JP2007296691A - ガスバリア性材料、ガスバリア性材料の製造方法、透明導電膜付ガスバリア性材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

ガスバリア性材料、ガスバリア性材料の製造方法、透明導電膜付ガスバリア性材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2007296691A
JP2007296691A JP2006125271A JP2006125271A JP2007296691A JP 2007296691 A JP2007296691 A JP 2007296691A JP 2006125271 A JP2006125271 A JP 2006125271A JP 2006125271 A JP2006125271 A JP 2006125271A JP 2007296691 A JP2007296691 A JP 2007296691A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
gas barrier
layer
gas
sub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006125271A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromoto I
宏元 井
Hiroto Ito
博人 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2006125271A priority Critical patent/JP2007296691A/ja
Publication of JP2007296691A publication Critical patent/JP2007296691A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】高いガスバリア性を有し、折り曲げ耐性に優れ、透明性を有したガスバリア性材料、ガスバリア性材料の製造方法、このガスバリア性材料を使用した透明導電膜付ガスバリア性材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子の提供。
【解決手段】基材の上に、少なくともバリア膜を有するガスバリア性材料において、前記バリア膜が、同じ組成の酸化金属膜、窒化金属膜または酸窒化金属膜であって、且つ、硬さの異なるサブバリア層を、隣接して少なくとも2層有することを特徴とするガスバリア性材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部材、エレクトロニクス部材、一般包装部材、薬品包装部材などの幅広い用途に応用が可能な透明でガスバリア性の高いガスバリア性材料、このガスバリア性材料を用いた透明導電膜付ガスバリア性材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
従来より、ガスバリア性材料は、水蒸気や酸素等、各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止するための包装用途に広く用いられている。又、包装用途以外にも液晶表示素子、太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス(EL)基板等で使用されている。
この様な分野での包装材料として、高度なガスバリア性が要求される場合においては、アルミニウム等の金属からなる金属箔等をガスバリア層として用いた包装材料が用いられてきた。しかしながら、この様な金属からなる金属箔等をガスバリア層として用いた包装材料は、温度や湿度に影響を受けない高度なガスバリア性を持つが、不透明であるため包装材料を透視して内容物を確認することが出来ないことや、透明性が求められているディスプレイ材料には使用出来ない問題点を有している。
一方、透明性を有するガスバリア性材料としてはポリ塩化ビニリデン樹脂や塩化ビニリデンと他のポリマーとの共重合体樹脂からなる樹脂フィルム、或いはこれらの塩化ビニリデン系樹脂をポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂にコーティングしてガスバリア性を付与した材料が、特に包装材料として広く用いられているが、焼却処理過程で塩素系ガスが発生するため、環境保護の観点から現在問題となっており、更にガスバリア性が必ずしも十分ではなく、高度なバリア性が求められる分野へ適用することが出来ない。
特に、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELとも言う)素子等の電子デバイスは、近年、軽量化、大型化と言う要求に加え、長期信頼性や形状の自由度が高いこと、曲面表示が可能であること等の高度な要求が加わり、重く割れやすく大面積化が困難なガラス基板に代わって透明プラスチック等の樹脂フィルム基材が採用され始めている。例えば、特開平2−251429号公報や特開平6−124785号公報には、有機EL素子の基板として、透明プラスチックフィルムを用いた例が開示されている。
しかしながら、透明プラスチックフィルムはガラスに対しガスバリア性が劣ると言う問題がある。例えば、有機EL素子の基板として用いた場合、ガスバリア性が劣る基材を用いると、水蒸気や空気が浸透して有機膜が劣化し、発光特性或いは耐久性等を損なう要因となる。又、電子デバイス用基板として透明プラスチックフィルムを用いた場合には、酸素が高分子基板を透過して電子デバイス内に浸透、拡散し、電子デバイスを劣化させてしまうことや、電子デバイス内で求められる真空度を維持出来ないといった問題を引き起こす。
この様な問題を解決し、包装材料や有機EL素子に使用されるガスバリア性フィルムとして、例えば特公昭53−12953号公報にフィルム基板の上に酸化珪素を蒸着し透明薄膜を形成したガスバリア性フィルム基材、特開昭58−217344号公報にはフィルム基板の上に酸化アルミニウムを蒸着し透明薄膜を形成してガスバリア性フィルム基材とすることが知られている。しかしながら、何れも水蒸気バリア性が2g/m2/day、酸素透過性が2ml/m2/day・atm程度であるため有機EL示素子には不十分となっている。又、酸化珪素の膜厚又は酸化アルミニウムの膜厚を厚くしようとする場合、これらの透明無機膜は柔軟性、可撓性の観点から一定以上にするとクラックが生じてしまい、ガスバリア性が低下してしまう欠点を有している。
更に近年では、更なるガスバリア性が要求される有機ELディスプレイや、液晶ディスプレイの大型化、高精細ディスプレイ等の開発により、フィルム基板へのガスバリア性能について水蒸気バリア性能で10-5g/m2/day程度まで要求が上がってきている。
これらの要求に対応するために、これまでに酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物を使用したガスバリア性材料の多くの検討がなされてきた。例えば、特開2006−44231号公報には基材フィルムの上に無機酸化物、無機酸化窒化物、無機酸化炭化物、無機酸化窒化炭化物からなるバリア層とカルドポリマーを含む平滑化層を積層することでバリア性を改良したガスバリア性フィルムが記載されている。特開2005−289052号公報には、基材フィルムの上にガスバリア層として有機層と無機層とを交互に積層し、基材フィルムの裏面を凹凸面とすることでガスバリア層のクラック防止を図ったガスバリア性フィルムが記載されている。特開2005−289052号公報には、基材フィルムの上に、SiOx層、樹脂層とを交互に積層したガスバリア性フィルムが記載されている。しかしながら、これらバリア層を有機層/無機層の組み合わせで積層して形成した場合、有機層と無機層との物性が大きく異なるため、界面でクラックが入り易く、又、ガスバリア性も十分とは言えない。
更に、高いガスバリア性を得るために、バリア層を無機層/無機層で形成する検討もなされている。例えば、基材フィルムの上にバリア層として、酸化珪素単独からなる第一層と炭素を含む酸化珪素からなる第二層、更にその上に酸化珪素単独からなる第三層を順次形成した積層構成であることを特徴とする透明ガスバリア材が知られている(例えば、特許文献1参照。)。基材フィルムの上にバリア層として炭素含有量の異なる酸化珪素を積層したガスバリア性材料が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の透明ガスバリア材は通常の状態では高いガスバリア性を示すのであるが、折り曲げ耐性が十分でないため、取り扱い過程でバリア層にクラックが入り易くガスバリア性が低下する危険が高いため、有機ELディスプレイや、液晶ディスプレイ等への適用が困難である。
基材フィルムの上に下層の窒化酸化珪素層を上層の窒化酸化珪素層よりも緻密性を高くして形成したバリア層を有するガスバリア性フィルムが知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、特許文献3に記載のガスバリア性フィルムは透過率が低く、有機ELディスプレイや、液晶ディスプレイ等への適用が困難である。
基材フィルムの上にバリア層として、SiOxy/無機膜/SiOxyの層構成とすることでSiOxy層で生じた欠陥を補い高いバリア性を有するガスバリア性フィルムが知られている(例えば、特許文献4参照。)。確かに組成を変更することでクラックの成長を一旦止めることは出来るが、本発明者らが確認したところ、特許文献4に記載のガスバリア性フィルムは、組成が異なる無機膜を有することで積層界面で新たなクラックが入り易い欠点を有していることが判った。すなわち、組成を変更した層の導入により、クラックの成長抑制と発生が同時に起きており、クラック起因のバリア性低下の原因を完全に取り除くことは出来ない本質を有していることが判った。
これらの状況から、取り扱いでバリア層にクラックが入ることなく、液晶表示素子、有機EL素子等の電子デバイスへの使用が可能な高いガスバリア性を有し、折り曲げ耐性に優れ、透明性を有したガスバリア性材料、このガスバリア性材料を使用した透明導電膜付ガスバリア性材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子の開発が望まれている。
特開平8−48369号公報 特開2003−257619号公報 特開2003−206361号公報 特開2003−211579号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は高いガスバリア性を有し、折り曲げ耐性に優れ、透明性を有したガスバリア性材料、ガスバリア性材料の製造方法、このガスバリア性材料を使用した透明導電膜付ガスバリア性材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
1.基材の上に、少なくともバリア膜を有するガスバリア性材料において、前記バリア膜が、実質的に同じ組成の酸化金属膜、窒化金属膜または酸窒化金属膜であって、且つ、硬さの異なるサブバリア層を、隣接して少なくとも2層有することを特徴とするガスバリア性材料。
2.前記実質的に同じ組成の酸化金属膜、窒化金属膜または酸窒化金属膜であって、且つ、硬さの異なる隣接したサブバリア層を1ユニットとした時、バリア膜が、少なくとも2ユニットのサブバリア層を有することを特徴とする前記1に記載のガスバリア性材料。
3.前記2ユニットのそれぞれが、隣接して存在していることを特徴とする前記2に記載のガスバリア性材料。
4.前記2ユニットのそれぞれが、前記基材を挟んで両側に存在していることを特徴とする前記2に記載のガスバリア性材料。
5.前記サブバリア層のうち少なくとも一層が実質的に金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物からなることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
6.前記サブバリア層が大気圧プラズマCVDにより形成されていることを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
7.前記サブバリア層のうち、少なくとも1層の残留応力が圧縮応力で0.01MPa〜20MPaであることを特徴とする前記1〜6の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
8.前記バリア膜は、サブバリア層と基材との間に、密着層を有することを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
9.前記密着層の炭素含有量が1at%〜30at%の金属化合物である金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物からなることを特徴とする前記8に記載のガスバリア性材料。
10.前記密着層が大気圧プラズマCVDにより形成されていることを特徴とする前記8又は9に記載のガスバリア性材料。
11.前記密着層は弾性率が5GPa〜20GPaであることを特徴とする前記8〜10の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
12.前記バリア膜は、サブバリア層の上に、保護層を有することを特徴とする前記1〜8の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
13.前記保護層が炭素含有量が1at%〜30at%の金属化合物である金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物からなることを特徴とする前記12に記載のガスバリア性材料。
14.前記保護層が大気圧プラズマCVDにより形成されていることを特徴とする前記12又は13に記載のガスバリア性材料。
15.前記保護層は弾性率が5GPa〜20GPaであることを特徴とする前記12〜14の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
16.基材上に、少なくともバリア膜を有するガスバリア性材料において、前記バリア膜が、前記基材側から、密着層と、実質的に同じ組成の酸化金属膜、窒化金属膜または酸窒化金属膜で且つ硬さが異なり隣接する2層以上のサブバリア層と、保護層とを有することを特徴とするガスバリア性材料。
17.前記2層以上のサブバリア層が、実質的に酸化珪素からなることを特徴とする前記16に記載のガスバリア性材料。
18.前記密着層が、酸化珪素を主成分とし、炭素も含有することを特徴とする前記16又は17に記載のガスバリア性材料。
19.前記保護層が、酸化珪素を主成分とし、炭素も含有することを特徴とする前記16〜18の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
20.基材上に、少なくともバリア膜を有するガスバリア性材料であって、前記バリア膜の膜厚方向で実質的に同じ組成の酸化金属、窒化金属または酸窒化金属の範囲において、サイカス硬度測定をした時、少なくとも1つのピークが現れることを特徴とするガスバリア性材料。
21.前記1〜20の何れか1項に記載のガスバリア性材料が、バリア膜の上に透明導電性薄膜を有していることを特徴とする透明導電膜付ガスバリア性材料。
22.前記21に記載の透明導電膜付ガスバリア性材料の上に有機エレクトロルミネッセンス材料及び陰極となる金属膜をコーティングし、更に封止部材により封止したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
23.基材上に、少なくともバリア膜を有するガスバリア性材料の製造方法において、前記バリア膜が、実質的に同じ組成の酸化金属膜、窒化金属膜または酸窒化金属膜であって、且つ、硬さの異なるサブバリア層を、隣接して少なくとも2層有し、前記サブバリア層を、大気圧プラズマCVDにより形成することを特徴とするガスバリア性材料の製造方法。
