JP2005071837A - 透明導電膜積層体の製造方法及び透明導電膜積層体並びにそれを用いた物品 - Google Patents

透明導電膜積層体の製造方法及び透明導電膜積層体並びにそれを用いた物品 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い透明性、導電率、耐傷性基材への密着性をもつ高性能な透明導電膜を高い生産性で、かつ環境負荷を低くしつつ生産することができる透明導電膜積層体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 大気圧もしくはその近傍の圧力下、放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、透明導電膜を形成する薄膜形成ガスが、窒素ガスを含有する放電ガスを含むこと。好ましくは、高周波電界が第1の高周波電界および第2の高周波電界を重畳したものであること。
【選択図】 図6

Description

本発明は、透明導電膜積層体の製造方法及び透明導電膜積層体並びにそれを用いた物品の関し、特に詳しくは、透明性、導電性に優れるとともに、耐傷性にすぐれ、かつ透明導電膜の基材に対する密着性及び耐久性にも優れた透明導電膜積層体製造方法及び透明導電膜積層体並びにそれを用いた物品に関する。
近年、液晶表示素子に代表されるディスプレイ素子は、より薄葉化、より軽量化、より大型化、任意の形状化、曲面表示対応等の高度な要求がある。特に、ポケットベルや携帯電話や電子手帳及びペン入力機器等の身につけて携帯するいわゆる個人情報端末機器の利用の拡大につれて、従来のガラス基板に替わってプラスチックを基板とする液晶表示パネルが検討され、一部で実用化されはじめた。こうしたプラスチック基板は、ガラス基板に比較して軽量化・薄葉化の要望を満たしてくれる。また、プラスチック基板の中でも、シート形状のリジットな基板でなくフレキシビリティに優れるフィルム状の基板は本用途に好適に用いられる。
上記において透明基板に透明無機薄膜を積層して導電性を付与してなる透明導電膜積層体においては、導電性には優れるものの、特に基材が透明プラスチックシート(ハードコート層が形成されている場合もある)である場合には、基材に対する透明導電膜の密着性に問題があり、更に基材と反射防止層との可撓性が異なることから、透明導電膜が基材の可撓性に追従することができず、透明導電膜に微細クラックが発生して透明導電膜が部分的に剥落し、液晶ディスプレイなどに用いられている場合、断線が起こり、液晶ディスプレイの商品価値を著しく落とすことになる。
このような問題を解決する方法として、特開平9−174747号、同10−111500号、特開2000−338303号そして特開2001−125079号の各公報などにプライマー層を設ける方法が開示されている。しかし、溶剤を用いてプライマー層を形成する場合、該溶剤を除去する必要が生じ、生産性が低下するばかりでなく、環境への影響も大きい。またプラズマCVD法を用いる場合でも真空プロセスを必要とし、よって生産性の向上は大きくは見こめない。更に、溶剤は完全に除去されず、次工程、例えば透明導電膜形成法として広く用いられているスパッタリングプロセスに導入する場合、低圧力下での製膜となるため、製膜室に導入する際の真空引きに多大な時間を要し、生産性はやはり低下する。また、完全に除去しきれない溶剤はその後に設けられた透明導電膜の特性を経時で劣化させる。また、プライマー層を形成した後、透明導電膜を形成する場合、いったんロールに巻き取る操作が加わることになるが、その際におきるブロッキングなどを防止するために更に配慮が必要となる。
更に、液晶素子などの表示素子として透明導電膜積層体を用いる場合、その製造プロセスそして使用条件を考慮すると、空気や水蒸気等がプラスチックフィルムを透過して液晶層内部に入り込んで表示欠陥を発生する現象を防止するためにガスバリヤ性を有する層(ガスバリヤ層)をフィルム上に積層する必要がある。
一方、透明導電膜は液晶表示素子、有機EL素子、太陽電池、タッチパネル、電磁波シールド材、赤外線反射膜等に広く使用されている。透明導電膜としてはPt、Au、Ag、Cu等の金属薄膜、SnO2、In23、CdO、ZnO2、SnO2:Sb、SnO2:F、ZnO:AL、In23:Snなどの酸化物及びドーパントによる複合酸化物膜、カルコゲナイド、LaB6、TiN、TiC等の非酸化物がある。中でも錫をドープした酸化インジウム膜(以下、ITOという)が、優れた電気特性とエッチングによる加工の容易さからもっとも広く使用されている。これらは真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空プラズマCVD法、スプレーパイロリシス法、熱CVD法、ゾルゲル法等により形成されている。
近年、液晶表示素子、有機EL素子等のフラットパネルディスプレイにおいては大面積化、高精細化が進んでおり、より高性能な透明導電膜が求められている。液晶素子においては電界応答性の高い素子あるいは装置を得るうえから、電子移動度の高い透明導電膜の利用が求められている。また、有機EL素子においては電流駆動方式をとるために、より低抵抗な透明導電膜が求められている。
透明導電膜積層体の形成方法の中で真空蒸着法やスパッタリング法は、低抵抗な透明導電膜を得ることができる。工業的にはDCマグネトロンスパッタリング装置を用いることにより比抵抗値で10-4Ω・cmオーダーの優れた導電性を有するITO膜を得ることが出来る。
しかしながら、これらの物理的製作法(PVD法)では気相中で目的物質を基板に堆積させて膜を成長させるものであり、真空容器を使用する。そのため装置が大がかりで高価なうえ原料の使用効率が悪くて生産性が低い。また大面積の成膜も困難であった。さらに、低抵抗品を得るためには製膜時に200〜300℃に加熱する必要があり、プラスチックフィルムへの低抵抗な透明導電膜の製膜は困難である。
ゾルゲル法(塗布法)は分散調液、塗布、乾燥といった多くのプロセスが必要なだけでなく、被処理基材との接着性が低いためにバインダー樹脂が必要となり透明性が悪くなる。また、得られた透明導電膜の電気特性もPVD法に比較すると劣る。
熱CVD法は、スピンコート法やディップコート法、印刷法などにより基材に目的物質の前駆物質を塗布し、これを焼成(熱分解)することで膜を形成するものであり、装置が簡単で生産性に優れ、大面積の成膜が容易であるという利点があるが、通常焼成時に400℃から500℃の高温処理を必要とするため基材が限られてしまうという問題点を有していた。特に、プラスチックフィルム基板への成膜は困難である。
上記、ゾルゲル法(塗布法)による高機能な薄膜が得にくいデメリット、および、真空装置を用いることによる低生産性のデメリットを克服する方法として、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する方法(以下、大気圧プラズマCVD法という)が提案され、大気圧プラズマCVD法により透明導電膜を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、赤外線及び電磁波防止機能を有し、ハードコート層/透明導電膜/反射防止層とを高い密着性を有する、耐擦傷性、表面硬度に優れたPDP又はFED用反射防止フィルム及びその製造方法として透明導電膜の例が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2000−303175号公報 特開2001−74906号公報
上記特許文献1に記載の技術では、得られる透明導電膜の抵抗は比抵抗値で〜10-2Ω・cmと高く、比抵抗値1×10-3Ω・cm以下の優れた電気特性が要求される液晶素子、有機EL素子、PDP、電子ペーパー等のフラットパネルディスプレイ用透明導電膜としては不十分である。更に、CVD原料にトリエチルインジウムを用いており、この化合物は常温、大気中で発火、爆発の危険性があるなど、安全性にも問題がある。
一方、上記特許文献2に記載の透明導電膜ではより低抵抗な透明導電膜という要求に到底応えることはできない。
したがって、本発明の目的は、高い透明性、導電率、耐傷性基材への密着性をもつ高性能な透明導電膜を高い生産性で、かつ環境負荷を低くしつつ生産することができる透明導電膜積層体の製造方法及びその製造方法により製造された透明導電膜積層体ならびにそれを用いた物品を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(請求項1)
大気圧もしくはその近傍の圧力下、放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、プライマー層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを前記放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該プライマー層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該透明基材を晒すことにより該透明基材上にプライマー層を形成し、次いで、透明導電膜を形成する薄膜形成ガスとして窒素ガスを含有する放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層を形成した透明基材を晒すことにより該プライマー層上に透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項2)
大気圧もしくはその近傍の圧力下、放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、プライマー層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを前記放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該プライマー層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに前記透明基材を晒すことにより該透明基材上にプライマー層を形成し、更に、ガスバリヤ層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該ガスバリヤ層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層を形成した透明基材を晒すことにより該プライマー層上にガスバリヤ層を形成し、次いで、透明導電膜を形成する薄膜形成ガスとして窒素ガスを含有する放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層及びガスバリヤ層を形成した透明基材を晒すことにより該ガスバリヤ層上に透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項3)
大気圧もしくはその近傍の圧力下、放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、前記高周波電界が第1の高周波電界および第2の高周波電界を重畳したものであり、該第1の高周波電界の周波数ω1より該第2の高周波電界の周波数ω2が高く、該第1の高周波電界の強さV1、該第2の高周波電界の強さV2および放電開始電界の強さIVとの関係が、V1≧IV>V2またはV1>IV≧V2を満たし、該第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上であることを特徴とする透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項4)
