JP2001002830A - 高熱伝導性組成物 - Google Patents
高熱伝導性組成物Info
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Abstract
子部品やこれが実装される基板の冷却構造における接合
部に使用された場合に、部品交換を容易ならしめること
ができる高熱伝導性組成物を提供する。 【解決手段】 高熱伝導性組成物において、熱伝導率の
高いコア材を加水分解されにくいコート材で被覆した形
態を有する、たとえば平均粒径が5〜30μmの第1フ
ィラーと、第1フィラーよりも小さい、たとえば平均粒
径が0.1〜2.0μmである第2フィラーとを、高分
子材料を主成分とするマトリックス中に分散させた。好
ましくは、コア材として、窒化物を採用し、コート材と
して、無機酸化物を採用する。さらに好ましくは、第2
フィラーとして、酸化亜鉛、アルミナあるいはダイヤモ
ンドを採用し、マトリックスとして、シリコーンオイ
ル、シリコーンゲルあるいはシリコーンゴムを採用す
る。
Description
する組成物、たとえば半導体素子などの電子部品や電子
部品が実装された基板などの発熱体に、ヒートシンクな
どの放熱体を接合する際に、発熱体と放熱体との間の熱
伝導を促進する目的で介在させられる熱伝導層もしくは
その材料として好適に使用される組成物に関する。
る半導体素子などの電子部品は、高集積化(多機能化)
され、しかも高速性が要求される。これにともない、電
子部品の駆動時における発熱量が増大する傾向にあり、
効率良く冷却を行わないと電子部品の性能低下を招くお
それがある。
子部品やこれが実装される基板にヒートシンクを接合す
る方法が挙げられる。この場合、冷却効率を向上させる
ためには、ヒートシンクの性能を向上させることが必要
であるばかりでなく、ヒートシンクと電子部品などとの
間の接合部分の熱伝導を促進させることも重要である。
すなわち、ヒートシンクの接合面の凹凸を低減すべく表
面加工を施し、またヒートシンクに荷重をかけて接合界
面の面積を向上しなければならない。しかしながら、こ
れらの方法は、コスト的には不利である。
の間に放熱性の高い組成物からなる熱伝導層を介在させ
ることにより、冷却効率を向上させる手法が採用されて
いる。すなわち、熱伝導性の高いフィラーと呼ばれる粉
末を、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂などのマトリック
スに混ぜ込んで高い熱伝導性を有する組成物とし、これ
をヒートシンクと電子部品などとの接合部分に介在させ
ることにより、冷却効率を向上させるのである。この場
合、電子部品のショートを防止する目的で、マトリック
スやフィラーとして絶縁性の高い材料を用いるのが好ま
しい。
ては、たとえば特公平6−19027号公報や特開平6
−209057号公報に記載されたものがある。特公平
6−19027号公報に記載の組成物は、水酸基含有オ
ルガノポリシロキサン(シリコーンオイル)に熱伝導性
の高い金属化合物、たとえば窒化アルミニウムや窒化ケ
イ素などを添加したものである。一方、特開平6−20
9057号公報に記載の組成物は、絶縁性を有するマト
リックス、たとえばシリコーンオイルなどの高分子材料
に、窒化アルミニウム焼結体の粉末を分散させたもので
ある。
物では、フィラーとして窒化アルミニウムや窒化ケイ素
などといった窒化物が添加されている。しかしながら、
これらの窒化物は、大気中の水分により加水分解してア
ルカリ性を示すため、フィラーとして窒化物を含む組成
物を熱伝導体として使用したならば、加水分解した窒化
物が、その周りの電子部品や基板、あるいはヒートシン
クなどを腐食してしまうおそれがある。すなわち、窒化
物は耐湿性の面で問題があるから、耐湿性のみに着目す
れば、マトリックス内に添加するフィラーとしては、ア
ルミナや酸化亜鉛(亜鉛華)などといった耐湿性に優れ
る無機酸化物のほうが好ましい。しかしながら、無機酸
