JP4645002B2 - 透明導電膜及びその形成方法 - Google Patents

透明導電膜及びその形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4645002B2
JP4645002B2 JP2002263865A JP2002263865A JP4645002B2 JP 4645002 B2 JP4645002 B2 JP 4645002B2 JP 2002263865 A JP2002263865 A JP 2002263865A JP 2002263865 A JP2002263865 A JP 2002263865A JP 4645002 B2 JP4645002 B2 JP 4645002B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent conductive
conductive film
electrode
gas
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002263865A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004103400A (ja
Inventor
宏元 井
周雄 間宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2002263865A priority Critical patent/JP4645002B2/ja
Publication of JP2004103400A publication Critical patent/JP2004103400A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4645002B2 publication Critical patent/JP4645002B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットディスプレイ、太陽電池、タッチパネル、電子ペーパー等の透明電極に有用な透明導電膜及びその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
低電気抵抗(低比抵抗値)で、高い可視光透過率を有する透明導電膜は、液晶画像表示装置、有機EL画像表示装置、プラズマディスプレイ(PVD)、電界放出型ディスプレイ(FED)等のフラットディスプレイの透明電極、太陽電池の透明電極、電子ペーパー、タッチパネル等多くの分野に利用されている。
【0003】
一般に電極として利用される透明導電膜には、微細なパターニングが必要である。画素形成電極として用いる場合は10μm以下の加工精度、将来的には1μm以下の加工ができ、しかも、エッチング速度が速くしかも均一に行えることが要求される。
【0004】
従来、透明導電膜はスパッタリング等の真空装置により製造されているが、それらの設備は大掛かりで設備コストが高価で、生産性が低く、収率も低いのが現状である。また、マグネトロンスパッタリング法で形成された透明導電膜、例えば錫でドーピングされた酸化インジウム(SnドープInと書くこともあり、以降、ITOと略すことがある)はエッチング加工性が悪い。ITOのような透明導電膜は通常マグネトロンスパッタリング法で製膜されるが、製膜されるITOの比抵抗値を低く実現させるために、製膜の際に基材が200℃程度に加熱され、この際にITOは結晶化する。この結晶化したITO膜はエッチング処理性が悪くパターニングがうまくいかない。一方、熱CVD法や蒸着法では、比抵抗値の低い膜は得られるものの、基材を高温にして製膜するため樹脂フィルムへの製膜ができにくい。
【0005】
このような方法に対して、下記のような大気圧もしくはその近傍の圧力下でプラズマ放電させて製膜する大気圧プラズマ放電薄膜形成方法が開示されている。大気圧プラズマ放電薄膜形成方法はスパッタリング装置のような大掛かりな設備を使用せず、比較的簡単な装置で薄膜を形成することができる。例えば、透明導電膜を製膜する方法の大気圧プラズマ放電薄膜形成方法が開示されているが、この方式では高周波電界のパワーが低く、透明導電膜の比抵抗値が低いものは得難いものである(例えば、特許文献1参照。)。また、透明導電膜を形成するものではないが、ローパワーのパルスによる方法で、基材の温度を低くして基材の含水率を制御する方法が記載されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
このように真空設備のような大掛かりな設備を使用せず、実用上十分な導電性及び光透過性を有するとともに、エッチング特性に優れた透明導電膜が望まれている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−303175号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−26632号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生産コストが低く、光透過性に優れ、比抵抗値が低く、エッチング特性に優れた透明導電膜及びその形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は下記構成により達成された。
【0011】
1.大気圧もしくはその近傍の圧力下で放電空間にガスを導入し、電界をかけてプラズマ状態とした該ガスに基材を晒して、2種以上の金属ドーパントを含有する透明導電膜の形成方法において、該金属ドーパントが亜鉛(Zn)及びスズ(Sn)から選ばれる金属を含有し、該透明導電膜の主要組成が、膜中の金属元素全体に対するInの原子数濃度(Atomic%)が70%以上であることを特徴とする透明導電膜の形成方法。
【0012】
2.透明導電膜がハロゲンを含有することを特徴とする上記1に記載の透明導電膜の形成方法。
【0016】
3.電界の周波数が100kHz以上で、かつ出力密度が1W/cm 以上であることを特徴とする上記1または2に記載の透明導電膜の形成方法。
【0017】
.電界が連続したサイン波であることを特徴とする上記1〜の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
【0018】
.上記1〜の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法で形成することを特徴とする透明導電膜。
【0019】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明者は鋭意研究の結果、従来のスパッタリング法、熱CVD法や蒸着法等に代えて、大気圧もしくはその近傍の圧力下で放電空間にガスを導入し、電界をかけてプラズマ状態としたガスに基材を晒す大気圧プラズマ放電薄膜形成方法により透明導電膜を形成し、かつ透明導電膜に亜鉛(Zn)及びスズ(Sn)から選ばれる金属を含有する2種以上の金属ドーパントを含有させ、該透明導電膜の主要組成が、膜中の金属元素全体に対するInの原子数濃度(Atomic%)が70%以上とすることにより、生産コストが低く、透明性に優れ、比抵抗値が低く、エッチング処理性に優れた透明導電膜及びその形成方法が得られることを見出した。
【0020】
これらの効果に対する機構については十分解明されてはいないが、大気圧プラズマ放電薄膜形成方法により生産性が向上し、緻密な構造の薄膜が形成され透明性と導電性が向上し、亜鉛(Zn)及びスズ(Sn)から選ばれる金属を含有する2種以上の金属ドーパントを含有させ、該透明導電膜の主要組成が、膜中の金属元素全体に対するInの原子数濃度(Atomic%)が70%以上とすることによりアモルファス化が進みエッチング処理性が向上するものと考えられる。
【0021】
本発明の透明導電膜は、ハイパワー高周波電圧をかける大気圧プラズマ放電薄膜形成方法により、基材としてのプラスティックフィルムの上に透明導電膜を形成するのであるが、透明導電膜形成の際、亜鉛(Zn)及びスズ(Sn)から選ばれる金属を含有する2種以上の金属ドーパントを含有させ、該透明導電膜の主要組成が、膜中の金属元素全体に対するInの原子数濃度(Atomic%)が70%以上とすることが特徴である。
