JP2015167181A - 放熱シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い放熱性能が要求されるパワーデバイス用の放熱シートを工業的に量産するのに適した、放熱シートの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】窒化ホウ素フィラー及び樹脂を少なくとも含む樹脂組成物を、ダブルベルトプレス機により成形する成形ステップを含む、放熱シートの製造方法により課題を解決する。
【選択図】図1
【解決手段】窒化ホウ素フィラー及び樹脂を少なくとも含む樹脂組成物を、ダブルベルトプレス機により成形する成形ステップを含む、放熱シートの製造方法により課題を解決する。
【選択図】図1
Description
本発明は、放熱シートの製造方法に関する。特に、パワーデバイスに適した放熱シートの製造方法に関する。
近年、鉄道、自動車、一般家電などの様々な分野で使用されているパワー半導体デバイスは、更なる小型・低コスト・高効率化などのために、従来のSiパワー半導体からSiC、AlN、GaNなどを使用したパワー半導体へ移行しつつある。
パワー半導体デバイスは、一般的には、複数の半導体デバイスを共通のヒートシンク上に配してパッケージングしたパワー半導体モジュールとして利用される。
パワー半導体デバイスは、一般的には、複数の半導体デバイスを共通のヒートシンク上に配してパッケージングしたパワー半導体モジュールとして利用される。
このようなパワー半導体デバイスの実用化に向けて、種々の課題が指摘されているが、その内の一つにデバイスから発する熱の放熱問題がある。この問題は、一般的に、高温で作動させることにより高出力・高密度化が可能なパワー半導体デバイスの信頼性に影響を与える。デバイスのスイッチングに伴う発熱などは、信頼性を低下させることが懸念されている。
近年、特に電気・電子分野では集積回路の高密度化に伴う発熱が大きな問題となっており、いかに熱を放熱するかが緊急の課題となっている。
この課題を解決するため、組成物の樹脂成分を構成する熱硬化性樹脂として、高熱伝導性のエポキシ樹脂を使用したり、このような高熱伝導性樹脂と高熱伝導性無機フィラーとを複合化したりすることで、組成物を高熱伝導化することが行われている。例えば、特許文献1には、球状の窒化ホウ素凝集体をフィラーとして配合した組成物が記載されている。
また、その他窒化ホウ素をフィラーとして樹脂組成物中に配合する技術は、特許文献2、3などが知られている。
また、その他窒化ホウ素をフィラーとして樹脂組成物中に配合する技術は、特許文献2、3などが知られている。
一方で、金属箔と樹脂をラミネート成形する際にダブルベルトプレスを用いる技術が知られており(特許文献4、5参照)、また、ダブルベルトプレスはEVA樹脂シートの製造の際にも使用が検討されている(特許文献6参照)。
上記特許文献1〜3においては、窒化ホウ素フィラーを含有する樹脂組成物を、ホットプレスなどにより成形している。しかしながら、これらの樹脂組成物を工業的に量産する際の検討は何ら行われていない。
本発明者らの検討では、高い放熱性能が要求されるパワーデバイス用の放熱シートでは
、樹脂組成物中に多量の窒化ホウ素フィラーを含有する必要があるため、成形体に靱性がなく割れやすいなど成形に困難性を有することに想到した。
本発明は、高い放熱性能が要求されるパワーデバイス用の放熱シートを工業的に量産するのに適した、放熱シートの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らの検討では、高い放熱性能が要求されるパワーデバイス用の放熱シートでは
、樹脂組成物中に多量の窒化ホウ素フィラーを含有する必要があるため、成形体に靱性がなく割れやすいなど成形に困難性を有することに想到した。
本発明は、高い放熱性能が要求されるパワーデバイス用の放熱シートを工業的に量産するのに適した、放熱シートの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、通常ラミネートで用いられているダブルベルトプレス機を用いて放熱シートを成形することで、圧力と温度を樹脂のレオロジー特性によって変化させることによって、大量の窒化ホウ素フィラーを含有する樹脂組成物であっても、クラックや割れの問題を改善し、効率良く放熱シートを成形できることを見出し、本発明を完成させた。つまり、樹脂の粘度は温度を上げることにより低下するが、硬化温度を越えると粘度上昇に転じる。樹脂の粘度が低い状態で加圧し、隙間や空間がなくなった状態で、硬化温度以上の温度とし樹脂を硬化させることで、解圧後もスプリングバックによるクラックなどの空隙発生を抑えることができる。さらに、解圧を徐冷しながら行うことにより、ヒートショックによるクラック発生を抑えることができる。ダブルベルトプレス機以外では、このような連続プレスプロセスを十分なタクトタイムで実施することができなかった。
すなわち本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]窒化ホウ素フィラー及び樹脂を少なくとも含む樹脂組成物を、ダブルベルトプレス機により成形する成形ステップを含む、放熱シートの製造方法。
[2]前記成形ステップは、加熱冷却を連続して行う、[1]に記載の放熱シートの製造方法。
[3]前記樹脂組成物は、窒化ホウ素フィラーの含有量が50重量%以上である、[1]または[2]に記載の放熱シートの製造方法。
[4]前記窒化ホウ素フィラーは、窒化ホウ素一次粒子が凝集してなる凝集体である、[1]〜[3]のいずれかに記載の放熱シートの製造方法。
