JP2005076023A - 低弾性接着剤並びにこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱板、接着剤付き金属箔 - Google Patents

低弾性接着剤並びにこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱板、接着剤付き金属箔 Download PDF

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Abstract

【課題】応力緩和性に優れた低弾性接着剤及びこれを用いた放熱板、金属箔および積層物を提供する。
【解決手段】ガラス転移温度が0℃以下で、−65℃の貯蔵弾性率が1×10Pa以下の低弾性材料であることを特徴とする電気回路、金属箔又は回路基板と放熱板とを接着するための低弾性接着剤であり、低弾性材料が、シリコーンゴム100重量部に対して、無機充填を40〜900重量部含有し、無機充填剤がアルミナである低弾性接着剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低弾性接着剤並びにこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱板、接着剤付金属箔に関する。
従来より、多層配線板、PGA、BGAなどの半導体パッケージに対する配線の高密度化に伴い、電子部品の搭載密度が大きくなり、また、半導体素子も高集積化して単位面積あたりの発熱量が大きくなるなど、半導体パッケージからの熱放散をよくすることが望まれるようになっている。それに伴うヒートマネージメントが重要になっている。そのような状況を踏まえて、接着剤として、放熱板への熱伝導性の他に高温領域の電気絶縁性および銅箔接着性が要求され、電気絶縁性、耐熱性、耐湿性の優れた接着剤が開発・商品化されている。
一方、車載用電子機器に関しては、小型化、省スペース化と並行して、車室内からエンジンルーム内に搭載されることが要望されはじめている。車室内と比較すると、エンジンルーム内の環境は温度が高く、温度変化の大きな厳しい環境である。このような環境に使用可能な放熱基板(金属基板)が強く要求されている。
しかしながら、エンジンルーム内を想定した条件(−40℃〜125℃)でヒートサイクル試験を行うと、搭載部品、特にベアチップと放熱板(アルミ板)との熱膨張差により熱応力が発生し、部品を固定している半田およびその周囲にクラックを生じ実装信頼性が低下する問題がある。
そのような問題点に対して、接着剤として低弾性な材料を使用することにより、放熱板と部品の間で発生する熱応力を緩和する方法が提案されている。
(1)特許文献1に示される−40℃での弾性率が1×10Pa以下のシリコーンゴム硬化体と樹脂組成層の多層構造を有する絶縁層からなる金属ベース回路基板。
(2)特許文献2に示される厚みが100μm以上で、−40℃での弾性率が2×1010Pa以下のエポキシ樹脂硬化体と樹脂組成層の多層構造を有する絶縁層からなる金属ベース回路基板。
(3)特許文献3に示されるエポキシ樹脂を主体とする樹脂、硬化剤化合物、シリコーンゴム微粒子及び無機充填剤を有する絶縁層からなる金属ベース回路基板。
しかしながら、(1)は具体的にシリコーンゴム硬化体とエポキシ樹脂層の多層構造であるため、両者の界面密着性に問題があり、耐湿信頼試験で界面剥離してしまう場合がある。(2)については、エポキシ樹脂硬化体の応力緩和性が不充分であり、部品実装信頼性に問題がある。さらに、エポキシ樹脂硬化体の厚みが100μm以上と厚いため、十分な放熱性が得られにくい。(3)についても(2)と同様に、シリコーンゴム微粒子の応力緩和性が不充分であり、多量に添加すると被着体との接着性の低下を招く。
特開平11−150345号公報 特開平11−87866号公報 特開2002−76549号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、応力緩和性に優れた低弾性接着剤及びこれを用いた積層物を提供することを目的とする。また、さらに、熱伝導性に優れた低弾性接着剤並びにこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱板、接着剤付き金属箔を提供することを目的とする。
