JP2000344919A - 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法 - Google Patents

熱伝導性シリコーン成形体の製造方法

Info

Publication number
JP2000344919A
JP2000344919A JP11154915A JP15491599A JP2000344919A JP 2000344919 A JP2000344919 A JP 2000344919A JP 11154915 A JP11154915 A JP 11154915A JP 15491599 A JP15491599 A JP 15491599A JP 2000344919 A JP2000344919 A JP 2000344919A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone
thermally conductive
molded product
rod
silicone composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11154915A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4545247B2 (ja
Inventor
Kazuyoshi Ikeda
和義 池田
Mitsuru Shiiba
満 椎葉
Taku Kawasaki
卓 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP15491599A priority Critical patent/JP4545247B2/ja
Publication of JP2000344919A publication Critical patent/JP2000344919A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4545247B2 publication Critical patent/JP4545247B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高熱伝導性であり、電子機器の放熱部材として
好適なシリコーン成形体を効率よく製造する方法を提供
する。 【解決手段】熱伝導性フィラーを含有した未硬化の第一
のシリコーン組成物を用いて、棒状シリコーン成形物の
一本又は複数本を成形した後、その表面に、熱伝導性フ
ィラーを含有した又は含有しない未硬化の第二のシリコ
ーン組成物を塗布しながら又は塗布してから集結させた
後、必要に応じて、この集結によって生じた空隙部であ
って、その少なくとも一つの空隙内部の一部又は全部
に、上記第一又は第二のシリコーン組成物ないしは未硬
化の第三のシリコーン組成物を充填・硬化させることを
特徴とする熱伝導性シリコーン成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の放熱部
材を製造するのに好適な高熱伝導性シリコーン成形体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器においては、使用時に発生する
熱をどのように除去するかが重要な課題であり、それを
解決するため、従来よりIC、LSI、CPU、MPU
等の半導体素子は、熱伝導性シート等の放熱部材を介し
て放熱フインや放熱板等のヒートシンクに取り付けられ
ている。熱伝導性シートとしては、シリコーンに窒化ホ
ウ素(BN)等の熱伝導性フィラーを分散含有させたも
のが広く使用されており、また最近では、その柔軟性を
例えばアスカーC硬度で50以下までに柔らかくした高
柔軟性放熱スペーサーも使用されるようになってきてい
る。
【0003】今日、このような放熱部材においては、更
なる熱伝導性の向上が要求されており、それをBNの充
填率を高めることによって対応しているが、その反面、
シートの機械的強度が低下するので、充填率を高める方
法には限界がある。
【0004】BNは鱗片状粒子であり、その熱伝導率は
面方向では約110W/m・K、面方向に対して垂直な
方向では約2W/m・K程度であり、面方向の熱伝導性
は数十倍大きいことが知られている。従って、BN粒子
の面方向を熱の伝達方向であるシートの厚み方向と同じ
にする(すなわち、BN粒子をシート厚み方向に立たせ
る)ことによって、熱伝導性が飛躍的に向上することが
期待される。しかしながら、従来のカレンダーロール
法、ドクターブレード法等の成形方法では、シート成形
時にBN粒子の配向が起こり、図3のように鱗片状粒子
の面方向がシート面方向と同一となってしまい、BN粒
子の面方向の優れた熱伝導性を活かされないままとなっ
ていた。
【0005】このような問題を解決するため、特公平6
−12643号公報には、BN粒子をランダムに配向さ
せることが提案されているが、この場合であってもシー
ト面方向に配向したBN粒子も依然として多く存在して
いるので、十分であるとはいえない。