化物は、窒化物に比較して熱伝導性が低いため、無機酸
化物をフィラーとする組成物では、高い熱伝導性を実現
するのが困難である。
ム、あるいはシリコーンゲルなどのシリコーン樹脂は、
ほとんど収縮しないため、熱硬化時の収縮力の大きいエ
ポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と比較すれば、フィラー
添加によっても比較的に大きい熱伝導率を達成すること
ができない。たとえば、フィラーとしての無機酸化物を
マトリックスとしてのエポキシ樹脂に添加した場合に
は、2W/m・K以上の高い熱伝導率を得ることができ
るが、上記フィラーとシリコーン樹脂を組み合わせた場
合には、0.8〜1.5W/m・K程度の熱伝導性しか
達成できない。その反面、エポキシ樹脂は、接着強度が
高い熱硬化性樹脂であるため、たとえば電子部品や基板
などに問題が生じて部品の交換が必要になった場合に、
部品交換が困難であるといった問題がある。これに対し
て、シリコーン樹脂は、エポキシ樹脂などと比較して接
着強度が低いため、部品交換容易性の観点からは、シリ
コーン樹脂が有用である。
れたものであって、高い熱伝導性および耐湿性を達成
し、また電子部品やこれが実装される基板における冷却
構造の接合部に使用された場合に、部品交換を容易なら
しめることができる高熱伝導性組成物を提供することを
その課題としている。
め、本発明では、次の技術的手段を講じている。すなわ
ち、本発明により提供される高熱伝導性組成物は、熱伝
導率の高いコア材を加水分解されにくいコート材で被覆
した形態を有する第1フィラーと、この第1フィラーよ
りも平均粒径が小さい第2フィラーとを、高分子材料を
主成分とするマトリックス中に分散させたことを特徴と
している。
りも小粒な第2フィラーをマトリックス中に分散させた
形態とされている。この構成では、マトリックス中に分
散した第1フィラーの間に入り込んだかたちで第2フィ
ラーが分散することとなる。つまり、平均粒径の小さい
第2フィラーを混在させることにより、隣り合う第1フ
ィラーどうしの間に第2フィラーが点在することとな
り、第1フィラーのみを添加する場合に比べて、さらに
高い熱伝導率を確保することができる。
導性を高める目的で使用される公知のフィラーと同じ程
度、たとえば5〜30μmの範囲とするのが好ましい。
一方、第2フィラーの添加による効果を好適に得るため
には、第2フィラーの平均粒径は、0.1〜2.0μm
とするのが好ましい。
ち熱伝導率の高い物質としては、たとえば酸化ベリリウ
ム(BeO)や炭化ケイ素(SiC)の他、窒化アルミ
ニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)あるいは窒化ケ
イ素(SiN)などの窒化物が挙げられる。例示したこ
れらの化合物は、単独で使用しても、複数種の併用して
もよい。各化合物を単独で使用する場合には、窒化物が
好ましく使用され、その中でもとくに、窒化アルミニウ
ムが最も好ましい。
わち加水分解されにくい物質としては、たとえばシリカ
(SiO2 )あるいはアルミナ(Al2 O3 )などの無
機酸化物が挙げられる。
様に、樹脂組成物の熱伝導性を向上させる機能を要求さ
れることから、マトリックスよりも熱伝導率が高いこと
が望まれ、たとえば酸化亜鉛(ZnO)やアルミナ(A
l2 O3 )などの無機酸化物の他、ダイヤモンドなどが
用いられる。これらの物質は、各々単独で使用しても、
複数種を併用してもよい。また、平均粒径を0.1〜
2.0μmの範囲にできるのであれば、第1フィラーと
同様に、窒化物などの熱導電性の高い物質を、無機酸化
物などの加水分解されにくい物質で被覆した形態のもの
を第2フィラーとして使用してもよい。
公知の種々の高分子材料を使用することができるが、絶
縁性や熱伝導性を考慮した場合、シリコーンオイル、シ
リコーンゲル、あるいはシリコーンゴム(シリコーンエ
ラストマ)などのシリコーン樹脂が好ましい。また、マ
トリックスとしてシリコーンオイルを使用する場合に
