JP5063710B2 - パワーモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、パワーモジュールに関する。詳細には、本発明は、放熱特性に優れたトランスファーモールド型のパワーモジュールに関する。
パワーモジュールには、電力半導体素子などの各種素子からの熱を放散させるため、熱伝導性シートが組み込まれている。そのため、この熱伝導性シートは、熱伝導性に優れていることが要求される。また、この熱伝導性シートは、周辺の電子部品に影響を与えないようにするため、電気絶縁性に優れていることも要求される。これらの要求を満足するものとして、従来から、熱硬化性樹脂などのマトリックス樹脂中に無機充填材を含む熱伝導性シートが用いられている。ここで、無機充填材としては、熱伝導率及び電気絶縁性に特に優れている六方晶窒化ホウ素(h−BN)が広く一般に用いられている。
六方晶窒化ホウ素は、黒鉛と同様に層状の結晶構造を有しており、その粒子形状は鱗片状である。鱗片状窒化ホウ素は、図5に示すように、長径方向(結晶方向)の熱伝導率が高く、短径方向(層方向)の熱伝導率が低いという異方的な熱伝導性を有している。具体的には、長径方向と短径方向との間の熱伝導率の差は、数倍から数十倍と言われている。図5において、矢印の方向は熱伝導の方向、矢印の太さは熱伝導の大きさを表す。そのため、マトリックス樹脂中に含まれる鱗片状窒化ホウ素を、シート内で直立させた状態、すなわち鱗片状窒化ホウ素の長径方向がシート厚み方向と一致するように配向させることによって、シート厚み方向の熱伝導性を飛躍的に向上させ、パワーモジュールの放熱特性を高めることが期待されている。
シート厚み方向の熱伝導性を向上させた熱伝導性シートとしては、マトリックス樹脂中に鱗片状窒化ホウ素の二次凝集粒子を含む熱伝導性シートが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、半導体パッケージなどの作製において、封止樹脂と接する面に粗面化されたメッキ層を形成することで、封止樹脂との密着性を向上させることが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−26661号公報 特開平11−60216号公報 特開2004−349497号公報
特許文献1及び2のような従来の熱伝導性シートは、パワーモジュールに組み込む前の熱伝導性シート中の鱗片状窒化ホウ素の配向を主に制御しているに過ぎず、パワーモジュールに組み込んだ際の熱伝導性シート中の鱗片状窒化ホウ素の配向を十分に制御できていない。
すなわち、熱伝導性シートは、一般に、プレス成形法、射出成形法、押出成形法、カレンダー成形法、ロール成形法、ドクターブレード成形法などの様々な成形法を用いて、形成されると共にパワーモジュールに組み込まれるが、これらの成形法は、熱伝導性シート中の鱗片状窒化ホウ素の配向に影響を与えることがある。例えば、熱伝導性シートを形成する際の材料の流動や、熱伝導性シートをパワーモジュールへ組み込む際に加えられる圧力などの様々な要因によって、図3に示すように、熱伝導性シートに接する部材との界面付近において熱伝導性シート中の鱗片状窒化ホウ素が倒れた状態、すなわち、鱗片状窒化ホウ素の長径方向がシート面方向に配向され易いという傾向がある。その結果、このような熱伝導性シートではシート厚み方向の熱伝導性が十分に向上しないため、放熱特性に優れたパワーモジュールが得られないという問題がある。
また、特許文献3では、パッケージ部品と封止樹脂との密着性を問題にしているに過ぎず、熱伝導性シートをパワーモジュールに組み込んだ際の鱗片状窒化ホウ素の配向を制御する技術については何ら提案されていない。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、熱伝導性シートをパワーモジュールに組み込んだ際に、熱伝導性シートに接する部材との界面付近において鱗片状窒化ホウ素の長径方向がシート厚み方向と概ね一致するように配向させ、シート厚み方向の熱伝導性を向上させることにより、放熱特性に優れたパワーモジュールを提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは上記のような問題を解決すべく鋭意研究した結果、熱伝導性シートに含有される鱗片状窒化ホウ素の平均長径及びその体積割合を所定の範囲に規定すると共に、熱伝導性シートに接する部材の熱伝導性シート側の面に所定の大きさの凹凸を設けることで、熱伝導性シートをパワーモジュールに組み込んだ際に、熱伝導性シートに接する部材との界面付近において熱伝導性シート中の鱗片状窒化ホウ素の長径方向がシート厚み方向と概ね一致するように配向させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、3μm以上50μm以下の平均長径を有する鱗片状窒化ホウ素を30体積%以上80体積%以下の割合でマトリックス樹脂中に含む熱伝導性シートを具備するパワーモジュールであって、前記熱伝導性シートに接する部材の前記熱伝導性シート側の面に、前記鱗片状窒化ホウ素の平均長径の1/3以上且つ前記熱伝導性シートの厚みの1/2以下の十点平均高さRzを有する凹凸が形成されていることを特徴とするパワーモジュールである。