【0006】そこで、シート厚み方向に配向しているB
N粒子の割合を、シート面方向に配向している割合より
も多くさせる方法として、特公平6−38460号公報
が提案されている。この方法は、BN粒子の充填された
シリコーン固化物を成型機でまずブロック化し、次いで
それを垂直方向にスライスしてシート化するものである
ので、ブロック寸法が大きくなると成型金型の側面では
BN粒子が配向するが、内側ではBN粒子がランダムに
配向するので、熱伝導性の十分な向上は望めない。
【0007】BN粒子を内側まで十分に配向させるため
には、BN粒子を含有するシリコーン組成物を小さな断
面積で棒状に押し出すことが必要であり、成形された棒
状体を複数本集結させ、それをそのまま又は他のシリコ
ーン組成物と複合化することによって、良好な放熱性を
有する放熱部材を得ることができる。
【0008】そして、このような棒状成形物の集結体を
利用した放熱部材の製造方法として、本出願人は、先に
特願平10−367159号明細書を提案した。この方
法は、押し出し成形された棒状シリコーン物の複数本を
自重とガイドローラーにより集結させ、次いでこの集結
によって形成された連通の中空部であって、その少なく
とも一つの中空部内部の一部又は全部に、熱伝導性フィ
ラーを含有する又は含有しない未硬化のシリコーン組成
物を充填・硬化させるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、未硬化
のシリコーン組成物を中空部に充填する際、それを真空
を利用して行っても、棒状シリコーン成形物が円柱状で
あって緊密に集結していると、中空部の開口面積が小さ
くなることから未硬化のシリコーン組成物の充填が難し
くなる。また、熱伝導性シリコーン成形体の熱伝導性を
更に向上させるのに、充填する未硬化のシリコーン組成
物に熱伝導性フィラーを多量に充填すると、粘度が高く
なって真空を利用しても中空部の深部までには充填がう
まくできないという問題が未解決であった。
【0010】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、直立に近い状態で配向させたBN粒子
を、熱伝導性シリコーン成形体の面方向よりも厚み方向
に多く存在させることにより、極めて高い熱伝導性を有
し、放熱部材の製造に好適な熱伝導性シリコーン成形体
を効率良く製造することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、以
下を要旨とするものである。
【0012】(請求項1) 熱伝導性フィラーを含有し
た未硬化の第一のシリコーン組成物を用いて、棒状シリ
コーン成形物の一本又は複数本を成形した後、その表面
に、熱伝導性フィラーを含有した又は含有しない未硬化
の第二のシリコーン組成物を塗布しながら又は塗布して
から集結させた後、必要に応じて、この集結によって生
じた空隙部であって、その少なくとも一つの空隙内部の
一部又は全部に、上記第一又は第二のシリコーン組成物
ないしは未硬化の第三のシリコーン組成物を充填・硬化
させることを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体の製
造方法。 (請求項2) 集結が、巻き取りによって行われるもの
であることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シリコ
ーン成形体の製造方法。 (請求項3) 第二又は第三のシリコーン組成物の粘度
が、10,000〜100,000cpsであることを
特徴とする請求項1又は2記載の熱伝導性シリコーン成
形体の製造方法。 (請求項4) 棒状シリコーン成形物の硬化物部分とそ
れ以外の部分との熱伝導率が異なり、一本の棒状シリコ
ーン成形物の断面積が2〜300mm2であり、しかも
棒状シリコーン成形物の合計断面積に対するそれ以外の
部分の断面積の比(棒状シリコーン成形物以外の部分の
断面積/棒状シリコーン成形物の合計断面積)が0.0
5〜1.0であることを特徴とする請求項1又は2記載
の熱伝導性シリコーン成形体の製造方法。 (請求項5) 熱伝導性シリコーン成形体を、幅0.1
〜5mmで切断することを特徴とする請求項4記載の熱
伝導性シリコーン成形体の製造方法。 (請求項6) 熱伝導性シリコーン成形体が、電子機器
の放熱部材であることを特徴とする請求項5記載の熱伝
導性シリコーン成形体の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明について
説明する。
【0014】本発明においては、まず、熱伝導性フィラ
ーを含有してなる第一のシリコーン組成物を調合し、そ
れを用いて棒状シリコーン成形物の一本又は複数本を成
形する。第一のシリコーン組成物は、熱伝導性フィラー
を含有したシリコーン組成物であり、その配合の一例を
示せば、液状シリコーン40〜65体積%、熱伝導性フ
ィラー35〜60体積%である。更に、シリコーンの硬
化剤、硬化促進剤、難燃剤等の成分を配合することもで
きる。
【0015】次いで、一個又は複数個の孔を有するダイ