本発明は、次のものに関する。
(1) ガラス転移温度が0℃以下で、−65℃の貯蔵弾性率が1×10Pa以下の低弾性材料であることを特徴とする電気回路、金属箔又は回路基板と放熱板とを接着するための低弾性接着剤。
(2) 低弾性材料が、シリコーンゴムと無機充填剤からなることを特徴とする(1)に記載の低弾性接着剤。
(3) シリコーンゴム100重量部対して、無機充填剤を40〜900重量部含有する(1)又は(2)に記載の低弾性接着剤。
(4) 無機充填剤がアルミナである(2)又は(3)に記載の低弾性接着剤。
(5) 電気回路、金属箔又は回路基板が、(1)〜(4)のいずれかに記載の低弾性接着剤を介して放熱板に積層されてなる積層物。
(6) 金属箔が銅である(5)に記載の積層物。
(7) 放熱板がアルミニウム、銅、金、銀、鉄あるいはそれらのいずれかを含む合金である(5)又は(6)に記載の積層物。
(8) 放熱板に(1)〜(4)のいずれかに記載の低弾性接着剤を積層してなる接着剤付き放熱板。
(9) 金属箔に(1)〜(4)のいずれかに記載の低弾性接着剤を積層してなる接着剤付き金属箔。
本発明に係る低弾性接着剤は、応力緩和性に優れ、また高温域の接着性及び電気絶縁性の低下が少ない特徴を有する。この低弾性接着剤を使用することにより、信頼性の高い積層物を得ることができ、これを作製するための接着剤付き放熱板及び接着剤付き金属箔を得ることができる。特に、エンジンルームのような加熱-冷却が繰り返される環境に使用が可能となることは大きな効果である。
本発明は、多層プリント配線板、ビルドアッププリント配線板、リジッドプリント配線板、フレックスリジッド配線板、ピングリッドアレイ(PGA)、ボールグリッドアレイ(BGA)、チップサイズパッケージ(CSP)などの半導体パッケージ向け配線板等であって、放熱板を有するものにおいて、それに必要な電気絶縁性及び接着性に優れ、特に、高温時での電気絶縁性及び接着性に優れ、熱伝導性又は耐湿性を有する接着剤並びにその用途に関するものである。特に、自動車のエンジンルーム内に設置される各種放熱基板(金属基板)の用途には好適に使用することができる。
本発明における低弾性接着剤は、シリコーンゴム及び無機充填剤を必須成分とし、ガラス転移温度が0℃以下で、−65℃の貯蔵弾性率が1×10Pa以下を有するものである。また、好ましくは、−65℃の貯蔵弾性率は1×10〜1×10Paである。
一般的に、放熱性を得るためには、無機充填剤を多量に添加する必要がある。その結果、接着剤の弾性率が高くなり応力緩和性が低下する。そこで、弾性率の低いシリコーンゴムを使用することにより、無機充填剤を添加しても弾性率の増大を抑制し、応力緩和性の維持が可能となる。良好な応力緩和性を得るためには、シリコーンゴムのガラス転移温度が0℃以下で、−65℃の貯蔵弾性率が1×10Pa以下であることが好ましい。一般的に、ガラス転移温度及び貯蔵弾性率は動的粘弾性測定装置により測定することができ、ガラス転移温度は貯蔵弾性率と損失弾性率との比であるtan―δの極大値から得られる。ガラス転移温度が0℃以上、−65℃の貯蔵弾性率が1×10Paより高いと、接着剤の応力緩和性が低下し、部品実装信頼性の悪化を招く。シリコーンゴムはシロキサン結合を骨格に有する材料であり、縮合反応型(脱酢酸タイプ、脱アセトンタイプ、脱オキシムタイプ、脱アルコールタイプ)、付加反応型いずれの硬化系でも使用可能である。特に、脱離成分のない付加反応型のシリコーンゴムが好ましい。さらに、シロキサン骨格にアルキッド、アクリル、ポリイミド、エポキシ等の官能基を付与した変性シリコーン、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが使用できる。
本発明おける無機充填剤としては、具体例として、酸化ケイ素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素等が挙げられ、1種または2種以上で用いることができる。安価に入手可能な材料として、酸化ケイ素、アルミナが好適である。
