JP2004010911A - 透明導電膜の形成方法及びた透明導電膜を有する物品 - Google Patents

透明導電膜の形成方法及びた透明導電膜を有する物品 Download PDF

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Abstract

【課題】安全性が高く、生産性に優れ、透過率特性が良好であり、優れた電気特性を有する透明導電膜の形成方法及び該形成方法で形成された透明導電膜を有する物品を提供すること
【解決手段】大気圧または大気圧近傍の圧力下において、不活性ガスと反応性ガスからなる混合ガスを電極間の放電空間に導入してプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒し、基材上に透明導電膜を形成した後、熱処理する透明導電膜の形成方法。
【選択図】    図9

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という。)、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという。)、電子ペーパー、タッチパネルや太陽電池等の各種エレクトロニクス素子に好適に用いられる透明導電膜の形成方法、該方法により形成された透明導電膜を有する物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶表示素子、有機EL素子、太陽電池、タッチパネル、電磁波シールド材、赤外線反射膜等に透明導電膜は広く使用されている。
透明導電膜としては、Pt、Au、Ag、Cu等の金属薄膜、SnO、In、CdO、ZnO、SnO:Sb、SnO:F、ZnO:AL、In:Snなどの酸化物及びドーパントによる複合酸化物膜、カルコゲナイド、LaB、TiN、TiC等の非酸化物膜が用いられている。中でも、錫をドープした酸化インジウム膜(ITO膜)が、優れた電気特性を有し、エッチングによる加工が容易であることなどからしてもっとも広く使用されている。
これらの透明導電膜は、真空蒸着法やスパッタリング法,イオンプレーティング法、真空プラズマCVD法、スプレーパイロリシス法、熱CVD法、ゾルゲル法等により形成することができる。
近年、液晶表示素子、有機EL素子等のフラットパネルディスプレイにおいては大面積化、高精細化が進んでおりより高性能な透明導電膜が求められるようになってきている。特に、液晶表示素子においては、高い電界応答性を有する素子や装置が求められており、そのために、電子移動度の高い透明導電膜が求められている。また、有機EL素子においては、電流駆動方式がとられるために、より低抵抗な透明導電膜が求められている。更に、今後、紙の代替となる軽く、薄いディスプレイが登場すると予測されるが、これらのディスプレイにおいてはある程度の屈曲性が求められることとなる。
上記の透明導電膜の形成方法の中でも、真空蒸着法やスパッタリング法は、低抵抗な透明導電膜を得ることができ、工業的には、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて比抵抗値が10−4Ω・cmオーダーの優れた導電性を有するITO膜を得ることができる。
【0003】
しかしながら、これらの物理的製作法(PVD法)は、気相中で目的物質を基材に堆積させて膜を成長させるものであり、真空装置を使用しなければならず、そのために装置が大がかりで高価となり、また、原料の使用効率が悪くて生産性も低く、大面積の膜を得ることも困難であった。さらに、低抵抗品を得るためには、製膜時に200〜300℃に加熱する必要があり、プラスチックフィルム上に、低抵抗な透明導電膜の形成することは困難である。
また、屈曲性を有する透明導電膜に関しては、特開平4−64034号公報に、有機高分子成形物上に非晶質のインジウム−錫酸化物からなる透明導電層を形成し、しかる後に加熱による熱処理によりインジウム−錫酸化物を結晶質の材料に転化させた透明導電性積層体において、熱処理後の結晶質のインジウム−錫酸化物の結晶粒径が15〜100nmの範囲にあるようにした透明導電膜が開示されているが、生産性に関しては未だ課題が残っている。
また、ゾルゲル法(塗布法)は、分散調液、塗布、乾燥といった多くのプロセスが必要であるだけでなく、被処理基材との接着性が低いために、バインダー樹脂を使用することが必要で、透明性が悪くなってしまう。また、得られた透明導電膜膜の電気特性もPVD法を用いた場合に比較すると劣っている。
また、熱CVD法は、気化した原材料あるいは原材料溶液を基材に吹きつけ、熱分解させることで膜を形成するものであり、装置が簡単で生産性に優れ、大面積の成膜が容易に行えるという利点があるが、通常、焼成時に400℃から500℃での高温処理を必要とするため使用する基材が限られてしまうという問題点を有していた。特に、プラスチックフィルム基材への成膜は困難であった。
上記のゾルゲル法(塗布法)では高機能な薄膜が得られにくい、また、真空装置を用いる方法では生産性が悪いというデメリットを克服する方法として、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する方法(以下、大気圧プラズマCVD法という。)が提案され、特開2000−303175号公報には大気圧プラズマCVD法により透明導電膜を形成する技術が開示されている。しかしながら、得られる透明導電膜は比抵抗値が10−2Ω・cm以上であり、比抵抗値が1×10−3Ω・cm以下であるという電気特性が要求される液晶素子、有機EL素子、PDP、電子ペーパー等のフラットパネルディスプレイ用の透明導電膜とするには不十分であった。
【0004】
更に、CVD法においては、原料にトリエチルインジウムを用いており、この化合物は常温、大気中で発火、爆発の危険性があるなど、安全性にも問題があった。また、特開2001−74906号公報には、ハードコート層/透明導電層/反射防止層とを高い密着性をもって設け、赤外線及び電磁波防止機能を有し、耐擦傷性、表面硬度に優れたPDP又はFED用反射防止フィルム及びその製造方法が記載されており、透明導電層の例が開示されているが、該公報に記載の透明導電層は低抵抗な透明導電膜ではなく、低抵抗な透明導電膜を得るという要求を満たすものではない。また、基材に高分子フィルムを用いたときには、製造工程、市場での取り扱いに対する機械的な耐性も必要とされるが、これまでの製膜方法では機械的な耐性に問題があった。
以上説明したように、現状では、高い導電性を得る場合、スパッタリングなどの真空プロセスを取らざるを得ず、生産性を上げるのが困難であり、所望の電気、機械特性をもつ透明導電膜を高い生産性で得るプロセスの開発は必須であったそこで、本発明者らは、種々検討した結果、いわゆる大気圧プラズマCVD法を用いることにより、透過率が高く、優れた電気特性を有する透明導電膜を高い生産性で得ることができることを見出した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、安全性が高く、生産性に優れ、透過率特性が良好であり、優れた電気特性を有する透明導電膜の形成方法及び該形成方法で形成された透明導電膜を有する物品を提供することにある。さらなる本発明の目的は、プラスチック上に耐屈曲性に優れた透明導電膜の形成方法及び該形成方法で形成された透明導電膜を有する物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