スより、第一のシリコーン組成物を押し出して未硬化の
棒状シリコーン成形物を成形し、その表面に、第二のシ
リコーン組成物を塗布しながら又は塗布してからそれら
を集結する。棒状シリコーン成形物の断面形状として
は、三角形、四角形、六角形、台形等の多角形、円形、
楕円形など種々の形状が可能である。
【0016】第二のシリコーン組成物は、熱伝導性フィ
ラーを含有した又は含有しない未硬化のシリコーン組成
物である。その粘度は、10,000〜100,000
cpsであることが好ましい。粘度が10,000cp
s未満では、塗布後の棒状シリコーン成形物を集結させ
る際にそれが流れだし、集結をしても中空部等の空隙部
が多くなる。また、粘度が100,000cpsをこえ
ると塗布が容易でなくなる。塗布方法としては、刷毛塗
り、スプレー、ジッピング等を採用することができる。
また、塗布後の棒状シリコーン成形物の集結方法として
は、積み上げ、特に巻き取りが好ましい。
【0017】第一のシリコーン組成物と第二のシリコー
ン組成物は、同じであってもよく、また異なっていても
よい。本発明においては、第二のシリコーン組成物の硬
化物の熱伝導率が第一のシリコーン組成物のそれとは異
なっており、しかも第二のシリコーン組成物の硬化物の
熱伝導率が小さいことが好ましい。従って、第二のシリ
コーン組成物には、熱伝導性フィラーを含有させないこ
とが望ましい場合がある。
【0018】その後、集結体を硬化させ、所望長さに切
断することによって、本発明の熱伝導性シリコーン成形
体が製造される。この場合、切断幅を0.1〜5mm、
特に0.2〜2mmとすることによって、電子機器の放
熱部材として適合したものが製造される。また、得られ
た熱伝導性シリコーン成形体に中空部等の空隙部が残っ
ておれば、集結体の硬化前又は硬化後に、上記第一又は
第二のシリコーン組成物ないしは第三のシリコーン組成
物を充填・硬化して、それを減少又はなくすることがで
きる。第三のシリコーン組成物は、第一又は第二のシリ
コーン組成物と同じであってもよく、異なっていてもよ
い。
【0019】本発明においては、棒状シリコーン成形物
の合計断面積に対するそれ以外の部分の断面積の比(棒
状シリコーン成形物以外の部分の断面積/棒状シリコー
ン成形物の合計断面積)(以下、単に「断面積比」とい
う。)は、0.05〜1.0であることが好ましい。な
お、棒状シリコーン成形物以外の部分は、塗布された第
二のシリコーン組成物の硬化物や、中空部等の空隙部で
構成されている。また、一本の棒状シリコーン成形物の
断面積は2〜300mm2とすることが好ましい。これ
によって、熱伝導性フィラーがBN粉末である場合、第
一のシリコーン組成物が金型の狭い流路を通過する際に
BN粒子を一定方向に配向させることができ、熱伝導性
シリコーン成形体の厚み方向に配向しているBN粒子の
割合を多くすることが容易となる。
【0020】また、上記のように、本発明によって製造
される熱伝導性シリコーン成形体は、棒状シリコーン成
形物の硬化部分と、それ以外の部分とから構成されてい
る。すなわち、第二のシリコーン組成物による棒状シリ
コーン成形物表面への塗布方法によっては、空隙部が残
っていることもあるが、何ら問題はなく、用途によって
はそのような構造が好都合であることもある。本発明に
おいては、棒状シリコーン成形物の硬化部分が伝熱の主
要部となることから、それ以外の部分は柔軟性に富むも
のほど、締め付け又は圧縮時に生じる変形を吸収するこ
とができ、発熱体表面への密着性が増して良好な熱伝導
性が得られる。
【0021】また、棒状シリコーン成形物の硬化物と、
それ以外の部分との硬度差は、アスカーC硬度で5以上
あり、しかも棒状シリコーン成形物の硬化物の硬度が高
いことが好ましい。この硬度差は、第二のシリコーン組
成物の熱伝導性フィラー充填量、シリコーンの種類及び
架橋密度などによって調整することが好ましい。
【0022】本発明で製造される熱伝導性シリコーン成
形体の形状については制約はなく、用途に応じて適切な
形状が選択される。シート状ないしは矩形状のものは、
熱伝導性シートや高柔軟性放熱スペーサー等の電子機器
の放熱部材として使用される。
【0023】本発明で製造される熱伝導性シリコーン成
形体の熱抵抗は0.5℃/W・mm以下であることが好
ましい。また、第一のシリコーン組成物にBN粉末を含
有させた熱伝導性シリコーン成形体においては、その厚
み方向にX線を照射して得られたX線回折図において、
〈100〉面(a軸)に対する〈002〉面(c軸)の
ピーク比(〈002〉/〈100〉)が1以下であるこ
とが好ましい。
【0024】本発明で使用される第一、第二、及び第三
のシリコーン組成物を調合する際に用いられるシリコー
ン原料としては、付加反応型液状シリコーンゴム、過酸
化物を加硫に用いる熱加硫型ミラブルタイプのシリコー
ンゴム等をあげることがことができる。電子機器の放熱
部材では、発熱電子部品の発熱面とヒートシンク面との
密着性が要求されるため、付加反応型液状シリコーンゴ
ムが望ましい。その具体例としては、一分子中にビニル
