JP2002151508A - 半導体素子の製造方法及びその装置 - Google Patents
半導体素子の製造方法及びその装置Info
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- JP2002151508A JP2002151508A JP2000348739A JP2000348739A JP2002151508A JP 2002151508 A JP2002151508 A JP 2002151508A JP 2000348739 A JP2000348739 A JP 2000348739A JP 2000348739 A JP2000348739 A JP 2000348739A JP 2002151508 A JP2002151508 A JP 2002151508A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 半導体素子の製造工程におけるlow−k膜
の製造において、大気圧近傍の圧力下で均一なプラズマ
を継続して発生させ、基材を該プラズマで処理して、基
材上に良質のlow−k膜を製造する方法及びその装置
の提供。 【解決手段】 プラズマCVD法による半導体素子にお
けるlow−k膜の形成において、大気圧近傍の圧力下
で、対向する一対の電極の少なくとも一方の対向面に固
体誘電体を設置し、当該一対の対向電極間に処理ガスを
導入してパルス状の電界を印加することにより得られる
プラズマを、予備放電の後に基材に接触させることを特
徴とする半導体素子の製造方法及び装置。
の製造において、大気圧近傍の圧力下で均一なプラズマ
を継続して発生させ、基材を該プラズマで処理して、基
材上に良質のlow−k膜を製造する方法及びその装置
の提供。 【解決手段】 プラズマCVD法による半導体素子にお
けるlow−k膜の形成において、大気圧近傍の圧力下
で、対向する一対の電極の少なくとも一方の対向面に固
体誘電体を設置し、当該一対の対向電極間に処理ガスを
導入してパルス状の電界を印加することにより得られる
プラズマを、予備放電の後に基材に接触させることを特
徴とする半導体素子の製造方法及び装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD法
による半導体素子におけるlow−k膜、すなわち、低
誘電率層間絶縁膜の製造方法及び製造装置に関する。
による半導体素子におけるlow−k膜、すなわち、低
誘電率層間絶縁膜の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、半導体素子の一般的構成として
は、基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、シリコン
膜、ソース絶縁体、ドレイン絶縁膜、ソース電極、ドレ
イン電極、パシベーション膜(保護膜)等からなってい
る。ここで、基材としては、ガラス基板又はウェーハ基
板等からなり、電極としては、Al、Cu等の金属又は
金属化合物等からなり、パシベーション膜を含む層間絶
縁体としては、酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素等からな
り、シリコン層としては、Si単結晶層、a−Si層及
びa−SiにP、B、As、Ge等をドーピングした材
料等からなっている。
は、基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、シリコン
膜、ソース絶縁体、ドレイン絶縁膜、ソース電極、ドレ
イン電極、パシベーション膜(保護膜)等からなってい
る。ここで、基材としては、ガラス基板又はウェーハ基
板等からなり、電極としては、Al、Cu等の金属又は
金属化合物等からなり、パシベーション膜を含む層間絶
縁体としては、酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素等からな
り、シリコン層としては、Si単結晶層、a−Si層及
びa−SiにP、B、As、Ge等をドーピングした材
料等からなっている。
【0003】半導体素子は、これらの上記材料を要求機
能に応じて組み合わせ、基材等の洗浄後、その上に電
極、絶縁膜、シリコン層等の薄膜を形成し、さらにドー
ピング、アニール、レジスト処理(例えば、塗布、現
像、ベーキング、レジスト剥離等)を行い、続いて露光
・現像、エッチング等を繰り返す複雑な工程により製造
されている。これらの製造工程においては、絶縁膜の形
成、保護膜の形成、電極の形成、シリコン層の形成等の
薄膜形成が重要であり、その形成方法として、主にプラ
ズマ処理方法が用いられている。
能に応じて組み合わせ、基材等の洗浄後、その上に電
極、絶縁膜、シリコン層等の薄膜を形成し、さらにドー
ピング、アニール、レジスト処理(例えば、塗布、現
像、ベーキング、レジスト剥離等)を行い、続いて露光
・現像、エッチング等を繰り返す複雑な工程により製造
されている。これらの製造工程においては、絶縁膜の形
成、保護膜の形成、電極の形成、シリコン層の形成等の
薄膜形成が重要であり、その形成方法として、主にプラ
ズマ処理方法が用いられている。
【0004】薄膜の形成法としては、一般に、低圧プラ
ズマCVD、常圧熱CVD、蒸着、スパッタリングなど
がある。また、これまでの常圧プラズマCVDは、ヘリ
ウム雰囲気下など、ガス種が限定されていた。例えば、
ヘリウム雰囲気下で処理を行う方法が特開平2−486
26号公報に、アルゴンとアセトン及び/又はヘリウム
からなる雰囲気下で処理を行う方法が特開平4−745
25号公報に開示されている。
ズマCVD、常圧熱CVD、蒸着、スパッタリングなど
がある。また、これまでの常圧プラズマCVDは、ヘリ
ウム雰囲気下など、ガス種が限定されていた。例えば、
ヘリウム雰囲気下で処理を行う方法が特開平2−486
26号公報に、アルゴンとアセトン及び/又はヘリウム
からなる雰囲気下で処理を行う方法が特開平4−745
25号公報に開示されている。
【0005】しかし、上記方法はいずれも、ヘリウム又
はアセトン等の有機化合物を含有するガス雰囲気中でプ
ラズマを発生させるものであり、ガス雰囲気が限定され
る。さらに、ヘリウムは高価であるため工業的には不利
であり、有機化合物を含有させた場合には、有機化合物
自身が被処理体と反応する場合が多く、所望する表面改
質処理が出来ないことがある。
はアセトン等の有機化合物を含有するガス雰囲気中でプ
ラズマを発生させるものであり、ガス雰囲気が限定され
る。さらに、ヘリウムは高価であるため工業的には不利
であり、有機化合物を含有させた場合には、有機化合物
自身が被処理体と反応する場合が多く、所望する表面改
質処理が出来ないことがある。
【0006】さらに、従来の方法では、処理速度が遅く
工業的なプロセスには不利であり、また、プラズマ重合
膜を形成させる場合など、膜形成速度より膜分解速度の
方が早くなり良質の薄膜が得られないという問題があっ
た。
工業的なプロセスには不利であり、また、プラズマ重合
膜を形成させる場合など、膜形成速度より膜分解速度の
方が早くなり良質の薄膜が得られないという問題があっ
た。
【0007】また、現在、半導体素子の高性能化を図る
ための1手段として、ICデバイス信号の配線遅延を削
減する技術が実用化されてきている。すなわち、配線に
信号が伝わるタイミングの遅れは、微細化が進みトラン
ジスター性能が極限まで高速化した結果、トランジスタ
ー同士を接続する配線で起こる信号伝達の遅れが、LS
I全体の高性能化を阻害する要因になっていたものを、
銅配線と低誘電率絶縁膜の採用で改良しようとするもの
である。従来、0.25μmのアルミニウム配線と層間
絶縁膜がSiO2という組み合わせであったものが、
0.18μm、0.13μm等の銅配線とシロキサン系
薄膜等のlow−k膜との組み合わせにしようとするも
のである。この層間絶縁膜の比誘電率は、デザインルー
ル0.18μmでは、2.5〜3.0であり、デザイン
ルール0.13μmでは、1.5〜2.0が必要である
と言われている。
ための1手段として、ICデバイス信号の配線遅延を削
減する技術が実用化されてきている。すなわち、配線に
信号が伝わるタイミングの遅れは、微細化が進みトラン
ジスター性能が極限まで高速化した結果、トランジスタ
ー同士を接続する配線で起こる信号伝達の遅れが、LS
I全体の高性能化を阻害する要因になっていたものを、
銅配線と低誘電率絶縁膜の採用で改良しようとするもの
である。従来、0.25μmのアルミニウム配線と層間
絶縁膜がSiO2という組み合わせであったものが、
0.18μm、0.13μm等の銅配線とシロキサン系
薄膜等のlow−k膜との組み合わせにしようとするも
のである。この層間絶縁膜の比誘電率は、デザインルー
ル0.18μmでは、2.5〜3.0であり、デザイン
ルール0.13μmでは、1.5〜2.0が必要である
と言われている。
【0008】したがって、従来のCVD法によるSiO
2膜よりも低誘電率の膜を効率良く、高強度に、密着性
が高く、目的とする基材上に成膜する技術が求められて
きている。
2膜よりも低誘電率の膜を効率良く、高強度に、密着性
が高く、目的とする基材上に成膜する技術が求められて
きている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑み、半導体素子の製造工程におけるlow−k膜の製
造において、大気圧近傍の圧力下で均一なプラズマを継
続して発生させ、基材を該プラズマで処理して、基材上
にlow−k膜の形成を行う方法を用いて、良質のlo
w−k膜を容易に製造することができる方法及びその装
置を提供することを目的とする。
鑑み、半導体素子の製造工程におけるlow−k膜の製
造において、大気圧近傍の圧力下で均一なプラズマを継
続して発生させ、基材を該プラズマで処理して、基材上
にlow−k膜の形成を行う方法を用いて、良質のlo
w−k膜を容易に製造することができる方法及びその装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、大気圧条件下で安定し
た放電状態を実現できるプラズマCVD法と予備放電後
に基材表面を処理するプラズマ発生機構を組み合わせる
ことにより、簡便に良質なlow−k膜を形成できるこ
とを見出し、本発明を完成させた。
を解決すべく鋭意研究した結果、大気圧条件下で安定し
た放電状態を実現できるプラズマCVD法と予備放電後
に基材表面を処理するプラズマ発生機構を組み合わせる
ことにより、簡便に良質なlow−k膜を形成できるこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明の第1の発明は、プラズ
マCVD法による半導体素子におけるlow−k膜の形
成において、大気圧近傍の圧力下で、対向する一対の電
極の少なくとも一方の対向面に固体誘電体を設置し、当
該一対の対向電極間に処理ガスを導入してパルス状の電
界を印加することにより得られるプラズマを、予備放電
の後に基材に接触させることを特徴とする半導体素子の
製造方法である。
マCVD法による半導体素子におけるlow−k膜の形
成において、大気圧近傍の圧力下で、対向する一対の電
