JP2004143525A - 薄膜形成方法、薄膜、透明導電膜及び大気圧プラズマ処理装置 - Google Patents

薄膜形成方法、薄膜、透明導電膜及び大気圧プラズマ処理装置 Download PDF

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間宮 周雄
Toshio Tsuji
辻 稔夫
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清村 貴利
Hiroto Ito
伊藤 博人
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Abstract

【課題】生産コストが安く、透明性、導電率(比抵抗値が低く)に優れ、且つ、耐湿性・耐熱性に優れた薄膜形成方法、薄膜、透明導電膜及び大気圧プラズマ処理装置の提供。
【解決手段】大気圧または大気圧近傍の圧力下、対向電極空間内に反応性ガスを供給し、該対向電極空間内に高周波電圧を印加することにより該反応性ガスを励起し、基材を該励起された反応性ガスに晒すことにより薄膜を形成する薄膜形成方法において、放電空間外の雰囲気中の少なくとも1種のガス濃度を所定値に制御することを特徴とする薄膜形成方法。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットディスプレイ、太陽電池、タッチパネル、電子ペーパー等の透明電極に有用な薄膜形成方法、薄膜及び大気圧プラズマ処理装置に関し、特に液晶画像表示装置、有機EL画像表示装置等に用いられる透明導電膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
低電気抵抗(低比抵抗値)で、優れた可視光透過率を有する透明導電膜は、液晶画像表示装置、有機EL画像表示装置、プラズマディスプレイ(PVD)、電界放出型ディスプレイ(FED)等のフラットディスプレイの透明電極、太陽電池の透明電極、電子ペーパー、タッチパネル等多くの分野に利用されている。
【0003】
一般に電極として利用される透明導電膜には、微細なパターニングが必要である。画素形成電極として用いる場合は10μm以下の加工精度、将来的には1μm以下の加工が出来、しかも、エッチング速度が速く、均一に行えることが要求されている。
【0004】
従来、透明導電膜はスパッタリング等の真空装置により製造されているが、それらの設備は大掛かりで設備コストが高価で、生産性が低く、収率も低いのが現状である。また、マグネトロンスパッタリング法で形成された透明導電膜、例えば錫でドーピングされた酸化インジウム(SnドープInと書くこともあり、以降、ITOと略すことがある)はエッチング加工性が悪い。
【0005】
ITOのような透明導電膜は通常マグネトロンスパッタリング法で製膜され、製膜の際に基材が200℃程度に加熱され、製膜されるITOの比抵抗値を低くなるためにITO膜は結晶化する。この結晶化したITO膜はエッチング処理性が悪くパターニングがうまくいかない。一方、熱CVD法や蒸着法では、比抵抗値の低い膜は得られるものの、基材を高温にして製膜するため樹脂フィルムへの製膜が出来にくい。
【0006】
このような方法に対して、下記のような大気圧もしくはその近傍の圧力下でプラズマ放電させて製膜する大気圧プラズマ放電薄膜形成方法が開示されている。
【0007】
大気圧プラズマ放電薄膜形成方法はスパッタリング装置のような大掛かりな設備を使用せず、比較的簡単な装置で薄膜を形成することが出来る。
【0008】
例えば、特開2000−303175に、透明導電膜を製膜する方法の大気圧プラズマ放電薄膜形成方法が開示されているが(特許文献1参照)、この方式では高周波電界のパワーが低く、透明導電膜の比抵抗値が低いものは得難いものであった。
【0009】
また、特開2000−26632は、透明導電膜を形成するものではないが、ローパワーのパルスによる方法で、基材の温度を低くして基材の含水率を制御する方法が記載されている。(特許文献2参照)
従って、真空設備のような大掛かりな設備を使用せず、安価で、透明性、導電率(比抵抗値が低くい)に優れ、且つ、耐熱性、耐湿性に優れた透明導電膜の形成する方法が望まれていた。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−303175号公報(段落番号0001〜0095)
【0011】
【特許文献2】
特開2000−26632号公報(段落番号0009〜0020)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を鑑みて行われたものであって、本発明の目的は、生産コストが安く、透明性、導電率(比抵抗値が低い)に優れ、且つ、耐熱性、耐湿性に優れた薄膜形成方法、薄膜、透明導電膜及び大気圧プラズマ処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
【0014】
1.大気圧または大気圧近傍の圧力下、対向電極空間内に反応性ガスを供給し、該対向電極空間内に高周波電圧を印加することにより該反応性ガスを励起し、基材を該励起された反応性ガスに晒すことにより薄膜を形成する薄膜形成方法において、放電空間外の雰囲気中の少なくとも1種のガス濃度を所定値に制御することを特徴とする薄膜形成方法。
【0015】
2.前記放電空間外の雰囲気に、前記ガス濃度の所定値に応じて該ガスを供給することを特徴とする前記1に記載の薄膜形成方法。
【0016】
3.前記ガスが酸素ガス、二酸化炭素、空気及び窒素ガスから選ばれる少なくとも1種のガスであることを特徴とする前記2に記載の薄膜形成方法。
【0017】
4.前記反応性ガスが還元ガスを含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
【0018】
5.前記放電空間外の雰囲気中の少なくとも1種のガス濃度を1〜50体積%に制御することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
【0019】
6.前記放電空間外の雰囲気中の還元ガス濃度を0.1〜10体積%に制御することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
【0020】
7.前記高周波電圧の周波数が100kHzを越えていることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
【0021】
8.前記高周波電圧の出力密度が1W/cm以上であることを特徴とする前記7に記載の薄膜形成方法。
【0022】
9.前記1〜8のいずれか1項に記載の薄膜形成方法により形成されることを特徴とする薄膜。
【0023】
10.前記1〜8のいずれか1項に記載の薄膜形成方法により形成されることを特徴とする透明導電膜。
【0024】
11.前記透明導電膜が酸化インジウムに錫をドーピングして得られる(ITO)膜、酸化錫にフッ素原子をドーピングして得られる(FTO)膜又は酸化インジュウムにZnをドープして得られる(IZO)膜であることを特徴とする前記10に記載の透明導電膜。
【0025】