本発明によれば、熱伝導性シートをパワーモジュールに組み込んだ際に、熱伝導性シートに接する部材との界面付近において鱗片状窒化ホウ素の長径方向がシート厚み方向と概ね一致するように配向させ、シート厚み方向の熱伝導性を向上させることにより、放熱特性に優れたパワーモジュールを提供することができる。
実施の形態1のパワーモジュールの断面図である。 図1のパワーモジュールにおける熱伝導性シートと熱伝導性シートに接する部材との間の界面付近の拡大断面図である。 熱伝導性シートに接する部材の熱伝導性シート側の面に凹凸が形成されていないパワーモジュールにおける熱伝導性シートと熱伝導性シートに接する部材との間の界面付近の拡大断面図である。 実施の形態1のパワーモジュールの断面図である。 六方晶窒化ホウ素の熱伝導性を示す図である。
実施の形態1.
本実施の形態のパワーモジュールは、鱗片状窒化ホウ素をマトリックス樹脂中に含む熱伝導性シートを具備し、熱伝導性シートに接する部材の熱伝導性シート側の面に所定の凹凸が形成されている。
以下、本実施の形態のパワーモジュールにつき、図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態のパワーモジュールの断面図である。
図1において、パワーモジュールは、熱伝導性シート1と、熱伝導性シート1を狭持する金属板2及びヒートシンク3と、ヒートシンク3上に配置された電力半導体素子4と、外部配線との接続を行うリードフレーム5とを備えている。そして、電力半導体素子4の間、及び電力半導体素子4とリードフレーム5との間は、金属線6によって接続されており、リードフレーム5の外部接続部、及び金属板2の外部放熱部以外は、封止樹脂7によって封止されている。この実施の形態のパワーモジュールにおいて、熱伝導性シート1に接する部材とは、金属板2及びヒートシンク3である。なお、熱伝導性シート1及び熱伝導性シート1に接する部材以外は、特に限定されることはなく、当該技術分野において公知のものを用いることができる。
図1のパワーモジュールにおいて、熱伝導性シート1と熱伝導性シート1に接する部材(金属板2及びヒートシンク3)との間の界面付近の拡大断面図を図2に示す。図2において、熱伝導性シート1に接する部材の熱伝導性シート1側の面に凹凸が形成されている。この凹凸によって、熱伝導性シート1がパワーモジュールに組み込まれた際に、熱伝導性シート1に接する部材との界面付近においてマトリックス樹脂8に分散された鱗片状窒化ホウ素9の長径方向がシート厚み方向と概ね一致するように配向させることが可能となる。その結果、熱伝導性シート1のシート厚み方向の熱伝導性が向上し、パワーモジュールの放熱特性が高まる。加えて、この凹凸によって、熱伝導性シート1と熱伝導性シート1に接する部材との接着性が高まり、パワーモジュールの信頼性も向上する。
熱伝導性シート1に接する部材の熱伝導性シート1側の面に凹凸が形成されていない場合、図3に示すように、熱伝導性シート1を形成する際の材料の流動や、熱伝導性シート1をパワーモジュールへ組み込む際に加えられる圧力などの様々な要因によって、熱伝導性シート1に接する部材との界面付近においてマトリックス樹脂8に分散された鱗片状窒化ホウ素9の長径方向がシート面方向に配向してしまう。その結果、熱伝導性シート1のシート厚み方向の熱伝導性が十分に向上せず、パワーモジュールの放熱特性を十分に高めることができない。
熱伝導性シート1に接する部材に形成される凹凸は、鱗片状窒化ホウ素9の平均長径の1/3以上且つ前記熱伝導性シート1の厚みの1/2以下の十点平均高さRzを有する。ここで、十点平均高さRzとは、JIS表面粗さ(B0601)により定義される。この十点平均粗さRzは、断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分において、最高から5番目までの山頂の標高の平均値と、最深から5番目までの谷底の標高の平均値との差であり、以下の式によって表される。
Rz=((R+R+R+R+R)−(R+R+R+R+R10))/5
上記式中、R+R+R+R+Rは、最高から5番目までの山頂の標高を意味し、R+R+R+R+R10は、最深から5番目までの谷底の標高を意味する。