大気圧もしくはその近傍の圧力下、プライマー層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該プライマー層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上にプライマー層を形成し、次いで、大気圧もしくはその近傍の圧力下、透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層を形成した透明基材を晒すことにより該プライマー層上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、前記透明導電膜を形成する薄膜形成ガスが、窒素ガスを含有する放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスであり、且つ、前記高周波電界が第1の高周波電界および第2の高周波電界を重畳したものであり、該第1の高周波電界の周波数ω1より該第2の高周波電界の周波数ω2が高く、該第1の高周波電界の強さV1、該第2の高周波電界の強さV2および放電開始電界の強さIVとの関係が、V1≧IV>V2またはV1>IV≧V2を満たし、該第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上であることを特徴とする透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項5)
大気圧もしくはその近傍の圧力下、プライマー層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該プライマー層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上にプライマー層を形成し、更に、大気圧もしくはその近傍の圧力下、ガスバリヤ層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該ガスバリヤ層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層を形成した透明基材を晒すことにより該プライマー層上にガスバリヤ層を形成し、次いで、大気圧もしくはその近傍の圧力下、透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層及びガスバリヤ層を形成した透明基材を晒すことにより該ガスバリヤ層上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、前記透明導電膜を形成する薄膜形成ガスが窒素ガスを含有する放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスであり、且つ、前記高周波電界が第1の高周波電界および第2の高周波電界を重畳したものであり、該第1の高周波電界の周波数ω1より該第2の高周波電界の周波数ω2が高く、該第1の高周波電界の強さV1、該第2の高周波電界の強さV2および放電開始電界の強さIVとの関係が、V1≧IV>V2またはV1>IV≧V2を満たし、該第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上であることを特徴とする透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項6)
前記ガスバリヤ層が、マグネシウム、ケイ素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、ニオブ、錫から選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機化合物であることを特徴とする請求項2又は5記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項7)
前記プライマー層が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1若しくは2又は請求項4乃至6のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
一般式(1) MOx(R)y
(式中、Mはケイ素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、ニオブ、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、xは1.50〜1.99、yは0.02〜1.00を表す。)
(請求項8)
前記一般式(1)のMがケイ素であることを特徴とする請求項7記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項9)
前記透明導電膜を形成するために放電空間に導入される有機金属化合物が下記一般式(2)又は一般式(3)で表されることを特徴とする請求項1若しくは2又は請求項4乃至8のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
Figure 2005071837
(式中、Mはインジウム、錫及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種であり、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜10の少なくとも1つ以上のフッ素を含むフルオロアルキル基を表し、nは1〜2の整数を表す。)
(請求項10)
前記プライマー層を形成する薄膜形成ガスとしての放電ガスが、窒素ガスを含むことを特徴とする請求項1若しくは2又は請求項4乃至9のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項11)
前記ガスバリヤ層を形成する薄膜形成ガスとしての放電ガスが、窒素ガスを含むことを特徴とする請求項2又は請求項4乃至10のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項12)
前記放電空間が、対向する第1電極と第2電極とで構成されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項13)
前記第2の高周波電界の出力密度が、50W/cm2以下であることを特徴とする請求項3乃至12のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項14)
前記第2の高周波電界の出力密度が、20W/cm2以下であることを特徴とする請求項13記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項15)
前記第1の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上であることを特徴とする請求項3乃至14のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項16)
前記第1の高周波電界の出力密度が、50W/cm2以下であることを特徴とする請求項15記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項17)
前記第1の高周波電界および前記第2の高周波電界がサイン波であることを特徴とする請求項3乃至16のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項18)
前記第1の高周波電界を前記第1電極に印加し、前記第2の高周波電界を前記第2電極に印加することを特徴とする請求項3乃至17のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項19)
前記放電空間に供給される全ガス量の90〜99.9体積%が放電ガスであることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項20)
前記放電ガスが、50〜100体積%の窒素ガスを含有することを特徴とする請求項19記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項21)
前記第1電極又は第2電極が誘電体で被覆されていることを特徴とする請求項3乃至20のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項22)
前記誘電体の比誘電率が25℃において6〜45の無機物であることを特徴とする請求項21記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項23)
前記第1電極又は第2電極の表面粗さの最大高さ(Rmax)(JIS B 0601で規定)が10μm以下であることを特徴とする請求項21又は22記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項24)
前記透明導電膜が酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、Fドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、Sbドープ酸化錫、ITO、In23−ZnOから選ばれる少なくとも1種を主成分とするアモルファス透明導電膜であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項25)
前記透明導電膜がITOであって、該ITOがIn/Sn原子数比で100/0.1〜100/15の範囲であることを特徴とする請求項24記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項26)
前記透明導電膜の炭素含有量が0〜5.0原子数濃度の範囲であることを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項27)
前記透明基材が透明樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項28)
前記透明樹脂フィルムがタッチパネル用フィルム基材、液晶素子プラスチック基板、有機EL素子プラスチック基板、PDP用電磁遮蔽フィルム、電子ペーパー用フィルム基板から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項27記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項29)
前記透明樹脂フィルムがロール状フィルムであることを特徴とする請求項27又は28記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項30)
前記ロール状フィルム上にガスバリヤ層がない場合はプライマー層を形成した後、ガスバリヤ層を有する場合はガスバリヤ層を形成した後、巻き取ることなく透明導電性層を形成することを特徴とする請求項29記載の透明導電膜積層体の製造方法。
(請求項31)
請求項1乃至30のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法によって製造された透明導電膜積層体。
