JP7330419B1 - 放熱部材、基材付き放熱部材およびパワーモジュール - Google Patents

放熱部材、基材付き放熱部材およびパワーモジュール Download PDF

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Abstract

セラミックフィラーと、非磁性および扁平状の金属フィラーと、保持材と、を含む、放熱部材。

Description

本開示は、放熱部材、基材付き放熱部材およびパワーモジュールに関する。
LED素子やIC等の発熱部品を搭載した電気電子機器において、高出力化による発熱量の増大により、放熱技術の重要性が増している。特に、防塵防水のため密閉筐体で使用される車載電装品や真空中で使用される宇宙機器等は、空気対流による放熱が困難という問題がある。そのため、従来の放熱技術であるアルミヒートシンクによる自然空冷や電動ファンによる強制空冷等では、十分な放熱効果が得られない。また、CPUの高性能化によって発熱量が増大傾向にあるノート型パソコンを含む情報機器では、小型化や高密度実装化が進んでおり、体積の大きいアルミヒートシンクを搭載するスペースがないという問題もある。さらに、従来のアルミヒートシンクは金属製であるため、電磁ノイズを発生し、電気電子機器の誤動作を招くという問題もある。そのため、近年、従来の放熱技術では放熱対策が困難な電気電子機器を対象に、赤外線の熱放射を利用したセラミックヒートシンクが注目されている。
特許第4404855号公報(特許文献1)では、粒径が最低3μmから最大325メッシュの範囲であるショールトルマリン粉末と流動状の固定剤とを混和してなる塗布剤を、銅またはアルミニウムからなる基材の表面に、ショールトルマリン粉末が1平方cmあたり0.025から0.05gの面密度となるように塗着して固化してなるトルマリン層を有したことを特徴とする放熱部材が開示されている。
特許第4404855号公報
しかしながら、特許文献1で開示されている放熱部材では、熱伝導率の低い樹脂系の固定剤を含有していることから、放熱部材の熱抵抗が大きくなりすぎる。そのため、熱源の熱が放熱部材の表面に十分に伝わらず、放熱部材表面の放射性能が低下するおそれがある。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、熱伝導率が高く、かつ、放射性能に優れる放熱部材および基材付き放熱部材を提供することを目的とする。
また、放熱性能に優れるパワーモジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、放射率の高いセラミックフィラーと、熱伝導率の高い非磁性の金属フィラーとを複合化させた材料において、非磁性の金属フィラーの形状を扁平状にすることで、熱パスとなる金属フィラー同士の接触を効率的に得ることができ、熱伝導率が高く、かつ、放射性能に優れる放熱部材が得られることを見出した。また、本セラミックフィラーを放熱部材に適用することで、放熱部材の放射性能が向上することも見出した。
本開示は、以下の放熱部材、基材付き放熱部材およびパワーモジュールに関する。
セラミックフィラーと、非磁性および扁平状の金属フィラーと、保持材と、を含む、放熱部材。
基材と、放熱部材と、を備え、
前記放熱部材は、前記基材の表面にコーティングされるコーティング層である、基材付き放熱部材。
電力半導体素子と、前記電力半導体素子で発生する熱を外部に放熱することのできる放熱部材または基材付き放熱部材と、外部と電気的に接続されるリードフレームと、を備え、
前記リードフレームは、外部接続部を有し、
前記外部接続部の表面の少なくとも一部は、前記放熱部材または前記基材付き放熱部材により覆われている、パワーモジュール。
本開示によれば、熱伝導率が高く、かつ、放射性能に優れる放熱部材および基材付き放熱部材を提供することができる。また、放熱性能に優れるパワーモジュールを提供することができる。
図1は、実施の形態1における放熱部材の一例を示す断面模式図である。 図2は、実施の形態1における放熱部材を熱源に設置した一例を示す断面模式図である。 図3は、球形状のフィラー同士の接触状況を示す断面模式図である。 図4は、扁平状のフィラー同士の接触状況を示す断面模式図である。 図5は、実施の形態1における放熱部材の他の一例を示す断面模式図である。 図6は、実施の形態1における放熱部材の他の一例を示す断面模式図である。 図7は、実施の形態1における放熱部材の他の一例を示す断面模式図である。 図8(a)は、セラミックフィラーの断面模式図であり、図8(b)は、金属フィラーの断面模式図である。 図9は、実施の形態2における基材付き放熱部材の一例を示す断面模式図である。 図10は、実施の形態3におけるパワーモジュールの断面模式図である。
以下、本開示の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
<放熱部材>