【0022】
ハイパワーのこのような方法で透明導電膜を形成しても、1種以下の金属ドーパントを含有する透明導電膜では、基材表面温度を150〜200℃として製膜すると、少しの条件の変動でもでき上がりの透明導電膜の抵抗が大きく揺らぎ、不安定となりやすい。また200℃を超えると、比抵抗値として10-4Ω・cmのものが得られるものの、結晶化度が高くなり、または結晶化度が膜内で部分的に異なり、更にエッチング速度が遅くなり、しかもエッチングの均一性が失われ、ムラにエッチングされるようになる。また、ハイパワーのパルス波形の高周波電圧の大気圧プラズマ放電薄膜形成方法ではアーク放電が起こり易く、薄膜形成が不安定になる。
【0023】
本発明者らは、ハイパワーの高周波電圧をかけ、亜鉛(Zn)及びスズ(Sn)から選ばれる金属を含有する2種以上の金属ドーパントを含有させ、透明導電膜の主要組成が、膜中の金属元素全体に対するInの原子数濃度(Atomic%)が70%以上とすることにより、比抵抗値を10−3Ω・cm以下とすることができ、エッチング速度も速く、しかも均一にエッチングすることができ、透明性(透明度)が優れ、製膜速度も速く、ホール効果が良好等さまざまな優れた特性を有する透明導電膜が得られることを見い出した。
【0024】
本発明においては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードにより形成した透明導電膜は、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードにより形成した透明導電膜より緻密で良質な膜が得られる。
【0025】
本発明の方法により得られた透明導電膜は、結晶化度が1〜85%のものが得られるが、好ましくは1〜60であり、更に好ましくは1〜40である。結晶化度が高くなるにつれ全体的なエッチング速度が遅くなる。また透明導電膜内に結晶化度の異なった結晶粒子ができるようになり、これがエッチング速度の不均一性となって現れる。
【0026】
本発明において結晶化度の測定は、下記のように行われる。
日本電子(株)製X線回折装置JDX−11RAを用いて、Cu回転対陰極を40kV、100mAで動作させ、2Θ=10〜70°を0.04°/ステップの走査速度で測定し、結晶性ピークと非結晶部分からなるハローのピーク面積比を結晶化度としたものである。
【0027】
特開平9−50712あるいは特開2000−129427では、スパッタリング法により透明導電膜を得る際のITOを主成分とするターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法による薄膜形成ガス組成についての検討がなされているが、結晶部分が多くできやすいためエッチング(パターニング)速度が遅いという課題がある。
【0028】
各種ディスプレイ素子を電極として用いる場合、基板上に回路を描くパターニング工程は必須なものであり、パターニングが容易に行うことができるかが工程適性上重要な課題となっている。一般に、パターニングはフォトリソグラフィー法により行われることが多く、導通を必要としない部分はエッチングにより溶解、除去するため、該部分のエッチング液による溶解の速さが重要な課題となっている。エッチング液には、通常、硝酸、塩酸、塩酸と硝酸の混酸、フッ酸、塩化第二鉄水溶液等が用いられ、これらのウェットエッチングする方法が主流である。
【0029】
ここで、本発明に用いるハイパワーの大気圧プラズマ放電薄膜形成方法及びその装置について説明する。
【0030】
本発明に係る大気圧プラズマ放電薄膜形成装置は、二つの電極が、例えば片方の電極がアース電極で、対向する位置に配置された他方の電極が印加電極で構成する対向電極を有し、これらの対向電極間(放電空間)に少なくとも放電ガス及び薄膜形成ガスを含有する放電空間導入ガスを導入し、対向電極間に高周波電源からの高周波電圧をかけて放電させ、放電空間導入ガスをプラズマ状態とし、放電空間を移送する基材をプラズマ状態の放電空間導入ガスに晒すことによって、基材の上に透明導電膜の薄膜を形成させる装置である。
【0031】
また他の方式の大気圧プラズマ放電薄膜形成装置は、対向電極間の放電空間で上記と同様に放電させ、放電空間に導入した放電空間導入ガスをプラズマ状態とし、対向電極外にジェット状にプラズマ状態の放電空間導入ガスを吹出し、対向電極の近傍にある基材(静置していても移動していてもよい)をプラズマ状態の放電空間導入ガスに晒すことによって基材の上に透明導電膜の薄膜を形成させるジェット方式の装置である。
【0032】
図1は、本発明に係る大気圧プラズマ放電薄膜形成装置の一例を示す概略図である。図1はプラズマ放電処理装置30、ガス供給手段50、電圧印加手段40、及び電極温度調節手段60から構成されている。ロール回転電極35と角筒型固定電極群36として、基材Fをプラズマ放電処理するものである。この図1では、ロール回転電極35はアース電極で、角筒型固定電極群36は高周波電源41に接続されている印加電極である。基材Fは図示されていない元巻きから巻きほぐされて搬送してくるか、または前工程から搬送されてきて、ガイドロール64を経てニップロール65で基材に同伴してくる空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回されながら角筒型固定電極群36との間を移送され、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取られるか、次工程に移送する。放電空間導入ガスはガス供給手段50で、ガス発生装置51で発生させた放電空間導入ガスGを、流量制御して給気口52より放電処理室32のプラズマ放電処理容器31内に入れ、プラズマ放電処理容器31内を放電空間導入ガスGで満たし、放電処理が行われた処理排ガスG′を排気口53より排出するようにする。次に電圧印加手段40で、高周波電源41により角筒型固定電極群36に電圧を印加し、アース電極のロール回転電極35との電極間で放電プラズマを発生させる。ロール回転電極35及び角筒型固定電極群36を電極温度調節手段60を用いて媒体を加熱または冷却し電極に送液する。電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を送液ポンプPで配管61を経てロール回転電極35及び角筒型固定電極群36内側から温度を調節する。プラズマ放電処理の際、基材の温度によって得られる薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対して適宜制御することが好ましい。媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラをできるだけ生じさせないようにロール回転電極35の内部の温度を制御することが望ましい。なお、68及び69はプラズマ放電処理容器31と外界を仕切る仕切板である。
【0033】
図2は、図1に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す斜視図である。
【0034】
図2において、ロール電極35aの導電性の金属質母材35Aで形成されているロールの表面側に誘電体が被覆されており、中は中空になっていて温度調節が行われるジャケットになっている。
【0035】
図3は、図1に示した角筒型電極の母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す斜視図である。
【0036】
図3において、角筒型電極36aは、金属等の導電性の母材に対し、図2同様の誘電体被覆層を有している。角筒型電極36aは中空の金属角型のパイプで、パイプの表面に上記と同様の誘電体を被覆し、放電中は温度調節が行えるようになっている。なお、角筒型固定電極群36の数は、上記ロール回転電極35の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されており、放電面積はロール回転電極35に相対している角筒型電極36a面の全面積となる。
【0037】