高いガスバリア性を有し、折り曲げ耐性に優れ、透明性を有したガスバリア性材料、このガスバリア性材料を使用した透明導電膜付ガスバリア性材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することが出来、より高いガスバリア性材料を必要とする電子デバイスへの対応が可能となった。
以下本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図7を参照しながら説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
図1は本発明のガスバリア性材料の層構成の一例を示す概略断面図である。図1(a)は硬さの異なるサブバリア層を、隣接して少なくとも2層有するガスバリア性材料の概略断面図である。図1(b)は硬さの異なる隣接したサブバリア層2層を1ユニットとした時、2ユニットのサブバリア層を有するガスバリア性材料の概略断面図である。図1(c)は基材の両側にそれぞれ1ユニットのサブバリア層を有するガスバリア性材料の概略断面図である。図1(d)は、硬さの異なる隣接したサブバリア層3層を1ユニットとして有するガスバリア性材料の概略断面図である。
図1(a)に示されるガスバリア性材料に付き説明する。図中、1aはガスバリア性材料を示す。ガスバリア性材料1aは、基材101の上に、バリア膜100を有している。バリア膜100は、密着層103と、密着層103の上に積層された硬さの異なる隣接した第1サブバリア層102aと第2サブバリア層102bとの少なくとも2層を有するサブバリア層(sub-barrier layers)102を1ユニットと、保護層104とを有している。
尚、サブバリア層102は少なくとも2層の硬さの異なる隣接した第1サブバリア層102aと第2サブバリア層102bとから構成されていることが必要であるが、必要に応じてサブバリア層を増加することは可能である。本図では1ユニットのサブバリア層102が隣接した第1サブバリア層102aと第2サブバリア層102bとの2層で構成されている場合を示している。
図1(b)に示されるガスバリア性材料に付き説明する。図中、1bはガスバリア性材料を示す。他の符号は図1(a)の符号と同義である。ガスバリア性材料1bは、バリア膜100の中に、2層の硬さの異なる隣接した第1サブバリア層102aと第2サブバリア層102bとを有するサブバリア層を1ユニットとしたとき、2ユニットのサブバリア層102を積層して有するタイプである。
図1(c)に示されるガスバリア性材料について説明する。図中、1cはガスバリア性材料を示す。他の符号は図1(a)の符号と同義である。ガスバリア性材料1cは、基材101の両側にそれぞれバリア膜100を有している。それぞれのバリア膜100は、図1(a)と同じである。
図1(d)に示されるガスバリア性材料について説明する。図中、1dはガスバリア性材料を示す。他の符号は図1(a)の符号と同義である。ガスバリア性材料1dは、バリア膜100の中に、3層の硬さの異なる隣接した第1サブバリア層102aと第2サブバリア層102bと第3サブバリア層102cとを有している。サブバリア層のユニット数は2から10ユニットが好ましい。
サブバリア層を複数ユニット有することで図1(a)に示されるガスバリア性材料1aよりも更に高いガスバリア性を有している。尚、基材101と密着層103との間に基材101の保護、平面性保持等のために透明な保護層を必要に応じて配設することも可能である。
本図に示すガスバリア性材料は、基材の上に、バリア膜100を有し、バリア膜100は、硬さの異なる隣接した第1サブバリア層102aと第2サブバリア層102bとの少なくとも2層を有するサブバリア層102を有することを特徴とし、サブバリア層と基材101の間に密着層103と、サブバリア層の上に保護層104を積層した層構成をしている。バリア膜100は、これ以外の層を有していてももちろんよい。
密着層103はガスバリア性材料1a〜1dを折り曲げた時、第1サブバリア層102aが基材から剥離及び割れを防ぐために基材101と第1サブバリア102aとの間に配設されおり、第1サブバリア層102aの密着性を挙げると共に、外部からの応力を緩和させる作用を付与する目的がある。
保護層104は、ガスバリア性材料1a〜1dを折り曲げた時、割れ及び第2サブバリア層102bを保護すると共に、外部からの応力を緩和させる作用を付与する目的がある。密着層及び保護層はバリア層より弾性率が低いことが好ましい。
本図に示されるガスバリア性材料を構成している密着層103とサブバリア層102と保護層104の弾性率の関係は、密着層103<サブバリア層102>保護層104となっていることが好ましい。又、サブバリア層を構成している弾性率の異なる第1サブバリア層102aと第2サブバリア層102bの弾性率は、第1サブバリア層102a<第2サブバリア層102bの関係を有していることが好ましい。本図に示される、サブバリア層102は上と下にサブバリア層102より弾性率の低い密着層103と保護層104とにより挟まれた状態となっている。
密着層103の弾性率は、5GPa〜20Gpaであることが好ましい。保護層104の弾性率は、5GPa〜20GPaであることが好ましい。バリア層102の弾性率は密着層と保護層よりも高く、例えば20GPa〜70GPaであることが好ましく、更に硬さが異なる積層構成となっている。
弾性率は、ナノインデンテーション測定法を用いて測定した値を示す。具体的には、装置として、Hysitron社製Triboscope及びSII製SPI3800Nを用い、圧子は90°Cube corner tip、最大荷重を20μN、測定n数をn=3で測定した。
本発明のガスバリア性材料を構成している密着層103とサブバリア層(第1サブバリア層102a、第2サブバリア層102b)と保護層104との各層の硬さは、ダイプラウインテス製サイカスNN−04型の硬度測定器で測定(本発明ではサイカス硬度測定と言う)で出来る。本発明においては、サブバリア層aとサブバリア層bは隣接しているが、その硬さの違いは、本図に示されるガスバリア性材料をサイカス硬度測定によって検出が可能である。
本発明において、硬さの異なるサブバリア層とは、このサイカス硬度測定による硬度が、隣接する実質的に同じ組成の金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒化物から構成されているサブバリア層間で異なっていることを意味する。具体的には、膜厚方向の組成が同じ範囲において、サイカス硬度測定によるピークが1つ以上出ることである。隣接サブバリア層の硬度の差異は、好ましくは0.01N以上、更に好ましくは0.02N以上である。
サイカス硬度の測定条件としては、サンプリングステップは0.2sec/pointで、ダイヤモンド製1mm幅の刃を使用し、剪断角度は45°、押圧荷重を2μN、バランス加重1μNとし、垂直速度1nm/sec、水平速度100nm/secにて切削を行い、水平、垂直力を記録した。本発明のガスバリア材料は、この条件の記録において、水平力プロファイルの振幅が、ピークになって複数現れるのを特徴としている。これは、膜の表面(すなわち保護層側から)から徐々に荷重を掛けてゆくプロセスにおいて、サブバリア層102b(硬い)から102a(やや硬い)へと硬さの異なる領域に荷重がシフトする時、溜め込んだ応力が緩和される様子を示している。この緩和される様子がピークとなって検出されるが、緩和される回数は複数回に渡って観察されることもある。一方で、この様な硬さの違いがないバリア層は荷重による応力緩和が急激に起こらないのでピークが検出されることはない。
本発明のガスバリア性材料のバリア膜構成している密着層とサブバリア層(第1サブバリア層、第2サブバリア層)と保護層との各層は、真空蒸着、スパッタリング、真空CVD法(化学蒸着)、熱CVD法、プラズマCVD法等いかなる方法で形成してもよいが、各層を形成する時に層の残留応力を少なくし、且つ緻密で硬い層を形成することが可能である大気圧或いは大気圧近傍でのプラズマCVD法を用いることが好ましい。大気圧プラズマCVD法に関しては後述する。本図に示されるガスバリア性材料のサブバリア層(硬さの異なる少なくとも2層の第1サブバリア層、第2サブバリア層を有するサブバリア層)の残留応力は、バリア膜の耐久性、ガスバリア性(水蒸気透過率及び酸素透過率)等を考慮し、圧縮応力で0.01MPa〜20MPa以下であることが好ましい。更に好ましくは0.1MPa〜10MPa以下で、より硬い第二サブバリアは0.1〜3MPaが好ましい。
例えば、蒸着法、CVD法、ゾルゲル法等により形成したサブバリア層を有する樹脂フィルムは、一定条件に放置した時、プラスカール、マイナスカールをその基材フィルムとセラミック膜の膜質との関係で生じる。このカールは、サブバリア層の中に発生する応力によって、生じるもので、カールの大きいもの(プラスカール)ほど、圧縮応力が大きいと言うことが出来る。サブバリア層の中の内部応力の測定は、以下の方法により測定する。すなわち、測定膜と同じ組成、厚みのサブバリア層を、幅10mm、長さ50mm、厚み0.1mmの石英基板上に同じ方法により厚み1μmとなるよう製膜し、作製したサンプルに生じるカールをサンプルの凹部を上に向けて、NEC三栄社製、薄膜物性評価装置MH4000にて測定して得ることが出来る。一般に圧縮応力により基材に対し膜側が縮むプラスカールの場合プラスの応力とし、逆に、引っ張り応力によりマイナスカールを生じる場合マイナスの応力と表現する。
酸化珪素膜を形成した樹脂フィルムの残留応力は、例えば真空蒸着法により酸化珪素膜を作製する時に、真空度を調整することで、調整出来る。残留応力が小さいことは、層に歪みが少ないことを意味し、平滑で、折り曲げ等による変形に対し平均的には強いことを意味する。応力が小さすぎる時には部分的に引っ張り応力になっている場合もあり、膜にひびや、亀裂が入り易く、耐久性のない膜となり、大きすぎる場合には割れ易い膜となる。
本発明のガスバリア性材料のバリア膜を構成している密着層とサブバリア層(第1サブバリア層、第2サブバリア層)と保護層との各層の硬さを必要とする硬さにするには、大気圧或いは大気圧近傍でのプラズマCVD法を用いて堆積速度を調整することで可能である。例えば、大気圧プラズマCVD法を用いて基材の上に密着層とサブバリア層(第1サブバリア層、第2サブバリア層)と保護層とを積層する場合、堆積速度(nm/sec)は、密着層20〜70、第1バリア層4〜15、第2バリア層0.1〜1.0、保護層50〜150が挙げられる。堆積速度(nm/sec)の値が低いほど、より緻密で硬い構造の層が堆積される。堆積速度の調整は、プラズマ密度や原料の供給量などの因子で任意に決めることが出来る。例えば、緻密で硬い膜を作製する時には、高いプラズマ密度の放電空間に原料供給量を少なめに投入することで作製が可能である。
本発明のガスバリア性材料のサブバリア層102を構成している第1サブバリア層102aと第2サブバリア層102bとは、実質的に同じ組成の金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒化物から構成されている。実質的に同じ組成とは、サブバリア層を構成している金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒化物を、XPS測定し、Mxyzで表わしたとき(Mは金属原子を表わす。x、y、zは、M原子、O原子、N原子それぞれの組成比を表わす。)、隣接する第1サブバリア層と第2サブバリア層のx、y、zそれぞれの値の差が10%未満であることを意味する。好ましくは5%未満、更に好ましくは2%未満、最も好ましくは0%である。尚、本発明のサブバリア層は、実質的に金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒化物から構成されているので、炭素(C)等の不純物は、XPS測定において0.5%以下である。好ましくは検出限界以下(0.1%以下)である。本発明においては、第1サブバリア層と第2サブバリア層ともにSiO2であることが好ましい。
密着層103の厚さは、10nm〜500nmが好ましく、より好ましくは20nm〜100nmである。第1サブバリア層102aの厚さは、ガスバリア性、可撓性、折り曲げ耐性等を考慮し、5nm〜100nmが好ましく、より好ましくは10nm〜50nmである。第2サブバリア層102bの厚さは、ガスバリア性、可撓性、折り曲げ耐性等を考慮し、5nm〜200nmが好ましく、より好ましくは20nm〜100nmである。保護層104の厚さは、バリア層の保護、可撓性等を考慮し、50nm〜600nmが好ましく、より好ましくは50nm〜500nmである。
本図に示される様な、実質的に同じ組成の酸化金属膜、窒化金属膜または酸窒化金属膜から構成され、硬さの異なるサブバリア層を、隣接して少なくとも2層有するサブバリア層を有し、このサブバリア層よりも硬さが低い密着層と保護層とで挟んだ層構成にすることで次の効果が挙げられる。
1)サブバリア層を硬さの異なる第1サブバリア層と第2サブバリア層とに分割することで、折り曲げた時にサブバリア層に掛かる応力をサブバリア層内でも緩和することが可能となり、且つ、1層で形成するよりも厚く積層することが可能になり、高いガスバリア性を保持したバリア膜の形成が可能となった。
2)折り曲げた時、密着層と保護層とが応力緩和層として作用するため、緻密な硬い構造を有するサブバリア層をより厚く積層することが可能になり、高いガスバリア性を有するガスバリア性材料の作製が可能となった。
3)高いガスバリア性を有し、折り曲げ耐性に優れ、透明性を有したガスバリア性材料を作製することが可能になり、より高いガスバリア性を必要とする電子デバイスへの対応が可能となった。
次に、本発明のガスバリア性材料を構成している密着層、サブバリア層、保護層、基材に使用される素材に付き説明する。バリア膜(サブバリア層)を構成している第1サブバリア層と第2サブバリア層とは同じ組成であり、例えば金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物、又これらの混合物(金属酸窒化物、金属酸化ハロゲン化物、金属窒化炭化物など)等が挙げられる。これらのうち、第1サブバリア層と第2サブバリア層のうち少なくとも一層が実質的に金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物からなることが好ましい。これらの中で、金属酸化物である酸化珪素(SiOx)が特に好ましい。実質的にとは、原子数濃度で炭素等の副次成分を0at%〜1at%、好ましくは0at%〜0.5at%含有してもよいことを意味する。
密着層に使用する素材は、炭素含有率の異なる金属化合物である金属酸化物、金属酸窒化物、金属窒化物又はその複合物が好ましく、具体的には、酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等が好ましく挙げられる。より好ましくは炭素含有量が1at%〜30at%の金属化合物である金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物が好ましい。これらの中で、金属酸化物である酸化珪素(SiOx)が特に好ましい。
保護層に使用する素材は、炭素含有率の異なる金属酸化物、金属酸窒化物、金属窒化物が好ましく、具体的には、酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等が好ましく挙げられる。より好ましくは、炭素含有量が1at%〜30at%の金属化合物である金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物が好ましい。これらの中で、金属酸化物である酸化珪素(SiOx)が特に好ましい。
