JP3937494B2 - アルミナ充填樹脂またはゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミナを含有する樹脂またはゴム組成物および成形した成形体に関し、特に電子材料の封止材として使用される組成物および成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の分野を中心に機器の高密度化、コンパクト化が進み、それに伴い半導体等の電子部品から発散される熱の放散が大きな課題となっている。そのため、高い熱伝導性と高い電気絶縁性を有する樹脂組成物が要求されるようになり、熱伝導性封止材、熱伝導性接着剤として実用化されている。
【0003】
これらの材料として用いられている樹脂またはゴム組成物には、エポキシ樹脂、イミド樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム等にシリカ、アルミナ、マグネシア、ボロンナイトライド等の無機粉末を添加したものが知られている。
【0004】
上記無機粉末として、電融アルミナや焼結アルミナを粉砕したアルミナ粉末が用いられることが報告されているが、該アルミナは、破砕形状で鋭いカッティングエッジを有しアスペクト比が高い粒子よりなる粉末であるため、充填性に劣り、高い熱伝導性が期待される場合には、十分なものではなかった。
【0005】
上記問題を解決するために、特開昭64−69661号公報には、アルミナ粒子とカッテイングエッジを有しない形状である球状コランダム粒子からなるアルミナを充填した高熱伝導性ゴム・プラスチック組成物が提案されている。しかし大小2成分の球状アルミナ粒子を混合することが開示されているにすぎない。
【0006】
一方、特公昭58−22055号公報には、特殊なアルミナ粉末、すなわち形状因子(アスペクト比)が1.0〜1.4で、かつある一定の粒度分布を有するアルミナ粉末は、シリコーンゴムに高充填することが可能であり、得られたシリコーンゴムは高い熱伝導性を有することが記載されている。しかし、該アルミナ粉末は一部が凝集した球状粒子であり、これをさらにロッドミルあるいはマラーおよびらいかい器形式の粉体処理装置で解砕する必要があり、この解砕により微粒子が発生するとともにカッティングエッジが発生しアスペクト比が上昇することは避けられない。
【0007】
また、特開平4−328163号公報には、オルガノポリシロキサンに球状アルミナと硬化剤を添加した熱伝導性シリコーンゴム組成物が記載されている。ここで用いられている球状アルミナは、金属アルミニウムを溶融してから酸素により直接酸化させることにより得られ、高い真球度すなわち1に近いアスペクト比を有する。しかし2種類のオルガノシロキサンおよび1種類のアルミナを混合することを開示しているにすぎない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した問題点を解決して、高い熱伝導性と優れた成形加工性の両方を満足させることのできるアルミナ粉末を含有する樹脂またはゴム組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のアルミナを使用して高充填化を達成することにより、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の(1)、(2)に関するものである。
【0010】
(1)重量累積粒度分布の微粒側からの累積10%、累積50%の粒径をそれぞれD10、D50とし、成分AとしてD50が2μm以上100μm以下で、D50/D10が1以上3以下の粒子よりなるα−アルミナ粉末、成分Bとして、D50が1μm以上10μm以下、D50をBET比表面積より算出した粒径で除した値が1以上3以下で、かつ成分AのD50に対して1/10以上1/2以下のD50の粒子よりなるα−アルミナ粉末、成分Cとして、D50が0.01μm以上5μm以下、 かつ成分BのD50に対して1/100以上1/2以下のD50の粒子よりなるα−または遷移アルミナ粉末、であるとき、成分Aと成分Bと成分Cの合計体積に占める各A、B、C成分の割合が、50体積%以上90体積%以下、5体積%以上40体積%以下、1体積%以上30体積%以下、である成分A、B、Cを含むことを特徴とする成形用樹脂またはゴム組成物。