[5]前記窒化ホウ素凝集体が球状である、[4]に記載の放熱シートの製造方法。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法により得られた放熱シート。
[7]パワーデバイス用である[6]に記載の放熱シート。
[8][7]に記載の放熱シートを用いたパワーデバイス。
[1]窒化ホウ素フィラー及び樹脂を少なくとも含む樹脂組成物を、ダブルベルトプレス機により成形する成形ステップを含む、放熱シートの製造方法。
[2]前記成形ステップは、加熱冷却を連続して行う、[1]に記載の放熱シートの製造方法。
[3]前記樹脂組成物は、窒化ホウ素フィラーの含有量が50重量%以上である、[1]または[2]に記載の放熱シートの製造方法。
[4]前記窒化ホウ素フィラーは、窒化ホウ素一次粒子が凝集してなる凝集体である、[1]〜[3]のいずれかに記載の放熱シートの製造方法。
[5]前記窒化ホウ素凝集体が球状である、[4]に記載の放熱シートの製造方法。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法により得られた放熱シート。
[7]パワーデバイス用である[6]に記載の放熱シート。
[8][7]に記載の放熱シートを用いたパワーデバイス。
本発明により、大量の窒化ホウ素フィラーを含有する放熱シートであっても、クラックや割れの問題が改善され、かつ、効率良く放熱シートを成形できる方法を提供することができる。
以下、本発明を詳しく説明するが、本発明は以下の説明に限定して解釈されるものではなく、その要旨の範囲内で任意に実施することが可能である。
本発明の製造方法では、放熱シートを製造し、特に好ましくはパワーデバイス用放熱シートを製造する。パワーデバイス用放熱シートとしては、通常厚み方向に1W/mK以上の熱伝導率を有し、好ましくは5W/mK以上、より好ましくは15W/mK以上である。一方上限は特に限定されないが、通常250W/mK以下である。
また、通常長手方向に5W/mK以上の熱伝導率を有し、好ましくは10W/mK以上
、より好ましくは20W/mK以上、特に好ましくは40W/mK以上である。一方上限は特に限定されないが、通常400W/mK以下である。
パワーデバイスでは、多くの熱が発生することから、上記下限以上の熱伝導率を有する放熱シートであることが好ましい。
また、通常長手方向に5W/mK以上の熱伝導率を有し、好ましくは10W/mK以上
、より好ましくは20W/mK以上、特に好ましくは40W/mK以上である。一方上限は特に限定されないが、通常400W/mK以下である。
パワーデバイスでは、多くの熱が発生することから、上記下限以上の熱伝導率を有する放熱シートであることが好ましい。
本発明で製造される高い熱伝導性を有する放熱シートは、窒化ホウ素フィラー及びマトリクス樹脂を少なくとも含む。
放熱シートに含まれる窒化ホウ素フィラーの種類は特段限定されず、既知の窒化ホウ素フィラーを用いることができるが、パワーデバイス用途であるため、熱伝導率の高い窒化ホウ素フィラーを用いることが好ましい。この場合、窒化ホウ素は1次粒子が集合して形成している凝集粒子が好ましい。窒化ホウ素凝集粒子の体積基準の平均粒子径(D50)は、通常1μm〜200μm、好ましくは、2μm〜150μm、さらに好ましくは3μm〜100μm、特に好ましくは、5μm〜70μmである。この下限以下であると望ましい熱伝導率が出せず、この上限以上だと、空隙が大きくなる恐れがある。
なお、D50の測定方法は、分散安定剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを含有する純水媒体中にBN凝集粒子を分散させた試料に対して、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置などを用いて測定することができる。
放熱シートに含まれる窒化ホウ素フィラーの種類は特段限定されず、既知の窒化ホウ素フィラーを用いることができるが、パワーデバイス用途であるため、熱伝導率の高い窒化ホウ素フィラーを用いることが好ましい。この場合、窒化ホウ素は1次粒子が集合して形成している凝集粒子が好ましい。窒化ホウ素凝集粒子の体積基準の平均粒子径(D50)は、通常1μm〜200μm、好ましくは、2μm〜150μm、さらに好ましくは3μm〜100μm、特に好ましくは、5μm〜70μmである。この下限以下であると望ましい熱伝導率が出せず、この上限以上だと、空隙が大きくなる恐れがある。
なお、D50の測定方法は、分散安定剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを含有する純水媒体中にBN凝集粒子を分散させた試料に対して、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置などを用いて測定することができる。
窒化ホウ素凝集粒子の形状に制限はないが、望ましくは球形である。さらに好ましい形態の窒化ホウ素凝集粒子は、凝集粒子の中心側から表面側へ向けて放射状に成長したウニ様の外観を形成している窒化ホウ素凝集粒子である。このウニ様の外観であると、熱の伝わり方が等方であるばかりでなく、圧壊強度が強くなり、好ましい。このウニ様の外観とは、後述するように、窒化ホウ素凝集粒子のXRD測定において、001軸と004軸の強度比が、3以上のものを選ぶことが好ましい。
窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子の結晶構造は特に制限はないが、例えば、立方晶系、斜方晶系、六方晶系、が挙げられるが、合成の容易さと熱伝導性の点で六方晶系のh−BNを主成分として含むものが好ましい。
また、バインダーとしてh−BN以外の無機成分が含まれる場合、熱処理の過程でそれらが結晶化するが、六方晶系のh−BNが主成分として含まれていればよい。
熱伝導率の高い窒化ホウ素フィラーとしては、例えば以下の性質を有する窒化ホウ素凝集粒子が挙げられる。
窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子の結晶構造は特に制限はないが、例えば、立方晶系、斜方晶系、六方晶系、が挙げられるが、合成の容易さと熱伝導性の点で六方晶系のh−BNを主成分として含むものが好ましい。
また、バインダーとしてh−BN以外の無機成分が含まれる場合、熱処理の過程でそれらが結晶化するが、六方晶系のh−BNが主成分として含まれていればよい。
熱伝導率の高い窒化ホウ素フィラーとしては、例えば以下の性質を有する窒化ホウ素凝集粒子が挙げられる。
<凝集粒子の形状>
本発明のBN凝集粒子(BN凝集粒子)の形態は、特に制限はないが、好ましくは下記図に示すような球状の形態が特徴であり、また、BN凝集粒子の形態は走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。具体的なBN凝集粒子の表現方法としては、BN凝集粒子表面がBN一次粒子の結晶が凝集粒子の中心側から表面側へ向けて放射状に成長しているウニ様の形態、一次粒子が小板でありそれらが焼結凝集しているウニ様の球状の形態等にて表現することもできる。「球状」とは、アスペクト比(長径と短径の比)が1以上2以下、好ましくは1以上1.5以下であることをさす。ただし、一次粒子の形状が球状であることが好ましいというものではない。本発明のBN凝集粒子のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影された画像から200個以上の粒子を任意に選択し、それぞれの長径と短径の比を求めて平均値を算出することにより決定する。
この形態を物性にて表現すると、例えば粉末X線回折測定による(002)面ピークから求めた平均結晶子径が375Å以上、かつBN凝集粒子の体積基準の平均粒子(D50)が26μm以上200μm以下であること特徴とするBN凝集粒子と表現することもできる。
また、このような凝集粒子を本製造方法に適用することで、ベルトプレス工程で凝集粒子が破壊されず、さらに高充填することができ、高い放熱性能を持った放熱シートの製造が可能になるという利点がある。
本発明のBN凝集粒子(BN凝集粒子)の形態は、特に制限はないが、好ましくは下記図に示すような球状の形態が特徴であり、また、BN凝集粒子の形態は走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。具体的なBN凝集粒子の表現方法としては、BN凝集粒子表面がBN一次粒子の結晶が凝集粒子の中心側から表面側へ向けて放射状に成長しているウニ様の形態、一次粒子が小板でありそれらが焼結凝集しているウニ様の球状の形態等にて表現することもできる。「球状」とは、アスペクト比(長径と短径の比)が1以上2以下、好ましくは1以上1.5以下であることをさす。ただし、一次粒子の形状が球状であることが好ましいというものではない。本発明のBN凝集粒子のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影された画像から200個以上の粒子を任意に選択し、それぞれの長径と短径の比を求めて平均値を算出することにより決定する。
この形態を物性にて表現すると、例えば粉末X線回折測定による(002)面ピークから求めた平均結晶子径が375Å以上、かつBN凝集粒子の体積基準の平均粒子(D50)が26μm以上200μm以下であること特徴とするBN凝集粒子と表現することもできる。
また、このような凝集粒子を本製造方法に適用することで、ベルトプレス工程で凝集粒子が破壊されず、さらに高充填することができ、高い放熱性能を持った放熱シートの製造が可能になるという利点がある。
<凝集粒子の平均結晶子径>
窒化ホウ素凝集粒子の粉末X線回折測定による(002)面ピークから求めた平均結晶子径は、375Å以上であり、好ましくは380Å以上、より好ましくは390Å以上、更に好ましくは400Å以上であり、通常5000Å以下、好ましくは2000Å以下、更に好ましくは1000Å以下である。上記上限より大きいと、凝集粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子が成長しすぎるため、凝集粒子内の間隙が多くなるため成形体とした際の成形性が悪化するとともに、間隙が多くなることにより熱伝導性が向上しなくなる傾向があり、上記下限未満だと、凝集粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子内の粒界が増えるため、フォノン散乱が結晶粒界で発生し、低熱伝導になる傾向がある。
なお、ここで、「平均結晶子径」とは、粉末X線回折測定によって得られる(002)面ピークからScherrer式にて求められる結晶子径をさす。なお、測定に供する試料は、窒化ホウ素凝集粒子粉体でもよいし、窒化ホウ素凝集粒子が含有した成形体でもよい。
窒化ホウ素凝集粒子の平均結晶子径は、粉末X線回折測定により確認することができる。