凹凸の十点平均高さRzが、鱗片状窒化ホウ素9の平均長径の1/3未満であると、熱伝導性シート1がパワーモジュールに組み込まれた際に、鱗片状窒化ホウ素9の配向制御効果が十分に得られない。また、凹凸の十点平均高さRzが、熱伝導性シート1の厚みの1/2を超えると、熱伝導性シート1の電気絶縁性が低下してしまう。
熱伝導性シート1に接する部材としては、図1のパワーモジュールでは金属板2及びヒートシンク3であるが、これらに限定されない。すなわち、熱伝導性シート1に接する部材は、パワーモジュールの様々な構成態様に応じ、ヒートスプレッダやリードフレームなどであってもよい。
例えば、図4に示す別の構成形態のパワーモジュールは、熱伝導性シート1と、熱伝導性シート1を狭持するヒートシンク3及びリードフレーム5と、リードフレーム5上に配置された電力半導体素子4とを備えている。そして、電力半導体素子4の間、及び電力半導体素子4とリードフレーム5との間は、金属線6によって接続されており、リードフレーム5の外部接続部、及びヒートシンク3の外部放熱部以外は、封止樹脂7によって封止されている。この形態のパワーモジュールにおいて、熱伝導性シート1に接する部材とは、ヒートシンク3及びリードフレーム5である。
熱伝導性シート1に接する部材に凹凸を形成する方法としては、特に限定されることはなく、当該部材の種類や材質などに応じて、電界法、エッチング法、プレス成型法などの公知の方法を用いて行うことができる。例えば、熱伝導性シート1に接する部材がヒートシンク3などである場合、一定間隔の開口部を有するマスクをヒートシンク3の表面に貼り付け、塩化第二鉄などを含むエッチング溶液に浸漬させればよい。このようなウエットエッチング法を用いる場合、凹凸の十点平均高さRzは、エッチング時間やエッチング溶液の種類などによって調整することができる。
本実施の形態のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シート1は、マトリックス樹脂8中に鱗片状窒化ホウ素9を含有しており、熱伝導性シート1に接する部材に形成された凹凸によって、鱗片状窒化ホウ素9の長径方向がシート厚み方向と概ね一致するように配向している。
熱伝導性シート1の厚みは、特に限定されることはなく、熱伝導性シート1に要求される特性などにあわせて適宜調整すればよいが、一般に50μm以上500μm以下である。
パワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シート1における鱗片状窒化ホウ素9の配向度は、X線回折装置を用いて評価することができる。具体的には、鱗片状窒化ホウ素9の配向度は、熱伝導性シート1のシート厚み方向にX線を照射して得られるX線回折図における<100>面に対する<002>面の回折ピークの強度比(I<002>/I<100>)により評価することができる。この強度比は、鱗片状窒化ホウ素9の長径方向がシート面方向と平行に配向している割合が多い場合に大きくなり、鱗片状窒化ホウ素9の長径方向がシート厚み方向と平行に配向している割合が多い場合に小さくなる。
本実施の形態のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シート1は、かかる強度比(I<002>/I<100>)が6以上200以下であることが好ましい。かかる強度比が6未満であると、鱗片状窒化ホウ素9の長径方向がシート厚み方向と平行に配向している割合が多すぎ、電気絶縁性が低下してしまうことがある。一方、かかる強度比が200を超えると、鱗片状窒化ホウ素9の長径方向がシート面方向と平行に配向している割合が多く、シート厚み方向の熱伝導性が十分に向上しない。
上記のような熱伝導性シート1は、鱗片状窒化ホウ素9をマトリックス樹脂成分中に含有する樹脂組成物から形成することができる。
鱗片状窒化ホウ素9の平均長径は、3μm以上50μm以下である。鱗片状窒化ホウ素9の平均長径が3μm未満であると、鱗片状窒化ホウ素9の短径と長径とのアスペクト比が小さくなり、熱伝導性シート1に接する部材の凹凸によって、鱗片状窒化ホウ素9の長径方向をシート厚み方向と概ね一致するように配向させることが難しくなる。加えて、鱗片状窒化ホウ素9とマトリックス樹脂8との界面が増大するため、界面抵抗によって所望の熱伝導性が得られない。逆に、鱗片状窒化ホウ素9の平均長径が50μmを超えると、シート厚み方向に加わる圧力によって鱗片状窒化ホウ素9がシート面方向と一致するように配向する傾向が大きくなり、所望の熱伝導性が得られない。