12.プラズマ処理反応容器と、該プラズマ処理反応容器内に対向して配置された一対の電極と、該電極に高周波電圧を印加するための高周波電源と、該一対の電極によって挟まれた対向電極空間内に反応性ガスを供給する第一のガス供給手段と、該プラズマ処理反応容器内のガスを該プラズマ処理反応容器外に排出するガス排出手段とを有し、大気圧または大気圧近傍の圧力下、該対向電極空間内に該第一のガス供給手段から前記反応性ガスを供給し、該一対の電極間に該電源から高周波電圧を印加することにより該反応性ガスを励起し、基材を励起された反応性ガスに晒すことによって薄膜を形成する大気圧プラズマ処理装置において、該プラズマ処理反応容器内の放電空間外の雰囲気中の少なくとも1種のガス濃度を所定値に制御する制御手段を有することを特徴とする大気圧プラズマ処理装置。
【0026】
13.制御手段が、直接前記放電空間外の雰囲気に前記ガス濃度の所定値に応じて該ガスを供給する第2のガス供給手段を有することを特徴とする前記12に記載の大気圧プラズマ処理装置。
【0027】
14.制御手段が、前記放電空間外の雰囲気中のガス濃度を検知する検知手段を有し、該検知手段により検知された情報に基づき、前記ガス濃度の所定値に応じて該ガスを直接前記放電空間外の雰囲気に第2のガス供給手段から供給することを特徴とする前記12又は13に記載の大気圧プラズマ処理装置。
【0028】
即ち、本発明者らは、種々検討した結果、従来の薄膜形成方法は、製膜前は大気圧開放状態で、製膜開始後はプラズマ処理容器内にプラズマ処理空間からでた放電ガス、原料ガス、反応ガスが充満しはじめ、製膜開始時と終了時でプラズマ処理容器内のガス組成が変化し、膜厚方向に特性(特に結晶化度)の異なる膜ができ、これが原因で環境安定性が劣化する(製膜直後と保存後の比抵抗値の変化が大きくなり、耐熱性、耐湿性が劣化する)ことを見いだした。
【0029】
従って、本発明者らは、更に検討することにより、プラズマ処理反応容器内の帯電空間内に反応性ガスを供給し、製膜開始前から終了まで、放電空間外の雰囲気中の少なくとも1種のガス濃度を、所定値になるように制御することで、形成された透明導電膜の膜厚方向の組成を均一にすることができ、この形成方法により、安価で、比抵抗値が低く、且つ、耐湿、耐熱性に優れた薄膜、透明導電膜を得ることができることを見いだした。
【0030】
以下、本発明を更に詳細に述べる。
本発明の透明導電膜は、前述の如く、本発明の特定の薄膜形成方法で形成されることを特徴としている。
【0031】
本発明の透明導電膜は、連続的なサイン波形のハイパワー高周波電圧をかける大気圧プラズマ処理装置をもちいることにより、基材上に透明導電膜が形成されるものであり、該透明導電膜形成の際、大気圧または大気圧近傍の圧力下、プラズマ処理反応容器内の対向電極空間(以下、放電空間ともいう)に反応性ガスを供給し、該放電空間に高周波電圧を印加することにより反応性ガスを励起し、基材を励起された該反応性ガスに晒すことにより透明導電膜を形成する透明導電膜形成方法において、該放電空間外の雰囲気中の少なくとも1種のガス濃度を所定値に制御することを特徴としている。
【0032】
本発明は、前記放電空間外の雰囲気中を、製膜中、前記ガス濃度の所定値になるように該ガスを供給することが好ましい。
【0033】
また、本発明においては、該ガスが酸素ガス、二酸化炭素、空気及び窒素ガスから選ばれる少なくとも1種のガスであることが好ましく、酸素、空気であることがより好ましい。
【0034】
尚、前記放電空間外の雰囲気中の上記少なくとも1種のガス濃度を1〜50体積%に制御することが好ましい。
【0035】
また、反応性ガスが還元ガスを有することが好ましく、前記放電空間外の雰囲気中の該還元ガス濃度を0.1〜10体積%に制御することも好ましい。
【0036】
前記高周波電圧の周波数は100kHzを越えていることが好ましく、前記高周波電圧の出力密度は1W/cm以上であることが好ましく、前記透明導電膜がITO膜、FTO膜またはIZO膜であることが好ましい。
【0037】
ここで、本発明の大気圧プラズマ処理装置について説明する。
本発明の大気圧プラズマ処理装置は、二つの電極が、例えば片方の電極がアース電極で、対向する位置に配置された他方の電極が印加電極で構成する対向電極を有し、これらの対向電極間内に、大気圧または大気圧近傍の圧力下、第一のガス供給手段から前記反応性ガスを供給し、一対の電極間に電源から高周波電圧を印加することにより該反応性ガスを励起し、対向電極間に高周波電源からの高周波電圧をかけてプラズマ処理反応容器(以下、単に反応容器ともいう)内のガスを該反応容器外に排出するガス排出手段を有し、該反応容器内の放電空間外の雰囲気中の酸素、二酸化炭素ガス、空気及び窒素ガスから選ばれる少なくとも一種のガス濃度を所定値に制御する制御手段と供給手段とを有し、該放電空間内を移送する基材を該プラズマ状態の反応性ガスに晒すことによって、該基材の上に透明導電膜を形成させる大気圧プラズマ処理装置である。
【0038】
また他の方式の大気圧プラズマ処理装置としては、大気圧または大気圧近傍の圧力下、対向電極空間内に反応性ガスを供給手段から射出した反応性ガスを対向電極外にジェット状にプラズマ状態にし、対向電極間に高周波電源からの高周波電圧をかけて反応容器内のガスを該反応容器外に排出するガス排出手段からガスを排出させ、反応容器内の放電空間外の雰囲気中の酸素、二酸化炭素ガス、空気及び窒素ガスから選ばれる少なくとも1種のガス濃度を所定値に制御する制御手段、供給手段を有し、該対向電極の近傍にある基材F(静置していても移動していてもよい)をプラズマ状態の反応性ガスに晒すことによって該基材の上に透明導電膜の薄膜を形成させるジェット方式の大気圧プラズマ処理装置等も挙げられる。
【0039】
図1は、本発明の大気圧プラズマ処理装置の一例を示す概略図である。
図1の大気圧プラズマ処理装置はプラズマ処理装置30、反応性ガス供給手段50、電圧印加手段40、反応容器内の放電空間外の雰囲気200中の酸素、二酸化炭素ガス、空気及び窒素ガスから選ばれる少なくとも1種のガス濃度を所定値に制御する制御手段50′及び電極温度調節手段60を有している。ロール回転電極35と角筒型固定電極群36は、基材Fをプラズマ放電処理するものである。
【0040】
図1では、ロール回転電極35はアース電極で、角筒型固定電極群36は高周波電源41に接続されている印加電極である。基材Fは図示されていない元巻きから巻きほぐされて搬送して来るか、または前工程から搬送されて来て、ガイドロール64を経てニップロール65で基材に同伴して来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回されながら角筒型固定電極群36との間を移送され、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取られるか、次工程に移送する。
【0041】
反応性ガス供給手段50からガス発生装置51で発生させた反応性ガスGを、流量制御して供給口52より放電処理室32のプラズマ放電反応容器31内の対向電極空間内に導入し、該プラズマ放電反応容器31の対向電極空間内を反応性ガスGで満たし、放電処理が行われた処理排ガスG′を排気口53より排出するようにする。
【0042】
次に電圧印加手段40で、高周波電源41により角筒型固定電極群36に電圧を印加し、アース電極のロール回転電極35との図4に示すような対向電極空間202内で放電プラズマを発生させ、反応容器内の放電空間外の雰囲気200中の前記少なくとも一種のガス(G″)濃度を所定値に制御する制御手段50′で、放電空間外の雰囲気200中の該ガス(G″)濃度を所定値に制御し、且つ、検知器Cの情報に基づいて、該所定値のガス(G″)濃度になるように、ガスG″を放電空間外の雰囲気200に供給する。尚、201は放電空間内の雰囲気を表す。