図3に示した角筒型電極36aは、円筒型(丸型)電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明の薄膜形成方法に好ましく用いられる。
【0038】
図2及び図3において、ロール電極35a及び角筒型電極36aは、導電性の金属質母材35A及び36Aの表面に、誘電体35B及び36Bを誘電体被覆層とした構造になっている。誘電体被覆層は、セラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したセラミックス被覆層である。セラミックス被覆誘電体層の厚さは片肉で1mmである。また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナやアルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工しやすいので、更に好ましく用いられる。
【0039】
または、誘電体層として、ガラスライニングによる無機材料のライニング処理誘電体であってもよい。
【0040】
導電性の金属質母材35A及び36Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることができるが、後述の理由からはチタン金属またはチタン合金が好ましい。
【0041】
対向電極間距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、電極の一方に誘電体を設けた場合には誘電体表面と導電性の金属質母材表面の最短距離、また上記電極の双方に誘電体を設けた場合には誘電体表面同士の距離で、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5〜20mmが好ましく、特に好ましくは1±0.5mmである。
【0042】
本発明に有用な導電性の金属質母材及び誘電体についての詳細については後述する。
【0043】
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(R)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁が取れれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けてもよく、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。
【0044】
図4は、本発明に係る大気圧プラズマ放電薄膜形成装置の一例を示す概略図である。
【0045】
高周波電源104により高周波電圧を印加する印加電極101とアース電極102の対向電極間に放電空間導入ガスGを導入し、放電空間で放電を起こさせ、そこでプラズマ状態の放電空間導入ガスG°(点線で表している)がジェット状に下方に流れ(ジェット方式)、電極下の処理位置103において静置してある基材F(例えば、ガラス板)または移送して来る基材F(例えば、フィルム)上に透明導電膜を形成させる。フィルム状の基材Fは、図示してない基材の元巻ロールから巻きほぐされて搬送されるか、あるいは前工程から搬送されてくる。また、ガラス板のような基材Fもベルトコンベアのような移動体の上に載せて移送し処理してもよい。更に、ジェット方式の大気圧プラズマ放電薄膜形成装置を複数基接して直列に並べて同時に同じ放電させ、基材そのものが移送しているか、あるいは基材がベルトコンベアのようなものに載せて移送していることにより、何回も処理を受けるため高速で処理することもできる。また各装置が異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、積層することもできる。G′は処理排ガスである。101A及び102Aは印加電極101及びアース電極102の導電性の金属質母材であり、101B及び102Bは誘電体である。図4においても、図示してないが、図1の電圧印加手段40、ガス供給手段50及び電極温度調節手段60を有している。また電極の内部も中空となって温度調節用のジャケットになっている。
【0046】
本発明において、プラズマ放電処理が大気圧もしくはその近傍の圧力で行われるが、ここで大気圧近傍とは、20〜110kPaの圧力を表すが、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93〜104kPaが好ましい。
【0047】
本発明に係るハイパワーの大気圧プラズマ放電薄膜形成方法は、対向する電極間に印加する高周波電圧は、100kHz以上の高周波電圧で、かつ1W/cm以上の出力密度で、放電空間導入ガスを励起してプラズマを発生させるものである。
【0048】
本発明において、対向電極間に印加する高周波電圧の周波数の上限値は、好ましくは150MHzであり、より好ましくは15MHzである。また、高周波電圧の周波数の下限値としては、好ましくは0.5kHzである。
【0049】
また、電極間に供給する出力密度の上限値とは、好ましくは100W/cm ある。下限値は、好ましくは1W/cm ある。なお、放電面積(cm)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
【0050】
高周波電源より印加電極に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が10V〜10kV程度で、上記のように電源周波数は100kHzを越えて150MHz以下に調整される。
【0051】
本発明に有用な電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードである。
【0052】
本発明においては、このような電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことができる電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
【0053】
本発明においては、印加電極に電圧を印加する電源としては、ハイパワーの電圧を掛けられる電源であれば、特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、パール工業製高周波電源(2MHz)、パール工業製製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(27MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等が好ましく使用できる。より好ましくは、100kHz超〜150MHzの高周波電源であり、更に好ましくは、800kHz〜27MHzのものである。
【0054】
このようなハイパワーの大気圧プラズマ放電薄膜形成装置に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならないので、下記のような導電性の金属質母材上に誘電体を被覆した電極が好ましい。
【0055】
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、さまざまな導電性の金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、導電性の金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、さらに好ましくは5×10-6/℃以下、さらに好ましくは2×10-6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
【0056】
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、
(1)導電性の金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜
(2)導電性の金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング
(3)導電性の金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜
(4)導電性の金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング
(5)導電性の金属質母材がセラミックス及び鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜
(6)導電性の金属質母材がセラミックス及び鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング
(7)導電性の金属質母材がセラミックス及びアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜
(8)導電性の金属質母材がセラミックス及びアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング
等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記(1)または(2)、及び(5)〜(8)が好ましく、特に(1)が好ましい。
【0057】
本発明において、導電性の金属質母材は、上記の特性からはチタンまたはチタン合金が特に有用である。導電性の金属質母材をチタンまたはチタン合金とすることにより、誘電体を上記とすることにより、使用中の電極の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることができる。
【0058】
本発明に有用な電極の導電性の金属質母材は、チタンを70質量%以上含有するチタン合金またはチタン金属である。本発明において、チタン合金またはチタン金属中のチタンの含有量は70質量%以上であれば問題なく使用できるが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることができる。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることができ、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることができ、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他にアルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることができ、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金またはチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、導電性の金属質母材としてチタン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることができる。
【0059】
一方、誘電体の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
【0060】
または、上述のような大電力に耐える仕様の一つとして、誘電体の空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。なお、誘電体の空隙率は、BET吸着法や水銀ポロシメーターにより測定することができる。後述の実施例においては、島津製作所製の水銀ポロシメーターにより金属質母材に被覆された誘電体の破片を用い、空隙率を測定する。誘電体が、低い空隙率を有することにより、高耐久性が達成される。このような空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体としては、後述の大気プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げることができる。更に空隙率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
【0061】
上記、大気プラズマ溶射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラズマ熱源中に投入し、溶融または半溶融状態の微粒子として被覆対象の金属質母材に吹き付け、皮膜を形成させる技術である。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子に解離させ、さらにエネルギーを与えて電子を放出させた高温のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射速度は大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べて、溶射材料が高速で金属質母材に衝突するため、密着強度が高く、高密度な被膜を得ることができる。詳しくは、特開2000−301655に記載の高温被曝部材に熱遮蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することができる。この方法により、上記のような被覆する誘電体(セラミック溶射膜)の空隙率にすることができる。
【0062】
また、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
【0063】
誘電体の空隙率をより低減させるためには、上記のようにセラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
【0064】
封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
【0065】
ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射等がある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化のない緻密な電極ができる。
【0066】
本発明に係る誘電体被覆電極の金属アルコキシド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティングした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiOx(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPSにより誘電体層の断層を分析することにより測定する。
【0067】
本発明の薄膜形成方法に係る電極においては、電極の少なくとも基材と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。このように誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安定化できること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、かつ、高精度で、耐久性を大きく向上させることができる。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも基材と接する側の誘電体において行われることが好ましい。更にJIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
【0068】
本発明に使用する誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。なお、耐熱温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電できる状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、下記金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
【0069】
次に、本発明の透明導電膜を形成する放電空間導入ガスについて説明する。使用する放電空間導入ガスは、基本的に放電ガス及び薄膜形成ガスの混合したガスである。
【0070】
放電ガスは、放電空間において励起状態またはプラズマ状態となり薄膜形成ガスにエネルギーを与えて励起またはプラズマ状態にする役割を行うもので、希ガスまたは窒素ガスである。希ガスとしては、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等を挙げることができるが、本発明に記載の緻密で、低比抵抗値を有する薄膜を形成する効果を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。放電ガスは、放電空間導入ガス100体積%に対し、90.0〜99.9体積%含有されることが好ましい。