ここにおいて、at%は、後述する原子数濃度%(atomic concentration)を表す。本発明において炭素含有量は原子数濃度%であり、公知の分析手段を用いて求めることが出来るが、本発明においては下記のXPS法によって算出されるもので、以下に定義される。
原子数濃度%(atomic concentration)=炭素原子の個数/全原子の個数×100
XPS表面分析装置は、本発明では、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いた。具体的には、X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定した。エネルギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で規定した時、1.5eV〜1.7eVとなるように設定した。測定としては、先ず、結合エネルギー0eV〜1100eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定し、いかなる元素が検出されるかを求めた。次に、検出された、エッチングイオン種を除く全ての元素について、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンを行い、各元素のスペクトルを測定した。得られたスペクトルは、測定装置、或いは、コンピュータの違いによる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするために、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM (Ver.2.3以降が好ましい)上に転送した後、同ソフトで処理を行い、各分析ターゲットの元素(炭素、酸素、珪素、チタン等)の含有率の値を原子数濃度(atomic concentration:at%)として求めた。
定量処理を行う前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションを行い、5ポイントのスムージング処理を行った。定量処理では、バックグラウンドを除去したピークエリア強度(cps*eV)を用いた。バックグラウンド処理には、Shirleyによる方法を用いた。又、Shirley法については、D.A.Shirley,Phys.Rev.,B5,4709(1972)を参考にすることが出来る。
基材としては枚葉シート状又は帯状の樹脂フィルムが挙げられ必要に応じて選択することが可能である。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロハン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
次に本発明に係わる密着層、サブバリア層(sub-barrier layers)、保護層を積層する大気圧或いは大気圧近傍でのプラズマCVD法について説明する。
本発明に係る密着層、サブバリア層(硬さの異なる少なくとも2層の第1サブバリア層、第2サブバリア層を有するサブバリア層)及び保護層は、大気圧もしくは大気圧近傍の圧力下、放電空間に薄膜形成ガス及び放電ガスを含有するガスを供給し、放電空間に高周波電界を印加することによりガスを励起し、基材を励起したガスに晒すことにより、基材の上に薄膜を形成する大気圧プラズマCVD法を用いて形成することが好ましい。
大気圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を表すが、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
上記のような大気圧プラズマCVD法による薄膜形成においては、薄膜形成ガスは、主に、薄膜を形成するための原料ガス、該原料ガスを分解して薄膜形成化合物を得るための分解ガス及びプラズマ状態とするための放電ガスとから構成されている。大気圧プラズマCVD法による薄膜形成において、同一組成物から構成された薄膜を形成する薄膜形成ガスをそれぞれ用いることが好ましく、これにより不純物の混入がなく、非常に安定した製造が可能となり、且つ過酷な環境下で保存した場合においても密着性が劣化することなく、良好な透明性、ガスバリア耐性を備えたガスバリア性材料を得ることが出来る。
本発明のガスバリア性材料において、所望の構成からなる密着層、サブバリア層及び保護層を形成する方法としては、特に制限はないが、最適な原材料を選択すると共に、原料ガス、分解ガス及び放電ガスの組成比、プラズマ放電発生装置への薄膜形成ガスの供給速度、或いはプラズマ放電処理時の出力条件等を適宜選択することが好ましい。
次いで、本発明に係る密着層、サブバリア層及び保護層の製造に用いる原料について説明する。本発明に係る密着層、サブバリア層及び保護層は、プラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法において、原料(原材料とも言う)である有機金属化合物、分解ガス、分解温度、投入電力などの条件を選ぶことで、金属化合物である金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物等、その組成を作り分けることが出来る。
例えば、珪素化合物を原料化合物として用い、分解ガスに酸素を用いれば、珪素酸化物が生成する。これはプラズマ空間内では非常に活性な荷電粒子・活性ラジカルが高密度で存在するため、プラズマ空間内では多段階の化学反応が非常に高速に促進され、プラズマ空間内に存在する元素は熱力学的に安定な化合物へと非常な短時間で変換されるためである。
この様な無機物の原料としては、典型又は遷移金属元素を有していれば、常温常圧下で気体、液体、固体何れの状態であっても構わない。気体の場合にはそのまま放電空間に導入出来るが、液体、固体の場合は、加熱、バブリング、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用する。又、溶媒によって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール,エタノール,n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用出来る。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解されるため、影響は殆ど無視することが出来る。
この様な有機金属化合物としては、珪素化合物として、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51等が挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンテトライソポロポキシド、チタンn−ブトキシド、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−エチルアセトアセテート)、チタンジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンアセチルアセトネート、ブチルチタネートダイマー等が挙げられる。
ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムt−ブトキシド、ジルコニウムトリ−n−ブトキシドアセチルアセトネート、ジルコニウムジ−n−ブトキシドビスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムヘキサフルオロペンタンジオネート等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、アルミニウムエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムs−ブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、トリエチルジアルミニウムトリ−s−ブトキシド等が挙げられる。
硼素化合物としては、ジボラン、テトラボラン、フッ化硼素、塩化硼素、臭化硼素、ボラン−ジエチルエーテル錯体、ボラン−THF錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリ(イソプロポキシ)ボラン、ボラゾール、トリメチルボラゾール、トリエチルボラゾール、トリイソプロピルボラゾール、等が挙げられる。
錫化合物としては、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等が挙げられる。
又、その他の有機金属化合物としては、例えば、アンチモンエトキシド、ヒ素トリエトキシド、バリウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、ベリリウムアセチルアセトナート、ビスマスヘキサフルオロペンタンジオネート、ジメチルカドミウム、カルシウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、クロムトリフルオロペンタンジオネート、コバルトアセチルアセトナート、銅ヘキサフルオロペンタンジオネート、マグネシウムヘキサフルオロペンタンジオネート−ジメチルエーテル錯体、ガリウムエトキシド、テトラエトキシゲルマン、テトラメトキシゲルマン、ハフニウムt−ブドキシ
ド、ハフニウムエトキシド、インジウムアセチルアセトナート、インジウム2,6−ジメチルアミノヘプタンジオネート、フェロセン、ランタンイソプロポキシド、酢酸鉛、テトラエチル鉛、ネオジウムアセチルアセトナート、白金ヘキサフルオロペンタンジオネート、トリメチルシクロペンタジエニル白金、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナート、ストロンチウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、タンタルメトキシド、タンタルトリフルオロエトキシド、テルルエトキシド、タングステンエトキシド、バナジウムトリイソプロポキシドオキシド、マグネシウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート、ジエチル亜鉛等が挙げられる。
又、これらの金属を含む原料ガスを分解して無機化合物を得るための分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、水蒸気、フッ素ガス、フッ化水素、トリフルオロアルコール、トリフルオロトルエン、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、塩素ガスなどが挙げられる。
金属元素を含む原料ガスと、分解ガスを適宜選択することで、各種の金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫化物を得ることが出来る。
これらの反応性ガスに対して、主にプラズマ状態になり易い放電ガスを混合し、プラズマ放電発生装置にガスを送りこむ。この様な放電ガスとしては、窒素ガス及び/又は周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも特に、窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。
上記放電ガスと反応性ガスを混合し、薄膜形成(混合)ガスとしてプラズマ放電発生装置(プラズマ発生装置)に供給することで膜形成を行う。放電ガスと反応性ガスの割合は、得ようとする膜の性質によって異なるが、混合ガス全体に対し、放電ガスの割合を50%以上として反応性ガスを供給する。
密着層は炭素含有量が1at%〜30at%の金属化合物である金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物から、保護層は、炭素含有量が1at%〜30at%の金属化合物である金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物から構成されていることが好ましい。特に水蒸気や酸素などのガス遮断性、光線透過性及び後述する大気圧プラズマCVD適性の観点から、金属酸化物の酸化珪素(SiOx)であることが好ましい。
本発明に係る無機化合物は、例えば、上記有機珪素化合物に、更に酸素ガスや窒素ガスを所定割合で組み合わせて、O原子とN原子の少なくとも何れかと、Si原子及びC原子とを含む膜を得ることが出来る。
次に、本発明に用いられる大気圧プラズマ放電処理装置に付き説明する。大気圧プラズマ放電処理装置は、対向電極の間で放電させ、対向電極間に導入したガスをプラズマ状態とし、対向電極間に静置或いは電極間を移送される基材をプラズマ状態のガスに晒すことによって、基材の上に薄膜を形成させるものである。又他の方式として、大気圧プラズマ放電処理装置は、上記同様の対向電極間で放電させ、対向電極間に導入したガスを励起し又はプラズマ状態とし、対向電極外にジェット状に励起又はプラズマ状態のガスを吹き出し、対向電極の近傍にある基材(静置していても移送されていてもよい)を晒すことによって基材の上に薄膜を形成させるジェット方式の装置がある。
図2は、本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置は、プラズマ放電処理装置、二つの電源を有する電界印加手段の他に、ガス供給手段9(図3を参照)、電極温度調節手段10(図3を参照)を有している装置である。
プラズマ放電処理装置2は、第1電極2aと第2電極2bから構成されている対向電極を有しており、対向電極間に、第1電極2aからは第1電源3aからの周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界が印加され、又第2電極2bからは第2電源3bからの周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界が印加されるようになっている。第1電源3aは第2電源3bより高い高周波電界強度(V1>V2)を印加し、又第1電源3aの第1の周波数ω1は第2電源3bの第2の周波数ω2より低い周波数を印加する。
第1電極2aと第1電源3aとの間には、第1フィルター4aが設置されており、第1電源3aから第1電極2aへの電流を通過しやすくし、第2電源3bからの電流をアースして、第2電源3bから第1電源3aへの電流が通過しにくくなるように設計されている。
又、第2電極2bと第2電源3bとの間には、第2フィルター4bが設置されており、第2電源3bから第2電極2bへの電流を通過しやすくし、第1電源3aからの電流をアースして、第1電源3aから第2電源3bへの電流を通過しにくくするように設計されている。
第1電極2aと第2電極2bとの対向電極間(放電空間)2cに、図3に図示してあるようなガス供給手段から薄膜形成ガスGを導入し、第1電源3aと第2電源3bにより第1電極2aと第2電極2b間に、高周波電界を印加して放電を発生させ、薄膜形成ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と基材Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、図示してない基材の元巻き(アンワインダー)から巻きほぐされて搬送して来るか、或いは前工程から搬送して来る基材Fの上に、処理位置5付近で薄膜を形成させる。薄膜形成中、図3に図示してあるような電極温度調節手段から媒体が配管を通って電極を加熱又は冷却する。プラズマ放電処理の際の基材の温度によっては、得られる薄膜の物性や組成等は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、基材の幅手方向或いは長手方向での温度ムラが出来るだけ生じないように電極の内部の温度を均等に調節することが望まれる。
又、図2に印加電界強度と放電開始電界強度の測定に使用する測定器と測定位置を示した。6a及び6bは高周波電圧プローブであり、6c及び6dはオシロスコープである。