(請求項32)
前記透明導電膜積層体がパターニングされた電極であることを特徴とする請求項31記載の透明導電膜積層体。
(請求項33)
請求項31又は32記載の透明導電膜積層体を用いた物品。
本発明により、高い透明性、導電率、基材への密着性をもつ高性能な透明導電膜を高い生産性で、かつ環境負荷を低くしつつ生産する製造方法及びその製造方法により製造された透明導電膜積層体とそれを用いた物品を提供することができた。
本発明の実施の形態について説明する。本発明に係る透明導電膜積層体の製造方法及び該製造方法により作製された透明導電膜積層体は高い透明性、導電率、耐傷性、基材との密着性を有すばかりでなく、プライマー層に溶剤を含まないため、経時での特性、特に導電率変化が少なく、ガスバリヤ層を設ける場合にも真空プロセスが必要ないため、高い生産性を保持できるという優れた特性をもつ。
本発明に係る透明導電膜積層体の製造方法は、大気圧もしくはその近傍の圧力下、放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法に関するものであるが、透明導電膜を形成する薄膜形成ガスが、窒素ガスを含有する放電ガスを含むことが特徴の一つ目であり、又、高周波電界が第1の高周波電界および第2の高周波電界を重畳したものであることが特徴の二つ目である。
本発明において、大気圧プラズマ放電処理は、大気圧もしくはその近傍の圧力下で行われるが、大気圧もしくはその近傍の圧力とは20kPa〜110kPa程度であり、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
本発明の透明導電膜積層体の製造方法において、対向電極間(放電空間)に供給するガスは、少なくとも、電界により励起する放電ガスと、そのエネルギーを受け取ってプラズマ状態あるいは励起状態になり透明導電膜を形成する透明導電膜形成ガスを含んでいる。
本発明者らが今まで示して来た技術、例えば、WO02/48428(PCT/JP01/10666)等に開示されている大気圧プラズマ放電処理方法による透明導電膜形成方法の具体的な実施例では、ヘリウムあるいはアルゴンのような希ガスを放電ガスとして使用し、100kHzを超え、150MHz程度までの、好ましくは数100kHz〜100MHz程度の高周波電界をかけた透明導電膜形成が行なわれていた。このような高周波電界をかけることにより、緻密で均一な薄膜が得られ、しかも透明導電膜形成の生産性が優れているというメリットがあった。この場合の高周波電圧(電極間電圧)は、ヘリウムガスやアルゴンガスの放電を開始するには充分な電圧であった。
しかしながら、上記の透明導電膜形成方法では、ヘリウムやアルゴン等の希ガスの放電ガスでは、透明導電膜を形成する際の生産コストが放電ガスのコストに依存するところが多く、また環境的な見地からも代替の放電ガスの使用を本発明者らは検討していた。その代替の放電ガスとして、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、水素等を検討した結果、これらのガスでも放電する条件を求め、且つ透明導電膜形成性に優れ、形成した薄膜が緻密且つ均一となる条件及び方法を検討した結果、本発明に至ったものである。
本発明における放電条件は、対向する第1電極と第2電極との放電空間に、高周波電圧を印加し、該高周波電圧が、第1の周波数ω1の電圧成分と、前記第1の周波数ω1より高い第2の周波数ω2の電圧成分とを重ね合わせた成分を少なくとも有する。
本発明において、高周波とは、少なくとも0.5kHzの周波数を有するものを言う。
前記高周波電圧が、第1の周波数ω1の電圧成分と、前記第1の周波数ω1より高い第2の周波数ω2の電圧成分とを重ね合わせた成分となり、その波形は周波数ω1のサイン波上に、それより高い周波数ω2のサイン波が重畳されたω1のサイン波がギザギザしたような波形となる。また第1の周波数ω1の波形はパルス波であってもよく、パルス波の上に第2の周波数ω2のサイン波が重畳された波形であってもよい。
本発明において、放電開始電圧とは、実際の透明導電膜積層体の製造方法に使用される放電空間(電極の構成など)および反応条件(ガス条件など)において放電を起こすことの出来る最低電圧のことを指す。放電開始電圧は、放電空間に供給されるガス種や電極の誘電体種などによって多少変動するが、放電ガス単独の放電開始電圧と略同一と考えてよい。
上記で述べたような高周波電圧を対向電極間(放電空間)に印加することによって、透明導電膜形成可能な放電を起こし、高品位な透明導電膜形成に必要な高密度プラズマを発生することが出来ると推定される。ここで重要なのは、このような高周波電圧が対向する電極それぞれに印加され、すなわち、同じ放電空間に両方から印加されることである。特開平11−16696号公報に記載のように、印加電極を2つ併置し、離間した異なる放電空間それぞれに、異なる周波数の高周波電圧を印加する方法では、本発明の透明導電膜積層体の製造方法は達成出来ない。
上記で波形の重畳について説明したが、これに限られるものではなく、両方パルス波であっても、一方がサイン波でもう一方がパルス波であってもかまわない。
上記本発明の高周波電圧を、対向電極間(同一放電空間)に印加する具体的な方法としては、対向電極を構成する第1電極に周波数ω1であって電圧V1である第1の高周波電圧を印加する第1電源を接続し、第2電極に周波数ω2であって電圧V2である第2の高周波電圧を印加する第2電源を接続した大気圧プラズマ放電処理装置である。
上記の大気圧プラズマ放電処理装置には、前記対向電極間に、放電ガスと透明導電膜形成ガスとを供給するガス供給手段を備える。更に、電極の温度を制御する電極温度制御手段を有することが好ましい。
また、第1電極、第1電源またはそれらの間の何れかには第1フィルターを、また第2電極、第2電源またはそれらの間の何れかには第2フィルターを接続することが好ましく、第1フィルターは該第1電源からの周波数の電流を通過しにくくし、該第2電源からの周波数の電流を通過し易くし、また、第2フィルターはその逆で、該第2電源からの周波数の電流を通過しにくくし、該第1電源からの周波数の電流を通過し易くするというそれぞれのフィルターには機能が備わっているものを使用する。ここで、通過しにくいとは、好ましくは、電流の20%以下、より好ましくは10%以下しか通さないことをいう。逆に通過し易いとは、好ましくは電流の80%以上、より好ましくは90%以上を通すことをいう。
更に、本発明の大気圧プラズマ放電処理装置の第1電源は、第2電源より大きな高周波電圧を印加出来る能力を有していることが好ましい。
また、本発明における別の放電条件としては、対向する第1電極と第2電極との間に、高周波電圧を印加し、該高周波電圧が、第1の高周波電圧V1及び第2の高周波電圧V2を重畳したものであって、放電開始電圧をIVとしたとき、V1≧IV>V2、またはV1>IV≧V2を満たす。更に好ましくは、V1>IV>V2を満たすことである。
ここで、本発明でいう高周波電圧(印加電圧)と放電開始電圧は、下記の方法で測定されたものをいう。
高周波電圧V1及びV2(単位:kV/mm)の測定方法:
各電極部の高周波プローブ(P6015A)を設置し、該高周波プローブをオシロスコープ(Tektronix社製、TDS3012B)に接続し、電圧を測定する。
放電開始電圧IV(単位:kV/mm)の測定方法:
電極間に放電ガスを供給し、放電が始まる電圧を放電開始電圧IVと定義する。測定器は上記高周波電圧測定と同じである。
なお、上記測定に使用する高周波プローブとオシロスコープの位置関係については後述の図1に示してある。
このような放電条件をとることにより、例え窒素ガスのような放電開始電圧が高くなる放電ガスであっても、放電が開始され、高密度で安定なプラズマ状態を維持することが出来、高性能な透明導電膜形成が行うことが出来るのである。
上記の測定により放電ガスを窒素ガスとした場合、その放電開始電圧IVは3.7kV/mm程度であり、従って、上記の関係において、第1の高周波電圧を、V1≧3.7kV/mmとして印加することによって窒素ガスを励起し、プラズマ状態にすることが出来る。
ここで、第1電源の周波数としては、200kHz以下が好ましく用いることが出来る。またこの電界波形としては、サイン波でもパルスでもよい。下限は1kHz程度が望ましい。
一方、第2電源の周波数としては、800kHz以上が好ましく用いられる。この第2電源の周波数が高い程、プラズマ密度が高くなり、緻密で良質な透明導電膜が得られる。上限は200MHz程度が望ましい。
このような二つの電源から高周波電圧を印加することは、第1の周波数ω1側によって高い放電開始電圧を有する放電ガスの放電を開始するのに必要であり、また第2の周波数ω2側はプラズマ密度を高くして緻密で良質な透明導電膜を形成するのに必要であるということが本発明の重要な点である。
本発明において、前記第1フィルターは、前記第1電源からの周波数の電流を通過しにくくし、且つ前記第2電源からの周波数の電流を通過し易くするようになっており、また前記第2フィルターは、該第2電源からの周波数の電流を通過しにくく、且つ該第1電源からの周波数の電流を通過し易くするようになっている。本発明において、かかる性質のあるフィルターであれば制限無く使用出来る。
例えば、第1フィルターとしては、第2電源の周波数に応じて数10〜数万pFのコンデンサー、もしくは数μH程度のコイルを用いることが出来る。第2フィルターとしては、第1電源の周波数に応じて10μH以上のコイルを用い、これらのコイルまたはコンデンサーを介してアース接地することでフィルターとして使用出来る。
本発明に係る透明導電膜積層体の製造方法は、上述のように、対向電極間(放電空間)にガスを導入して二つの電極に高周波電圧を印加して放電させ、放電ガスを励起してプラズマ状態とし、プラズマ状態の放電ガスからエネルギーを受けて励起してプラズマ状態となった薄膜形成ガスに透明基材を晒すことによって、透明基材上に薄膜が形成されるという方法である。このようなガスの対向電極間(放電空間)への導入の仕方、透明基材にどこで薄膜を形成させるか等、大まかに言って下記の四つの方法がある。しかし、本発明においてはこれらに限定されない。
1)放電ガスと薄膜形成ガスを構成成分とする混合ガスを放電空間に導入し、高周波電圧を印加して放電を発生させて薄膜形成ガスをプラズマ状態として、該放電空間において該プラズマ状態の薄膜形成ガスに透明基材を晒す方法
2)放電ガスと薄膜形成ガスを構成成分とする混合ガスを放電空間に導入し、高周波電圧を印加して放電を発生させて薄膜形成ガスをプラズマ状態として、該放電空間からプラズマ状態となった薄膜形成ガスを透明基材のある放電空間外(処理空間)にジェット状に吹き出させ、該処理空間において該プラズマ状態の薄膜形成ガスに透明基材を晒す方法
3)放電ガスと薄膜形成ガスを別々に放電空間に導入し、高周波電圧を印加して放電を発生させて薄膜形成ガスをプラズマ状態として、該放電空間においてプラズマ状態の薄膜形成ガスに透明基材を晒す方法
4)放電空間に放電ガスを導入し、高周波電圧を印加して放電を発生させて放電ガスを励起してプラズマ状態として、処理空間にジェット状に吹き出させ、また薄膜形成ガスは別に処理空間に導入して、該放電空間からプラズマ状態の放電ガスを、別に処理空間に導入した薄膜形成ガスと該プラズマ状態の放電ガスを接触させて発生したプラズマ状態の薄膜形成ガスに透明基材を晒す方法。
大気圧プラズマ放電処理方法及びそれらの装置について以下図により説明する。