【0071】
薄膜形成ガスは、放電空間で放電ガスからエネルギーを受け励起状態またはプラズマ状態となり、透明導電膜を形成するガスであり、または反応を制御したり、反応を促進したりするガスでもある。
【0072】
本発明においては、薄膜形成ガスは少なくとも有機金属化合物を含有している。また有機金属化合物から形成される金属酸化物にドーピングするドーピング用有機金属化合物を加える場合があり、同様な有機金属化合物が使用される。
【0073】
本発明に有用な有機金属化合物は下記の一般式(I)で示すものから選ばれるものであることが好ましい。
【0074】
一般式(I) R1 xMR2 y3 z
式中、M金属、R1はアルキル基、R2はアルコキシ基、R3はβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基であり、金属Mの価数をmとすると、x+y+z=mであり、x=0〜m、好ましくはx=0〜m−1であり、y=0〜m、z=0〜mであり、何れも0または正の整数である。R1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができ、R2のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等を挙げることができる。また、R3のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基としては、β−ジケトン錯体基として、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトンあるいはアセトアセトンともいう)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸エステル錯体基として、例えば、アセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸プロピルエステル、トリメチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸メチル等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸として、例えば、アセト酢酸、トリメチルアセト酢酸等を挙げることができ、またケトオキシとして、例えば、アセトオキシ基(またはアセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を挙げることができる。これらの基の炭素原子数は、上記例有機金属示化合物を含んで、18以下が好ましい。また例示にもあるように直鎖または分岐のもの、また水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。
【0075】
本発明において取り扱いの問題から、爆発の危険性の少ない有機金属化合物が好ましく、分子内に少なくとも一つ以上の酸素を有する有機金属化合物が好ましい。このようなものとしてR2のアルコキシ基を少なくとも一つを含有する有機金属化合物、またR3のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基を少なくとも一つ有する金属化合物が好ましい。
【0076】
本発明に使用し得る有機金属化合物の金属は、特に制限ないが、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)及びアンチモン(Sb)が好ましく、インジウム、亜鉛及び錫から選ばれる少なくとも1種の金属が特に好ましい。
【0077】
本発明において、上記の好ましい有機金属化合物の例としては、インジウムトリス2,4−ペンタンジオナート(あるいは、トリスアセトアセトナートインジウム)、インジウムトリスヘキサフルオロペンタンジオナート、メチルトリメチルアセトキシインジウム、トリアセトアセトオキシインジウム、トリアセトオキシインジウム、ジエトキシアセトアセトオキシインジウム、インジウムトリイソポロポキシド、ジエトキシインジウム(1,1,1−トリフルオロペンタンジオナート)、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)インジウム、エトキシインジウムビスアセトメチルアセタート、ジ(n)ブチルビス(2,4−ペンタンジオナート)錫、ジ(n)ブチルジアセトオキシ錫、ジ(t)ブチルジアセトオキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テトラ(i)ブトキシ錫、亜鉛2,4−ペンタンジオナート等を挙げることができ、何れも好ましく用いることができる。
【0078】
この中で特に、インジウムトリス2,4−ペンタンジオナート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)インジウム、亜鉛ビス2,4−ペンタンジオナート、ジ(n)ブチルジアセトオキシ錫が好ましい。これらの有機金属化合物は一般に市販(例えば、東京化成工業(株)等から)されている。
【0079】
これらの有機金属化合物の薄膜形成ガスは放電空間導入ガス中で0.01〜10体積%含有されることが好ましく、より好ましくは0.1〜3体積%である。
【0080】
本発明において、薄膜形成ガスに還元性ガスを含有させることにより、形成された透明導電膜をより均一に緻密にすることができ、導電性及びエッチング性能を向上させることができる。還元性ガスは例えば水素ガスであり、放電空間導入ガス100体積%に対して0.0001〜10体積%が好ましく、より好ましくは0.001〜5体積%である。
【0081】
本発明において、有機金属化合物から形成される透明導電膜の導電性を更に高めるためのドーピング用有機金属化合物またはドーピング用ハロゲン化合物を放電空間導入ガスに含有させることが好ましい。
【0082】
ドーピング用有機金属化合物のドーピング金属としては、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ゲルマニウム(Ge)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ランタン(La)、ルテニウム(Ru)等が挙げられる。ドーピング用有機金属化合物としては、例えば、アルミニウムアルコキシド(トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム等)、アンチモンアルコキシド(トリメトキシアンチモン、トリエトキシアンチモン、トリプロポキシアンチモン、トリブトキシアンチモン等)、ガリウムアルコキシド(トリメトキシガリウム、トリエトキシガリウム、トリプロポキシガリウム、トリブトキシガリウム等)、ゲルマニウムアルコキシド(テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラプロポキシゲルマニウム、テトラブトキシゲルマニウム等)、ニッケルトリス2,4−ペンタンジオナート、マンガンビス2,4−ペンタンジオナート、ボロンイソプロポキシド、トリ(n)ブトキシアンチモン、トリ(n)ブチルアンチモン、ジ(n)ブチル錫ビス2,4−ペンタンジオナート、ジ(n)ブチルジアセトオキシ錫、ジ(t)ブチルジアセトオキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テトラブトキシ錫、テトラブチル錫、亜鉛2,4−ペンタンジオナート等を挙げることができる。
【0083】
ドーピング金属の比率は0.2以下、特に0.1以下とすることが好ましい。0.2を超えるとイオンの散乱により導電性が低くなる。
【0084】
ドーピング用ハロゲン化合物のハロゲンとしては、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、沃素(I)が挙げられるが、より電気抵抗の低い透明導電膜が得られるという観点から特にフッ素が好ましい。ドーピング用ハロゲン化合物としては、例えば、六フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン、四フッ化メタン等を挙げることができる。