窒化ホウ素凝集粒子の粉末X線回折測定による(002)面ピークから求めた平均結晶子径は、375Å以上であり、好ましくは380Å以上、より好ましくは390Å以上、更に好ましくは400Å以上であり、通常5000Å以下、好ましくは2000Å以下、更に好ましくは1000Å以下である。上記上限より大きいと、凝集粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子が成長しすぎるため、凝集粒子内の間隙が多くなるため成形体とした際の成形性が悪化するとともに、間隙が多くなることにより熱伝導性が向上しなくなる傾向があり、上記下限未満だと、凝集粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子内の粒界が増えるため、フォノン散乱が結晶粒界で発生し、低熱伝導になる傾向がある。
なお、ここで、「平均結晶子径」とは、粉末X線回折測定によって得られる(002)面ピークからScherrer式にて求められる結晶子径をさす。なお、測定に供する試料は、窒化ホウ素凝集粒子粉体でもよいし、窒化ホウ素凝集粒子が含有した成形体でもよい。
窒化ホウ素凝集粒子の平均結晶子径は、粉末X線回折測定により確認することができる。
<凝集粒子のピーク強度比>
窒化ホウ素凝集粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比は、通常3.0以上、好ましくは3.2以上、より好ましくは3.4以上、更に好ましくは3.5以上であり、通常10以下、好ましくは8以下、更に好ましくは7以下である。上記上限より大きいと、成形体とした際に粒子が崩壊しやすくなる傾向があり、上記下限未満だと、厚み方向の熱伝導性が向上しない傾向がある。
なお、ピーク強度比は粉末X線回折測定により測定された該当するピーク強度の強度比から計算することができる。なお、測定に供する試料は、窒化ホウ素凝集粒子粉体でもよいし、窒化ホウ素凝集粒子が含有した成形体でもよい。
窒化ホウ素凝集粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比は、通常3.0以上、好ましくは3.2以上、より好ましくは3.4以上、更に好ましくは3.5以上であり、通常10以下、好ましくは8以下、更に好ましくは7以下である。上記上限より大きいと、成形体とした際に粒子が崩壊しやすくなる傾向があり、上記下限未満だと、厚み方向の熱伝導性が向上しない傾向がある。
なお、ピーク強度比は粉末X線回折測定により測定された該当するピーク強度の強度比から計算することができる。なお、測定に供する試料は、窒化ホウ素凝集粒子粉体でもよいし、窒化ホウ素凝集粒子が含有した成形体でもよい。
<破壊強度>
窒化ホウ素凝集粒子の破壊強度は、通常2.5MPa以上、好ましくは3.0MPa以上、より好ましくは3.5MPa以上、更に好ましくは4.0MPa以上であり、通常20MPa以下、好ましくは15MPa以下、更に好ましくは10MPa以下である。上記上限より大きいと、粒子の強度が強すぎるため、成形体とした際に表面平滑性が失われ、熱伝導性が低下する傾向があり、上記下限未満だと、成形体を作製する際の圧力で粒子が変形しやすくなり、熱伝導性が向上しない傾向がある。
なお、破壊強度は、粒子1粒をJIS R 1639−5に従って圧縮試験し、下記式
により算出できる。通常、粒子は5点以上測定し、その平均値を採用する。
式:Cs=2.48P/πd2
Cs:破壊強度(MPa)
P:破壊試験力(N)
d:粒子径(mm)
ただし、粒子が変形したりして破壊強度が算出できず、10%強度で表す場合があるが、この場合は破壊強度という概念を適用しない。
窒化ホウ素凝集粒子の破壊強度は、通常2.5MPa以上、好ましくは3.0MPa以上、より好ましくは3.5MPa以上、更に好ましくは4.0MPa以上であり、通常20MPa以下、好ましくは15MPa以下、更に好ましくは10MPa以下である。上記上限より大きいと、粒子の強度が強すぎるため、成形体とした際に表面平滑性が失われ、熱伝導性が低下する傾向があり、上記下限未満だと、成形体を作製する際の圧力で粒子が変形しやすくなり、熱伝導性が向上しない傾向がある。
なお、破壊強度は、粒子1粒をJIS R 1639−5に従って圧縮試験し、下記式
により算出できる。通常、粒子は5点以上測定し、その平均値を採用する。
式:Cs=2.48P/πd2
Cs:破壊強度(MPa)
P:破壊試験力(N)
d:粒子径(mm)
ただし、粒子が変形したりして破壊強度が算出できず、10%強度で表す場合があるが、この場合は破壊強度という概念を適用しない。
<全細孔容積>
窒化ホウ素凝集粒子の全細孔容積は、通常2.2cm3/g以下である。全細孔容積が
小さいものは、窒化ホウ素凝集粒子内が密になっているために、熱伝導を阻害する境界面を少なくすることが可能となり、より熱伝導性の高い窒化ホウ素凝集粒子となる。窒化ホウ素凝集粒子の全細孔容積が2.2cm3/gよりも大きいと、組成物中のフィラーとし
て用いた場合に、細孔に樹脂が取り込まれ、見かけの粘度が上昇して、組成物の成形加工或いは塗布液の塗工が困難となる。
窒化ホウ素凝集粒子の全細孔容積の下限値は特に制限はないが、通常0.01cm3/
gである。本発明の全細孔容積は、好ましくは0.01cm3/g以上2cm3/g以下、より好ましくは0.02cm3/g以上1.5cm3/g以下である。
窒化ホウ素凝集粒子の全細孔容積は、通常2.2cm3/g以下である。全細孔容積が
小さいものは、窒化ホウ素凝集粒子内が密になっているために、熱伝導を阻害する境界面を少なくすることが可能となり、より熱伝導性の高い窒化ホウ素凝集粒子となる。窒化ホウ素凝集粒子の全細孔容積が2.2cm3/gよりも大きいと、組成物中のフィラーとし