図1は、実施の形態1に係る放熱部材の一例を示す断面模式図である。以下、図1を用いて、本実施の形態に係る放熱部材1について説明する。本実施の形態に係る放熱部材1は、セラミックフィラー2と、非磁性および扁平状の金属フィラー3と、保持材4と、を含む。本実施の形態に係る放熱部材1は、図2に示すように、半導体素子等の熱源5から発生した熱を放熱部材1の表面から赤外線の放射によって外部に放出することで、放熱効果を発現する。また、放熱部材1の表面温度が高いほど、表面(図2において、熱源と接している面とは反対の面)から赤外線が多量に放射され、放熱効果が向上する。そのため、放熱部材1の放熱効果を高めるには、表面に熱源の熱を効率的に伝達し、表面温度を可能な限り高めることが必要である。
しかしながら、一般的に、セラミックフィラーおよび保持材は、熱伝導率が金属フィラーと比較して高くないため、熱抵抗が高くなり易く、効率的に熱を伝達することが困難である。そこで、本実施の形態の放熱部材1では、熱伝導率の高い非磁性の金属フィラー3を含有することで、放熱部材1の熱伝導率を向上させている。その際、非磁性の金属フィラー3の形状を扁平形状にすることで、非磁性の金属フィラー3同士がより接触し易くなるため、非磁性の金属フィラー3の含有量が少なくても放熱部材1の熱伝導率が向上する。そのため、本実施の形態の放熱部材1は、熱伝導率が高く、かつ、放射性能に優れたものとなる。
(セラミックフィラー)
本実施の形態の放熱部材1は、セラミックフィラー2を含む。セラミックフィラー2を含むことにより、放射性能を向上させることができる。
セラミックフィラー2としては、特に制限はないが、放射率が高いことが好ましく、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、シリカ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の工業的なセラミック材料、電気石、白土、軽石等のケイ酸塩系の鉱物、パーライト、ゼオライト等のアルミノケイ酸塩系の鉱物、タルク、菫青石等のマグネシウムケイ酸塩系の鉱物、等の鉱物系のセラミック材料等が挙げられる。これらのセラミックフィラー2は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されない。
これらのセラミックフィラー2の中でも、アルミナ、電気石が好ましく、特に、電子機器の放熱で重要となる波長3μm以上25μm以下の赤外線の放射率が高い極性結晶体の一種である電気石がより好ましい。また、放熱部材の熱伝導率を高める観点からは、放射率だけでなく、熱伝導率が比較的高い窒化物系のセラミック材料である窒化アルミ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等が好ましい。さらに、放射率の高い鉱物系のセラミック材料と、熱伝導率の高い窒化物系のセラミック材料とを組合わせて用いることで、放熱部材の放射性能および熱伝導率をより向上させる効果が得られる。
セラミックフィラー2の含有率は、十分な放射性能を得る観点から、30体積%以上80体積%以下であり、40体積%以上70体積%以下であることが好ましい。セラミックフィラー2の含有率が30体積%未満の場合、放熱部材1の放射性能が十分に向上しない。セラミックフィラー2の含有率が80体積%を超える場合、他の構成成分である金属フィラー3および保持材4の含有量が少なくなるため、放熱部材1の熱伝導率向上効果や成型性の観点で劣るおそれがある。
セラミックフィラー2の平均粒径(d)は、特に制限はないが、1.0μm以上30μm以下であることが好ましい。ここで、本実施の形態におけるセラミックフィラー2の平均粒径は、セラミックフィラー2をエポキシ樹脂に埋封したサンプルを作製し、そのサンプルの断面を研磨して、SEM(走査型電子顕微鏡)で拡大(例えば、5000倍)した後、少なくとも20個の粒子について長径を測定し、その測定値を平均化することによって得ることができる。なお、長径とは、セラミックフィラー2の断面における該セラミックフィラー2の外周上の2点を結ぶ線分(2点間線分)のうち最大の長さを有する線分(最長線分)の長さを意味する(図8(a)参照)。
セラミックフィラー2の形状は、特に制限はないが、例えば、球状または略球状、鱗片状、柱状等が挙げられ、球状または略球状であることが好ましい。
(金属フィラー)
本実施の形態の放熱部材1は、非磁性および扁平状の金属フィラー3を含む。非磁性および扁平状の金属フィラー3を含むことにより、熱伝導率を向上させることができる。
金属フィラー3は、熱伝導率が高い金属材料である。一般的に、金属材料の熱伝導率は、磁性金属よりも、非磁性の金属の方が高い傾向がある。また、磁性金属を含む放熱部材1を電子機器に用いた場合、電磁気的に回路に悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、本実施の形態の放熱部材1では、非磁性の金属材料を金属フィラー3として用いる。