は、長期間の使用に耐えうるように、シリコーンオイル
の揮発性が低いことが望まれるから、たとえば分子量3
000以上のものを使用するのが好ましい。
率は、たとえば9:1〜7:3の範囲とされる。第1フ
ィラーに対する第2フィラーの比率が小さい場合には、
第2フィラーを添加することによる効果を十分に得るこ
とができない一方で、第1フィラーに対する第2フィラ
ーの比率をあまりに大きくしても、一定以上の効果を期
待できないことから、第1フィラーと第2フィラーの比
率を上記した範囲とするのが妥当である。
第1フィラーおよび第2フィラーの添加量は、それぞれ
59〜81重量部および8.5〜27重量部とされる。
各フィラーの添加量をこのような範囲とするのが好まし
いのは、各フィラーの添加量があまりに少ない場合に
は、熱伝導性改善の効果が十分に得られない一方で、添
加量があまりに多い場合には、組成物の稠度が大きくな
って使用上不便だからである。
態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、図1
は、本発明に係る高熱伝導性組成物の断面形態を表す模
式図、図2は、種々のフィラーに対する耐湿性の評価結
果を経時的に表したグラフ、図3および図4は、前記高
熱伝導性組成物を熱伝導層として採用した冷却構造の一
例および他の例をそれぞれ表す断面図である。
導性組成物1は、マトリックス10中に、第1フィラー
11および第2フィラー12をそれぞれ分散した形態と
されている。
コーン樹脂などの高分子材料を主成分とするものが好ま
しく使用される。
りもさらに高い熱伝導性を有するコア材11aを、加水
分解されにくいコート材11bで被覆した形態を有して
いる。なお、第1フィラー11の平均粒径は、熱伝導性
を改善する目的で使用される公知のフィラーと同程度、
たとえば5〜30μmの範囲とされる。
とえば窒化物により構成される。窒化物としては、たと
えば窒化アルミニウム、窒化ホウ素、および窒化ケイ素
などが挙げられるが、これらの窒化物の熱伝導率は、そ
れぞれ70〜240W/m・K、25〜60W/m・
K、および30〜80W/m・Kである。このように、
熱導電率の高い材料である窒化物をコア材11aとすれ
ば、第1フィラー11全体としての高い熱伝導性が確保
できるばかりか、高熱伝導性組成物1全体としても高い
熱伝導性を確保することができる。
O2 )あるいはアルミナ(Al2 O 3 )などの無機酸化
物により構成される。これらの酸化物は、加水分解され
にくい物質であるから、第1フィラー11では、コート
材11bによりコア材11aの加水分解が回避され、第
1フィラー11の耐湿性が改善される。すなわち、たと
えば窒化物は加水分解されてアルカリ性を示し、周りの
部品などを腐食してしまうといった問題があるが、耐湿
性が改善できれば、このようなアルカリ腐食の問題を回
避することができる。
物を無機酸化物で被覆したフィラーと、被覆していない
窒化物のそれぞれについて、耐湿性を評価した。すなわ
ち、シリカでコートした窒化アルミニウム(ダウ・ケミ
カル(株)製;「scan70」(サンプルA))、窒
化アルミニウム(徳山曹達(株)社製;「高純度窒化ア
ルミニウムF」(サンプルB))、窒化ホウ素(昭和電
工(株)社製;「ジュウビーエヌVHP」(サンプル
C))、および窒化ホウ素(電気化学工業(株)社製;
「デンカボロンナイトライド」(サンプルD))につい
て、耐湿性を評価した。具体的には、pHが6.5であ
る弱酸性液を100ml保持した容器を4つ準備し、各
容器内に、各サンプルを10gずつ添加し、溶液のpH
変化を経時的に測定した。その結果を図2に示すが、被
覆していない窒化アルミニウムは、翌日には溶液のpH
が12を超えて強アルカリ性を示しており、被覆してい
ない各窒化ホウ素は、溶液のpHが上昇してアルカリ性
を示している。これに対して、シリカで被覆した窒化ア
ルミニウムは、実験を行った11日間において、溶液の
pHがほとんど変化しなかった。このように、コア材と