て用いた場合に、細孔に樹脂が取り込まれ、見かけの粘度が上昇して、組成物の成形加工或いは塗布液の塗工が困難となる。
窒化ホウ素凝集粒子の全細孔容積の下限値は特に制限はないが、通常0.01cm3/
gである。本発明の全細孔容積は、好ましくは0.01cm3/g以上2cm3/g以下、より好ましくは0.02cm3/g以上1.5cm3/g以下である。
<比表面積>
窒化ホウ素凝集粒子の比表面積は通常1m2/g以上であるが、好ましくは3m2/g以上50m2/g以下、より好ましくは5m2/g以上40m2/g以下である。
なお、窒化ホウ素凝集粒子の全細孔容積は、窒素吸着法および水銀圧入法で測定することができ、比表面積は、BET1点法(吸着ガス:窒素)で測定することができる。
窒化ホウ素凝集粒子の比表面積は通常1m2/g以上であるが、好ましくは3m2/g以上50m2/g以下、より好ましくは5m2/g以上40m2/g以下である。
なお、窒化ホウ素凝集粒子の全細孔容積は、窒素吸着法および水銀圧入法で測定することができ、比表面積は、BET1点法(吸着ガス:窒素)で測定することができる。
<バルク密度>
窒化ホウ素凝集粒子をフィラーとして用いる場合には、樹脂の取り込みを最小限とするために窒化ホウ素凝集粒子のバルク密度は大きい方が良く、通常0.3g/cm3以上で
あることが好ましく、より好ましくは0.35g/cm3以上、更に好ましくは0.4g
/cm3以上である。窒化ホウ素凝集粒子のバルク密度が0.3g/cm3未満の場合、見かけの体積が大きくなり、組成物中の樹脂(A)に対して、添加する窒化ホウ素凝集粒子の体積が多くなるとともに、樹脂の取り込みが大きくなり、また、窒化ホウ素凝集粒子の取り扱い性が著しく悪化する傾向がある。窒化ホウ素凝集粒子のバルク密度の上限については特に制限はないが、通常0.95g/cm3以下、好ましくは0.9g/cm3以下、より好ましくは0.85g/cm3以下である。窒化ホウ素凝集粒子のバルク密度が大き
すぎると組成物中で窒化ホウ素凝集粒子の分散に偏りが出来てしまい、沈降しやすくなる傾向がある。
なお、窒化ホウ素凝集粒子のバルク密度は、粉体のバルク密度を測定する通常の装置や方法を用いて求めることができる。
窒化ホウ素凝集粒子をフィラーとして用いる場合には、樹脂の取り込みを最小限とするために窒化ホウ素凝集粒子のバルク密度は大きい方が良く、通常0.3g/cm3以上で
あることが好ましく、より好ましくは0.35g/cm3以上、更に好ましくは0.4g
/cm3以上である。窒化ホウ素凝集粒子のバルク密度が0.3g/cm3未満の場合、見かけの体積が大きくなり、組成物中の樹脂(A)に対して、添加する窒化ホウ素凝集粒子の体積が多くなるとともに、樹脂の取り込みが大きくなり、また、窒化ホウ素凝集粒子の取り扱い性が著しく悪化する傾向がある。窒化ホウ素凝集粒子のバルク密度の上限については特に制限はないが、通常0.95g/cm3以下、好ましくは0.9g/cm3以下、より好ましくは0.85g/cm3以下である。窒化ホウ素凝集粒子のバルク密度が大き
すぎると組成物中で窒化ホウ素凝集粒子の分散に偏りが出来てしまい、沈降しやすくなる傾向がある。
なお、窒化ホウ素凝集粒子のバルク密度は、粉体のバルク密度を測定する通常の装置や方法を用いて求めることができる。
<一次粒子の大きさ>
窒化ホウ素凝集粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子の長軸は、通常0.5〜10μmであり、好ましくは、0.6〜5μmであり、より好ましくは、0.8〜3μmであり、更に好ましくは、1.0〜3.0μmである。
尚、長軸とは走査型電子顕微鏡(SEM)測定により得られた粒子1粒を拡大し、1粒の粒子を構成している一次粒子について、画像上で観察できる一次粒子の最大長を平均した値である。
窒化ホウ素凝集粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子の長軸は、通常0.5〜10μmであり、好ましくは、0.6〜5μmであり、より好ましくは、0.8〜3μmであり、更に好ましくは、1.0〜3.0μmである。
尚、長軸とは走査型電子顕微鏡(SEM)測定により得られた粒子1粒を拡大し、1粒の粒子を構成している一次粒子について、画像上で観察できる一次粒子の最大長を平均した値である。
本発明の製造方法で製造される放熱シートは、放熱シートの熱伝導率を向上させるため、放熱シート中に窒化ホウ素フィラーを多く含む。放熱シートに対して窒化ホウ素フィラーの含有量は、通常50wt%以上、好ましくは65wt%以上、より好ましくは75wt%以上である。また、通常95wt%以下であり、好ましくは90wt%以下である。
放熱シートに含まれるマトリクス樹脂の種類は、シートを調製できるものであれば特段限定されないが、パワーデバイス用途であるため、熱伝導率の高い樹脂を用いることが好ましい。また、ダブルベルトプレスにより成形することから、熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、高熱伝導性で、有機溶剤への溶解性も良好であることから、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、シリコーン樹脂などが好ましい。
放熱シートに対して樹脂の含有量は、通常5wt%以上、好ましくは8wt%以上、より好ましくは12wt%以上である。また、通常50wt%以下であり、好ましくは35wt%以下である。