シリコーンゴムと無機充填剤の配合比は、シリコーンゴム100重量部対して、無機充填剤を40〜900重量部である。無機充填剤が40重量部未満であると、放熱性の低下を招き、900重量部を超えると、接着剤の弾性率が増大して応力緩和性の低下及び接着性の低下を招く場合がある。
シリコーンゴム、無機充填剤を必須とする低弾性接着剤は、これ以外の材料を添加してもよい。例えば、カップリング剤を配合することもできる。カップリング剤としては、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、チタネートカップリング剤の使用も可能である。
さらに、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の電気絶縁信頼性をよくするために、イオン捕捉剤を配合することができる。イオン捕捉剤の配合量は、添加による効果や低弾性、コストから、低弾性接着剤の総重量に対して5〜10重量%が好ましい。イオン捕捉剤としては、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤を配合することもできる。ビスフェノール系還元剤としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第3−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−第3−ブチルフェノール)等が挙げられる。
また、無機イオン吸着剤としては、ジルコニウム系化合物、アンチモンビスマス系化合物、マグネシウムアルミニウム系化合物、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
本発明における低弾性接着剤は、溶剤に溶解分散させてワニスとして使用する他、そのワニスを基材上に塗布し、加熱して溶剤を除去して得られるようなフィルムとして使用することが可能である。ワニス化の溶剤は、溶解性が得られるものであれば特に制限はなく、トルエン、キシレンなどが挙げられる。ワニスの製造は、らいかい機、3本ロール及びビーズミル等により、またこれらを組み合わせて行うことができる。また、ワニスとした後、真空脱気によりワニス中の気泡を除去することが好ましい。
フィルム化に際し使用される上記基材としては、離型性を有するプラスチックフィルムであれば特に制限はなく、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、フッ素フィルム等が好適に用いられる。
フィルム状態における接着剤組成物の厚みは3〜500μmが好ましく、さらに10〜100μmの範囲が好ましい。接着剤組成物の厚みが薄すぎると、放熱板あるいは銅箔との接着性の低下が顕著であり、接着剤組成物の厚みが厚すぎると接着フィルム中の残溶剤量が多くなり、放熱板と銅箔を接着した積層物を環境試験に処理した際に浮き、膨れ等の不具合を生じる。
本発明における低弾性接着剤は、電気回路、金属箔又は回路基板と放熱板とを接着するために使用される。
本発明の放熱板とは、電気回路に搭載されている電子部品等からの放熱を目的に電子部品が搭載されるべき面と反対面の電気回路に積層される板であり、好ましくは金属板が使用される。また、上記電気回路は、エポキシプリプレグ等に形成されているもの、すなわち、回路基板上の電気回路であってもよい。
電気回路に放熱板が積層されている積層物は、金属箔が放熱板に積層されている積層物(放熱板付金属箔)の金属箔を回路加工することにより作製することができる。また、電気回路への電子部品の搭載は、ハンダ接続等の分野でよく知られた方法により行われる。
上記放熱板は、通常ヒートシンク、ヒートスラグ、ヒートスプレッダなどと称されている。放熱板は、銅、アルミ、ステンレス、ニッケル、鉄、金、銀、モリブデン、タングステンなどの金属及びこれらの金属から選ばれた金属を含む金属、すなわち、これらの金属を2種類以上用いた合金、または金属とガラス、合金、セラミックの複合材料を用いることができる。中でも、熱伝導率の高い銅、アルミニウム、金、銀、これらを用いた合金が好ましい。放熱板の厚みは特に制限はないが、価格及び加工性の点から0.1〜5mmが好ましい。