(1)大気圧または大気圧近傍の圧力下において、不活性ガスと反応性ガスからなる混合ガスを電極間の放電空間に導入してプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒し、基材上に透明導電膜を形成した後、熱処理することを特徴とした透明導電膜の形成方法。
(2)熱処理度が、100〜250℃で行われることを特徴とする上記(1)に記載の透明導電膜の形成方法。
(3)反応性ガスの少なくとも1種が、有機金属化合物であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の透明導電膜形成方法。
(4)少なくとも1種の不活性ガスが、アルゴンまたはヘリウムであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(5)電極間に印加する電界が、周波数100kHz以上の高周波電界であり、且つ、1W/cm以上の電力を供給して放電させることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(6)電極間に印加する電界が、周波数150MHz以下の高周波電界であることを特徴とする上記(5)に記載の透明導電膜の形成方法。
(7)電極間に印加する電界が、周波数200kHz以上の高周波電界であることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の透明導電膜の形成方法。
(8)電極間に印加する電界が、周波数800kHz以上の高周波電界であることを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(9)電極間に供給する電力が、1.2W/cm以上であることを特徴とする上記(5)〜(8)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0007】
(10)電極間に供給する電力が、50W/cm以下であることを特徴とする上記(5)〜(9)のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。
(11)電極間に供給する電力が、20W/cm以下であることを特徴とする上記(5)〜(10)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(12)電極間に印加する電界が、連続したサイン波であることを特徴とする上記(5)〜(11)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(13)電極の少なくとも一方が、誘電体で被覆されてた電極でることを特徴とする上記(5)〜(12)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(14)誘電体が、比誘電率が6〜45の無機物の誘電体であることを特徴とする上記(13)に記載の透明導電膜の形成方法。
(15)電極の表面粗さRmaxが10μm以下であることを特徴とする上記(13)または(14)に記載の透明導電膜の形成方法。
(16)基材の表面温度300℃以下で透明導電膜を形成することを特徴とする上記(1)〜(15)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(17)熱処理が、空気雰囲気下で行われることを特徴とする上記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(18)熱処理が、還元雰囲気下で行われることを特徴とする上記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(19)熱処理が、酸化雰囲気下で行われることを特徴とする上記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0008】
(20)熱処理が、真空雰囲気下で行われることを特徴とする上記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(21)熱処理が、不活性ガス雰囲気下で行われることを特徴とする上記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(22)形成される透明導電膜が、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、Fドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、Sbドープ酸化錫、ITO、In−ZnO系アモルファス透明導電膜であることを特徴とする上記(1)〜(21)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(23)形成される透明導電膜が、In/Sn原子数比で100/0.1〜100/15の範囲にあるITO膜であることを特徴とする上記(1)〜(22)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(24)形成される透明導電膜が、炭素含有量が0〜5.0原子数濃度の範囲にある透明導電膜であることを特徴とする上記(1)〜(23)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
(25)基材上に上記(1)〜(24)のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法によって形成された透明導電膜を有する物品。
(26)基材が、透明樹脂フィルムであることを特徴とする上記(25)に記載の物品。
(27)透明樹脂フィルムが、タッチパネル用フィルム基板、液晶素子プラスチック基板、有機エレクトロルミネッセンス素子プラスチック基板、プラズマディスプレイパネル用電磁遮蔽フィルム、電子ペーパー用フィルム基板であることを特徴とする上記(26)に記載の物品。
(28)透明導電膜が、パターニングされた電極であることを特徴とする上記(27)に記載の物品。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「透明導電膜」の用語は、工業材料の分野で一般に用いられている用語であり、本発明においてはこのような工業材料の分野で一般に用いられている用語の意味で用いられる。
透明導電膜は可視光(400〜700nm)の領域の光を殆んど吸収せず透明で、しかも、導電性を有している膜である。電気を運ぶ自由荷電体の透過特性が可視光域で高く、透明であり、しかも電気伝導性が高いため、透明電極や帯電防止膜として用いられる。
また、本発明において、透明導電膜は、用途によってその機能を有する程度に被処理体上に形成されていればよく、被処理体の全部または一部に連続的に形成されていても、また、不連続に形成されていてもよい。
透明導電膜としては、Pt、Au、Ag、Cu等の金属薄膜、SnO、In、CdO、ZnO、SnO:Sb、SnO:F、ZnO:Al、In:Snなどの酸化物膜及びこれら酸化物とドーパントを用いた複合酸化物膜(ITO、IZO、FTO、ATO)、カルコゲナイド、LaB、TiN、TiC等の非酸化物膜などが挙げられる。
本発明の透明導電膜形成方法は、いわゆる大気圧プラズマCVD法で行われるが、以下、該大気圧プラズマCVD法について説明する。
大気圧プラズマCVD法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、反応性ガスを放電空間に導入してプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒すことによってよって行われる薄膜形成方法であり、本発明において透明導電膜は該方法により形成される。
