JP2002155371A - 半導体素子の製造方法及びその装置 - Google Patents

半導体素子の製造方法及びその装置

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JP2002155371A
JP2002155371A JP2000348738A JP2000348738A JP2002155371A JP 2002155371 A JP2002155371 A JP 2002155371A JP 2000348738 A JP2000348738 A JP 2000348738A JP 2000348738 A JP2000348738 A JP 2000348738A JP 2002155371 A JP2002155371 A JP 2002155371A
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plasma
substrate
gas
helium
semiconductor device
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JP2000348738A
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English (en)
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Koji Shimonishi
弘二 下西
Motokazu Yuasa
基和 湯浅
Koji Honma
孝治 本間
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Sekisui Chemical Co Ltd
Chemitronics Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Chemitronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子の製造工程における透明導電膜の
製造において、大気圧近傍の圧力下で均一なグロー放電
プラズマを継続して発生させ、基材を該プラズマで処理
して、基材上に良質な膜を形成する方法及びその装置の
提供。 【解決手段】 プラズマCVD法による半導体素子にお
ける透明導電膜の形成において、大気圧近傍の圧力下、
対向する一対の電極の少なくとも一方の対向面に固体誘
電体を設置し、当該一対の対向電極間に処理ガスを導入
してパルス状の電界を印加することにより得られるプラ
ズマを基板に接触させ、かつ、該プラズマと基材との接
触部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノ
ンからなる群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に
保たれていることを特徴とする半導体素子の製造方法及
び装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極、面発熱等用
の透明導電膜を常圧プラズマCVD法により形成する半
導体素子の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、半導体素子の一般的構成として
は、基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、シリコン
膜、ソース絶縁体、ドレイン絶縁膜、ソース電極、ドレ
イン電極、パシベーション膜(保護膜)等からなってい
る。ここで、基材としては、ガラス基板又はウェーハ基
板等からなり、電極としては、Al、Cu等の金属又は
金属化合物等からなり、パシベーション膜を含む層間絶
縁体としては、酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素等からな
り、シリコン層としては、Si単結晶層、a−Si層及
びa−SiにP、B、As、Ge等をドーピングされた
材料等からなっている。
【0003】半導体素子は、これらの上記材料を要求機
能に応じて組み合わせ、基材等の洗浄後、その上に電
極、絶縁膜、シリコン層等の薄膜を形成し、さらにドー
ピング、アニール、レジスト処理(例えば、塗布、現
像、ベーキング、レジスト剥離等)を行い、続いて露光
・現像、エッチング等を繰り返す複雑な工程により製造
されている。これらの製造工程においては、絶縁膜の形
成、保護膜の形成、電極の形成、配線用導体膜の形成、
シリコン層の形成等の薄膜形成が重要であり、その形成
方法として、主にプラズマ処理方法が用いられている。
【0004】薄膜の形成法としては、一般に、低圧プラ
ズマCVD,常圧熱CVD、蒸着、スパッタリングなど
がある。また、これまでの常圧プラズマCVDは、ヘリ
ウム雰囲気下など、ガス種が限定されていた。例えば、
ヘリウム雰囲気下で処理を行う方法が特開平2−486
26号公報に、アルゴンとアセトン及び/又はヘリウム
からなる雰囲気下で処理を行う方法が特開平4−745
25号公報に開示されている。
【0005】しかし、上記方法はいずれも、ヘリウム又
はアセトン等の有機化合物を含有するガス雰囲気中でプ
ラズマを発生させるものであり、ガス雰囲気が限定され
る。さらに、ヘリウムは高価であるため工業的には不利
であり、有機化合物を含有させた場合には、有機化合物
自身が被処理体と反応する場合が多く、所望する表面改
質処理が出来ないことがある。
【0006】特に、半導体素子における電極は、Al等
の金属、ITOなどの透明導電膜などにより形成されて
おり、スパッタ法、蒸着法、熱又はプラズマによるCV
D法などで作製されている。スパッタ法等による透明導
電膜は、緻密な膜ができず、また従来のCVD法では、
低温で緻密な膜ができるが、処理速度が遅く工業的な成
膜プロセスには不利であった。さらに、スパッタ法等に
