の測定は、粒子個数100個以上をカウントし、その平均値をその粉末の円形度とする。
大径アルミナ球状粒子はシートの熱伝導率に最も寄与するものである。同一体積に充填することを考えた場合、粒径が大きいほど粒子の数を減らすことができることから、大径粒子の粒径が大きくなると、大径粒子と大径粒子の間の熱抵抗となる隙間の数を減らすことができ、熱伝導率を向上させることができる。そのため、大径アルミナ粒子は大きい方が好ましく、またその充填率が高い方が熱伝導の面からは有利となる。大径アルミナ粒子の平均粒径が50μm未満であると、同じ充填率の場合には充填に必要な粒子の数が増えるため、大径アルミナ球状粒子の間の熱抵抗が増加し、熱伝導率が低くなる。そのため、その下限値を50μmとした。また、大径アルミナ球状粒子が80μmを超える大径となると、充填に必要な粒子数がさらに減り、大径アルミナ球状粒子の間の熱抵抗をさらに減らすことができ、熱伝導率がさらに向上し、より好適となる。
また、アルミナ粒子の総和を100vol%とした場合、大径アルミナ球状粒子の量は60vol%未満であると熱伝導に寄与する粒子が不足して熱伝導率が小さくなるため、その下限値を60vol%とした。また、大径アルミナ球状粒子の量が80vol%を超えると、相対的にマトリックスに含まれる小径アルミナ粒子の量が少なくなるため、大径アルミナ球状粒子の隙間を埋める小径粒子が不足し、熱伝導率が低下してしまうため、その上限値を80vol%とした。
小径アルミナ球状粒子の粒径が7μmを超えると、大径アルミナ球状粒子の隙間の大きな部分にしか充填することができず、マトリックスに柔軟性を与えることが困難となり、シート硬度が上昇してしまう。そのため、小径アルミナ球状粒子の粒径の上限値を7μmとした。また、小径アルミナ球状粒子が0.5μmより小さくなると、マトリックス内で熱伝導に寄与する粒子数が多くなりマトリックスの粒子間の熱抵抗が増加してマトリックスの熱伝導率が低下し、シートの熱伝導も低下してしまう。そのため、小径アルミナ球状粒子の粒径の下限値を0.5μmとした。
小径アルミナ非球状粒子については、流動性が悪いものの、粒子同士の接触面積は球状粒子の場合に比べ大きくなることから、小径アルミナ非球状粒子を用いることは熱伝導の点で有効である。全アルミナ粒子の合計を100vol%とした場合に、小径アルミナ非球状粒子が10vol%より少ないとシート全体の熱伝導が悪くなる。小径アルミナ非球状粒子が35vol%より多いとマトリックスの流動性が低減し、シートが硬くなってしまう。そのため、小径アルミナ非球状粒子の配合比の下限値を10vol%とし、上限値を35vol%とした。
小径アルミナ非球状粒子の粒径が7μmより大きくなると、大径アルミナ球状粒子の隙間の大きな部分にしか充填することができず、大径アルミナ球状粒子の隙間を高充填することができなくなり、熱伝導率が低下する。さらに、隙間の大きな部分にしか入れない非球状粒子同士が互いの動きを抑制しあって柔軟性が損なわれ、シートの硬度も増加する。そのため、小径アルミナ非球状粒子の粒径の上限値を7μmとした。
本発明の放熱シートでは、前述した大径アルミナ球状粒子と小径アルミナ球状粒子と小径アルミナ非球状粒子から構成されるアルミナ配合粒子とシート全体に含まれる樹脂との合計体積を100vol%とした場合、アルミナ配合粒子の比率(これをシート体積比という)が60vol%より少なくなると、熱伝導率が低い樹脂の比率が多くなるため、シートの熱伝導率が低下する。そのため、シート体積比の下限を60vol%とした。
また、シート体積比が90vol%より多くなると、本発明のマトリックス中の樹脂の相対量が少なくなるため、マトリックスの柔軟性が悪化し、大径アルミナ球状粒子の隙間を十分に埋めることが困難となり、熱伝導率が低下する。そのため、シート体積比の上限を90vol%とした。なお、シート体積比が70〜90vol%の場合には熱伝導率が6.0W/mK以上となり、より好適な範囲となる。
