JP4899863B2 - 薄膜形成装置及び薄膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、大気圧プラズマ放電処理を用いた薄膜形成装置及び方法に関する。
従来から、大気圧プラズマ放電処理を用いることによって、放電ガスと薄膜形成性ガスの混合ガスを使用して高品位の薄膜を得る大気圧プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)が知られている。そして上記大気圧プラズマCVDは、半導体デバイス電子写真用感光体、各種エレクトロニクス素子、光学素子における堆積膜形成において実用化が検討されている。
例えば、大気圧プラズマ放電処理を行う大気圧プラズマ処理装置には、1つの高周波電源による大気圧プラズマ処理装置1があり、図1(a)に当該大気圧プラズマ処理装置1の縦断面図を示す。大気圧プラズマ処理装置1は、高周波電源である電源Dにインピーダンスを調整する整合器11を介して接続され、金属質母材122及び誘電体121からなる高周波電極12と、接地するように接続され、金属質母材132及び上部に基材14を配置する誘電体131からなる電極13とが、対向して配置される構成である。
大気圧プラズマ処理装置1は、特に図示しないガス供給装置により放電ガスと薄膜形成性ガスからなる大気圧近傍の混合ガスが上記高周波電極12と電極13との間に供給され、電源Dから高周波電圧を印加することで、基材14上に薄膜を形成する。
また、大気圧プラズマ処理装置には、図1(b)に示すように、高周波電源であり、互いに周波数の異なる2つの電源からなる大気圧プラズマ処理装置1aがある。ここにおける大気圧プラズマ処理装置1aにおいて、大気圧プラズマ処理装置1と相違する点は、上部に基材14を配置する電極13に昇圧変換するLF用整合器15を介して第1電源LFを接続した点である。そして、上記構成をとることにより、大気圧プラズマ処理装置1aは、基材14近傍におけるプラズマ密度が高くなり、より良質な薄膜を形成することができる。
そして、上記大気圧プラズマ処理装置における電源からの出力は、電源のインピーダンスと電極からみたプラズマのインピーダンスが同一でないと、一部が反射波として電源に戻ってしまい、最大限に送ることができない。また、プラズマ処理装置では、プラズマでの電力消費を一定に保ち、安定したプラズマ状態とすることが、製膜時の厚さにむらのない高品位な薄膜の形成に必要となる。
よって、大気圧プラズマ装置は、インピーダンスを同一にするための整合器(マッチングボックス)を備え、予備実験などにより、予めインピーダンスが同一になるよう調整される。また、整合器は、電源電圧、ガスの温度・圧力・供給量などによって変動するプラズマ側のインピーダンスに応じて自動調節する機構を備える。
そのため、大気圧プラズマ処理装置1、1aにおける整合器11は、図3に示すように、インピーダンスの絶対値を調整するための絶対値調整用可変コンデンサ21、インピーダンスの位相を調整するための位相調整用可変コンデンサ22、コイル23、及び電源と電極間における電圧値と電流値から絶対値調整用可変コンデンサ21とコイル23を自動調節して電源のインピーダンスと電極からみたプラズマのインピーダンスを同一にするコントロールボックス24を付随しており、電源からの出力を最大限にプラズマ出力として送る(例えば特許文献1参照)。
また、上記一組の対向する電極間における大気圧プラズマ処理装置の他に、複数組の電極間によるものがある。この場合におけるインピーダンス調整は、反射波の中に隣接する他の電極からの透過波も混じっており、その透過波と反射波を分離して計測できないため、自動調整を行うことで相互干渉を引き起こす。
これにより、運転状態が不安定なものとなる問題があるが、その解決方法としては、真空圧プラズマ処理におけるステップの初期、或いは異常に反射の大きくなった場合にのみインピーダンス整合を行う方法などが公知である(特許文献2を参照)。
特開2003−268557号公報 特開平8−96992号公報
たしかに、上記技術は、複数組の電極間におけるプラズマ処理での薄膜形成を行うためにはそれなりに有効な方法である。しかしながら、良質な薄膜の形成には、まだ不十分であり、より安定したプラズマ状態の実現が大きな課題であった。
そこで本発明は、このような産業上の要請からなされたものであり、安定した放電状態を維持した高密度プラズマを発生させることができ、良質な薄膜を製膜可能な薄膜形成装置を提供することである。
上記課題を解決するために、以下の構成によって達成される。
(1)大気圧若しくはその近傍圧力下においてプラズマを発生させるための複数の電極対と当該電極対に交流電力を供給する交流電源との間に、当該交流電源の出力インピーダンスと前記複数の電極対の各入力インピーダンスとの整合を行う複数のインピーダンス整合器が介挿され、前記交流電源若しくは前記電極対間の電圧及び前記交流電源若しくは前記電極対間に流れる電流に基づいて前記複数のインピーダンス整合器を自動調整する自動調整手段が設けられた薄膜形成装置において、前記自動調整手段は、前記複数のインピーダンス整合器の内のいずれか一つのインピーダンス整合器を除く他のインピーダンス整合器は、絶対値調整用可変コンデンサーを固定し、位相調整用可変コンデンサーのみによりインピーダンスを自動調整し、また前記一つのインピーダンス整合器は、絶対値調整用可変コンデンサー及び位相調整用可変コンデンサーによりインピーダンスを自動調整するように構成した薄膜形成装置。
(2) 前記(1)に記載の発明において、前記インピーダンス整合器はインピーダンスの絶対値を調整するための可変容量コンデンサを有し、前記自動調整手段は前記可変容量コンデンサの容量を調整する薄膜形成装置。
(3) 前記(1)又は(2)に記載の発明において、前記電極対の一方の電極に高周波数の交流電力が供給され、他方の電極に前記一方の電極に供給される交流電力に対して相対的に低い周波数の交流電力が供給される薄膜形成装置。
(4) 前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の発明において、前記複数対の電極は、一方の電極が平面状に一体に設けられた平面型電極であり、他方の電極が前記一方の電極に対向して個別に分離して設けられた複数の個別電極で構成されている薄膜形成装置。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の発明において、前記複数対の電極は、一方の電極が周方向に回転可能なように設けられたロール型電極であり、他方の電極が前記一方の電極の外周面に対向して個別に分離して設けられた複数の個別電極で構成されている薄膜形成装置。
(6) 前記(1)記載の発明に示した薄膜形成を実現させるための方法を提供する。