(2)熱伝導率が5W/m以上である上記(1)の成形用組成物を成形した成形体。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳しく説明する。本発明に用いることのできる、成分Aまたは成分Bまたは成分Cとしては、原料として遷移アルミナまたは熱処理により遷移アルミナとなるアルミナ粉末を、塩化水素を含有する雰囲気ガス中にて焼成することにより得られるαーアルミナ粉末(特開平6ー191833号公報あるいは特開平6ー191836号公報)を挙げることができる。
【0012】
D50が2μm以上100μm以下の粗粒側の成分は粒度分布の測定が容易であるのでD50/D10を指標とし、DA50が10μm未満の成分はD50を測定値のバラツキが少ないBET比表面積から算出した径で除した値を指標としたが、本発明に好ましく用いることのできるアルミナ粉末は、2μm以上100μm以下の成分AはD50/D10が1以上2以下と粒度分布がシャープで微粒が少なく、中間の成分BはD50をBET比表面積径で除した値が2以下とやはり微粒の少ない粉末である。
【0013】
本発明に好ましく用いることのできるアルミナ粉末の粒子は、粒径にかかわらず平均アスペクト比が2以下であり、さらに好ましくは1.5以下、最も好ましくは1.3以下である。アスペクト比が2を超える、棒状、楕円状、破砕粒子状の粒子よりなるアルミナ粉末を使用すると、樹脂やゴムに60体積%以上の高い体積比率での充填が困難となる場合が生じる。
【0014】
本発明に好ましく用いることのできるアルミナ粉末のうち成分Aと成分Bは、α−アルミナの粒子よりなり、α―アルミナ単結晶粒子よりなるアルミナ粉末が、樹脂やゴムに充填した場合の成形体の熱伝導度を高める上でさらに好ましい。成分Cは、α−アルミナまたは遷移アルミナ(γ―アルミナ、θ―アルミナ、δ―アルミナ)を使用することができるが、α―アルミナが好ましく、α―アルミナ単結晶粒子よりなるアルミナ粉末が、樹脂やゴムに充填した場合の成形体の熱伝導度を高める上でさらに好ましい。
【0015】
本発明に好ましく用いることのできるアルミナ粉末のうち成分Cは、D50をBET比表面積より算出した粒径で除した値が1以上3以下が好ましい。
【0016】
本発明の樹脂組成物における、成分A、B、Cのアルミナ粉末の合計体積割合は、60〜95体積%が好ましい。60体積%未満では熱伝導率を高める効果が低く、また、95体積%を越えると成形性が低下する。
【0017】
成分Aと成分Bと成分Cの合計体積に占める各A、B、C成分の割合が、50体積%以上90体積%以下、5体積%以上30体積%以下、5体積%以上30体積%以下、であり、そのいずれが満たされなくとも成分A、B、Cのアルミナ粉末の合計体積の樹脂組成物における体積割合が60%以上に高充填することが困難となる。成分Aと成分Bと成分Cの合計体積に占める成分Aの割合は70体積%以上90体積%以下が望ましく、75体積%以上85体積%以下がさらに望ましい。成分Aと成分Bと成分Cの合計体積に占める成分Bの割合は10体積%以上30体積%以下が望ましく、15体積%以上30体積%以下がさらに望ましい。成分Aと成分Bと成分Cの合計体積に占めるCの割合は5体積%以上20体積%以下が望ましく、10体積%以上15体積%以下がさらに望ましい。
【0018】
本発明に用いることのできる成分A、B、C以外に、実質的に破面を有しない、多面体一次粒子よりなるアルミナ粉末、バイヤー法アルミナ、電融アルミナ、有機金属の加水分解法によるアルミナ等、工業的に入手可能なアルミナをさらにアルミナ充填樹脂組成物の5体積%以下加えることができる。
【0019】
本発明が対象とする樹脂あるいはゴムとしては、熱伝導性が高い樹脂が好適であり、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0020】
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物に代表される物質を使用することができる。
【0021】
シリコーンゴムの主成分としては、直鎖状オルガノポリシロキサンで加硫可能なものであれば特に制限されず、例えばジメチルポリシロキサンまたはビニル基含有ジメチルポリシロキサンと有機過酸化物からなる熱加硫型オルガノポリシロキサン、ビニル基含有ジメチルポリシロキサンと−SiH基を有するジメチルハイドロジエンポリシロキサンと触媒としての白金または白金化合物からなる付加反応過硫型オルガノポリシロキサン、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。
【0022】