非磁性の金属フィラー3の熱伝導率は、100W/(m・K)以上であることが好ましく、150W/(m・K)以上であることがより好ましく、200W/(m・K)以上であることがさらに好ましい。非磁性の金属フィラー3としては、例えば、金、銀、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、タングステン等の比較的熱伝導率の高い金属材料が挙げられる。これらの非磁性の金属フィラー3は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されない。特に、コストと熱伝導率との観点から、銅および銅合金を用いることが好ましい。
金属フィラー3の形状は、扁平状である。金属フィラーの形状が、例えば球状である場合には、図3に示すように、放熱部材の中で球状の金属フィラー同士が接触しにくいため、有効な熱パスを形成しにくい。そのため、放熱部材の熱伝導率を向上させるためには、金属フィラーを多量に含有する必要がある。その結果、放熱部材を作製可能なフィラー含有量の範囲において、放射性能を担うセラミックフィラー2の含有量が相対的に少なくなるという問題がある。一方、本実施の形態の金属フィラー3は扁平状であるため、図4に示すように、放熱部材の中で金属フィラー3同士の接触が得られ易いため、放熱部材1における金属フィラー3の含有量が比較的少ない場合であっても、放熱部材1の熱伝導率向上に有効な熱パスを形成することが可能となる。
また、金属フィラー3の形状が扁平状であるとは、原料として用いる金属フィラーを加熱圧縮したフィラー、扁平状である金属フィラーの原料等を含むものである。
非磁性および扁平状の金属フィラー3のアスペクト比は、3以上30以下であり、4以上20以下であることが好ましい。ここで、非磁性および扁平状の金属フィラー3のアスペクト比は、非磁性および扁平状の金属フィラー3をエポキシ樹脂に埋封したサンプルを作製し、そのサンプルの断面を研磨して、SEM(走査型電子顕微鏡)で拡大(例えば、5000倍)した後、少なくとも20個の粒子について非磁性および扁平状の金属フィラー3の長径および短径を測定して長径と短径との比(長径/短径)を算出し、その平均値を求めることによって得られる値を意味する。なお、長径とは、非磁性および扁平状の金属フィラー3の断面における該非磁性および扁平状の金属フィラー3の外周上の2点を結ぶ線分(2点間線分)のうち最大の長さを有する線分(最長線分)の長さを意味し、短径とは、最長線分と垂直に交わる2点間線分のうち、最大長さを有する2点間線分の長さを意味する(図8(b)参照)。
非磁性および扁平状の金属フィラー3のアスペクト比が3未満の場合、扁平状による金属フィラー3同士の接触し易さの効果が十分に得られず、放熱部材1の熱伝導率向上に有効な熱パスが形成されないおそれがある。非磁性および扁平状の金属フィラー3のアスペクト比が30を超える場合、短径が短い、すなわち、扁平状の金属フィラー3の厚みが薄すぎるため、非磁性および扁平状の金属フィラー3の強度が極端に弱くなり、扁平状を保てないおそれがある。
非磁性および扁平状の金属フィラー3の平均長径(d)は、放熱部材1の厚みをtとしたとき、下記式(1)を満たすことが好ましい。
2.0≦d≦t/2・・・(1)
平均長径(d)が2μm未満の場合、非磁性および扁平状の金属フィラー3同士が接触しにくいため、実用性を阻害するほどではないものの、有効な熱パスを形成しにくいおそれがある。平均長径(d)がt/2μmを超える場合、放熱部材1の厚み(t)に対して平均長径(d)が長すぎるため、非磁性および扁平状の金属フィラー3が放熱部材1の厚み方向に対して垂直方向に倒れ易くなる。そのため、実用性を阻害するほどではないものの、放熱部材1の厚み方向への熱伝導率が向上しにくいおそれがある。なお、後述するように、放熱部材1の厚みであるtは、5μm以上であることが好ましい。
非磁性および扁平状の金属フィラー3の含有率は、十分な熱伝導率を得る観点から、10体積%以上60体積%以下であり、15体積%以上50体積%以下であることが好ましい。非磁性および扁平状の金属フィラー3の含有率が10体積%未満の場合、放熱部材1の熱伝導率が十分に向上しない。非磁性および扁平状の金属フィラー3の含有率が60体積%を超える場合、他の構成成分であるセラミックフィラー2および保持材4の含有量が少なくなるため、放熱部材1の放射性能向上効果や成型性の観点で劣るおそれがある。
(保持材)
本実施の形態の放熱部材1に含まれる保持材4としては、特に制限はなく、セラミックフィラー2および非磁性および扁平状の金属フィラー3を放熱部材1中に均一に分散し、固定化する機能を有していればよい。保持材4としては、例えば、有機系バインダーまたは無機系バインダーを適宜選択して使用することができる。有機系バインダーまたは無機系バインダーを選定する際の指標としては、例えば耐熱性が挙げられ、放熱部材1を使用する温度領域によって、所望の耐熱性を有する有機系バインダーまたは無機系バインダーを適宜選択すればよい。また、密着性や放熱部材1の製造容易性の観点からは、有機系バインダーが好ましい。