【0043】
その後、ロール回転電極35及び角筒型固定電極群36を電極温度調節手段60を用いて媒体を加熱または冷却し電極に送液する。電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を送液ポンプPで配管61を経てロール回転電極35及び角筒型固定電極群36内側から温度を調節する。
【0044】
プラズマ放電処理の際、基材の温度によって得られる薄膜の物性や組成は変化することがあり、適宜制御することが好ましい。
【0045】
媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。
プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラを出来るだけ生じさせないようにロール回転電極35の内部の温度を制御することが望ましい。なお、68及び69はプラズマ放電反応容器31と外界を仕切る仕切板である。71はガス検知手段、72はガス供給手段、73は供給管(流量調節機能あり)である。
【0046】
図2は、図1に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す斜視図である。
【0047】
図2において、ロール電極25aの導電性の金属質母材25Aで形成されているロールの表面側に誘電体が被覆されており、中は中空になっていて温度調節が行われるジャケットになっている。25Bは誘電体である。
【0048】
図3は、図1に示した角筒型固定電極(以下、角筒型電極ともいう)の母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す斜視図である。
【0049】
図3において、角筒型電極36aは、金属等の導電性の母材に対し、図2同様の誘電体被覆層を有している。角筒型電極36aは中空の金属角型のパイプで、パイプの表面に上記と同様の誘電体を被覆し、放電中は温度調節が行えるようになっている。
【0050】
尚、角筒型固定電極群36(図1)の数は、上記ロール回転電極35(図1)の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されており、放電面積はロール回転電極35に相対している角筒型電極36a面の全面積となる。
【0051】
図3に示した角筒型電極36aは、円筒型(丸型)電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明の薄膜形成方法に好ましく用いられる。
【0052】
図2及び図3において、ロール電極25a及び角筒型電極36aは、導電性の金属質母材25A及び36Aの表面に、誘電体25B及び36Bを誘電体被覆層とした構造になっている。誘電体被覆層は、セラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したセラミックス被覆層である。セラミックス被覆誘電体層の厚さは片肉で1mmである。また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナやアルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ましく用いられる。
【0053】
または、誘電体層として、ガラスライニングによる無機材料のライニング処理誘電体であってもよい。
【0054】
導電性の金属質母材25A及び36Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることが出来るが、後述の理由からはチタン金属またはチタン合金が好ましい。
【0055】
対向電極空間距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、電極の一方に誘電体を設けた場合には誘電体表面と導電性の金属質母材表面の最短距離、また上記電極の双方に誘電体を設けた場合には誘電体表面同士の距離で、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5〜20mmが好ましく、特に好ましくは1±0.5mmである。
【0056】
本発明に有用な導電性の金属質母材及び誘電体についての詳細については後述する。
【0057】
プラズマ放電反応容器31(図1)はパイレックス(R)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能であり、例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁体としても良い。
【0058】
図4は、本発明の大気圧プラズマ処理装置中の一個のプラズマ処理反応容器内を示す概略図である。
【0059】
本発明のプラズマ処理反応容器は、高圧印加手段104で、高周波電源105により高周波電圧を印加する印加電極101とアース電極102の対向電極間に反応性ガスGを導入し、放電空間内202で放電を起こさせ、そこでプラズマ状態の反応性ガスG°(点線で表している)がジェット状に下方に流れ(ジェット方式)、反応容器B内の放電空間外の雰囲気200中のガスG″の濃度を検知する検知器Cを有しており、製膜中、該検知器Cで測定したガス濃度を図1に示すような検知手段71により検知し、その情報に基づいて、所定値になるように、第2のガス供給手段から放電空間外の雰囲気200にガスG″を供給管(流量調節機能あり)より放電空間外のガス雰囲気200に供給することで放電空間外の雰囲気200のガスG″濃度を制御し、電極下の処理位置103において移送して来る基材F(例えば、フィルム、ガラス等)上に透明導電膜を形成させる。
【0060】
また、本発明においては、放電空間外の雰囲気200中の反応性ガス濃度を制御することも、本発明の効果をより奏する点で好ましい。
【0061】
フィルム状の基材Fは、図示してない基材の元巻ロールから巻きほぐされて搬送されるか、あるいは前工程から搬送されて来る。
【0062】
また、ガラス板のような基材Fもベルトコンベアのような移動体の上に載せて移送し処理してもよい。更に、ジェット方式の該大気圧プラズマ放電薄膜形成装置を複数基接して直列に並べて同時に同じ放電させ、基材そのものが移送しているか、あるいは基材がベルトコンベアのようなものに載せて移送していることにより、何回も処理を受けるため高速で処理することも出来る。
【0063】
また各装置が異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、積層することも出来る。G′は処理排ガスである。101A及び102Aは印加電極101及びアース電極102の導電性の金属質母材であり、101B及び102Bは誘電体である。図4においても、電圧印加手段104、図示してないが、反応性ガス供給手段50、ガス供給手段72、制御手段50′、ガス検知手段71、供給管(流量調節機能あり)73及び電極温度調節手段60を有している。また電極の内部も中空となって温度調節用のジャケットになっている。
【0064】