図1は、本発明に有用な大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置は、少なくとも、プラズマ放電処理装置30、二つの電源を有する電圧印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60を有している装置である。
図1は、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との対向電極間(放電空間)32にガス供給手段50から放電ガスと透明導電膜形成ガスを混合した混合ガスMG導入し、透明基材Fをプラズマ放電処理して透明導電膜を形成する装置である。
ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との間の放電空間(対向電極間)32に、ロール回転電極(第1電極)35には第1電源41から周波数ω1であって高周波電圧V1を、また角筒型固定電極群(第2電極)36には第2電源42から周波数ω2であって高周波電圧V2をかけるようになっている。
ロール回転電極(第1電極)35と第1電源41との間には、第1電源41からの電流がロール回転電極(第1電極)35に向かって流れるように第1フィルター43が設置されており、該第1フィルターは第1電源41からの電流を通過しにくくし、第2電源42からの電流を通過し易くするように設計されている。また、角筒型固定電極群(第2電極)36と第2電源42との間には、第2電源からの電流が第2電極に向かって流れるように第2フィルター44が設置されており、第2フィルター44は、第2電源42からの電流を通過しにくくし、第1電源41からの電流を通過し易くするように設計されている。
なお、本発明においては、ロール回転電極35を第2電極、また角筒型固定電極群36を第1電極としてもよい(どちらに第1電源と第2電源を接続しても構わない)。何れにしろ第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。更に、第1電源は第2電源より大きな高周波電圧(V1>V2)を印加出来る能力を有していればよい。また、周波数はω1<ω2となる能力を有していればよい。以下の図において、電極、電源及びフィルターについて上記のような高周波電圧V1、V2、ω1、ω2の関係、またフィルターの性質等については省略する。
ガス供給手段50のガス供給装置51で発生させた混合ガスMGは、流量を制御して給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に導入する。放電空間32及びプラズマ放電処理容器31内をガスGで満たす。
透明基材Fを、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されて来るか、または前工程から搬送されて来て、ガイドロール64を経てニップロール65で透明基材に同伴されて来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回しながら角筒型固定電極群36との間に移送し、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との両方から電圧をかけ、対向電極間(放電空間)32で放電プラズマを発生させる。透明基材Fはロール回転電極35に接触したまま巻き回されながらプラズマ状態のガスにより薄膜を形成する。透明基材Fは、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取るか、次工程に移送する。放電処理済みの処理排ガスG′は排気口53より排出する。
また、図1に前述の高周波電圧(印加電圧)と放電開始電圧の測定に使用する測定器を示した。25及び26は高周波プローブであり、27及び28はオシロスコープである。
透明導電膜形成中、ロール回転電極(第1電極)35及び角筒型固定電極群(第2電極)36を加熱または冷却するために、電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管61を経て両電極に送り、電極内側から温度を調節する。透明導電膜形成中、電極温度調節手段60から配管61を経て電極を加熱または冷却する。プラズマ放電処理の際の透明基材の温度によっては、得られる透明導電膜の物性や組成は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での透明基材の温度ムラが出来るだけ生じないように電極の内部の温度を均等に調節することが望まれる。
なお、65及び66はプラズマ放電処理容器31と外界とを仕切る仕切板である。
図2は、図1に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
図2において、ロール電極35aは導電性の金属質母材35Aとその上に誘電体35Bが被覆されたものである。内部は中空のジャケットになっていて温度調節が行われるようになっている。
図3は、角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
図3において、角筒型電極36aは、導電性の金属質母材36Aに対し、図2同様の誘電体36Bの被覆を有しており、該電極の構造は金属質のパイプになっていて、それがジャケットとなり、放電中の温度調節が行えるようになっている。
なお、角筒型固定電極の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されていおり、該電極の放電面積はロール回転電極35に対向している全角筒型固定電極面の面積の和で表される。
図3に示した角筒型電極36aは、円筒型電極でもよいが、角筒型電極は円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明に好ましく用いられる。
図2及び図3において、ロール電極35a及び角筒型電極36aは、それぞれ導電性の金属質母材35A及び36Aの上に誘電体35B及び36Bとしてのセラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したものである。セラミックス誘電体は片肉で1mm程度被覆があればよい。溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、特に好ましく用いられる。また、誘電体層が、ガラスライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
導電性の金属質母材35A及び36Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることが出来るが、後述の理由からはチタン金属またはチタン合金が特に好ましい。
2個の電極間の距離(電極間隙)は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、電極の一方に誘電体を設けた場合の誘電体表面と導電性の金属質母材表面の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設けた場合の誘電体表面同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5〜2mmである。
本発明に有用な導電性の金属質母材及び誘電体についての詳細については後述する。
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(R)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。以下の各図において示されている両電極の両側面(透明基材面近くまで)を上記のような材質の物で覆うことが好ましい。
次に、本発明に用いる高周波電源、電極、条件について説明する。
本発明に係る大気圧プラズマ放電処理装置に設置する第1電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数
A1 神鋼電機 3kHz
A2 神鋼電機 5kHz
A3 春日電機 15kHz
A4 神鋼電機 50kHz
A5 ハイデン研究所 100kHz*
A6 パール工業 200kHz
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。なお、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。
また、第2電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数
B1 パール工業 800kHz
B2 パール工業 2MHz
B3 パール工業 13.56MHz
B4 パール工業 27MHz
B5 パール工業 150MHz
等の市販のものを挙げることが出来、何れも好ましく使用出来る。
本発明においては、このような電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことが出来る電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
本発明において、対向する電極間に印加する電力は、第2電極に1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを透明導電膜形成ガスに与え薄膜を形成させる。供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm2以下、より好ましくは20W/cm2以下である。下限値は、好ましくは1.2W/cm2以上である。なお、放電面積(cm2)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
このような大気圧プラズマによる薄膜形成法に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。このような電極としては、金属質母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。好ましくは、25℃における比誘電率が6〜45の無機物であり、例えば、BeO、BiO、Cr23、FeO、MgO、PbO、ZrO2、Ta25、Al23等が挙げられるが、より好ましくは、ZrO2、Al23である。
本発明の薄膜形成方法に係る電極においては、電極の少なくとも透明基材と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。このように誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことが出来、放電状態を安定化出来ること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、且つ、高精度で、耐久性を大きく向上させることが出来る。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも透明基材と接する側の誘電体において行われることが好ましい。更にJIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