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置を、基材Fの搬送方向と平行に複数台並べ、同時に同じプラズマ状態のガスを放電させることにより、同一位置に複数層の薄膜を形成可能となり、短時間で所望の膜厚を形成可能となる。又基材Fの搬送方向と平行に複数台並べ、各装置に異なる薄膜形成ガスを供給して異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、異なった層の積層薄膜を形成することも出来る。
図3は本発明に有用な対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置は、少なくとも、プラズマ放電処理装置7、二つの電源を有する電界印加手段8a、8b、ガス供給手段9、電極温度調節手段10を有している装置である。
ロール回転電極(第1電極)11aと角筒型固定電極群(第2電極)(以下角筒型固定電極群を固定電極群と記す)11bとの対向電極間11c(以下対向電極間を放電空間11cとも記す)で、基材Fをプラズマ放電処理して薄膜を形成するものである。
ロール回転電極11aと固定電極群11bとの間に形成された放電空間11cに、ロール回転電極11aには第1電源8b1から周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界を、又固定電極群11bには第2電源8a1から周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界を掛けるようになっている。
ロール回転電極11aと第1電源8b1との間には、第1フィルター8b2が設置されており、第1フィルター8b2は第1電源8b1からロール回転電極(第1電極)11aへの電流を通過しやすくし、第2電源8a1からの電流をアースして、第2電源8a1から第1電源8b1への電流を通過しにくくするように設計されている。又、固定電極群11bと第2電源8a1との間には、第2フィルター8a2が設置されており、第2フィルター8a2は、第2電源8a1から固定電極群(第2電極11b)への電流を通過しやすくし、第1電源8b1からの電流をアースして、第1電源8b1から第2電源8a1への電流を通過し難くするように設計されている。
尚、本発明においては、ロール回転電極11aを第2電極、又角筒型固定電極群11bを第1電極としてもよい。何れにしろ第1電極には第1電源が、又第2電極には第2電源が接続される。第1電源は第2電源より高い高周波電界強度(V1>V2)を印加することが好ましい。又、周波数はω1<ω2となる能力を有している。
又、電流はI1<I2となることが好ましい。第1の高周波電界の電流I1は、好ましくは0.3mA/cm2〜20mA/cm2、更に好ましくは1.0mA/cm2〜20mA/cm2である。又、第2の高周波電界の電流I2は、好ましくは10mA/cm2〜100mA/cm2、更に好ましくは20mA/cm2〜100mA/cm2である。
ガス供給手段9のガス発生装置9aで発生させた薄膜形成ガスGは、ガス流量調整手段(不図示)により流量を制御して給気口7bよりプラズマ放電処理容器7aの中に導入する。
基材Fを、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されて来るか、又は前工程から矢印方向に搬送されて来て、ガイドロール12aを経てニップロール12bで基材に同伴されて来る空気等を遮断し、ロール回転電極11aに接触したまま巻き回しながら角筒型固定電極群11bとの間に移送する。
移送中にロール回転電極11aと角筒型固定電極群11bとの両方から電界を掛け、対向電極間(放電空間)11cで放電プラズマを発生させる。基材Fはロール回転電極11aに接触したまま巻き回されながらプラズマ状態のガスにより薄膜を形成する。
尚、角筒型固定電極11b1の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されており、該電極の放電面積はロール回転電極11aに対向している全ての角筒型固定電極のロール回転電極11aと対向する面の面積の和で表される。
基材Fは、ニップロール12c、ガイドロール12dを経て、巻き取り機(不図示)で巻き取るか、次工程に移送する。放電処理済みの処理排ガスG′は排気口7cより排出する。
薄膜形成中、ロール回転電極11a及び角筒型固定電極群11bを加熱又は冷却するために、電極温度調節手段10で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管10aを経て両電極に送り、電極内側から温度を調節する。尚、7d及び7eはプラズマ放電処理容器7aと外界とを仕切る仕切板である。
図4は、図3に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
ロール回転電極11aは導電性の金属質母材11a1とその上に誘電体11a2が被覆されたものである。プラズマ放電処理中の電極表面温度を制御し、又、基材Fの表面温度を所定値に保つため、温度調節用の媒体(水もしくはシリコンオイル等)が循環出来る構造となっている。
図5は、図3に示した角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
角筒型電極11b1は、導電性の金属質母材11b12に対し、誘電体11b11の被覆を有しており、該電極の構造は金属質のパイプになっていて、それがジャケットとなり、放電中の温度調節が行えるようになっている。本図に示した角筒型電極11b1は、円筒型電極でもよいが、角筒型電極は円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明に好ましく用いられる。
図4及び5において、ロール回転電極11a及び角筒型電極11b1は、それぞれ導電性の金属質母材11a1及び11b12の上に誘電体11a2及び11b11としてのセラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したものである。セラミックス誘電体は片肉で1mm程度被覆あればよい。溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、特に好ましく用いられる。又、誘電体層が、ライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
導電性の金属質母材11a1及び11b12としては、チタン金属又はチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料又はアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることが出来るが、後述の理由からはチタン金属又はチタン合金が特に好ましい。
対向する第1電極及び第2の電極の電極間距離は、電極の一方に誘電体を設けた場合、該誘電体表面ともう一方の電極の導電性の金属質母材表面との最短距離のことを言う。双方の電極に誘電体を設けた場合、誘電体表面同士の距離の最短距離のことを言う。電極間距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電界強度の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、何れの場合も均一な放電を行う観点から0.1mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5mm〜2mmである。
本発明に有用な導電性の金属質母材及び誘電体についての詳細については後述する。
プラズマ放電処理容器7a(図3を参照)はパイレックス(登録商標)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウム又は、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を貼り付けてもよく、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。図2において、平行した両電極の両側面(基材面近くまで)を上記のような材質のもので覆うことが好ましい。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置に設置する第1電源(高周波電源)8b1(図3を参照)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。
又、第2電源(高周波電源)8a1(図3を参照)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M
等の市販のものを挙げることが出来、何れも好ましく使用出来る。
尚、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
本発明においては、この様な電界を印加して、均一で安定な放電状態を保つことが出来る電極を大気圧プラズマ放電処理装置に採用することが好ましい。
本発明において、対向する電極間に印加する電力は、第2電極(第2の高周波電界)に1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを薄膜形成ガスに与え、薄膜を形成する。第2電極に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm2、より好ましくは20W/cm2である。下限値は、好ましくは1.2W/cm2である。尚、放電面積(cm2)は、電極間において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
又、第1電極(第1の高周波電界)にも、1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給することにより、第2の高周波電界の均一性を維持したまま、出力密度を向上させることが出来る。これにより、更なる均一高密度プラズマを生成出来、更なる製膜速度の向上と膜質の向上が両立出来る。好ましくは5W/cm2以上である。第1電極に供給する電力の上限値は、好ましくは50W/cm2である。
ここで高周波電界の波形としては、特に限定されない。連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モード等があり、そのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側(第2の高周波電界)は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
この様な大気圧プラズマによる薄膜形成法に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。この様な電極としては、金属質母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、様々な金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、更に好ましくは5×10-6/℃以下、更に好ましくは2×10-6/℃以下である。尚、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、
1:金属質母材が純チタン又はチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜
2:金属質母材が純チタン又はチタン合金で、誘電体がガラスライニング
3:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜
4:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング
5:金属質母材がセラミックス及び鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜
6:金属質母材がセラミックス及び鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング
7:金属質母材がセラミックス及びアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜
8:金属質母材がセラミックス及びアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング等がある。線熱膨張係数の差と言う観点では、上記1項又は2項及び5〜8項が好ましく、特に1項が好ましい。
本発明において、金属質母材は、上記の特性からはチタン又はチタン合金が特に有用である。金属質母材をチタン又はチタン合金とすることにより、誘電体を上記とすることにより、使用中の電極の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることが出来る。
本発明に有用な電極の金属質母材は、チタンを70質量%以上含有するチタン合金又はチタン金属である。本発明において、チタン合金又はチタン金属中のチタンの含有量は、70質量%以上であれば、問題なく使用出来るが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金又はチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることが出来る。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることが出来、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等をごく僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることが出来、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。又、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることが出来、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金又はチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属質母材としてチタン合金又はチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることが出来る。
一方、誘電体の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、又、この様な誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、或いは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
又は、上述のような大電力に耐える仕様の一つとして、誘電体の空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。尚、誘電体の空隙率は、BET吸着法や水銀ポロシメーターにより測定することが出来る。後述の実施例においては、島津製作所製の水銀ポロシメーターにより金属質母材に被覆された誘電体の破片を用い、空隙率を測定する。誘電体が、低い空隙率を有することにより、高耐久性が達成される。この様な空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体としては、後述の大気プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げることが出来る。更に空隙率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