有機系バインダーとしては、特に限定されないが、耐熱性や耐久性の観点から、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、接着性の観点から、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環脂肪族エポキシ樹脂、グリシジル-アミノフェノール系エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの有機系バインダーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されない。
有機系バインダーとして上述の熱硬化性樹脂を用いる場合、放熱部材1は、硬化剤を含んでいてもよい。硬化剤は、特に制限はなく、使用する熱硬化性樹脂の種類に応じて公知のものを適宜選択すればよい。硬化剤としては、例えば、アミン類、フェノール類、酸無水物類、イミダゾール類、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、有機系バインダーとしてエポキシ樹脂を用いる場合の硬化剤としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸等の脂環式酸無水物、ドデセニル無水コハク酸等の脂肪族酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の芳香族酸無水物、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジド等の有機ジヒドラジド、2-メチルイミダゾールおよびその誘導体、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルベンジルアミン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンおよびその誘導体等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されない。
硬化剤の含有量は、使用する熱硬化性樹脂や硬化剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、一般的に、100質量部の熱硬化性樹脂に対して0.1質量部以上200質量部以下である。
本実施の形態の放熱部材1は、セラミックフィラー2ならびに非磁性および扁平状の金属フィラー3と、熱硬化性樹脂の硬化物との界面の接着力を向上させる観点から、カップリング剤を含んでいてもよい。カップリング剤の例としては、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのカップリング剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されない。
カップリング剤の含有量は、使用する熱硬化性樹脂やカップリング剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、一般的に、100質量部の熱硬化性樹脂に対して0.01質量部以上1質量部以下である。
無機系バインダーとしては、特に限定されないが、セラミックフィラー2ならびに非磁性および扁平状の金属フィラー3との馴染みがよく、均一な分散が可能である液状の無機系バインダーが好ましい。また、無機系バインダーの硬化温度は、有機系バインダーの硬化温度と比較して高温である場合が多いが、作業性や後述する基材8の熱処理による変質防止の観点から、無機系バインダーの硬化温度は、250℃以下であり、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましい。このような硬化温度を有する無機系バインダーを用いることで、基材8の熱劣化を発生させずに効率的にコーティング層を形成することが可能となる。無機系バインダーの具体例としては、ゾルゲルガラス、有機無機ハイブリッドガラス、水ガラス、一液性の無機接着剤、二液性の無機接着剤等が挙げられる。これらの無機系バインダーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されない。
保持材4の含有率は、10体積%以上60体積%以下であり、15体積%以上50体積%以下であることが好ましい。保持材4の含有率が10体積%未満の場合、セラミックフィラー2と非磁性および扁平状の金属フィラー3とを保持する力が不足し、成型性の観点で劣るおそれがある。保持材4の含有率が60体積%を超える場合、他の構成成分であるセラミックフィラー2および非磁性および扁平状の金属フィラー3の含有量が少なくなるため、放熱部材1の放射性能および熱伝導率向上効果の観点で劣るおそれがある。
(分散構造)
