JP7292941B2 - 窒化アルミニウム複合フィラー - Google Patents
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すなわち本発明にかかる複合フィラーは、少なくとも2面の平坦面を有する面構造を備えた多面体粒子であり、粒度分布曲線における累積50%値(D50)が20μm~200μmの窒化アルミニウム粉末と、平均直径(D)が0.1~1.0μmであり、平均長さ(L)が10~80μmの範囲にある窒化アルミニウムウィスカーとを含む。
複合フィラー中の、前記窒化アルミニウム粉末と、窒化アルミニウムウィスカーとの合計体積を100体積%としたときに、窒化アルミニウム粉末を80~90体積%、窒化アルミニウムウィスカーを20~10体積%の比率で含むことが好ましい。
このような複合フィラーは、揮発性溶媒中に、窒化アルミニウム粉末と、窒化アルミニウムウィスカーを分散させたのち、噴霧乾燥することで製造することができる。
本発明の樹脂組成物は、前記複合フィラーと樹脂成分と、樹脂組成物の体積に対して、前記複合フィラーを5~80体積%で含む。
窒化アルミニウム粉末は、少なくとも2面の平坦面を有する面構造を備えた多面体粒子であり、粒度分布曲線における累積50%値(D50)が20μm~200μm、好ましくは30μm~100μmの範囲にある。
尚、上記面積比は、前記SEM写真で観察される状態を画像解析により算出した値である。
窒化アルミニウムウィスカーは、平均直径(D)が0.1~1.0μm、好ましくは0.2~0.9μmであり、平均長さ(L)が10~80μm、好ましくは15~75μmの範囲にある。
また、(L/D)は、10~800、好ましくは100~700である。
窒化アルミニウムウィスカーは、樹脂内で絡み合って構成される。ウィスカー同士が焼結したり融合して一体化しているものではなく、通常、ウィスカーは独立して存在しているが、一部が融合していたり焼結したりするものを除外するものではない。
本発明にかかる複合フィラーは、前記窒化アルミニウム粉末と、窒化アルミニウムウィスカーとを含む。
各成分比はその効果を発揮できれば限定されないが、前記複合フィラー中の、前記窒化アルミニウム粉末と、窒化アルミニウムウィスカーとの合計体積を100体積%としたときに、窒化アルミニウム粉末を80~90体積%、窒化アルミニウムウィスカーを20~10体積%の比率で含むことが好ましい。尚、前記窒化アルミニウム粉末及びウィスカーの割合は、対象とするフィラーの任意の箇所よりサンプリングした試料のSEM写真の視野範囲における面積割合(%)を体積%として示した値である。
複合フィラーは、所望の形状に賦形してもよく、例えば顆粒状であっても、シート形状であってもいずれでもよい。
本発明にかかる複合フィラーの製造方法は特に制限されず、窒化アルミニウムウィスカーと窒化アルミニウム粉末を公知の方法で混合すれば製造することが可能である。
たとえば、乾燥状態で、双方をブレンドすることで製造することが可能である。
さらに窒化アルミニウムウィスカーと窒化アルミニウム粉末を必要に応じてバインダーなどの存在下に混合し、混合物を、非せん断条件あるいは弱いせん断条件下に押出成形したのち、成形物を所定の形状に、加工することで製造することができる。なお強いせん断条件で押出成形すると、ウィスカーが切れたり、繊維と粒子の接触効率が低くなることがある。
いずれの製造方法でも分散媒としては、揮発性であれば特に制限されず、水、アセトン、アルコール、トルエン、エタノールなどを使用可能である。
本発明にかかる樹脂組成物は、上記複合フィラーとともに、樹脂成分とを含む。
樹脂成分はエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファルド等の熱可塑性樹脂、アクリル樹脂またシリコーンゴム、EPR、SBR等のゴム類、シリコーンオイル等が挙げられる。
以上のような本発明にかかる複合フィラーは、優れた熱伝導性の付与を可能とした窒化アルミニウムからなる新たな材料を提供することが可能である。
・アルミナ粉末
α-アルミナ:D50 3.518μm
・カーボン粉末
カーボン粉末B:平均粒径 20nm、DBP吸収量 115cm3/100g、含有
硫黄量 3000ppm
・硫黄成分
硫黄粉末:純度 98%以上
窒化アルミニウム粉末に焼結助剤として酸化イットリウム、有機結合剤及び溶媒を添加混合しスラリーを作製後、スプレードライヤーで得られた約30μm球状造粒粉を得た。球状造粒粉を100℃で乾燥後、500℃の酸素雰囲気下で有機結合剤を燃焼除去したのち、1750℃で焼結し、焼結顆粒よりなる窒化アルミニウム粉末を製造した。
平均直径0.5μm、平均長さ60μmからなる窒化アルミニウム繊維;15体積%、製造例1の多面体窒化アルミニウム粒子を含む窒化アルミニウム粉末;85体積%混合物からなる窒化アルミニウム複合フィラーを用意した。
実施例1において、複合フィラーを、充填率が70体積%となるように基体樹脂と混合した以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を作製した。
得られた樹脂組成物の熱伝導率は8.1W/mKであった。
多面体窒化アルミニウム粒子の代わりに、製造例2の球状窒化アルミニウム粒子を使用した以外は、同様にして複合フィラーを調製した。複合フィラーと、エポキシ樹脂とを、複合フィラーの充填率が60体積%となるように実施例1と同様に混合して樹脂組成物を作製した。
得られた樹脂組成物の熱伝導率は6.5W/mKであった。
比較例1において、複合フィラーを、充填率が70体積%となるように基体樹脂と混合した以外は比較例1と同様にして、樹脂組成物を作製した。
得られた樹脂組成物の熱伝導率は7.3W/mKであった。
Claims (3)
- 少なくとも2面の平坦面を有する面構造を備えた多面体粒子であり、粒度分布曲線における累積50%値(D50)が20μm~200μmの窒化アルミニウム粉末と、
平均直径(D)が0.1~1.0μmであり、平均長さ(L)が10~80μmの範囲にある窒化アルミニウムウィスカーとを含み、
複合フィラー中の、前記窒化アルミニウム粉末と、窒化アルミニウムウィスカーとの合計体積を100体積%としたときに、窒化アルミニウム粉末を80~90体積%、窒化アルミニウムウィスカーを20~10体積%(ただし、窒化アルミニウムウィスカーが20体積%は除く)の比率で含む複合フィラー。 - 揮発性溶媒中に、窒化アルミニウム粉末と、窒化アルミニウムウィスカーを分散させたのち、噴霧乾燥することを特徴とする請求項1に記載に複合フィラーの製造方法。
- 請求項1に記載の複合フィラーと樹脂成分とを含み、組成物の体積に対し、前記複合フィラーを5~80体積%で含むことを特徴とする樹脂組成物。
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