放熱シートに対して樹脂の含有量は、通常5wt%以上、好ましくは8wt%以上、より好ましくは12wt%以上である。また、通常50wt%以下であり、好ましくは35wt%以下である。
<その他の添加剤>
窒化ホウ素凝集粒子は、必要に応じて窒化ホウ素以外の無機物質、平板状窒化ホウ素、
本発明の凝集BN粒子以外の凝集窒化ホウ素、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化マグネシウムの中から選ばれる1種以上の無機フィラーを含有してもよい。
これらの無機フィラーの含有量は、通常50wt%以下、好ましくは30wt%以下、より好ましくは20wt%以下である。また、通常0wt%以上である。
窒化ホウ素凝集粒子は、必要に応じて窒化ホウ素以外の無機物質、平板状窒化ホウ素、
本発明の凝集BN粒子以外の凝集窒化ホウ素、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化マグネシウムの中から選ばれる1種以上の無機フィラーを含有してもよい。
これらの無機フィラーの含有量は、通常50wt%以下、好ましくは30wt%以下、より好ましくは20wt%以下である。また、通常0wt%以上である。
機能性の更なる向上を目的として、本発明の効果を損なわない範囲において、各種の添加剤(その他の添加剤)を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、液晶性エポキシ樹脂等の、機能性を付与した機能性樹脂、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、繊維状窒化ホウ素等の窒化物粒子、アルミナ、繊維状アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の絶縁性金属酸化物、ダイヤモンド、フラーレン等の絶縁性炭素成分、樹脂硬化剤、樹脂硬化促進剤、粘度調整剤、分散安定剤が挙げられる。
さらに、その他の添加剤としては、基材との接着性や膜の強度を向上させるための添加成分として、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤、保存安定性向上のための紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、着色剤、分散剤、流動性改良剤、基材との密着性向上剤等が挙げられる。
本発明の製造方法は、窒化ホウ素フィラー及び樹脂を少なくとも含む樹脂組成物を、ダブルベルトプレス機により成形する成形ステップを含む。
窒化ホウ素フィラー及び樹脂を少なくとも含む樹脂組成物は、既知の方法により調製すればよく、例えば有機溶剤中に樹脂及び窒化ホウ素フィラーを混合することで、調製すればよい。
調製された樹脂組成物は、例えば塗布により塗膜を形成し、乾燥させることで溶剤を除去し、ダブルベルトプレス機に供することができる。乾燥は通常10〜150℃、好ましくは25〜100℃、より好ましくは30〜90℃の任意の温度で乾燥することができる。また乾燥時間は、通常5分〜10日間、好ましくは10分〜3日間、より好ましくは20日〜1日間の乾燥を行う。この時間が短すぎると、溶剤が残存し、ボイドが発生する傾向があり、長すぎると生産性コスト高になる傾向がある。
窒化ホウ素フィラー及び樹脂を少なくとも含む樹脂組成物は、既知の方法により調製すればよく、例えば有機溶剤中に樹脂及び窒化ホウ素フィラーを混合することで、調製すればよい。
調製された樹脂組成物は、例えば塗布により塗膜を形成し、乾燥させることで溶剤を除去し、ダブルベルトプレス機に供することができる。乾燥は通常10〜150℃、好ましくは25〜100℃、より好ましくは30〜90℃の任意の温度で乾燥することができる。また乾燥時間は、通常5分〜10日間、好ましくは10分〜3日間、より好ましくは20日〜1日間の乾燥を行う。この時間が短すぎると、溶剤が残存し、ボイドが発生する傾向があり、長すぎると生産性コスト高になる傾向がある。
溶剤を除去した樹脂組成物は、ダブルベルトプレス機に供され、プレスされることで放熱シートとなるが、本発明の製造方法に用いられる樹脂組成物は多量の窒化ホウ素フィラーを含む。そのため、プレスをする際に急激にシートを冷却するとシートにクラックが発生したり、割れてしまう場合がある。また、靱性が非常に低いため、ロールに追従させて生産することは難しい。
そこで本発明者らは、ラミネートなどに用いられていたダブルベルトプレス機を、パワーデバイス用放熱シートの成形に適用することで、クラックや割れの問題が改善され、かつ、効率良く放熱シートを成形できる方法を見出した。
以下、ダブルベルトプレス機の一実施形態を、図面を用いて説明する。
そこで本発明者らは、ラミネートなどに用いられていたダブルベルトプレス機を、パワーデバイス用放熱シートの成形に適用することで、クラックや割れの問題が改善され、かつ、効率良く放熱シートを成形できる方法を見出した。
以下、ダブルベルトプレス機の一実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は、ダブルベルトプレス機を用いた、放熱シートの製造の一態様を示す模式図である。
ダブルベルトプレス機10は、上側ベルト3a及び下側ベルト3bの間に樹脂組成物を挟み、プレスを行うことができる装置である。ダブルベルトプレス機10は、駆動ロール1及び2が駆動することで、上側ベルト3a及び下側ベルト3bを一定の速度で駆動させることができるため、樹脂組成物の連続したプレスが可能である。