よる透明導電膜の形成は、真空への導入酸素の形で酸素
欠損ドナーの最適化を行うことができ、多く使用されて
いるが、膜の緻密さ及び成膜時に基板への損傷を与える
などの問題があった。
【0007】また、従来のスパッタ法、蒸着法などは、
成膜速度が遅いばかりでなく、装置的にも費用がかかる
という問題があり、さらに、熱又はプラズマによるCV
D法では、低温基材への成膜が困難であり、特に熱CV
D法では、最低400℃程度の温度が必要なことから、
組成の微細な制御による酸素欠損ドナーの最適化ができ
ない、すなわち、低抵抗膜が得られ難いという問題があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑み、半導体素子の製造工程における透明導電膜の製造
において、大気圧近傍の圧力下で均一なグロー放電プラ
ズマを継続して発生させ、基材を該プラズマで処理して
基材上に薄膜を容易に形成することができる方法及びそ
の装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、大気圧条件下で安定した
放電状態を実現できるプラズマCVD法と簡便な雰囲気
制御機構を組み合わせることにより、簡便に高温でも安
定した透明導電膜を形成できることを見出し、本発明を
完成させた。
【0010】すなわち、本発明の第1の発明は、プラズ
マCVD法による半導体素子における透明導電膜の形成
において、大気圧近傍の圧力下、対向する一対の電極の
少なくとも一方の対向面に固体誘電体を設置し、当該一
対の対向電極間に処理ガスを導入してパルス状の電界を
印加することにより得られるプラズマを基板に接触さ
せ、かつ、該プラズマと基材との接触部近傍が窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選
ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保たれていることを
特徴とする半導体素子の製造方法である。
【0011】また、本発明の第2の発明は、ガスカーテ
ン機構により、プラズマと基材との接触部近傍が窒素、
アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から
選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保たれることを特
徴とする第1の発明に記載の半導体素子の製造方法であ
る。
【0012】また、本発明の第3の発明は、プラズマと
基材との接触部の周囲にガス排気機構を有し、その周囲
にガスカーテン機構を有することにより、プラズマと基
材との接触部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオ
ン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上
の雰囲気に保たれることを特徴とする第1又は2の発明
に記載の半導体素子の製造方法である。
【0013】また、本発明の第4の発明は、窒素、アル
ゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選ば
れるいずれか一種以上で満たされた容器中で処理を行う
ことによりプラズマと基材との接触部近傍が窒素、アル
ゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選ば
れるいずれか一種以上の雰囲気に保たれることを特徴と
する第1の発明に記載の半導体素子の製造方法である。
【0014】また、本発明の第5の発明は、容器内に窒
素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群
から選ばれるいずれか一種以上が常時供給されることに
よりプラズマと基材との接触部近傍が窒素、アルゴン、
ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選ばれるい
ずれか一種以上の雰囲気に保たれることを特徴とする第
4の発明に記載の半導体素子の製造方法である。
【0015】また、本発明の第6の発明は、パルス状の
電界が、パルス立ち上がり及び/又は立ち下がり時間が
100μs以下、電界強度が0.5〜250kV/cm
であることを特徴とする第1〜5のいずれかの発明に記
載の半導体素子の製造方法である。
【0016】また、本発明の第7の発明は、パルス状の
電界が、周波数が0.5〜100kHz、パルス継続時
間が1〜1000μsであることを特徴とする第1〜6
のいずれかに発明に記載の半導体素子の製造方法であ
る。
【0017】また、本発明の第8の発明は、プラズマC
VD法による半導体素子における透明導電膜の形成装置
において、少なくとも一方の対向面に固体誘電体が設置
された一対の対向電極と、当該一対の対向電極間に処理
ガスを導入する機構、該電極間にパルス状の電界を印加
する機構、該パルス電界により得られるプラズマを基材
に接触させる機構、及び該プラズマと基材との接触部近
傍を窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンから
なる群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保つ機
構を備えてなることを特徴とする半導体素子の製造装置
である。
【0018】また、本発明の第9の発明は、ガスカーテ
ン機構により、プラズマと基材との接触部近傍を窒素、
アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から
選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保つ機構であるこ
とを特徴とする第8の発明に記載の半導体素子の製造装
置である。
【0019】また、本発明の第10の発明は、プラズマ
と基材との接触部の周囲にガス排気機構を有し、その周