本発明に使用する誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。また上限は500℃である。なお、耐熱温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電出来る状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、下記金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
次に、本発明の透明導電膜を形成するガスについて説明する。使用するガスは、基本的に放電ガス及び薄膜形成ガスを構成成分とするガスである。放電ガスと透明導電膜形成ガスを混合して放電空間または処理空間に供給してもよいし、前述のように別の態様として、別々に供給してもかまわない。別々に供給する場合の放電ガスG2と透明導電膜形成ガスG1との処理空間における比率G2:G1は100:1〜5:1が好ましい。この時の薄膜形成ガスG1には不活性ガス(放電ガスと同様なガス)を99.1体積%、また薄膜形成ガスを0.9体積%程度の比率で混合されていることが好ましい。
本発明に係わる説明において放電ガスとは、薄膜形成可能なグロー放電を起こすことが出来るガスであり、それ自身がエネルギーを授受する媒体として働くガスであり、具体的には窒素ガスに酸素ガスを混合したものである。本発明においてその酸素濃度は、後記透明導電膜形成ガスと混合後で、反応容器内の放電空間外で2〜9体積%である。これは、例えば容器内に酸素濃度センサーを設置して制御するのがよいが、いずれにしろ大気中より低めの値である。
次に、放電空間に供給するガスについて説明する。
供給するガスは、少なくとも放電ガスおよび薄膜形成ガスを含有する。放電ガスと薄膜形成ガスは混合して供給してもよいし、別々に供給してもかまわない。放電ガスとは、薄膜形成可能なグロー放電を起こすことの出来るガスである。放電ガスとしては、窒素、希ガス、空気、水素ガス、酸素などがあり、これらを単独で放電ガスとして用いても、混合して用いてもかまわない。本発明において、放電ガスとして好ましいのは希ガス、窒素である。放電ガスの50〜100体積%が窒素ガスであることが好ましい。このとき、放電ガスとして窒素以外の放電ガスとしては、希ガスを50体積%未満含有することが好ましい。また、放電ガスの量は、放電空間に供給する全ガス量に対し、90〜99.9体積%含有することが好ましい。
薄膜形成ガスとは、それ自身が励起して活性となり、透明基材上に化学的に堆積して薄膜を形成する原料のことである。次に、本発明に使用する薄膜を形成するために放電空間に供給するガスについて説明する。基本的に放電ガスと薄膜形成ガスであるが、更に、添加ガスを加えることもある。放電空間に供給する全ガス量中、放電ガスを90〜99.9体積%含有することが好ましい。本発明に使用する薄膜形成ガスとしては、有機金属化合物、ハロゲン金属化合物、金属水素化合物等を挙げることが出来る。プライマー層、ガスバリヤ層、透明導電膜形成に有用な反応ガスについては後述する。
上記方法により、ガスバリヤ層、透明導電膜及び透明基材と接着性のよいプライマー層を得ることが可能である。プライマー層を形成するために用いる反応ガスとしては、具体的には以下のものをあげることができる。ケイ素化有機金属化合物、特に特にβジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物が好ましく用いられる。合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。チタン化合物としてはチタンテトラi−プロポキシド、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシドなどのチタンアルコキシドが挙げられる。その他の金属についても、金属アルコキシド、アルキル金属が好ましく用いられる。
酸素含有率、炭素含有率などの膜組成は、XPS表面分析装置を用いてその値を測定する。XPS表面分析装置としては、特に限定なく、いかなる機種も使用することができるが、本実施例においてはVGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いた。X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定した。エネルギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で規定したとき、1.5〜1.7eVとなるように設定する。測定をおこなう前に、汚染による影響を除くために、薄膜の膜厚の10〜20%の厚さに相当する表面層をエッチング除去する必要がある。表面層の除去には、希ガスイオンが利用できるイオン銃を用いることが好ましく、イオン種としては、He、Ne、Ar、Xe、Krなどが利用できる。本測定においては、Arイオンエッチングを用いて表面層を除去する。
先ず、結合エネルギー0eVから1100eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定し、いかなる元素が検出されるかを求める。
次に、検出されるエッチングイオン種を除く全ての元素について、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンを行い、各元素のスペクトルを測定する。得られたスペクトルは、測定装置、あるいは、コンピューターの違いによる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするために、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM (Ver.2.3以降が好ましい)上に転送した後、同ソフトで処理を行い、炭素含有率の値を原子数濃度(atomic concentration:at%)として求める。錫とインジウムの比も、上記結果から得られた原子数濃度の比とする。
定量処理を行う前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションを行い、5ポイントのスムージング処理を行う。定量処理では、バックグラウンドを除去したピークエリア強度(cps×eV)を用いる。バックグラウンド処理には、Shirleyによる方法を用いる。Shirley法については、D.A.Shirley,Phys.Rev.,B5,4709(1972)を参考にすることができる。
本発明におけるガスバリヤ層としてはマグネシウム、ケイ素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、ニオブ、錫のうち少なくとも1種類の元素を含む無機化合物であることが好ましい。この中でもガスバリヤ性、透明性、表面平滑性、屈曲性、膜応力、コストの点からケイ素の酸化物を主成分とするバリヤ膜が好ましい。より好ましくは、ケイ素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5から2.0のケイ素酸化物を主成分とする金属酸化物が好ましい。特に本発明では大気圧または大気圧近傍の圧力下において、少なくとも1種類以上の放電ガスと、少なくとも1種類以上の有機金属化合物及び少なくとも1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを放電空間に導入してプラズマ状態とし、透明基材をプラズマ状態の混合ガスに晒すことによって、透明基材上に形成することによりバリヤ性の優れた膜を形成する事が可能である。ガスバリヤ層を形成する方法は、プライマー層を形成する方法に準じて行えばよく、試行錯誤により上記組成の酸化物膜を形成する条件を見出す事が可能である。
ガスバリヤ膜を形成するためにプラズマ空間中に導入する有機金属化合物は以下のものをあげることができる。ケイ素化有機金属化合物、β−ジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物が好ましく用いられる。具体的な化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明におけるガスバリヤ層は実質的にMO2-xyの組成であらわされ、好ましいxの範囲は0.2〜−0.2である。
透明導電膜とは、光学的に透明で導電性を有する薄膜を指す。古くから研究開発が行われており、代表的な透明導電膜は、金属薄膜、酸化物(SnO2、ZnO2、In23)、複合酸化物(ITO、IZO、FTO、ATO)、非酸化物(カルコゲナイド、TiN)などをあげることができる。
本発明は前記プライマー層上に透明導電膜を形成する、又はバリヤー層更にそのバリヤー層の上に透明導電膜を形成する。バリヤー層及び透明導電膜の形成方法としては、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、反応性ガスを放電空間に導入してプラズマ状態とし、透明基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒すことによって、前記透明基材上に透明導電膜を形成する透明導電膜の形成方法である。この方法によって、生産性高く、高性能な透明導電膜積層体を形成することができる。上記大気圧プラズマ法は先のプライマー層に関する記載と同様の方法で実施できる。
本発明に係る透明導電膜を形成するにあたり、使用するガスは、透明基材上に設けたい透明導電膜の種類によって異なるが、基本的に、不活性ガスと、透明導電膜を形成するためにプラズマ状態となる反応性ガスの混合ガスである。ここで不活性ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン更には窒素ガス等が挙げられるが、本発明に記載の効果を得るためには、アルゴンまたはヘリウム、窒素ガスが好ましく、特に好ましくは窒素ガスが用いられる。本発明で用いる反応性ガスは複数用いることが可能であるが、少なくとも1種類は、放電空間でプラズマ状態となり、透明導電膜を形成する成分を含有するものである。このような反応性ガスとしては特に制限はないが、有機金属化合物が好ましく用いられる。有機金属化合物の種類は問わないが、分子内に酸素を有する有機金属化合物が好ましく、特にβジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物が好ましく用いられる。より好ましくは前記一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物から選ばれる反応ガスである。
式中Mはインジウム、亜鉛、錫から選ばれる少なくとも1種類の金属である。またRは炭素数1〜10の少なくとも1つ以上のフッ素を含むフルオロアルキル基を示す。
一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物の中で好ましい例は、インジウムヘキサフルオロペンタンジオネート、インジウムメチル(トリメチル)アセチルアセテート、インジウムアセチルアセトナート、インジウムイソポロポキシド、インジウムトリフルオロペンタンジオネート、トリス−(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、ジンクアセチルアセトナート等を挙げることが出来る。
この中で特に、好ましいのはインジウムアセチルアセトナート、トリス−(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジンクアセチルアセトナート、ジ−n−ブチルジアセトキシスズである。これらの有機金属化合物は一般に市販されており、たとえばインジウムアセチルアセトナートであれば東京化成工業(株)から容易に入手することができる。