図中Sから導入された樹脂組成物6は、上側ベルト3a及び下側ベルト3bによりプレスされ、図中Gにおいて放熱シート7となり、ダブルベルトプレス機から放出される。
ダブルベルトプレス機10は、上側ベルト3a及び下側ベルト3bの間に樹脂組成物を挟み、プレスを行うことができる装置である。ダブルベルトプレス機10は、駆動ロール1及び2が駆動することで、上側ベルト3a及び下側ベルト3bを一定の速度で駆動させることができるため、樹脂組成物の連続したプレスが可能である。
図中Sから導入された樹脂組成物6は、上側ベルト3a及び下側ベルト3bによりプレスされ、図中Gにおいて放熱シート7となり、ダブルベルトプレス機から放出される。
上側ベルト3a及び下側ベルト3bの内側には、複数の加圧ロール4が存在し、加圧シ
リンダ5の圧力を調節することで、上側ベルト3a及び下側ベルト3bの間のプレス圧力を調節することができる。そのため、それぞれの加圧ロールにおいて圧力を可変とすることもできる。
また、図示しないが、それぞれの加圧ロール4は温度調整機構を有している。そのため、それぞれの加圧ロールにおいて温度可変とすることができる。
特に、本発明で製造される放熱シートは、放熱シートに含まれる樹脂の流動性、硬化性を考慮した温度制御を行う必要があり、また、窒化ホウ素フィラーを多く含有する放熱シートは、急な冷却によりクラックが発生したり、割れたりするため、放熱シートの放熱性、耐電圧性の低下が生じる。ダブルベルトプレス機10を用いることで、プレスにおけるプロセス温度をコントロールすることが可能となり、クラックの発生や、割れを抑制して、連続生産が可能となる。
リンダ5の圧力を調節することで、上側ベルト3a及び下側ベルト3bの間のプレス圧力を調節することができる。そのため、それぞれの加圧ロールにおいて圧力を可変とすることもできる。
また、図示しないが、それぞれの加圧ロール4は温度調整機構を有している。そのため、それぞれの加圧ロールにおいて温度可変とすることができる。
特に、本発明で製造される放熱シートは、放熱シートに含まれる樹脂の流動性、硬化性を考慮した温度制御を行う必要があり、また、窒化ホウ素フィラーを多く含有する放熱シートは、急な冷却によりクラックが発生したり、割れたりするため、放熱シートの放熱性、耐電圧性の低下が生じる。ダブルベルトプレス機10を用いることで、プレスにおけるプロセス温度をコントロールすることが可能となり、クラックの発生や、割れを抑制して、連続生産が可能となる。
駆動ロール1及び2の間に存在する加圧ロールの数は、通常5以上、30以下であることが好ましく、細やかな温度コントロールの観点からは、10以上、30以下であることがより好ましい。
ダブルベルトプレス機10において、上側ベルト3a及び下側ベルト3bによる加圧は、通常10kgf/cm2以上、好ましくは50kgf/cm2以上、より好ましくは100kgf/cm2以上、更に好ましくは300kgf/cm2以上、特に好ましくは500kgf/cm2以上である。また、通常2500kgf/cm2以下、好ましくは2000kgf/cm2以下、より好ましくは1500kgf/cm2以下である。加圧を上記上限以下とすることにより、窒化ホウ素フィラーが破壊されることなく、シート中に空隙などがない高い熱伝導性を有するシートを得ることができる。また、上記下限以上とすることで、窒化ホウ素フィラー間の接触が良好となり、熱伝導パスを形成しやすくなるため、高い熱伝導性を有するシートを得ることができる。
上側ベルト3a及び下側ベルト3bによる加圧は、複数の加圧ロール4の圧力を調製することで、圧力をベルトの位置によって可変としてもよく、全プレスにおいて一定としてもよい。可変とする場合には、温度が上昇するにつれて、加圧していくことが好ましい。
ダブルベルトプレス機10において、上側ベルト3a及び下側ベルト3bによる加圧中の温度は、通常25℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上である。また、通常250℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。この温度範囲で加圧を行うことで、シート内のボイドや空隙をなくすことができる。上記温度以上であると、有機成分が分解する恐れや残留溶剤が蒸気となってボイドを形成する恐れがある。
加圧中の温度は、複数の加圧ロール4において、それぞれ温度を調節することで、加熱冷却を連続して行うことが好ましい。この場合、加圧の初期段階においては、25℃〜100℃であることが好ましく、加圧の中期段階においては、80℃〜250℃であることが好ましく、終期段階においては、80℃〜25℃であることが好ましい。また、急激な温度変化は好ましくないため、隣り合う加圧ロール4の温度差は100℃以内とすることが好ましい。
上側ベルト3a及び下側ベルト3bによる放熱シートの搬送速度は、ダブルベルトプレス機10の大きさにもよるが、通常0.01cm/s以上、好ましくは0.05cm/s以上、より好ましくは0.1cm/s以上である。また、通常10cm/s以下、好ましくは5cm/s以下、より好ましくは2cm/s以下である。
また、ダブルベルトプレス機10による加圧の合計時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。また、通常120分以下、好ましくは90分
以下、より好ましくは60分以下である。
また、ダブルベルトプレス機10による加圧の合計時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。また、通常120分以下、好ましくは90分
