JP2002280498A - 放熱スペーサー - Google Patents
放熱スペーサーInfo
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Abstract
有する放熱スペーサーを提供する。 【請求項1】球形度0.95超、平均粒子径30〜50
μmの球状アルミナ粉末と、球形度0.85〜0.9
5、平均粒子径が3〜7μmの球状アルミナ粉末の混合
粉末からなり、その混合粉末の1μm以下の割合が15
%以下、平均粒子径が25〜45μmであるフィラーが
50〜80体積%充填されたシリコーン硬化物からなる
ことを特徴とする、熱伝導率2W/m・K以上、アスカ
ーC硬度40以下、表面の少なくとも一部に0.01N
/25mm以上の自己粘着性処理が施されてなる放熱ス
ペーサー。
Description
ワードプロセッサーなどの情報処理機器におけるIC、
LSI、CPU、MPU等の半導体素子より発生する熱
を効率よく放出するのに有用な放熱スペーサーに関す
る。
型サイズのものが好まれるようになった。それに伴い、
半導体素子も高密度化・小型化され、そこから発生する
熱も増加の一途をたどり、それを効率良く除去すること
が重要な課題となっている。
は、半導体素子を熱伝導性シート介して放熱フィンや金
属板に取り付けることによって行われている。しかしな
がら、情報処理機器の小型化、薄型化により、放熱フィ
ン等を取り付けるスペースがない場合も多くなり、その
場合には情報処理機器のケース等に直接伝熱して放熱す
る方式が取られている。
ケースの間に、そのスペースを埋める厚みを有した、熱
伝導性フィラー含有のシリコーン硬化物からなる柔らか
な放熱スペーサー(以下、単に「スペーサー」ともい
う。)が用いられている。
れると同時にその形状も多岐にわたり、段差も付くなど
複雑な形状となってきており、その形状に追従して固定
させる必要から、スペーサーに粘着性が要求されるよう
になってきた。そこで、スペーサーに粘着層を別途形成
することが考えられるが、粘着層はスペーサーの熱伝導
性を阻害するので、良い方法であるとはいえない。
スペーサー内に存在する熱伝導性フィラーを連続的に接
触させることが必要であり、その一法として熱伝導性フ
ィラーの充填量を多くすることが行われている。しか
し、この方法ではスペーサーの柔らかさが低下し、情報
処理機器のケース等との接触が悪くなって、熱伝導性が
逆に低下する等、充填量を高める方式には限界があっ
た。また、金属粉、窒化アルミニウム粉末等の高熱伝導
性フィラーを用いる方法では、絶縁性、化学的安定性
(窒化アルミニウム粉末は空気中の水分と加水分解を起
こしやすい。)等、別途解決しなければならない問題が
ある。
分解を起こさないアルミナ粉末を用い、高熱伝導性、高
柔軟性、自己粘着性を有する放熱スペーサーを提供する
ことである。
形度0.95超、平均粒子径30〜50μmの球状アル
ミナ粉末と、球形度0.85〜0.95、平均粒子径が
3〜7μmの球状アルミナ粉末の混合粉末からなり、そ
の混合粉末の1μm以下の割合が15%以下、平均粒子
径が25〜45μmであるフィラーが50〜80体積%
充填されたシリコーン硬化物からなることを特徴とす
る、熱伝導率2W/m・K以上、アスカーC硬度40以
下、表面の少なくとも一部に0.01N/25mm以上
の自己粘着性処理が施されてなる放熱スペーサーであ
る。
説明する。
用いられるシリコーン硬化物としては、一般的な電子材
料用途に使用されているシリコーン、例えば付加反応に
より加硫する液状シリコーン樹脂、過酸化物を加硫に用
いる熱加硫型ミラブルタイプのシリコーン樹脂等を不都
合なく用いることができる。
フィン等の放熱面との密着性が要求されるため、シリコ
ーンの中でも柔軟性を有するもの、ゴム弾性を有するも
のが好適である。とくに、柔軟性が必要な場合は、付加
反応型液状シリコーンが使用できる。
は、一分子中にビニル基とH−Si基の両方を有する一
液性のシリコーン、又は末端あるいは側鎖にビニル基を
有するオルガノポリシロキサンと末端あるいは側鎖に2
個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンと
の二液性のシリコーン等を挙げることができる。このよ
うな付加反応型液状シリコーンの市販品としては、例え
ば東レダウコーニング社製、商品名「SE−1886」