本発明においてはこれら分子内に少なくとも1つ以上の酸素原子を含有する有機金属化合物のほかに導電性を向上させるために行われるドーピング用のガスを用いることができる。ドーピングに用いられる反応性ガスとしては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、ニッケルアセチルアセトナート、マンガンアセチルアセトナート、ボロンイソプロポキシド、n−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブチルアンチモン、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、テトラブチルスズ、ジンクアセチルアセトナート、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタン、4フッ化メタン等を挙げることができる。
さらに、本発明においては、透明導電膜の構成元素を含む反応ガスの他に酸素などの酸化性を有するガス、水素などの還元性を有するガス、その他、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素などを適宜用いることも可能である。
透明導電膜主成分として用いられる反応性ガスとドーピングを目的に少量用いられる反応性ガスの量比は、成膜する透明導電膜の種類により異なる。例えば、酸化インジウムにスズをドーピングして得られるITO膜においては得られるITO膜のIn/Snの原子数比が100/0.1〜100/15の範囲になるように反応性ガス量を調整する。好ましくは、100/0.5〜100/10の範囲になるよう調整する。In/Snの原子数比はXPS測定により求めることができる。酸化錫にフッ素をドーピングして得られる透明導電膜(FTO膜という)においては、得られたFTO膜のSn/Fの原子数比が100/0.01〜100/50の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。Sn/Fの原子数比はXPS測定により求めることが出来る。In23−ZnO系アモルファス透明導電膜においては、In/Znの原子数比が100/50〜100/5の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。In/Znの原子数比はXPS測定で求めることが出来る。
更に、反応性ガスには透明導電膜主成分となる反応性ガスとドーピングを目的に少量用いられる反応性ガスがある。更に、透明導電膜の抵抗値を調整する為に反応性ガスを追加することも可能である。透明導電膜の抵抗値を調整する為に用いる反応性ガスとしては、例えば、チタントリイソプロポキシド、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることができる。
上記反応性ガスは、混合ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。透明導電膜の膜厚としては、0.1nm〜1000nmの範囲の透明導電膜が得られる。
本発明においては、大気圧または大気圧近傍の圧力下で透明導電膜を形成するが、その際の透明基材の温度は特に制限はない。透明基材として用いる材料の熱物性に依存する。透明基材としてガラスを用いる場合は500℃以下、後に記す、高分子を用いる場合は300℃以下が好ましい。
本発明の透明導電膜積層体の製造方法は大気圧または大気圧近傍の圧力下において、少なくとも1種類以上の不活性ガスと、少なくとも1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを放電空間に導入してプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒すことによって、透明基材上に薄膜を形成した後、熱処理することを特徴としている。
熱処理の温度としては50〜300℃の範囲が好ましい。好ましくは100〜250℃の範囲である。加熱の雰囲気も特に制限はない。空気雰囲気、水素などの還元性ガスを含む還元雰囲気、酸素などの酸化性ガスを含有するような酸化雰囲気、あるいは真空、窒素、希ガスなど不活性ガス雰囲気下のうちから適宜選択することが可能である。還元、酸化雰囲気をとる場合、還元性ガス、酸化性ガスを希ガスや窒素などの不活性ガスで希釈して用いることが好ましい。このような場合、還元性ガス、酸化性ガスの濃度は0.01〜5%が好ましく、より好ましくは0.1〜3%である。
また、本発明の透明導電膜積層体の製造方法によって得られる透明導電膜は、反応性ガスとして有機金属化合物を用いるため、微量の炭素を含有する場合がある。その場合の炭素含有率は、0〜5.0原子数濃度であることが好ましい。特に好ましくは0.01〜3原子数濃度の範囲内にあることが好ましい。
透明基材を構成する材料も特に限定はない。ガラスを用いることも可能であるが、大気圧または大気圧近傍の圧力下であることと、低温のグロー放電であることから、樹脂フィルムを好ましく用いることができる。例えば、フィルム状のセルローストリアセテート等のセルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、更にこれらの上にゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂等を塗設したもの等を使用することが出来る。また、これら基材は、支持体上に防眩層やクリアハードコート層を塗設したり、バックコート層、帯電防止層を塗設したものを用いることが出来る。
上記の支持体(基材としても用いられる)としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルローストリアセテート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムあるいはポリアリレート系フィルム等を挙げることができる。これらの素材は単独であるいは適宜混合されて使用することもできる。中でもゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴム(株)製)などの市販品を好ましく使用することができる。更に、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン及びポリエーテルスルフォンなどの固有複屈折率の大きい素材であっても、溶液流延、溶融押し出し等の条件、更には縦、横方向に延伸条件等を適宜設定することにより、得ることが出来る。また、本発明に係る支持体は、上記の記載に限定されない。膜厚としては10μm〜1000μmのフィルムが好ましく用いられる。
更に、フィルムの最外層に防汚層を設けることも可能である。その他、必要に応じてガスバリア性、耐溶剤性を付与するための層等を設けることも可能である。
これらの層の形成方法は特に限定はなく、塗布法、真空蒸着法、スパッタリング法、大気圧プラズマCVD法等を用いることができる。特に好ましいのは大気圧プラズマCVD法である。これらの層の大気圧プラズマCVDによる形成方法としては例えば反射防止膜の形成方法としては特開2002−228803号公報等に開示された方法を用いることができる。
本発明においては、上記記載のような基材面に対して本発明に係わる透明導電膜を設ける場合、平均膜厚に対する膜厚偏差を±10%になるように設けることが好ましく、更に好ましくは±5%以内であり、特に好ましくは±1%以内になるように設けることが好ましい。
本発明に係る透明導電膜積層体の製造方法により得られた透明導電膜積層体は、タッチパネル、液晶素子、有機EL素子、PDP、電子ペーパー等の用途に用いることが出来る。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、作製した透明導電膜積層体の評価は以下の方法によった。
〈透過率〉
JIS−R−1635に従い、日立製作所製分光光度計U−4000型を用いて測定を行った。試験光の波長は550nmとした。
〈比抵抗〉
JIS−R−1637に従い、四端子法により求めた。なお、測定には三菱化学製ロレスタ−GP、MCP−T600を用いた。
〈炭素含有率、酸素含有率〉
炭素含有率及び酸素含有率はXPS表面分析装置を用いてその値を測定する。測定は本明細書に記載の方法にて行った。なお、ガスバリヤ層は実質的にMO2-xyで表されるので、表2中の酸素含有率はxの値を記載した。
〈屈曲性〉
耐屈曲耐久性、及び耐屈曲耐久性試験後のサンプルの断線の程度を調べた。なお、耐屈曲耐久性は、透明導電層が外側になる様に、φ6mmの丸棒の周囲に沿って100gの荷重をかけ1分間変形させて元に戻した後の抵抗値Rと変形させる前の抵抗値R0の比R/R0と定義する。
〈劣化試験〉
透明導電膜積層体フィルムを縦横10cmの長さに切断した。このフィルムについて室温25℃相対湿度50%における表面抵抗を三菱化学製ロレスタ−GP、MCP−T600をを用いて測定した。この表面抵抗値をR0とする。このフィルムを温度80℃相対湿度40%の恒温恒湿漕で1週間処理し、再度表面抵抗値を測定した。この値をRとし、R/R0の比を求めた。この比は1に近い方が好ましい。
〈ガスバリヤ性〉
酸素透過度をもってガスバリヤ性の指標とした。酸素透過度は、透明導電層を積層する前の、プライマー層とガスバリヤ層が積層された高分子フィルムについて測定した。測定は、MOCON社製オキシトラン2/20型を用いて、40℃90%RHの環境下で測定した。
〈耐傷性〉
ライオン(株)製消しゴムNo.50を用いて9.8Nの荷重で表面を50往復させ、表面の損傷を目視で評価した。評価は以下の基準によった。
◎;全く変化が認められない
○;ごく僅か傷の発生が認められる
△;傷が認められる
×;膜が剥離する
〈密着性〉
JIS K5400に記載された碁盤目法に準じ、縦・横それぞれの方向に1mm間隔でカッターナイフを用いて11本づつ傷をつけ、セロハンテープを貼り付けて引き剥がし、この時に基材に残存する碁盤目の数を数えた。
《角筒型電極の作製》
図2に示す大気圧プラズマ放電処理装置において、アルミナで被覆したロール電極及び同様に誘電体を被覆した複数の角筒型電極のセットを以下のように作製した。
第1電極となるロール電極は、冷却水による冷却手段を有するチタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して、大気プラズマ法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、ロール径1000mmφとなるようにした。
封孔処理及び被覆した誘電体表面研磨は次のように行った。長さ50mm、幅600mm、高さ50mmの、肉厚10mm(中空のジャケット)のチタン合金T64製の2個の平板印加電極を以下のように作製した。該2個共、平板電極の互いに対向する面(面積300cm2)に大気プラズマ法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆した。その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行った。このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmaxが5μmとなるように加工した。最終的な誘電体の空隙率は5体積%であった。この時の誘電体層のSiOX含有率は75mol%であった。また、最終的な誘電体の膜厚は、1mm(膜厚変動±1%以内)、誘電体の比誘電率は10であった。更に導電性の金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差は、1.6×10-6/℃であり、また耐熱温度は250℃であった。