極の少なくとも一方の対向面に固体誘電体を設置し、当
該一対の対向電極間に処理ガスを導入してパルス状の電
界を印加することにより得られるプラズマを、予備放電
の後に基材に接触させることを特徴とする半導体素子の
製造方法である。
【0012】また、本発明の第2の発明は、プラズマを
基材に接触させる際に、該プラズマと基材との接触部近
傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンから
なる群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保たれ
ていることを特徴とする第1の発明に記載の半導体素子
の製造方法である。
基材に接触させる際に、該プラズマと基材との接触部近
傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンから
なる群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保たれ
ていることを特徴とする第1の発明に記載の半導体素子
の製造方法である。
【0013】また、本発明の第3の発明は、プラズマと
基材との接触部の周囲にガス排気機構を有し、その周囲
にガスカーテン機構を有することにより、プラズマと基
材との接触部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオ
ン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上
の雰囲気に保たれることを特徴とする第2の発明に記載
の半導体素子の製造方法である。
基材との接触部の周囲にガス排気機構を有し、その周囲
にガスカーテン機構を有することにより、プラズマと基
材との接触部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオ
ン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上
の雰囲気に保たれることを特徴とする第2の発明に記載
の半導体素子の製造方法である。
【0014】また、本発明の第4の発明は、窒素、アル
ゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選ば
れるいずれか一種以上で満たされた容器中で処理を行う
ことにより基材近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオ
ン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上
の雰囲気に保たれることを特徴とする請求項2に記載の
半導体素子の製造方法である。
ゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選ば
れるいずれか一種以上で満たされた容器中で処理を行う
ことにより基材近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオ
ン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上
の雰囲気に保たれることを特徴とする請求項2に記載の
半導体素子の製造方法である。
【0015】また、本発明の第5の発明は、パルス状の
電界が、パルス立ち上がり立ち下がり時間が100μs
以下、電界強度が0.5〜250kV/cmであること
を特徴とする第1〜4のいずれかの発明に記載の半導体
素子の製造方法である。
電界が、パルス立ち上がり立ち下がり時間が100μs
以下、電界強度が0.5〜250kV/cmであること
を特徴とする第1〜4のいずれかの発明に記載の半導体
素子の製造方法である。
【0016】また、本発明の第6の発明は、パルス状の
電界が、周波数が0.5〜100kHz、パルス継続時
間が1〜1000μsであることを特徴とする第1〜5
のいずれかの発明に記載の半導体素子の製造方法であ
る。
電界が、周波数が0.5〜100kHz、パルス継続時
間が1〜1000μsであることを特徴とする第1〜5
のいずれかの発明に記載の半導体素子の製造方法であ
る。
【0017】また、本発明の第7の発明は、プラズマC
VD法による半導体素子におけるlow−k膜の形成装
置において、少なくとも一方の対向面に固体誘電体が設
置された一対の対向電極と、当該一対の対向電極間に処
理ガスを導入する機構、該電極間にパルス状の電界を印
加する機構、該パルス電界により得られるプラズマを予
備放電後に基材に接触させる機構を備えてなることを特
徴とする半導体素子の製造装置である。
VD法による半導体素子におけるlow−k膜の形成装
置において、少なくとも一方の対向面に固体誘電体が設
置された一対の対向電極と、当該一対の対向電極間に処
理ガスを導入する機構、該電極間にパルス状の電界を印
加する機構、該パルス電界により得られるプラズマを予
備放電後に基材に接触させる機構を備えてなることを特
徴とする半導体素子の製造装置である。
【0018】また、本発明の第8の発明は、プラズマを
基材に接触させる機構が、ガス吹き出し口ノズルを有す
る固体誘電体を通して対向電極間で発生したプラズマを
基材に向かって導くようになされていることを特徴とす
る第7の発明に記載の半導体素子の製造装置である。
基材に接触させる機構が、ガス吹き出し口ノズルを有す
る固体誘電体を通して対向電極間で発生したプラズマを
基材に向かって導くようになされていることを特徴とす
る第7の発明に記載の半導体素子の製造装置である。
【0019】また、本発明の第9の発明は、予備放電後
にプラズマを基材に接触させる機構が、ガス吹き出し口
ノズルを基材表面上に移動させるノズル体待機機構を有
することを特徴とする第7又は8の発明に記載の半導体
素子の製造装置である。
にプラズマを基材に接触させる機構が、ガス吹き出し口
ノズルを基材表面上に移動させるノズル体待機機構を有
することを特徴とする第7又は8の発明に記載の半導体
素子の製造装置である。
【0020】また、本発明の第10の発明は、プラズマ
と基材との接触部の周囲にガス排気機構を有し、その周
囲にガスカーテン機構を配置することにより、プラズマ
と基材との接触部近傍を窒素、アルゴン、ヘリウム、ネ
オン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以
上の雰囲気に保つ機構を有することを特徴とする第7〜
9のいずれかの発明に記載の半導体素子の製造装置であ
る。
と基材との接触部の周囲にガス排気機構を有し、その周
囲にガスカーテン機構を配置することにより、プラズマ
と基材との接触部近傍を窒素、アルゴン、ヘリウム、ネ
オン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以
上の雰囲気に保つ機構を有することを特徴とする第7〜
9のいずれかの発明に記載の半導体素子の製造装置であ
る。
【0021】また、本発明の第11の発明は、窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選
ばれるいずれか一種以上を満たした容器中に、少なくと
も一方の対向面に固体誘電体が設置された一対の対向電
極と、当該一対の対向電極間に処理ガスを導入する機構
と、該電極間にパルス状の電界を印加する機構と、該パ
ルス状の電界により得られるプラズマを予備放電後に基
材に接触させる機構とを配置することにより基材近傍が
窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる
群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保たれるよ
うにすることを特徴とする第7〜9のいずれかの発明に
記載の半導体素子の製造装置である。
ルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選
ばれるいずれか一種以上を満たした容器中に、少なくと
も一方の対向面に固体誘電体が設置された一対の対向電
極と、当該一対の対向電極間に処理ガスを導入する機構
と、該電極間にパルス状の電界を印加する機構と、該パ
ルス状の電界により得られるプラズマを予備放電後に基
材に接触させる機構とを配置することにより基材近傍が
窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる
群から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保たれるよ
うにすることを特徴とする第7〜9のいずれかの発明に
記載の半導体素子の製造装置である。
【0022】また、本発明の第12の発明は、第7〜1
1のいずれかの発明に記載の装置と基材搬送機構とを具
備してなる半導体素子の製造装置である。
1のいずれかの発明に記載の装置と基材搬送機構とを具
備してなる半導体素子の製造装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のプラズマCVD法による
半導体素子の製造用のlow−k膜の形成方法及び装置
は、大気圧近傍の圧力下で、対向する一対の電極の少な
くとも一方の対向面に固体誘電体を設置し、当該一対の
対向電極間に処理ガスを導入し、当該電極間にパルス状
の電界を印加することにより、得られる該ガスのプラズ
マを基材に接触させ、基材上にlow−k膜を形成する
方法であって、プラズマの基材への接触を放電状態を安
定させる予備放電後に行うことを特徴とする方法及び装
置である。以下、本発明を詳細に説明する。
半導体素子の製造用のlow−k膜の形成方法及び装置
は、大気圧近傍の圧力下で、対向する一対の電極の少な
くとも一方の対向面に固体誘電体を設置し、当該一対の
対向電極間に処理ガスを導入し、当該電極間にパルス状
の電界を印加することにより、得られる該ガスのプラズ
マを基材に接触させ、基材上にlow−k膜を形成する
方法であって、プラズマの基材への接触を放電状態を安
定させる予備放電後に行うことを特徴とする方法及び装
置である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】上記大気圧近傍の圧力下とは、1.333
×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。
中でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.33
1×104〜10.397×104Paの範囲が好まし
い。
×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。
中でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.33
1×104〜10.397×104Paの範囲が好まし
い。
【0025】大気圧近傍の圧力下では、ヘリウム、ケト
ン等の特定のガス以外は安定してプラズマ放電状態が保
持されずに瞬時にアーク放電状態に移行することが知ら
れているが、パルス状の電界を印加することにより、ア