基とH−Si基の両方を有する一液性のシリコーンや、
末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサ
ンと末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオル
ガノポリシロキサンとの二液性のシリコーンなどがあ
り、市販品としては、東レダウコーニング社製、商品名
「SE−1885」等がある。シリコーン硬化物の柔軟
性は、シリコーンの架橋密度や熱伝導性フィラーの充填
量などによって調整することができる。
【0025】本発明で使用される熱伝導性フィラーは、
窒化ホウ素(BN)粉末単独又はBN粉末と他の熱伝導
性フィラーとの混合粉末である。BNは、鱗片状粒子の
面方向(a軸)と垂直方向(c軸)とでは熱伝導性が数
十倍程度異なっているが、本発明によってその面方向の
高熱伝導性を都合よく利用することができる。
【0026】BN粒子の厚み(c軸方向)は、0.1μ
m以上であることが好ましく、0.1μmを未満では、
シリコーンに分散させる際に粒子が破壊する恐れがあ
る。また、BN粒子のアスペクト比(縦/横比)はでき
るだけ大きい方が熱伝導性を向上させる点で好ましく、
20以上が好ましい。
【0027】このようなBN粉末は、例えば粗製BN粉
末をアルカリ金属又はアルカリ土類金属のほう酸塩の存
在下、窒素雰囲気中、2000℃×3〜7時間加熱処理
してBN結晶を十分に発達させ、粉砕後、必要に応じて
硝酸等の強酸によって精製することによって製造するこ
とができる。
【0028】BN以外の熱伝導性フィラーとしては、絶
縁性が必要な場合には、窒化ケイ素、窒化アルミニウ
ム、アルミナ、マグネシア等のセラミックス粉末が用い
られ、また絶縁性を問わない場合には、これらのセラミ
ックス粉末の他に、アルミニウム、銅、銀、金等の金属
粉末や、炭化珪素粉末、炭素粉末等が使用される。
【0029】熱伝導性フィラーの形状は、破砕形状、球
状、繊維状、針状、鱗片状などいずれでもよく、また粒
度は、平均粒径1〜100μm程度のものが使用され
る。
【0030】第一、第二、第三のシリコーン組成物の調
合は、ロールミル、ニーダー、バンバリーミキサー等を
用いて行うことができる。また、その硬化は、遠赤外
炉、熱風炉等を用いて行われる。
【0031】
【実施例】以下、実施例と比較例をあげて更に具体的に
本発明を説明する。
【0032】実施例1 棒状シリコーン成形物を成形するため、ミラブル型シリ
コーンゴム(東芝シリコーン社製、商品名「TSE29
13U」)に、平均粒子径15μm、平均粒子厚み1μ
mのBN粉末(市販品)を表1に示す割合で混合し、更
にシリコーンゴム用加硫剤(2、4−ジクロロパーオキ
サイド)、シリコーンゴム用難燃付与剤(白金含有イソ
プロピルアルコール)、フィラー分散剤(日本ユニカー
社製、商品名「A−173」)をそれぞれ少量添加して
第一のシリコーン組成物を調合した。これを、直径3m
mの孔が横に20個設けられたダイスから、押し出して
未硬化の棒状シリコーン成形物を成形した。
【0033】次いで、A液(ビニル基を有するオルガノ
ポリシロキサン)とB液(H−Si基を有するオルガノ
ポリシロキサン)の二液性の付加反応型液状シリコーン
(東レダウコーニング社製、商品名「SE−188
5」)を1対1の混合液と、シリカ粉末(電気化学工業
社製、商品名「デンカ溶融シリカ」)とを表1に示す割
合で混合してスラリー状の第二のシリコーン組成物を調
合した。これを150×150mm、深さ50mmの容
器に入れ、その中に押し出された上記棒状シリコーン成
形物を浸積しながら引き上げて、棒状シリコーン成形物
の表面に第二のシリコーン組成物を塗布した。その後、
集結体の断面形状が60×60mmになるまで巻き取り
機で巻き取り、熱風乾燥機で120℃、5時間加硫硬化
させた後、厚み1mmに切断して、図1に示すような本
発明の熱伝導性シリコーン成形体を製造した。
【0034】実施例2 ミラブル型シリコーンゴムのかわりに、A液(ビニル基
を有するオルガノポリシロキサン)対B液(H−Si基
を有するオルガノポリシロキサン)の混合比を表1に示
す割合とした二液性の付加反応型液状シリコーン(東レ
ダウコーニング社製、商品名「SE−1885」)を用
いて棒状シリコーン成形体を押し出したこと以外は、実
施例1と同様にして熱伝導性シリコーン成形体を製造し
た。
【0035】実施例3〜5 第二のシリコーン組成物の調合に用いたシリカ粉末のか
わりに、アルミナ粉末(昭和電工社製、商品名「AS−
50」)(実施例3)、窒化ホウ素粉末(電気化学工業
社製、商品名「デンカボロンナイトライド」)(実施例
4)、又は窒化ケイ素粉末(電気化学工業社製、商品名
「デンカ窒化ケイ素」)(実施例5)を用い、それらの
割合を表1に示すようにしたこと以外は、実施例2と同
様にして熱伝導性シリコーン成形体を製造した。
【0036】比較例1〜2 押し出し口が平面形状であるダイスを用い、平面形状の
未硬化シリコーン成形物を押し出し、それを硬化させた
こと以外は、実施例1又は実施例2と同様にして、図3