上述した如く、本発明の特徴である反応容器B内の放電空間外の雰囲気中のガス濃度を制御する放電空間外の雰囲気とは図1、4において、符号200の領域のことをいい、また、放電空間内の雰囲気とは201の領域、対向電極空間内に高周波電圧を印加して、反応性ガスを供給、励起させる対向電極空間(放電空間)は202の領域である。
【0065】
本発明において、プラズマ放電処理が大気圧もしくはその近傍の圧力で行われるが、ここで大気圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を表すが、本発明の効果をより奏する点で93kPa〜104kPaが好ましい。
【0066】
ハイパワーの大気圧プラズマ放電処理方法は、対向する電極間に印加する高周波電圧は、100kHzを越えた高周波電圧で、且つ、1W/cm以上の電力密度を供給し、反応性ガスを励起してプラズマを発生させることができ好ましい。
【0067】
本発明において、対向電極間に印加する高周波電圧の周波数の上限値は、好ましくは150MHz以下であり、より好ましくは15MHz以下である。また、高周波電圧の周波数の下限値としては、好ましくは200kHz以上、より好ましくは800kHz以上である。
【0068】
また、電極間に供給する電力密度の上限値とは、好ましくは50W/cm以下、より好ましくは20W/cm以下である。下限値は、好ましくは1W/cm以上である。尚、放電面積(cm)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
【0069】
高周波電源より印加電極に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が10V〜10kV程度で、上記のように電源周波数は100kHzを越えて150MHz以下に調整される。
【0070】
本発明に有用な電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードである。
【0071】
本発明においては、このような電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことが出来る電極を大気圧プラズマ処理装置に採用することが好ましい。
【0072】
本発明においては、印加電極に電圧を印加する電源としては、ハイパワーの電圧を掛けられる電源であれば、特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、パール工業製高周波電源(2MHz)、パール工業製製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(27MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等が好ましく使用出来、より好ましくは100kHz〜150MHzの高周波電源であり、更に好ましくは、800kHz〜27MHzのものである。
【0073】
このようなハイパワーの大気圧プラズマ放電薄膜形成装置に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならないので、下記のような導電性の金属質母材上に誘電体を被覆した電極が好ましい。
【0074】
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、様々な導電性の金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、導電性の金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10−6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10−6/℃以下、さらに好ましくは5×10−6/℃以下、さらに好ましくは2×10−6/℃以下である。尚、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
【0075】
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、
▲1▼導電性の金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜、
▲2▼導電性の金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング、
▲3▼導電性の金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜、
▲4▼導電性の金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング、
▲5▼導電性の金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜、
▲6▼導電性の金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング、
▲7▼導電性の金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜、
▲8▼導電性の金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング、
等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記▲1▼または▲2▼、及び▲5▼〜▲8▼が好ましく、特に▲1▼が好ましい。
【0076】
本発明において、導電性の金属質母材は、上記の特性からはチタンまたはチタン合金が特に有用である。導電性の金属質母材をチタンまたはチタン合金とすることにより、誘電体を上記とすることにより、使用中の電極の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることが出来る。
【0077】
本発明に有用な電極の導電性の金属質母材は、チタンを70質量%以上含有するチタン合金またはチタン金属である。本発明において、チタン合金またはチタン金属中のチタンの含有量は、70質量%以上であれば、問題なく使用出来るが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることが出来る。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることが出来、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることが出来、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることが出来、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金またはチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、導電性の金属質母材としてチタン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることが出来る。
【0078】
一方、誘電体の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
【0079】