ーク放電に移行する前に放電を止め、再び放電を開始す
るというサイクルが実現されていると考えられる。
ン等の特定のガス以外は安定してプラズマ放電状態が保
持されずに瞬時にアーク放電状態に移行することが知ら
れているが、パルス状の電界を印加することにより、ア
ーク放電に移行する前に放電を止め、再び放電を開始す
るというサイクルが実現されていると考えられる。
【0026】大気圧近傍の圧力下においては、本発明の
パルス状の電界を印加する方法によって、初めて、ヘリ
ウム等のプラズマ放電状態からアーク放電状態に至る時
間が長い成分を含有しない雰囲気において、安定して放
電プラズマを発生させることが可能となる。
パルス状の電界を印加する方法によって、初めて、ヘリ
ウム等のプラズマ放電状態からアーク放電状態に至る時
間が長い成分を含有しない雰囲気において、安定して放
電プラズマを発生させることが可能となる。
【0027】なお、本発明の方法によれば、プラズマ発
生空間中に存在する気体の種類を問わずグロー放電プラ
ズマを発生させることが可能である。公知の低圧条件下
におけるプラズマ処理はもちろん、特定のガス雰囲気下
の大気圧プラズマ処理においても、外気から遮断された
密閉容器内で処理を行うことが必須であったが、本発明
のグロー放電プラズマ処理方法によれば、開放系、ある
いは、気体の自由な流失を防ぐ程度の低気密系での処理
が可能となる。
生空間中に存在する気体の種類を問わずグロー放電プラ
ズマを発生させることが可能である。公知の低圧条件下
におけるプラズマ処理はもちろん、特定のガス雰囲気下
の大気圧プラズマ処理においても、外気から遮断された
密閉容器内で処理を行うことが必須であったが、本発明
のグロー放電プラズマ処理方法によれば、開放系、ある
いは、気体の自由な流失を防ぐ程度の低気密系での処理
が可能となる。
【0028】さらに、大気圧での処理により高密度のプ
ラズマ状態を実現出来るため、連続処理等の半導体素子
の製造プロセスを行う上で大きな意義を有する。上記高
密度のプラズマ状態の実現には、本発明が有する2つの
作用が関係する。
ラズマ状態を実現出来るため、連続処理等の半導体素子
の製造プロセスを行う上で大きな意義を有する。上記高
密度のプラズマ状態の実現には、本発明が有する2つの
作用が関係する。
【0029】第1に、電界強度が0.5〜250kV/
cmで、立ち上がり時間が100μs以下という、急峻
な立ち上がりを有するパルス電界を印加することによ
り、プラズマ発生空間中に存在する気体分子が、効率よ
く励起する作用である。立ち上がりが遅いパルス電界を
印加することは、異なる大きさを有するエネルギーを段
階的に投入することに相当し、まず低エネルギーで電離
する分子、すなわち、第一イオン化ポテンシャルの小さ
い分子の励起が優先的に起こり、次に高いエネルギーが
投入された際にはすでに電離している分子がより高い準
位に励起し、プラズマ発生空間中に存在する分子を効率
よく電離することは難しい。これに対して、立ち上がり
時間が100μs以下であるパルス電界によれば、空間
中に存在する分子に一斉にエネルギーを与えることにな
り、空間中の電離した状態にある分子の絶対数が多く、
すなわちプラズマ密度が高いということになる。
cmで、立ち上がり時間が100μs以下という、急峻
な立ち上がりを有するパルス電界を印加することによ
り、プラズマ発生空間中に存在する気体分子が、効率よ
く励起する作用である。立ち上がりが遅いパルス電界を
印加することは、異なる大きさを有するエネルギーを段
階的に投入することに相当し、まず低エネルギーで電離
する分子、すなわち、第一イオン化ポテンシャルの小さ
い分子の励起が優先的に起こり、次に高いエネルギーが
投入された際にはすでに電離している分子がより高い準
位に励起し、プラズマ発生空間中に存在する分子を効率
よく電離することは難しい。これに対して、立ち上がり
時間が100μs以下であるパルス電界によれば、空間
中に存在する分子に一斉にエネルギーを与えることにな
り、空間中の電離した状態にある分子の絶対数が多く、
すなわちプラズマ密度が高いということになる。
【0030】第2に、ヘリウム以外のガス雰囲気のプラ
ズマを安定して得られることにより、ヘリウムより電子
を多くもつ分子、すなわちヘリウムより分子量の大きい
分子を雰囲気ガスとして選択し、結果として電子密度の
高い空間を実現する作用である。一般に電子を多く有す
る分子の方が電離はしやすい。前述のように、ヘリウム
は電離しにくい成分であるが、一旦電離した後はアーク
に至らず、グロ−プラズマ状態で存在する時間が長いた
め、大気圧プラズマにおける雰囲気ガスとして用いられ
てきた。しかし、放電状態がアークに移行することを防
止できるのであれば、電離しやすい、質量数の大きい分
子を用いるほうが、空間中の電離した状態にある分子の
絶対数を多くすることができ、プラズマ密度を高めるこ
とができる。従来技術では、ヘリウムが90%以上存在
する雰囲気下以外でのグロー放電プラズマを発生するこ
とは不可能であり、唯一、アルゴンとアセトンとからな
る雰囲気中でsin波により放電を行う技術が特開平4
−74525号公報に開示されているが、本発明者らの
追試によれば、実用レベルで安定かつ高速の処理を行え
るものではない。また、雰囲気中にアセトンを含有する
ため、親水化目的以外の処理は不利である。
ズマを安定して得られることにより、ヘリウムより電子
を多くもつ分子、すなわちヘリウムより分子量の大きい
分子を雰囲気ガスとして選択し、結果として電子密度の
高い空間を実現する作用である。一般に電子を多く有す
る分子の方が電離はしやすい。前述のように、ヘリウム
は電離しにくい成分であるが、一旦電離した後はアーク
に至らず、グロ−プラズマ状態で存在する時間が長いた
め、大気圧プラズマにおける雰囲気ガスとして用いられ
てきた。しかし、放電状態がアークに移行することを防
止できるのであれば、電離しやすい、質量数の大きい分
子を用いるほうが、空間中の電離した状態にある分子の
絶対数を多くすることができ、プラズマ密度を高めるこ
とができる。従来技術では、ヘリウムが90%以上存在
する雰囲気下以外でのグロー放電プラズマを発生するこ
とは不可能であり、唯一、アルゴンとアセトンとからな
る雰囲気中でsin波により放電を行う技術が特開平4
−74525号公報に開示されているが、本発明者らの
追試によれば、実用レベルで安定かつ高速の処理を行え
るものではない。また、雰囲気中にアセトンを含有する
ため、親水化目的以外の処理は不利である。
【0031】上述のように、本発明は、ヘリウムより多
数の電子を有する分子が過剰に存在する雰囲気、具体的
には分子量10以上の化合物を10体積%以上含有する
雰囲気下において、はじめて安定したグロー放電を可能
にし、これによって表面処理に有利な、高密度プラズマ
状態を実現するものである。
数の電子を有する分子が過剰に存在する雰囲気、具体的
には分子量10以上の化合物を10体積%以上含有する
雰囲気下において、はじめて安定したグロー放電を可能
にし、これによって表面処理に有利な、高密度プラズマ
状態を実現するものである。
【0032】本発明のlow−k膜は、比誘電率が4.
0以下、好ましくは3.5以下の低誘電率膜であって、
原料ガスとしては、金属アルコレート、アルキル金属、
ハロゲン化金属、水素、酸素等の単体又は混合ガスを用
いることができる。
0以下、好ましくは3.5以下の低誘電率膜であって、
原料ガスとしては、金属アルコレート、アルキル金属、
ハロゲン化金属、水素、酸素等の単体又は混合ガスを用
いることができる。
【0033】具体的な原料ガスと得られるlow−k膜
としては、次のような例が挙げられる。 (1)B2H6及びNH3ガス並びにH2ガス、BCl
3ガス及びN2ガス並びにH2ガス等による比誘電率
2.3〜3.2のBN膜。 (2)SiF4ガス及び酸素ガス又はテトラエトキシシ
ランガス及びフッ素ガスによる比誘電率3.5〜4.0
のSiOF膜。 (3)HSi(OR)3、CH3Si(OR)3、(C
H3)2Si(OR)2、シラン等のシラン系ガスの単
体又は混合ガスによりメチルシルセスキオキサンポリマ
ー膜(MSQ膜一般式:CH3SiO1.5)、CH3
Si(OR)3とHSi(OR)3のシラン系ガスの混
合ガスによりヒドリドオルガノシロキサンポリマー膜
(HOSP膜一般式:(CH3)1−x(H)xSiO
1.5)。のシロキサン系膜。これらのシロキサン系膜
の比誘電率は2.5〜3.0である。また、シラン系ガ
スには、必要に応じて、低級炭化水素ガスを混合して用
いることもできる。ただし、上記シラン系ガスにおけ
る、Rはメチル基、エチル基等の低級アルキル基を表
す。 (4)シロキサン−ベンゾシクロブテンモノマーガスに
よる比誘電率2.0〜3.0のDVS−BCポリマー
膜。 (5)CF4ガス等により比誘電率2.3〜3.0のC
F膜。 (6)C2H2F2ガスによるフッ素化炭化水素ポリマ
ー膜。 (7)C2H2及びNH3ガスによる比誘電率2.5〜
2.8の窒素化炭化水素ポリマー膜。
としては、次のような例が挙げられる。 (1)B2H6及びNH3ガス並びにH2ガス、BCl
3ガス及びN2ガス並びにH2ガス等による比誘電率
2.3〜3.2のBN膜。 (2)SiF4ガス及び酸素ガス又はテトラエトキシシ
ランガス及びフッ素ガスによる比誘電率3.5〜4.0
のSiOF膜。 (3)HSi(OR)3、CH3Si(OR)3、(C
H3)2Si(OR)2、シラン等のシラン系ガスの単
体又は混合ガスによりメチルシルセスキオキサンポリマ
ー膜(MSQ膜一般式:CH3SiO1.5)、CH3
Si(OR)3とHSi(OR)3のシラン系ガスの混
合ガスによりヒドリドオルガノシロキサンポリマー膜
(HOSP膜一般式:(CH3)1−x(H)xSiO
1.5)。のシロキサン系膜。これらのシロキサン系膜
の比誘電率は2.5〜3.0である。また、シラン系ガ
スには、必要に応じて、低級炭化水素ガスを混合して用
いることもできる。ただし、上記シラン系ガスにおけ
る、Rはメチル基、エチル基等の低級アルキル基を表
す。 (4)シロキサン−ベンゾシクロブテンモノマーガスに
よる比誘電率2.0〜3.0のDVS−BCポリマー
膜。 (5)CF4ガス等により比誘電率2.3〜3.0のC
F膜。 (6)C2H2F2ガスによるフッ素化炭化水素ポリマ
ー膜。 (7)C2H2及びNH3ガスによる比誘電率2.5〜
2.8の窒素化炭化水素ポリマー膜。
【0034】上記の膜の形成時、印加するパルス条件の
制御により、生成する膜の空孔率を制御することがで
き、膜の誘電率をさらに下げることができる。また、そ
の他のTiN膜等とを組み合わせた積層体とすること
で、さらに低誘電率膜、機能付加膜とすることもでき
る。
制御により、生成する膜の空孔率を制御することがで
き、膜の誘電率をさらに下げることができる。また、そ
の他のTiN膜等とを組み合わせた積層体とすること
で、さらに低誘電率膜、機能付加膜とすることもでき
る。
【0035】本発明では、上記原料ガスをそのまま処理
ガスとして用いてもよいが、経済性及び安全性等の観点
から、原料ガスを希釈ガスによって希釈し、これを処理
ガスとして用いることもできる。希釈ガスとしては、ネ
