JP7308636B2 - 窒化アルミニウムからなる複合構造体 - Google Patents
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Description
一方、絶縁放熱用フィラーとして、細長い針状の形状をした窒化アルミニウムである窒化アルミニウムウィスカーが知られている(特許文献4参照)。
前記綿状体の繊維間に分散して存在する窒化アルミニウム粒子を備え、
窒化アルミニウム繊維は、平均直径0.1~1.0μm、平均長さ100~200μmであり、
前記窒化アルミニウム粒子は、綿状体に対し、5体積%以上50体積%以下の量で含まれている。
前記窒化アルミニウム粒子が粒状であり、その真球度が0.6~0.99であり、粒度分布曲線における累積50%値(D50)は、1~300μmにあることが好ましい。
本発明にかかる樹脂組成物は、前記複合構造体とともに、樹脂成分を含む。
本発明にかかる複合構造体は、揮発性溶媒中に、平均直径0.1~1.0μm、平均長さ100~200μmの窒化アルミニウム繊維を分散させたのち、窒化アルミニウム粒子を混合し、混合物を、噴霧乾燥させることで製造できる。また、本発明にかかる複合構造体は、揮発性溶媒中に、平均直径0.1~1.0μm、平均長さ100~200μmの窒化アルミニウム繊維を分散させたのち、窒化アルミニウム粒子を混合し、混合物を押出成形することで製造することができる。
本発明の構造体は、窒化アルミニウム繊維から構成される綿状体と、綿状体中に分散されてなる窒化アルミニウム粒子を備える。このような構造体の概略模式図を図1に示す。
窒化アルミニウム粒子の形状としては特に制限されないが、板状、または、粒状粒子が好ましく使用される。粒状粒子には、球状、多面体形状を有し、複数の平面がランダムに存在する多面体形状や、国際公開2017/131239号に記載された、胴部の一部に六角柱形状を示すものも例示される。また、完全な六角柱状のものも粒状粒子として使用できる。球状は真球状であっても、楕円球状などであってもよい。
板状粒子の場合、アスペクト比が0.05~0.5の板状粒子であり、板状粒子の長径(DA)の粒度分布曲線における累積50%値(D50)は、0.5~50μmである粒子が好ましい。このような板状粒子を使用すると、粒子が沈降せず、均一に分散し、ランダムな配向を有する構造となる。このような板状粒子は、たとえば特許第6261050号公報に記載された方法で製造することができる。なお、本明細書におけるアスペクト比は、板状粒子の平面を構成する面内の対向する2点間の平均距離が最大になる距離をDとし、平面間の距離をLとして、L/Dに相当する。たとえば六角板状の場合は、六角形の対向する頂点間の距離がDであり、板状粒子の厚さがLに相当する。
綿状体は、窒化アルミニウム繊維から構成され、三次元のネットワーク構造が形成されている。綿状体自体の形状は特に制限されず、不定形であっても、また、所望の形に賦形されていてもよい。
前記窒化アルミニウム粒子は、綿状体の繊維間に分散して存在している。窒化アルミニウム粒子は、綿状体の体積に対し、5体積%以上50体積%以下の量で含まれている。
綿状体を製造するには、前述の要件を同時に満足するような綿状体が得られる手法であればいずれも採用することができるが、綿状体を製造する際に、窒化アルミニウム粒子を混合すると、綿状体中に窒化アルミニウム粒子が分散された複合体を得ることができる。
本発明にかかる複合構造体は、揮発性溶媒中に、平均直径0.1~1.0μm、平均長さ100~200μmの窒化アルミニウム繊維を分散させたのち、窒化アルミニウム粒子を混合し、混合物スラリーを、噴霧乾燥させることで製造することができる。混合物中の窒化アルミニウム繊維と窒化アルミニウム粒子の比率がそのまま複合構造体中の比率となる。
いずれの製造方法でも分散媒としては、揮発性であれば特に制限されず、水、アセトン、アルコール、トルエン、エタノールなどを使用可能である。
樹脂成分はエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファルド等の熱可塑性樹脂、アクリル樹脂またシリコーンゴム、EPR、SBR等のゴム類、シリコーンオイル等が挙げられる。
