JP3606767B2 - 高熱伝導性シリコーン成形体及びその用途 - Google Patents

高熱伝導性シリコーン成形体及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性シリコーン成形体及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器においては、使用時に発生する熱をどのように除去するかが重要な課題であり、それを解決するため、従来よりIC、LSI、CPU、MPU等の半導体素子は、熱伝導性シート等の放熱部材を介して放熱フインや放熱板等のヒートシンクに取り付けられている。熱伝導性シートとしては、シリコーンに窒化ホウ素(BN)等の熱伝導性フィラーを分散含有させたものが広く賞用されており、また最近では、その柔軟性を例えばアスカーC硬度で50以下までに柔らかくした高柔軟性放熱スペーサーも使用されるようになってきている。
【0003】
今日、このような放熱部材においては、更なる熱伝導性の向上が要求されており、それをBNの充填率を高めることによって対応しているが、その反面、放熱部材の機械的強度が低下するので、充填率を高める方法には限界がある。
【0004】
BNは鱗片状粒子であり、その熱伝導率は面方向では約110W/m・K、面方向に対して垂直な方向では約2W/m・K程度であり、面方向の熱伝導性は数十倍大きいことが知られている。従って、BN粒子の面方向を熱の伝達方向であるシートの厚み方向と同じにする(すなわち、BN粒子をシート厚み方向に立たせる)ことによって、熱伝導性が飛躍的に向上することが期待されるが、従来のカレンダーロール法、ドクターブレード法等の成形方法では、シート成形時にBN粒子の配向が起こり、図3のように鱗片状粒子の面方向がシート面方向と同一となってしまい、BN粒子の面方向の優れた熱伝導性を活かされないままとなっていた。
【0005】
このような問題を解決するため、特公平6−12643号公報には、BN粒子をランダムに配向させることが提案されているが、この場合であってもシート面方向に配向したBN粒子も依然として多く存在しているので、熱伝導性が十分であるとはいえない。
【0006】
そこで、シート厚み方向に配向しているBN粒子の割合を、シート面方向に配向している割合よりも多くするため、特公平6−38460号公報が提案されている。この方法は、BN粒子の充填されたシリコーン固化物を成形機でまずブロック化し、次いでそれを垂直方向にスライスしてシート化するものである。しかし、ブロック寸法が大きくなるとBN粒子がランダムに配向するので、これまた熱伝導性の十分な向上は望めない。
【0007】
また、上記いずれの方法においても、BN粒子を高充填するとシートは硬くなり、発熱電子部品が荷重に弱い場合には、取り付け時の締め付け力によって損傷する問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題を解決するために種々検討したところ、骨格部と樹脂部からなるハニカム充填型シリコーン成形体において、骨格部の形成に使用される熱伝導性フィラーを、扁平度10以上かつ平均粒子径10〜25μmの六方晶窒化ホウ素(以下、「BN」ともいう。)とすれば、少ない充填量でも放熱部材の厚み方向へ直立に近い状態で容易に配向させることができることを突き止め、高柔軟性かつ高熱伝導性のシリコーン成形体を生産性良く製造できることを見いだし、本発明を完成させたものである。
【0009】
本発明の目的は、放熱部材として好適な高柔軟性かつ高熱伝導性のシリコーン成形体を提供することである。本発明の別の目的は、余分な締め付け力を吸収できるような柔らかさを有し、しかも極めて高い熱伝導性を有する放熱部材を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、扁平度10以上かつ平均粒子径10〜25μmの六方晶窒化ホウ素とシリコーンとを含み、断面積が0.5〜300mmであるシリコーン硬化物を構成単位とする骨格部と、該骨格部の全部又は一部と一体的に形成されたシリコーン硬化物を含む樹脂部とから構成されてなることを特徴とする高熱伝導性シリコーン成形体である。特に、本発明の高熱伝導性シリコーン成形体は、骨格部と樹脂部の断面積比(樹脂部/骨格部)が0.05〜1.0であることを特徴とし、更には、熱抵抗が0.5℃/W・mm以下、シリコーン成形体の厚みが0.05〜5mmであり、しかも厚み方向にX線を照射して得られたX線回折図による〈100〉面と〈002〉面のピーク強度比(〈002〉/〈100〉)が1以下であることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明は、上記高熱伝導性シリコーン成形体で構成されてなる半導体素子又は半導体素子の組み込まれたモジュールの放熱部材である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳しく本発明について説明する。