熱伝導性シート1(樹脂組成物の固形分)における鱗片状窒化ホウ素9の含有量は、30体積%以上80体積%以下である。特に、熱伝導性シート1は、鱗片状窒化ホウ素9の配向制御によってシート厚み方向の熱伝導性を高めることができるため、鱗片状窒化ホウ素9の含有量を極限まで増大させなくても、所望の熱伝導性が得られる。また、鱗片状窒化ホウ素9の含有量が上記の範囲であれば、樹脂組成物の粘度を下げることができ、薄く且つ平坦な熱伝導性シート1を得ることが可能となる。その結果、熱伝導性シート1の厚みの低下によって、熱伝導性シート1の厚み方向の熱抵抗を小さくすることができる。鱗片状窒化ホウ素9の含有量が30体積%未満であると、鱗片状窒化ホウ素9が少なすぎるため、所望の熱伝導性が得られない。逆に、鱗片状窒化ホウ素9の含有量が80体積%を超えると、鱗片状窒化ホウ素9が多すぎるため、熱伝導性シート1が脆くなったり、熱伝導性シート1の電気絶縁性が低下する。加えて、樹脂組成物の粘度が高くなり、薄く且つ平坦な熱伝導性シート1を得ることができない。
熱伝導性シート1は、熱伝導性や電気絶縁性を向上させる観点から、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子を凝集して焼結(粒成長)させた二次焼結粒子をさらに含有することができる。この二次焼結粒子を構成する一次粒子の平均長径は、好ましくは15μm以下、より好ましくは0.1μm以上8μm以下である。一次粒子の平均長径が15μmよりも大きいと、一次粒子の焼結密度が低くなりすぎてしまうため、二次焼結粒子自体の熱伝導性が低下すると共に、熱伝導性シート1やパワーモジュールを作製する際に二次焼結粒子が崩れ易くなる。その結果、所望の熱伝導性及び電気絶縁性の向上効果が得られない。
二次焼結粒子の平均粒径は、好ましくは20μm以上180μm以下、より好ましくは40μm以上130μm以下である。二次焼結粒子の平均粒径が20μm未満であると、所望の熱伝導性及び電気絶縁性が得られないことがある。一方、二次焼結粒子の平均粒径が180μmを超えると、熱伝導性シート1を与える樹脂組成物に二次焼結粒子を混練分散させることが難しくなり、作業性や成形性に支障を生じることがある。さらに、所望の厚さを有する熱伝導性シート1が得られず、熱伝導性シート1の電気絶縁性が低下することもある。
なお、二次焼結粒子の形状は、球状に限定されることはなく、鱗片状等の他の形状であってもよい。ただし、球状以外の他の形状の場合、平均粒径は当該形状における長辺の長さを意味する。
二次焼結粒子は、所定の鱗片状窒化ホウ素の一次粒子を用いて、公知の方法に従って製造することができる。具体的には、所定の鱗片状窒化ホウ素の一次粒子をスプレードライ等の公知の方法によって凝集させた後、焼成して焼結(粒成長)させる。ここで、焼成温度は特に限定されないが、一般的に2,000℃である。
熱伝導性シート1は、本発明の効果を阻害しない範囲において、当該技術分野において一般的な無機充填材を含有することができる。この無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、窒化ホウ素(BN)の一次粒子、溶融シリカ(SiO)、結晶シリカ(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)などを挙げることができる。
熱伝導性シート1が上記の二次焼結粒子や一般的な無機充填材を含有する場合、これらの熱伝導性シート1(樹脂組成物の固形分)における含有量は、鱗片状窒化ホウ素9と二次焼結粒子や一般的な無機充填材との合計で、好ましくは30体積%以上80体積%以下である。
マトリックス樹脂8を与えるマトリックス樹脂成分は、好ましくは熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂としては、特に限定されることはなく、公知の熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱可塑性樹脂の中でも、エポキシ樹脂は、耐熱性などの特性に優れているため特に好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環脂肪族エポキシ樹脂、グリシジル−アミノフェノール系エポキシ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤としては、特に限定されることはなく、熱硬化性樹脂の種類にあわせて公知のものを用いることができる。かかる硬化剤としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸及び無水ハイミック酸等の脂環式酸無水物;ドデセニル無水コハク酸等の脂肪族酸無水物;無水フタル酸及び無水トリメリット酸等の芳香族酸無水物;ジシアンジアミド及びアジピン酸ジヒドラジド等の有機ジヒドラジド;トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;ジメチルベンジルアミン;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン及びその誘導体;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱伝導性シート1を与える樹脂組成物における硬化剤の含有量は、使用する熱硬化性樹脂や硬化剤の種類等にあわせて適宜調整すればよく、一般的に、100質量部の熱硬化性樹脂に対して0.1質量部以上200質量部以下である。