本発明の大気圧プラズマCVD法においては、例えば、対向する電極間に、100kHz以上の高周波電界で、且つ、100W/cm以下の電力(出力密度)を供給し、反応性ガスを励起してプラズマを発生させる。
本発明において、電極間に印加する高周波電界の周波数は、好ましくは100kHzまたはそれ以上、より好ましくは200kHz以上である。更に好ましくは800kHz以上である。また、150MHz以下が好ましい。
【0010】
また、電極間に供給する電力は、0.5W/cm以上が好ましくは、より好ましくは1W/cm以上である。更に好ましくは1.2W/cmである。また、100W/cm以下が好ましく、より好ましくは50W/cm以下である。更に好ましくは20W/cm以下である。ここで電力とは、電極において放電が起こる範囲の単位面積(cm)当りの電力を表す。
また、電極間に印加する高周波電界は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であっても構わないが、本発明の効果を高く得るためには、連続したサイン波であることが好ましい。
本発明においては、このように電極間に電界を印加して、放電空間において反応性ガスをプラズマ状態とするが、放電空間において均一なグロー放電状態を保つことが好ましく、均一なグロー放電状態を保つことができる電極を採用したプラズマ放電処理装置を用いることが好ましい。
均一なグロー放電状態を保つ電極としては、金属母材上に誘電体を被覆した電極が好ましい。これらの金属母材上に誘電体を被覆した電極は、少なくとも対向する印加電極とアース電極の一方に用いられるが、対向する印加電極とアース電極の双方に用いることがさらに好ましい。
ここで用いる誘電体は、比誘電率が6〜45の無機物であることが好ましく、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等が挙げられる。
また、基材は電極間に載置してあるいは電極間を搬送してプラズマ状態の反応性ガスに晒される。電極間を搬送してプラズマ状態の反応性ガスに晒す場合、基材をロール電極に接して搬送することが行われるが、この場合、ロール電極を基材を接して搬送できるロール電極仕様にするだけでなく、更に、誘電体表面を研磨仕上げし、電極の表面粗さRmax(JIS B 0601)を10μm以下にすることにより、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安定化することができる。更に、熱収縮差や残留応力による歪やひび割れをなくし、かつ、ポーラスで無い高精度の無機誘電体を被覆することで耐久性を大きく向上させることができる。
【0011】
これらの電極の作製において、高温下で金属母材に誘電体の被覆がなされるが、少なくとも透明導電膜を形成する基材と接する側の誘電体を研磨仕上げすること、更に、電極の金属母材と誘電体との熱膨張の差を小さくすることが必要であり、そのために作製において、金属母材表面に、応力を吸収出来る層として泡混入量をコントロールした無機質の材料をライニングするとよい。特に、材質としては琺瑯等の溶融法により得られるガラスが好ましく、更に、導電性金属母材に接する最下層の泡混入量を20〜30vol%とし、次層以降を5vol%以下とすることで、緻密でかつひび割れ等が発生しない良好な電極を得ることができる。
また、電極の金属母材に誘電体を被覆する別の方法として、セラミックスの溶射を空隙率10vol%以下で緻密に行い、更に、ゾルゲル反応により硬化する無機質の材料にて封孔処理を行う方法が挙げられる。ここでゾルゲル反応の促進には、熱硬化やUV硬化を用いるのがよく、更に、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、より一層無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極ができる。
【0012】
本発明の透明導電膜形成方法に用いるプラズマ放電処理装置としては、従来用いられているプラズマ放電処理装置を用いることができるが、本発明に好ましく用いられる上記のような電極を有するプラズマ放電処理装置を図を用いて説明する。
図1〜図8はプラズマ放電処理装置におけるプラズマ放電処理容器及びそれに用いる電極を説明するためのものであって、該プラズマ放電処理容器においては、アース電極となるロール電極と、対向する位置に配置された印加電極となる固定電極との間で放電させ、当該電極間に反応性ガスを導入してプラズマ状態とし、ロール電極に巻回された長尺フィルム状の基材をこのプラズマ状態の反応性ガスに晒し、薄膜を形成する。
本発明において、透明導電膜の形成に用いられるプラズマ放電処理容器はこれに限定されるものではなく、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、グロー放電を安定に維持し、透明導電膜を形成するための反応性ガスを励起してプラズマ状態とすることができるものであればいずれでもよい。
他の方式としては、基材を電極間ではない電極近傍に載置しあるいは搬送させ、別個に発生させたプラズマを当該基材上に吹き付けて薄膜の形成を行ういわゆるジェット方式等が挙げられる。
【0013】
図1は、本発明の透明導電膜形成方法に用いられるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の一例を示す概略図である。
図1において、長尺フィルム状の基材Fは搬送方向(図中、時計回り)に回転するロール電極25に巻回されながら搬送される。固定されている電極26は複数の円筒から構成され、ロール電極25に対向させて設置される。ロール電極25に巻回された基材Fは、ニップローラ65、66で押圧され、ガイドローラ64で規制されてプラズマ放電処理容器31によって確保された放電処理空間に搬送され、放電プラズマ処理される。次いで、ガイドローラ67を介して次工程に搬送される。また、仕切板54は前記ニップローラ65、66に近接して配置され、基材Fに同伴する空気がプラズマ放電処理容器31内に進入するのを抑制する。
基材Fに同伴されてプラズマ放電処理容器31内に持ち込まれる空気は、プラズマ放電処理容器31内の気体の全体積に対し、1体積%以下に抑えることが好ましく、0.1体積%以下に抑えることがより好ましい。前記ニップローラ65および66により、それを達成することが可能である。
なお、放電プラズマ処理に用いられる混合ガス(不活性ガスと、反応性ガスである還元ガスおよび有機金属化合物)は、給気口52からプラズマ放電処理容器31に導入され、処理後のガスは排気口53から排気される。
【0014】
図2は、図1に示されたプラズマ放電処理容器とは異なる、本発明の透明導電膜形成方法に用いられるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の他の一例を示す概略図である。
図1においては、電極として、ロール電極25に対向する固定されている電極26は円柱型の電極が用いられているのに対し、図2においては、電極として、ロール電極25に対向する固定されている電極としては角柱型電極36が用いられている。
図2に示した角柱型電極36は、図1に示した円柱型の電極26に比べて放電の範囲が広がるので、本発明の導電膜形成方法に好ましく用いられる。
図3は、図1及び図2に示された円筒型のロール電極の一例を示す概略図、図4は、同じく図1及び図2に示された円筒型のロール電極の他の一例を示す概略図、図5は、図1に示された円筒型で固定されている電極の一例を示す概略図、図6は、図1に示された円筒型で固定されている電極の他の一例を示す概略図、図7は、図2に示された角柱型で固定されている電極の一例を示す概略図、図8は、図2に示された角柱型で固定されている電極の他の一例を示す概略図である。