一方、第2電極の角筒型電極は、中空の角筒型のチタン合金T64に対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆し、対向する角筒型固定電極群とした。この角筒型電極の誘電体については上記ロール電極のものと、誘電体表面のRmax、誘電体層のSiOX含有率、また誘電体の膜厚と比誘電率、金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差、更に電極の耐熱温度は、第1電極とほぼ同じ物性値に仕上がった。
この角筒型電極をロール回転電極のまわりに、対向電極間隙を1mmとして25本配置した。角筒型固定電極群の放電総面積は、150cm(幅手方向の長さ)×4cm(搬送方向の長さ)×25本(電極の数)=15000cm2であった。なお、何れもフィルターは適切なものを設置した。
透明基材として、厚さ100μmのARTONフィルム(非晶質シクロポリオレフィン樹脂フィルム、JSR社製)を使用した。圧力は103kPaとし、放電空間に各薄膜形成ガスを含有するガスを供給し透明導電膜積層フィルムを作製した。表4に示すプライマー層、ガスバリヤー層、透明導電膜の組み合わせで、各種透明導電膜積層フィルムを作製した。
プライマー層、ガスバリヤー層、透明導電膜の作製条件等は下記の項及び表1〜表3に記載した。
《プライマー層》
〈プライマー層A1〜A4〉
放電ガスは窒素100%ないしは窒素とヘリウムの混合ガスを表1に記載の割合で用いた。反応ガスとしては、4.5体積%のテトラエトキシシラン(TEOSと略)と0.05体積%の酸素を用いた。また、第一電極、第二電極の操業条件は表1に示すとおりである。
〈プライマー層B〉
容器外部が水冷された撹拌容器内にビニルトリメトキシシラン(信越化学社製、商品名KBM1003)148質量部を入れ、激しく撹拌を行いながら0.01Mの塩酸水54部を徐々に添加し、更に3時間ゆっくりと撹拌を行うことによりビニルトリメトキシシランの加水分解液を得た。ついでトリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成化学社製、商品名アロニックスM−309)50質量部、前記ビニルトリメトキシシランの加水分解液を100質量部、未加水分解のビニルトリメトキシシラン10質量部、光開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製、商品名ダロキュアー1173)8質量部およびレベリング剤としてシリコンオイル(東レ・ダウコーニングシリコン社製、SH28PA)0.02質量部を混合して塗液とした。この塗液を基材上にバーコーターを用いてコーティングし、60℃で1分間加熱して塗膜中の残留溶剤を揮発除去した後、160W/cmの高圧水銀灯を用いて、積算光量800mJ/cm2の条件で紫外線を照射して塗膜の硬化を行いプライマー層を得た。
〈プライマー層C〉
分子量約1040、融点55℃のエポキシアクリレートプレポリマー(昭和高分子株式会社製VR−60);100質量部、ジエチレングリコール;200質量部、酢酸エチル;100質量部、ベンゼンエチルエーテル;2質量部、シランカップリング剤(信越化学株式会社製KBM−503);1質量部を、50℃にて撹はん溶解して均一な溶液を得た後、ディップ法により透明支持体に塗布し、80℃、10分の条件で加熱した後、紫外線を照射をしてプライマー層を得た。
《ガスバリヤ層》
〈ガスバリヤ層い1〜い4〉
放電ガスは窒素100%ないしは窒素とヘリウムの混合ガスを表2に記載の割合で用いた。反応ガスとしては、1.5体積%のテトラエトキシシラン(TEOSと略)と0.10体積%の水素を用いた。また、第一電極、第二電極の操業条件は表2に示すとおりである。
〈ガスバリヤ層ろ〉
通常のマグネトロンスパッタ装置にてBドープしたSiターゲットとして4.000×10-4Paまで排気した後、O2:Ar=3:7の混合ガスを100sccm導入し、圧力を0.1067Paになるように調整した。メインロール温度25℃、投入電力密度1W/cm2、フィルム速度1.0m/分の条件で反応性スパッタリングを行い、約30nmの厚みの酸化珪素によるガスバリヤ層ろを形成した。
〈ガスバリヤ層は〉
減圧プラズマCVD装置を用い、以下の条件でガスバリヤ層を形成した。
印加電力 30kW
圧力 66.66Pa
HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)流量 1slm
酸素ガス流量 10slm
成膜用ドラム表面温度(成膜温度) 100℃
上記のガス流量単位slmは、standard liter per minuteのことである。
《透明導電膜層》
〈透明導電膜11〜15〉
放電ガスは窒素100%ないしは窒素とヘリウムの混合ガスを表3に記載の割合で用いた。反応ガスとしては、0.25%の酸素、1.2体積%のトリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム(In(AcAc)3と略す)、0.05体積%のジブチル錫ジアセテート(DBDATと略す)の混合ガスを用いた。また、第一電極、第二電極の操業条件は表3に示すとおりである。
〈透明導電膜2〉
プライマー層の設けられた透明基材ないしはプライマー層及びガスバリヤ層が設けられた透明基材を、DCマグネトロンスパッタ装置に装着し、真空槽内を1.3332×10-3Pa以下まで減圧した。尚、スパッタリングターゲットは酸化インジウム:酸化錫95:5の組成のものを用いた。この後、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを(Ar:O2=1000:3)を1×10-3Paとなるまで導入し、スパッタ出力100W、基板温度100℃にて透明導電膜積層体を作製した。
〈透明導電膜3〉
プライマー層の設けられた透明基材ないしはプライマー層及びガスバリヤ層が設けられた透明基材に透明導電層としての京都エレックス(株)製有機ITOペーストニューフロコートEC−Lをディップコートして透明導電膜積層体を作製した。
Figure 2005071837
Figure 2005071837
Figure 2005071837
Figure 2005071837
表4の結果から明らかなように、本発明に係る透明導電膜積層体の製造方法により得られた透明導電膜積層体は、密着性、透過率、比抵抗、屈曲性、劣化試験の総てにおいて優れており、又、ガスバリヤ層を設けた試料においては、上記評価項目に加え、ガスバリヤ性も優れている。
本発明の透明導電膜積層体の製造方法に用いられるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の一例を示す概略図である。 本発明の透明導電膜積層体の製造方法に用いられるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の一例を示す概略図である。 (a)、(b)は各々、本発明に係るプラズマ放電処理に用いられる円筒型のロール電極の一例を示す概略図である。 (a)、(b)は各々、本発明に係るプラズマ放電処理に用いられる固定型の円筒型電極の一例を示す概略図である。 (a)、(b)は各々、本発明に係るプラズマ放電処理に用いられる固定型の角柱型電極の一例を示す概略図である。 本発明の透明導電膜積層体の製造方法に用いられるプラズマ放電処理装置の一例を示す概念図である。
符号の説明
25、25c、25C ロール電極
26、26c、26C、36、36c、36C 電極
25a、25A、26a、26A、36a、36A 金属等の導電性母材
25b、26b、36b セラミック被覆処理誘電体
25B、26B、36B ライニング処理誘電体
31 プラズマ放電処理容器
41 電源
51 ガス発生装置
52 給気口
53 排気口
60 電極冷却ユニット
61 元巻き基材
65、66 ニップローラ
64、67 ガイドローラ

Claims (33)

  1. 大気圧もしくはその近傍の圧力下、放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、プライマー層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを前記放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該プライマー層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該透明基材を晒すことにより該透明基材上にプライマー層を形成し、次いで、透明導電膜を形成する薄膜形成ガスとして窒素ガスを含有する放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層を形成した透明基材を晒すことにより該プライマー層上に透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜積層体の製造方法。
  2. 大気圧もしくはその近傍の圧力下、放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、プライマー層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを前記放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該プライマー層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに前記透明基材を晒すことにより該透明基材上にプライマー層を形成し、更に、ガスバリヤ層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該ガスバリヤ層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層を形成した透明基材を晒すことにより該プライマー層上にガスバリヤ層を形成し、次いで、透明導電膜を形成する薄膜形成ガスとして窒素ガスを含有する放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層及びガスバリヤ層を形成した透明基材を晒すことにより該ガスバリヤ層上に透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜積層体の製造方法。
  3. 大気圧もしくはその近傍の圧力下、放電空間に薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、前記高周波電界が第1の高周波電界および第2の高周波電界を重畳したものであり、該第1の高周波電界の周波数ω1より該第2の高周波電界の周波数ω2が高く、該第1の高周波電界の強さV1、該第2の高周波電界の強さV2および放電開始電界の強さIVとの関係が、V1≧IV>V2またはV1>IV≧V2を満たし、該第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上であることを特徴とする透明導電膜積層体の製造方法。