(a)は、1つの電源からなる大気圧プラズマ処理による薄膜形成装置の縦断面図であり、(b)は、二つの電源からなる大気圧プラズマ処理による薄膜形成装置の縦断面図である。 (a)は、本発明における平板上の基材に対する大気圧プラズマ処理による薄膜形成装置の縦断面図であり、(b)は、本発明におけるフィルム上の基材に対する大気圧プラズマ処理による薄膜形成装置の縦断面図である。 整合器11の内部構成を示す図である。
まず、本発明の実施形態の概要を説明する。
本発明において、プラズマ放電処理は、大気圧もしくはその近傍の圧力下で行われるが、大気圧もしくはその近傍の圧力とは20kPa〜110kPa程度であり、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
本発明の薄膜形成装置において、対向電極間(放電空間)に供給するガスは、少なくとも、電界により励起する放電ガスと、そのエネルギーを受け取ってプラズマ状態あるいは励起状態になり薄膜を形成する薄膜形成ガスを含んでいる。
本発明における放電条件は、放電空間に、第1の高周波電界と第2の高周波電界とを重畳し、第1の高周波電界の周波数fより第2の高周波電界の周波数fが高く、且つ、第1の高周波電界の電界強度V、第2の高周波電界の電界強度V及び放電開始電界の電界強度IVとの関係が、
≧IV>V
又は V>IV≧V を満たす。
前記第2の高周波電界の周波数fは0.8MHz以上200MHz以下かつ第2の高周波電界の電界強度Vが0.5kV/mm以上であり、かつ、
前記第1の高周波電界の周波数fは1kHz以上500kHz以下かつ第1の高周波電界の電界強度Vが4kV/mm以上であり
更に好ましくは、上記範囲内おいて、第1の高周波電界の周波数fが50kHz以上100kHz以下、第1の高周波電界の電界強度Vが10kV/mm以上、第2の高周波電界の周波数fが3MHz以上50MHz以下、第2の高周波電界の電界強度Vが1.8kV/mm以上のいずれか一つ以上を含む範囲内である。
高周波とは、周波数が0.5kHz以上のものを言う。
重畳する高周波電界が、ともにサイン波である場合、第1の高周波電界の周波数fと該周波数fより高い第2の高周波電界の周波数fとを重ね合わせた成分となり、その波形は周波数fのサイン波上に、それより高い周波数fのサイン波が重なった波形となる。
本発明において、放電開始電界の強さとは、実際の薄膜形成装置に使用される放電空間(電極の構成など)及び反応条件(ガス条件など)において放電を起こすことのできる最低電界強度のことを指す。放電開始電界強度は、放電空間に供給されるガス種や電極の誘電体種又は電極間距離などによって多少変動するが、同じ放電空間においては、放電ガスの放電開始電界強度に支配される。
上記で述べたような高周波電界が対向する電極に印加され、すなわち、同じ放電空間に印加されることによって、薄膜形成可能な放電を起こし、高品位で一様な膜厚の薄膜形成に必要な高密度プラズマを発生する。
上記サイン波等の連続波の重畳について説明したが、これに限られるものではなく、第1の高周波電界V及び第2の高周波電界V共にパルス波の場合、もしくは、第1の高周波電界V又は第2の高周波電界Vのいずれか一方が連続波であり、他方の高周波電界がパルス波であってもよい。また、更に第3の電界を有していてもよい。
上記本発明の高周波電界を、同一放電空間に印加する具体的な装置としては、対向電極を構成する第1電極に周波数fであって電界強度Vである第1の高周波電界を印加する第1電源を接続し、第2電極に周波数fであって電界強度Vである第2の高周波電界を印加する第2電源を接続した大気圧プラズマ放電処理装置を用いることである(図1(b)参照)。
上記の大気圧プラズマ放電処理装置には、対向電極間に、放電ガスと薄膜形成ガスとを供給するガス供給手段を備える。更に、電極温度制御手段を有することが好ましい。
更に、本発明における大気圧プラズマ放電処理装置の第1電源は、第2電源より高い高周波電界強度を印加できる能力を有していることが好ましい。
このような2つの電源から高周波電界V、Vを印加することは、第1の高周波電界Vによって高い放電開始電界強度を有する放電ガスの放電を開始するのに必要であり、また第2の高周波電界Vの高い周波数及び高い出力密度によりプラズマ密度を高くして緻密で良質な薄膜を形成するのに必要である。
また、第1の高周波電界Vの出力密度を高くすることで、放電の均一性を維持したまま、第2の高周波電界Vの出力密度を向上させることができる。これにより、更なる均一高密度プラズマが生成でき、更なる製膜速度の向上と、膜質の向上が両立できる。
図2(a)、(b)に、本発明に有用な複数の対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を縦断面図で示す。なお、複数の対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置において、複数とは10以下が好ましく、より好ましくは2〜5である。
図2(b)に示すように本発明に係る大気圧プラズマ処理装置2aは、第2電源である複数の第2電源HF1〜HF3と、誘電体121a〜c、金属質母材122a〜cからなり、互いに近接して配置された電極と、インピーダンスを整合するため第2電源と前記電極との間に接続された整合器11a〜11cと、第1電源である第1電源LFと、放電空間を形成するよう前記電極と対向して配置され、回転することでフィルム状の基材を搬送可能なロール型電極を構成する誘電体131、金属質母材132と、電圧を昇圧するため第1電源と電極13との間に接続されたLF用整合器15と、ロール型電極の上部に配置されてプラズマ処理されるフィルム状の基材14と、上記放電空間に希ガスと薄膜形成性の混合ガスを供給するガス供給装置16とからなる。
そして、整合器11a〜11c(図3参照)は、予備実験により絶対値調整用可変コンデンサ21、位相調整用可変コンデンサ22を電源からの出力を最大限にプラズマ出力として送るように予め設定する。そして、装置稼動時においては、整合器11a〜11cのうちのいずれか一つにおいて、絶対値調整用可変コンデンサ21及び位相調整用可変コンデンサ22をコントロールボックス24により自動調節する。また他の整合器は、絶対値調整用可変コンデンサ21のみ固定し、位相調整用可変コンデンサ22をコントロールボックス24により自動調節する。
これにより、互いに近接して配置された電極の影響により、自動調節による整合がとれず、不安定な状態が継続することがない。また、一つの整合器において、インピーダンス絶対値の調整が自動で行われることにより、ガスの流入量の変動などによるプラズマ状態の変動に対応することができ、複数の薄膜形成を同時に安定して行うことができる。
また、ロール型電極を用いることでフィルム状の基材に対してプラズマ処理を連続的に行うことができる。