前記の金属箔としては、銅、アルミ、ステンレス、ニッケル、鉄、金、銀、モリブデン、タングステンなどの金属、またはこれらの金属を2種類以上用いた合金などがある。中でも、汎用性の高い銅が好ましい。金属箔の厚みは特に制限はないが、価格及び加工性の点から3〜200μmが好ましい。
前記の放熱板付金属箔は、前述の放熱板と金属箔とを本発明の低弾性接着剤を介して接着して得ることができる(一般的には金属ベース回路基板)。さらに具体的には、以下の方法で作製することができる。
(1)放熱板に接着剤を塗布またはフィルム状の接着剤を貼り合せて接着剤付放熱板を作製する。次に接着剤付放熱板の接着剤面に銅箔等の金属箔を置いて熱プレスまたはロールラミネートにより接着して積層物を得る。
(2)銅箔等の金属箔に接着剤を塗布またはフィルム状の接着剤を貼り合せて接着剤付金属箔を作製する。次に接着剤付金属箔の接着剤面に放熱板を置いて熱プレスまたはロールラミネートにより接着して、積層物を得る。
(3)放熱板と銅箔等の金属箔の間にフィルム状の接着剤を挟み込み、熱プレスまたはロールラミネートにより接着して、積層物を得る。
本発明の接着剤付金属箔とは、前述した金属箔の片面に接着剤を塗布、またはフィルム状の接着剤を熱プレスあるいはロールラミネートにより接着して得ることができる。
本発明の接着剤付放熱板とは、前述した放熱板の片面に接着剤を塗布、またはフィルム状の接着剤を熱プレスあるいはロールラミネートにより接着して得ることができる。
本発明における低弾性接着剤の特長をまとめ、以下に示す。
1) シリコーンゴムを使用しているため、接着剤の低弾性化が図れる。
2) シリコーンゴムを使用しているため、高温時の接着性及び電気絶縁性の低下が少ない。
3)無機充填剤を接着剤に添加しているため、放熱性に優れている。
本発明おける低弾性接着剤は、前記したような電気回路、金属箔又は回路基板と放熱板とを接着するための接着剤に限らず、プリプレグ、フィルム、金属板等の回路基板と金属箔を張り合わせるための接着剤、半導体素子を基板に張り合わせるためのダイボンド剤等としても有用であり、半導体素子、電気回路、金属箔又は回路基板と回路基板又は電子部品搭載基板とを張り合わせるための接着剤としても有用である。特に、自動車のエンジンルーム内に設置される各種放熱基板(金属基板)の用途には好適に使用することができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1〜3)
シリコーンゴムとしてKE−1830(信越化学工業(株)製商品名)、無機充填剤としてアルミナAS−40(昭和電工(株)製商品名)を表1に示す配合量の低弾性接着剤を作製した。粘度調整としてトルエンを適量使用した。次に、小型攪拌脱泡装置の泡とり練太郎MX−201((株)シンキー製商品名)で5分攪拌・混練し、低弾性接着剤とした。この低弾性接着剤を、35μmt電解粗化銅箔GTSMP(古河サーキットフォイル製商品名)のマット面上に乾燥後の膜厚が70μmとなるように塗布し、80℃、10分間乾燥させBステージの低弾性接着剤を得た。その後、上記低弾性接着剤付き銅箔と1.0mmtアルミ板A1100P(昭和アルミニウム(株)製商品名)とを、170℃ 2MPa 60分間プレス接着し、積層物を作製した。その積層物の特性を測定し、結果を表2に示した。
(実施例4〜6)
シリコーンゴムとしてSE−1700(東レダウコーニングシリコーン(株)製商品名)、無機充填剤としてアルミナAO−509(アドマテックス(株)製商品名)を表1に示す配合量の低弾性接着剤を作製した以外は、実施例1〜3と同じ。
(実施例7〜9)
シリコーンゴムとしてTSE−322(GE東芝シリコーン(株)製商品名)、無機充填剤としてAX−116((株)マイクロン製商品名)を表1に示す配合量の低弾性接着剤を作製した以外は、実施例1〜3と同じ。
(比較例1)