【0013】
本発明の高熱伝導性シリコーン成形体は、扁平度10以上かつ平均粒子径10〜25μmの範囲にあるBN粉末とシリコーンを含むシリコーン硬化物を構成単位とする骨格部と、該骨格部の一部又は全部と一体的に形成されたシリコーン硬化物を含む樹脂部とから構成されている。
【0014】
骨格部及び樹脂部を構成するシリコーン硬化物のシリコーン原料としては、付加反応型液状シリコーンゴム、過酸化物を加硫に用いる熱加硫型ミラブルタイプのシリコーンゴム等が使用されるが、電子機器の放熱部材では、半導体素子又は半導体素子が組み込まれたモジュールの発熱面とヒートシンク面との密着性が要求されるため、付加反応型液状シリコーンが望ましい。その具体例としては、一分子中にビニル基とH−Si基の両方を有する一液性のシリコーンや、末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンとの二液性のシリコーンなどがあり、市販品としては、東レダウコ−ニング社製、商品名「SE−1886」等がある。シリコーン硬化物の柔軟性は、シリコーンの架橋密度やBN粉末等の熱伝導性フィラーの充填量などによって調整することができる。
【0015】
本発明で使用される熱伝導性フィラーは、骨格部においてはBN粉末である。樹脂部における熱伝導性フィラーの種類と充填量は全く任意であり、熱伝導性フィラーを充填しない態様もある。樹脂部に熱伝導性フィラーを充填する場合は、アルミナ、マグネシア、シリカ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、BN等の熱伝導性フィラーが使用されるが、好ましくはBN粉末やこれを凝集させた塊状窒化ホウ素等の窒化ホウ素粒子である。
【0016】
骨格部の構成に必須成分となるBN粉末は、鱗片状粒子の面方向(a軸)の熱伝導率が110W/m・Kに対して垂直方向(c軸)の熱伝導率が2W/m・Kと熱伝導性が大きく異なっているが、後述する方法によってa軸方向の高熱伝導性を都合よく利用することができる。BN粒子の厚み(c軸方向)は、0.1μm以上であることが好ましく、0.1μmを未満では、シリコーンに分散させる際に粒子が破壊する恐れがある。
【0017】
本発明で使用されるBN粉末は、例えば粗製BN粉末をアルカリ金属又はアルカリ土類金属のほう酸塩の存在下、窒素雰囲気中、2000℃×3〜7時間加熱処理してBN結晶を十分に発達させ、粉砕後、必要に応じて硝酸等の強酸によって精製することによって製造することができる。このようなBN粉末は、市販品の殆どが、扁平度が10以上のものがあってもその平均粒子径が10μm未満であるのと比較して特異的である。
【0018】
本発明において、BN粉末の「扁平度」とは、1個の粒子の長軸径の1/2の値をその粒子の最大粒子厚みで割ることによって求められた値であり、任意に選ばれた200個の粒子の平均値である。
【0019】
本発明で使用されるBN粉末の扁平度が10以上であり、扁平度が10未満では、BN粉末が配向しにくく、a軸方向における高熱伝導性を都合よく利用することができない。また、本発明で使用されるBN粉末の平均粒子径が10〜25μmであり、10μm未満では、骨格部内でBN粒子同士の接触が不十分であるため熱伝導性が小さくなり、また25μmをこえると、骨格部表面の凹凸が大きくなり、半導体素子等との密着性が低下し、熱伝導性シリコーン成形体全体の熱伝導性が十分ではなくなる。骨格部の構成に必須成分となるBN粉末は、鱗片状粒子の面方向(a軸)の熱伝導率が110W/m・Kに対して垂直方向(c軸)の熱伝導率が2W/m・Kと熱伝導性が大きく異なっているが、後述する方法によってa軸方向の高熱伝導性を都合よく利用することができる。BN粒子の厚み(c軸方向)は、0.1μm以上であることが好ましく、0.1μmを未満では、シリコーンに分散させる際に粒子が破壊する恐れがある。