また、図2(a)に示す大気圧プラズマ処理装置2は、大気圧プラズマ処理装置2aの第1電源である第1電源LFに平板の電極13を接続し、平板状の基材14に対してプラズマ処理を行う装置である。
これにより、堅い基材に対しても、プラズマ処理により複数の薄膜形成を同時に安定して行うことができる。
本発明の大気圧大気圧プラズマ放電処理装置に設置する第1電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k等の市販のものを挙げることができ、何れも使用することができる。
また、第2電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M等の市販のものを挙げることができ、何れも好ましく使用できる。なお、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
本発明においては、このような電界を印加して、均一で安定な放電状態を保つことができる電極を大気圧プラズマ放電処理装置に採用することが好ましい。
本発明において、対向する電極間に印加する電力のうち、第1電極(第1の高周波電界)には、1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してエネルギーを薄膜形成ガスに与え、薄膜を形成する。
第1電極に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm2、より好ましくは20W/cm2である。下限値としては、好ましくは1.2W/cm2である。なお、放電面積(cm2)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
さらに、第2電極(第2の高周波電界)にも、1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給することにより、さらに出力密度を向上させることができる。これにより均一で高密度なプラズマを生成でき、更なる製膜速度の向上と膜質の向上が両立できる。第2の高周波電界の電力は、5W/cm2以上が好ましい。また上限値としては50W/cm2である。
ここで高周波電界の波形としては、特に限定されない。連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モード等があり、そのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側(第2の高周波電界)は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
このような大気圧プラズマによる薄膜形成法に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。このような電極としては、金属質母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、様々な金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、更に好ましくは5×10-6/℃以下、更に好ましくは2×10-6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、1:金属質母材が純チタン又はチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜2:金属質母材が純チタン又はチタン合金で、誘電体がガラスライニング3:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜4:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング5:金属質母材がセラミックス及び鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜6:金属質母材がセラミックス及び鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング7:金属質母材がセラミックス及びアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜8:金属質母材がセラミックス及びアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記1又は2及び5〜8が好ましく、特に1が好ましい。
本発明において、金属質母材は、上記の特性からはチタン又はチタン合金が特に有用である。金属質母材をチタン又はチタン合金とすることにより、誘電体を上記とすることにより、使用中の電極の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることができる。
本発明に有用な電極の金属質母材は、チタンを70質量%以上含有するチタン合金又はチタン金属である。本発明において、チタン合金又はチタン金属中のチタンの含有量は、70質量%以上であれば、問題なく使用できるが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金又はチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることができる。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることができ、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることができ、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることができ、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金又はチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属質母材としてチタン合金又はチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることができる。
一方、誘電体の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