なお、本発明の樹脂またはゴム組成物中には、アルミナ粉末以外の無機粉末、分散剤、脱泡剤、離型剤、難燃剤、着色剤等の各種添加物を、本発明の目的を損なわない範囲にて、添加することも可能である。
【0023】
本発明のアルミナ粉末は微粒が少ないので吸着水分が低く、エポキシ樹脂あるいはイミド樹脂に充填した場合、水分に起因するクラックが発生を低減でき、また、シリコーン樹脂やシリコーンゴムに充填した場合、シリコーン中のケイ素に結合した水素との反応が抑制され優れた貯蔵安定性を有することが可能になる。
【0024】
本発明において、アルミナ粉末を樹脂あるいはゴムに混合する方法は特に制限されず、ロール、ニーダーあるいはプラネタリー型撹拌機等の一般の混合機を用いて混合、コンパウンド化することが可能である。
【0025】
本発明による樹脂あるいはゴム組成物を用いて半導体等、電子部品を封止する方法としては、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド、あるいはポッティング法等を用いることができ、成形する方法としては、押出成形、射出成形、圧縮成形、カレンダーロール成形等を用いることができる。
【0026】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
なお、本発明における各種の測定は次のようにして行った。
1.D50、D10の測定
セディグラフ5000ET(マイクロメリティクス社製)を使用し、X線透過沈降法により測定した。
2.BET比表面積の測定
フローソーブII2300型(マイクロメリテイクス社製)を使用して測定した。
3.アスペクト比の測定
SEM(走査型電子顕微鏡、日本電子株式会社製:T-300)を使用して粉末粒子の写真を撮影し、その写真から5ないし10個の粒子を選び出して画像解析を行い、その平均値として求めた。
【0028】
参考例1
住友化学工業株式会社製水酸化アルミニウム粉末(商品名AKP−DA)を空気中800℃で焼成し原料とした。該原料を塩化水素100%雰囲気中1100℃で2時間焼成し、α相のアルミナ粉末を得た。該アルミナ粉末は実質的に破面を有しない、8〜20面を有する多面体粒子よりなり、SEM写真から測定した一次粒子径は18μmであった。粒度分布を測定した結果、D50が18μm、D10が14μm、D90が25μmであり、D50/D10は1.3であった。BET比表面積は0.1m2/gであったので、比表面積径は15μmとなり、DA50をBET比表面積径で除した値は1.2であった。
【0029】
住友化学工業株式会社製水酸化アルミニウム粉末(商品名AKP−DA)を空気中で800℃で焼成した粉末に、BET比表面積が5.8m/gの住友化学工業株式会社製α−アルミナ粉末(商品名AKP−30)を0.3重量%添加して混合原料とし、該混合原料を塩化水素100%雰囲気中1000℃で1時間焼成し、α相のアルミナ粉末を得た。該アルミナ粉末は実質的に破面を有しない、8〜20面を有する多面体粒子よりなり、SEM写真より測定した一次粒子径は2μmであった。粒度分布を測定した結果、D50が1.8μm、D10が1.4μmであり、D50/D10は1.3であった。BET比表面積は1.0m/gであったので、比表面積径は1.5μmとなり、D50を表面積径で除した値は1.2であった。
【0030】
住友化学工業株式会社製水酸化アルミニウム粉末(商品名AKP−DA)を空気中で800℃で焼成した粉末に、BET比表面積が13.0m2/gの住友化学工業株式会社製α−アルミナ粉末(商品名AKP−53)を1.25重量%添加して混合原料とし、該混合原料を塩化水素100%雰囲気中1000℃で1時間焼成し、α相のアルミナ粉末を得た。該アルミナ粉末は実質的に破面を有しない、8〜20面を有する多面体粒子よりなり、SEM写真より測定した一次粒子径は0.4μmであった。粒度分布を測定した結果、D50が0.42μm、D10が0.27μmであり、D50/D10は1.6であった。BET比表面積は3.9m/gであったので、比表面積径は0.38μmとなり、D50を表面積径で除した値は1.1であった。
【0031】
上記D50が18μmのアルミナ粉末と、上記D50が1.8μmのアルミナ粉末と、上記D50が0.42μmのアルミナ粉末を、重量比で74:14:12の割合で混合した。
【0032】