【0085】
ハロゲンは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよいので、使用するハロゲン源もまた、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。ハロゲンの総量の透明導電膜金属元素総量に対し、0.01〜0.3であることが好ましい。0.01未満ではハロゲンを添加したことによる導電性や光透過性の向上が実質的に認められなくなり、0.3を超えると導電性が低下する。
【0086】
また、IZO(In23:ZnO)タイプの透明導電膜では、非晶質酸化物であることが好ましい。組成が同じであっても結晶化したものは非晶質のものより導電性に劣る。
【0087】
ここで、本発明でいう「非晶質酸化物」とは、『セラミックスのキャラクタリゼーション技術』(社団法人窯業協会発行、1987年、第44〜45頁)に記載されている内部標準法に準じて酸化物中の結晶質を測定し、残量を非晶質とした場合に、非晶質の含有量が50質量%以上である酸化物を意味する。内部標準法はX線回折法による定量分析の一法であり、ここでいう「内部標準法に準じて酸化物中の結晶質を測定する」とは具体的には次のようにして行われる。
【0088】
まず、非晶質の割合を測定しようとする薄膜試料と同じ膜厚のIn23薄膜を石英ガラス基板上に形成し、このIn23薄膜を1000℃で焼成して結晶化の度合が100%に近い状態にし、この状態のIn23薄膜についてX線の回折強度(以下「回折強度I」という。)を測定する。次に、非晶質の割合を測定しようとする薄膜試料についてX線の回折強度(以下「回折強度II」という。)を測定し、この回折強度IIにおいてIn23のピーク位置に相当する部分の回折強度を前記の回折強度Iと比較することにより、薄膜試料中の結晶質の割合を算出する。
【0089】
非晶質の含有量(上記の定義に基づく非晶質の含有量)は70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。なお、上記の非晶質酸化物中の酸素は部分的に欠損している場合がある。また、この酸化物には混合物、組成物、固溶体等、全ての形態の酸化物が含まれる。
【0090】
なお、本発明において、放電ガス及び薄膜形成ガスを混合した放電空間導入ガスを用いて薄膜を形成するが、別の態様として、これらのガスを混合しないで、別々に放電空間に導入してもよい。
【0091】
前記透明導電膜を形成するに必要な有機金属化合物と上記ドーピング用の薄膜形成ガスの比は、形成する透明導電膜の種類により異なるが、例えば、酸化インジウムに錫をドーピングして得られるITO膜においては、In:Snの原子数比が100:0.1〜100:15の範囲になるように薄膜形成ガス量を調整することが必要である。好ましくは、100:0.5〜100:10になるよう調整することが好ましい。酸化錫にフッ素をドーピングして得られる透明導電膜(フッ素ドープ酸化錫膜をFTO膜という)においては、得られたFTO膜のSn:Fの原子数比が100:0.01〜100:50の範囲になるよう薄膜形成ガスの量比を調整することが好ましい。In23−ZnO系アモルファス透明導電膜においては、In:Znの原子数比が100:50〜100:5の範囲になるよう薄膜形成ガスの量比を調整することが好ましい。In:Sn、Sn:F及びIn:Znの各原子数比はXPS測定によって求めることができる。
【0092】
本発明において、得られる透明導電膜は、例えば、SnO2、In23、ZnOの酸化物膜、またはSbドープSnO2、FTO、AlドープZnO、ZnドープIn(IZO)、ZrドープIn、ITO等ドーパントによりドーピングされた複合酸化物を挙げることができ、これらから選ばれる少なくとも一つを主成分とするアモルファス膜が好ましい。またその他にカルコゲナイド、LaB6、TiN、TiC等の非酸化物膜、Pt、Au、Ag、Cu等の金属膜、CdO等の透明導電膜を挙げることができる。
【0093】
本発明の透明導電膜の形成方法により得られる透明導電膜は、高いキャリア移動度を有する特徴を持つ。よく知られているように透明導電膜の電気伝導率は以下の(1)式で表される。
【0094】
σ=n×e×μ (1)
ここで、σは電気伝導率、nはキャリア密度、eは電子の電気量、そしてμはキャリアの移動度である。電気伝導率σを上げるためにはキャリア密度nあるいはキャリア移動度μを増大させる必要があるが、キャリア密度nを増大させていくと2×1021cm-3付近から反射率が大きくなるため透明性が失われる。そのため、電気伝導率σを増大させるためにはキャリア移動度μを増大させる必要がある。本発明の透明導電膜の形成方法によれば条件を最適化することにより、DCマグネトロンスパッタリング法により形成された透明導電膜に近いキャリア移動度μを有する透明導電膜を形成することが可能であることが判明した。
【0095】
本発明の透明導電膜の形成方法は高いキャリア移動度μを有するため、ドーピングなしでも比抵抗値として1×10-3Ω・cm以下の比抵抗値の透明導電膜を得ることができる。ドーピングを行いキャリア密度nを増加させることで更に比抵抗値を下げることができる。また、必要に応じて比抵抗値を上げる薄膜形成ガスを用いることにより、比抵抗値として1×10-2Ω・cm以上の高比抵抗値の透明導電膜を得ることもできる。透明導電膜の比抵抗値を調整するために用いる薄膜形成ガスとしては、例えば、チタントリイソプロポキシド、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることができる。
【0096】
本発明の透明導電膜の形成方法によって得られる透明導電膜は、キャリア密度nが、1×1019cm-3以上、より好ましい条件下においては、1×1020cm-3以上となるが、透明性は低下しない。
【0097】
上記形成された酸化物または複合酸化物の透明導電膜の膜厚は、0.1〜1000nmの範囲が好ましい。
【0098】
本発明の透明導電膜の基材について説明する。
本発明の透明導電膜を形成する基材としては、薄膜をその表面に形成できるものであれば特に限定はない。基材が静置状態でも移送状態でもプラズマ状態の放電空間導入ガスに晒され、均一の薄膜が形成されるものであれば基材の形態または材質には制限ない。樹脂フィルムが本発明には適している。材質的には、樹脂としては、樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂板等を挙げることができる。
【0099】
樹脂フィルムは本発明に係る大気圧プラズマ放電薄膜形成装置の電極間または電極の近傍を連続的に移送させて透明導電膜を形成することができるので、スパッタリングのような真空系のようなバッチ式でない、大量生産に向き、連続的な生産性の高い生産方式として好適である。
【0100】
樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂レンズ、樹脂成形物等成形物の材質としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネートまたはセルロースアセテートブチレートのようなセルロースエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリメチルアクリレート、アクリレートコポリマー等を挙げることができる。
【0101】
これらの素材は単独であるいは適宜混合されて使用することもできる。中でもゼオネックスやゼオノア(日本ゼオン(株)製)、非晶質シクロポリオレフィン樹脂フィルムのARTON(日本合成ゴム(株)製)、ポリカーボネートフィルムのピュアエース(帝人(株)製)、セルローストリアセテートフィルムのコニカタックKC4UX、KC8UX(コニカ(株)製)等の市販品を好ましく使用することができる。更に、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン及びポリエーテルスルフォン等の固有複屈折率の大きい素材であっても、溶液流延製膜、溶融押し出し製膜等の条件、更には縦、横方向に延伸条件等を適宜設定することにより使用することができるものを得ることができる。