又は、上述のような大電力に耐える仕様の一つとして、誘電体の空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、更に好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。なお、誘電体の空隙率は、BET吸着法や水銀ポロシメーターにより測定することができる。後述の実施例においては、島津製作所製の水銀ポロシメーターにより金属質母材に被覆された誘電体の破片を用い、空隙率を測定する。誘電体が、低い空隙率を有することにより、高耐久性が達成される。このような空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体としては、後述の大気プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げることができる。更に空隙率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
上記、大気プラズマ溶射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラズマ熱源中に投入し、溶融又は半溶融状態の微粒子として被覆対象の金属質母材に吹き付け、皮膜を形成させる技術である。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子に解離させ、更にエネルギーを与えて電子を放出させた高温のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射速度は大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べて、溶射材料が高速で金属質母材に衝突するため、密着強度が高く、高密度な被膜を得ることができる。詳しくは、特開2000−301655に記載の高温被曝部材に熱遮蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することができる。この方法により、上記のような被覆する誘電体(セラミック溶射膜)の空隙率にすることができる。
また、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。
誘電体の空隙率をより低減させるためには、上記のようにセラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射などがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極ができる。
本発明に係る誘電体被覆電極の金属アルコキシド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティングした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiOx(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPS(X線光電子分光法)により誘電体層の断層を分析することにより測定する。
本発明の薄膜形成装置に係る電極においては、電極の少なくとも基材と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。このように誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安定化できること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、且つ、高精度で、耐久性を大きく向上させることができる。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも基材と接する側の誘電体において行われることが好ましい。更にJIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
本発明に使用する誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。また上限は500℃である。なお、耐熱温度とは、大気圧プラズマ処理で用いられる電圧において絶縁破壊が発生せず、正常に放電できる状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、上記金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
次に、放電空間に供給するガスについて説明する。
供給するガスは、少なくとも放電ガス及び薄膜形成ガスを含有する。放電ガスと薄膜形成ガスは混合して供給してもよいし、別々に供給してもかまわない。
放電ガスとは、薄膜形成可能なプラズマを発生させることのできるガスである。放電ガスとしては、窒素、希ガス、空気、水素ガス、酸素などがあり、これらを単独で放電ガスとして用いても、混合して用いてもかまわない。本発明において、放電ガスとして好ましいのは窒素である。放電ガスの50〜100体積%が窒素ガスであることが好ましい。このとき、放電ガスとして窒素以外の放電ガスとしては、希ガスを50体積%未満含有することが好ましい。また、放電ガスの量は、放電空間に供給する全ガス量に対し、90〜99.9体積%含有することが好ましい。
薄膜形成ガスとは、それ自身が解離もしくは励起して活性となり、基材上に化学的に堆積して薄膜を形成する原料のことである。
次に、本発明に使用する薄膜を形成するために放電空間に供給するガスについて説明する。基本的に放電ガスと薄膜形成ガスであるが、更に、添加ガスを加えることもある。放電空間に供給する全ガス量中、放電ガスを90〜99.9体積%含有することが好ましい。
本発明に使用する薄膜形成ガスとしては、有機金属化合物、ハロゲン金属化合物、金属水素化合物等を挙げることができる。
本発明に有用な有機金属化合物は下記の一般式(I)で示すものが好ましい。
1xMR2y3z ・・・・一般式(I)
式中、Mは金属、R1はアルキル基、R2はアルコキシ基、R3はβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基であり、金属Mの価数をmとした場合、x+y+z=mであり、x=0〜m、又はx=0〜m−1であり、y=0〜m、z=0〜mで、何れも0又は正の整数である。R1のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができる。R2のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等を挙げることができる。またアルキル基の水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。R3のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基としては、β−ジケトン錯体基として、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトンあるいはアセトアセトンともいう)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸エステル錯体基として、例えば、アセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸プロピルエステル、トリメチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸メチル等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸として、例えば、アセト酢酸、トリメチルアセト酢酸等を挙げることができ、またケトオキシとして、例えば、アセトオキシ基(又はアセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を挙げることができる。これらの基の炭素原子数は、上記例有機金属示化合物を含んで、18以下が好ましい。また例示にもあるように直鎖又は分岐のもの、また水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。