以下、より好ましくは60分以下である。
ダブルベルトプレス機により成形する成形ステップは、詳細には、以下のような具体的な工程を含むことができる。
金属箔の洗浄工程:本工程は、塗布基板である金属箔、例えば銅箔の塗布面を洗浄する工程である。金属箔の表面を洗浄することで、塗布性能が向上する。金属箔は塗布基板の一例であり、金属箔以外の他の塗布基板を用いてもよい。
洗浄の方法は特に限定されず、金属箔表面の洗浄に用いられている方法を適宜採用することができ、また、洗浄時間も適宜設定すればよい。
金属箔の洗浄工程:本工程は、塗布基板である金属箔、例えば銅箔の塗布面を洗浄する工程である。金属箔の表面を洗浄することで、塗布性能が向上する。金属箔は塗布基板の一例であり、金属箔以外の他の塗布基板を用いてもよい。
洗浄の方法は特に限定されず、金属箔表面の洗浄に用いられている方法を適宜採用することができ、また、洗浄時間も適宜設定すればよい。
放熱シートスラリーの塗布工程:本工程は、洗浄した金属箔に放熱シートスラリーを塗布する工程である。塗布膜の形成方法は、既知の方法を適宜採用すればよく、例えばディップ法、スピンコート法、スプレーコート法、ブレード法、その他の任意の方法で塗膜を形成する。塗布液の塗布には、スピンコーター、スリットコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどの塗布装置を用いることにより、基板上に所定の膜厚の塗膜を均一に形成することができる。
塗布膜の乾燥工程:本工程は、塗布工程で形成された塗布膜を乾燥させる工程である。乾燥は、スラリーに含まれる溶剤等を除去できればよく、溶剤の種類により適宜乾燥温度、乾燥時間を設定することができる。乾燥工程を経由した塗布膜は、ダブルベルトプレス機により成形され、本焼成される。
本焼成は、熱風炉、IR炉、ホットプレートいずれの方法でも構わない。
本焼成の温度は、通常100℃以上300℃以下、好ましくは120℃以上270℃以下、さらに好ましくは130℃以上250℃以下である。
本焼成は、熱風炉、IR炉、ホットプレートいずれの方法でも構わない。
本焼成の温度は、通常100℃以上300℃以下、好ましくは120℃以上270℃以下、さらに好ましくは130℃以上250℃以下である。
切断工程:切断工程は、パワー半導体のサイズに切り出す工程である。切断により放熱シートを、所望のサイズに切り出すことができる。切り出しは、どのような工程でもかまわないが、レーザーカット法、打ち抜き法(ビクトリア式、平板打ち抜き式、ロータリカット式)などで行うことができる。
以上、本発明の具体的な実施形態を、図面を用いて説明したが、本発明の範囲は当該実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる限りにおいて実施態様を変更できることは言うまでもない。
10 ダブルベルトプレス機
1、2 駆動ロール
3a 上側ベルト
3b 下側ベルト
4 加圧ロール
5 加圧シリンダ
6 樹脂組成物
7 放熱シート
1、2 駆動ロール
3a 上側ベルト
3b 下側ベルト
4 加圧ロール
5 加圧シリンダ
6 樹脂組成物
7 放熱シート
Claims (8)
- 窒化ホウ素フィラー及び樹脂を少なくとも含む樹脂組成物を、ダブルベルトプレス機により成形する成形ステップを含む、放熱シートの製造方法。
- 前記成形ステップは、加熱冷却を連続して行う、請求項1に記載の放熱シートの製造方法。
- 前記樹脂組成物は、窒化ホウ素フィラーの含有量が50重量%以上である、請求項1または2に記載の放熱シートの製造方法。
- 前記窒化ホウ素フィラーは、窒化ホウ素一次粒子が凝集してなる凝集体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放熱シートの製造方法。
- 前記窒化ホウ素凝集体が球状である、請求項4に記載の放熱シートの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により得られた放熱シート。
- パワーデバイス用である請求項6に記載の放熱シート。
- 請求項7に記載の放熱シートを用いたパワーデバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014041346A JP2015167181A (ja) | 2014-03-04 | 2014-03-04 | 放熱シートの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101936648B1 (ko) * | 2015-12-17 | 2019-01-10 | 율촌화학 주식회사 | 전자파 흡수시트의 제조 방법 |
WO2022176838A1 (ja) * | 2021-02-18 | 2022-08-25 | 株式会社高木化学研究所 | 電気的特性に優れるフィラー高充填高熱伝導性薄物シート、その連続製造方法及び連続製造装置並びに当該薄物シートを用いて得られる成形加工品 |
CN117925074A (zh) * | 2024-03-25 | 2024-04-26 | 南京盛凯新材料有限公司 | 一种高耐磨uv哑光涂料及制备工艺 |
-
2014
- 2014-03-04 JP JP2014041346A patent/JP2015167181A/ja active Pending
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