【0020】
骨格部の断面形状は、単位骨格部あたりの断面積が0.5〜300mmの範囲にあれば、三角形、四角形、六角形、格子状、菱形、台形等の多角形、円形、楕円形、波形、同心円形、放射形、渦巻形など種々の形状が可能である。単位骨格部あたりの断面積が0.5mm未満では、中空部が著しく小さくなるため、その内部にまで十分に樹脂部を形成させることが困難となり、また300mmをこえると、BN粉末が十分に配向しない部分が生じ、熱伝導性に悪影響を与える恐れがある。
【0021】
本発明の熱伝導性シリコーン成形体の形状については制約はなく、用途に応じて適切な形状が選択される。シート状ないしは矩形状のものは、熱伝導性シートや高柔軟性放熱スペーサー等の半導体素子又は半導体素子が組み込まれたモジュールの放熱部材として使用される。
【0022】
本発明の熱伝導性シリコーン成形体の好適な態様について、更に説明すると、骨格部と樹脂部の断面積比(樹脂部/骨格部)は、0.05〜1.0であることが好ましい。該断面積比が0.05未満であると、半導体素子等の放熱部材として使用する際、取り付け時の締め付け力を十分に吸収することができなくなる。また、該断面積比が1.0をこえると、骨格部自体の熱伝導性が大きくなってもシリコーン成形体全体の熱伝導性が十分に高まらない。
【0023】
本発明においては、骨格部が伝熱の主要部となることから、樹脂部が柔軟性に富むものほど、締め付け時に生じる骨格部の変形を吸収できるので、半導体素子又は半導体素子が組み込まれたモジュールの放熱部材として用いたときに、それらとの密着性が著しく高まり、高熱伝導性を容易に発現できる。従って、本発明の熱伝導性シリコーン成形体においては、樹脂部と骨格部との硬度差には限定されないが、好ましくはアスカーC硬度で5以上であって、骨格部の硬度が大きいことが好ましい。このようなことから、樹脂部は部分的に空隙状態となっていても、実用上何ら問題はなく、用途によってはこのような構造が好都合なこともある。
【0024】
骨格部と樹脂部との間に硬度差を設ける方法としては、樹脂部の熱伝導性フィラーの種類と充填量ないしはシリコーンの架橋密度によって調整することが好ましい。なお、本発明の熱伝導性シリコーン成形体全体の硬度としては、アスカーC硬度で80以下であることが好ましい。
【0025】
また、本発明の熱伝導性シリコーン成形体全体の熱抵抗は0.5℃/W・mm以下であることが好ましい。更には、シリコーン成形体の厚み方向にX線を照射して得られたX線回折図において、〈100〉面(a軸)に対する〈002〉面(c軸)のピーク比(〈002〉/〈100〉)が1以下であることが好ましい。
【0026】
本発明の熱伝導性シリコーン成形体は、例えば次のようにして製造することができる。
【0027】
先ず、扁平度10以上かつ平均粒子径10〜25μmのBN粉末を含有したシリコーン組成物を調合する。シリコーン組成物は、シリコーン原料30〜80体積%、BN粉末70〜20体積%の範囲にあることが望ましい。このシリコーン組成物を押し出し成形により棒状のシリコーン成形体を得、更に硬化させてシリコーン硬化物からなる骨格部を得る。
【0028】
シリコーン組成物の調合は、ロールミル、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いて行うことができ、また硬化は、遠赤外炉、熱風炉等を用いて行われる。シリコーン成形物の硬化程度は、次工程の中空部形成に支障を来さなければ、十分に硬化していなくてもよい。
【0029】
次に、このシリコーン成形体を積層していき、骨格部と中空部からなるコア材を作製するか、又は硬化させたシリコーン成形物を積層して中空部を形成させてコア材を得てもよい。更には、複数穴を有するダイスよりシリコーン組成物を押し出して、未硬化の棒状シリコーン成形物を成形し、それらの複数本を集結して中空部を有するコア材を製造してもよい。この場合、熱伝導性シリコーン成形体の厚み方向にBN粉末を容易に配向させるため、押し出し成形時の剪断速度を20s−1以上とすることが好ましい。
【0030】
次いで、コア材の中空部の少なくとも一つの内部の全部又は一部に、骨格部との硬度差が5以上となるように、熱伝導性フィラーを含有させた又は含有させないシリコーン組成物を充填して樹脂部を形成させる。
【0031】