【0015】
図3において、アース電極となるロール電極25cは、金属等の導電性母材25aに対しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理誘電体25bを被覆した組み合わせで構成されている。セラミック被覆処理誘電体25bを片肉で1mm被覆し、ロール径を被覆後200mmφとなるように製作される。ロール電極25cはアースされる。また、図4に示すように、金属等の導電性母材25Aへライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体25Bを被覆した組み合わせてロール電極25Cを構成してもよい。ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス等が好ましく用いられるが、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易いので、更に好ましく用いられる。金属等の導電性母材25a、25Aの材料としては、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属等が挙げられるが、加工の観点からするとステンレスが好ましい。また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ましく用いられる。
なお、実際に使用する形態においては、ロール電極の母材は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットを有するロール母材が使用される(不図示)。
【0016】
図5及び図6は、図1に示す印加電極である固定された電極26を、図7及び図8は、図2に示す固定された角柱型電極36を説明するものであって、図5における固定の電極26c及び図7における電極36cは、図3におけるロール電極25cと同様に金属等の導電性母材26a、36aに対しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理誘電体26b,36bを被覆した組み合わせで構成されており、図6における固定の電極26C及び図7における電極36Cは、図3におけるロール電極25cと同様に金属等の導電性母材26A、36Aへライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体26B、36Bを被覆した組み合わせて電極26C36Cを構成している。
なお、実際に使用する形態においては、電極の母材とし中空のステンレスパイプが使用されており(不図示)、セラミック被覆処理誘電体を被覆した後の直径は12mmまたは15mmとなるように製作される。また、当該固定電極は、上記ロール電極の周囲に沿って14本設置している。
電極に印加する電源は、特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等が使用できる。
【0017】
図9は、本発明の透明導電膜形成方法に用いられるプラズマ放電処理装置の一例を示す概念図である。
図9において、プラズマ放電処理容器31は図2に記載のプラズマ放電処理容器と同じ構成になっている。
また、反応性ガス発生装置51、電源41、電極冷却ユニット60、ポンプP等が装置構成として配置されている。電極冷却ユニット60の冷却剤としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が用いられる。
図9に記載の電極25、36は、図3〜図8に示した電極と同様であり、対向する電極間のギャップは、例えば、1mm程度に設定される。
電極間距離は、電極の母材に設置した固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。
電極の一方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体と電極の最短距離、電極の双方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行せるという観点から0.5mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは1mm±0.5mmである。
プラズマ放電処理容器31内にロール電極25、固定されている電極36を所定位置に配置し、反応性ガス発生装置51で発生させた混合ガスを流量制御して、給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に導入し、プラズマ放電処理容器31内をプラズマ処理に用いる混合ガスで充填する。使用済の反応性ガスは排気口53より排気される。
次に、ロール電極25はアースし、電源41により電極36に電圧を印加して放電プラズマを発生させる。ここで基材Fはロール状の元巻き基材61より供給される。供給された基材Fはガイドローラ64により導かれ、プラズマ放電処理容器31内の電極間を、ロール電極25に接触した状態で搬送され、搬送中に放電プラズマにより表面が放電処理され、その後にガイドローラ67に導かれ、次工程に搬送される。ここで、基材Fはロール電極25に接触している側の反対の面のみに導電膜が形成される。
電源41より固定されている電極36に印加する電圧は適宜決定されるが、例えば、電圧は0.5〜10kV程度、電源周波数は0.5kHz以上150MHz以下に調整される。ここで電源の印加法に関しては、連続モードといわれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードといわれる断続的にON/OFFを行う断続発振モードのどちらを採用してもよいが、連続モードの方がより緻密で良質な膜が得られる。
【0018】
プラズマ放電処理容器31にはパイレックス(R)ガラス製の容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製の容器を用いることも可能であり、例えば、アルミニウム、ステンレスのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けた容器、金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性を持たせた容器が用いられる。
また、放電プラズマ処理時の基材への影響を最小限に抑制するために、放電プラズマ処理時の基材表面の温度を常温(15℃〜25℃)〜300℃に調整することが好ましく、更に好ましくは、常温〜200℃、より好ましくは常温〜100℃に調整することである。上記の温度範囲に調整するために、必要に応じて電極、基材を冷却手段で冷却することができる。
本発明においては、上記の放電プラズマ処理が大気圧または大気圧近傍で行われるが、ここで大気圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力をいい、本発明の効果を好ましく得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
また、本発明の導電膜形成方法に用いる放電用電極においては、少なくとも基材と接する側の電極表面のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値を8μm以下、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。