熱伝導性シート1を与える樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、フィラー(鱗片状窒化ホウ素9、任意の二次焼結粒子や一般的な無機充填材)との界面の接着力を向上させる観点から、カップリング剤を含有することができる。カップリング剤としては、特に限定されることはなく、使用する熱硬化性樹脂やフィラーの種類にあわせて公知のものを適宜選択すればよい。かかるカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱伝導性シート1を与える樹脂組成物におけるカップリング剤の含有量は、使用する熱硬化性樹脂やカップリング剤の種類などにあわせて適宜設定すればよく、一般的に、100質量部の熱硬化性樹脂に対して0.01質量部以上5質量部以下である。
熱伝導性シート1を与える樹脂組成物は、当該組成物の粘度を調整する観点から、溶剤を含有することができる。溶剤としては、特に限定されることはなく、熱硬化性樹脂やフィラーの種類にあわせて公知のものを適宜選択すればよい。かかる溶剤としては、例えば、トルエンやメチルエチルケトンなどが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱伝導性シート1を与える樹脂組成物における溶剤の含有量は、混練が可能な量であれば特に限定されることはなく、一般に、熱硬化性樹脂及びフィラーとの合計100質量部に対して40質量部以上85質量部以下である。
熱伝導性シート1を与える樹脂組成物の製造方法は、特に限定されることはなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、まず、所定量の熱硬化性樹脂と、この熱硬化性樹脂を硬化させるために必要な量の硬化剤とを混合する。次に、この混合物に溶剤を加えた後、フィラー(具体的には、鱗片状窒化ホウ素9、任意の二次焼結粒子や一般的な無機充填材)を加えて予備混合する。なお、樹脂組成物の粘度が低い場合には、溶剤を加えなくてもよい。次に、この予備混合物を3本ロールやニーダなどを用いて混練することによって樹脂組成物を得ることができる。なお、樹脂組成物にカップリング剤を配合する場合、カップリング剤は混練工程前までに加えればよい。
熱伝導性シート1は、上記の樹脂組成物を用い、公知の方法により作製することができる。また、熱伝導性シート1は、別個に作製しても、パワーモジュール中の熱伝導性シート1に接する部材の1つの表面上に直接形成してもよい。例えば、熱伝導性シート1を別個に作製する場合、離型処理された樹脂シートやフィルムなどの公知の基材上に、ドクターブレード法などの公知の方法を用いて塗布し、この塗布物中の溶剤を揮発させて塗布物を乾燥すればよい。また、パワーモジュール中の熱伝導性シート1に接する部材の1つの表面上に熱伝導性シート1を直接形成する場合、所定の凹凸が形成された、熱伝導性シート1に接する部材の1つの表面上に、ドクターブレード法などの公知の方法を用いて塗布し、この塗布物中の溶剤を揮発させて塗布物を乾燥すればよい。なお、塗布物を乾燥する際、必要に応じて加熱を行い、溶剤の揮発を促進させたり、Bステージ化(半硬化)させてもよい。熱伝導性シート1をBステージ化させておけば、パワーモジュールに組み込む際に、熱伝導性シート1に接する部材との接着性を向上させることができる。
パワーモジュールに熱伝導性シート1を組み込む方法は、特に限定されることはなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、熱伝導性シート1を別個に作製した場合、電力半導体素子4などの各種部品を形成した熱伝導性シート1に接する部材の凹凸面を向かい合わせ、その間に熱伝導性シート1を挟んだ後、これをトランスファーモールド成型用金型に配置し、トランスファーモールド成型装置を用いて封止樹脂7を金型に流し込み、加圧及び加熱して封止すればよい。また、熱伝導性シート1に接する部材の1つの表面上に熱伝導性シート1を直接形成した場合、熱伝導性シート1上に他方の部材を配置した後、これをトランスファーモールド成型用金型に配置し、トランスファーモールド成型装置を用いて封止樹脂7を金型に流し込み、加圧及び加熱して封止すればよい。封止の際の加圧及び加熱条件は、特に限定されることはなく、使用するトランスファーモールド成型装置やパワーモジュールの構成などに応じて適宜調整すればよい。