本実施の形態の放熱部材1においては、図1に示すように、放熱部材1全体に、セラミックフィラー2と非磁性および扁平状の金属フィラー3とが均一に分散していてもよい。セラミックフィラー2と、非磁性および扁平状の金属フィラー3とが均一に分散することにより、放熱部材1全体に均一に熱源5の熱が伝わり易くなり、放熱性能がより向上する。
また、セラミックフィラー2と、非磁性および扁平状の金属フィラー3とは、放熱部材1の厚み方向において、各含有量に濃度勾配を有していてもよい。具体的には、図6に示すように、セラミックフィラー2の含有量は、放熱部材の厚み方向に向かうに従い減少する濃度勾配を有していてもよく、非磁性および扁平状の金属フィラー3の含有量は、放熱部材の厚み方向に向かうに従い増加する濃度勾配を有していてもよい。すなわち、放熱部材1の厚み方向で、熱源5と接している面に近い領域(図6の下側)は、非磁性および扁平状の金属フィラー3を多く含んでいることが好ましく、熱源5と接している面とは反対側の領域(図6の上側)は、セラミックフィラー2を多く含んでいることが好ましい。これは、セラミックフィラー2が放射性能を向上させる機能を有し、非磁性および扁平状の金属フィラー3が熱伝導率を向上させる機能を有するためである。
さらに、図7に示すように、放熱部材1は、セラミックフィラー2を多く含有する第1層6と、非磁性および扁平状の金属フィラー3を多く含有する第2層7と、の2層構造を有していてもよい。このような場合も、放熱部材1の厚み方向で、熱源5と接している面に近い第2層7は、非磁性および扁平状の金属フィラー3を多く含んでいることが好ましく、熱源5と接している面とは反対側の第1層6は、セラミックフィラー2を多く含んでいることが好ましい。
放熱部材1の分散構造は、放熱部材1を切断し、その断面をSEMで拡大(例えば、5000倍)して観察することによって確認することができる。
(配向状態)
本実施の形態の放熱部材1における非磁性および扁平状の金属フィラー3の配向状態は、図1に示すように、等方的に分散していることが好ましい。ここで、「等方的に分散している」とは、非磁性および扁平状の金属フィラー3の分布に配向性がないこと(または配向性が小さいこと)を意味する。すなわち、放熱部材1中において、非磁性および扁平状の金属フィラー3がランダムな方向に向いている。例えば、図5に示すように、非磁性および扁平状の金属フィラー3の長軸方向が放熱部材1の長手方向(図5の横方向)に向いている場合、放熱部材1の厚み方向の熱伝導率が向上しにくいおそれがある。一方、非磁性および扁平状の金属フィラー3が等方的に分散している場合、放熱部材1の厚み方向に熱パスが形成され易くなり、熱伝導率がより向上する。
非磁性および扁平状の金属フィラー3は、放熱部材1中にセラミックフィラー2が存在することで、非磁性および扁平状の金属フィラー3の長軸方向が放熱部材1の長手方向に向くことが物理的に防止され、等方的に分散する傾向がある。そのため、非磁性および扁平状の金属フィラー3を放熱部材1中で等方的に分散させるためには、セラミックフィラー2の平均粒径(d)と、非磁性および扁平状の金属フィラー3の平均長径(d)との比を調整すればよい。セラミックフィラー2の平均粒径(d)と非磁性および扁平状の金属フィラー3の平均長径(d)との比(d/d)は、下記式(2)を満たすことが好ましい。
0.5≦d/d≦5.0・・・(2)
/dが上記範囲にある場合、非磁性および扁平状の金属フィラー3が等方的に分散され易くなる。なお、放熱部材1における非磁性および扁平状の金属フィラー3の配向状態は、上述の放熱部材1の分散構造と同じ方法で確認することができる。
(平均放射率)
本実施の形態の放熱部材1の平均放射率は、70%以上である。一般的に、放熱部材1の放射率は温度によって変化するが、電気電子機器の放熱部材1として通常使用される200℃以下の温度領域、好ましくは150℃以下の温度領域において、70%以上の平均放射率を有している場合、放熱部材1として十分な冷却性能が得られる。放熱部材1の平均放射率は、75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
平均放射率は、放射率測定装置を用いて、3μm以上25μm以下の波長領域における各放射率を測定し、全波長領域での放射率の平均値を算出することによって求められる。
(熱伝導率)
本実施の形態の放熱部材1の熱伝導率は、3W/(m・K)以上である。放熱部材1の熱伝導率が3W/(m・K)以上である場合、熱源から発生した熱が放熱部材1に効率的に伝達されるため、さらに高い放熱性能が期待できる。放熱部材1の熱伝導率は、5W/(m・K)以上であることが好ましく、10W/(m・K)以上であることがより好ましい。なお、本実施の形態における放熱部材1の熱伝導率は、放熱部材1の厚み方向の熱伝導率を意味する。
熱伝導率は、レーザーフラッシュ法を用いて測定される。
(形状)
本実施の形態の放熱部材1の形状は、用途に応じて適宜設定される。放熱部材1の形状は、特に制限はないが、例えば、シート、フィルム、薄膜、成形体等が挙げられる。