また、JIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
【0019】
次に、本発明の透明導電膜の形成方法に用いられる混合ガスについて説明する。
本発明に用いられる混合ガスは、不活性ガスと反応性ガスからなり、放電空間でプラズマ状態となり、導電膜を形成する。
本発明で用いられる不活性ガスとしては、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンが、更には窒素ガス等が挙げられるが、本発明に記載の効果を得るためには、アルゴンまたはヘリウムが特に好ましく用いられる。
本発明において、反応性ガスは複数用いることが可能であるが、その少なくとも1種は、放電空間でプラズマ状態となり、透明導電膜を形成する成分である。このような反応性ガスとしては特に制限はないが、有機金属化合物が好ましく用いられる。有機金属化合物は、透明導電膜を形成し、気化するものであれば特に種類は問わないが、分子内に酸素を有する有機金属化合物が好ましく、特に、βジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物を好ましく用いることができる。
より好ましい有機金属化合物は、以下の一般式1または一般式2で表される有機金属化合物である。
【0020】
【化1】
Figure 2004010911
〔一般式1及び2において、MはIn、Sn、Znを表し、R、Rはそれぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルコキシル基を表し、Rは水素原子、置換基を表し、また、RはR、Rと結合して環を形成してもよい。Rはそれぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基を表す。nは整数を表し、nは整数を表す。〕
一般式1で表される有機金属化合物を形成する配位子の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。
【0021】
【化2】
Figure 2004010911
【0022】
【化3】
Figure 2004010911
また、下記のジケトン化合物も配位子として好ましい。
【0023】
【化4】
Figure 2004010911
【0024】
一般式1及び2におけるMとしてはインジウム(In)が好ましい。
本発明の有機金属化合物の中で好ましい例としては、インジウムヘキサフルオロペンタンジオネート、インジウムメチル(トリメチル)アセチルアセテート、インジウムアセチルアセトナート、インジウムイソポロポキシド、インジウムトリフルオロペンタンジオネート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、ジンクアセチルアセトナート等を挙げることができる。
この中で特に好ましいのはインジウムアセチルアセトナート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジンクアセチルアセトナート、ジ−n−ブチルジアセトキシスズである。これらの有機金属化合物は一般に市販されており、例えば、インジウムアセチルアセトナートは東京化成工業(株)から容易に入手することができる。
本発明においては、これらの有機金属化合物と共に、導電膜の導電性を向上させるためにドーピング剤を反応ガスとして含有させることができる。これらドーピング剤としては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、ニッケルアセチルアセトナート、マンガンアセチルアセトナート、ボロンイソプロポキシド、n−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブチルアンチモン、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、テトラブチルスズ、ジンクアセチルアセトナート、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタン、4フッ化メタン等を挙げることができる。
反応性ガスにおけるドーピング剤の量は、成膜する透明導電膜の種類により異なる。例えば、酸化インジウムにスズをドーピングして得られるITO膜においては、ITO膜におけるIn/Snの原子数比が100/0.1〜100/15の範囲になるように反応性ガスを調整する。さらに好ましいIn/Snの原子数比は、100/0.5〜100/10の範囲である。また、酸化錫にフッ素をドーピングして得られFTO膜においては、FTO膜におけるSn/Fの原子数比が100/0.01〜100/50の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。In−ZnO系アモルファス透明導電膜においては、In/Znの原子数比が100/50〜100/5の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。
ITO膜におけるIn/Snの原子数比、FTO膜におけるSn/Fの原子数比、In−ZnO系アモルファス透明導電膜におけるIn/Znの原子数比はXPS法により求めることができる。
【0025】
また、導電膜の抵抗値を調整するために、反応性ガスとして、例えば、チタントリイソプロポキシド、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等を用いることができる。
更に、透明導電膜の抵抗値を調整するために反応性ガスを追加することもできる。透明導電膜の抵抗値を調整するために用いる反応性ガスとしては、例えば、チタントリイソプロポキシド、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることができる。
さらに本発明においては、透明導電膜の構成元素を含む反応ガスの他に、反応性ガスとして、酸素などの酸化性を有するガス、水素などの還元性を有するガス、その他、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素などを適宜用いることもできる。
上記反応性ガスは、混合ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。
本発明の透明導電膜の形成方法により、厚さ0.1nm〜1000nmの範囲の透明導電膜を得ることができる。
本発明の透明導電膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、不活性ガスと反応性ガスからなる混合ガスを電極間の放電空間に導入してプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒し、基材上に透明導電膜を形成した後に、熱処理をするが、熱処理の温度としては100〜250℃の範囲が好ましい。好ましくは100から200℃の範囲である。加熱の雰囲気は特に制限はなく、空気雰囲気、水素などの還元性ガスを含有する還元雰囲気、酸素などの酸化性ガスを含有する酸化雰囲気、あるいは、真空、不活性ガス雰囲気下のうちから適宜選択することが可能である。還元、酸化雰囲気である場合、還元性ガス、酸化性ガスは希ガスや窒素などの不活性ガスで希釈して用いることが好ましい。この場合、還元性ガス、酸化性ガスの濃度は0.01から5%が好ましく、より好ましくは0.1から3%である。
【0026】
また、本発明の透明導電膜の形成方法で反応性ガスとして有機金属化合物を用いる場合、得られる透明導電膜は、微量の炭素を含有することがあるが、炭素含有率は、0〜5.0原子数濃度の範囲内にあることが好ましく、特に、0.01〜3原子数濃度の範囲内にあることが好ましい。