等を例示することができる。
形成される架橋密度によって調整することもできる。こ
の場合、必要に応じて、各種の硬化剤やその他の添加剤
を適宜配合することができる。
0.95超、平均粒子径30〜50μmの球状アルミナ
粉末(以下、「アルミナ粉末a」という。)と、球形度
0.85〜0.95、平均粒子径が3〜7μmの球状ア
ルミナ粉末(以下、「アルミナ粉末b」という。)の混
合粉末からなり、その混合粉末の1μm以下の割合が1
5%以下、平均粒子径が25〜45μmからなるもので
ある。
化アルミニウム粉末の火炎溶射法、バイヤー法、アンモ
ニウムミョウバン熱分解法、有機アルミニウム加水分解
法、アルミニウム水中放電法、凍結乾燥法等、いずれの
方法で製造されたものであってもよいが、粒子径分布の
制御及び粒子形状制御の点から水酸化アルミニウム粉末
の火炎溶射法が好適である。
造は、単結晶体、多結晶体のいずれでもよいが、結晶相
は高熱伝導性の点からα相望ましく、また比重は3.7
以上が望ましい。比重が3.7未満であると、粒子内部
に存在する空孔と低結晶相の割合が多くなるため、熱伝
導率を2W/m・K以上に高めることが困難となる。ア
ルミナ粉末a、アルミナ粉末bの粒度調整は、アルミナ
粉末の分級・混合操作によって行うことができる。
で、平均粒子径が30〜50μmであることが必要であ
る。球形度が0.95以下では粒子同士の接触が著しく
なり、スペーサー表面の凹凸が著しく大きくなって界面
熱抵抗が増大し熱伝導率を2W/m・K以上にすること
が困難となる。一方、平均粒子径が30μm未満では、
粒子同士の接触が少なくなり、粒子間接触抵抗の増大に
より熱伝導率が2W/m・K以上を達成することが困難
となる。また、50μm超であると、スペーサーのアス
カーC硬度が40以下を達成することが困難となる。
0.95で、平均粒子径は3〜7μmであることが必要
である。球形度が0.85未満であるとアルミナ粉末の
流動性が低下してスペーサー内でフィラーが偏析してし
まう。また、球形度が0.95超の場合は、嵩密度が高
くなってしまうため、スペーサーとしたときの自己粘着
性が消失しやすくなる。平均粒子径が3μm未満では、
球形度を満たしていてもスペーサーの自己粘着性が低下
する。また、平均粒子径が7μm超であると、微粉が少
なくなるので粒子間の接触が少なくなり、熱伝導率を2
W/m・K以上にすることが困難となる。
粉末aとアルミナ粉末bとの混合粉末からなるものであ
り、1μm以下の粒子が15%以下含有され、平均粒子
径が25〜45μmとなるように両粉末を混合する。混
合粉末の1μm以下の粒子の割合が5%以上であること
が好ましく、それが5%未満であると、樹脂組成物を低
粘度化できるが、熱伝導率を2W/m・K以上にするこ
とが容易でない。また、1μm以下の粒子が15%超で
は自己粘着性に乏しいスペーサーとなる。一方、混合粉
末の平均粒子径が25μm未満では、微粉の割合が多く
なりすぎて樹脂組成物が高粘度化し、またスペーサーと
したときの自己粘着性が不十分となる。また、45μm
超であると、スペーサー表面の凹凸が著しく大きくなっ
て熱伝導率を2W/m・K以上にすることが困難とな
り、またスペーサーそのものが硬くなりアスカーC硬度
40以下にはできない。
に0.2〜3mmが一般的である。スペーサーの平面形
状は、半導体素子と密着できる形状ないしは半導体素子
を埋没できる形状であれば、特に制限されるものではな
く、例えば三角形、四角形、六角形などの多角形、円
形、楕円形等の任意の形状を用いることができ、更には
半導体素子が密着ないしは埋没しやすいように凹凸をつ
けてることもできる。
・加硫工程を経て製造される。混合には、ロールミル、
ニーダー、バンバリーミキサー等の混合機が用いられ
る。成形方法はドクターブレード法が好ましいが、樹脂
組成物の粘度によっては押出し法・プレス法・カレンダ
ーロール法等を用いることができる。加硫温度は50〜
200℃が望ましい。50℃未満では加硫が不十分であ
り、200℃をこえるとスペーサーの一部が劣化する。
加硫は、一般的な熱風乾燥機、遠赤外乾燥機、マイクロ
波乾燥機等を用いて行われる。
電子顕微鏡(日本電子社製 「JSM−T200型」)
と画像解析装置(日本アビオニクス社製)を用い、次の
ようにして測定することができる。
影面積と(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長