【0102】
これらのうち光学的に等方性に近いセルロースエステルフィルムが本発明の透明導電膜に好ましく用いられる。セルロースエステルフィルムとしては、上記のようにセルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられるものの一つである。セルローストリアセテートフィルムとしては市販品のコニカタックKC4UX、KC8UX等が有用である。
【0103】
これらの樹脂の表面にゼラチン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂等を塗設したものも使用できる。またこれら樹脂フィルムの薄膜側に防眩層、クリアハードコート層、防汚層等を設けてもよい。また、必要に応じて接着層、アルカリバリアコート層、ガスバリア層や耐溶剤性層等を設けてもよい。
【0104】
また、本発明に係る基材は、上記の記載に限定されない。フィルム形状のものの膜厚としては10〜1000μmが好ましく、より好ましくは40〜200μmである。
【0105】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、これらに限定されない。
【0106】
〔評価〕
(結晶化度)
日本電子(株)製X線回折装置JDX−11RAを用い、Cu回転対陰極を40kV、100mAで動作させ、2Θ=10〜70°を0.04°/ステップの走査速度で測定した。結晶ピークと非結晶部分からなるハローのピーク面積比を結晶化度とした。
【0107】
(透過率)
JIS−R−1635に従い、日立製作所製分光光度計U−4000型を用いて測定を行った。試験光の波長は550nmとした。
【0108】
(比抵抗値)
JIS−R−1637に従い、四端子法により求めた。なお、測定には三菱化学製ロレスタ−GP、MCP−T600を用いた。
【0109】
(エッチングレベル)
透明導電膜にパターニングするための下記の組成の30℃のエッチング液に基材上の透明導電膜を浸漬し、エッチング時間は1、2、3分でサンプリングした。続いて水洗、乾燥を行い、乾燥後の試料についてエッチング部と非エッチング部との境界部分の断面を電子顕微鏡により観察し、また膜の除去の具合を目視によって評価した。
【0110】
(エッチング液組成)
水、濃塩酸及び40質量%第二塩化鉄溶液を質量比で85:8:7で混合したものをエッチング液とした。
【0111】
(エッチングパターンの評価レベル)
◎:1分で透明導電膜が除去でき、エッチングパターンの境界部分が良好
○:2分で透明導電膜が除去でき、エッチングパターンの境界部分が良好
△:3分で透明導電膜は除去できたが、エッチングパターンの境界部分が良好でない
×:3分を超しても透明導電膜が若干残っている部分があり、エッチングパターンの境界部分がギザギザ(凸凹)している
××:3分を超しても透明導電膜が島状に残っている
(原子数比)
XPS法(X−ray Photoelectron Spectroscopy:X線光電子分光法)によって求めた。
【0112】
実施例1
〈電極の作製と装置組み込み〉
図1のロール回転電極35に使用するロール電極35a(図2)は、冷却水による冷却手段を有するチタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して大気プラズマ法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を1mm厚さで被覆し、その後テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行い、表面を平滑にしてRmaxを5μmとした誘電体(比誘電率10、空隙率5体積%、耐熱性200℃、線熱膨張係数1.8×10-4/℃)を有するロール径1000mmφとなるようにロール回転電極35を製作した。
【0113】
一方、図1の角筒型固定電極群36に使用する角筒型電極36a(図3)は、中空の角筒型のチタン合金T64の金属質母材で作製し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆し、同様な物性値のものを得た。
【0114】
この角筒型電極をロール回転電極のまわりに、対向電極間隙を1mmとして25本配置した。角筒型固定電極群の放電総面積は、150cm(幅手方向の長さ)×4cm(搬送方向の長さ)×25本(電極の数)=15000cm2であった。ロール回転電極にはアースを接地し、角筒型固定電極群には13.56MHzの高周波電源を接続した。出力密度は1W/cm2であった。
【0115】
〈透明導電膜の作製〉
ロール回転電極35は、電極温度調節手段60により、冷却水の循環流路が形成されており、このロール回転電極35に巻き回しながら接触して移送する基材Fを表1に示すような温度になるよう制御した。放電空間を103kPaの圧力とし、放電空間に下記ガスを満たした。基材としては、非晶質ポリオレフィン樹脂フィルム(JSR社製ARTONフィルム、厚さ100μm)を使用し、透明導電膜1〜4を得た。なお、薄膜形成中の温度は、予め基材に液晶型温度測定シート(温度パッチ(アイピー技研社製))を貼り付けておき、出力密度、電源周波数とロール回転電極設定温度の関係を表す検量線を作成し、これに基づいて設定した。
【0116】
《放電空間導入ガス》
放電ガス:ヘリウム 98.5体積%
薄膜形成ガス1(補助ガス):水素 0.25体積%
薄膜形成ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナート)インジウム 表1参照
薄膜形成ガス3:ジブチルジ錫アセテート 表1参照
薄膜形成ガス4:ビス(2,4−ペンタンジオナート)亜鉛 表1参照
薄膜形成ガス5:4フッ化炭素 表1参照
次に比較例として、以下の要領でスパッタリング法により透明導電膜を得た。
【0117】
スパッタリングターゲットに表1の組成の焼結体を用い、基材として非晶質ポリオレフィン樹脂フィルム(JSR社製ARTONフィルム、厚さ100μm)をDCマグネトロンダイレクトスパッタリング装置に装着し、真空槽内を1.33×10-3Pa以下まで減圧した。この後、アルゴンガス(純度99.99%)と酸素ガス(純度99.99%)との混合ガス(Ar:O2=1000:2.8(体積比))を真空圧2.66×10-1Paまで導入し、ターゲット印加電圧を420Vに、また基板温度を250℃及び60℃にそれぞれ設定して、DCマグネトロンダイレクトスパッタリングにより透明導電膜を基材上に製膜した。
【0118】
このようにして得られた透明導電膜1〜6について、前記方法で原子数比、結晶化度、透過率、比抵抗値及びエッチングレベルを求めた。その結果を表1に示す。
【0119】
【表1】
Figure 0004645002
【0120】
基材表面温度を250℃として、ハイパワー大気圧プラズマ放電薄膜形成方法により得た透明導電膜1〜3は、スパッタリング法により得た透明導電膜5に比べ、透明性に優れ、比抵抗値が低いと同時に、エッチング処理性が良好で、しかも非エッチング部に残存する透明導電膜のエッジ部が、エッチング部に向けて滑らかに傾斜した断面形状をなしていることが確認され、優れたエッチング速度を有することが判明した。
【0121】
基材表面温度を低温の60℃として、ハイパワー大気圧プラズマ放電薄膜形成方法により得た透明導電膜4は、スパッタリング法により得た透明導電膜6に比べ、透明性に優れ、比抵抗値が低いと同時に、エッチング処理性が良好であった。
【0122】
なお、X線回折装置による測定の結果、透明導電膜4、6は非晶質であることが判明した。
【0123】
【発明の効果】
本発明により、生産コストが低く、光透過性に優れ、比抵抗値が低く、エッチング特性に優れた透明導電膜及びその形成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大気圧プラズマ放電薄膜形成装置の一例を示す概略図である。
【図2】図1に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す斜視図である。