本発明において取り扱いの問題から、安全な有機金属化合物が好ましく、分子内に少なくとも一つ以上の酸素を有する有機金属化合物が好ましい。このようなものとしてR2のアルコキシ基を少なくとも一つを含有する有機金属化合物、またR3のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基を少なくとも一つ有する金属化合物が好ましい。
なお、具体的な有機金属化合物については後述する。
本発明において、放電空間に供給するガスには、放電ガス、薄膜形成性ガスの他に、薄膜形成の反応を促進する添加ガスを混合してもよい。添加ガスとしては、酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アンモニア等を挙げることができるが、酸素、一酸素化炭素及び水素が好ましく、これらから選択される成分を混合させるのが好ましい。その含有量はガス全量に対して0.01〜5体積%含有させることが好ましく、それによって反応促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成することができる。
上記形成された酸化物又は複合化合物の薄膜の膜厚は、0.1〜1000nmの範囲が好ましい。
本発明において、薄膜形成性ガスに使用する有機金属化合物、ハロゲン化金属、金属水素化合物の金属として、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を挙げることができる。
本発明の薄膜形成装置は、上記のような有機金属化合物、ハロゲン金属化合物、金属水素化合物等の金属化合物を放電ガスと共に使用することにより様々な高機能性の薄膜を得ることができる。本発明の薄膜の例を以下に示すが、本発明はこれに限られるものではない。
電極膜 Au、Al、Ag、Ti、Ti、Pt、Mo、Mo−Si
誘電体保護膜 SiO2、SiO、Si34、Al23、Al23、Y23
透明導電膜 In23、SnO2
エレクトロクロミック膜 WO3、IrO2、MoO3、V25
蛍光膜 ZnS、ZnS+ZnSe、ZnS+CdS
磁気記録膜 Fe−Ni、Fe−Si−Al、γ−Fe23、Co、Fe34、Cr、SiO2、AlO3
超導電膜 Nb、Nb−Ge、NbN
太陽電池膜 a−Si、Si
反射膜 Ag、Al、Au、Cu
選択性吸収膜 ZrC−Zr
選択性透過膜 In23、SnO2
反射防止膜 SiO2、TiO2、SnO2
シャドーマスク Cr
耐摩耗性膜 Cr、Ta、Pt、TiC、TiN
耐食性膜 Al、Zn、Cd、Ta、Ti、Cr
耐熱膜 W、Ta、Ti
潤滑膜 MoS2
装飾膜 Cr、Al、Ag、Au、TiC、Cu
尚、上記窒化物の窒化度、酸化物の酸化度、硫化物の硫化度、炭化物の炭化度は一例であり、金属との組成比は適宜変化してよい。また、薄膜には、上記金属化合物以外に、炭素化合物、窒素化合物、水素化合物等の不純物が含有されてもよい。
本発明において、特に好ましい金属化合物の金属は、上記のうちSi(珪素)、Ti(チタン)、Sn(錫)、Zn(亜鉛)、In(インジウム)及びAl(アルミニウム)であり、これらの金属と結合する金属化合物のうち、上記一般式(I)で示した有機金属化合物が好ましい。
有機金属化合物の例示については後述する。
ここで、上記の高機能膜のうち反射防止膜(層)及び反射防止膜を積層した反射防止フィルム及び透明導電フィルムについて詳細に説明する。
本発明に係る高機能膜のうちの反射防止フィルムの反射防止層は中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層それぞれの薄膜が積層されたものである。
本発明に係る反射防止層薄膜形成性用のガス材料において、高屈折率層を形成するチタン化合物、中屈折率層を形成する錫化合物、低屈折率層を形成する珪素化合物について述べる。反射防止層を有する反射防止フィルムは、各屈折率層を基材上に直接又は他の層を介して積層して得られるものであるが、積層は、例えば、図2のような大気圧プラズマ放電処理装置を、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順に3層を積層するために、直列に3基並べて連続的に処理することができ、この連続的積層処理は品質の安定や生産性の向上等から本発明の薄膜の形成に適している。また積層せずに、1層処理ごと、処理後巻き取り、逐次処理して積層してもよい。本発明において、反射防止層の上に防汚層を設ける場合には、上記の大気圧プラズマ放電処理装置を更にもう1基続けて設置し、4基並べて最後に防汚層を積層してもよい。また、反射防止層を設ける前に、基材の上に予めハードコート層や防眩層を塗布によって設けてもよく、また、その裏側に予めバックコート層を塗布によって設けてもよい。
本発明に係る反射防止フィルムの反射防止層薄膜形成性ガスには、適切な屈折率を得ることのできる化合物であれば制限なく使用できるが、本発明において、高屈折率層薄膜形成性ガスとしてはチタン化合物を、中屈折率層薄膜形成性ガスとしては錫化合物又はチタン化合物と珪素化合物の混合物(又は高屈折率形成用のチタン化合物で形成した層と低屈折率層を形成する珪素化合物で形成した層を積層してもよい)を、また低屈折率層薄膜形成性ガスとしては珪素化合物、フッ素化合物、あるいは珪素化合物とフッ素化合物の混合物を好ましく用いることができる。これらの化合物を屈折率を調節するために、何れかの層の形成用薄膜形成性ガスとして2種以上混合して使用してもよい。