(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その
粒子の球形度はA/Bとして表示できる。そこで試料粒
子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定す
るとPM=2πr、B=πr2であるから、B=π×
(PM/2π)2となり、個々の粒子の球形度は、球形
度=A/B=A×4π/(PM)2 として算出され
る。これを任意に選ばれた200個以上の粒子について
測定し、その平均値を球形度とする。
は、半導体素子から発生する熱を系外へ放出し半導体素
子を好適に作動させるのに必要となる特性である。アス
カーC硬度40以下は、半導体素子に放熱フィン等の放
熱部材を取り付ける際に、半導体素子へかかる荷重を低
減するのに必要となる特性である。また、0.01N/
25mm以上の自己粘着性は、スペーサーの位置決めや
仮止め・固定等の作業性を容易とするために必要となる
特性である。
発明を説明する。
金属社製商品名「BW33」)を純水に入れ、粉末濃度
50%のスラリーを調製した。これを二流体ノズル(ア
トマックス社製「型番BNH160S−IS」)の中心
から、燃焼炉の火炎中に15kg/hの割合で噴射し
た。噴射には、ゲージ圧0.2MPa、ガス流量約10
Nm3/hの酸素ガスを使用した。
G:6Nm3/hと酸素ガス:8Nm3/hの混合ガス
を、外炎用としてバーナーの最外周の空隙からLPG:
4Nm3/hと酸素ガス:12Nm3/hの混合ガスを噴
射した。アルミナ粉末をサイクロンから回収した。得ら
れたアルミナ粉末aの球形度は0.96、平均粒子径は
45μmであった。
属社製商品名「BF083」)を用いたこと以外は、ア
ルミナ粉末aに準じてアルミナ粉末bを製造した。アル
ミナ粉末bは、球形度が0.90、平均粒子径が4μm
であった。
商品名「SE1885」)と、水酸化アルミニウム粉末
の火炎溶射法により製造されたアルミナ粉末a、b及び
/又は市販アルミナ粉末(住友化学工業社製商品名「ス
ミコランダム AA−5」、球形度0.88平均粒子径
4.9μm)とを適宜配合して調整された、表1に示す
粒度構成を有するフィラーとを混合し、樹脂組成物を製
造した。
脱泡した後、ドクターブレード法にて厚さ1mmのシー
トに成形した後、140℃の乾燥機中に10時間静置し
て加硫・硬化させ、スペーサーを作製し、以下に従う物
性を測定した。それらの結果を表1に示す。
銅製ヒーターケースと銅板との間に挟み、スペーサー厚
みの10%を圧縮した後、銅製ヒーターケースに電力5
Wかけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板との
温度差を測定し、熱伝導率(W/m・K)={電力
(W)×厚み(m)}/{温度差(K)×測定面積(m
2)}、にて熱伝導率を算出した。
29mmの大きさに打ち抜いた後、数枚重ねて高さ10
mmに調製した後、アスカーC型スプリング式硬さ試験
機を用い、SRIS 0101に準拠して測定した。
×100mmの形状に切断後、市販のPETフィルムに
張付け、19.6Nの力で押さえた。万能引張り試験機
(島津製作所社製「オートグラフ」)により、PETフ
ィルムを180°方向に引張り速度10mm/minで
引張り、180°剥離強度を測定した。 「○」:粘着力0.01N/25mm以上 「×」:粘着力0.01N/25mm未満
度分布測定装置(コールター社製、商品名「LS−23
0」)を用いて測定した。 (5)球形度:上記した。
柔軟性及び自己粘着性を有するスペーサーが提供され
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 球形度0.95超、平均粒子径30〜5
0μmの球状アルミナ粉末と、球形度0.85〜0.9
5、平均粒子径が3〜7μmの球状アルミナ粉末の混合
粉末からなり、その混合粉末の1μm以下の割合が15
%以下、平均粒子径が25〜45μmであるフィラーが
50〜80体積%充填されたシリコーン硬化物からなる
ことを特徴とする、熱伝導率2W/m・K以上、アスカ
ーC硬度40以下、表面の少なくとも一部に0.01N
/25mm以上の自己粘着性処理が施されてなる放熱ス
ペーサー。
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