囲にガスカーテン機構を配置することにより、プラズマ
と基材との接触部近傍を窒素、アルゴン、ヘリウム、ネ
オン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以
上の雰囲気に保つ機構であることを特徴とする第8又は
9の発明に記載の半導体素子の製造装置である。
【0020】また、本発明の第11の発明は、窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選
ばれるいずれか一種以上を満たした容器中に、少なくと
も一方の対向面に固体誘電体が設置された一対の対向電
極と、当該一対の対向電極間に処理ガスを導入する機構
と、該電極間にパルス状の電界を印加する機構と、該パ
ルス状の電界により得られるプラズマを基材に接触させ
る機構とを配置することによりプラズマと基材との接触
部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン
からなる群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保
たれるようにすることを特徴とする第8の発明に記載の
半導体素子の製造装置である。
【0021】また、本発明の第12の発明は、容器内に
窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる
群から選ばれるいずれか一種以上が常時供給されること
によりプラズマと基材との接触部近傍が窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選ばれ
るいずれか一種以上の雰囲気に保たれるようになされて
いることを特徴とする第11の発明に記載の半導体素子
の製造装置である。
【0022】また、本発明の第13の発明は、プラズマ
を基材に接触させる機構が、ガス吹き出し口ノズルを有
する固体誘電体を通して対向電極間で発生したプラズマ
を基材に向かって導くようになされていることを特徴と
する第8〜12のいずれかの発明に記載の半導体素子の
製造装置である。
【0023】また、本発明の第14の発明は、予備放電
後にガス吹き出し口ノズルを基材表面上に移動させるノ
ズル体待機機構を有することを特徴とする第13の発明
に記載の半導体素子の製造装置である。
【0024】また、本発明の第15の発明は、第8〜1
4のいずれかの発明に記載の装置と基材搬送機構とを具
備してなる半導体素子の製造装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のプラズマCVD法による
半導体素子製造用の透明導電膜の形成方法及び装置は、
大気圧近傍の圧力下で、対向する一対の電極の少なくと
も一方の対向面に固体誘電体を設置し、当該一対の対向
電極間に処理ガスを導入し、当該電極間にパルス状の電
界を印加することにより、得られる該ガスのプラズマを
基材に接触させ、基材上に透明導電膜を形成する方法で
あって、かつ、該プラズマと基材との接触部近傍が窒
素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群
から選ばれるいずれか一種以上のガス(以下、「不活性
ガス」という。)雰囲気下に保たれていることを特徴と
する方法及び装置である。以下、詳細に説明する。
【0026】上記大気圧近傍の圧力下とは、1.333
×10〜10.664×10Paの圧力下を指す。
中でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.33
1×10〜10.397×10Paの範囲が好まし
い。
【0027】大気圧近傍の圧力下では、ヘリウム、ケト
ン等の特定のガス以外は安定してプラズマ放電状態が保
持されずに瞬時にアーク放電状態に移行することが知ら
れているが、パルス状の電界を印加することにより、ア
ーク放電に移行する前に放電を止め、再び放電を開始す
るというサイクルが実現されていると考えられる。
【0028】大気圧近傍の圧力下においては、本発明の
パルス状の電界を印加する方法によって、初めて、ヘリ
ウム等のプラズマ放電状態からアーク放電状態に至る時
間が長い成分を含有しない雰囲気において、安定して放
電プラズマを発生させることが可能となる。
【0029】なお、本発明の方法によれば、プラズマ発
生空間中に存在する気体の種類を問わずグロー放電プラ
ズマを発生させることが可能である。公知の低圧条件下
におけるプラズマ処理はもちろん、特定のガス雰囲気下
の大気圧プラズマ処理においても、外気から遮断された
密閉容器内で処理を行うことが必須であったが、本発明
のグロー放電プラズマ処理方法によれば、開放系、ある
いは、気体の自由な流失を防ぐ程度の低気密系での処理
が可能となる。
【0030】さらに、大気圧での処理により高密度のプ
ラズマ状態を実現出来るため、連続処理等の半導体素子
の製造プロセスを行う上で大きな意義を有する。上記高
密度のプラズマ状態の実現には、本発明が有する2つの
作用が関係する。
【0031】第1に、電界強度が0.5〜250kV/
cmで、立ち上がり時間が100μs以下という、急峻
な立ち上がりを有するパルス電界を印加することによ
り、プラズマ発生空間中に存在する気体分子が、効率よ
く励起する作用である。立ち上がりが遅いパルス電界を
印加することは、異なる大きさを有するエネルギーを段
階的に投入することに相当し、まず低エネルギーで電離
する分子、すなわち、第一イオン化ポテンシャルの小さ
い分子の励起が優先的に起こり、次に高いエネルギーが
投入された際にはすでに電離している分子がより高い準
位に励起し、プラズマ発生空間中に存在する分子を効率
よく電離することは難しい。これに対して、立ち上がり
時間が100μs以下であるパルス電界によれば、空間
中に存在する分子に一斉にエネルギーを与えることにな
り、空間中の電離した状態にある分子の絶対数が多く、
すなわちプラズマ密度が高いということになる。