オン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素ガス等が挙
げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いて
もよい。大気圧近傍の圧力下においては、ヘリウムの存
在下の処理が行われてきたが、本発明のパルス化された
電界を印加する方法によれば、上述のように、ヘリウム
に比較して安価なアルゴン、窒素ガス中において安定し
た処理が可能である。
ガスとして用いてもよいが、経済性及び安全性等の観点
から、原料ガスを希釈ガスによって希釈し、これを処理
ガスとして用いることもできる。希釈ガスとしては、ネ
オン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素ガス等が挙
げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いて
もよい。大気圧近傍の圧力下においては、ヘリウムの存
在下の処理が行われてきたが、本発明のパルス化された
電界を印加する方法によれば、上述のように、ヘリウム
に比較して安価なアルゴン、窒素ガス中において安定し
た処理が可能である。
【0036】処理ガス中の原料ガスと希釈ガスとの混合
比は、使用する希釈ガスの種類により適宜決定される
が、原料ガスの濃度が、処理ガス中の0.01〜10体
積%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1
0体積%である。
比は、使用する希釈ガスの種類により適宜決定される
が、原料ガスの濃度が、処理ガス中の0.01〜10体
積%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1
0体積%である。
【0037】従来、大気圧近傍の圧力下においては、ヘ
リウムが大過剰に存在する雰囲気下で処理が行われてき
たが、本発明の方法によれば、ヘリウムに比較して安価
なアルゴン、窒素等の気体中における安定した処理が可
能であり、さらに、これらの分子量の大きい、電子をよ
り多く有するガスの存在下で処理を行うことにより、高
密度プラズマ状態を実現し、処理速度を上げることが出
来るため、工業上大きな優位性を有する。
リウムが大過剰に存在する雰囲気下で処理が行われてき
たが、本発明の方法によれば、ヘリウムに比較して安価
なアルゴン、窒素等の気体中における安定した処理が可
能であり、さらに、これらの分子量の大きい、電子をよ
り多く有するガスの存在下で処理を行うことにより、高
密度プラズマ状態を実現し、処理速度を上げることが出
来るため、工業上大きな優位性を有する。
【0038】上記電極としては、例えば、銅、アルミニ
ウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間
化合物等からなるものが挙げられる。上記対向電極は、
電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向
電極間の距離が略一定となる構造であることが好まし
い。この条件を満たす電極構造としては、例えば、平行
平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平
板型、同軸円筒型構造等が挙げられる。
ウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間
化合物等からなるものが挙げられる。上記対向電極は、
電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向
電極間の距離が略一定となる構造であることが好まし
い。この条件を満たす電極構造としては、例えば、平行
平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平
板型、同軸円筒型構造等が挙げられる。
【0039】また、略一定構造以外では、円筒対向円筒
型で円筒曲率の大きなものもアーク放電の原因となる電
界集中の度合いが小さいので対向電極として用いること
ができる。曲率は少なくとも半径20mm以上が好まし
い。固体誘電体の誘電率にもよるが、それ以下の曲率で
は、電界集中によるアーク放電が集中しやすい。それぞ
れの曲率がこれ以上であれば、対向する電極の曲率が異
なっても良い。曲率は大きいほど近似的に平板に近づく
ため、より安定した放電が得られるので、より好ましく
は半径40mm以上である。
型で円筒曲率の大きなものもアーク放電の原因となる電
界集中の度合いが小さいので対向電極として用いること
ができる。曲率は少なくとも半径20mm以上が好まし
い。固体誘電体の誘電率にもよるが、それ以下の曲率で
は、電界集中によるアーク放電が集中しやすい。それぞ
れの曲率がこれ以上であれば、対向する電極の曲率が異
なっても良い。曲率は大きいほど近似的に平板に近づく
ため、より安定した放電が得られるので、より好ましく
は半径40mm以上である。
【0040】さらに、プラズマを発生させる電極は、一
対のうち少なくとも一方に固体誘電体が配置されていれ
ば良く、一対の電極は、短絡に至らない適切な距離をあ
けた状態で対向してもよく、直交してもよい。
対のうち少なくとも一方に固体誘電体が配置されていれ
ば良く、一対の電極は、短絡に至らない適切な距離をあ
けた状態で対向してもよく、直交してもよい。
【0041】上記固体誘電体は、電極の対向面の一方又
は双方に設置される。この際、固体誘電体と設置される
側の電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に
覆うようにすることが好ましい。固体誘電体によって覆
われずに電極同士が直接対向する部位があると、そこか
らアーク放電が生じやすいためである。
は双方に設置される。この際、固体誘電体と設置される
側の電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に
覆うようにすることが好ましい。固体誘電体によって覆
われずに電極同士が直接対向する部位があると、そこか
らアーク放電が生じやすいためである。
【0042】上記固体誘電体の形状は、シート状でもフ
ィルム状でもよく、厚みが0.01〜4mmであること
が好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに高
電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁
破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。ま
た、固体誘電体の形状として、容器型のものも用いるこ
とができる。
ィルム状でもよく、厚みが0.01〜4mmであること
が好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに高
電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁
破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。ま
た、固体誘電体の形状として、容器型のものも用いるこ
とができる。
【0043】固体誘電体の材質としては、例えば、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物、及びこれらの複層
化したもの等が挙げられる。
テトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物、及びこれらの複層
化したもの等が挙げられる。
【0044】特に、固体誘電体は、比誘電率が2以上
(25℃環境下、以下同じ)であることが好ましい。比
誘電率が2以上の誘電体の具体例としては、ポリテトラ
フルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げること
ができる。さらに高密度の放電プラズマを安定して発生
させるためには、比誘電率が10以上の固定誘電体を用
いことが好ましい。比誘電率の上限は特に限定されるも
のではないが、現実の材料では18,500程度のもの
が知られている。比誘電率が10以上の固体誘電体とし
ては、例えば、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化ア
ルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物皮
膜、または、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮
膜からなり、その被膜の厚みが10〜1000μmであ
るものを用いることが好ましい。
(25℃環境下、以下同じ)であることが好ましい。比
誘電率が2以上の誘電体の具体例としては、ポリテトラ
フルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げること
ができる。さらに高密度の放電プラズマを安定して発生
させるためには、比誘電率が10以上の固定誘電体を用
いことが好ましい。比誘電率の上限は特に限定されるも
のではないが、現実の材料では18,500程度のもの
が知られている。比誘電率が10以上の固体誘電体とし
ては、例えば、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化ア
ルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物皮
膜、または、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮
膜からなり、その被膜の厚みが10〜1000μmであ
るものを用いることが好ましい。
【0045】上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、
印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮し
て適宜決定されるが、1〜50mmであることが好まし
い。1mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するの
に充分でないことがある。50mmを超えると、均一な
放電プラズマを発生させにくい。
印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮し
て適宜決定されるが、1〜50mmであることが好まし
い。1mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するの
に充分でないことがある。50mmを超えると、均一な
放電プラズマを発生させにくい。
【0046】本発明のパルス電界について説明する。図
1にパルス電圧波形の例を示す。波形(a)、(b)は
インパルス型、波形(c)はパルス型、波形(d)は変
調型の波形である。図1には電圧印加が正負の繰り返し
であるものを挙げたが、正又は負のいずれかの極性側に
電圧を印加するタイプのパルスを用いてもよい。また、
直流が重畳されたパルス電界を印加してもよい。本発明