本発明の透明導電膜の形成方法に用いることができる基材しては、フィルム状のもの、シート状のもの、レンズ状等の立体形状のもの等、透明導電膜をその表面に形成できるものであれば特に限定はない。
これら基材は、電極間に載置できるものであれば電極間に載置することによって、基材が電極間に載置できないものであれば発生したプラズマを当該基材に吹き付けることによって導電膜の形成を行うことができる。
基材を構成する材料も特に限定はない。ガラスを用いることも可能であるが、大気圧または大気圧近傍の圧力下であることと、低温のグロー放電で透明導電膜が形成することができることから、樹脂フィルムに対しても透明導電膜が形成することができる。
これら樹脂フィルムとしては、例えば、セルローストリアセテート等のセルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレンなどのフィルム、更にこれらの上にゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂等を塗設したものなどを使用することができる。
また、これら基材には、防眩層、クリアハードコート層、バックコート層、帯電防止層を塗設した基材も含まれる。
【0027】
上記の基材としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースナイトレートフィルム等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムあるいはポリアリレート系フィルム等を挙げることができる。
上記のフィルムの素材は単独であるいは適宜混合されて使用することもできる。中でも、ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴム(株)製)などの市販品を好ましく使用することができる。更に、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン及びポリエーテルスルフォンなどの固有複屈折率の大きい素材であっても、溶液流延、溶融押し出し等の条件、更には縦、横方向に延伸条件等を適宜設定することにより使用することができる。
以上、本発明の透明導電膜の形成方法に用いられる基材について説明したが、本発明において用いられる基材は、これらの記載によって限定されるものではない。
また、上記のフィルム状の基材としては、10μm〜1000μmの膜厚のものが好ましく用いられる。
また、本発明の基材としては上記の樹脂フィルムの他に、ガラス等の耐熱性を有する基材を用いることもできる。
【0028】
また、本発明によって導電膜を形成する場合、必要に応じて、基材と透明導電性膜の間に接着性を向上させるために接着層を設けてもよい。また、光学特性を改良するために、透明導電膜を設けた面の反対の面に反射防止膜を設けることもできる。さらに、フィルムの最外層に防汚層を設けることも可能である。その他、必要に応じてガスバリア性、耐溶剤性を付与するための層等を設けることもできる。
これらの層の形成方法は特に限定はなく、塗布法、真空蒸着法、スパッタリング法、大気圧プラズマCVD法等を用いることができる。特に好ましいのは大気圧プラズマCVD法である。
これらの層の大気圧プラズマCVDによる形成方法、例えば、反射防止膜の形成方法としては、特願2000−021573号明細書等に開示された方法を用いることができる。
本発明においては、透明導電膜を設ける場合、透明導電膜の膜厚偏差は平均膜厚の±10%になるように設けることが好ましく、更に好ましくは±5%以内にすることであり、特に好ましくは±1%以内になるようすることでる。
【0029】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
175μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に、有機硅素化合物のブタノール,イソプロパノール混合アルコール水溶液(オルトケイ酸テトラエチル0.6g、ブタノール30g、イソプロパノール65g、水4.4gを混合した溶液)をバーコーターで塗布し、140℃で1分間乾燥し、ポリエチレンテレフタレート基材(PET基材)を得た。乾燥後の膜厚は30nmであった。
プラズマ放電装置には、電極が平行平板型のものを用い、この電極間に上記PET基材を載置し、混合ガスを導入して薄膜形成を行った。
なお、アース(接地)電極としては、200mm×200mm×2mmのステンレス板に高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行い、このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax 5μmとなるように加工した電極を用いた。また、印加電極としては、中空の角型の純チタンパイプに対し、誘電体をアース電極と同様の条件にて被覆した電極を用いた。印加電極は複数作成し、アース電極に対向して設け放電空間を形成した。
また、プラズマ発生に用いる電源としては、日本電子(株)製高周波電源JRF−10000を用い、周波数13.56MHzで、5W/cmの電力を供給した。
電極間に以下の組成の混合ガスを流し、プラズマ状態とし、上記のPET基材を大気圧プラズマ処理し、PET基材上に錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
―混合ガス組成―
電極間に以下の組成の反応性ガスを流した。
不活性ガス:ヘリウム 98.5体積%
反応性ガス1:酸素 0.25体積%
反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積%
反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
製膜後、熱風乾燥機を用い150℃で空気中で加熱処理を行った。
【0030】
得られた錫ドープ酸化インジウム膜を以下の方法で評価した。
<透過率>
JIS−R−1635に従い、日立製作所製分光光度計U−4000型を用いて測定を行った。試験光の波長は550nmとした。
<膜厚、製膜速度>
膜厚はPhotal社製FE−3000反射分光膜厚計により測定し、得られた膜厚をプラズマ処理時間で除したものを製膜速度とした。
<抵抗率>
JIS−R−1637に従い、四端子法により求めた。なお、測定には三菱化学製ロレスタ−GP、MCP−T600を用いた。
<炭素含有率の測定>
膜組成、炭素含有率は、XPS表面分析装置を用いて求めた。用いるXPS表面分析装置は特に限定はなく、如何なる機種も使用することができるが、本実施例においては、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いた。測定は、X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で行った。エネルギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で規定したとき、1.5〜1.7eVとなるように設定した。
測定を行う前に、汚染による影響を除くために、薄膜の膜厚の10〜20%の厚さに相当する表面層をエッチング除去した。表面層の除去には、希ガスイオンが利用できるイオン銃を用いることが好ましく、イオン種としては、He、Ne、Ar、Xe、Krなどが利用できる。本測定においては、Arイオンエッチングを用いて表面層を除去した。
【0031】