(厚み)
放熱部材1の厚みtは、放熱部材1の形状や使用するセラミックフィラー2、非磁性および扁平状の金属フィラー3に応じて適宜調整される。ただし、非磁性および扁平状の金属フィラー3の平均長径(d)を考慮して、放熱部材1の厚みtは、5μm以上であることが好ましい。
(その他)
本実施の形態の放熱部材1は、本開示の効果を損なわない範囲で、溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、特に限定されることはなく、使用するセラミックフィラー2や非磁性および扁平状の金属フィラー3の種類等に応じて公知のものを適宜選択すればよい。溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルプロピオンアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネート、トルエン、キシレン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロパノール、ギ酸、酢酸等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されない。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る基材付き放熱部材の一例を示す断面模式図である。以下、図9を用いて、本実施の形態に係る基材付き放熱部材について説明する。本実施の形態の基材付き放熱部材は、基材8と、放熱部材1と、を備え、放熱部材1は、基材8の表面にコーティングされるコーティング層である。
基材8は、特に制限はないが、熱源5の熱を効率的に伝達する観点から、熱伝導率の高い金属およびセラミックであることが好ましい。金属としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、その他合金等が挙げられる。セラミックとしては、例えば、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、窒化アルミ、炭化ケイ素等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されない。
また、コーティング層の厚みは、放熱部材1の厚みと同様に、放熱部材1の形状や使用するセラミックフィラー2の平均粒径(d)、非磁性および扁平状の金属フィラー3の平均長径(d)に応じて適宜調整される。ただし、基材8との密着性やヒートサイクル等の長期信頼性試験での耐剥離性の観点から、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
実施の形態3.
本実施の形態のパワーモジュールは、電力半導体素子と、電力半導体素子で発生する熱を外部に放熱することのできる実施の形態1に記載の放熱部材または実施の形態2に記載の基材付き放熱部材と、外部と電気的に接続されるリードフレームと、を備える。リードフレームは、外部接続部を有する。外部接続部の表面の少なくとも一部は、実施の形態1に記載の放熱部材または実施の形態2に記載の基材付き放熱部材により覆われている。
以下、本実施の形態のパワーモジュールについて図面を用いて説明する。
図10は、本実施の形態のパワーモジュールの断面模式図である。図10において、パワーモジュール9は、リードフレーム10と、放熱部材であるヒートシンク11と、リードフレーム10とヒートシンク11との間に配置された絶縁シート12と、リードフレーム10に搭載された電力半導体素子13および制御用半導体素子14とを備えている。そして、電力半導体素子13と制御用半導体素子14との間、および、電力半導体素子13とリードフレーム10との間は、金属線15によってワイヤボンディングされている。また、リードフレーム10は外部接続部を有し、リードフレーム10の外部接続部以外、および、ヒートシンク11の外部放熱部以外は、封止樹脂16で封止されている。さらに、リードフレーム10の外部接続部の表面の少なくとも一部は、放熱部材1または基材付き放熱部材により覆われている。施工の容易性から基材付き放熱部材1であることが好ましい。パワーモジュール9は、リードフレーム10の外部接続部の表面の少なくとも一部が放熱部材1または基材付き放熱部材により覆われていることで、リードフレーム10の表面からの赤外線放射により、放熱性能が向上する。また、リードフレーム10の外部接続部の表面の放熱部材1または基材付き放熱部材により覆われている部分が多い程、パワーモジュール9の放熱性能はより向上する。
本実施の形態のパワーモジュールにおいて、放熱部材1以外の部材は特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。例えば、電力半導体素子13としては、ケイ素によって形成されたものを用いることができるが、ケイ素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体によって形成されたものを用いることが好ましい。ワイドバンドギャップ半導体としては、例えば、炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料、ダイヤモンド等が挙げられる。