におけるパルス電界の波形は、ここで挙げた波形に限定
されず、さらに、パルス波形、立ち上がり時間、周波数
の異なるパルスを用いて変調を行ってもよい。上記のよ
うな変調は高速連続表面処理を行うのに適している。
1にパルス電圧波形の例を示す。波形(a)、(b)は
インパルス型、波形(c)はパルス型、波形(d)は変
調型の波形である。図1には電圧印加が正負の繰り返し
であるものを挙げたが、正又は負のいずれかの極性側に
電圧を印加するタイプのパルスを用いてもよい。また、
直流が重畳されたパルス電界を印加してもよい。本発明
におけるパルス電界の波形は、ここで挙げた波形に限定
されず、さらに、パルス波形、立ち上がり時間、周波数
の異なるパルスを用いて変調を行ってもよい。上記のよ
うな変調は高速連続表面処理を行うのに適している。
【0047】上記パルス電界の立ち上がり及び/又は立
ち下がり時間は、100μs以下が好ましい。100μ
sを超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定な
ものとなり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保
持しにくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり
時間が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よ
く行われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス
電界を実現することは、実際には困難である。より好ま
しくは50ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち
上がり時間とは、電圧変化が連続して正である時間、立
ち下がり時間とは、電圧変化が連続して負である時間を
指すものとする。
ち下がり時間は、100μs以下が好ましい。100μ
sを超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定な
ものとなり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保
持しにくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり
時間が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よ
く行われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス
電界を実現することは、実際には困難である。より好ま
しくは50ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち
上がり時間とは、電圧変化が連続して正である時間、立
ち下がり時間とは、電圧変化が連続して負である時間を
指すものとする。
【0048】また、パルス電界の立ち下がり時間も急峻
であることが好ましく、立ち上がり時間と同様の100
μs以下のタイムスケールであることが好ましい。パル
ス電界発生技術によっても異なるが、例えば本発明の実
施例で使用した電源装置では、立ち上がり時間と立ち下
がり時間とが同じ時間に設定できる。
であることが好ましく、立ち上がり時間と同様の100
μs以下のタイムスケールであることが好ましい。パル
ス電界発生技術によっても異なるが、例えば本発明の実
施例で使用した電源装置では、立ち上がり時間と立ち下
がり時間とが同じ時間に設定できる。
【0049】上記パルス電界の電界強度は、0.5〜2
50kV/cmとなるようにするのが好ましい。電界強
度が0.5kV/cm未満であると処理に時間がかかり
すぎ、250kV/cmを超えるとアーク放電が発生し
やすくなる。
50kV/cmとなるようにするのが好ましい。電界強
度が0.5kV/cm未満であると処理に時間がかかり
すぎ、250kV/cmを超えるとアーク放電が発生し
やすくなる。
【0050】上記パルス電界の周波数は、0.5〜10
0kHzであることが好ましい。0.5kHz未満であ
るとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎ、
100kHzを超えるとアーク放電が発生しやすくな
る。より好ましくは、1〜100kHzであり、このよ
うな高周波数のパルス電界を印加することにより、処理
速度を大きく向上させることができる。
0kHzであることが好ましい。0.5kHz未満であ
るとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎ、
100kHzを超えるとアーク放電が発生しやすくな
る。より好ましくは、1〜100kHzであり、このよ
うな高周波数のパルス電界を印加することにより、処理
速度を大きく向上させることができる。
【0051】また、上記パルス電界におけるひとつのパ
ルス継続時間は、1〜1000μsであることが好まし
い。1μs未満であると放電が不安定なものとなり、1
000μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。
より好ましくは、3〜200μsである。ここで、ひと
つのパルス継続時間とは、図1中に例を示してあるが、
ON、OFFの繰り返しからなるパルス電界における、
ひとつのパルスの連続するON時間を言う。
ルス継続時間は、1〜1000μsであることが好まし
い。1μs未満であると放電が不安定なものとなり、1
000μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。
より好ましくは、3〜200μsである。ここで、ひと
つのパルス継続時間とは、図1中に例を示してあるが、
ON、OFFの繰り返しからなるパルス電界における、
ひとつのパルスの連続するON時間を言う。
【0052】本発明の処理基材材料としては、シリコン
半導体ウェーハ、GaAs等のIII−V族化合物半導
体ウェーハ、PET、ポリイミド等のプラスチック、液
晶ディスプレー用ガラス基板等が挙げられる。
半導体ウェーハ、GaAs等のIII−V族化合物半導
体ウェーハ、PET、ポリイミド等のプラスチック、液
晶ディスプレー用ガラス基板等が挙げられる。
【0053】プラズマを基材に接触させる手段として
は、例えば、(1)対向する電極間で発生するプラズマ
の放電空間内に基材を配置して、基材にプラズマを接触
させる方法、及び(2)対向する電極間で発生させたプ
ラズマを放電空間の外に配置された基材に向かって導く
ようにして接触させる方法(ガン型)がある。
は、例えば、(1)対向する電極間で発生するプラズマ
の放電空間内に基材を配置して、基材にプラズマを接触
させる方法、及び(2)対向する電極間で発生させたプ
ラズマを放電空間の外に配置された基材に向かって導く
ようにして接触させる方法(ガン型)がある。
【0054】上記(1)の具体的方法としては、固体誘
電体で被覆した平行平板型電極間に基材を配置し、プラ
ズマと接触させる方法であって、多数の穴を有する上部
電極を用い、シャワー状プラズマで処理する方法、フィ
ルム状基材を放電空間内を走行させる方法、一方の電極
に吹き出し口ノズルを有する容器状固体誘電体を設け、
該ノズルからプラズマを他の電極上に配置した基材に吹
き付ける方法等が挙げられる。
電体で被覆した平行平板型電極間に基材を配置し、プラ
ズマと接触させる方法であって、多数の穴を有する上部
電極を用い、シャワー状プラズマで処理する方法、フィ
ルム状基材を放電空間内を走行させる方法、一方の電極
に吹き出し口ノズルを有する容器状固体誘電体を設け、
該ノズルからプラズマを他の電極上に配置した基材に吹
き付ける方法等が挙げられる。
【0055】また、上記(2)の具体的方法としては、
固体誘電体が延長されてプラズマ誘導ノズルを形成して
おり、放電空間の外に配置された基材に向けて吹き付け
る方法等が挙げられ、平行平板型電極と長尺型ノズル、
同軸円筒型電極と円筒型ノズルの組み合わせを用いるこ
とができる。なお、ノズル先端の材質は、必ずしも上記
の固体誘電体である必要がなく、上記電極と絶縁がとれ
ていれば金属等でもかまわない。
固体誘電体が延長されてプラズマ誘導ノズルを形成して
おり、放電空間の外に配置された基材に向けて吹き付け
る方法等が挙げられ、平行平板型電極と長尺型ノズル、
同軸円筒型電極と円筒型ノズルの組み合わせを用いるこ
とができる。なお、ノズル先端の材質は、必ずしも上記
の固体誘電体である必要がなく、上記電極と絶縁がとれ
ていれば金属等でもかまわない。
【0056】これらの中でも、ガス吹き出し口ノズルを
有する固体誘電体を通して、対向電極間で発生したプラ
ズマを基材に吹き付けるガン型プラズマ発生装置による
方法は、被成膜物である基材が直接高密度プラズマ空間
にさらされることが少なく、基材表面の目的とする箇所
にのみにプラズマ状態のガスを運び、薄膜形成を行うこ
とができるので、基材への電気的熱的負担が軽減された
好ましい方法である。
有する固体誘電体を通して、対向電極間で発生したプラ
ズマを基材に吹き付けるガン型プラズマ発生装置による
方法は、被成膜物である基材が直接高密度プラズマ空間
にさらされることが少なく、基材表面の目的とする箇所
にのみにプラズマ状態のガスを運び、薄膜形成を行うこ
とができるので、基材への電気的熱的負担が軽減された
好ましい方法である。
【0057】本発明のプラズマ処理によるlow−k膜
の形成は、プラズマを基材に接触させる際、放電状態が
安定してから基材に接触させる必要がある。すなわち、
基材上にlow−k膜の形成に先立ち、電極に電圧印加
してから、放電状態が安定化するまで、基材から離れた
場所で予備放電をさせ、放電状態が安定してから、プラ
ズマを基材に吹き付けるようにする必要がある。予備放
電後の安定した状態で成膜することにより、均一なlo
w−k膜が得られる。
の形成は、プラズマを基材に接触させる際、放電状態が
安定してから基材に接触させる必要がある。すなわち、
基材上にlow−k膜の形成に先立ち、電極に電圧印加
してから、放電状態が安定化するまで、基材から離れた
場所で予備放電をさせ、放電状態が安定してから、プラ
ズマを基材に吹き付けるようにする必要がある。予備放
電後の安定した状態で成膜することにより、均一なlo
w−k膜が得られる。
【0058】処理ガスのプラズマを予備放電後に基材に
接触させる方法としては、ガス吹き出し口ノズルを有す
る固体誘電体を通して、対向電極間で発生したプラズマ
ガスを基材に吹き付ける方法にあっては、電極に電圧印
加後発生するプラズマを安定させる予備放電を行い、し
かる後にノズルを基材上に移動させるノズル体待機機構
を有する装置を用いることが好ましい。
接触させる方法としては、ガス吹き出し口ノズルを有す
る固体誘電体を通して、対向電極間で発生したプラズマ
ガスを基材に吹き付ける方法にあっては、電極に電圧印
加後発生するプラズマを安定させる予備放電を行い、し
かる後にノズルを基材上に移動させるノズル体待機機構
を有する装置を用いることが好ましい。
【0059】例えば、ノズル体待機機構を有する装置の
概略を図2に示す。図2は、ガス吹き出し口ノズルを備