上記、大気プラズマ溶射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラズマ熱源中に投入し、溶融又は半溶融状態の微粒子として被覆対象の金属質母材に吹き付け、皮膜を形成させる技術である。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子に解離させ、更にエネルギーを与えて電子を放出させた高温のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射速度は大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べて、溶射材料が高速で金属質母材に衝突するため、密着強度が高く、高密度な被膜を得ることが出来る。詳しくは、特開2000−301655号に記載の高温被曝部材に熱遮蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することが出来る。この方法により、上記のような被覆する誘電体(セラミックス溶射膜)の空隙率にすることが出来る。
又、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5mm〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。
誘電体の空隙率をより低減させるためには、上記のようにセラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化珪素(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミックス溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射などがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、より一層無機質化が向上し、劣化のない緻密な電極が出来る。
本発明に係る誘電体被覆電極の金属アルコキシド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティングした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiOx(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPS(X線光電子分光法)により誘電体層の断層を分析することにより測定する。
本発明の薄膜形成方法に係る電極においては、電極の少なくとも基材と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。この様に誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことが出来、放電状態を安定化出来ること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、且つ、高精度で、耐久性を大きく向上させることが出来る。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも基材と接する側の誘電体において行われることが好ましい。更にJIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
本発明に使用する誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。又上限は500℃である。尚、耐熱温度とは、大気圧プラズマ処理で用いられる電圧において絶縁破壊が発生せず、正常に放電出来る状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。この様な耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、上記金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
次ぎに図1に示す本発明のガスバリア性樹脂基材に透明導電膜が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子用樹脂基材、更にこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。
本発明の透明導電膜付きガスバリア性樹脂基材は、図1に示す密着層、サブバリア層、保護層をこの順で有するバリア膜を基材の上に有するガスバリア性材料の上に透明導電膜を形成したものである。これらの透明導電膜を形成した基材はこれら透明導電膜を陽極或いは陰極として薄膜の表示素子、例えば有機EL素子等を構成することができる。
本発明のガスバリア性材料を用いて、保護層の上に、例えばITO等、有機EL素子において陽極を構成する透明導電性薄膜を形成し、透明導電膜付きガスバリア性材料とする。
透明導電膜の形成は、真空蒸着法やスパッタリング法等を用いることにより、又、インジウム、スズ等の金属アルコキシド等を用いたゾルゲル法等塗布法によっても製造出来、比抵抗値で10-4Ω・cmオーダーの優れた導電性を有するITO膜を得ることが出来るが、インジウム、スズ等の金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物を用いて、図2〜図5に示す大気圧プラズマ放電処理装置を使用した大気圧プラズマCVD法により形成されることは好ましく、例えば工業的には、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて比抵抗値で10-4Ω・cmオーダーの優れた導電性を有するITO膜を得ることが出来るが、これらの物理的製作法(PVD法)では気相中で目的物質を基板に堆積させて膜を成長させるものであり、真空容器を使用するため装置が大がかりで高価な上、原料の使用効率が悪くて生産性が低い。又大面積の成膜も困難であった。更に、低抵抗品を得るためには製膜時に200℃〜300℃に加熱する必要があり、樹脂フィルムへの低抵抗な透明導電膜の製膜は困難である。
透明導電膜の形成において使用するガスは、基材上に設けたい透明導電膜の種類によって異なるが、基本的には、前記同様に不活性ガスと、透明導電膜を形成するためにプラズマ状態となる反応性ガスの混合ガスである。ここで不活性ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン更には窒素ガス等前期と同様であるが、アルゴン又はヘリウムが特に好ましく用いられる。本発明で用いる反応性ガスは複数用いることが可能であるが、少なくとも1種類は、放電空間でプラズマ状態となり、透明導電膜を形成する成分を含有するものである。この様な反応性ガスとしては特に制限はないが、有機金属化合物が好ましく用いられる。有機金属化合物の種類は問わないが、分子内に酸素を有する有機金属化合物が好ましく、特にβジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物が好ましく用いられる。
より好ましくは一般式(1)及び(2)で表される有機金属化合物から選ばれる反応ガスである。
Figure 2007296691
一般式1及び2において、MはIn、Sn、Znを表し、R1、R2はそれぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルコキシル基を表し、Rは水素原子、置換基を表し、又、RはR1、R2と結合して環を形成してもよい。R3はそれぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基を表す。n1は整数を表し、n2は整数を表す。
一般式(1)及び(2)で表される有機金属化合物の中で好ましい例は、インジウムヘキサフルオロペンタンジオネート、インジウムメチル(トリメチル)アセチルアセテート、インジウムアセチルアセトナート、インジウムイソポロポキシド、インジウムトリフルオロペンタンジオネート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、ジンクアセチルアセトナート等を挙げることが出来る。
この中で特に好ましいのは、インジウムアセチルアセトナート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジンクアセチルアセトナート、ジ−n−ブチルジアセトキシスズである。これらの有機金属化合物は一般に市販されており、例えばインジウムアセチルアセトナートであれば東京化成工業(株)から容易に入手することが出来る。
導電膜の形成においてはこれら分子内に少なくとも1つ以上の酸素原子を含有する有機金属化合物の他に導電性を向上させるために行われるドーピング用のガスを用いることが出来る。ドーピングに用いられる反応性ガスとしては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、ニッケルアセチルアセトナート、マンガンアセチルアセトナート、ボロンイソプロポキシド、n−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブチルアンチモン、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、テトラブチルスズ、ジンクアセチルアセトナート、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタン、4フッ化メタン等を挙げることが出来る。
又、透明導電膜の構成元素を含む反応ガスの他に水を反応ガスとして用いることで、高い電導性と大きなエッチング速度を有する透明導電膜の製造が可能である。反応ガス中に混入する水の量は反応性ガスと不活性ガスの混合気体中0.0001から10%の範囲にあることが好ましい。より好ましくは0.001から1%の範囲にあることが好ましい。
反応ガスとしては透明導電膜を構成する元素を含む有機金属化合物及び水の他、酸素などの酸化性を有するガス、水素などの還元性を有するガスその他、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素などを適宜用いることも可能である。
透明導電膜主成分として用いられる反応性ガスとドーピングを目的に少量用いられる反応性ガスの量比は、成膜する透明導電膜の種類により異なる。例えば、酸化インジウムに錫をドーピングして得られるITO膜においては得られるITO膜のIn:Snの原子数比が100:0.1〜100:15の範囲になるように反応性ガス量を調整する。好ましくは、100:0.5〜100:10の範囲になるよう調整する。In:Snの原子数比はXPS測定により求めることが出来る。酸化錫にフッ素をドーピングして得られる透明導電膜(FTO膜と言う)においては、得られたFTO膜のSn:Fの原子数比が100:0.01〜100:50の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。Sn:Fの原子数比はXPS測定により求めることが出来る。In23−ZnO系アモルファス透明導電膜においては、In:Znの原子数比が100:50〜100:5の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。In:Znの原子数比はXPS測定で求めることが出来る。
更に、反応性ガスには透明導電膜主成分となる反応性ガスとドーピングを目的に少量用いられる反応性ガスがある。更に、本発明においては透明導電膜を構成する主たる金属元素、ドーピングとなる金属元素の他、珪素を導入する。珪素の導入方法には制限はないが、透明導電膜を形成する際、反応ガスとして透明導電膜の抵抗値を調整するために反応性ガスを追加することも可能である。透明導電膜の抵抗値を調整するために用いる反応性ガスとしては、有機金属化合物、特にβジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物が好ましく用いられる。具体的には以下のものを挙げることが出来る。珪素化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。この中でもテトラエトキシシランが安定性、蒸気圧の点で好ましい。
透明導電膜の膜厚としては、0.1nm〜1000nmの範囲の透明導電膜が好ましい。
透明導電膜の場合大気圧近傍の圧力下で形成された後、熱を加え、透明導電膜の特性を調整することも可能である。この熱処理によっても膜中の水素の量を変えることが出来る。熱処理の温度としては50℃〜300℃の範囲が好ましい。好ましくは100℃〜200℃の範囲である。加熱の雰囲気も特に制限はない。空気雰囲気、水素などの還元性ガスを含む還元雰囲気、酸素などの酸化性ガスを含有するような酸化雰囲気、或いは真空、不活性ガス雰囲気下のうちから適宜選択することが可能である。還元、酸化雰囲気をとる場合、還元性ガス、酸化性ガスを希ガスや窒素などの不活性ガスで希釈して用いることが好ましい。この様な場合、還元性ガス、酸化性ガスの濃度は0.01%〜5%が好ましく、より好ましくは0.1%〜3%である。
又、本発明の透明導電膜の形成方法によって得られる透明導電膜は、反応性ガスとして有機金属化合物を用いるため、微量の炭素を含有する場合がある。その場合の炭素含有量は、0at%〜5.0at%であることが好ましい。特に好ましくは0.01at%〜3at%の範囲内にあることが好ましい。
〔有機EL素子の封止〕
本発明の有機EL素子は、この様にして形成された透明導電膜付きガスバリア性材料の上に透明導電膜を陽極として、更に有機EL素子を構成する有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料膜、陰極となる金属層と積層し、この上に更にもう一つの封止材料、例えば前記ガスバリア性樹脂基材フィルム又は別のガスバリア性フィルムでも構わないが、封止材料を重ね樹脂フィルム基材と接着することで封止することが出来る。或いは他のガスバリア性の高い材料、例えば、ガラス製の封止缶を重ね樹脂フィルム基材と接着することで封止することが出来る。
本発明の有機EL素子に用いられるもう一つの封止材料(封止フィルム)としては、本発明のガスバリア性材料を用いることが出来るが、これら封止材料は必要なガスバリア性を有するものであれば、限定されない、例えば、ゾル−ゲル法によって形成されたシリカ、或いはアルミナ等の層を有する樹脂フィルム、又、これらの蒸着層を有する樹脂フィルム基材等が挙げられる。又、プラズマCVD等により形成されたものでもガスバリア性を有するものであればよい。
例えば、包装材等に使用される公知のガスバリア性フィルム、例えばプラスチックフィルム上に酸化珪素や、酸化アルミニウムを蒸着したもの、緻密なセラミック層と、柔軟性を有する衝撃緩和ポリマー層を交互に積層した構成のガスバリア性フィルム等を封止フィルムとして用いることが出来る。又特に、樹脂ラミネート(ポリマー膜)された金属箔は、光取り出し側のガスバリアフィルムとして用いることは出来ないが、低コストで更に透湿性の低い封止材料であり光取り出しを意図しない(透明性を要求されない)場合封止フィルムとして好ましい。
本発明において金属箔とはスパッタや蒸着等で形成された金属薄膜や、導電性ペースト等の流動性電極材料から形成された導電膜と異なり、圧延等で形成された金属の箔又はフィルムを指す。
金属箔としては、金属の種類に特に限定はなく、例えば銅(Cu)箔、アルミニウム(Al)箔、金(Au)箔、黄銅箔、ニッケル(Ni)箔、チタン(Ti)箔、銅合金箔、ステンレス箔、スズ(Sn)箔、高ニッケル合金箔等が挙げられる。これらの各種の金属箔の中で特に好ましい金属箔としてはAl箔が挙げられる。
金属箔の厚さは6μm〜50μmが好ましい。6μm未満の場合は、金属箔に用いる材料によっては使用時にピンホールが空き、必要とするバリア性(透湿度、酸素透過率)が得られなくなる場合がある。50μmを越えた場合は、金属箔に用いる材料によってはコストが高くなったり、有機EL素子が厚くなりフィルムのメリットが少なくなる場合がある。