または、上述のような大電力に耐える仕様の一つとして、誘電体の空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。なお、誘電体の空隙率は、BET吸着法や水銀ポロシメーターにより測定することが出来る。後述の実施例においては、島津製作所製の水銀ポロシメーターにより金属質母材に被覆された誘電体の破片を用い、空隙率を測定する。誘電体が、低い空隙率を有することにより、高耐久性が達成される。このような空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体としては、後述の大気プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げることが出来る。更に空隙率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
【0080】
上記、大気プラズマ溶射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラズマ熱源中に投入し、溶融または半溶融状態の微粒子として被覆対象の金属質母材に吹き付け、皮膜を形成させる技術である。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子に解離させ、さらにエネルギーを与えて電子を放出させた高温のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射速度は大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べて、溶射材料が高速で金属質母材に衝突するため、密着強度が高く、高密度な被膜を得ることが出来る。詳しくは、特開2000−301655に記載の高温被曝部材に熱遮蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することが出来る。この方法により、上記のような被覆する誘電体(セラミック溶射膜)の空隙率にすることが出来る。
【0081】
また、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
【0082】
誘電体の空隙率をより低減させるためには、上記のようにセラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素(SiO)を主成分として含有するものが好ましい。
【0083】
封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液としてセラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
【0084】
ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射などがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極が出来る。
【0085】
本発明に好ましく用いられる誘電体被覆電極の金属アルコキシド等の封孔液としては、セラミックス溶射膜にコーティングした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiO(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiO含有量は、XPSにより誘電体層の断層を分析することにより測定する。
【0086】
本発明の薄膜形成方法に好ましく用いられる電極は、電極の少なくとも基材と接する側のJIS−B−0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明の効果をより奏する点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。
【0087】
このように誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安定化出来ること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、且つ、高精度で、耐久性を大きく向上させることが出来る。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも基材と接する側の誘電体において行われることが好ましい。更にJIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
【0088】
本発明に使用する誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。
【0089】
なお、耐熱温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電出来る状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。
【0090】
このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、下記金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
【0091】
次に、本発明の透明導電膜を形成する反応性ガスについて説明する。
使用する反応性ガスは、基本的に放電ガス及び薄膜形成性ガス等のガスである。
【0092】
放電ガスは、放電空間において励起状態またはプラズマ状態となり薄膜形成性ガスにエネルギーを与えて励起またはプラズマ状態にする役割を行うもので、希ガスまたは窒素ガスである。
【0093】
希ガスとしては、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等を挙げることが出来るが、本発明に記載の緻密で、低比抵抗値を有する薄膜を形成する効果を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。放電ガスは、反応性ガス100体積%に対し、90.0〜99.9体積%含有されることが好ましい。
【0094】
薄膜形成性ガスは、放電空間で放電ガスからエネルギーを受け励起状態またはプラズマ状態となり、透明導電膜を形成するガスである。
【0095】
本発明の反応性ガスは還元ガスを有することが好ましい。
本発明においては、薄膜形成性ガスは少なくとも有機金属化合物を含有していることが好ましい。
【0096】
また、有機金属化合物から形成される金属酸化物にドーピングするドーピング用有機金属化合物を加える場合があり、同様な有機金属化合物が使用されることが好ましい。
【0097】
本発明に有用な有機金属化合物は下記の一般式(I)で示すものから選ばれるものが好ましい。
【0098】
一般式(I) R MR
式中、M金属、Rはアルキル基、Rはアルコキシ基、Rはβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基であり、金属Mの価数をmとすると、x+y+z=mであり、x=0〜m、好ましくはx=0〜m−1であり、y=0〜m、z=0〜mであり、何れも0または正の整数である。但し、x+y+z=mが0であることはない。
【0099】
のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることが出来、Rのアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等を挙げることが出来る。また、Rのβ−ジケトン錯体基としては、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトンあるいはアセトアセトンともいう)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸エステル錯体基としては、例えば、アセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸プロピルエステル、トリメチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸メチル等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸としては、例えば、アセト酢酸、トリメチルアセト酢酸等を挙げることができ、またケトオキシとしては、例えば、アセトオキシ基(またはアセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を挙げることができる。これらの基の炭素原子数は、上記例有機金属示化合物を含んで、18以下が好ましい。また例示にもあるように直鎖または分岐のもの、また水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。
【0100】
本発明において取り扱いの問題から、爆発の危険性の少ない有機金属化合物が好ましく、分子内に少なくとも一つ以上の酸素を有する有機金属化合物が好ましい。このようなものとしてRのアルコキシ基を少なくとも一つを含有する有機金属化合物、またRのβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基を少なくとも一つ有する金属化合物が好ましい。
【0101】
本発明に使用し得る有機金属化合物の金属は、特に制限ないが、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)及びアンチモン(Sb)が好ましく、インジウム、亜鉛及び錫から選ばれる少なくとも1種の金属が特に好ましい。
【0102】
本発明において、上記の好ましい有機金属化合物の例としては、インジウムトリス2,4−ペンタンジオナート(あるいは、トリスアセトアセトナートインジウム)、インジウムトリスヘキサフルオロペンタンジオナート、メチルトリメチルアセトキシインジウム、トリアセトアセトオキシインジウム、トリアセトオキシインジウム、ジエトキシアセトアセトオキシインジウム、インジウムトリイソポロポキシド、ジエトキシインジウム(1,1,1−トリフルオロペンタンジオナート)、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)インジウム、エトキシインジウムビスアセトメチルアセタート、ジ(n)ブチルビス(2,4−ペンタンジオナート)錫、ジ(n)ブチルジアセトオキシ錫、ジ(t)ブチルジアセトオキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テトラ(i)ブトキシ錫、亜鉛2,4−ペンタンジオナート等を挙げることが出来、何れも好ましく用いることが出来る。
【0103】
この中で特に、インジウムトリス2,4−ペンタンジオナート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)インジウム、亜鉛ビス2,4−ペンタンジオナート、ジ(n)ブチルジアセトオキシ錫が好ましい。これらの有機金属化合物は一般に市販(例えば、東京化成工業(株)等から)されている。
【0104】
これらの有機金属化合物の薄膜形成性ガスは反応性ガス中で0.01〜10体積%含有されることが好ましく、より好ましくは0.1〜3体積%である。
【0105】
本発明において、薄膜形成性ガスに還元性ガスを含有させることにより、形成された透明導電膜をより均一に緻密にすることが出来、導電性及びエッチング性能を向上させることが出来る。還元性ガスは例えば水素ガスであり、混合ガス100体積%に対して0.0001〜10体積%が好ましく、より好ましくは0.001〜5体積%である。
【0106】
本発明において、該有機金属化合物から形成される透明導電膜の導電性を更に高めるためのドーピング用有機金属化合物またはドーピング用フッ素化合物を混合ガスに含有させることが好ましい。ドーピング用有機金属化合物またはドーピング用フッ素化合物の薄膜形成性ガスとしては、例えば、トリイソプロポキシアルミニウム、ニッケルトリス2,4−ペンタンジオナート、マンガンビス2,4−ペンタンジオナート、ボロンイソプロポキシド、トリ(n)ブトキシアンチモン、トリ(n)ブチルアンチモン、ジ(n)ブチル錫ビス2,4−ペンタンジオナート、ジ(n)ブチルジアセトオキシ錫、ジ(t)ブチルジアセトオキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テトラブトキシ錫、テトラブチル錫、亜鉛2,4−ペンタンジオナート、六フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン、四フッ化メタン等を挙げることが出来る。
【0107】
なお、本発明において、放電ガス及び薄膜形成性ガスを有する反応性ガスを用いて薄膜を形成するが、別の態様として、これらのガスを別々に放電空間に導入してもよい。
【0108】
前記透明導電膜を形成するに必要な有機金属化合物と上記ドーピング用の薄膜形成性ガスの比は、形成する透明導電膜の種類により異なるが、例えば、酸化インジウムに錫をドーピングして得られるITO膜においては、In:Snの原子数比が100:0.1〜100:15の範囲になるように薄膜形成性ガス量を調整することが必要である。好ましくは、100:0.5〜100:10になるよう調整することが好ましい。酸化錫にフッ素をドーピングして得られる透明導電膜(フッ素ドープ酸化錫膜をFTO膜という)においては、得られたFTO膜のSn:Fの原子数比が100:0.01〜100:50の範囲になるよう薄膜形成性ガスの量比を調整することが好ましい。In−ZnO系アモルファス透明導電膜においては、In:Znの原子数比が100:50〜100:5の範囲になるよう薄膜形成性ガスの量比を調整することが好ましい。In:Sn、Sn:F及びIn:Znの各原子数比はXPS測定によって求めることが出来る。
【0109】
本発明において、得られる透明導電膜は、例えば、SnO、In、ZnOの酸化物膜、またはSbドープSnO、FTO、AlドープZnO、ZnドープIn(IZO)、ZrドープIn、ITO等ドーパントによりドーピングされた複合酸化物を挙げることが出来、これらから選ばれる少なくとも一つを主成分とするアモルファス膜が好ましい。またその他にカルコゲナイド、LaB、TiN、TiC等の非酸化物膜、Pt、Au、Ag、Cu等の金属膜、CdO等の透明導電膜を挙げることが出来る。
【0110】
本発明の薄膜形成方法により得られる透明導電膜は、高いキャリア移動度を有する特徴を持つ。よく知られているように透明導電膜の電気伝導率は以下の(1)式で表される。
【0111】
σ=n×e×μ(1)