混合粉末をフィラーとして樹脂に添加した。樹脂は住友化学工業株式会社製エポキシ樹脂(商品名ELA−128)を使用し、重合開始剤として2−エチル−4−メチルイミダゾールをELA−128が100部に対して3重量部添加し、該混合粉末を75体積%となるように添加してアルミナ製3本ロールにより混練および混合を行った。体積%は、アルミナの密度を4.0g/cm、エポキシ樹脂の密度を1.2g/cmとして重量から計算した。該混合物をトランスファー成形により板状に成形し、180℃で5時間加熱して硬化させ、複合体を作製した。得られた複合体の室温(20℃)における熱伝導度をレーザーフラッシュ法により測定した結果、9.5W/mKであった。
【0033】
参考例2
参考例1で作製した、D50が18μmのアルミナ粉末と、D50が1.8μmのアルミナ粉末と、D50が0.42μmのアルミナ粉末を、重量比(=体積比)で57:31:12の割合で混合した。
【0034】
混合粉末をフィラーとして、重合開始剤添加量を1.5重量部、該混合粉末の添加量を80体積%とした以外は参考例1と同様にして樹脂に添加した。該混合物をトランスファー成形により板状に成形し、180℃で2時間に加熱して硬化させ、複合体を作製した。得られた複合体の室温(21℃)における熱伝導度をレーザーフラッシュ法により測定した結果、10.4W/mKであった。
【0035】
実施例3
参考例1で作製した、D50が18μmのアルミナ粉末と、D50が1.8μmのアルミナ粉末と、D50が0.42μmのアルミナ粉末を、重量比(=体積比)で57:29:15の割合で混合した。
【0036】
混合粉末をフィラーとして、重合開始剤添加量を1.5重量部、該混合粉末の添加量を83体積%とした以外は参考例1と同様にして樹脂に添加した。該混合物をトランスファー成形により板状に成形し、180℃で2時間に加熱して硬化させ、複合体を作製した。得られた複合体の室温(20℃)における熱伝導度をレーザーフラッシュ法により測定した結果、12.6W/mKであった。
【0037】
参考例4
参考例1で作製した、D50が18μmのアルミナ粉末と、D50が1.8μmのアルミナ粉末と、住友化学工業株式会社製α−アルミナ粉末(商品名AKP−30)でD50が0.28μm、BET比表面積が6.9m2/g(BET比表面積より算出される粒径は0.22μm)、アスペクト比が1.3のアルミナ粉末を、重量比(=体積比)で70:20:10の割合で混合した。
混合粉末をフィラーとして、重合開始剤添加量を1.5重量部、該混合粉末の添加量を81体積%とした以外は実施例1と同様にして樹脂に添加した。該混合物をトランスファー成形により板状に成形し、180℃で2時間に加熱して硬化させ、複合体を作製した。得られた複合体の室温(20℃)における熱伝導度をレーザーフラッシュ法により測定した結果、10.8W/mKであった。
【0038】
参考例5
参考例1で作製した、D50が18μmのアルミナ粉末と、D50が1.8μmのアルミナ粉末と、住友化学工業株式会社製γ−アルミナ粉末(商品名AKP−G15)でD50が0.1μm、BET比表面積が110m2/g(BET比表面積より算出される粒径は0.01μm)、アスペクト比が1のアルミナ粉末を、重量比(=体積比)で65:25:10の割合で混合した。
混合粉末をフィラーとして、重合開始剤添加量を1.5重量部、該混合粉末の添加量を76体積%とした以外は実施例1と同様にして樹脂に添加した。該混合物をトランスファー成形により板状に成形し、180℃で2時間に加熱して硬化させ、複合体を作製した。得られた複合体の室温(20℃)における熱伝導度をレーザーフラッシュ法により測定した結果、9.5W/mKであった。
【0039】
比較例1
フジミインコーポレーテッド製電融アルミナWA#800とWA#6000を混合し樹脂に添加した。WA#800は破砕面を有する不定形粒子よりなるαーアルミナ粉末であり、D50が15μm、D10が11μm、D90が17μmであり、D50/D10は1.4であった。BET比表面積は0.2m/gであったので、BET比表面積径は7.5μmとなり、D50を比表面積径で除した値は2.0であった。WA#6000は破砕面を有する不定形粒子よりなるαーアルミナ粉末であり、D50が1.8μm、D10が1.1μmであり、D50/D10は1.6であった。WA#6000のBET比表面積は3.7m/gであったので、比表面積径は0.41μmとなり、D50を比表面積径で除した値は4.4であった。
【0040】