樹脂フィルム(ポリマー膜)がラミネートされた金属箔において樹脂フィルムとしては、機能性包装材料の新展開(株式会社 東レリサーチセンター)に記載の各種材料を使用することが可能であり、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体系樹脂、セロハン系樹脂、ビニロン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂、ナイロン系樹脂等の樹脂は、延伸されていてもよく、更に塩化ビニリデン系樹脂をコートされていてもよい。又、ポリエチレン系樹脂は、低密度或いは高密度のものも用いることが出来る。
上記の高分子材料の中で、ナイロン(Ny)、塩化ビニリデン(PVDC)をコートしたナイロン(KNy)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、PVDCをコートしたポリプロピレン(KOP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PVDCをコートしたセロハン(KPT)、ポリエチレン−ビニルアルコール共重合体(エバール)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いることが好ましい。又、これら熱可塑性フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押し出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて貼り合わせ積層した多層フィルム等も当然使用出来る。更に必要とする包装材料の物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組み合わせて作ることも当然可能である。
ポリマー膜の厚さは一概には規定出来ないが3μm〜400μmが好ましく、10μm〜200μmがより好ましく、10μm〜50μmが更に好ましい。
金属箔の片面にポリマー膜をコーティング(ラミネート)する方法としては、一般に使用されているラミネート機を使用することが出来る。接着剤としてはポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系等の接着剤を用いることが出来る。必要に応じて硬化剤を併用してもよい。ドライラミネート方式、ホットメルトラミネーション法やエクストルージョンラミネート法も使用出来るがドライラミネート方式が好ましい。
金属箔の片面がポリマー膜でコーティングされたフィルムは、包装材用に市販されている。例えば、接着剤層/アルミフィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート(PET)38μmの構成のドライラミネートフィルム(接着剤層としては2液反応型のウレタン系接着剤、厚みは1.5μm)が入手出来、これを用いて有機EL素子の陰極側の封止を行うことが出来る。
又、封止用のフィルムとしては、金属箔の片面がポリマー膜でコーティングされたフィルムにおいて、ポリマー膜と反対側の金属箔上に、セラミック膜を形成し用いることが好ましい。セラミック膜としては本発明に係わる積層されたガスバリア層、又、前記のように蒸着や、プラズマCVD等によって形成してもよくその製造法は問わない。膜厚としては、1nm〜2000nmの範囲である。
本発明では、本発明に係わる前記積層されたガスバリア層を有する樹脂フィルム(ガスバリア性フィルム)上に透明導電膜を形成し作製した有機エレクトロルミネッセンス用樹脂基材上に、正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極等有機EL素子材料各層を形成した後、上記包装材等に使用される公知のガスバリア性フィルム、アルミナ蒸着フィルム等各種のガスバリア性フィルム、又樹脂ラミネート(ポリマー膜)された金属箔等の封止フィルムを用いて、不活性ガスによりパージされた環境下で、上記封止フィルムで陰極面を覆うようにして、有機エレクトロルミネッセンス素子を封止することが出来る。
不活性ガスとしては、N2の他、He、Ar等の希ガスが好ましく用いられるが、HeとArを混合した希ガスも好ましく、気体中に占める不活性ガスの割合は、90体積%〜100体積%であることが好ましい。又露点が−50℃以下であることが好ましい。不活性ガスによりパージされた環境下で封止することにより、保存性が改良される。
又、例えば、前記の樹脂フィルム(ポリマー膜)がラミネートされた金属箔を用いて、有機EL素子を封止するにあたっては、ラミネートされた樹脂フィルム面を有機EL素子の陰極面と対向させ封止することが出来る。
封止フィルムを有機EL素子の陰極に貼り合わせる封止方法としては、前記のように一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルム、例えばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等の熱融着性フィルムを積層して、インパルスシーラーで融着させ封止する方法がある。
接着方法としてはドライラミネート方式が作業性の面で優れている。この方法は一般には1.0μm〜2.5μm程度の硬化性の接着剤層を使用する。ただし接着剤の塗設量が多すぎる場合には、トンネル、浸み出し、縮緬皺等が発生することがあるため、好ましくは接着剤量を乾燥膜厚で3μm〜5μmになるように調節することが好ましい。
ホットメルトラミネーションとはホットメルト接着剤を溶融し基材に接着層を塗設する方法であるが、接着剤層の厚さは一般に1μm〜50μmと広い範囲で設定可能な方法である。一般に使用されるホットメルト接着剤のベースレジンとしては、EVA、EEA、ポリエチレン、ブチルラバー等が使用され、ロジン、キシレン樹脂、テルペン系樹脂、スチレン系樹脂等が粘着付与剤として、ワックス等が可塑剤として添加される。
エクストルージョンラミネート法とは高温で溶融した樹脂をダイスにより基材上に塗設する方法であり、樹脂層の厚さは一般に10μm〜50μmと広い範囲で設定可能である。エクストルージョンラミネートに使用される樹脂としては一般に、LDPE、EVA、PP等が使用される。
しかしながら、ラミネートされた樹脂フィルム面を有機EL素子の陰極面と対向させ封止するのではなく、前記の封止フィルムの金属箔上に酸化珪素膜等20nm〜1000nmの範囲の厚みを有するセラミック膜を形成した封止フィルムを用いて、このセラミック膜面を有機EL素子の陰極に対向させ貼り合わせることが好ましい。封止フィルムのポリマー膜面を有機EL素子の陰極に貼り合わせると、部分的に導通が発生したり、それに伴う電飾が発生し、これによってダークスポットが発生することがある。
図6に本発明のガスバリア性材料の上に有機EL素子各層が形成されたのち、更に酸化珪素膜付き樹脂ラミネートアルミ箔と前記ガスバリア性樹脂基材が接着されることで封止された有機EL素子の断面概略図を示す。
図6において、図1(b)に示されるガスバリア性材料1bの上に陽極(ITO)13、発光層を含む有機EL各層14、陰極(例えばアルミニウム)15がそれぞれ形成され有機EL素子を形成している。更に陰極上には別の封止フィルム16が重ねられ、基材フィルム周囲を接着することで有機EL材料層を含む有機EL素子は封止された構造となっている。封止フィルム16は、酸化珪素膜16aが金属(アルミ)箔16bの上に形成されており、又金属箔の反対側には、樹脂層16cがラミネートされており、酸化珪素膜16a側を陰極に接するように接着されている。尚、矢印は光の取り出し方向を示す。
ガスバリア性フィルム同士の封止は、フィルム膜厚が300μmを超えると封止作業時のフィルムの取り扱い性が悪化するのとインパルスシーラー等による熱融着が困難となるため膜厚としては300μm以下が望ましい。
本発明の有機EL素子の封止は又、本図に示すガスバリア性フィルム等の基材のほか、水蒸気透過率、ガス透過率の低いガラス等の無機材料を用いることが出来る。
図7に本発明のガスバリア性材料の上に有機EL素子各層が形成されたのち、ガラス製の封止缶を使用し有機EL素子を封止した有機EL素子の概略図を示す。図7(a)は、本発明のガスバリア性材料の上に有機EL素子各層が形成されたのち、ガラス製の封止缶を使用し有機EL素子を封止した有機EL素子の概略平面図である。図7(b)は、図7(a)のA−A′に沿った概略断面図である。
本図は、透明電極を設けた、図1(b)に示すガスバリア性材料1bの上に正孔注入/輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層等からなる有機EL層17を、そして陰極18を形成し有機EL素子を作製し、更にこれをガラス製封止缶19と紫外線硬化型接着剤20を用い紫外線ランプを照射、接着し作製した封止素子を示す。尚、21は捕水剤の酸化バリウムである。
ガラス製封止缶による封止は、例えば、これらの有機EL層、陰極を形成した後、大気に接触させることなく、例えば、窒素雰囲気下(例えば、純度99.999%以上の高純度窒素ガスで置換したグローブボックスを用いる)において、内部を窒素置換した後、封止構造とする。尚、捕水剤である酸化バリウムとしては、例えば、アルドリッチ社製の高純度酸化バリウム粉末を、粘着剤付きのフッ素樹脂系半透過膜(ミクロテックス S−NTF8031Q 日東電工製)等を用いて貼り付けることで作製出来る。その他、ジャパンコアテックス(株)、双葉電子(株)などで市販されている補水剤も好ましく使用出来る。
又、封止構造を形成するにあたっては、前記ガラス製の封止缶を用いた封止構造に限らず、封止空間に吸水性の物質を配置したり、又、構造中に吸水層等の水蒸気を吸収する層を設けてもよい。
〔有機EL素子〕
次いで、本発明に係わる有機EL素子の構成層について詳細に説明する。本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(1)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(2)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(3)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(5)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(陽極)
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。この様な電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。又、IDIXO(In23−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング、又前述の(大気圧)プラズマCVD法等の方法により、薄膜を形成させる。フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、或いは形成時にマスクを介してパターンを形成してもよい。陽極より発光を取り出す場合、透過率は10%より大きくする。又陽極のシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は、通常10nm〜1000nm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
(陰極)
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この様な電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することが出来る。又、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極の何れか一方が、透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
又、陰極に上記金属を1nm〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の陰極を作製することが出来、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(活性線硬化樹脂層付き基材の準備)
キモト社製PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムG01S(厚さ125μm)の上に下記組成の活性線硬化樹脂層用塗布液を調製、硬化後の膜厚が6μmとなるようにマイクログラビアコーターを用いて塗布し溶剤を蒸発乾燥後、高圧水銀灯を用いて0.2J/cm2の紫外線照射により硬化させアクリル系硬化層からなる活性線硬化樹脂層を積層し活性線硬化樹脂層付き基材とした。
(活性線硬化樹脂層用塗布液)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20質量部
ジメトキシベンゾフェノン光反応開始剤 4質量部
メチルエチルケトン 75質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部
活性線硬化樹脂層(ポリマー層)の表面の中心線平均粗さ(Ra)は5nm以下で、平滑であった。中心線平均粗さ(Ra)は、JIS B 0601に則り、光学干渉式表面粗さ計RST/PLUS(WYKO社製)を使用して、1.2mm×0.9mmの面積に対して求めた。
(ガスバリア性材料の作製)
〔試料No.101の作製〕
準備した活性線硬化樹脂層付き基材の上に、バリア膜として、以下に示す条件で、基材側から、密着層、サブバリア層(サブバリア層a(20nm)、サブバリア層b(30nm))、保護層(400nm)を以下に記した条件で順次薄膜形成を行いガスバリア性材料を作製し、試料No.101とした。尚、密着層、サブバリア層、保護層は何れも、図3に示す大気圧プラズマ放電処理装置を使用して積層した。尚、サブバリア層の残留応力は圧縮応力で1.0MPaであった。残留応力はNEC三栄社製薄膜物性評価装置MH4000により測定した。密着層の炭素含有量は、7at%、サブバリア層a,bのそれぞれの炭素含有量は検出限界の0.1at%以下、保護層の炭素含有量は、18at%であった。炭素含有量は、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200R(XPS表面分析装置)を用いて測定した。各層のSiOxCy組成は次のようになった。密着層はSiO1.90.2、サブバリア層aはSiO2、サブバリア層bはSiO2、保護層はSiO1.90.7であった。
密着層の弾性率は12GPa、保護層の弾性率は15GPaであった、又サブバリア層aとサブバリア層bを含めた全サブバリア層の弾性率は50Gpaであった。弾性率はナノインデンテーション測定法を用いて測定した。
(密着層の作製)
〈密着層用の混合ガス組成物〉
放電ガス:窒素ガス 94.85体積% 薄膜形成ガス:ヘキサメチルジシロキサン 0.20体積% 添加ガス:酸素ガス 5.0体積% <密着層の製膜条件>
第1電極側 電源種類 ハイデン研究所 100kHz(連続モード) PHF−6k 周波数 100kHz
出力密度 12W/cm2(この時の電圧Vpは8kVであった)
電極温度 120℃
第2電極側 電源種類 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M 周波数 13.56MHz
出力密度 5W/cm2(この時の電圧Vpは1kVであった)
電極温度 90℃
(サブバリア層aの作製)
<サブバリア層a用の混合ガス組成>
放電ガス:窒素ガス 79.2体積% 薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 15.8体積% 添加ガス:酸素ガス 5.0体積% 〈サブバリア層aの成膜条件〉
第1電極側 電源種類 ハイデン研究所 100kHz(連続モード) PHF−6k 周波数 100kHz