【0032】第2に、ヘリウム以外のガス雰囲気のプラ
ズマを安定して得られることにより、ヘリウムより電子
を多くもつ分子、すなわちヘリウムより分子量の大きい
分子を雰囲気ガスとして選択し、結果として電子密度の
高い空間を実現する作用である。一般に電子を多く有す
る分子の方が電離はしやすい。前述のように、ヘリウム
は電離しにくい成分であるが、一旦電離した後はアーク
に至らず、グロ−プラズマ状態で存在する時間が長いた
め、大気圧プラズマにおける雰囲気ガスとして用いられ
てきた。しかし、放電状態がアークに移行することを防
止できるのであれば、電離しやすい、質量数の大きい分
子を用いるほうが、空間中の電離した状態にある分子の
絶対数を多くすることができ、プラズマ密度を高めるこ
とができる。従来技術では、ヘリウムが90%以上存在
する雰囲気下以外でのグロー放電プラズマを発生するこ
とは不可能であり、唯一、アルゴンとアセトンとからな
る雰囲気中でsin波により放電を行う技術が特開平4
−74525号公報に開示されているが、本発明者らの
追試によれば、実用レベルで安定かつ高速の処理を行え
るものではない。また、雰囲気中にアセトンを含有する
ため、親水化目的以外の処理は不利である。
【0033】上述のように、本発明は、ヘリウムより多
数の電子を有する分子が過剰に存在する雰囲気、具体的
には分子量10以上の化合物を10体積%以上含有する
雰囲気下において、はじめて安定したグロー放電を可能
にし、これによって表面処理に有利な、高密度プラズマ
状態を実現するものである。
【0034】本発明の透明導電膜形成の原料ガスとして
は、例えば、In(Oi−C、Zn(OC
等の金属アルコラートガス、In(C
、Zn(C等のアルキル金属ガスと
酸素、オゾン等の酸素系ガス、さらにドーピング用ガス
であるSnCl、Al(CH、Al(Oi−C
、Sb(OC等の金属アルコラー
トガス、ハロゲン化金属ガス、アルキル金属ガス等を混
合させたガスを用い、プラズマで励起、分解することに
より、In+Sn、SnO+Sb、ZnO+A
l等の酸化物薄膜である透明導電膜を形成することがで
きる。
【0035】本発明では、上記原料ガスをそのまま処理
ガスとして用いてもよいが、経済性及び安全性等の観点
から、原料ガスを希釈ガスによって希釈し、これを処理
ガスとして用いることもできる。希釈ガスとしては、ネ
オン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素ガス等が挙
げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いて
もよい。大気圧近傍の圧力下においては、ヘリウムの存
在下の処理が行われてきたが、本発明のパルス化された
電界を印加する方法によれば、上述のように、ヘリウム
に比較して安価なアルゴン、窒素気体中における安定し
た処理が可能である。特に窒素ガスは、リモートされた
プラズマの寿命をのばす効果がある。また、必要に応じ
て、酸素ガス、水素ガス、水蒸気等を存在させることが
できるが、水蒸気は、混合ガス中の残留分圧がITOの
結晶性に大きく影響するので注意を要する。
【0036】処理ガス中の原料ガスと希釈ガスとの混合
比は、使用する不活性ガスの種類により適宜決定される
が、原料ガスの濃度が、処理ガス中の0.01〜10体
積%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1
0体積%である。
【0037】従来、大気圧近傍の圧力下においては、ヘ
リウムが大過剰に存在する雰囲気下で処理が行われてき
たが、本発明の方法によれば、ヘリウムに比較して安価
なアルゴン、窒素等の気体中における安定した処理が可
能であり、さらに、これらの分子量の大きい、電子をよ
り多く有するガスの存在下で処理を行うことにより、高
密度プラズマ状態を実現し、処理速度を上げることが出
来るため、工業上大きな優位性を有する。
【0038】上記電極としては、例えば、銅、アルミニ
ウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間
化合物等からなるものが挙げられる。上記対向電極は、
電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向
電極間の距離が略一定となる構造であることが好まし
い。この条件を満たす電極構造としては、例えば、平行
平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平
板型、同軸円筒型構造等が挙げられる。
【0039】また、略一定構造以外では、円筒対向円筒
型で円筒曲率の大きなものもアーク放電の原因となる電
界集中の度合いが小さいので対向電極として用いること
ができる。曲率は少なくとも半径20mm以上が好まし
い。固体誘電体の誘電率にもよるが、それ以下の曲率で
は、電界集中によるアーク放電が集中しやすい。それぞ
れの曲率がこれ以上であれば、対向する電極の曲率が異
なっても良い。曲率は大きいほど近似的に平板に近づく
ため、より安定した放電が得られるので、より好ましく
は半径40mm以上である。
【0040】さらに、プラズマを発生させる電極は、一
対のうち少なくとも一方に固体誘電体が配置されていれ
ば良く、一対の電極は、短絡に至らない適切な距離をあ
けた状態で対向してもよく、直交してもよい。
【0041】上記固体誘電体は、電極の対向面の一方又
は双方に設置される。この際、固体誘電体と設置される
側の電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に
覆うようにすることが好ましい。固体誘電体によって覆
われずに電極同士が直接対向する部位があると、そこか
らアーク放電が生じやすいためである。
【0042】上記固体誘電体の形状は、シート状でもフ
ィルム状でもよく、厚みが0.01〜4mmであること
が好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに高