樹脂部の形成に使用されるシリコーン組成物は、その粘度が10000cP以下、特に500〜8000cPの範囲にすることが望ましい。10000cPをこえると、中空部にシリコーン組成物を十分に充填させることができず、シリコーン成形体としての機械的強度が低下するおそれがある。なお、このような態様のものでも用途があることは上記した。
【0032】
その後、中空部に充填されたシリコーン組成物を硬化させ、所望長さに切断することによって、本発明の熱伝導性シリコーン成形体又は放熱部材が製造される。この硬化には上記した機器が使用される。
【0033】
【実施例】
以下、実施例と比較例をあげて更に具体的に本発明を説明する。
【0034】
実施例1
平均粒子径3μmの窒化ホウ素粉末(電気化学工業社製、商品名「デンカボロンナイトライド」)にホウ酸マグネシウムを混合し、それを窒素雰囲気下、温度1700℃で5時間保持してから冷却し、粉砕後、硝酸水溶液で酸処理・洗浄・乾燥を行い、扁平度14、平均粒子径17μmのBN粉末を製造した。
【0035】
コア材を成形するため、ミラブル型シリコーンゴム(東芝シリコーン社製、商品名「TSE221」)に、上記BN粉末を表1に示す割合で配合し、ミキサーで混合し、更にシリコーンゴム用加硫剤(2、4−ジクロロ安息香酸)、シリコーンゴム用難燃付与剤(白金含有イソプロピルアルコール)を少量添加して熱伝導性シリコーン組成物を調製した。
【0036】
次いで、直径4mmの孔が縦に25列、横に25列設けられたダイスから、上記シリコーン組成物を剪断速度20s−1以上で押し出して未硬化の棒状シリコーン成形物を成形し、それらの全てを自重と側面ロールによって集結しながら(集結体の平面形状は50×50mm程度である)、150℃の遠赤外乾燥炉を5分間通過させて加硫硬化させ、骨格部と中空部からなるコア材を成形した。中空部の平面形状は各辺が湾曲した菱形が主であった。
【0037】
その後、コア材をフッ素樹脂製の型枠に入れ、全ての中空部の内部の全部に、A液(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン)対B液(H−Si基を有するオルガノポリシロキサン)の二液性の付加反応型液状シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「SE−1885」)の体積割合が1対1である混合物90体積%と、シリカ粉末(電気化学工業社製 商品名「デンカ溶融シリカ」)10体積%とを混合して得られた、粘度800cPのスラリーを、流し込み、真空で20分間処理した後、熱風乾燥機で120℃、15時間加硫硬化させた。その後、これを型枠から取り出し、厚み1mmに切断して、図1に示されるような本発明の熱伝導性シリコーン成形体を製造した。
【0038】
実施例2
ミラブル型シリコーンゴムのかわりに、A液(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン)対B液(H−Si基を有するオルガノポリシロキサン)の混合比を表1に示す割合とした二液性の付加反応型液状シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「SE−1885」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シリコーン成形体を製造した。
【0039】
実施例3
中空部に充填するシリコーン組成物として、二液性の付加反応型液状シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「SE−1885」)のA液対B液の体積割合が1対1である混合物80体積%と、アルミナ粉末(住友化学社製 商品名「AS−30」)20体積%とを混合して得られたものを用い、しかも骨格部と樹脂部との比を表1に示す割合となるように集結させたこと以外は、実施例2と同様の方法で、熱伝導性シリコーン成形体を製造した。
【0040】
比較例1〜3
扁平度が8で平均粒子径が14μmである市販のBN粉末を用いたこと(比較例1)、扁平度が13で平均粒子径が5μmである市販のBN粉末を用いたこと(比較例2)、単位骨格部あたりの断面積が314mmとなるように押し出したこと(比較例3)以外は、実施例2と同様にしてシリコーン成形体を製造した。
【0041】