出力密度 10W/cm2(この時の電圧Vpは7kVであった)
電極温度 120℃
第2電極側 電源種類 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M 周波数 13.56MHz
出力密度 10W/cm2(この時の電圧Vpは2kVであった)
電極温度 90℃
(サブバリア層bの作製)
<サブバリア層b用の混合ガス組成>
放電ガス:窒素ガス 94.5体積% 薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.5体積% 添加ガス:酸素ガス 5.0体積% <サブバリア層bの製膜条件>
第1電極側 電源種類 ハイデン研究所 100kHz(連続モード) PHF−6k 周波数 100kHz
出力密度 13W/cm2(この時の電圧Vpは8.5kVであった)
電極温度 120℃
第2電極側 電源種類 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M 周波数 13.56MHz
出力密度 10W/cm2(この時の電圧Vpは2kVであった)
電極温度 90℃
(保護層の作製)
<保護層用の混合ガス組成>
放電ガス:窒素ガス 91.4体積% 薄膜形成ガス:ヘキサメチルジシロキサン 3.6体積% 添加ガス:酸素ガス 5.0体積% 〈保護層の成膜条件〉
第1電極側 電源種類 ハイデン研究所 100kHz(連続モード) PHF−6k 周波数 100kHz
出力密度 12W/cm2(この時の電圧Vpは8kVであった)
電極温度 120℃
第2電極側 電源種類 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M 周波数 13.56MHz
出力密度 5W/cm2(この時の電圧Vpは1kVであった)
電極温度 90℃
〔試料No.102の作製〕
試料No.101と同じ活性線硬化樹脂層付き基材を使用し、サブバリア層の構成を、基材側から、サブバリア層a(20nm)/サブバリア層b(30nm)/サブバリア層a(20nm)/サブバリア層b(30nm)の2ユニットを積層した以外は、試料No.1と全て同じ条件でガスバリア性材料を作製し、試料No.102とした。尚、全サブバリア層の残留応力は圧縮応力で0.8MPaであった。残留応力はNEC三栄社製薄膜物性評価装置MH4000により測定した。
〔試料No.103の作製〕
試料No.101の作製に使用した活性線硬化樹脂層付き基材の裏面側に同じ活性線硬化樹脂層を積層した基材を使用し、該基材の両側に、試料No.102と同じ構成のバリア膜(基材側から密着層、2ユニットのサブバリア層、保護層)を積層し、試料No.103とした。尚、基材両面それぞれの2ユニットのサブバリア膜の残留応力は圧縮応力で1.0MPaであった。残留応力はNEC三栄社製薄膜物性評価装置MH4000により測定した。
〔試料No.104の作製〕
試料No.101と同じ活性線硬化樹脂層付き基材を使用し、サブバリア層の構成を、基材側から、サブバリア層a(20nm)/サブバリア層b(30nm)/サブバリア層a(20nm)/サブバリア層b(30nm)/サブバリア層a(20nm)/サブバリア層b(30nm)の3ユニットを積層した以外は全て同じ条件でガスバリア性材料を作製し、試料No.104とした。尚、全サブバリア層の残留応力は圧縮応力で0.9MPaであった。残留応力はNEC三栄社製薄膜物性評価装置MH4000により測定した。
〔比較試料No.105の作製〕
試料No.101と同じ活性線硬化樹脂層付き基材を使用し、サブバリア層の構成を、サブバリア層b(膜厚50nm)を1層積層した以外は全て同じ条件でガスバリア性材料を作製し、比較試料No.105とした。尚、サブバリア層の残留応力は圧縮応力で3.0MPaであった。残留応力はNEC三栄社製薄膜物性評価装置MH4000により測定した。
〔比較試料No.106の作製〕
試料No.102において、サブバリア層aの代わりに、以下に示すサブバリア層c(膜厚1μm)とした以外は全て、試料No.102と同じ条件でガスバリア性材料を作製し、比較試料No.106とした。尚、全サブバリア層の残留応力は圧縮応力で2.3MPaであった。残留応力はNEC三栄社製薄膜物性評価装置MH4000により測定した。
(サブバリア層cの積層)
ソアノールD2908(日本合成化学工業(株)製、エチレン−ビニルアルコール共重合体)8gを1−プロパノール118.8g及び水73.2gの混合溶媒に80℃で溶解した。この溶液の10.72gに2M(2N)塩酸を2.4ml加えて混合した。この溶液を攪拌しながらテトラエトキシシラン1gを滴下して30分間攪拌を続けた。次いで、得られた塗布液の塗布直前にpH調整剤としてジメチルベンジルアミンを添加し、この溶液をワイヤバーで塗布した。その後、マイクロ波を全面に照射した後、120℃で乾燥することにより、サブバリア層cを積層した。
〔比較試料No.107の作製〕
試料No.102において、サブバリア層aの代わりに以下にサブバリア層d(膜厚10nm)とした以外は、試料No.102と全て同じ条件でガスバリア性材料を作製し、比較試料No.107とした。尚、全サブバリア層の残留応力は圧縮応力で6.2MPaであった。残留応力はNEC三栄社製薄膜物性評価装置MH4000により測定した。
(サブバリア層dの積層)
スパッタリング(詳細は特開2003−211579の実施例1を参照)により、酸素分圧を0.009Pa、系全体の圧力を0.13Paの条件で、酸化クロム層(膜厚10nm)のサブバリア層dを積層した。
〔比較試料No.108の作製〕
試料No.102において、サブバリア層aの代わりに以下に示すサブバリア層eとした以外は、試料No.102と全て同じ条件でガスバリア性材料を作製し、比較試料No.108とした。サブバリア層eからは、珪素、酸素、以外に炭素が3%検出された。尚、全サブバリア層の残留応力は圧縮応力で1.8MPaであった。残留応力はNEC三栄社製薄膜物性評価装置MH4000により測定した。
(サブバリア層eの作製)
<サブバリア層e用の混合ガス組成>
放電ガス:窒素ガス 79.2体積% 薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 15.8体積% 添加ガス:酸素ガス 5.0体積% <サブバリア層eの製膜条件>
第1電極側 電源種類 ハイデン研究所 100kHz(連続モード) PHF−6k 周波数 100kHz
出力密度 7.5W/cm2(この時の電圧Vpは6kVであった)
電極温度 120℃
第2電極側 電源種類 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M 周波数 13.56MHz
出力密度 10W/cm2(この時の電圧Vpは2kVであった)
電極温度 90℃
尚、サブバリア層eの組成はSiO1.90.2であった。
評価
作製した各試料No.101〜108に付き、ガスバリア性、膜の密着性、硬度を以下に示す方法で試験し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表1に示す。
ガスバリア性の評価
ガスバリア性として水蒸気透過率を次の方法で試験した。作製した各試料を、100mmφの円柱に膜面側を20回巻きつけ(円柱に膜面側を20回巻きつけ)て、広げたのち、特開2005−283561号公報に記載のカルシウム腐食法によるフィルムの水蒸気透過度測定装置を使用し、同公報に記載のカルシウム腐食法の評価方法を用いて、水蒸気透過率を測定した。
水蒸気透過率の評価ランク
○:水蒸気透過率性能の劣化なし
△:やや劣化
×:大きく劣化
膜の密着性の評価
作製した各試料について、作製直後の初期密着性、又作製後試料を60℃、90%RH、500時間保管した後の密着性を、JIS−K5400に準じた碁盤目剥離試験を行い評価した。
膜の密着性の評価ランク
○:剥離なし
△:ごくわずか剥離あり
×:剥離あり
硬度の評価
ダイプラウインテス製サイカスNN−04型の硬度測定器で測定しサイカス硬度とした。測定条件としては、サンプリングステップは0.2sec/pointで、ダイヤモンド製1mm幅の刃を使用し、剪断角度は45°、押圧荷重を2μN、バランス加重1μNとし、垂直速度1nm/sec、水平速度100nm/secにて切削を行い、水平、垂直力を記録し硬さとした。
Figure 2007296691
表中、a*はサブバリア層a、b*はサブバリア層b、c*はサブバリア層c、d*はサブバリア層d、e*はサブバリア層eを示す。本発明の有効性が確認された。
本発明のガスバリア性材料の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。 本発明に有用な対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。 図3に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。 図3に示した角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。 本発明のガスバリア性材料の上に有機EL素子各層が形成されたのち、更に酸化珪素膜付き樹脂ラミネートアルミ箔と前記ガスバリア性樹脂基材が接着されることで封止された有機EL素子の断面概略図を示す。 本発明のガスバリア性材料の上に有機EL素子各層が形成されたのち、ガラス製の封止缶を使用し有機EL素子を封止した有機EL素子の概略図を示す。
符号の説明
1a、1b ガスバリア性材料
100 バリア膜
101 基材
102 サブバリア層(sub-barrier layers)
102a 第1サブバリア層
102b 第2サブバリア層
103 密着層
104 保護層
2、7 プラズマ放電処理装置
2a 第1電極
2b 第2電極
2c、11c 対向電極間(放電空間)
8a、8b 電界印加手段
9 ガス供給手段
11a ロール回転電極
11b 角筒型固定電極群
13 陽極
14 有機EL各層
15、18 陰極
16 封止フィルム
17 有機EL層
19 ガラス製封止缶
22 ディスプレイ
23 有機EL素子
24 スイッチングトランジスタ
25 駆動トランジスタ
26 コンデンサ

Claims (23)

  1. 基材の上に、少なくともバリア膜を有するガスバリア性材料において、前記バリア膜が、実質的に同じ組成の酸化金属膜、窒化金属膜または酸窒化金属膜であって、且つ、硬さの異なるサブバリア層を、隣接して少なくとも2層有することを特徴とするガスバリア性材料。
  2. 前記実質的に同じ組成の酸化金属膜、窒化金属膜または酸窒化金属膜であって、且つ、硬さの異なる隣接したサブバリア層を1ユニットとした時、バリア膜が、少なくとも2ユニットのサブバリア層を有することを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性材料。
  3. 前記2ユニットのそれぞれが、隣接して存在していることを特徴とする請求項2に記載のガスバリア性材料。
  4. 前記2ユニットのそれぞれが、前記基材を挟んで両側に存在していることを特徴とする請求項2に記載のガスバリア性材料。
  5. 前記サブバリア層のうち少なくとも一層が実質的に金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物からなることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
  6. 前記サブバリア層が大気圧プラズマCVDにより形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
  7. 前記サブバリア層のうち、少なくとも1層の残留応力が圧縮応力で0.01MPa〜20MPaであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
  8. 前記バリア膜は、サブバリア層と基材との間に、密着層を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
  9. 前記密着層の炭素含有量が1at%〜30at%の金属化合物である金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物からなることを特徴とする請求項8に記載のガスバリア性材料。
  10. 前記密着層が大気圧プラズマCVDにより形成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載のガスバリア性材料。
  11. 前記密着層は弾性率が5GPa〜20GPaであることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
  12. 前記バリア膜は、サブバリア層の上に、保護層を有することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
  13. 前記保護層が炭素含有量が1at%〜30at%の金属化合物である金属酸化物、金属窒化物又はその複合化合物からなることを特徴とする請求項12に記載のガスバリア性材料。
  14. 前記保護層が大気圧プラズマCVDにより形成されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のガスバリア性材料。
  15. 前記保護層は弾性率が5GPa〜20GPaであることを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
  16. 基材上に、少なくともバリア膜を有するガスバリア性材料において、前記バリア膜が、
    前記基材側から、密着層と、実質的に同じ組成の酸化金属膜、窒化金属膜または酸窒化金属膜で且つ硬さが異なり隣接する2層以上のサブバリア層と、保護層とを有することを特徴とするガスバリア性材料。
  17. 前記2層以上のサブバリア層が、実質的に酸化珪素からなることを特徴とする請求項16に記載のガスバリア性材料。
  18. 前記密着層が、酸化珪素を主成分とし、炭素も含有することを特徴とする請求項16又は17に記載のガスバリア性材料。
  19. 前記保護層が、酸化珪素を主成分とし、炭素も含有することを特徴とする請求項16〜18の何れか1項に記載のガスバリア性材料。
  20. 基材上に、少なくともバリア膜を有するガスバリア性材料であって、前記バリア膜の膜厚方向で実質的に同じ組成の酸化金属、窒化金属または酸窒化金属の範囲において、サイカス硬度測定をした時、少なくとも1つのピークが現れることを特徴とするガスバリア性材料。
  21. 請求項1〜20の何れか1項に記載のガスバリア性材料が、バリア膜の上に透明導電性薄膜を有していることを特徴とする透明導電膜付ガスバリア性材料。
  22. 請求項21に記載の透明導電膜付ガスバリア性材料の上に有機エレクトロルミネッセンス材料及び陰極となる金属膜をコーティングし、更に封止部材により封止したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  23. 基材上に、少なくともバリア膜を有するガスバリア性材料の製造方法において、前記バリア膜が、実質的に同じ組成の酸化金属膜、窒化金属膜または酸窒化金属膜であって、且つ、硬さの異なるサブバリア層を、隣接して少なくとも2層有し、前記サブバリア層を、大気圧プラズマCVDにより形成することを特徴とするガスバリア性材料の製造方法。