本発明に有用な中屈折率層薄膜形成性ガスに用いる錫化合物としては、有機錫化合物、錫水素化合物、ハロゲン化錫等であり、有機錫化合物としては、例えば、ジブチルジエトキシ錫、ブチル錫トリス(2,4−ペンタンジオナート)、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、エチルエトキシ錫、メチルメトキシ錫、イソプロピルイソプロポキシ錫、テトラブトキシ錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、ジブチリロキシ錫、ジエチル錫、テトラブチル錫、錫ビス(2,4−ペンタンジオナート)、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫(2,4−ペンタンジオナート)、ジメチル錫ジ(2,4−ペンタンジオナート)、ジアセトメチルアセタート錫、ジアセトキシ錫、ジブトキシジアセトキシ錫、ジアセトオキシ錫ジアセトアセトナート等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等を挙げることができ、何れも本発明において、好ましく用いることができる。また、これらの薄膜形成性ガスを2種以上同時に混合して使用してもよい。なお、このようにして、形成された酸化錫層は表面比抵抗値を1011Ω/cm2以下に下げることができるため、帯電防止層としても有用である。
本発明に有用な高屈折率層薄膜形成性ガスに使用するチタン化合物としては、有機チタン化合物、チタン水素化合物、ハロゲン化チタン等があり、有機チタン化合物としては、例えば、トリエトキシチタン、トリメトキシチタン、トリイソプロポキシチタン、トリブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、メチルジメトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、トリエチルチタン、トリイソプロピルチタン、トリブチルチタン、テトラエチルチタン、テトライソプロピルチタン、テトラブチルチタン、テトラジメチルアミノチタン、ジメチルチタンジ(2,4−ペンタンジオナート)、エチルチタントリ(2,4−ペンタンジオナート)、チタントリス(2,4−ペンタンジオナート)、チタントリス(アセトメチルアセタート)、トリアセトキシチタン、ジプロポキシプロピオニルオキシチタン等、ジブチリロキシチタン、チタン水素化合物としてはモノチタン水素化合物、ジチタン水素化合物等、ハロゲン化チタンとしては、トリクロロチタン、テトラクロロチタン等を挙げることができ、何れも本発明において好ましく用いることができる。またこれらの薄膜形成性ガスを2種以上を同時に混合して使用することができる。
本発明に有用な低屈折率層薄膜形成性ガスに使用する珪素化合物としては、有機珪素化合物、珪素水素化合物、ハロゲン化珪素化合物等を挙げることができ、有機珪素化合物としては、例えば、テトラエチルシラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピルシラン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルシランジ(2,4−ペンタンジオナート)、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等、珪素水素化合物としては、テトラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシラン等、ハロゲン化珪素化合物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等を挙げることができ、何れも本発明において好ましく用いることができる。また、前記フッ素化合物を使用することができる。これらの薄膜形成性ガスを2種以上を同時に混合して使用することができる。また、屈折率の微調整にこれら錫化合物、チタン化合物、珪素化合物を適宜2種以上同時に混合して使用してもよい。
上記の有機錫化合物、有機チタン化合物又は有機珪素化合物は、取り扱い上の観点から金属水素化合物、アルコキシ金属が好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、アルコキシ金属が好ましく用いられる。また、上記の有機錫化合物、有機チタン化合物又は有機珪素化合物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常圧で、気体、液体、固体何れの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用される。有機錫化合物、有機チタン化合物又は有機珪素化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキシ金属、テトライソプロポキシ金属などの常温で液体で、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが反射防止膜の形成に好適に用いられる。上記アルコキシ金属は、溶媒によって希釈して使用されても良く、この場合、希ガス中へ気化器等により気化して混合ガスに使用すればよい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。
薄膜形成性ガスについて、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、全ガス中の含有率は、0.01〜10体積%で有することが好ましいが、更に好ましくは、0.01〜1体積%である。
なお、中屈折率層については、上記珪素化合物、上記チタン化合物又は上記錫化合物を、目標とする屈折率に合わせて適宜混合することによっても得ることができる。
なお、各屈折率層の好ましい屈折率と膜厚は、例えば、中屈折率層の酸化錫層では屈折率として1.6〜1.8、また膜厚として50〜70nm程度、高屈折率層の酸化チタン層では屈折率として1.9〜2.4、また膜厚として80〜150nm程度、低屈折率層の酸化珪素層では屈折率として1.3〜1.5、また膜厚として80〜120nm程度である。
次に本発明に係る高機能膜の他の例として透明導電膜を有する薄膜の形成について説明する。
前述の反射防止層を形成する際に使用する有機金属化合物の金属成分がインジウム等の透明性と導電性を有する薄膜を形成すると言う点が若干異なるが、有機基についてはほぼ同じような成分が用いられる。
透明導電膜を形成する好ましい有機金属化合物の金属は、インジウム(In)、亜鉛(Zn)及び錫(Sn)から選ばれる少なくとも1種の金属である。