なお、上記では、トランスファーモールド法による封止方法を説明したが、それ以外の公知の方法(例えば、プレス成形法、射出成形法、押出成形法)などを用いてもよい。
このようにして熱伝導性シート1をパワーモジュールに組み込むことで、加圧時に鱗片状窒化ホウ素9が、熱伝導性シート1に接する部材の凹凸に沿うように入り込み、鱗片状窒化ホウ素9がシート面方向に配向することが抑制される。つまり、パワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シート1では、鱗片状窒化ホウ素9が、熱伝導性シート1に接する部材との界面付近において鱗片状窒化ホウ素9の長径方向がシート厚み方向と概ね一致するように配向し、シート厚み方向の熱伝導性が向上する。その結果、この熱伝導性シート1を有するパワーモジュールでは、電力半導体素子4などの各種素子からの熱を、熱伝導性シート1を介して効率良く放散させることが可能となる。
以下、実施例及び比較例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート828)100質量部と、硬化剤である1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製キュアゾール2PN−CN)1質量部とを混合した後、この混合物に溶媒であるメチルエチルケトン166重量部を添加し、攪拌混合した。次に、この混合物に、平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素を、樹脂組成物の固形分(熱伝導性シート)において60体積%となるように添加し、予備混合した。この予備混合物を、三本ロールを用いて混練し、鱗片状窒化ホウ素が均一に分散した樹脂組成物を得た。
次に、金属板として市販のCu箔を準備した。このCu箔表面の凹凸を表面粗さ測定機を用いて測定したところ(以下、凹凸の測定は、同様の装置を用いて測定した)、十点平均粗さRzが15μmであった。このCu箔の凹凸面上にドクターブレード法にて樹脂組成物を塗布した後、110℃で15分間加熱して乾燥させ、Bステージ状態の熱伝導性シートを形成した。次に、ヒートシンクとして、約10μm間隔の開口部有するマスクをCu板(厚さ2mm)に貼り付け、塩化第二鉄水溶液(塩化第二鉄の濃度:38%)に10分間浸漬させ、十点平均粗さRzが15μmの凹凸を有するCu板を作製した。そして、このCu板の凹凸面と反対の面にリードフレーム及び電力半導体素子を半田付けによって配置した後、Cu板の凹凸面に上記のBステージ状態の熱伝導性シートを重ね、トランスファー成型用金型に配置した。次に、トランスファー成型装置を用いて封止樹脂を金型に流し込み、圧力100kg、温度170℃の条件下で封止し、パワーモジュールを得た。このパワーモジュールにおいて、組み込まれた熱伝導性シートの厚みを測定したところ150μmであった。
(実施例2)
平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素の代わりに平均長径13.4μmの鱗片状窒化ホウ素を用いたこと以外は実施例1と同様にしてパワーモジュールを得た。
(実施例3)
平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素の代わりに平均長径27μmの鱗片状窒化ホウ素を用いたこと以外は実施例1と同様にしてパワーモジュールを得た。
(実施例4)
平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素の代わりに平均長径48μmの鱗片状窒化ホウ素を用いたこと、ヒートシンクとして、十点平均粗さRzが15μmの凹凸を有するCu板の代わりに十点平均粗さRzが48μmの凹凸を有するCu板を用いたこと以外は実施例1と同様にしてパワーモジュールを得た。ここで、十点平均粗さRzが48μmの凹凸を有するCu板は、約10μm間隔の開口部有するマスクをCu板(厚さ2mm)に貼り付け、塩化第二鉄水溶液(塩化第二鉄の濃度:38%)に25分間浸漬させることによって作製した。
(実施例5)
平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素の代わりに平均長径13.4μmの鱗片状窒化ホウ素を用いたこと、及び平均長径13.4μmの鱗片状窒化ホウ素を、樹脂組成物の固形分(熱伝導性シート)において36体積%となるように添加したこと以外は、実施例1と同様にしてパワーモジュールを得た。