ここで、σは電気伝導率、nはキャリア密度、eは電子の電気量、そしてμはキャリアの移動度である。電気伝導率σを上げるためにはキャリア密度nあるいはキャリア移動度μを増大させる必要があるが、キャリア密度nを増大させていくと2×1021cm−3付近から反射率が大きくなるため透明性が失われる。そのため、電気伝導率σを増大させるためにはキャリア移動度μを増大させることが好ましい。
【0112】
本発明の薄膜形成方法は、条件を最適化することにより、DCマグネトロンスパッタリング法により形成された透明導電膜に近いキャリア移動度μを有する透明導電膜を形成することが可能であることが判明した。
【0113】
本発明の薄膜形成方法は高いキャリア移動度μを有するため、ドーピングなしでも比抵抗値として1×10−3Ω・cm以下の比抵抗値の透明導電膜を得ることができ、本発明の効果をより奏する点で好ましい。ドーピングを行いキャリア密度nを増加させることで更に比抵抗値を下げることが出来る。
【0114】
また、必要に応じて比抵抗値を上げる薄膜形成性ガスを用いることにより、比抵抗値として1×10−2Ω・cm以上の高比抵抗値の透明導電膜を得ることも出来る。
【0115】
透明導電膜の比抵抗値を調整するために用いる薄膜形成性ガスとしては、例えば、チタントリイソプロポキシド、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることが出来る。
【0116】
本発明の透明導電膜の形成方法によって得られる透明導電膜は、キャリア密度nが、1×1019cm−3以上、より好ましい条件下においては、1×1020cm−3以上となるが、透明性は低下しない。
【0117】
上記形成された酸化物または複合酸化物の透明導電膜の膜厚は、0.1〜1000nmの範囲が好ましい。
【0118】
本発明の薄膜に用いる基材について説明する。
本発明の薄膜を形成する基材としては、薄膜をその表面に形成出来るものであれば特に限定はない。基材が静置状態でも移送状態でもプラズマ状態の反応性ガスに晒され、均一の薄膜が形成されるものであれば基材の形態または材質には制限ないが、樹脂フィルムが本発明においては好ましい。
【0119】
具体的には樹脂として、例えば、樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂板等を挙げることが出来る。
【0120】
樹脂フィルムは本発明の大気圧プラズマ処理装置の電極間または電極の近傍を連続的に移送させて透明導電膜を形成することが出来るので、スパッタリングのような真空系のようなバッチ式でない、大量生産に向き、連続的な生産性の高い生産方式として好適である。
【0121】
樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂レンズ、樹脂成形物等成形物の材質としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネートまたはセルロースアセテートブチレートのようなセルロースエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリメチルアクリレート、アクリレートコポリマー等を挙げることが出来る。
【0122】
これらの素材は単独であるいは適宜混合されて使用することも出来る。中でもゼオネックスやゼオノア(日本ゼオン(株)製)、非晶質シクロポリオレフィン樹脂フィルムのARTON(日本合成ゴム(株)製)、ポリカーボネートフィルムのピュアエース(帝人(株)製)、セルローストリアセテートフィルムのコニカタックKC4UX、KC8UX(コニカ(株)製)などの市販品を好ましく使用することが出来る。更に、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン及びポリエーテルスルフォンなどの固有複屈折率の大きい素材であっても、溶液流延製膜、溶融押し出し製膜等の条件、更には縦、横方向に延伸条件等を適宜設定することにより使用することが出来るものを得ることが出来る。
【0123】
これらのうち光学的に等方性に近いセルロースエステルフィルムが本発明の透明導電膜に好ましく用いられる。セルロースエステルフィルムとしては、上記のようにセルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられるものの一つである。セルローストリアセテートフィルムとしては市販品のコニカタックKC4UX、KC8UX等が有用である。
【0124】
これらの樹脂の表面にゼラチン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂等を塗設したものも使用出来る。またこれら樹脂フィルムの薄膜側に防眩層、クリアハードコート層、防汚層等を設けてもよい。また、必要に応じて接着層、アルカリバリアコート層、ガスバリア層や耐溶剤性層等を設けてもよい。
【0125】
また、本発明に好ましく用いられる基材としては、上記記載の基材に限定されるものではない。
【0126】
基材がフィルム形状の場合、膜厚としては10〜1000μmが好ましく、より好ましくは40〜200μmである。
【0127】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0128】
実施例1
〈電極の作製と装置組み込み〉
図1のロール回転電極35に使用するロール電極25a(図2)は、チタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して大気圧プラズマ法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を1mm被覆し、その後テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行い、表面を平滑にしてRmaxを5μmとした誘電体(比誘電率10%、空隙率5体積%、耐熱性200℃、線熱膨張係数1.8×10−4/℃)を有するロール径1000mmφとなるようにロール回転電極35を作製した。
【0129】
一方、図1の角筒型固定電極群36に使用する角筒型電極36aは、中空の角筒型のチタン合金T64の金属質母材で作製し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆し、同様な物性値のものを得た。
【0130】
この角筒型電極をロール回転電極のまわりに、対向電極間隙を1mmとして25本配置した。角筒型固定電極群の放電総面積は、100cm(幅手方向の長さ)×4cm(搬送方向の長さ)×10本(電極の数)=4000cmであった。ロール回転電極にはアースを接地し、角筒型固定電極群は高周波電源をそれぞれ接続した。
【0131】
〈透明導電膜の作製〉
図4の大気圧プラズマ処理装置を用いて、放電空間を10kPaの圧力とし、プラズマ処理反応容器B(図4)内の放電空間外の雰囲気200に図1に示されるような供給手段72から供給管(流量調節機能あり)73を通して酸素(G″)を導入した。反応容器B内の放電空間外の雰囲気に設けた酸素濃度計(東レ(株)製OXYGEN ANALYZER)を用いて酸素濃度を検知器Cで測定しながら反応容器B内の放電空間外の雰囲気200の酸素濃度が30体積%になるまで供給を行なった。
【0132】
その後、図1に示されるような薄膜形成反応性ガスの供給口52から下記反応性ガス1(G)を供給管を通して図4に示されるような対向電極空間202に供給した。
【0133】