えたノズル体を用いて、基材表面にlow−k膜を形成
させる方法を説明する図である。
概略を図2に示す。図2は、ガス吹き出し口ノズルを備
えたノズル体を用いて、基材表面にlow−k膜を形成
させる方法を説明する図である。
【0060】図2において、処理ガスをノズル体6に導
入しプラズマを発生させて基材14上に吹き付けるが、
ノズル体6は、放電状態が安定するまでの予備放電時に
はAの位置で待機し、放電状態が安定した後に基材14
表面のlow−k膜を形成すべき箇所Bに移動させるよ
うにする。また、この装置においては、支持台15を取
り巻くリング状フード10を設けることにより、処理ガ
スの排気を行うことができ、さらに、搬送ロボット20
を併設することにより、基材カセット21から基材14
の出し入れを行い、効率的に基材上にlow−k膜形成
を行うことができる。上記ノズル体待機機構は、ノズル
体を掃引するためのX−Y−Z移動装置と併用すること
ができる。
入しプラズマを発生させて基材14上に吹き付けるが、
ノズル体6は、放電状態が安定するまでの予備放電時に
はAの位置で待機し、放電状態が安定した後に基材14
表面のlow−k膜を形成すべき箇所Bに移動させるよ
うにする。また、この装置においては、支持台15を取
り巻くリング状フード10を設けることにより、処理ガ
スの排気を行うことができ、さらに、搬送ロボット20
を併設することにより、基材カセット21から基材14
の出し入れを行い、効率的に基材上にlow−k膜形成
を行うことができる。上記ノズル体待機機構は、ノズル
体を掃引するためのX−Y−Z移動装置と併用すること
ができる。
【0061】本発明のプラズマ処理によるlow−k膜
の形成は、基材温度を80〜150℃にすることが好ま
しい。
の形成は、基材温度を80〜150℃にすることが好ま
しい。
【0062】本発明のプラズマ処理によるlow−k膜
の形成においては、成膜前の基材表面の酸化防止と成膜
されたlow−k膜の膜質向上のため、基材や膜が大気
中の湿潤空気やその他の不純物に接触することを防ぐ意
味で、不活性ガス雰囲気で処理を行うのが好ましい。
の形成においては、成膜前の基材表面の酸化防止と成膜
されたlow−k膜の膜質向上のため、基材や膜が大気
中の湿潤空気やその他の不純物に接触することを防ぐ意
味で、不活性ガス雰囲気で処理を行うのが好ましい。
【0063】したがって、本発明のプラズマ処理による
low−k膜の形成においては、上記予備放電機構に加
えて、成膜前の基材表面の酸化防止と成膜されたlow
−k膜の膜質向上のため、プラズマと基材との接触部近
傍を窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンから
なる群から選ばれるいずれか一種以上(以下、「不活性
ガス」という。)の雰囲気下で処理を行うことが好まし
い。
low−k膜の形成においては、上記予備放電機構に加
えて、成膜前の基材表面の酸化防止と成膜されたlow
−k膜の膜質向上のため、プラズマと基材との接触部近
傍を窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンから
なる群から選ばれるいずれか一種以上(以下、「不活性
ガス」という。)の雰囲気下で処理を行うことが好まし
い。
【0064】本発明において、プラズマと基材との接触
部近傍を不活性ガス雰囲気に保つ機構としては、不活性
ガスによるガスカーテン機構、不活性ガスで満たされた
容器中で処理を行う機構等が挙げられる。
部近傍を不活性ガス雰囲気に保つ機構としては、不活性
ガスによるガスカーテン機構、不活性ガスで満たされた
容器中で処理を行う機構等が挙げられる。
【0065】また、基材を搬送する手段としては、基材
がフィルム状のものであれば、繰り出しロールと巻き取
りロールからなる搬送系を用い、枚葉のものであれば、
搬送コンベア、搬送ロボット等の搬送系を用いることが
できる。
がフィルム状のものであれば、繰り出しロールと巻き取
りロールからなる搬送系を用い、枚葉のものであれば、
搬送コンベア、搬送ロボット等の搬送系を用いることが
できる。
【0066】上記不活性ガスによるガスカーテン機構と
しては、プラズマと基材との接触部近傍の周囲にガス排
気機構を有し、その周囲に不活性ガスによるガスカーテ
ン機構を有することにより、プラズマと基材との接触部
近傍を不活性ガス雰囲気に保つようにすることができ
る。
しては、プラズマと基材との接触部近傍の周囲にガス排
気機構を有し、その周囲に不活性ガスによるガスカーテ
ン機構を有することにより、プラズマと基材との接触部
近傍を不活性ガス雰囲気に保つようにすることができ
る。
【0067】図で具体的に説明する。図3は、同軸型円
筒ノズルを用い、ガスカーテン機構によりプラズマと基
材との接触部近傍を不活性ガス雰囲気に保つ装置であっ
て、該接触部の周囲にガス排気機構を有し、さらに該ガ
ス排気機構の周囲にはガスカーテン機構を配設した不活
性ガスシャワー機能を付加した装置を用いてプラズマを
基材に吹き付ける装置と基材の搬送機構を備えた装置の
一例を示す図である。図3において、1は電源、2は外
側電極、3は内側電極、4は固体誘電体、5はガス吹き
出し口、6は同軸型円筒ノズルを有するノズル体、7は
処理ガス導入口、10は内周排気ガス筒、11は外周排
気ガス筒、12は不活性ガス導入口、13は不活性ガス
吹き出し細孔、14は基材、41は搬入ベルト、42は
処理部ベルト、43は搬出ベルトをそれぞれ表す。図3
には、図示していないが、前述のノズル体待機機構兼ノ
ズル体X−Y−Z移動機構と組み合わせて用いる。
筒ノズルを用い、ガスカーテン機構によりプラズマと基
材との接触部近傍を不活性ガス雰囲気に保つ装置であっ
て、該接触部の周囲にガス排気機構を有し、さらに該ガ
ス排気機構の周囲にはガスカーテン機構を配設した不活
性ガスシャワー機能を付加した装置を用いてプラズマを
基材に吹き付ける装置と基材の搬送機構を備えた装置の
一例を示す図である。図3において、1は電源、2は外
側電極、3は内側電極、4は固体誘電体、5はガス吹き
出し口、6は同軸型円筒ノズルを有するノズル体、7は
処理ガス導入口、10は内周排気ガス筒、11は外周排
気ガス筒、12は不活性ガス導入口、13は不活性ガス
吹き出し細孔、14は基材、41は搬入ベルト、42は
処理部ベルト、43は搬出ベルトをそれぞれ表す。図3
には、図示していないが、前述のノズル体待機機構兼ノ
ズル体X−Y−Z移動機構と組み合わせて用いる。
【0068】例えば、処理ガスは、白抜き矢印方向にノ
ズル体6のガス導入口7から筒状の固体誘電体容器内に
導入され、筒状固体誘電体容器の外側に配置された電極
2と筒状固体誘電体容器内部に配置された内側電極3と
の間にパルス電界を印加することによってプラズマガス
として、吹き出し口5から吹き出され、主に内周排気ガ
ス筒10から吸引回収される。一方、基材14は、最初
は搬入ベルト41により運ばれ、次に処理部ベルト42
により搬送されガス吹き出し口からのプラズマガスが吹
き付けられ、low−k膜が形成され、次いで搬出ベル
ト43で運び出されるという3工程の搬送工程を経て搬
送される。また、不活性ガスは、ノズル体6の周りに設
けられた不活性ガス導入口12から導入され、下部にあ
る不活性ガス吹き出し細孔13から搬送される基材に向
けて吹き出され、ガスカーテンの役割をして基材の雰囲
気を不活性ガス雰囲気に保つ。不活性ガスは、主に外周
排気ガス筒11から回収される。なお、搬送ベルトは、
送りスピードを任意に調整できるものを用いることによ
り被着膜厚の制御が可能となる。さらに、処理部ベルト
には加熱機構を有するものが好ましい。
ズル体6のガス導入口7から筒状の固体誘電体容器内に
導入され、筒状固体誘電体容器の外側に配置された電極
2と筒状固体誘電体容器内部に配置された内側電極3と
の間にパルス電界を印加することによってプラズマガス
として、吹き出し口5から吹き出され、主に内周排気ガ
ス筒10から吸引回収される。一方、基材14は、最初
は搬入ベルト41により運ばれ、次に処理部ベルト42
により搬送されガス吹き出し口からのプラズマガスが吹
き付けられ、low−k膜が形成され、次いで搬出ベル
ト43で運び出されるという3工程の搬送工程を経て搬
送される。また、不活性ガスは、ノズル体6の周りに設
けられた不活性ガス導入口12から導入され、下部にあ
る不活性ガス吹き出し細孔13から搬送される基材に向
けて吹き出され、ガスカーテンの役割をして基材の雰囲
気を不活性ガス雰囲気に保つ。不活性ガスは、主に外周
排気ガス筒11から回収される。なお、搬送ベルトは、
送りスピードを任意に調整できるものを用いることによ
り被着膜厚の制御が可能となる。さらに、処理部ベルト
には加熱機構を有するものが好ましい。
【0069】図4は、平行平板型長尺ノズルを用い、ガ
スカーテン機構によりプラズマと基材との接触部近傍を
不活性ガス雰囲気に保つ装置であって、該接触部の周囲
にガス排気機構を有し、さらに該ガス排気機構の周囲に
はガスカーテン機構を配設した不活性ガスシャワー機能
を付加した装置を用いてプラズマを基材に吹き付ける装
置と基材の搬送機構を備えた装置の一例を示す図であ
る。1は電源、2は電極、3は電極、4は固体誘電体、
5はガス吹き出し口、7は処理ガス導入口、10は内周
排気ガス筒、11は外周排気ガス筒、12は不活性ガス
導入口、13は不活性ガス噴出細孔、14は基材、41
は搬入ベルト、42は処理部ベルト、43は搬出ベルト
をそれぞれ表す。図4には、図示していないが、前述の
ノズル体待機機構兼ノズル体X−Y−Z移動機構と組み
合わせて用いる。
スカーテン機構によりプラズマと基材との接触部近傍を
不活性ガス雰囲気に保つ装置であって、該接触部の周囲
にガス排気機構を有し、さらに該ガス排気機構の周囲に
はガスカーテン機構を配設した不活性ガスシャワー機能
を付加した装置を用いてプラズマを基材に吹き付ける装
置と基材の搬送機構を備えた装置の一例を示す図であ
る。1は電源、2は電極、3は電極、4は固体誘電体、
5はガス吹き出し口、7は処理ガス導入口、10は内周
排気ガス筒、11は外周排気ガス筒、12は不活性ガス
導入口、13は不活性ガス噴出細孔、14は基材、41
は搬入ベルト、42は処理部ベルト、43は搬出ベルト
をそれぞれ表す。図4には、図示していないが、前述の
ノズル体待機機構兼ノズル体X−Y−Z移動機構と組み
合わせて用いる。
【0070】図4において、例えば、処理ガスは、白抜
き矢印方向にガス導入口7から箱状の固体誘電体容器内
に導入され、箱状固体誘電体容器の外側に配置された電
極2及び3との間にパルス電界を印加することによって
プラズマガスとして、予備放電後吹き出し口5から吹き
出され、主に内周排気ガス筒10から吸引回収される。
一方、基材14は、最初は搬入ベルト41により運ば
れ、次に処理部ベルト42により搬送されガス吹き出し
口からのプラズマガスが吹き付けられ、low−k膜が
形成され、次いで搬出ベルト43で運び出されるという
3工程の搬送工程を経て搬送される。また、不活性ガス
は、不活性ガス導入口12から導入され、下部にある不
活性ガス吹き出し細孔13から搬送される基材に向けて
吹き出され、ガスカーテンの役割をして基材の雰囲気を