電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁
破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。ま
た、固体誘電体の形状として、容器型のものも用いるこ
とができる。
【0043】固体誘電体の材質としては、例えば、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物、及びこれらの複層
化したもの等が挙げられる。
【0044】特に、固体誘電体は、比誘電率が2以上
(25℃環境下、以下同じ)であることが好ましい。比
誘電率が2以上の誘電体の具体例としては、ポリテトラ
フルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げること
ができる。さらに高密度の放電プラズマを安定して発生
させるためには、比誘電率が10以上の固定誘電体を用
いことが好ましい。比誘電率の上限は特に限定されるも
のではないが、現実の材料では18,500程度のもの
が知られている。比誘電率が10以上の固体誘電体とし
ては、例えば、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化ア
ルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物皮
膜、または、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮
膜からなり、その被膜の厚みが10〜1000μmであ
るものを用いることが好ましい。
【0045】上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、
印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮し
て適宜決定されるが、1〜50mmであることが好まし
い。1mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するの
に充分でないことがある。50mmを超えると、均一な
放電プラズマを発生させにくい。
【0046】本発明のパルス電界について説明する。図
1にパルス電圧波形の例を示す。波形(a)、(b)は
インパルス型、波形(c)はパルス型、波形(d)は変
調型の波形である。図1には電圧印加が正負の繰り返し
であるものを挙げたが、正又は負のいずれかの極性側に
電圧を印加するタイプのパルスを用いてもよい。また、
直流が重畳されたパルス電界を印加してもよい。本発明
におけるパルス電界の波形は、ここで挙げた波形に限定
されず、さらに、パルス波形、立ち上がり時間、周波数
の異なるパルスを用いて変調を行ってもよい。上記のよ
うな変調は高速連続表面処理を行うのに適している。
【0047】上記パルス電界の立ち上がり及び/又は立
ち下がり時間は、100μs以下が好ましい。100μ
sを超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定な
ものとなり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保
持しにくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり
時間が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よ
く行われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス
電界を実現することは、実際には困難である。より好ま
しくは50ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち
上がり時間とは、電圧変化が連続して正である時間、立
ち下がり時間とは、電圧変化が連続して負である時間を
指すものとする。
【0048】また、パルス電界の立ち下がり時間も急峻
であることが好ましく、立ち上がり時間と同様の100
μs以下のタイムスケールであることが好ましい。パル
ス電界発生技術によっても異なるが、立ち上がり時間と
立ち下がり時間とが同じ時間に設定できるものが好まし
い。
【0049】上記パルス電界の電界強度は、0.5〜2
50kV/cmとなるようにするのが好ましい。電界強
度が0.5kV/cm未満であると処理に時間がかかり
すぎ、250kV/cmを超えるとアーク放電が発生し
やすくなる。
【0050】上記パルス電界の周波数は、0.5〜10
0kHzであることが好ましい。0.5kHz未満であ
るとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎ、
100kHzを超えるとアーク放電が発生しやすくな
る。より好ましくは、1〜100kHzであり、このよ
うな高周波数のパルス電界を印加することにより、処理
速度を大きく向上させることができる。
【0051】また、上記パルス電界におけるひとつのパ
ルス継続時間は、1〜1000μsであることが好まし
い。1μs未満であると放電が不安定なものとなり、1
000μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。
より好ましくは、3〜200μsである。ここで、ひと
つのパルス継続時間とは、図1中に例を示してあるが、
ON、OFFの繰り返しからなるパルス電界における、
ひとつのパルスの連続するON時間を言う。
【0052】本発明の処理基板材料としては、シリコン
ウエーハ、GaAs等の化合物半導体、PET、ポリイ
ミド等のプラスチック、LCD用ガラス基板等が挙げら
れる。
【0053】プラズマを基材に接触させる手段として
は、例えば、(1)対向する電極間で発生するプラズマ
の放電空間内に基材を配置して、基材にプラズマを接触