大径アルミナ球状粒子の隙間にマトリックスが十分に充填できるかを、マトリックスを形成する樹脂と小径アルミナ粒子の比率を基に評価できることが分かった。樹脂と小径アルミナ球状粒子および小径アルミナ非球状粒子との合計体積を100vol%とした場合、樹脂の比率が23vol%未満であると、樹脂と小径アルミナ球状粒子および小径アルミナ非球状粒子との混合物の粘度が高くなり、マトリックスが大径アルミナ球状粒子の隙間を十分に埋めることが困難となり、熱伝導率が低下する。また、マトリックスの柔軟性が損なわれるためシート硬度も高くなる。そのため、樹脂の比率の下限値を23vol%とした。また、樹脂の比率が65vol%を超えると、熱伝導率に寄与するマトリックス中の小径アルミナ球状粒子および小径アルミナ非球状粒子が相対的に少なくなり、熱伝導率が低下するため、樹脂の比率の上限値を65vol%とした。
以下、実施例にて詳細に説明する。
樹脂CY52-276(実際には、CY52-276A液とCY52-276B液を等量)と小径アルミナ非球状粒子と小径アルミナ球状粒子を表1〜3に示す体積量となるように秤量し、ハイブリッドミキサーを用いて混合した。得られた樹脂混合物に、大径アルミナ球状粒子を表1〜3に示す量を加え、ハイブリッドミキサーで発熱が起こらない時間条件で混合した。
得られた放熱シートについて、アスカーC硬度計を用いてシート硬度を測定し、50mmφ×2.5mmtの試料を切り抜き、熱流計法による熱伝導率測定を行なった。
試料No.1〜4は、小径アルミナ粒子の粒径と、樹脂とアルミナ配合粒子との体積比を本発明の範囲内の一定値として、大径アルミナ球状粒子の粒径を変化させた例である。試料No.1の大径アルミナ球状粒子の粒径が40μmの場合、シート硬度は55と低いものの、熱伝導率が5.3W/mKと低い。大径アルミナ球状粒子の粒径が50〜100μmの範囲において、シート硬度60以下かつ熱伝導率5.6W/mK以上となる。また、大径アルミナ球状粒子の粒径が80〜100μmの範囲においては、シート硬度60以下かつ熱伝導率6.0W/mK以上となるため、さらに好適となる。
試料No.13〜16は大径アルミナ球状粒子の粒径と、小径アルミナ粒子の粒径と、樹脂とアルミナ配合粒子との体積比を本発明の範囲内の一定値とし、大径アルミナ球状粒子と小径アルミナ粒子の配合比を変化させ、大径粒子の配合比率を検討した例である。大径アルミナ球状粒子と小径アルミナ粒子の合計体積を100vol%とした場合、試料No.13の大径アルミナ球状粒子の配合比率が85vol%の場合、シート硬度は57と低いものの熱伝導率が5.1と低い。また、試料No.16の大径アルミナ球状粒子の配合比率が55vol%ではシート硬度は42と低いものの熱伝導率が5.3W/mKと低い。大径アルミナ球状粒子の配合比率が60〜80vol%の範囲において、シート硬度60以下かつ熱伝導率5.6W/mK以上となる。
試料No.17〜20は大径アルミナ球状粒子の粒径と、小径アルミナ粒子の粒径と、樹脂とアルミナ配合粒子との体積比を本発明の範囲内の一定値とし、大径アルミナ球状粒子と小径アルミナ粒子の配合比を変化させ、小径アルミナ非球状粒子の配合比率を検討した例である。大径アルミナ球状粒子と小径アルミナ粒子の合計体積を100vol%とした場合、試料No.20の小径アルミナ非球状粒子の配合比率が36vol%の場合、シート硬度が65と高く熱伝導率が5.3と低い。また、試料No.17の小径アルミナ非球状粒子の配合比率が9vol%の場合、シート硬度は60と低いものの熱伝導率が5.5W/mKと低い。小径アルミナ非球状粒子の配合比率が10〜35vol%の範囲において、シート硬度60以下かつ熱伝導率5.6W/mK以上となる。