不活性ガス雰囲気に保つ。不活性ガスは、主に外周排気
ガス筒11から回収される。なお、搬送ベルトは、送り
スピードを任意に調整できるものを用いることにより被
着膜厚の制御が可能となる。さらに処理部ベルトには加
熱機構を有するものが好ましい。
き矢印方向にガス導入口7から箱状の固体誘電体容器内
に導入され、箱状固体誘電体容器の外側に配置された電
極2及び3との間にパルス電界を印加することによって
プラズマガスとして、予備放電後吹き出し口5から吹き
出され、主に内周排気ガス筒10から吸引回収される。
一方、基材14は、最初は搬入ベルト41により運ば
れ、次に処理部ベルト42により搬送されガス吹き出し
口からのプラズマガスが吹き付けられ、low−k膜が
形成され、次いで搬出ベルト43で運び出されるという
3工程の搬送工程を経て搬送される。また、不活性ガス
は、不活性ガス導入口12から導入され、下部にある不
活性ガス吹き出し細孔13から搬送される基材に向けて
吹き出され、ガスカーテンの役割をして基材の雰囲気を
不活性ガス雰囲気に保つ。不活性ガスは、主に外周排気
ガス筒11から回収される。なお、搬送ベルトは、送り
スピードを任意に調整できるものを用いることにより被
着膜厚の制御が可能となる。さらに処理部ベルトには加
熱機構を有するものが好ましい。
【0071】なお、上記不活性ガスシャワー機能を果た
す装置としては、その底面が図5、図6のようになされ
ているものが好ましい。
す装置としては、その底面が図5、図6のようになされ
ているものが好ましい。
【0072】図5は、同軸型円筒ノズルを用いる場合の
不活性ガスシャワー装置であって、図3のノズル部分の
底面に該当する。プラズマガスは、ガス吹き出し口5か
ら吹き出され、基材にlow−k膜を形成した後、主に
内周排気ガス筒10から排出される。また、不活性ガス
ガスは、不活性ガスシャワー領域に存在する不活性ガス
吹き出し細孔13から吹き出され、主に外周排気ガス筒
11から排出される。
不活性ガスシャワー装置であって、図3のノズル部分の
底面に該当する。プラズマガスは、ガス吹き出し口5か
ら吹き出され、基材にlow−k膜を形成した後、主に
内周排気ガス筒10から排出される。また、不活性ガス
ガスは、不活性ガスシャワー領域に存在する不活性ガス
吹き出し細孔13から吹き出され、主に外周排気ガス筒
11から排出される。
【0073】図6は、平行平板型長尺ノズルを用いる場
合の不活性ガスシャワー装置であって、図4のノズル部
分の底面に該当する。プラズマガスは、ガス吹き出し口
5から吹き出され、基材にlow−k膜を形成をした
後、主に内周排気ガス筒10から排出される。また、不
活性ガスは、不活性ガスシャワー領域に存在する不活性
ガス吹き出し細孔13から吹き出され、主に外周排気ガ
ス筒11から排出される。
合の不活性ガスシャワー装置であって、図4のノズル部
分の底面に該当する。プラズマガスは、ガス吹き出し口
5から吹き出され、基材にlow−k膜を形成をした
後、主に内周排気ガス筒10から排出される。また、不
活性ガスは、不活性ガスシャワー領域に存在する不活性
ガス吹き出し細孔13から吹き出され、主に外周排気ガ
ス筒11から排出される。
【0074】本発明において、プラズマと基材との接触
部近傍が不活性ガス雰囲気に保たれているようにする機
構としての不活性ガスで満たされた容器中で処理を行う
方法としては、図7に示す装置を挙げることができる。
部近傍が不活性ガス雰囲気に保たれているようにする機
構としての不活性ガスで満たされた容器中で処理を行う
方法としては、図7に示す装置を挙げることができる。
【0075】図7の装置において、不活性ガスで満たさ
れた容器30中でlow−k膜の形成を行う。例えば、
基材の搬送ロボット20を用いるための搬出入室31及
びそのためのシャッター32を備えた不活性ガス容器3
0に、上記のプラズマと基材との接触部近傍の主要部を
収納した装置を用いるのが好ましい。図7において、不
活性ガス容器30には、矢印方向に不活性ガスを常時供
給させるだけで良く、気密性は必要なく、真空ポンプは
不要であり、簡単なブロワー型排風機でよく、不活性ガ
ス容器30自体の耐圧性は不要であり、簡単なチャンバ
ーで良い。不活性ガス容器30内に収納した膜形成装置
では、ノズル体待機機構を有するX−Y−Z移動機構を
備えたプラズマガスノズル体6に白抜き矢印方向から処
理ガスを導入させ、プラズマを基材14に吹き付け、l
ow−k膜を形成させる。また、排ガスは、排気ガス筒
10から排気する。基材14は、搬送ロボット20によ
り搬出入室31内にあるカセット21から出し入れされ
る。また、low−k膜を形成された製品は、シャッタ
ー32を通して出し入れされる。
れた容器30中でlow−k膜の形成を行う。例えば、
基材の搬送ロボット20を用いるための搬出入室31及
びそのためのシャッター32を備えた不活性ガス容器3
0に、上記のプラズマと基材との接触部近傍の主要部を
収納した装置を用いるのが好ましい。図7において、不
活性ガス容器30には、矢印方向に不活性ガスを常時供
給させるだけで良く、気密性は必要なく、真空ポンプは
不要であり、簡単なブロワー型排風機でよく、不活性ガ
ス容器30自体の耐圧性は不要であり、簡単なチャンバ
ーで良い。不活性ガス容器30内に収納した膜形成装置
では、ノズル体待機機構を有するX−Y−Z移動機構を
備えたプラズマガスノズル体6に白抜き矢印方向から処
理ガスを導入させ、プラズマを基材14に吹き付け、l
ow−k膜を形成させる。また、排ガスは、排気ガス筒
10から排気する。基材14は、搬送ロボット20によ
り搬出入室31内にあるカセット21から出し入れされ
る。また、low−k膜を形成された製品は、シャッタ
ー32を通して出し入れされる。
【0076】本発明のパルス電界を用いた大気圧放電で
は、全くガス種に依存せず、電極間において直接大気圧
下で放電を生じせしめることが可能であり、より単純化
された電極構造、放電手順による大気圧プラズマ装置、
及び処理手法でかつ高速処理を実現することができる。
また、パルス周波数、電圧、電極間隔等のパラメータに
よりlow−k膜の形成に関するパラメータも調整でき
る。
は、全くガス種に依存せず、電極間において直接大気圧
下で放電を生じせしめることが可能であり、より単純化
された電極構造、放電手順による大気圧プラズマ装置、
及び処理手法でかつ高速処理を実現することができる。
また、パルス周波数、電圧、電極間隔等のパラメータに
よりlow−k膜の形成に関するパラメータも調整でき
る。
【0077】本発明のlow−k膜の製造方法は、IC
回路、太陽電池、液晶ディスプレーのスイッチ素子等、
その他の半導体素子の製造にも適用できる。
回路、太陽電池、液晶ディスプレーのスイッチ素子等、
その他の半導体素子の製造にも適用できる。
【0078】
【実施例】本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0079】実施例1 図2の機能を有する図3の装置を用いて基材上にlow
−k膜の形成を行った。図2の装置において、電極2及
び電極3としては、SUS304製ステンレス電極を用
い、固体誘電体4としてアクリル製成形品を用いた。電
極3と固体誘電体4は、約2mmの間隔をおいて放電空
間を形成している。被成膜基材として、窒化珪素薄膜を
形成したシリコンウェーハ14を設置した。
−k膜の形成を行った。図2の装置において、電極2及
び電極3としては、SUS304製ステンレス電極を用
い、固体誘電体4としてアクリル製成形品を用いた。電
極3と固体誘電体4は、約2mmの間隔をおいて放電空
間を形成している。被成膜基材として、窒化珪素薄膜を
形成したシリコンウェーハ14を設置した。
【0080】処理ガスとして、CH3Si(OCH3)
30.2%、CH40.2%をアルゴンガスにより希釈
したガスを導入管から導入した。上部電極、下部電極間
に図1(a)のパルス波形を用い、パルス立ち上がり速
度5μs、電圧10kVを印加し、予備放電を行った
後、大気圧近傍で成膜を行ったところ、基材上にシロキ
サン系薄膜の生成を確認した。このときの成膜速度は、
10nm/secであり、膜の誘電率は2.6であっ
た。
30.2%、CH40.2%をアルゴンガスにより希釈
したガスを導入管から導入した。上部電極、下部電極間
に図1(a)のパルス波形を用い、パルス立ち上がり速
度5μs、電圧10kVを印加し、予備放電を行った
後、大気圧近傍で成膜を行ったところ、基材上にシロキ
サン系薄膜の生成を確認した。このときの成膜速度は、
10nm/secであり、膜の誘電率は2.6であっ
た。
【0081】比較例1 実施例1と同じ装置を用い、印加電界として、150M
Hzのsin波を使用し、原料ガスとして、CH3Si
(OCH3)30.2%、CH40.2%をヘリウムガ
スにより希釈したものを使用した以外は、実施例1と同
様にして、基材上にシロキサン系薄膜の形成を行った。
シロキサン系薄膜の生成は、確認できたが、成膜速度
は、1.0nm/secであった。
Hzのsin波を使用し、原料ガスとして、CH3Si
(OCH3)30.2%、CH40.2%をヘリウムガ
スにより希釈したものを使用した以外は、実施例1と同
様にして、基材上にシロキサン系薄膜の形成を行った。
シロキサン系薄膜の生成は、確認できたが、成膜速度
は、1.0nm/secであった。
【0082】比較例2 実施例1と同様の装置を使用し、印加電界として、1
3.56MHz、200Wのsin波の電界条件を使用
し、13Paの環境下にする以外は、実施例1と同様に
して、基材上にシロキサン系薄膜の形成を行った。シロ
キサン系薄膜の生成は、確認できたが、成膜速度は、
0.5nm/secであった。
3.56MHz、200Wのsin波の電界条件を使用
し、13Paの環境下にする以外は、実施例1と同様に
して、基材上にシロキサン系薄膜の形成を行った。シロ
キサン系薄膜の生成は、確認できたが、成膜速度は、
0.5nm/secであった。
【0083】実施例2 同軸型円筒ノズルを有するノズル体6(ノズル体の詳細
は、図3に示す)を用いた図7の装置を用い、実施例1
と同じ基材上に成膜を行った。ノズル体6と電極間との
間隔を2mmとした。処理ガスとして、C2H2F2を
2%混入したアルゴンガスを使用し、実施例1と同じ条
件で大気圧下でパルス電界を印加し、予備放電後にノズ
ル体6から基材上にプラズマ化した処理ガスを吹き付け
たところ、フッ素化炭化水素ポリマー膜が形成された。
得られた薄膜の誘電率は2.8であった。
は、図3に示す)を用いた図7の装置を用い、実施例1
と同じ基材上に成膜を行った。ノズル体6と電極間との
間隔を2mmとした。処理ガスとして、C2H2F2を
2%混入したアルゴンガスを使用し、実施例1と同じ条
件で大気圧下でパルス電界を印加し、予備放電後にノズ
ル体6から基材上にプラズマ化した処理ガスを吹き付け
たところ、フッ素化炭化水素ポリマー膜が形成された。
得られた薄膜の誘電率は2.8であった。
【0084】実施例3 実施例2と同じ装置を用い、原料ガスとして、CF45
%をアルゴンガスで希釈したガスを使用し、実施例1と
同じパルス波形を用い、パルス立ち上がり速度5μs、
電圧10kV、90kPa下(大気圧下)で成膜を行っ