(実施例6)
平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素の代わりに、平均長径13.4μmの鱗片状窒化ホウ素、及び平均粒径58μmの二次焼結粒子を用い、これらを樹脂組成物の固形分(熱伝導性シート)においてそれぞれ30体積%となるように添加したしたこと以外は、実施例1と同様にしてパワーモジュールを得た。ここで、二次焼結粒子は、平均長径3μmの鱗片状窒化ホウ素をスプレードライによって凝集させた後、約2,000℃で焼成して焼結(粒成長)させることにより作製した。
(比較例1)
平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素の代わりに平均長径1.1μmの鱗片状窒化ホウ素を用いたこと以外は実施例1と同様にしてパワーモジュールを得た。
(比較例2)
平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素の代わりに平均長径13.4μmの鱗片状窒化ホウ素を用いたこと、熱伝導性シートの厚みを150μmから80μmに変更したこと、ヒートシンクとして、十点平均粗さRzが15μmの凹凸を有するCu板の代わりに十点平均粗さRzが42μmの凹凸を有するCu板を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてパワーモジュールを得た。ここで、ここで、十点平均粗さRzが42μmの凹凸を有するCu板は、約10μm間隔の開口部有するマスクをCu板(厚さ2mm)に貼り付け、塩化第二鉄水溶液(塩化第二鉄の濃度:38%)に20分間浸漬させることによって作製した。
(比較例3)
平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素の代わりに平均長径48μmの鱗片状窒化ホウ素を用いたこと以外は実施例1と同様にしてパワーモジュールを得た。
(比較例4)
平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素の代わりに平均長径62μmの鱗片状窒化ホウ素を用いたこと、及び、ヒートシンクとして、十点平均粗さRzが15μmの凹凸を有するCu板の代わりに十点平均粗さRzが28μmの凹凸を有するCu板を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてパワーモジュールを得た。ここで、ここで、十点平均粗さRzが28μmの凹凸を有するCu板は、約10μm間隔の開口部有するマスクをCu板(厚さ2mm)に貼り付け、塩化第二鉄水溶液(塩化第二鉄の濃度:38%)に12分間浸漬させることによって作製した。
(比較例5)
平均長径5μmの鱗片状窒化ホウ素の代わりに平均長径13.4μmの鱗片状窒化ホウ素を用いたこと、及び平均長径13.4μmの鱗片状窒化ホウ素を、樹脂組成物の固形分(熱伝導性シート)において27体積%となるように添加したこと以外は、実施例1と同様にしてパワーモジュールを得た。
上記実施例1〜6及び比較例1〜5のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートの熱伝導性について、レーザーフラッシュ法を用いて測定したシート厚み方向の熱伝導率により評価した。この熱伝導率の結果は、比較例4のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートの熱伝導率を基準とする各実施例又は各比較例のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートの熱伝導率の相対値([各実施例又は各比較例のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートの熱伝導率]/[比較例4のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートの熱伝導率]の値)として表1に示した。