先ず、結合エネルギー0eVから1100eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定し、いかなる元素が検出されるかを求めた。
次に、検出された、エッチングイオン種を除く全ての元素について、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンを行い、各元素のスペクトルを測定した。得られたスペクトルは、測定装置、あるいは、コンピューターの違いによる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするために、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM(Ver.2.3以降が好ましい。)上に転送した後、同ソフトで処理を行い、炭素含有率の値を原子数濃度(atomic concentration:at%)として求めた。
また、錫とインジウムの比も、上記結果から得られた原子数濃度の比として求めた。
また、定量処理をおこなう前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションを行い、5ポイントのスムージング処理を行った。定量処理では、バックグラウンドを除去したピークエリア強度(cps×eV)を用いた。バックグラウンド処理には、Shirley法を用いた。
Shirley法については、D.A.Shirley,Phys.Rev.,B5,4709(1972)を参考にすることができる。
<屈曲性>
得られた錫ドープ酸化インジウム膜を形成したPET基材を抵抗値を測定した。得られた抵抗値をRとする。また、透明導電層が外側になるように、得られた錫ドープ酸化インジウム膜を形成したPET基材をφ6mmの丸棒の周囲に沿って100gの荷重をかけて捲きつけ1分間変形させて元に戻した後に抵抗値を測定した。得られた抵抗値をRとする。変形させる前の抵抗値RとRの比R/Rを求め屈曲性を評価した。
【0032】
(実施例2)
実施例1において、製膜後の加熱処理をアルゴン気流中150℃で加熱することで行った以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(実施例3)
実施例1において、製膜後の加熱処理を2%水素を含む窒素気流中150℃で加熱することで行った以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(比較例1)
実施例1において、製膜後の加熱処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(比較例2)
実施例1で用いたPET基材を、直流方式マグネトロンスパッタ装置の基材保持台に固定し、真空槽内を真空度6.7mPaまで排気した。その後、Ar/O混合ガス(Ar80%)を真空槽内に導入し、真空度を0.27Paとした後、In/Sn合金(Sn含有量5重量%)よりなるスパッタリングターゲットを用い反応性スパッタリング法によりPET基材上に錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
製膜後、熱風乾燥機を用い150℃で空気中で加熱処理を行った。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(比較例3)
比較例2において、製膜後、アルゴン気流中150℃で加熱して加熱処理を行った以外は比較例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
【0033】
(比較例4)
比較例2において、製膜後、2%水素を含む窒素気流中150℃で加熱して加熱処理を行った以外は比較例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(比較例5)
比較例2において、製膜後の加熱処理を行わなかった以外は比較例2と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(比較例6)
京都エレックス(株)製有機ITOペーストニューフロコートEC−Lをディップコート液として用い、実施例1で用いたPET基材上にディップコートして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(実施例4)
実施例1において、プラズマを、周波数10kHz、5W/cmの電力を供給して発生させた以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(実施例5)
実施例1において、プラズマを、周波数200kHz、5W/cmの電力を供給して発生させた以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(実施例6)
実施例1において、プラズマを、周波数800kHz、5W/cmの電力を供給して発生させた以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
【0034】
(実施例7)
実施例1において、特開2001−74906号公報に記載の実施例1と同様に、波高値10kV、放電電流密度100mA/cm、周波数6kHzのパルス電界を印加し、且つ、5W/cmの電力を供給して発生させた以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。(実施例8)
実施例1において、プラズマを発生させる電力を0.1W/cmとした以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(実施例9)
実施例1において、プラズマを発生させる電力を1W/cmとした以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(実施例10)
実施例1において、プラズマを発生させる電力を1.5W/cmとした以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(実施例11)
実施例1において、プラズマを発生させる電力を10W/cmとした以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(実施例12)
実施例1において、PET基材を流延法で形成したポリカーボネートフィルム(帝人社製ピュアエース:厚さ100μm)に代えた以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
【0035】
(実施例13)
実施例2において、PET基材を流延法で形成したポリカーボネートフィルム(帝人社製ピュアエース:厚さ100μm)に代えた以外は実施例2と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(比較例7)
比較例1において、PET基材を流延法で形成したポリカーボネートフィルム(帝人社製ピュアエース:厚さ100μm)に代えた以外は比較例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
(比較例8)
比較例2において、PET基材を流延法で形成したポリカーボネートフィルム(帝人社製ピュアエース:厚さ100μm)に代えた以外は比較例2と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
得られた錫ドープ酸化インジウム膜について実施例1と同様に評価を行った。
実施例1〜13及び比較例1〜8で得られた結果を併せて表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004010911