本発明において、好ましい有機金属化合物の好ましい例は、インジウムトリス(2,4−ペンタンジオナート)、インジウムトリス(ヘキサフルオロペンタンジオナート)、インジウムトリアセトアセタート、トリアセトキシインジウム、ジエトキシアセトキシインジウム、トリイソポロポキシインジウム、ジエトキシインジウム(1,1,1−トリフルオロペンタンジオナート)、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)インジウム、エトキシインジウムビス(アセトメチルアセタート)、ジ(n)ブチル錫ビス(2,4−ペンタンジオナート)、ジ(n)ブチルジアセトキシ錫、ジ(t)ブチルジアセトキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テトラ(i)ブトキシ錫、ビス(2,4−ペンタンジオナート)亜鉛等を挙げることができる。これらの有機金属化合物は一般に市販(例えば、東京化成工業(株)等から)されている。
本発明においては、上記分子内に少なくとも1つの酸素原子を有する有機金属化合物の他に、該有機金属化合物から形成された透明導電膜の導電性を更に高めるために該透明導電膜をドーピングすることが好ましく、薄膜形成性ガスとしての該有機金属化合物とドーピング用有機金属化合物ガスを同時に混合して用いることが好ましい。ドーピングに用いられる有機金属化合物又はフッ素化合物の薄膜形成性ガスとしては、例えば、トリイソプロポキシアルミニウム、トリス(2,4−ペンタンジオナート)ニッケル、ビス(2,4−ペンタンジオナート)マンガン、イソプロポキシボロン、トリ(n)ブトキシアンチモン、トリ(n)ブチルアンチモン、ジ(n)ブチルビス(2,4−ペンタンジオナート)錫、ジ(n)ブチルジアセトキシ錫、ジ(t)ブチルジアセトキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テトラブトキシ錫、テトラブチル錫、亜鉛ジ(2,4−ペンタンジオナート)、六フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン、四フッ化メタン等を挙げることができる。
前記透明導電膜を形成するに必要な有機金属化合物と上記ドーピング用の薄膜形成性ガスの比は、製膜する透明導電膜の種類により異なるが、例えば、酸化インジウムに錫をドーピングして得られるITO膜においては、InとSnの比の原子数比が100:0.1〜100:15の範囲になるように薄膜形成性ガス量を調整することが必要である。好ましくは、100:0.5〜100:10になるよう調整することが好ましい。酸化錫にフッ素をドーピングして得られる透明導電膜(FTO膜という)においては、得られたFTO膜のSnとFの比の原子数比が100:0.01〜100:50の範囲になるよう薄膜形成性ガスの量比を調整することが好ましい。In23−ZnO系アモルファス透明導電膜においては、InとZnの比の原子数比が100:50〜100:5の範囲になるよう薄膜形成性ガスの量比を調整することが好ましい。In:Sn比、Sn:F比及びIn:Zn比の各原子数比はXPS測定によって求めることができる。
本発明において、透明導電薄膜形成性ガスは、混合ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。
本発明において、得られる透明導電膜は、例えば、SnO2、In23、ZnOの酸化物膜、又はSbドープSnO2、FドープSnO2(FTO)、AlドープZnO、SnドープIn23(ITO)等ドーパントによるドーピングした複合酸化物を挙げることができ、これらから選ばれる少なくとも一つを主成分とするアモルファス膜が好ましい。またその他にカルコゲナイド、LaB6、TiN、TiC等の非酸化物膜、Pt、Au、Ag、Cu等の金属膜、CdO等の透明導電膜を挙げることができる。
上記形成された酸化物又は複合酸化物の透明導電膜の膜厚は、0.1〜1000nmの範囲が好ましい。
本発明に用いられる基材について説明する。
本発明に用いられる基材としては、板状、シート状又はフィルム状の平面形状のもの、あるいはレンズその他成形物等の立体形状のもの等の薄膜をその表面に形成できるものであれば特に限定はない。基材が静置状態でも移送状態でもプラズマ状態の混合ガスに晒され、均一の薄膜が形成されるものであれば基材の形態又は材質には制限ない。形態的には平面形状、立体形状でもよく、平面形状のものとしては、ガラス板、樹脂フィルム等を挙げることができる。材質的には、ガラス、樹脂、陶器、金属、非金属等様々のものを使用できる。具体的には、ガラスとしては、ガラス板やレンズ等、樹脂としては、樹脂レンズ、樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂板等を挙げることができる。
樹脂フィルムは本発明に係る大気圧プラズマ放電処理装置の電極間又は電極の近傍を連続的に移送させて透明導電膜を形成することができるので、スパッタリングのような真空系のようなバッチ式でない、大量生産に向き、連続的な生産性の高い生産方式として好適である。
樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂レンズ、樹脂成形物等成形物の材質としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースアセテートブチレートのようなセルロースエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリメチルアクリレート、アクリレートコポリマー等を挙げることができる。
これらの素材は単独であるいは適宜混合されて使用することもできる。中でもゼオネックスやゼオノア(日本ゼオン(株)製)、非晶質シクロポリオレフィン樹脂フィルムのARTON(ジェイエスアール(株)製)、ポリカーボネートフィルムのピュアエース(帝人(株)製)、セルローストリアセテートフィルムのコニカタックKC4UX、KC8UX(コニカ(株)製)などの市販品を好ましく使用することができる。更に、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン及びポリエーテルスルフォンなどの固有複屈折率の大きい素材であっても、溶液流延製膜、溶融押し出し製膜等の条件、更には縦、横方向に延伸条件等を適宜設定することにより使用することができるものを得ることができる。
これらのうち光学的に等方性に近いセルロースエステルフィルムが本発明の光学素子に好ましく用いられる。セルロースエステルフィルムとしては、上記のようにセルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられるものの一つである。セルローストリアセテートフィルムとしては市販品のコニカタックKC4UX等が有用である。
これらの樹脂の表面にゼラチン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂等を塗設したものも使用できる。またこれら樹脂フィルムの薄膜側に防眩層、クリアハードコート層、バリア層、防汚層等を設けてもよい。また、必要に応じて接着層、アルカリバリアコート層、ガスバリア層や耐溶剤性層等を設けてもよい。