ワイドバンドギャップ半導体によって形成された電力半導体素子13は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、電力半導体素子13の小型化が可能となる。そして、このように小型化された電力半導体素子13を用いることにより、電力半導体素子13を組み込んだパワーモジュール9の小型化も可能になる。
また、ワイドバンドギャップ半導体により形成された電力半導体素子13は、耐熱性も高いため、リードフレーム10やヒートシンク11等の放熱部材等の小型化にもつながり、パワーモジュール9の一層の小型化が可能になる。
さらに、ワイドバンドギャップ半導体により形成された電力半導体素子13は、電力損失も低いため、素子としての高効率化も可能となる。
以下、実施例を挙げて本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
保持材として、熱硬化性樹脂である液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、エピコート828)100質量部と、硬化剤である1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、キュアゾール2PN-CN)1質量部とを混合した後、溶剤であるメチルエチルケトン166質量部を加えて混合攪拌した。次に、この混合物に、セラミックフィラーとしてアルミナフィラー(No.A)(形状:球形、平均粒径(d):1.2μm)563質量部と、非磁性および扁平状の金属フィラーとして銅フィラー(No.c)(平均長径(d):5.0μm)505質量部とを添加して予備混合した。次に、この予備混合物を三本ロールにて混練し、セラミックフィラーと非磁性および扁平状の金属フィラーとが均一に分散されるように調製した。
次に、調製した組成物を厚さ2mmの基材(アルミニウム板)上にコーターを用いて塗布した後、110℃で15分間加熱乾燥させた。その後、120℃で1時間加熱し、さらに160℃で3時間加熱することで、溶剤を完全に除去し、保持材を完全に硬化させることで、放熱部材を得た。
<実施例2>
アルミナフィラー(No.A)の代わりにアルミナフィラー(No.B)(形状:球形、平均粒径(d):2.5μm)を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で放熱部材を得た。
<実施例3>
アルミナフィラー(No.A)の代わりにアルミナフィラー(No.C)(形状:球形、平均粒径(d):10μm)を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で放熱部材を得た。
<実施例4>
アルミナフィラー(No.A)の代わりにアルミナフィラー(No.E)(形状:球形、平均粒径(d):24μm)を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で放熱部材を得た。
<実施例5>
アルミナフィラー(No.A)の代わりにアルミナフィラー(No.D)(形状:球形、平均粒径(d):15μm)を用いたこと、および、銅フィラー(No.c)の代わりに銅フィラー(No.b)(平均長径(d):2.1μm)を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で放熱部材を得た。
<実施例6>
アルミナフィラー(No.A)の代わりにアルミナフィラー(No.E)を用いたこと、および、銅フィラー(No.c)の代わりに銅フィラー(No.b)を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で放熱部材を得た。
<実施例7>
アルミナフィラー(No.A)の代わりにアルミナフィラー(No.B)を用いたこと、および、銅フィラー(No.c)の代わりに銅フィラー(No.a)(平均長径(d):0.8μm)を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で放熱部材を得た。
<実施例8>
アルミナフィラー(No.A)の代わりに電気石(No.F)(形状:球形、平均粒径(d):3.0μm)436質量部を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で放熱部材を得た。
<比較例1>
アルミナフィラー(No.A)の代わりにアルミナフィラー(No.C)610質量を用いたこと、非磁性および扁平状の金属フィラーを用いなかったこと以外は、実施例1と同じ方法で放熱部材を得た。
<比較例2>