させる方法、及び(2)対向する電極間で発生させたプ
ラズマを放電空間の外に配置された基材に向かって導く
ようにして接触させる方法(ガン型)がある。
【0054】上記(1)の具体的方法としては、固体誘
電体で被覆した平行平板型電極間に基材を配置し、プラ
ズマと接触させる方法であって、多数の穴を有する上部
電極を用い、シャワー状プラズマで処理する方法、フィ
ルム状基材を放電空間内を走行させる方法、一方の電極
に吹き出し口ノズルを有する容器状固体誘電体を設け、
該ノズルからプラズマを他の電極上に配置した基材に吹
き付ける方法等が挙げられる。
【0055】また、上記(2)の具体的方法としては、
固体誘電体が延長されてプラズマ誘導ノズルを形成して
おり、放電空間の外に配置された基材に向けて吹き付け
る方法等が挙げられ、平行平板型電極と長尺型ノズル、
同軸円筒型電極と円筒型ノズルの組み合わせを用いるこ
とができる。なお、ノズル先端の材質は、必ずしも上記
の固体誘電体である必要がなく、上記電極と絶縁がとれ
ていれば金属等でもかまわない。
【0056】これらの中でも、ガス吹き出し口ノズルを
有する固体誘電体を通して、対向電極間で発生したプラ
ズマを基材に吹き付ける方法は、被成膜物である基材が
直接高密度プラズマ空間にさらされることが少なく、基
材表面の目的とする箇所にのみにプラズマ状態のガスを
運び、薄膜形成を行うことができるので、基材への電気
的熱的負担が軽減された好ましい方法である。
【0057】本発明のプラズマ処理による透明導電膜の
形成は、基材温度を80〜400℃にすることが好まし
く、より好ましくは80〜150℃である。
【0058】本発明のプラズマ処理による透明導電膜の
形成においては、成膜前の基材表面の酸化防止と成膜さ
れた透明導電膜の膜質向上のため、基材や膜が大気中の
湿潤空気やその他の不純物に接触することを防ぐ意味
で、不活性ガス雰囲気で処理を行う必要がある。また、
プラズマが安定した状態で基材上に透明導電膜を形成さ
せるようにすることが好ましい。
【0059】したがって、本発明の装置は、上記プラズ
マを基材に接触させて透明導電膜を形成する装置に加え
て、プラズマと基材との接触部近傍を不活性ガス雰囲気
に保つ機構を付加した装置が必要である。
【0060】本発明において、プラズマと基材との接触
部近傍を不活性ガス雰囲気に保つ機構としては、不活性
ガスによるガスカーテン機構、不活性ガスで満たされた
容器中で処理を行う機構等が挙げられる。
【0061】また、基材を搬送する手段としては、基材
がフィルム状のものであれば、繰り出しロールと巻き取
りロールからなる搬送系を用い、枚葉のものであれば、
搬送コンベア、搬送ロボット等の搬送系を用いることが
できる。
【0062】上記不活性ガスによるガスカーテン機構と
しては、プラズマと基材との接触部近傍の周囲にガス排
気機構を有し、その周囲に不活性ガスによるガスカーテ
ン機構を有することにより、プラズマと基材との接触部
近傍を不活性ガス雰囲気に保つようにすることができ
る。
【0063】図で本発明の方法及び装置を具体的に説明
する。図2は、同軸型円筒ノズルを用い、ガスカーテン
機構によりプラズマと基材との接触部近傍を不活性ガス
雰囲気に保つ装置であって、該接触部の周囲にガス排気
機構を有し、さらに該ガス排気機構の周囲にはガスカー
テン機構を配設した不活性ガスシャワー機能を付加した
装置を用いてプラズマを基材に吹き付ける装置と基材の
搬送機構を備えた装置の一例を示す図である。図2にお
いて、1は電源、2は外側電極、3は内側電極、4は固
体誘電体、5はガス吹き出し口、6は同軸型円筒ノズル
を有するノズル体、7は処理ガス導入口、10は内周排
気ガス筒、11は外周排気ガス筒、12は不活性ガス導
入口、13は不活性ガス吹き出し細孔、14は基材、4
1は搬入ベルト、42は処理部ベルト、43は搬出ベル
トをそれぞれ表す。
【0064】例えば、処理ガスは、白抜き矢印方向にガ
ス導入口7から筒状の固体誘電体容器内に導入され、筒
状固体誘電体容器の外側に配置された電極2と筒状固体
誘電体容器内部に配置された内側電極3との間にパルス
状電界を印加することによってプラズマガスとして吹き
出し口5から吹き出され、内周排気ガス筒10から主に
吸引回収される。一方、基材14は、最初は搬入ベルト
41により運ばれ、次に処理部ベルト42により搬送さ
れガス吹き出し口からのプラズマガスが吹き付けられ、
透明導電膜が形成され、次いで搬出ベルト43で運び出
されるという3工程の搬送工程を経て搬送される。ま
た、不活性ガスは、不活性ガス導入口12から導入さ
れ、下部にある不活性ガス吹き出し細孔13から搬送さ
れる基材14に向けて吹き出され、ガスカーテンの役割
をして基材14の雰囲気を不活性ガス雰囲気に保つ。不
活性ガスは、主に外周排気ガス筒11から回収される。
なお、搬送ベルトは、送りスピードを任意に調整できる
ものを用いることにより被着膜厚の制御が可能となる。
さらに、処理部ベルトには加熱機構を有するものが好ま
しい。
【0065】図3は、平行平板型長尺ノズルを用い、ガ
スカーテン機構によりプラズマと基材との接触部近傍を
不活性ガス雰囲気に保つ装置であって、該接触部の周囲
にガス排気機構を有し、さらに該ガス排気機構の周囲に
はガスカーテン機構を配設した不活性ガスシャワー機能
を付加した装置を用いてプラズマを基材に吹き付ける装
置と基材の搬送機構を備えた装置の一例を示す図であ
る。1は電源、2は電極、3は電極、4は固体誘電体、
5はガス吹き出し口、7は処理ガス導入口、10は内周
排気ガス筒、11は外周排気ガス筒、12は不活性ガス
導入口、13は不活性ガス吹き出し細孔、14は基材、
41は搬入ベルト、42は処理部ベルト、43は搬出ベ
ルトをそれぞれ表す。
【0066】図3において、例えば、処理ガスは、白抜
き矢印方向にガス導入口7から箱状の固体誘電体容器内
に導入され、箱状固体誘電体容器の外側に配置された電
極2及び3との間にパルス電界を印加することによって