しての窒化アルミニウムが被覆層により守られて加水分
解されにくく、耐湿性に優れていることが確認できた。
りも熱伝導率の高い物質により構成するのが好ましく、
たとえば酸化亜鉛やアルミナなどの無機酸化物の他、ダ
イヤモンドなどにより構成される。そして、第2フィラ
ー12の平均粒径は、第1フィラー11よりも小さいも
の、たとえば0.1〜2.0μmの範囲とされる。
よりも熱伝導性の高い材料を使用すれば、高熱伝導性組
成物1全体としてさらに高い熱伝導性を確保することが
できる。また、第2フィラー12の平均粒径を、第1フ
ィラー11のそれよりも小さくすれば、マトリックス1
0中に分散した第1フィラー11の間に入り込んだかた
ちで第2フィラー12が分散することとなるから、平均
粒径の小さい第2フィラー12を混在させることによ
り、第1フィラー11のみを添加する場合に比べて、さ
らに高い熱伝導率を確保することができる。
伝導性組成物1では、マトリックス10よりも熱伝導性
の高い第1フィラー11および第2フィラー12を添加
することにより、樹脂組成物1全体としての熱伝導性が
高められている。そして、平均粒径の異なる大小2種類
のフィラー11,12を混在させることにより、さらに
熱伝導性が高められている。また、窒化物をコア材11
aとし、無機酸化物をコート材12bとした構成の第1
フィラー11を採用した高熱伝導組成物1では、窒化物
の有する高い熱伝導性を有効利用しつつ、無機酸化物に
より耐湿性を改善してアルカリ腐食の問題を適切に回避
することができる。さらに、マトリックス10としてシ
リコーン樹脂を採用した場合には、高熱伝導性組成物1
の絶縁性も好適に確保される。
は、たとえば半導体素子の冷却構造の熱伝導体として好
ましく使用される。
図3に示したように、フェイスダウン方式で基板2に実
装された半導体素子3の裏面30側に、熱伝導層4を介
してヒートシンク5が接合された構成のものがある。
数の端子(図示略)が設けられており、これらの端子
が、基板2に設けられた複数の端子20のうちの対応す
る端子20と、はんだバンプ21を介して導通接続され
ている。そして、半導体素子3の表面31と基板2との
間が、絶縁性の高い樹脂6、たとえばエポキシ樹脂など
を介して封止されている。
熱フィン52が突出形成された形態とされ、表面積、す
なわち放熱面積が大きく確保されている。
1により構成されている。すなわち、半導体素子3とヒ
ートシンク5の間が、熱伝導性および耐湿性に優れた組
成物により接合されている。したがって、ヒートシンク
5の接触面の凹凸を低減すべく表面加工を施し、またヒ
ートシンク5に荷重をかけて、接触界面の面積を向上す
るまでもなく、高熱伝導性組成物1からなる熱伝導層4
を介在させることにより、ヒートシンク5と半導体素子
3との間の熱伝導を、効果的に促進することができる。
これにより、冷却構造Xの高効率化を図り、半導体素子
3などの電子部品の多機能化や高速化による駆動熱の増
大に適切に対応することができる。
えば図4に示したように、基板2Aに接合された構成の
冷却構造Yの熱伝導層4Aとしても、本発明の高熱伝導
性組成物1を適用できるのはいうまでもない。この冷却
構造Yは、半導体素子3Aが実装された基板2Aにおい
て、半導体素子3Aが実装された表面2aとは反対の裏
面2b側において構築されており、半導体素子3Aから
の発熱を、基板2Aの裏面2b側から放熱するようにな
っている。このような構成の冷却構造Yにおいても、基
板2Aとヒートシンク5Aの熱伝導が重要となることか
ら、基板2Aとヒートシンク5Aの間に、本発明の高熱
伝導性組成物1を介在させることにより、冷却構造Yの
冷却効率を向上させることができる。
明する。
リコーン(株)製;「シリコーンオイルTSF45
1」)11gに、チタネート系カップリング剤0.2g
とキシレン6gを添加してマトリックスとした。そし
て、シリカコート窒化アルミニウム(ダウ・ケミカル
(株)製;「scan 70」)をふるいで粒径40μ