また、本発明に用いられる基材は、上記の記載に限定されない。フィルム形状のものの膜厚としては10〜1000μmが好ましく、より好ましくは40〜200μmである。
本発明を実施例により詳述するが、これらに限定されない。
本実施例は、ロール回転電極とそれに対向して設置された複数の電極によるフィルムへのプラズマ処理の実験である(図2(b)参照)。
なお、図2(a)に示す構成により、平板状の基材に対しても同じ実験を行い同様な結果を得たが、ここでは、フィルム状の基材を用いることで長時間にわたり連続した検証実験を行うことができた本実施例を示す。
本実施例では、電極母材として、ステンレスSUS316を用い、誘電体は対向する電極の放電面に対し、各々アルミナセラミック溶射被覆を片肉で1mm行った後、アルコキシシランモノマーを有機溶媒に溶解させた塗布液を、そのセラミックス被膜に対し塗布乾燥後、150℃にて加熱処理することで設けた。
このようにして作成した該電極システムにフィルム基材を設置し、SiO膜の製膜を行った。なお、構成する金属母材は、電極の温度を保温水を循環することで制御することができるものとした。
上記SiO膜を製膜するための混成ガスは、
放電ガス:窒素ガス
反応ガス:酸素ガス(窒素ガスの体積に対し0.1〜21%)
製膜ガス:テトラエトキシシラン蒸気
を用いた。
以上の同一構成による装置において、一つの整合器のみインピーダンス絶対値と位相調整を自動可変で行い、その他の整合器はインピーダンス絶対値を固定し位相のみを調整する実験(本願)、全ての整合器においてインピーダンス絶対値と位相調整を自動可変で行う実験(比較1)、及び全ての整合器においてインピーダンス絶対値を固定し、位相調整のみ自動可変で行う実験(比較2)を行い、表1に示す結果を得た。
なお、HF1〜3の設定出力は300、1000、2000Wの場合でおこない、反射パワーは、電源と電極間の電流及び電圧から計測し、表には実験開始から終了までの最小計測値と最大計測値を記載した。

表1に示すとおり、本発明による実験では、どの設定出力においても、反射パワーの値が小さく、また変動が少なかった。そして、全ての電極で均等で安定した放電が行われたため、基材に対し、均一で精度の良い良質な薄膜を形成することができた。
比較1では、高出力設定になるにつれ、変動の幅が大きくなった。また、放電状況は、常に変動しており、瞬間的に整合がとれる状態があるが、例えば全ての電極について整合がとれる状態などは極めてまれであった。このため、基材に対する薄膜は、不均一なものであった。
比較2は、比較1と同様の変動幅であり、放電状況は、頻繁に変動することはないが、一度整合がとれなくなると対応できず、不整合な状態が継続した。このため、基材に対する薄膜は、ある程度均一ではあるが、望む厚さの膜の形成が困難であった。
以上説明したように、本実施例では、複数ある第2電源HFと高周波電極12の間にあり、インピーダンスを整合する整合器11において、装置の稼働中に少なくとも1つの整合器11でインピーダンス絶対値と位相値を自動調整し、その他の整合器11でインピーダンス絶対値を固定して位相値のみ自動調節する。
したがって、近接する各電極間の相互作用によるインピーダンスの不整合に対応し、かつ、プラズマ状態の変動にも対応するインピーダンス整合を行い、より安定したプラズマ処理による薄膜形成を行うことができる。
前記構成(1)、(2)、(3)、及び(6)に記載の発明によれば、大気圧プラズマによる薄膜形成装置において、整合が大きくはずれることがなく、均一で精度の高い良質な薄膜形成を行うことができる。また、高出力時においても、整合が大きくはずれることがないため、迅速な薄膜形成が可能となり、生産性を向上させることができる。また、複数の電極により異なった膜の精密な形成を一度に行うことができ、生産工程を少なくすることができる。
前記(4)に記載の発明によれば、平面状に装置を配置することで、平面状の堅い基材に対してもプラズマ処理を行うことができる。
前記(5)に記載の発明によれば、ロール型電極を用いることで、フィルム状の基材に対しプラズマ処理を施すことができ、上記ロール型電極を回転させることで、基材に対し連続したプラズマ処理を行うことができる。

Claims (6)

  1. 大気圧若しくはその近傍圧力下においてプラズマを発生させるための複数の電極対と当該電極対に交流電力を供給する交流電源との間に、当該交流電源の出力インピーダンスと前記複数の電極対の各入力インピーダンスとの整合を行う複数のインピーダンス整合器が介挿され、前記交流電源若しくは前記電極対間の電圧及び前記交流電源若しくは前記電極対間に流れる電流に基づいて前記複数のインピーダンス整合器を自動調整する自動調整手段が設けられた薄膜形成装置において、前記自動調整手段は、前記複数のインピーダンス整合器の内のいずれか一つのインピーダンス整合器を除く他のインピーダンス整合器は、絶対値調整用可変コンデンサーを固定し、位相調整用可変コンデンサーのみによりインピーダンスを自動調整し、また前記一つのインピーダンス整合器は、絶対値調整用可変コンデンサー及び位相調整用可変コンデンサーによりインピーダンスを自動調整するように構成した薄膜形成装置。
  2. 請求の範囲第1項に記載の薄膜形成装置において、前記インピーダンス整合器はインピーダンスの絶対値を調整するための可変容量コンデンサを有し、前記自動調整手段は前記可変容量コンデンサの容量を調整する薄膜形成装置。
  3. 請求の範囲第1項に記載の薄膜形成装置において、前記電極対の一方の電極に高周波数の交流電力が供給され、他方の電極に前記一方の電極に供給される交流電力に対して相対的に低い周波数の交流電力が供給される薄膜形成装置。
  4. 請求の範囲第1項に記載の薄膜形成装置において、前記複数対の電極は、一方の電極が平面状に一体に設けられた平面型電極であり、他方の電極が前記一方の電極に対向して個別に分離して設けられた複数の個別電極で構成されている薄膜形成装置。
  5. 請求の範囲第1項に記載の薄膜形成装置において、前記複数対の電極は、一方の電極が周方向に回転可能に設けられたロール型電極であり、他方の電極が前記一方の電極の外周面に対向して個別に分離して設けられた複数の個別電極で構成されている薄膜形成装置。
  6. 請求の範囲第1項に記載の薄膜形成装置を用いて薄膜を形成する方法において、前記複数のインピーダンス整合器の内のいずれか一つのインピーダンス整合器を除く他のインピーダンス整合器は、絶対値調整用可変コンデンサーを固定し、位相調整用可変コンデンサーのみによりインピーダンスを自動調整し、また前記一つのインピーダンス整合器は、絶対値調整用可変コンデンサー及び位相調整用可変コンデンサーによりインピーダンスを自動調整する薄膜形成方法。
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