プラズマガスとして吹き出し口5から吹き出され、内周
排気ガス筒10から吸引回収される。一方、基材14
は、最初は搬入ベルト41により運ばれ、次に処理部ベ
ルト42により搬送されガス吹き出し口からのプラズマ
ガスが吹き付けられ、透明導電膜が形成され、次いで搬
出ベルト43で運び出されるという3工程の搬送工程を
経て搬送される。また、不活性ガスは、不活性ガス導入
口12から導入され、下部にある不活性ガス吹き出し細
孔13から搬送される基材14に向けて吹き出され、ガ
スカーテンの役割をして基材14の雰囲気を不活性ガス
雰囲気に保つ。不活性ガスは、主に外周排気ガス筒11
から回収される。なお、搬送ベルトは、送りスピードを
任意に調整できるものを用いることにより被着膜厚の制
御が可能となる。さらに処理部ベルトには加熱機構を有
するものが好ましい。
【0067】なお、上記不活性ガスシャワー機能を果た
す装置としては、その底面が図4、図5のようになされ
ているものが好ましい。
【0068】図4は同軸型円筒ノズルを用いる場合の不
活性ガスシャワー装置であって、図2のノズル部分の底
面に該当する。プラズマガスは、ガス吹き出し口5から
吹き出され、基材に透明導電膜を形成した後、主に内周
排気ガス筒10から排出される。また、不活性ガスは、
不活性ガスシャワー領域に存在する吹き出し細孔13か
ら吹き出され、主に外周排気ガス筒11から排出され
る。
【0069】図5は平行平板型長尺ノズルを用いる場合
の不活性ガスシャワー装置であって、図3のノズル部分
の底面に該当する。プラズマガスは、ガス吹き出し口5
から吹き出され、基材に透明導電膜を形成した後、主に
内周排気ガス筒10から排出される。また、不活性ガス
は、不活性ガスシャワー領域に存在する不活性ガス吹き
出し細孔13から吹き出され、主に外周排気ガス筒11
から排出される。
【0070】本発明において、プラズマと基材との接触
部近傍が不活性ガス雰囲気に保たれているようにする機
構として、不活性ガスで満たされた容器中で処理を行う
方法としては、図6に示す装置を挙げることができる。
【0071】図6の装置において、不活性ガスで満たさ
れた容器30中で透明導電膜の形成を行う。例えば、基
材の搬送ロボット20を用いるための搬出入室31及び
そのためのシャッター32を備えた不活性ガス容器30
に、上記のプラズマと基材との接触部近傍の主要部を収
納した装置を用いるのが好ましい。図6において、不活
性ガス容器30には、矢印方向に不活性ガスを常時供給
させるだけで良く、気密性は必要なく、真空ポンプは不
要であり、簡単なブロワー型排風機でよく、不活性ガス
容器30自体の耐圧性は不要であり、簡単なチャンバー
で良い。不活性ガス容器30内に収納した膜形成装置で
は、X−Y−Z移動機構を備えたプラズマガスノズル体
6に白抜き矢印方向から処理ガスを導入させ、基材14
に吹き付け、透明導電膜を形成させる。また、排ガスは
排気ガス筒10から排気する。また、基材14は、搬送
ロボット20により搬出入室31内にあるカセット21
から出し入れされる。また、透明導電膜形成後の製品は
シャッター32を通して出し入れされる。ここで、ノズ
ル体6の細部は、図2に示すノズル体と同様である。
【0072】さらに、固体誘電体がガス吹き出し口ノズ
ルを有するガン型プラズマ発生装置を用いる場合には、
電極に電圧印加開始から放電状態が安定するまで予備放
電を行った後、ガス吹き出し口ノズルを基材表面に移動
させるノズル体待機機構を有するプラズマ発生機構を用
いることにより不良品の発生を抑えることができる。そ
の装置の概略を図7に示す。
【0073】図7において、処理ガスをノズル体6に導
入しプラズマを基材14上に吹き付ける装置であるが、
ノズル体6は、放電状態が安定するまでの予備放電時に
はAの位置で待機し、放電状態が安定した後に基材14
表面の透明導電膜を形成すべき箇所Bに移動させて透明
導電膜の被着を開始する。また、この装置においては、
下部電極3を取り巻くリング状フード10を設けること
により、処理ガスの排気を行うことができ、さらに、搬
送ロボット20を併設することにより、ウェーハカセッ
ト21からウェーハ基材14の出し入れを行い、効率的
に基材上に透明導電膜形成を行うことができる。上記ノ
ズル体待機機構は、ノズル体を掃引するためのX−Y−
Z移動装置と併用することができる。また、この図7の
装置を上記図6に示した不活性ガスで満たされた容器3
0に収納することもできる。
【0074】本発明のパルス電界を用いた大気圧放電で
は、全くガス種に依存せず、電極間において直接大気圧
下で放電を生じせしめることが可能であり、より単純化
された電極構造、放電手順による大気圧プラズマ装置、
及び処理手法でかつ高速処理を実現することができる。
また、パルス周波数、電圧、電極間隔等のパラメータに
より透明導電膜の形成に関するパラメータも調整でき
る。
【0075】本発明の透明導電膜の製造方法は、IC回
路、太陽電池、液晶ディスプレーのスイッチ素子等、そ
の他の半導体素子の製造にも適用できる。
【0076】
【実施例】本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0077】実施例1 図2の装置を用い、ガラス基材上に透明導電膜の成膜を
行った。ガス排出口5と基材との間隔を2mmとした。
処理ガスとして、Zn(OCを2%、酸素を
16%、Al(CHを0.008%混入したアル
ゴンガスを使用し、電極間に図11(a)のパルス波形
を用い、パルス立ち上がり速度5μs、電圧10kVの
条件で大気圧下パルス電界を印加し、ガラス基材上にプ
ラズマ化した処理ガスを吹き付けたところ、ZnO
Alがドーピングされた透明導電膜が形成され、抵抗値
は5×10−3Ω・cm、成膜速度は、500nm/m
inであった。なお、不活性ガスとして、窒素ガスを用
い、プラズマと基材との接触部近傍を窒素ガス雰囲気に
保った。
【0078】比較例1 実施例1と同じ装置を使用し、印加電界として、13.