たところ、プラズマ生成空間から基材にプラズマ状ガス
が誘導されa−CF薄膜が形成された。薄膜の誘電率は
2.5であった。
%をアルゴンガスで希釈したガスを使用し、実施例1と
同じパルス波形を用い、パルス立ち上がり速度5μs、
電圧10kV、90kPa下(大気圧下)で成膜を行っ
たところ、プラズマ生成空間から基材にプラズマ状ガス
が誘導されa−CF薄膜が形成された。薄膜の誘電率は
2.5であった。
【0085】
【発明の効果】本発明のパルス電界を印加するlow−
k膜を形成する半導体素子の製造方法及び装置によれ
ば、大気圧近傍で、処理ガスのプラズマを基材表面に接
触させて、基材の表面にlow−k膜の形成を予備放電
後に行うので、良品質の膜をより効率的なシステムで形
成することができ、歩留まり向上に寄与できる。また、
本発明の方法及び装置は、大気圧下での実施が可能であ
るので、容易にインライン化でき、本発明の方法を用い
ることにより処理工程全体の速度低下を防ぐことができ
る。
k膜を形成する半導体素子の製造方法及び装置によれ
ば、大気圧近傍で、処理ガスのプラズマを基材表面に接
触させて、基材の表面にlow−k膜の形成を予備放電
後に行うので、良品質の膜をより効率的なシステムで形
成することができ、歩留まり向上に寄与できる。また、
本発明の方法及び装置は、大気圧下での実施が可能であ
るので、容易にインライン化でき、本発明の方法を用い
ることにより処理工程全体の速度低下を防ぐことができ
る。
【図1】本発明のパルス電界の例を示す電圧波形図であ
る。
る。
【図2】本発明のlow−k膜形成装置の例を示す図で
ある。
ある。
【図3】本発明のlow−k膜形成装置の例を示す図で
ある。
ある。
【図4】本発明のlow−k膜形成装置の例を示す図で
ある。
ある。
【図5】本発明で用いるの不活性ガスシャワー機能装置
の一例の底面図である。
の一例の底面図である。
【図6】本発明で用いる不活性ガスシャワー機能装置の
一例の底面図である。
一例の底面図である。
【図7】本発明で用いるプラズマと基材の接触方法の例
を示す図である。
を示す図である。
1 電源(高電圧パルス電源) 2、3 電極 4 固体誘電体 5 ガス吹き出し口 6 ノズル体 7 ガス導入口 10、11 排気ガス筒 12 不活性ガス導入口 13 不活性ガス吹き出し細孔 14 基材 20 搬送ロボット 21 カセット 22 アーム 30 容器 31 搬出入室 32 シャッター 41 搬入ベルト 42 処理部ベルト 43 搬出ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯浅 基和 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 本間 孝治 東京都東大和市立野2−703 株式会社ケ ミトロニクス内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA09 BA35 BA61 CA04 CA12 FA01 JA14 KA30 5F045 AA08 AB31 AC01 AC02 AC03 AC07 AC11 AC12 AC15 AC16 AC18 AD04 AD05 AD06 AD07 AD08 AE23 AE25 AE29 AF03 AF04 AF07 CB05 DC63 DP22 EE12 EE14 EF02 EF05 EF10 EF20 EH04 EH05 EH08 EH12 EH13 EH18 EH19 EN04 5F058 AB02 AB06 AB07 AC03 AC05 AC10 AF02 AH02 BA20 BB02 BB06 BB07 BF07 BF22 BF24 BF25 BF29 BF30 BF37 BG01 BG02 BG04 BJ02
Claims (12)
- 【請求項1】 プラズマCVD法による半導体素子にお
けるlow−k膜の形成において、大気圧近傍の圧力下
で、対向する一対の電極の少なくとも一方の対向面に固
体誘電体を設置し、当該一対の対向電極間に処理ガスを
導入してパルス状の電界を印加することにより得られる
プラズマを、予備放電の後に基材に接触させることを特
徴とする半導体素子の製造方法。 - 【請求項2】 プラズマを基材に接触させる際に、該プ
ラズマと基材との接触部近傍が窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、ネオン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか
一種以上の雰囲気に保たれていることを特徴とする請求
項1に記載の半導体素子の製造方法。 - 【請求項3】 プラズマと基材との接触部の周囲にガス
排気機構を有し、その周囲にガスカーテン機構を有する
ことにより、プラズマと基材との接触部近傍が窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から選
ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保たれることを特徴
とする請求項2に記載の半導体素子の製造方法。 - 【請求項4】 窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キ
セノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上で満た
された容器中で処理を行うことにより基材近傍が窒素、
アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群から
選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保たれることを特
徴とする請求項2に記載の半導体素子の製造方法。 - 【請求項5】 パルス状の電界が、パルス立ち上がり立
ち下がり時間が100μs以下、電界強度が0.5〜2
50kV/cmであることを特徴とする請求項1〜4の
いずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。 - 【請求項6】 パルス状の電界が、周波数が0.5〜1
00kHz、パルス継続時間が1〜1000μsである
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
半導体素子の製造方法。 - 【請求項7】 プラズマCVD法による半導体素子にお
けるlow−k膜の形成装置において、少なくとも一方
の対向面に固体誘電体が設置された一対の対向電極と、
当該一対の対向電極間に処理ガスを導入する機構、該電
極間にパルス状の電界を印加する機構、該パルス電界に
より得られるプラズマを予備放電後に基材に接触させる
機構を備えてなることを特徴とする半導体素子の製造装
置。 - 【請求項8】 プラズマを基材に接触させる機構が、ガ
ス吹き出し口ノズルを有する固体誘電体を通して対向電
極間で発生したプラズマを基材に向かって導くようにな
されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体素
子の製造装置。 - 【請求項9】 予備放電後にプラズマを基材に接触させ
る機構が、ガス吹き出し口ノズルを基材表面上に移動さ
せるノズル体待機機構を有することを特徴とする請求項
7又は8に記載の半導体素子の製造装置。 - 【請求項10】 プラズマと基材との接触部の周囲にガ
ス排気機構を有し、その周囲にガスカーテン機構を配置
することにより、プラズマと基材との接触部近傍を窒
素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンからなる群
から選ばれるいずれか一種以上の雰囲気に保つ機構を有
することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記
載の半導体素子の製造装置。 - 【請求項11】 窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、
キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種以上を満
たした容器中に、少なくとも一方の対向面に固体誘電体
が設置された一対の対向電極と、当該一対の対向電極間
に処理ガスを導入する機構と、該電極間にパルス状の電
界を印加する機構と、該パルス状の電界により得られる
プラズマを予備放電後に基材に接触させる機構とを配置
することにより基材近傍が窒素、アルゴン、ヘリウム、
ネオン、キセノンからなる群から選ばれるいずれか一種
以上の雰囲気に保たれるようにすることを特徴とする請
求項7〜9のいずれか1項に記載の半導体素子の製造装
置。 - 【請求項12】 請求項7〜11のいずれか1項に記載
の装置と基材搬送機構とを具備してなる半導体素子の製
造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000348739A JP2002151508A (ja) | 2000-11-15 | 2000-11-15 | 半導体素子の製造方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000348739A JP2002151508A (ja) | 2000-11-15 | 2000-11-15 | 半導体素子の製造方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002151508A true JP2002151508A (ja) | 2002-05-24 |
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ID=18822265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000348739A Pending JP2002151508A (ja) | 2000-11-15 | 2000-11-15 | 半導体素子の製造方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002151508A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004075279A1 (ja) * | 2003-02-18 | 2004-09-02 | Konica Minolta Holdings, Inc. | 有機薄膜トランジスタ素子及びその製造方法 |
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JP2013258412A (ja) * | 2008-03-31 | 2013-12-26 | Ngk Insulators Ltd | シリコン系薄膜量産装置 |
-
2000
- 2000-11-15 JP JP2000348739A patent/JP2002151508A/ja active Pending
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