上記で得られたシリコーン成形体について、単位骨格部あたりの断面積、骨格部に対する樹脂部の断面積比(樹脂部/骨格部)、X線ピーク強度比、厚み方向の熱抵抗を、以下に従い測定した。それらの結果を表1に示す。
【0042】
(1)単位骨格部あたりの断面積
画像解析法により単位骨格部の断面積を計測した。
(2)骨格部に対する樹脂部の断面積比(樹脂部/骨格部)
熱伝導性シリコーン成形体の断面積当たりの骨格部及び樹脂部の面積を画像解析法により求め、その比率を算出した。
【0043】
(3)X線ピーク強度比
熱伝導性シリコーン成形体を15mm角に切断し、X線回折用治具にセットした後、市販のX線回折装置を用いて表2の条件で測定し、2θ=26.9゜〈002〉面と2θ=41.6゜〈100〉面のピーク強度比を求めた。
【0044】
(4)熱抵抗
シリコーン成形体をTO−3形状に切断し、これをTO−3型の銅製ヒーターケースと銅板との間に挟み、締付けトルク5kgf−cmにてセットした後、銅製ヒーターケースに電力15Wをかけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板との温度差を測定し、式、熱抵抗(℃/W・mm)={温度差(℃)/電力(W)}/シート厚(mm)、にて熱抵抗を算出した。
【0045】
また、BN粉末の扁平度と平均粒子径は、以下のようにして測定した。
(5)BN粉末の扁平度
液体窒素により冷却した状態で、シリコーン成形体を厚み方向に切断して破断面を露出させ、その破断面をSEM観察により、BN粉の平均粒子径及び最大粒子厚みを測定し、扁平度を求めた。
(6)平均粒子径
市販のレーザー散乱式粒度測定計「マイクロトラックSPA7997型」によって測定した。
【0046】
【表1】
Figure 0003606767
【0047】
【表2】
Figure 0003606767
【0048】
表1より、実施例の熱伝導性シリコーン成形体は、比較例に比べて熱抵抗が小さく、熱伝導性が大幅に向上していることがわかる。
【0049】
次に、実施例で製造された本発明の熱伝導性シリコーン成形体を適宜形状に切断して放熱部材となし、CPUとヒートシンクの間に荷重をかけて介在させたところ良く密着し、作動時の温度上昇の少ない電子機器をつくることができた。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、高柔軟性かつ高熱伝導性のシリコーン成形体が提供される。本発明の熱伝導性シリコーン成形体は、熱伝導性シート、柔軟性放熱スペーサー等の半導体素子又はこれが組み込まれたモジュールの放熱部材として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱伝導性シリコーン成形体の斜視図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】従来の熱伝導性シートの厚み方向における断面図
【符号の説明】
1 熱伝導性シリコーン成形体
2 骨格部
3 樹脂部
4 BN粒子

Claims (4)

  1. 以下で定義される扁平度10以上かつ平均粒子径10〜25μmの六方晶窒化ホウ素とシリコーンとを含み、断面積が0.5〜300mm2であるシリコーン硬化物を構成単位とする骨格部と、該骨格部の全部又は一部と一体的に形成されたシリコーン硬化物を含む樹脂部とから構成されてなることを特徴とする高熱伝導性シリコーン成形体。
    扁平度の定義)
    六方晶窒化ホウ素粒子1個の長軸径の1/2の値をその粒子の最大粒子厚みで割ることによって求められた値であり、任意に選ばれた200個の粒子の平均値。
  2. 骨格部と樹脂部の断面積比(樹脂部/骨格部)が0.05〜1.0であることを特徴とする請求項1記載の高熱伝導性シリコーン成形体。
  3. 熱抵抗が0.5℃/W・mm以下、シリコーン成形体の厚みが0.05〜5mmであり、しかも厚み方向にX線を照射して得られたX線回折図による〈100〉面と〈002〉面のピーク強度比(〈002〉/〈100〉)が1以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の高熱伝導性シリコーン成形体。
  4. 請求項3記載の高熱伝導性シリコーン成形体からなることを特徴とする半導体素子又は半導体素子の組み込まれたモジュールの放熱部材。
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