56MHz、200Wのsin波の電界条件を使用し、
13Paの環境下にした以外は、実施例1と同様にし
て、ガラス基材上ZnOにAlがドーピングされた薄
膜の形成を行った。薄膜の形成は確認できたが、成膜速
度は、40nm/minであった。
【0079】
【発明の効果】本発明のパルス電界を印加する透明導電
膜を形成する半導体素子の製造方法によれば、大気圧近
傍で、処理ガスのプラズマを基材に接触させて基材の表
面に透明導電膜の形成を不活性ガス雰囲気下で行うの
で、膜形成工程をより効率的なシステムとすることがで
き、歩留まり向上に寄与できる。また、本発明の方法
は、大気圧下での実施が可能であるので、容易にインラ
イン化でき、本発明の方法を用いることにより処理工程
全体の速度低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルス電界の例を示す電圧波形図であ
る。
【図2】本発明の透明導電膜形成装置の例を示す図であ
る。
【図3】本発明の透明導電膜形成装置の例を示す図であ
る。
【図4】本発明で用いる不活性ガスシャワー機能装置の
一例の底面図である。
【図5】本発明で用いる不活性ガスシャワー機能装置の
一例の底面図である。
【図6】本発明の透明導電膜形成装置の例を示す図であ
る。
【図7】本発明の透明導電膜形成装置の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 電源(高電圧パルス電源) 2、3 電極 4 固体誘電体 5 ガス吹き出し口 6 ノズル体 7 ガス導入口 10、11 排気ガス筒 12 キャリアーガス導入口 13 キャリアーガス吹き出し細孔 14 基材 15 支持台 20 搬送ロボット 21 カセット 22 アーム 30 容器 31 搬出入室 32 シャッター 41 搬入ベルト 42 処理部ベルト 43 搬出ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/285 301 H01L 21/285 301Z (72)発明者 湯浅 基和 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 本間 孝治 東京都東大和市立野2−703 株式会社ケ ミトロニクス内 Fターム(参考) 4K030 AA11 AA14 BA47 CA06 FA01 JA14 KA30 LA04 4M104 BB36 DD44 DD45 5F045 AA08 AB40 AC07 AC11 AC15 AC16 AC18 AD04 AD05 AD06 AD07 AD08 AE23 AE25 AE29 AF03 AF04 AF07 DP22 EE12 EE14 EF02 EF05 EF10 EF20 EH04 EH05 EH08 EH12 EH13 EH19 EN04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマCVD法による半導体素子にお
    ける透明導電膜の形成において、大気圧近傍の圧力下、
    対向する一対の電極の少なくとも一方の対向面に固体誘
    電体を設置し、当該一対の対向電極間に処理ガスを導入
    してパルス状の電界を印加することにより得られるプラ
    ズマを基板に接触させ、かつ、該プラズマと基材との接
    触部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノ
    ンからなる群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に
    保たれていることを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 ガスカーテン機構により、プラズマと基
    材との接触部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオ
    ン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上
    の雰囲気に保たれることを特徴とする請求項1に記載の
    半導体素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 プラズマと基材との接触部の周囲にガス
    排気機構を有し、その周囲にガスカーテン機構を有する
    ことにより、プラズマと基材との接触部近傍が窒素、ア
    ルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選
    ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保たれることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の半導体素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キ
    セノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上で満た
    された容器中で処理を行うことによりプラズマと基材と
    の接触部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キ
    セノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲
    気に保たれることを特徴とする請求項1に記載の半導体
    素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 容器内に窒素、アルゴン、ヘリウム、ネ
    オン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以
    上が常時供給されることによりプラズマと基材との接触
    部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン
    からなる群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保
    たれることを特徴とする請求項4に記載の半導体素子の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 パルス状の電界が、パルス立ち上がり及
    び/又は立ち下がり時間が100μs以下、電界強度が
    0.5〜250kV/cmであることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 パルス状の電界が、周波数が0.5〜1
    00kHz、パルス継続時間が1〜1000μsである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    半導体素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 プラズマCVD法による半導体素子にお
    ける透明導電膜の形成装置において、少なくとも一方の
    対向面に固体誘電体が設置された一対の対向電極と、当
    該一対の対向電極間に処理ガスを導入する機構、該電極
    間にパルス状の電界を印加する機構、該パルス電界によ
    り得られるプラズマを基材に接触させる機構、及び該プ
    ラズマと基材との接触部近傍を窒素、アルゴン、ヘリウ
    ム、ネオン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか
    一種以上の雰囲気に保つ機構を備えてなることを特徴と
    する半導体素子の製造装置。
  9. 【請求項9】 ガスカーテン機構により、プラズマと基
    材との接触部近傍を窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオ
    ン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上
    の雰囲気に保つ機構であることを特徴とする請求項8に
    記載の半導体素子の製造装置。
  10. 【請求項10】 プラズマと基材との接触部の周囲にガ
    ス排気機構を有し、その周囲にガスカーテン機構を配置
    することにより、プラズマと基材との接触部近傍を窒
    素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群
    から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保つ機構であ
    ることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体素子
    の製造装置。
  11. 【請求項11】 窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、
    キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上を満
    たした容器中に、少なくとも一方の対向面に固体誘電体
    が設置された一対の対向電極と、当該一対の対向電極間
    に処理ガスを導入する機構と、該電極間にパルス状の電
    界を印加する機構と、該パルス状の電界により得られる
    プラズマを基材に接触させる機構とを配置することによ
    りプラズマと基材との接触部近傍が窒素、アルゴン、ヘ
    リウム、ネオン、キセノンからなる群から選ばれるいず
    れか一種以上の雰囲気に保たれるようにすることを特徴
    とする請求項8に記載の半導体素子の製造装置。
  12. 【請求項12】 容器内に窒素、アルゴン、ヘリウム、
    ネオン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種
    以上が常時供給されることによりプラズマと基材との接
    触部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノ
    ンからなる群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に
    保たれるようになされていることを特徴とする請求項1
    1に記載の半導体素子の製造装置。
  13. 【請求項13】 プラズマを基材に接触させる機構が、
    ガス吹き出し口ノズルを有する固体誘電体を通して対向
    電極間で発生したプラズマを基材に向かって導くように
    なされていることを特徴とする請求項8〜12のいずれ
    か1項に記載の半導体素子の製造装置。
  14. 【請求項14】 予備放電後にガス吹き出し口ノズルを
    基材表面上に移動させるノズル体待機機構を有すること
    を特徴とする請求項13に記載の半導体素子の製造装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項8〜14のいずれか1項に記載
    の装置と基材搬送機構とを具備してなる半導体素子の製
    造装置。
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