試料No25〜30は、大径アルミナ球状粒子の粒径と小径アルミナ粒子の粒径と両者の粒子の比率を本発明の範囲内の一定値として、樹脂の量を変えてアルミナ粒子と樹脂との比率を変化させた例である。アルミナ粒子と樹脂の合計体積を100vol%とした場合、試料No.25や30の場合、アルミナ粒子の配合比率が60vol%未満や90vol%超であると、熱伝導率は5.6W/mK未満となり、60〜90vol%の範囲が好適である(これをシート体積比という)。なお、アルミナ粒子の配合比率が70〜90vol%であると、熱伝導率が6.0W/mKを超えてさらに好適な範囲となる。
以上の実施例はすべて前述のように、予め樹脂と小径アルミナ粒子を混合する工程と、得られた混合物に大径アルミナ球状粒子を混合する工程と、混合後の樹脂混合物を成形してシート化する工程により行なったものである。
比較例として、熱伝導率7.2W/mKシート硬度58と高特性のシートが得られた試料No.6の配合について、樹脂と大径アルミナ球状粒子と小径アルミナ粒子を同時に混合し、混合後の樹脂混合物を成形してシート化する工程を用い、アルミナ粒子の混合のタイミング以外の条件はすべて同一として放熱シートを作製した。得られたシートの特性は、シート硬度はほぼ同じ59であったが、熱伝導率が4.8W/mKと低かった。SEMにて内部を観察すると、大径アルミナ球状粒子の周りを樹脂のみが覆い、小径粒子と大径粒子の接触が見られず、本発明で必要なマトリックスが部分的にしか形成されてないことを確認した。
Claims (13)
- 平均粒径50〜100μmの球状アルミナ粒子が60〜80vol%、平均粒径0.5〜7μmの球状アルミナ粒子が5〜30vol%、平均粒径0.5〜7μmの非球状アルミナ粒子が10〜35vol%の配合で含まれることを特徴とする、高熱伝導性樹脂コンパウンド用配合粒子。
- 請求項1に記載の高熱伝導性樹脂コンパウンド用配合粒子を樹脂成形体に用いることを特徴とする高熱伝導性樹脂成形体用配合粒子。
- 請求項2に記載の高熱伝導性樹脂成形体用配合粒子を放熱シートに用いることを特徴とする放熱シート用配合粒子。
- 平均粒径50〜100μmの球状アルミナ粒子が60〜80vol%、平均粒径0.5〜7μmの球状アルミナ粒子が5〜30vol%、平均粒径0.5〜7μmの非球状アルミナ粒子が10〜35vol%の配合で含まれる配合粒子を、体積比で60〜90vol%含むことを特徴とする、高熱伝導性樹脂コンパウンド。
- 請求項4に記載の高熱伝導性樹脂コンパウンドを用いて成形したことを特徴とする高熱伝導性樹脂成形体。
- 請求項5に記載の高熱伝導性樹脂成形体を用いて作製したことを特徴とする放熱シート。
- 前記放熱シートの熱伝導率が5.6W/mK以上であることを特徴とする、請求項6に記載の放熱シート。
- 前記放熱シートのアスカーC硬度が60以下であることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の放熱シート。
- 平均粒径0.5〜7μmの球状及び非球状のアルミナ粒子と樹脂との混合物からなるマトリックスに、平均粒径50〜100μmの球状アルミナ粒子が均一に分散していることを特徴とする、請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の放熱シート。
- 前記マトリックスのうち樹脂の占める体積が23〜65vol%であることを特徴とする、請求項9に記載の放熱シート。
- 平均粒径0.5〜7μmの球状及び非球状のアルミナ粒子と樹脂とを予め混合してマトリックスを形成した後、該マトリックスに平均粒径50〜100μmの球状アルミナ粒子を混合して成形することを特徴とする、高熱伝導性樹脂コンパウンドの製造方法。
- 請求項11に記載の高熱伝導性樹脂コンパウンドを用いて成形することを特徴とする高熱伝導性樹脂成形体の製造方法。
- 請求項12に記載の高熱伝導性樹脂成形体を用いて作製することを特徴とする放熱シートの製造方法。
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