低弾性接着剤として、エポキシ樹脂YD−134(東都化成(株)製商品名)、硬化促進剤として1−アミノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(キュアゾール2E4MZ−CN)(四国化成工業(株)製商品名)、無機充填剤としてアルミナAS−40(昭和電工(株)製商品名)を配合量(重量部)YD−134/2E4MZ−CN/アルミナAS−40=20/0.5/80とした以外は、実施例1と同じ。
(比較例2)
シリコーンゴムとしてKE−1830(信越化学工業(株)製商品名)、無機充填剤としてアルミナAS−40(昭和電工(株)製商品名)を低弾性接着剤とし、その配合量(重量部)をKE−1830/アルミナAS−40=10/90とした以外は、実施例1と同じ。
(比較例3)
シリコーンゴムの代わりにシリコーンレジンとしてKR−300(信越化学工業(株)製商品名)、無機充填剤としてアルミナAS−40(昭和電工(株)製商品名)を低弾性接着剤とした以外は、実施例1と同じ。
Figure 2005076023
なお、実施例1〜9及び比較例1〜3についての測定値は、次の測定方法によって測定したものである。
(1) ガラス転移温度、貯蔵弾性率
低弾性接着剤の動的粘弾性をDVE−V4(レオロジー(株)製商品名)を用い、下記の条件で測定した。
・治具:引張り
・チャック間距離:20mm
・昇温速度:5℃/分
・測定周波数:10Hz
・ サンプルサイズ:5mm幅×30mm長さ
(2) 耐半田クラック性
積層物の銅箔面をエッチングして銅パットを形成した。パット間にチップ抵抗を各5個ずつ半田付けし、−65℃(保持時間30分)〜125℃(保持時間30分)の条件で3000回ヒートサイクル試験を行い(楠本化成(株)製エタックNT1020型ヒートサイクル試験機)、光学顕微鏡により半田及びその周辺のクラックの有無を確認した。チップサイズは以下の通りである。
・1.6mm×0.8mm
・3.2mm×2.5mm
・5.0mm×2.5mm
(3)銅箔接着力
積層物の電解粗化銅箔に10mm幅の切れ込みを入れ、ワニス乾燥膜界面で剥がし銅箔接着力をJIS C 6481に準じて20℃で測定した。
(4)熱伝導率
100mm×50mmサイズの低弾性接着剤を熱伝導率測定機KemthermQTMD3(京都電子工業社製商品名)を用い、20℃における低弾性接着フィルムの熱伝導率を測定した。
Figure 2005076023
表2から明らかなように、実施例1〜9では、ガラス転移温度、貯蔵弾性率がいずれも低く、耐半田クラック性に優れている。さらに、銅箔接着力、熱伝導率とも良好な特性を有していることがわかる。特に耐半田クラック性においては、低弾性の接着剤により発生する熱応力を十分に応力緩和していると思われ、クラックの発生がないことは特筆すべき点である。
なお、比較例1及び3では接着剤のガラス転移温度及び弾性率が高いため、比較例2では無機充填剤が規定量以上に添加され接着剤の弾性率が高いため、耐半田クラック性に問題がある。

Claims (9)

  1. ガラス転移温度が0℃以下で、−65℃の貯蔵弾性率が1×10Pa以下の低弾性材料であることを特徴とする電気回路、金属箔又は回路基板と放熱板とを接着するための低弾性接着剤。
  2. 低弾性材料が、シリコーンゴムと無機充填剤からなることを特徴とする請求項1記載の低弾性接着剤。
  3. シリコーンゴム100重量部に対して、無機充填剤を40〜900重量部含有する請求項1又は2記載の低弾性接着剤。
  4. 無機充填剤がアルミナである請求項2又は3に記載の低弾性接着剤。
  5. 電気回路、金属箔又は回路基板が、請求項1〜4のいずれかに記載の低弾性接着剤を介して放熱板に積層されてなる積層物。
  6. 金属箔が銅である請求項5記載の積層物。
  7. 放熱板がアルミニウム、銅、金、銀、鉄あるいはそれらのいずれかを含む合金である請求項5又は6記載の積層物。
  8. 放熱板に請求項1〜4のいずれかに記載の低弾性接着剤を積層してなる接着剤付き放熱板。
  9. 金属箔に請求項1〜4のいずれかに記載の低弾性接着剤を積層してなる接着剤付き金属箔。
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