アルミナフィラー(No.A)の代わりにアルミナフィラー(No.C)を用いたこと、および、銅フィラー(No.c)の代わりに非磁性および球形状の銅フィラー(平均粒径:2.5μm)を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で放熱部材を得た。
なお、実施例1~8で使用した銅フィラーNo.a~cに関して、上述の方法でアスペクト比を算出した結果、全て3以上30以下であることが確認された。また、実施例1~8の放熱部材の断面を、上述の方法で観察した結果、混練時と同様に、セラミックフィラーおよび非磁性および扁平状の金属フィラーが均一に分散していることが確認された。
<評価方法>
評価は下記の方法により行った。
(1)熱伝導率
実施例1~8および比較例1~2で得られた放熱部材について、厚み方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定した。試験片は、各放熱部材から、直径10mm、厚み1mmに切り出されたものが使用された。この熱伝導率の結果は、実施例1の放熱部材で得られた熱伝導率を基準とし、各実施例または各比較例の放熱部材で得られた熱伝導率の相対値([各実施例または各比較例の放熱部材で得られた熱伝導率]/[実施例1の放熱部材で得られた熱伝導率]の値)として表1に示した。
(2)冷却性能(放熱性能)
縦100mm、横100mmおよび厚み7mmの実施例1~8および比較例1~2で得られた放熱部材の片側表面に、セラミックヒーターを取り付け、20Wの電力を印加し、放熱部材およびセラミックヒーターの温度が飽和温度に達するまで、数時間放置した。その後、熱電対を用いて、セラミックヒーターの表面温度を計測した。その結果を表1に示す。20Wの電力を印加した際のセラミックヒーターの飽和温度が放熱部材としての冷却性能であり、飽和温度が低い程、放熱部材としての冷却性能が高いことを示す。
Figure 0007330419000001
実施例1~8の放熱部材は、熱伝導率および冷却性能に優れていた。特に、0.5≦d/d≦5.0を満たす実施例2~4は、より熱伝導率および冷却性能に優れていた。さらに、放射性能に優れる電気石をセラミックフィラーとして用いた実施例8は、最も冷却性能に優れていた。
一方、比較例1は、非磁性および扁平状の金属フィラーを含まないため、熱伝導率および冷却性能が劣っていた。比較例2は、非磁性の金属フィラーではあるが、形状が球形状の金属フィラーを用いたため、熱伝導率および冷却性能が劣っていた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 放熱部材、2 セラミックフィラー、3 金属フィラー、4 保持材、5 熱源、6 第1層、7 第2層、8 基材、9 パワーモジュール、10 リードフレーム、11 ヒートシンク、12 絶縁シート、13 電力半導体素子、14 制御用半導体素子、15 金属線、16 封止樹脂。

Claims (9)

  1. セラミックフィラー(扁平状のセラミックフィラーを除く)と、非磁性および扁平状の金属フィラーと、保持材と、を含む、放熱部材。
  2. 下記式(1):
    0.5≦d/d≦5.0・・・(1)
    の関係を満たし、上記式(1)中、
    は、前記セラミックフィラーの平均粒径を示し、
    は、前記金属フィラーの平均長径を示す、請求項1に記載の放熱部材。
  3. 前記セラミックフィラーが、アルミナおよび電気石からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の放熱部材。
  4. 前記セラミックフィラーおよび前記金属フィラーが、均一に分散している、請求項1に記載の放熱部材。
  5. 前記セラミックフィラーおよび前記金属フィラーが、放熱部材の厚み方向において、含有量に濃度勾配を有する、請求項1に記載の放熱部材。
  6. 基材と、請求項1から5のいずれか1項に記載の放熱部材と、を備え、
    前記放熱部材は、前記基材の表面にコーティングされるコーティング層である、基材付き放熱部材。
  7. 電力半導体素子と、前記電力半導体素子で発生する熱を外部に放熱することのできる請求項1から5のいずれか1項に記載の放熱部材または請求項6に記載の基材付き放熱部材と、外部と電気的に接続されるリードフレームと、を備え、
    前記リードフレームは、外部接続部を有し、
    前記外部接続部の表面の少なくとも一部は、前記放熱部材または前記基材付き放熱部材により覆われている、パワーモジュール。
  8. 前記電力半導体素子は、ワイドバンドギャップ半導体によって構成されている、請求項7に記載のパワーモジュール。
  9. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料またはダイヤモンドである、請求項8に記載のパワーモジュール。
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