  4. 大気圧もしくはその近傍の圧力下、プライマー層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該プライマー層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上にプライマー層を形成し、次いで、大気圧もしくはその近傍の圧力下、透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層を形成した透明基材を晒すことにより該プライマー層上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、前記透明導電膜を形成する薄膜形成ガスが、窒素ガスを含有する放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスであり、且つ、前記高周波電界が第1の高周波電界および第2の高周波電界を重畳したものであり、該第1の高周波電界の周波数ω1より該第2の高周波電界の周波数ω2が高く、該第1の高周波電界の強さV1、該第2の高周波電界の強さV2および放電開始電界の強さIVとの関係が、V1≧IV>V2またはV1>IV≧V2を満たし、該第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上であることを特徴とする透明導電膜積層体の製造方法。
  5. 大気圧もしくはその近傍の圧力下、プライマー層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該プライマー層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに透明基材を晒すことにより該透明基材上にプライマー層を形成し、更に、大気圧もしくはその近傍の圧力下、ガスバリヤ層を形成する薄膜形成ガスとして1種類以上の放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該ガスバリヤ層を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層を形成した透明基材を晒すことにより該プライマー層上にガスバリヤ層を形成し、次いで、大気圧もしくはその近傍の圧力下、透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを該放電空間に供給し、該放電空間に高周波電界を印加することにより該透明導電膜を形成する薄膜形成ガスを励起し、プラズマ状態としたガスに該プライマー層及びガスバリヤ層を形成した透明基材を晒すことにより該ガスバリヤ層上に透明導電膜を形成する透明導電膜積層体の製造方法において、前記透明導電膜を形成する薄膜形成ガスが窒素ガスを含有する放電ガス、1種類以上の有機金属化合物及び1種類以上の反応性ガスからなる混合ガスであり、且つ、前記高周波電界が第1の高周波電界および第2の高周波電界を重畳したものであり、該第1の高周波電界の周波数ω1より該第2の高周波電界の周波数ω2が高く、該第1の高周波電界の強さV1、該第2の高周波電界の強さV2および放電開始電界の強さIVとの関係が、V1≧IV>V2またはV1>IV≧V2を満たし、該第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上であることを特徴とする透明導電膜積層体の製造方法。
  6. 前記ガスバリヤ層が、マグネシウム、ケイ素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、ニオブ、錫から選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機化合物であることを特徴とする請求項2又は5記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  7. 前記プライマー層が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1若しくは2又は請求項4乃至6のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
    一般式(1) MOx(R)y
    (式中、Mはケイ素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、ニオブ、錫から選ばれる少なくとも1種の金属を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、xは1.50〜1.99、yは0.02〜1.00を表す。)
  8. 前記一般式(1)のMがケイ素であることを特徴とする請求項7記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  9. 前記透明導電膜を形成するために放電空間に導入される有機金属化合物が下記一般式(2)又は一般式(3)で表されることを特徴とする請求項1若しくは2又は請求項4乃至8のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
    Figure 2005071837
    (式中、Mはインジウム、錫及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種であり、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜10の少なくとも1つ以上のフッ素を含むフルオロアルキル基を表し、nは1〜2の整数を表す。)
  10. 前記プライマー層を形成する薄膜形成ガスとしての放電ガスが、窒素ガスを含むことを特徴とする請求項1若しくは2又は請求項4乃至9のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  11. 前記ガスバリヤ層を形成する薄膜形成ガスとしての放電ガスが、窒素ガスを含むことを特徴とする請求項2又は請求項4乃至10のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  12. 前記放電空間が、対向する第1電極と第2電極とで構成されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  13. 前記第2の高周波電界の出力密度が、50W/cm2以下であることを特徴とする請求項3乃至12のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  14. 前記第2の高周波電界の出力密度が、20W/cm2以下であることを特徴とする請求項13記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  15. 前記第1の高周波電界の出力密度が、1W/cm2以上であることを特徴とする請求項3乃至14のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  16. 前記第1の高周波電界の出力密度が、50W/cm2以下であることを特徴とする請求項15記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  17. 前記第1の高周波電界および前記第2の高周波電界がサイン波であることを特徴とする請求項3乃至16のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  18. 前記第1の高周波電界を前記第1電極に印加し、前記第2の高周波電界を前記第2電極に印加することを特徴とする請求項3乃至17のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  19. 前記放電空間に供給される全ガス量の90〜99.9体積%が放電ガスであることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  20. 前記放電ガスが、50〜100体積%の窒素ガスを含有することを特徴とする請求項19記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  21. 前記第1電極又は第2電極が誘電体で被覆されていることを特徴とする請求項3乃至20のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  22. 前記誘電体の比誘電率が25℃において6〜45の無機物であることを特徴とする請求項21記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  23. 前記第1電極又は第2電極の表面粗さの最大高さ(Rmax)(JIS B 0601で規定)が10μm以下であることを特徴とする請求項21又は22記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  24. 前記透明導電膜が酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、Fドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、Sbドープ酸化錫、ITO、In23−ZnOから選ばれる少なくとも1種を主成分とするアモルファス透明導電膜であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  25. 前記透明導電膜がITOであって、該ITOがIn/Sn原子数比で100/0.1〜100/15の範囲であることを特徴とする請求項24記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  26. 前記透明導電膜の炭素含有量が0〜5.0原子数濃度の範囲であることを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  27. 前記透明基材が透明樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  28. 前記透明樹脂フィルムがタッチパネル用フィルム基材、液晶素子プラスチック基板、有機EL素子プラスチック基板、PDP用電磁遮蔽フィルム、電子ペーパー用フィルム基板から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項27記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  29. 前記透明樹脂フィルムがロール状フィルムであることを特徴とする請求項27又は28記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  30. 前記ロール状フィルム上にガスバリヤ層がない場合はプライマー層を形成した後、ガスバリヤ層を有する場合はガスバリヤ層を形成した後、巻き取ることなく透明導電性層を形成することを特徴とする請求項29記載の透明導電膜積層体の製造方法。
  31. 請求項1乃至30のいずれか1項記載の透明導電膜積層体の製造方法によって製造された透明導電膜積層体。
  32. 前記透明導電膜積層体がパターニングされた電極であることを特徴とする請求項31記載の透明導電膜積層体。
  33. 請求項31又は32記載の透明導電膜積層体を用いた物品。
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