に示されるようなシリコーン成形体を製造した。
【0037】上記で得られたシリコーン成形体につい
て、厚み方向の熱抵抗と断面積比を以下に従って測定し
た。それらの結果を、第二のシリコーン組成物の粘度と
共に表1に示す。
【0038】(1)熱抵抗 シリコーン成形体をTO−3形状に切断し、これをTO
−3型の銅製ヒーターケースと銅板との間にはさみ、締
付けトルク5kgf−cmにてセットした後、銅製ヒー
ターケースに電力15Wをかけて4分間保持し、銅製ヒ
ーターケースと銅板との温度差を測定し、式、熱抵抗
(℃/W・mm)={温度差(℃)/電力(W)}/シ
ート厚(mm)、により算出した。
【0039】(2)シリコーン成形体の断面積比 棒状シリコーン成形体硬化物の部分とそれ以外の部分の
面積を顕微鏡で測定し、熱伝導性シリコーン成形体の断
面積当たりの両者の構成比を算出した。
【0040】(3)第二のシリコーン組成物の粘度 直径5cm×高さ10cmの容器に試料を約70ml入
れ、最適な測定用ローターを取り付けたB型粘度計に
て、測定開始後2分後の回転数10rpmの値を測定し
た。
【0041】
【表1】
【0042】表1から、本発明の実施例によって製造さ
れた熱伝導性シリコーン成形体は、比較例に比べて、熱
伝導性が大幅に向上していることがわかる。
【0043】次に、実施例で製造された本発明の熱伝導
性シリコーン成形体を放熱部材となし、ボールグッリド
アレイ式のSRAMとヒートシンクの間に荷重をかけて
介在させたところ良く密着し、作動時の温度上昇の少な
い高信頼性の電子機器をつくることができた。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、高熱伝導性のシリコー
ン成形体を効率良く製造することができ、更なる高熱伝
導化も行うことができる。本発明によって製造された熱
伝導性シリコーン成形体は、熱伝導性シート、柔軟性放
熱スペーサー等の電子機器の放熱部材として好適なもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって製造された熱伝導性シリコーン
成形体の斜視図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】従来の熱伝導性シートの厚み方向における断面
【符号の説明】
1 熱伝導性シリコーン成形体 2 棒状シリコーン成形体 3 棒状シリコーン成形体以外の部分 4 熱伝導性フィラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08J 5/00 CFH H01L 23/36 M Fターム(参考) 4F006 AA42 AB39 AB73 AB74 CA08 4F071 AA67 AB03 AB07 AB09 AB18 AB22 AB26 AB27 AD02 AD05 AE15 AG12 AH12 BA03 BB13 BC06 4J002 CP04X CP12W CP14W DA016 DA076 DA096 DE076 DE146 DF016 DJ006 DK006 FA016 FD116 GQ00 GQ02 5E322 AA11 AB11 FA05 5F036 AA01 BB21 BD11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性フィラーを含有した未硬化の第
    一のシリコーン組成物を用いて、棒状シリコーン成形物
    の一本又は複数本を成形した後、その表面に、熱伝導性
    フィラーを含有した又は含有しない未硬化の第二のシリ
    コーン組成物を塗布しながら又は塗布してから集結させ
    た後、必要に応じて、この集結によって生じた空隙部で
    あって、その少なくとも一つの空隙内部の一部又は全部
    に、上記第一又は第二のシリコーン組成物ないしは未硬
    化の第三のシリコーン組成物を充填・硬化させることを
    特徴とする熱伝導性シリコーン成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 集結が、巻き取りによって行われるもの
    であることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シリコ
    ーン成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 第二又は第三のシリコーン組成物の粘度
    が、10,000〜100,000cpsであることを
    特徴とする請求項1又は2記載の熱伝導性シリコーン成
    形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 棒状シリコーン成形物の硬化物部分とそ
    れ以外の部分との熱伝導率が異なり、一本の棒状シリコ
    ーン成形物の断面積が2〜300mm2であり、しかも
    棒状シリコーン成形物の合計断面積に対するそれ以外の
    部分の断面積の比(棒状シリコーン成形物以外の部分の