また、製膜中は放電空間外の雰囲気200の酸素濃度が30体積%になるように図1に示されるような制御手段50′を用いて酸素流量を制御した。
【0134】
基材としては非晶質ポリオレフィン樹脂フィルム(JSR社製ARTONフィルム、厚さ100μm)を使用し、表1に示すように、放電空間外の雰囲気200中のガス濃度を所定値に制御し、周波数、出力密度で放電を行い、ITO膜を形成して試料No.1〜7とした。
【0135】
尚、試料3、5、6、7の水素濃度は豊田マイクロシステム製水素濃度センサー(検知器C)を用いて測定した。
【0136】
Figure 2004143525
比較例1
表1に示したように周波数、出力密度、透明導電膜製膜中の反応容器B内の放電空間外の雰囲気200中のガス濃度の制御をしなかった以外は実施例1と同様に行い、膜厚100nmのITO膜を基材上に形成して、試料No.8、9とした。
【0137】
実施例2
下記透明導電膜用反応性ガス2及び3を用い、電源周波数13.56MHz、出力密度5W/cmで表2に示したように、透明導電膜製膜中の反応容器B内の放電空間外の雰囲気200中のガス濃度を所定値に制御し、実施例1と同様に行い、膜厚100nmのIZO膜及びFTO膜を基材上に形成して、試料No.10及び11を作製した。
【0138】
Figure 2004143525
比較例2
表2に示したように、放電空間外の雰囲気中のガス濃度制御をしなかった以外は実施例2と同様に行い、膜厚100nmのIZO膜及びFTO膜を基材上に形成して、試料No.12及び13とした。
【0139】
以上の試料1〜13について下記の評価を行い、その結果を以下の表に示した。
【0140】
〔評価〕
《透過率》
JIS−R−1635に従い、日立製作所製分光光度計U−4000型を用いて測定を行った。試験光の波長は550nmとした。
【0141】
《比抵抗値》
JIS−R−1637に従い、四端子法により求めた。なお、測定には三菱化学製ロレスタ−GP、MCP−T600を用いた。
【0142】
《耐湿性・耐熱性の評価》
試料を恒温器を用いて温度60℃、RH90%の条件で240時間保存した後、比抵抗値を上記四端子法にて測定した。加湿・加熱前後の比抵抗値をそれぞれR0、Rとし、変化比(R/R0)を耐湿性・耐熱性の指標とした。
【0143】
【表1】
Figure 2004143525
【0144】
【表2】
Figure 2004143525
【0145】
雰囲気中:放電空間外の雰囲気中
濃度:放電空間外の雰囲気中のガス濃度
以上の結果から明らかなように、本発明の試料が比較の試料に比して優れていることが分かる。
【0146】
【発明の効果】
実施例で実証したごとく、本発明による薄膜形成方法、薄膜、透明導電膜及び大気圧プラズマ処理装置は生産コストが安く、透明性、導電率(比抵抗値が低く)に優れ、且つ、耐湿・耐熱性に優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の大気圧プラズマ処理装置の一例を示す概略図である。
【図2】図1に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す斜視図である。
【図3】図1に示した角筒型電極の母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の大気圧プラズマ処理装置の他の例を示す概略図である。
【符号の説明】
30 プラズマ処理装置
35 ロール回転電極
36 角筒型固定電極群
40 電圧印加手段
50 反応性ガス供給手段
60 電極温度調節手段

Claims (14)

  1. 大気圧または大気圧近傍の圧力下、対向電極空間内に反応性ガスを供給し、該対向電極空間内に高周波電圧を印加することにより該反応性ガスを励起し、基材を該励起された反応性ガスに晒すことにより薄膜を形成する薄膜形成方法において、放電空間外の雰囲気中の少なくとも1種のガス濃度を所定値に制御することを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 前記放電空間外の雰囲気に、前記ガス濃度の所定値に応じて該ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
  3. 前記ガスが酸素ガス、二酸化炭素、空気及び窒素ガスから選ばれる少なくとも1種のガスであることを特徴とする請求項2に記載の薄膜形成方法。
  4. 前記反応性ガスが還元ガスを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  5. 前記放電空間外の雰囲気中の少なくとも1種のガス濃度を1〜50体積%に制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  6. 前記放電空間外の雰囲気中の還元ガス濃度を0.1〜10体積%に制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  7. 前記高周波電圧の周波数が100kHzを越えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  8. 前記高周波電圧の出力密度が1W/cm以上であることを特徴とする請求項7に記載の薄膜形成方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の薄膜形成方法により形成されることを特徴とする薄膜。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の薄膜形成方法により形成されることを特徴とする透明導電膜。
  11. 前記透明導電膜が酸化インジウムに錫をドーピングして得られる(ITO)膜、酸化錫にフッ素原子をドーピングして得られる(FTO)膜又は酸化インジュウムにZnをドープして得られる(IZO)膜であることを特徴とする請求項10に記載の透明導電膜。
  12. プラズマ処理反応容器と、該プラズマ処理反応容器内に対向して配置された一対の電極と、該電極に高周波電圧を印加するための高周波電源と、該一対の電極によって挟まれた対向電極空間内に反応性ガスを供給する第一のガス供給手段と、該プラズマ処理反応容器内のガスを該プラズマ処理反応容器外に排出するガス排出手段とを有し、大気圧または大気圧近傍の圧力下、対向電極空間内に該第一のガス供給手段から前記反応性ガスを供給し、該一対の電極間に該電源から高周波電圧を印加することにより該反応性ガスを励起し、基材を励起された反応性ガスに晒すことによって薄膜を形成する大気圧プラズマ処理装置において、該プラズマ処理反応容器内の放電空間外の雰囲気中の少なくとも1種のガス濃度を所定値に制御する制御手段を有することを特徴とする大気圧プラズマ処理装置。
  13. 制御手段が、直接前記放電空間外の雰囲気に前記ガス濃度の所定値に応じて該ガスを供給する第2のガス供給手段を有することを特徴とする請求項12に記載の大気圧プラズマ処理装置。
  14. 制御手段が、前記放電空間外の雰囲気中のガス濃度を検知する検知手段を有し、該検知手段により検知された情報に基づき、前記ガス濃度の所定値に応じて該ガスを直接前記放電空間外の雰囲気に第2のガス供給手段から供給することを特徴とする請求項12又は13に記載の大気圧プラズマ処理装置。
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