JP2006125271A 2006-04-28 2006-04-28 ガスバリア性材料、ガスバリア性材料の製造方法、透明導電膜付ガスバリア性材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子 Pending JP2007296691A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006125271A JP2007296691A (ja) 2006-04-28 2006-04-28 ガスバリア性材料、ガスバリア性材料の製造方法、透明導電膜付ガスバリア性材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006125271A JP2007296691A (ja) 2006-04-28 2006-04-28 ガスバリア性材料、ガスバリア性材料の製造方法、透明導電膜付ガスバリア性材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007296691A true JP2007296691A (ja) 2007-11-15

Family

ID=38766599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006125271A Pending JP2007296691A (ja) 2006-04-28 2006-04-28 ガスバリア性材料、ガスバリア性材料の製造方法、透明導電膜付ガスバリア性材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007296691A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008056967A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Konica Minolta Holdings Inc ガスバリア性樹脂基材および有機エレクトロルミネッセンスデバイス
JP2009123618A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Toppan Printing Co Ltd 有機el表示装置及びその製造方法
JP2010080289A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Dainippon Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンスパネル、及びその製造方法
JP2012056101A (ja) * 2010-09-06 2012-03-22 Konica Minolta Holdings Inc ガスバリアフィルムおよびそれを用いた電子機器デバイス
JP2015512561A (ja) * 2012-03-23 2015-04-27 アルケマ フランス ハロゲン化ポリマーをベースにした多層構造物の光電池モジュールの保護シートとしての使用
WO2015111130A1 (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 パイオニアOledライティングデバイス株式会社 発光装置
JPWO2013153923A1 (ja) * 2012-04-12 2015-12-17 Jfeスチール株式会社 太陽光反射板
CN105431893A (zh) * 2013-09-30 2016-03-23 株式会社Lg化学 用于有机电子器件的基板及其制造方法
JP2017053020A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 株式会社島津製作所 透明耐傷性膜及びその製造方法
WO2017043057A1 (ja) * 2015-09-08 2017-03-16 シャープ株式会社 有機el表示装置
WO2017170547A1 (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 リンテック株式会社 ガスバリア性積層体、電子デバイス用部材及び電子デバイス
US11157717B2 (en) * 2018-07-10 2021-10-26 Next Biometrics Group Asa Thermally conductive and protective coating for electronic device
CN116031351A (zh) * 2022-03-25 2023-04-28 日东电工株式会社 光半导体元件密封用片和显示体

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0560904A (ja) * 1991-08-30 1993-03-12 Konica Corp 光学部品およびその製造方法
JPH11111466A (ja) * 1997-10-06 1999-04-23 Tdk Corp 有機el素子の電極
JP2001326069A (ja) * 2000-05-15 2001-11-22 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
JP2005071837A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Konica Minolta Holdings Inc 透明導電膜積層体の製造方法及び透明導電膜積層体並びにそれを用いた物品
JP2005076023A (ja) * 2003-09-04 2005-03-24 Hitachi Chem Co Ltd 低弾性接着剤並びにこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱板、接着剤付き金属箔
JP2005342976A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Toppan Printing Co Ltd バリア性積層体及びそれを用いたディスプレイ用部材並びにディスプレイ
JP2006068992A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Konica Minolta Holdings Inc ガスバリア性フィルム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0560904A (ja) * 1991-08-30 1993-03-12 Konica Corp 光学部品およびその製造方法
JPH11111466A (ja) * 1997-10-06 1999-04-23 Tdk Corp 有機el素子の電極
JP2001326069A (ja) * 2000-05-15 2001-11-22 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
JP2005071837A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Konica Minolta Holdings Inc 透明導電膜積層体の製造方法及び透明導電膜積層体並びにそれを用いた物品
JP2005076023A (ja) * 2003-09-04 2005-03-24 Hitachi Chem Co Ltd 低弾性接着剤並びにこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱板、接着剤付き金属箔
JP2005342976A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Toppan Printing Co Ltd バリア性積層体及びそれを用いたディスプレイ用部材並びにディスプレイ
JP2006068992A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Konica Minolta Holdings Inc ガスバリア性フィルム

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008056967A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Konica Minolta Holdings Inc ガスバリア性樹脂基材および有機エレクトロルミネッセンスデバイス
JP2009123618A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Toppan Printing Co Ltd 有機el表示装置及びその製造方法
JP2010080289A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Dainippon Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンスパネル、及びその製造方法
JP2012056101A (ja) * 2010-09-06 2012-03-22 Konica Minolta Holdings Inc ガスバリアフィルムおよびそれを用いた電子機器デバイス
JP2015512561A (ja) * 2012-03-23 2015-04-27 アルケマ フランス ハロゲン化ポリマーをベースにした多層構造物の光電池モジュールの保護シートとしての使用
JPWO2013153923A1 (ja) * 2012-04-12 2015-12-17 Jfeスチール株式会社 太陽光反射板
US9741951B2 (en) 2013-09-30 2017-08-22 Lg Chem, Ltd. Substrate for organic electronic device and method for manufacturing same
KR101816967B1 (ko) * 2013-09-30 2018-01-09 주식회사 엘지화학 유기전자소자용 기판 및 이의 제조방법
JP2016528071A (ja) * 2013-09-30 2016-09-15 エルジー・ケム・リミテッド 有機電子素子用基板およびこの製造方法
EP3016088A4 (en) * 2013-09-30 2017-03-08 LG Chem, Ltd. Substrate for organic electronic device and method for manufacturing same
CN105431893A (zh) * 2013-09-30 2016-03-23 株式会社Lg化学 用于有机电子器件的基板及其制造方法
WO2015111130A1 (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 パイオニアOledライティングデバイス株式会社 発光装置
WO2017043057A1 (ja) * 2015-09-08 2017-03-16 シャープ株式会社 有機el表示装置
JP2017053020A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 株式会社島津製作所 透明耐傷性膜及びその製造方法
KR20180129839A (ko) * 2016-03-29 2018-12-05 린텍 가부시키가이샤 가스 배리어성 적층체, 전자 디바이스용 부재 및 전자 디바이스
WO2017170547A1 (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 リンテック株式会社 ガスバリア性積層体、電子デバイス用部材及び電子デバイス
JPWO2017170547A1 (ja) * 2016-03-29 2019-02-07 リンテック株式会社 ガスバリア性積層体、電子デバイス用部材及び電子デバイス
EP3437855A4 (en) * 2016-03-29 2019-11-20 LINTEC Corporation GASPERRFILMLAMINATKÖRPER, ELEMENT FOR AN ELECTRONIC DEVICE AND ELECTRONIC DEVICE
TWI715750B (zh) * 2016-03-29 2021-01-11 日商琳得科股份有限公司 阻氣性積層體、電子裝置用零件及電子裝置
KR102330884B1 (ko) * 2016-03-29 2021-11-25 린텍 가부시키가이샤 가스 배리어성 적층체, 전자 디바이스용 부재 및 전자 디바이스
JP7018872B2 (ja) 2016-03-29 2022-02-14 リンテック株式会社 ガスバリア性積層体、電子デバイス用部材及び電子デバイス
US11157717B2 (en) * 2018-07-10 2021-10-26 Next Biometrics Group Asa Thermally conductive and protective coating for electronic device
CN116031351A (zh) * 2022-03-25 2023-04-28 日东电工株式会社 光半导体元件密封用片和显示体
CN116031351B (zh) * 2022-03-25 2024-03-08 日东电工株式会社 光半导体元件密封用片和显示体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007296691A (ja) ガスバリア性材料、ガスバリア性材料の製造方法、透明導電膜付ガスバリア性材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5267714B2 (ja) 透明ガスバリア性フィルムの製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5626308B2 (ja) ガスバリア積層体の製造方法及びガスバリア積層体
US8846187B2 (en) Transparent gas barrier film and method for producing transparent gas barrier film
EP2123445A1 (en) Transparent gas barrier film and method for producing the same
EP2692521B1 (en) Vapor-deposited film having barrier performance
US20100009147A1 (en) Transparent gas barrier film
JPWO2007026545A1 (ja) プラズマ放電処理装置及びガスバリア性フィルムの製造方法
JPWO2006033268A1 (ja) 透明導電膜
WO2006067952A1 (ja) ガスバリア性薄膜積層体、ガスバリア性樹脂基材、有機elデバイス
JP2007038445A (ja) ガスバリア性薄膜積層体、ガスバリア性樹脂基材及び有機エレクトロルミネッセンスデバイス
JP2007113043A (ja) ガスバリア性薄膜積層体、ガスバリア性樹脂基材とそれを用いた有機エレクトロルミネッセンスデバイス
JP2006068992A (ja) ガスバリア性フィルム
JPWO2006075490A1 (ja) 透明ガスバリアフィルム
JP2005320583A (ja) ガスバリア性透明プラスチックフィルムとその製造方法および該ガスバリア性透明プラスチックフィルムを用いた有機el素子
JP2011036778A (ja) バリアフィルムの製造方法
JP2008132643A (ja) 液晶セル用基板、液晶表示装置
JP5719106B2 (ja) 透明ガスバリア性フィルム及び透明ガスバリア性フィルムの製造方法
US20140255288A1 (en) Gas barrier laminate and production method of the same
JP2006264094A (ja) ガスバリア性フィルム
JP4821324B2 (ja) 透明でガスバリア性の高い基材及びその製造方法
WO2018123510A1 (ja) 電子デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110920