【0037】
【発明の効果】
本発明の透明導電膜の形成方法によれば、プラスチック基材上に安全性が高く、生産性に優れ、透過率特性が良好であり、優れた電気特性を有する透明導電膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電膜形成方法に用いられるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の透明導電膜形成方法に用いられるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の他の一例を示す概略図である。
【図3】プラズマ放電処理容器に用いられる円筒型のロール電極の一例を示す概略図である。
【図4】プラズマ放電処理容器に用いられる円筒型のロール電極の一例を示す概略図である。
【図5】プラズマ放電処理容器に用いられる固定型の円筒型電極の一例を示す概略図である。
【図6】プラズマ放電処理容器に用いられる固定型の円筒型電極の一例を示す概略図である。
【図7】プラズマ放電処理容器に用いられる固定型の角柱型電極の一例を示す概略図である。
【図8】プラズマ放電処理容器に用いられる固定型の角柱型電極の一例を示す概略図である。
【図9】本発明の透明導電膜形成方法に用いられるプラズマ放電処理装置の説明図である。
【符号の説明】
25、25c25C;ロール電極
26、26c26C、36、36c36C;電極
25a、25A、26a、26A、36a、36A;金属等の導電性母材
25b、26b、36b;セラミック被覆処理誘電体
25B、26B、36B;ライニング処理誘電体
31;プラズマ放電処理容器
41;電源
51;ガス発生装置
52;給気口
53;排気口
60;電極冷却ユニット
61;元巻き基材
65、66;ニップローラ
64、67;ガイドローラ

Claims (28)

  1. 大気圧または大気圧近傍の圧力下において、不活性ガスと反応性ガスからなる混合ガスを電極間の放電空間に導入してプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒し、基材上に透明導電膜を形成した後、熱処理することを特徴とした透明導電膜の形成方法。
  2. 熱処理度が、100〜250℃で行われることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の形成方法。
  3. 反応性ガスの少なくとも1種が、有機金属化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電膜形成方法。
  4. 少なくとも1種の不活性ガスが、アルゴンまたはヘリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  5. 電極間に印加する電界が、周波数100kHz以上の高周波電界であり、且つ、1W/cm以上の電力を供給して放電させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  6. 電極間に印加する電界が、周波数150MHz以下の高周波電界であることを特徴とする請求項5に記載の透明導電膜の形成方法。
  7. 電極間に印加する電界が、周波数200kHz以上の高周波電界であることを特徴とする請求項5または6に記載の透明導電膜の形成方法。
  8. 電極間に印加する電界が、周波数800kHz以上の高周波電界であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  9. 電極間に供給する電力が、1.2W/cm以上であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  10. 電極間に供給する電力が、50W/cm以下であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。
  11. 電極間に供給する電力が、20W/cm以下であることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  12. 電極間に印加する電界が、連続したサイン波であることを特徴とする請求項5〜11のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  13. 電極の少なくとも一方が、誘電体で被覆されてた電極でることを特徴とする請求項5〜12のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  14. 誘電体が、比誘電率が6〜45の無機物の誘電体であることを特徴とする請求項13に記載の透明導電膜の形成方法。
  15. 電極の表面粗さRmaxが10μm以下であることを特徴とする請求項13または14に記載の透明導電膜の形成方法。
  16. 基材の表面温度300℃以下で透明導電膜を形成することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  17. 熱処理が、空気雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  18. 熱処理が、還元雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  19. 熱処理が、酸化雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  20. 熱処理が、真空雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  21. 熱処理が、不活性ガス雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  22. 形成される透明導電膜が、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、Fドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、Sbドープ酸化錫、ITO、In−ZnO系アモルファス透明導電膜であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  23. 形成される透明導電膜が、In/Sn原子数比で100/0.1〜100/15の範囲にあるITO膜であることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  24. 形成される透明導電膜が、炭素含有量が0〜5.0原子数濃度の範囲にある透明導電膜であることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  25. 基材上に請求項1〜24のいずれか1項に記載の透明導電膜の形成方法によって形成された透明導電膜を有する物品。
  26. 基材が、透明樹脂フィルムであることを特徴とする請求項25に記載の物品。
  27. 透明樹脂フィルムが、タッチパネル用フィルム基板、液晶素子プラスチック基板、有機エレクトロルミネッセンス素子プラスチック基板、プラズマディスプレイパネル用電磁遮蔽フィルム、電子ペーパー用フィルム基板であることを特徴とする請求項26に記載の物品。
  28. 透明導電膜が、パターニングされた電極であることを特徴とする請求項27に記載の物品。
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