【図3】図1に示した角筒型電極の母材とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る大気圧プラズマ放電薄膜形成装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
30 プラズマ放電処理装置
35 ロール回転電極
36 角筒型固定電極群
40 電圧印加手段
50 ガス供給手段
60 電極温度調節手段

Claims (5)

  1. 大気圧もしくはその近傍の圧力下で放電空間にガスを導入し、電界をかけてプラズマ状態とした該ガスに基材を晒して、2種以上の金属ドーパントを含有する透明導電膜の形成方法において、該金属ドーパントが亜鉛(Zn)及びスズ(Sn)から選ばれる金属を含有し、該透明導電膜の主要組成が、膜中の金属元素全体に対するInの原子数濃度(Atomic%)が70%以上であることを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  2. 透明導電膜がハロゲンを含有することを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の形成方法。
  3. 電界の周波数が100kHz以上で、かつ出力密度が1W/cm 以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電膜の形成方法。
  4. 電界が連続したサイン波であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の透明導電膜の形成方法で形成することを特徴とする透明導電膜
JP2002263865A 2002-09-10 2002-09-10 透明導電膜及びその形成方法 Expired - Lifetime JP4645002B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002263865A JP4645002B2 (ja) 2002-09-10 2002-09-10 透明導電膜及びその形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002263865A JP4645002B2 (ja) 2002-09-10 2002-09-10 透明導電膜及びその形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004103400A JP2004103400A (ja) 2004-04-02
JP4645002B2 true JP4645002B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=32263460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002263865A Expired - Lifetime JP4645002B2 (ja) 2002-09-10 2002-09-10 透明導電膜及びその形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4645002B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000303175A (ja) * 1999-04-19 2000-10-31 Konica Corp 透明導電膜の製造方法および透明導電膜
JP2001135149A (ja) * 1999-11-01 2001-05-18 Tokuyama Corp 酸化亜鉛系透明電極
JP2001189114A (ja) * 1999-10-22 2001-07-10 Tokuyama Corp 透明電極の製造方法
WO2002048428A1 (en) * 2000-12-12 2002-06-20 Konica Corporation Method for forming thin film, article having thin film, optical film, dielectric coated electrode, and plasma discharge processor

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000303175A (ja) * 1999-04-19 2000-10-31 Konica Corp 透明導電膜の製造方法および透明導電膜
JP2001189114A (ja) * 1999-10-22 2001-07-10 Tokuyama Corp 透明電極の製造方法
JP2001135149A (ja) * 1999-11-01 2001-05-18 Tokuyama Corp 酸化亜鉛系透明電極
WO2002048428A1 (en) * 2000-12-12 2002-06-20 Konica Corporation Method for forming thin film, article having thin film, optical film, dielectric coated electrode, and plasma discharge processor

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004103400A (ja) 2004-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5082242B2 (ja) 薄膜形成方法
JP4876918B2 (ja) 透明導電膜
EP1316626A2 (en) Transparent conductive layer forming method, transparent conductive layer formed by the method, and material comprising the layer
JP2004068143A (ja) 薄膜形成方法並びに該薄膜形成方法により薄膜が形成された基材
JP2005272957A (ja) 表面処理方法及び該表面処理方法により表面処理された基材
JP2005259628A (ja) 透明導電膜形成方法、該方法により形成された透明導電膜および該透明導電膜を有する物品
JP4686956B2 (ja) 機能体の形成方法
JP2006236747A (ja) 透明電極及び透明電極の製造方法
JP4254190B2 (ja) 薄膜形成方法
JP4645002B2 (ja) 透明導電膜及びその形成方法
JP2004198590A (ja) 薄膜有するを物品、その製造方法及び低反射体並びに透明導電性体
JP4192505B2 (ja) 透明導電膜形成方法
JP2003342734A (ja) 透明導電膜、その形成方法及びそれを有する物品
JP4218273B2 (ja) 透明導電性薄膜を有する物品及びその製造方法、並びに薄膜形成装置
JP2004010753A (ja) 透明導電性フィルムの製造方法及び透明導電性フィルム
JP4534081B2 (ja) 薄膜形成装置
JP2004039469A (ja) 透明導電性薄膜の形成方法、透明導電性物品及び透明導電性フィルム
JP4314779B2 (ja) 透明導電膜、その形成方法及びそれを有する物品
JP4797318B2 (ja) 透明導電膜積層体及びその形成方法
JP2007056329A (ja) 透明導電膜及びその形成方法
JP2004137571A (ja) 薄膜形成方法、薄膜及び透明導電性膜
JP2004076037A (ja) 透明導電性薄膜を有する物品及びその製造方法
JP2005200737A (ja) 透明導電膜形成方法
JP2004143525A (ja) 薄膜形成方法、薄膜、透明導電膜及び大気圧プラズマ処理装置
JP2004010911A (ja) 透明導電膜の形成方法及びた透明導電膜を有する物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4645002

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term