また、上記のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートの電気絶縁性について、絶縁破壊電界(BDE)により評価した。BDEは、油中で、熱伝導性シートに1kV/秒の一定昇圧にて電圧を印加することにより測定されたBDVを熱伝導性シートの厚さで割ることにより算出した。このBDEの結果は、比較例2のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートのBDEを基準とする各実施例又は比較例のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートのBDEの相対値([各実施例又は比較例のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートのBDE]/[比較例2のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートのBDE]の値)として表1に示した。
さらに、熱伝導性シートにおける鱗片状窒化ホウ素の配向度について、X線回折装置を用い、CuKα線で30KV、15mAの条件で2θ、0〜60°をスキャニングし、26.9°<002>面と、41.6°<100>面の回折ピークを求め、回折ピークの強度比(I<002>/I<100>)として表1に示した。
Figure 0005063710
表1の結果に示されているように、実施例1〜6のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートは、比較例1〜5のパワーモジュールに組み込まれた熱伝導性シートに比べて、熱伝導率及び絶縁破壊電界が高く、熱伝導性及び電気絶縁性に優れていることがわかった。
一方、比較例1及び4では、鱗片状窒化ホウ素の平均長径が所定の範囲から外れるため、熱伝導率が低くなった。これは、回折ピークの強度比の結果から明らかなように、鱗片状窒化ホウ素の長径方向がシート面方向と平行に配向してしまったためであると考えられる。すなわち、鱗片状窒化ホウ素の平均長径が小さすぎると、長径と短径とのアスペクト比が小さくなり、鱗片状窒化ホウ素の長径方向がシート面方向と平行に配向し易くなると考えられる。また、鱗片状窒化ホウ素とマトリックス樹脂との界面が増大し、界面抵抗によって熱伝導性が低下すると考えられる。逆に、鱗片状窒化ホウ素の平均長径が大きすぎると、シート厚み方向に加わる圧力によって鱗片状窒化ホウ素がシート面方向と一致するように配向する傾向が大きくなると考えられる。
また、比較例2及び3では、ヒートシンクに所定のRzを有する凹凸が形成されていないために、熱伝導率又は絶縁破壊電界が低くなった。従って、熱伝導性シートの熱伝導性及び電気絶縁性の両方を高めるためには、熱伝導性シートに接する部材(ヒートシンクなど)の凹凸のRzを適切な範囲に調整する必要があると考えられる。
さらに、比較例5では、熱伝導性シートにおける鱗片状窒化ホウ素の含有量が少なすぎるため、熱伝導率が低くなった。従って、熱伝導性シートの熱伝導性を高めるためには、熱伝導性シートにおける鱗片状窒化ホウ素の含有量を所定の範囲に規定する必要があると考えられる。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、熱伝導性シートをパワーモジュールに組み込んだ際に、熱伝導性シートに接する部材との界面付近において鱗片状窒化ホウ素の長径方向がシート厚み方向と概ね一致するように配向させ、シート厚み方向の熱伝導性を向上させることにより、放熱特性に優れたパワーモジュールを提供することができる。
1 熱伝導性シート、2 金属板、3 ヒートシンク、4 電力半導体素子、5 リードフレーム、6 金属線、7 封止樹脂、8 マトリックス樹脂、9 鱗片状窒化ホウ素。

Claims (4)

  1. 3μm以上50μm以下の平均長径を有する鱗片状窒化ホウ素を30体積%以上80体積%以下の割合でマトリックス樹脂中に含む熱伝導性シートを具備するパワーモジュールであって、
    前記熱伝導性シートに接する部材の前記熱伝導性シート側の面に、前記鱗片状窒化ホウ素の平均長径の1/3以上且つ前記熱伝導性シートの厚みの1/2以下の十点平均高さRzを有する凹凸が形成されていることを特徴とするパワーモジュール。
  2. 前記熱伝導性シートに接する部材は、ヒートシンク、ヒートスプレッダ、リードフレーム及び金属板からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
  3. 前記熱伝導性シートの厚み方向にX線を照射して得られるX線回折図において、<100>面に対する<002>面の回折ピークの強度比(I<002>/I<100>)が6以上200以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーモジュール。
  4. 前記熱伝導性シートは、鱗片状窒化ホウ素の二次焼結粒子をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
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