WA#800とWA#6000を重量比で80:20の割合で混合し、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂にフィラーとして添加したが、総アルミナ添加量を70体積%とした場合はエポキシ樹脂とアルミナ粉末の混合物は流動せずトランスファー成形できなかった。そこでプレス成形し、180℃で5時間加熱硬化させたが、成形体内部にボイドが発生し、比重より計算される密度の78%までしか密度が上がらず、実質的に成形体を作製できなかった。総アルミナ添加量を60体積%として実施例1と同様にしてトランスファー成形により複合体を作製した。得られた複合体の室温(21℃)における熱伝導度をレーザーフラッシュ法により測定した結果、1.6W/mKであった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の樹脂あるいはゴム組成物は、高い熱伝導性を有し成形性に優れた電気絶縁性の材料であり、熱伝導性封止材、熱伝導性接着材、放熱シートとして好適に使用できる。

Claims (13)

  1. 重量累積粒度分布の微粒側からの累積10%、累積50%の粒径をそれぞれD10、D50とし、成分AとしてD50が2μm以上100μm以下で、D50/D10が1以上3以下の粒子よりなる実質的に破面を有しないα−アルミナ粉末、成分Bとして、D50が1μm以上10μm以下、D50をBET比表面積より算出した粒径で除した値が1以上3以下で、かつ成分AのD50に対して1/10以上1/2以下のD50の粒子よりなる実質的に破面を有しないα−アルミナ粉末、成分Cとして、D50が0.01μm以上5μm以下、かつ成分BのD50に対して1/100以上1/2以下のD50の粒子よりなる実質的に破面を有しないα−アルミナ粉末、であるとき、成分Aと成分Bと成分Cの合計体積に占める各A、B、C成分の割合が、50体積%以上90体積%以下、15体積%以上30体積%以下、1体積%以上30体積%以下(ここで、成分AからCの合計の体積%は100体積%である。)、である成分A、B、Cを含むことを特徴とする成形用樹脂組成物であって、組成物における成分A、B、Cのアルミナ粉末の合計体積割合が60〜95体積%である成形用樹脂組成物
  2. 重量累積粒度分布の微粒側からの累積10%、累積50%の粒径をそれぞれD10、D50とし、成分AとしてD50が2μm以上100μm以下で、D50/D10が1以上3以下の粒子よりなる実質的に破面を有しないα−アルミナ粉末、成分Bとして、D50が1μm以上10μm以下、D50をBET比表面積より算出した粒径で除した値が1以上3以下で、かつ成分AのD50に対して1/10以上1/2以下のD50の粒子よりなる実質的に破面を有しないα−アルミナ粉末、成分Cとして、D50が0.01μm以上5μm以下、かつ成分BのD50に対して1/100以上1/2以下のD50の粒子よりなる実質的に破面を有しないα−アルミナ粉末、であるとき、成分Aと成分Bと成分Cの合計体積に占める各A、B、C成分の割合が、50体積%以上90体積%以下、15体積%以上30体積%以下、1体積%以上30体積%以下(ここで、成分AからCの合計の体積%は100体積%である。)、である成分A、B、Cを含むことを特徴とする成形用ゴム組成物であって、組成物における成分A、B、Cのアルミナ粉末の合計体積割合が60〜95体積%である成形用ゴム組成物
  3. 成分AのD50/D10が1以上2以下、成分BのD50をBET比表面積より算出した粒径で除した値が1以上2以下である請求項1記載の組成物。
  4. 成分CのD50をBET比表面積より算出した粒径で除した値が1以上2以下である請求項1記載の組成物。
  5. 成分AのD50が5μm以上50μm以下である請求項1記載の組成物。
  6. 成分AのD50が10μm以上30μm以下である請求項1記載の組成物。
  7. 成分CのD50が0.3μm以上1μm未満である請求項1記載の組成物。
  8. 全体積に占める成分A、B、Cの合計体積が60体積%以上95体積%以下である請求項1記載の組成物。
  9. 全体積に占める成分A、B、Cの合計体積が70体積%以上95体積%以下である請求項1記載の組成物。
  10. 樹脂がエポキシ樹脂である請求項1記載の成形用樹脂組成物。
  11. 樹脂がイミド樹脂である請求項1記載の成形用樹脂組成物。
  12. 熱伝導率が5W/mK以上である請求項1記載の成形用組成物を成形した成形体。
  13. 熱伝導率が9W/mK以上である請求項1記載の成形用組成物を成形した成形体。
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