    断面積/棒状シリコーン成形物の合計断面積)が0.0
    5〜1.0であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の熱伝導性シリコーン成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 熱伝導性シリコーン成形体を、幅0.1
    〜5mmで切断することを特徴とする請求項4記載の熱
    伝導性シリコーン成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱伝導性シリコーン成形体が、電子機器
    の放熱部材であることを特徴とする請求項5記載の熱伝
    導性シリコーン成形体の製造方法。
JP15491599A 1999-06-02 1999-06-02 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法 Expired - Fee Related JP4545247B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15491599A JP4545247B2 (ja) 1999-06-02 1999-06-02 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15491599A JP4545247B2 (ja) 1999-06-02 1999-06-02 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000344919A true JP2000344919A (ja) 2000-12-12
JP4545247B2 JP4545247B2 (ja) 2010-09-15

Family

ID=15594751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15491599A Expired - Fee Related JP4545247B2 (ja) 1999-06-02 1999-06-02 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4545247B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000345040A (ja) * 1999-06-02 2000-12-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法
KR100921370B1 (ko) * 2001-12-27 2009-10-14 폴리마테크 컴퍼니 리미티드 전자소자를 냉각하는 장치와 방법 및 그 방법을 이용하는 열전도성 쉬트와 열전도성 쉬트를 생산하는 방법
JP4545247B2 (ja) * 1999-06-02 2010-09-15 電気化学工業株式会社 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法
CN106158666A (zh) * 2015-04-02 2016-11-23 明安国际企业股份有限公司 高导热组件的制作方法
WO2017135237A1 (ja) * 2016-02-01 2017-08-10 バンドー化学株式会社 熱伝導性樹脂成型品

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62154410A (ja) * 1985-12-25 1987-07-09 信越化学工業株式会社 熱伝導性絶縁シ−ト
JPH03151658A (ja) * 1989-11-08 1991-06-27 Tokai Rubber Ind Ltd 放熱シート
JPH05259671A (ja) * 1992-01-07 1993-10-08 Toshiba Corp 放熱シートおよびその製造方法
JP2000185328A (ja) * 1998-12-24 2000-07-04 Denki Kagaku Kogyo Kk 熱伝導性シリコーン成形体とその製造方法、及び用途

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4545247B2 (ja) * 1999-06-02 2010-09-15 電気化学工業株式会社 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62154410A (ja) * 1985-12-25 1987-07-09 信越化学工業株式会社 熱伝導性絶縁シ−ト
JPH03151658A (ja) * 1989-11-08 1991-06-27 Tokai Rubber Ind Ltd 放熱シート
JPH05259671A (ja) * 1992-01-07 1993-10-08 Toshiba Corp 放熱シートおよびその製造方法
JP2000185328A (ja) * 1998-12-24 2000-07-04 Denki Kagaku Kogyo Kk 熱伝導性シリコーン成形体とその製造方法、及び用途