m以下とするとともに平均粒径を20μmとし、これを
第1フィラーとした。この第1フィラーを、第2フィラ
ーとしての平均粒径が1μmの酸化亜鉛(高純度化学
(株)製;「ZnO」)と重量比で4:1の割合で混合
して混合フィラーとし、この混合フィラー89gを、先
に作製したマトリックスに添加して、回転式混練脱泡機
での5分間混合を2回繰り返して本実施例の組成物を得
た。このようにして得られた組成物について、熱伝導性
および絶縁信頼性を評価した。その結果を表1および図
5に示した。なお、絶縁信頼性については、2つのサン
プルについて評価を行い、それぞれの結果を図5に示し
た。また、部品取り外し性について評価した。
さ2mmの銅板の4つの角のそれぞれに、厚さ250μ
mのスペーサを取り付け、スペーサを避けるようにして
上記した組成物を塗布し、スペーサを取り付けていない
同様な大きさの銅板を押し付けることにより、2枚の銅
板の間に組成物層が介在するサンドイッチ構造のサンプ
ルを作製した。そして、このサンプルの一方の銅板に、
熱源により35Wの出力で熱を与えるとともに、他方の
銅板を5℃の冷却水で冷却したときの温度差ΔTを測定
し、この値およびサンプルの設計値を下記の式に代入し
て熱伝導率を算出することにより熱伝導性を評価した。
て、上記した手法により作製した組成物を用いて図3お
よび図4に示した冷却構造をそれぞれ構築し、ヒートシ
ンクに対して剪断方向(図中の矢印方向)にそれぞれ力
を加え、ヒートシンクが取り外されたときの力の大きさ
により部品の取り外し性を評価した。なお、半導体素子
の平面視面積は16×16mm、ヒートシンクの接合面
の面積は16×16mm、図4の基板の平面視面積は4
5×45mmとした。このとき、ヒートシンクの取り外
し力が、図3に示した冷却構造では、0.7kgf/c
m2 であり、図4に示した冷却構造では0.7kgf/
cm2 であった。
が100μmとなるようにして上記手法により作製した
組成物を塗布して絶縁膜を形成し、この絶縁膜に電圧を
印加してその絶縁性を経時的に観測した。具体的には、
絶縁膜が形成された銅板を、温度が85℃、相対湿度が
85%に設定された高温高湿室内に放置するとともに、
絶縁膜の表面に、互いの距離が75μmとなるようにし
て一対のプローブをそれぞれ接触させて、プローブ間に
3.2Vの電圧を継続的に印加し、プローブ間の電圧を
経時的に測定した。
て、シリコーンゲル(東レ・ダウコーニングシリコーン
(株)製;「SE1885」)を用いてマトリックスを
作製し、第2フィラーとして酸化亜鉛に代えて、平均粒
径が1μmのダイヤモンド(東名ダイヤモンド(株)
製;「ダイヤモンド」)を用いた以外は実施例1と同様
にして組成物を得た。この組成物について、実施例1と
同様な手法により、熱伝導性を評価した。その結果を表
1に示した。なお、シリコーンゲルは、2液性なので、
A剤(主剤)およびB剤(硬化剤)をそれぞれ別個に作
製した。
て、シリコーンゲル(東レ・ダウコーニングシリコーン
(株)製;「シリコーンゲル SE1875」)を用い
てマトリックスを作製した以外は実施例1と同様にして
組成物を得た。この組成物について、実施例1と同様な
手法により、熱伝導性を評価した。その結果を表1に示
した。
鉛に代えて、平均粒径が1μmのダイヤモンド(東名ダ
イヤモンド(株)製;「ダイヤモンド」)を用いた以外
は実施例1と同様にして組成物を得た。この組成物につ
いて、実施例1と同様のして手法により熱伝導性を評価
した。その結果を表1に示した。
て、シリコーンエラストマ(東レ・ダウ・ユーニング・
シリコーン(株)製;「SE1885」)を用いた以外
は実施例1と同様にして組成物を得た。この組成物につ
いて、実施例1と同様の手法により熱伝導性を評価し
た。その結果を表1に示した。
亜鉛に代えて平均粒径が1μmのアルミナ(アドヌテッ
クス(株)製;「Ao−902」)を用いた以外は実施
例1と同様にして組成物を得た。この組成物について、
実施例1と同様の手法により熱伝導性を評価した。その
結果を表1に示した。
アルミニウムをシリコン系カップリング剤により被覆し
た平均粒径が15μmのものを用い、マトリックスとし
て、シリコーンオイルを用いたシリコーンコンパウンド
(信越化学工業(株);「G765」)について、実施
例1と同様の手法により熱伝導性および絶縁信頼性を評
価した。熱伝導性の評価結果については表1に、絶縁信
頼性の評価結果については図5に示した。なお、絶縁信
頼性については、2つのサンプルについて評価を行い、
それぞれの結果を図5に示した。
ムのコア材を、シリカで被覆した第1フィラーを採用
し、これよりも小径の第2フィラーを混在させた各実施
例の組成物は、従来において、マトリックスとしてシリ
コーン樹脂を採用した組成物では困難であった2W/m
・K以上の熱伝導率が達成されている。
イルを採用した実施例1の組成物を、熱伝導層として採
用した冷却構造では、ヒートシンクの取り外し力が、図
3に示した冷却構造では、0.7kgf/cm2 であ
り、図4に示した冷却構造では0.7kgf/cm2 で
あった。このように、実施例1の組成物を熱伝導層とし
て採用した場合には、ヒートシンクの取り外しに要する
力が小さくて済み、部品の交換性が良好なものとされて
いる。
較例1の組成物の絶縁信頼性を比較した場合、測定開始
から50時間程度までは実施例1および比較例1の組成
物ともに高い絶縁信頼性を示しているが、比較例1の組
成物については、50時間から100時間経過後におい
て、測定される電圧値が大きくなり始め、数100時間
経過後には、全く絶縁性がなくなっている。一方、比較
例1の組成物が絶縁性がなくった時点においても、実施
例1の組成物では全く絶縁性が低下しておらず、実施例
1の組成物は絶縁信頼性が高いことが確認された。これ
は、実施例1の組成物では、コア材を加水分解されにく
いシリカで被覆した第1フィラーを採用しているのに対
し、比較例1の組成物では、コア材をカップリング剤で
被覆している点に起因している考えられる。
導性組成物は、高い熱伝導性および耐湿性が達成され
る。また、上記高熱伝導性組成物が電子部品の冷却構造
の接合部に使用された場合に、アルカリ腐食の問題を回
避しつつ、冷却構造の冷却効率を高めるとともに、部品
交換を容易ならしめることができる。
す模式図である。
た窒化物(AlN)の耐湿性の評価結果を経時的表した
グラフである。
体素子の冷却構造の一例を表す断面図である。
体素子の冷却構造の他の例を表す断面図である。
いて、絶縁性の経時的変化を表すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 熱伝導率の高いコア材を加水分解されに
くいコート材で被覆した形態を有するの第1フィラー
と、この第1フィラーよりも平均粒径の小さい第2フィ
ラーとを、高分子材料を主成分とするマトリックス中に
分散させたことを特徴とする、高熱伝導性組成物。 - 【請求項2】 上記第1フィラーの平均粒径は、5〜3
0μmであり、上記第2フィラーの平均粒径は、0.1
〜2.0μmである、請求項1に記載の高熱伝導性組成
物。 - 【請求項3】 上記コア材は、窒化アルミニウム、窒化
ホウ素、および窒化ケイ素からなる群より選ばれる少な
くとも1つの窒化物を含んでおり、上記コート材は、シ
リカあるいはアルミナのうちの少なくとも1つの無機酸
化物を含んでいる、請求項1または2に記載の高熱伝導
性組成物。 - 【請求項4】 上記第2フィラーは、酸化亜鉛、アルミ
ナ、およびダイヤモンドからなる群より選ばれる少なく
も1つの物質を含んでいる、請求項1ないし3のいずれ
か1つに記載の高熱伝導性組成物。 - 【請求項5】 上記マトリックスの主成分は、シリコー
ンオイル、シリコーンゲル、あるいはシリコーンゴムで
ある、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の高熱伝
導性組成物。
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