以上のような本発明にかかる複合構造体は、優れた熱伝導性の付与を可能とした窒化アルミニウムからなる新たな材料を提供することが可能である。
実施例1
平均直径0.5μm、平均長さ150μmからなる窒化アルミニウム繊維に真球度0.90、D5030μmからなる粒状窒化アルミニウム粒子を30体積%加えたものからなる窒化アルミニウム混合物を用意した。
粒状窒化アルミニウム粒子の代わりに、アスペクト比が0.23であり、板状粒子の長径(DA)の粒度分布曲線における累積50%値(D50)が、30μmの板状窒化アルミニウム粒子にした以外は、実施例1と同様にして複合構造体を得た。得られた複合構造体は、真球度0.8であり、D50は215μmの粒形状であった。また、複合構造体の平均見かけ密度(板状粒子の重量を除く)が0.8kg/m3であり、複合構造体中の窒化アルミニウム固形分(繊維および板状粒子)の容積は、35体積%であった。
実施例1、2で得られた、複合構造体をエポキシ樹脂と溶媒とで羽根型撹拌機にて撹拌して、厚さ1mmの樹脂組成物を作製した。
具体的には樹脂としてエポキシ樹脂(三菱化学株式会社jER828)100重量部と硬化剤(イミダゾール系硬化剤、四国化成工業株式会社製キュアゾール2E4MZ)5重量部との混合物を、基材樹脂として準備した。次に、基材樹脂100重量部と、実施例1、2により得られた複合構造体408重量部を羽根型撹拌機にて混合して樹脂組成物を作製した。その時、複合構造体の充填率は60体積%であった。
実施例3において、基材樹脂100重量部と、実施例1、2により得られた複合構造体116重量部を羽根型撹拌機にて混合して樹脂組成物を作製した。その時、複合構造体の充填率は30体積%であった。
得られた樹脂組成物の熱伝導率測定を同様に評価した結果、実施例1の複合構造体を用いた場合は2.9W/mK、実施例2の複合構造体を用いた場合は、3.2W/mKであった。
実施例4における、充填するフィラーを複合構造体ではなく、真球度0.90、D5030μmからなる粒状窒化アルミニウム粒子へ変更した以外は、実施例4と同様にして樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の熱伝導率測定を同様に評価した結果、0.7W/mKであった。
Claims (8)
- 窒化アルミニウム繊維から構成される綿状体と、
前記綿状体の繊維間に分散して存在する窒化アルミニウム粒子を備え、
窒化アルミニウム繊維は、平均直径0.1~1.0μm、平均長さ100~200μmであり、
前記窒化アルミニウム粒子は、綿状体に対し、5体積%以上50体積%以下の量で含まれていることを特徴とする複合構造体。 - 前記窒化アルミニウム粒子が、板状または粒状であることを特徴とする請求項1に記載の複合構造体。
- 前記窒化アルミニウム粒子が粒状であり、その真球度が0.6~0.99であり、粒度分布曲線における累積50%値(D50)は、1~300μmにあることを特徴とする請求項2に記載の複合構造体。
- 前記窒化アルミニウム粒子が板状であり、そのアスペクト比が0.05~0.5であり、長径(DA)の粒度分布曲線における累積50%値(D50)は、0.5~50μmであることを特徴とする請求項2に記載の複合構造体。
- 粒形状である請求項1~4のいずれか1項に記載の複合構造体。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の複合構造体とともに、樹脂成分を含む樹脂組成物。
- 揮発性溶媒中に、平均直径0.1~1.0μm、平均長さ100~200μmの窒化アルミニウム繊維を分散させたのち、窒化アルミニウム粒子を混合し、混合物を、噴霧乾燥させることを特徴とする、複合構造体の製造方法。
- 揮発性溶媒中に、平均直径0.1~1.0μm、平均長さ100~200μmの窒化アルミニウム繊維を分散させたのち、窒化アルミニウム粒子を混合し、混合物を押出成形することを特徴とする複合構造体の製造方法。
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