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000345040A (ja) * 1999-06-02 2000-12-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法
JP4545247B2 (ja) * 1999-06-02 2010-09-15 電気化学工業株式会社 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法
KR100921370B1 (ko) * 2001-12-27 2009-10-14 폴리마테크 컴퍼니 리미티드 전자소자를 냉각하는 장치와 방법 및 그 방법을 이용하는 열전도성 쉬트와 열전도성 쉬트를 생산하는 방법
CN106158666A (zh) * 2015-04-02 2016-11-23 明安国际企业股份有限公司 高导热组件的制作方法
WO2017135237A1 (ja) * 2016-02-01 2017-08-10 バンドー化学株式会社 熱伝導性樹脂成型品
JP6200119B1 (ja) * 2016-02-01 2017-09-20 バンドー化学株式会社 熱伝導性樹脂成形品
CN108495897A (zh) * 2016-02-01 2018-09-04 阪东化学株式会社 热传导性树脂成型品
KR20180108768A (ko) * 2016-02-01 2018-10-04 반도 카가쿠 가부시키가이샤 열전도성 수지 성형품
CN108495897B (zh) * 2016-02-01 2021-09-14 阪东化学株式会社 热传导性树脂成型品
US11441011B2 (en) 2016-02-01 2022-09-13 Bando Chemical Industries, Ltd. Thermally conductive molded resin article
KR102659683B1 (ko) 2016-02-01 2024-04-19 반도 카가쿠 가부시키가이샤 열전도성 수지 성형품

Also Published As

Publication number Publication date
JP4545247B2 (ja) 2010-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6301978B2 (ja) 熱伝導シート、熱伝導シートの製造方法、放熱部材及び半導体装置
JP2009094110A (ja) 放熱部材、及びそのシート、およびその製造方法
JP2003060134A (ja) 熱伝導性シート
JP7096723B2 (ja) 熱伝導性シートの製造方法
JP3654743B2 (ja) 放熱スペーサー
TWI714804B (zh) 熱傳導片及半導體裝置
JP3568401B2 (ja) 高熱伝導性シート
JP6393816B2 (ja) 熱伝導シート、熱伝導シートの製造方法、放熱部材及び半導体装置
JP4446514B2 (ja) 熱伝導性シリコーン成形体の放熱部材
JP3721272B2 (ja) 熱伝導性樹脂成形体の製造方法
JP3585385B2 (ja) 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法
JP4514344B2 (ja) 熱伝導性樹脂成形体及びその用途
JP2000344919A (ja) 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法
JP2000345040A (ja) 熱伝導性シリコーン成形体の製造方法
JP7292941B2 (ja) 窒化アルミニウム複合フィラー
JP3558548B2 (ja) 樹脂成形体とその製造方法、及びそれを用いた電子部品の放熱部材
JP6983345B1 (ja) 熱伝導性シート、および電子機器
JP6987941B1 (ja) 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
JP3606767B2 (ja) 高熱伝導性シリコーン成形体及びその用途
JP4137288B2 (ja) 熱伝導性シリコーン成形物の製造方法
JP2004363272A (ja) 放熱部材
JP3933341B2 (ja) 熱伝導性スペーサー
JP7308636B2 (ja) 窒化アルミニウムからなる複合構造体
JP4313920B2 (ja) 高熱伝導性スペーサー
JP2000156441A (ja) 高熱伝導性スペーサー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100629

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100630

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees