JP2003338227A - 透明導電膜形成方法、該方法により形成された透明導電膜および該透明導電膜を有する物品 - Google Patents
透明導電膜形成方法、該方法により形成された透明導電膜および該透明導電膜を有する物品Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 安全性が高く、生産性に優れ、良好な光学及
び電気特性、プラスチックフィルム基材上での優れた機
械的耐性を有する導電膜の形成方法、透明導電膜及び該
透明導電膜を有する物品を提供すること。 【解決手段】 大気圧または大気圧近傍の圧力下におい
て、反応性ガスを電極間の放電空間に導入してプラズマ
状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒
し、基材上に導電膜を形成する導電膜形成方法におい
て、反応性ガスが分子内に少なくとも1つの酸素原子を
有する無機ガスと分子内に少なくとも1つの酸素原子を
有する有機金属化合物を含有する混合ガスである導電膜
形成方法。
び電気特性、プラスチックフィルム基材上での優れた機
械的耐性を有する導電膜の形成方法、透明導電膜及び該
透明導電膜を有する物品を提供すること。 【解決手段】 大気圧または大気圧近傍の圧力下におい
て、反応性ガスを電極間の放電空間に導入してプラズマ
状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒
し、基材上に導電膜を形成する導電膜形成方法におい
て、反応性ガスが分子内に少なくとも1つの酸素原子を
有する無機ガスと分子内に少なくとも1つの酸素原子を
有する有機金属化合物を含有する混合ガスである導電膜
形成方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子、有機エ
レクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とい
う。)、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと
いう。)、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池等の
各種エレクトロニクス素子に好適に用いられる透明導電
膜の形成方法、該方法により形成された透明導電膜およ
び該透明導電膜を有する物品に関する。
レクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とい
う。)、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと
いう。)、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池等の
各種エレクトロニクス素子に好適に用いられる透明導電
膜の形成方法、該方法により形成された透明導電膜およ
び該透明導電膜を有する物品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示素子、有機EL素
子、太陽電池、タッチパネル、電磁波シールド材、赤外
線反射膜等に透明導電膜は広く使用されている。透明導
電膜としては、Pt、Au、Ag、Cu等の金属薄膜、
SnO2、In2O3、CdO、ZnO2、SnO2:S
b、SnO2:F、ZnO:Al、In2O3:Snなど
の酸化物及びドーパントによる複合酸化物膜、カルコゲ
ナイド、LaB6、TiN、TiC等の非酸化物膜が用
いられている。中でも、錫をドープした酸化インジウム
膜(ITO膜)が、優れた電気特性を有し、エッチング
による加工が容易であることなどからしてもっとも広く
使用されている。これらの透明導電膜は、真空蒸着法や
スパッタリング法,イオンプレーティング法、真空プラ
ズマCVD法、スプレーパイロリシス法、熱CVD法、
ゾルゲル法等により形成することができる。近年、液晶
表示素子、有機EL素子等のフラットパネルディスプレ
イにおいては大面積化、高精細化が進んでおりより高性
能な透明導電膜が求められるようになってきている。特
に、液晶表示素子においては、高い電界応答性を有する
素子や装置が求められており、そのために、電子移動度
の高い透明導電膜が求められている。また、有機EL素
子においては、電流駆動方式がとられるために、より低
抵抗な透明導電膜が求められている。上記の透明導電膜
の形成方法の中でも、真空蒸着法やスパッタリング法
は、低抵抗な透明導電膜を得ることができ、工業的に
は、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて比抵
抗値が10-4Ω・cmオーダーの優れた導電性を有する
ITO膜を得ることができる。
子、太陽電池、タッチパネル、電磁波シールド材、赤外
線反射膜等に透明導電膜は広く使用されている。透明導
電膜としては、Pt、Au、Ag、Cu等の金属薄膜、
SnO2、In2O3、CdO、ZnO2、SnO2:S
b、SnO2:F、ZnO:Al、In2O3:Snなど
の酸化物及びドーパントによる複合酸化物膜、カルコゲ
ナイド、LaB6、TiN、TiC等の非酸化物膜が用
いられている。中でも、錫をドープした酸化インジウム
膜(ITO膜)が、優れた電気特性を有し、エッチング
による加工が容易であることなどからしてもっとも広く
使用されている。これらの透明導電膜は、真空蒸着法や
スパッタリング法,イオンプレーティング法、真空プラ
ズマCVD法、スプレーパイロリシス法、熱CVD法、
ゾルゲル法等により形成することができる。近年、液晶
表示素子、有機EL素子等のフラットパネルディスプレ
イにおいては大面積化、高精細化が進んでおりより高性
能な透明導電膜が求められるようになってきている。特
に、液晶表示素子においては、高い電界応答性を有する
素子や装置が求められており、そのために、電子移動度
の高い透明導電膜が求められている。また、有機EL素
子においては、電流駆動方式がとられるために、より低
抵抗な透明導電膜が求められている。上記の透明導電膜
の形成方法の中でも、真空蒸着法やスパッタリング法
は、低抵抗な透明導電膜を得ることができ、工業的に
は、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて比抵
抗値が10-4Ω・cmオーダーの優れた導電性を有する
ITO膜を得ることができる。
【0003】しかしながら、これらの物理的製作法(P
VD法)は、気相中で目的物質を基板に堆積させて膜を
成長させるものであり、真空装置を使用しなければなら
ず、そのために装置が大がかりで高価となり、また、原
料の使用効率が悪くて生産性も低く、大面積の膜を得る
ことも困難であった。さらに、低抵抗品を得るために
は、製膜時に200〜300℃に加熱する必要があり、
プラスチックフィルム上に、低抵抗な透明導電膜の形成
することは困難である。また、ゾルゲル法(塗布法)
は、分散調液、塗布、乾燥といった多くのプロセスが必
要であるだけでなく、被処理基材との接着性が低いため
に、バインダー樹脂を使用することが必要で、透明性が
悪くなってしまう。また、得られた透明導電膜膜の電気
特性もPVD法を用いた場合に比較すると劣っている。
また、熱CVD法は、気化した原材料あるいは原材料溶
液を基板に吹きつけ、熱分解させることで膜を形成する
ものであり、装置が簡単で生産性に優れ、大面積の成膜
が容易に行えるという利点があるが、通常、焼成時に4
00℃から500℃での高温処理を必要とするため使用
する基材が限られてしまうという問題点を有していた。
特に、プラスチックフィルム基板への成膜は困難であっ
た。上記のゾルゲル法(塗布法)では高機能な薄膜が得
られにくい、また、真空装置を用いる方法では生産性が
悪いというデメリットを克服する方法として、大気圧ま
たは大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズ
マ励起し、基材上に薄膜を形成する方法(以下、大気圧
プラズマCVD法という。)が提案され、特開2000
−303175号公報には大気圧プラズマCVD法によ
り透明導電膜を形成する技術が開示されている。しかし
ながら、得られる透明導電膜は比抵抗値が10-2Ω・c
m以上であり、比抵抗値が1×10-3Ω・cm以下であ
るという電気特性が要求される液晶素子、有機EL素
子、PDP、電子ペーパー等のフラットパネルディスプ
レイ用の透明導電膜とするには不十分であった。更に、
CVD法においては、原料にトリエチルインジウムを用
いており、この化合物は常温、大気中で発火、爆発の危
険性があるなど、安全性にも問題があった。また、特開
2001−74906号公報には、ハードコート層/透
明導電層/反射防止層とを高い密着性をもって設け、赤
外線及び電磁波防止機能を有し、耐擦傷性、表面硬度に
優れたPDP又はFED用反射防止フィルム及びその製
造方法が記載されており、透明導電層の例が開示されて
いるが、該公報に記載の透明導電層は低抵抗な透明導電
膜ではなく、低抵抗な透明導電膜を得るという要求を満
たすものではない。また、基板に高分子フィルムを用い
たときには、製造工程、市場での取り扱いに対する機械
的な耐性も必要とされるが、これまでの製膜方法では機
械的な耐性に問題があった。そこで、本発明者らは、種
々検討した結果、大気圧プラズマCVD法により透明導
電膜を特定の反応ガスを用いて形成することにより、良
好な光学特性及び電気特性を有する透明導電膜を高い生
産性で得ることができることを見出した。
VD法)は、気相中で目的物質を基板に堆積させて膜を
成長させるものであり、真空装置を使用しなければなら
ず、そのために装置が大がかりで高価となり、また、原
料の使用効率が悪くて生産性も低く、大面積の膜を得る
ことも困難であった。さらに、低抵抗品を得るために
は、製膜時に200〜300℃に加熱する必要があり、
プラスチックフィルム上に、低抵抗な透明導電膜の形成
することは困難である。また、ゾルゲル法(塗布法)
は、分散調液、塗布、乾燥といった多くのプロセスが必
要であるだけでなく、被処理基材との接着性が低いため
に、バインダー樹脂を使用することが必要で、透明性が
悪くなってしまう。また、得られた透明導電膜膜の電気
特性もPVD法を用いた場合に比較すると劣っている。
また、熱CVD法は、気化した原材料あるいは原材料溶
液を基板に吹きつけ、熱分解させることで膜を形成する
ものであり、装置が簡単で生産性に優れ、大面積の成膜
が容易に行えるという利点があるが、通常、焼成時に4
00℃から500℃での高温処理を必要とするため使用
する基材が限られてしまうという問題点を有していた。
特に、プラスチックフィルム基板への成膜は困難であっ
た。上記のゾルゲル法(塗布法)では高機能な薄膜が得
られにくい、また、真空装置を用いる方法では生産性が
悪いというデメリットを克服する方法として、大気圧ま
たは大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズ
マ励起し、基材上に薄膜を形成する方法(以下、大気圧
プラズマCVD法という。)が提案され、特開2000
−303175号公報には大気圧プラズマCVD法によ
り透明導電膜を形成する技術が開示されている。しかし
ながら、得られる透明導電膜は比抵抗値が10-2Ω・c
m以上であり、比抵抗値が1×10-3Ω・cm以下であ
るという電気特性が要求される液晶素子、有機EL素
子、PDP、電子ペーパー等のフラットパネルディスプ
レイ用の透明導電膜とするには不十分であった。更に、
CVD法においては、原料にトリエチルインジウムを用
いており、この化合物は常温、大気中で発火、爆発の危
険性があるなど、安全性にも問題があった。また、特開
2001−74906号公報には、ハードコート層/透
明導電層/反射防止層とを高い密着性をもって設け、赤
外線及び電磁波防止機能を有し、耐擦傷性、表面硬度に
優れたPDP又はFED用反射防止フィルム及びその製
造方法が記載されており、透明導電層の例が開示されて
いるが、該公報に記載の透明導電層は低抵抗な透明導電
膜ではなく、低抵抗な透明導電膜を得るという要求を満
たすものではない。また、基板に高分子フィルムを用い
たときには、製造工程、市場での取り扱いに対する機械
的な耐性も必要とされるが、これまでの製膜方法では機
械的な耐性に問題があった。そこで、本発明者らは、種
々検討した結果、大気圧プラズマCVD法により透明導
電膜を特定の反応ガスを用いて形成することにより、良
好な光学特性及び電気特性を有する透明導電膜を高い生
産性で得ることができることを見出した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、安全性が高く、生産性に優れ、良好な光学特性及び
電気特性を有し、プラスチックフィルム基材上での優れ
た機械的耐性を有する透明導電膜形成方法並びに透明導
電膜及び透明導電膜を有する物品を提供することにあ
る。
は、安全性が高く、生産性に優れ、良好な光学特性及び
電気特性を有し、プラスチックフィルム基材上での優れ
た機械的耐性を有する透明導電膜形成方法並びに透明導
電膜及び透明導電膜を有する物品を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。 (1)大気圧または大気圧近傍の圧力下において、反応
性ガスを電極間の放電空間に導入してプラズマ状態と
し、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒し、基材
上に透明導電膜を形成する透明導電膜形成方法におい
て、反応性ガスが分子内に少なくとも1つの酸素原子を
有する無機ガスと分子内に少なくとも1つの酸素原子を
有する有機金属化合物を含有する混合ガスであることを
特徴とする透明導電膜形成方法。 (2)分子内に少なくとも1つの酸素原子を有する無機
ガスが酸素であることを特徴とする上記(1)に記載の
透明導電膜形成方法。 (3)分子内に少なくとも1つの酸素原子を有する有機
金属化合物が以下の一般式1または一般式2で表される
有機金属化合物であることを特徴とする上記(1)また
は(2)に記載の透明導電膜形成方法。
下の構成によって達成された。 (1)大気圧または大気圧近傍の圧力下において、反応
性ガスを電極間の放電空間に導入してプラズマ状態と
し、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒し、基材
上に透明導電膜を形成する透明導電膜形成方法におい
て、反応性ガスが分子内に少なくとも1つの酸素原子を
有する無機ガスと分子内に少なくとも1つの酸素原子を
有する有機金属化合物を含有する混合ガスであることを
特徴とする透明導電膜形成方法。 (2)分子内に少なくとも1つの酸素原子を有する無機
ガスが酸素であることを特徴とする上記(1)に記載の
透明導電膜形成方法。 (3)分子内に少なくとも1つの酸素原子を有する有機
金属化合物が以下の一般式1または一般式2で表される
有機金属化合物であることを特徴とする上記(1)また
は(2)に記載の透明導電膜形成方法。
【0006】
【化2】
〔一般式1及び2において、MはIn、Sn、Znを表
し、R1、R2はそれぞれ置換基を有していてもよいアル
キル基、アリール基、アルコキシル基を表し、Rは水素
原子、置換基を表し、また、RはR1、R2と結合して環
を形成してもよい。R3はそれぞれ置換基を有していて
もよいアルキル基、アリール基を表す。n1は整数を表
し、n2は整数を表す。〕 (4)混合ガスが、不活性ガスを含有することを特徴と
する上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の透明導
電膜形成方法。 (5)不活性ガスが、アルゴンまたはヘリウムであるこ
とを特徴とする上記(4)に記載の透明導電膜形成方
法。 (6)混合ガスが、分子内に少なくとも1つの酸素原子
を有する無機ガスを、0.0001〜5.0体積%の範
囲で含有していることを特徴とする上記(1)〜(5)
のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。
し、R1、R2はそれぞれ置換基を有していてもよいアル
キル基、アリール基、アルコキシル基を表し、Rは水素
原子、置換基を表し、また、RはR1、R2と結合して環
を形成してもよい。R3はそれぞれ置換基を有していて
もよいアルキル基、アリール基を表す。n1は整数を表
し、n2は整数を表す。〕 (4)混合ガスが、不活性ガスを含有することを特徴と
する上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の透明導
電膜形成方法。 (5)不活性ガスが、アルゴンまたはヘリウムであるこ
とを特徴とする上記(4)に記載の透明導電膜形成方
法。 (6)混合ガスが、分子内に少なくとも1つの酸素原子
を有する無機ガスを、0.0001〜5.0体積%の範
囲で含有していることを特徴とする上記(1)〜(5)
のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。
【0007】(7)電極間に印加する電界が周波数10
0kHz以上の高周波電界であり、且つ、1W/cm2
以上の電力を供給して放電させることを特徴とする上記
(1)〜(6)のいずれか1項に記載の透明導電膜形成
方法。 (8)電極間に印加する電界が、周波数150MHz以
下の高周波電界であることを特徴とする上記(7)に記
載の透明導電膜形成方法。 (9)電極間に印加する電界が、周波数200kHz以
上の高周波電界であることを特徴とする上記(7)また
は(8)に記載の透明導電膜形成方法。 (10)電極間に印加する電界が、周波数800kHz
以上の高周波電界であることを特徴とする上記(7)〜
(9)のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。 (11)電極間に供給する電力が、1.2W/cm2以
上であることを特徴とする上記(7)〜(10)のいず
れか1項に記載の透明導電膜形成方法。 (12)電極間に供給する電力が、50W/cm2以下
であることを特徴とする上記(7)〜(11)のいずれ
か1項に記載の透明導電膜形成方法。 (13)電極間に供給する電力が、20W/cm2以下
であることを特徴とする上記(7)〜(12)のいずれ
か1項に記載の透明導電膜形成方法。 (14)電極間に印加する高周波の電界が、連続したサ
イン波の電界であることを特徴とする上記(7)〜(1
3)のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。 (15)電極の少なくとも一方が、誘電体で被覆されて
いることを特徴とする上記(7)〜(14)のいずれか
1項に記載の透明導電膜形成方法。 (16)誘電体が、比誘電率が6〜45の無機物である
ことを特徴とする上記(15)に記載の透明導電膜形成
方法。 (17)電極の表面粗さRmaxが10μm以下である
ことを特徴とする上記(15)または(16)に記載の
透明導電膜形成方法。 (18)基材の表面温度300℃以下で基材上に導電膜
を形成することを特徴とする上記(1)〜(17)のい
ずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。
0kHz以上の高周波電界であり、且つ、1W/cm2
以上の電力を供給して放電させることを特徴とする上記
(1)〜(6)のいずれか1項に記載の透明導電膜形成
方法。 (8)電極間に印加する電界が、周波数150MHz以
下の高周波電界であることを特徴とする上記(7)に記
載の透明導電膜形成方法。 (9)電極間に印加する電界が、周波数200kHz以
上の高周波電界であることを特徴とする上記(7)また
は(8)に記載の透明導電膜形成方法。 (10)電極間に印加する電界が、周波数800kHz
以上の高周波電界であることを特徴とする上記(7)〜
(9)のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。 (11)電極間に供給する電力が、1.2W/cm2以
上であることを特徴とする上記(7)〜(10)のいず
れか1項に記載の透明導電膜形成方法。 (12)電極間に供給する電力が、50W/cm2以下
であることを特徴とする上記(7)〜(11)のいずれ
か1項に記載の透明導電膜形成方法。 (13)電極間に供給する電力が、20W/cm2以下
であることを特徴とする上記(7)〜(12)のいずれ
か1項に記載の透明導電膜形成方法。 (14)電極間に印加する高周波の電界が、連続したサ
イン波の電界であることを特徴とする上記(7)〜(1
3)のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。 (15)電極の少なくとも一方が、誘電体で被覆されて
いることを特徴とする上記(7)〜(14)のいずれか
1項に記載の透明導電膜形成方法。 (16)誘電体が、比誘電率が6〜45の無機物である
ことを特徴とする上記(15)に記載の透明導電膜形成
方法。 (17)電極の表面粗さRmaxが10μm以下である
ことを特徴とする上記(15)または(16)に記載の
透明導電膜形成方法。 (18)基材の表面温度300℃以下で基材上に導電膜
を形成することを特徴とする上記(1)〜(17)のい
ずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。
【0008】(19)上記(1)〜(18)のいずれか
1項に記載の透明導電膜形成方法で形成された透明導電
膜。 (20)透明導電膜の比抵抗値が1× 10-3Ω・cm
以下であることを特徴とする上記(19)に記載の透明
導電膜。 (21)透明導電膜のキャリア移動度が10cm2/V
・sec以上であることを特徴とする上記(19)また
は(20)に記載の透明導電膜。 (22)透明導電膜のキャリア密度が1×1019cm-3
以上であることを特徴とする上記(19)〜(21)の
いずれか1項に記載の透明導電膜。 (23)透明導電膜のキャリア密度が1×1020cm-3
以上であることを特徴とする上記(19)〜(22)の
いずれか1項に記載の透明導電膜。 (24)透明導電膜が、酸化インジウム、酸化錫、酸化
亜鉛、Fドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、Sbドー
プ酸化錫、ITO、In2O3−ZnO系アモルファス透
明導電膜であることを特徴とする上記(19)〜(2
3)のいずれか1項に記載の透明導電膜。 (25)透明導電膜が、In/Sn原子数比が100/
0.1〜100/15の範囲にあるITO膜であること
を特徴とする上記(24)に記載の透明導電膜。 (26)透明導電膜の炭素含有量が0〜5.0原子数濃
度の範囲であることを特徴とする上記(24)または
(25)に記載の透明導電膜。
1項に記載の透明導電膜形成方法で形成された透明導電
膜。 (20)透明導電膜の比抵抗値が1× 10-3Ω・cm
以下であることを特徴とする上記(19)に記載の透明
導電膜。 (21)透明導電膜のキャリア移動度が10cm2/V
・sec以上であることを特徴とする上記(19)また
は(20)に記載の透明導電膜。 (22)透明導電膜のキャリア密度が1×1019cm-3
以上であることを特徴とする上記(19)〜(21)の
いずれか1項に記載の透明導電膜。 (23)透明導電膜のキャリア密度が1×1020cm-3
以上であることを特徴とする上記(19)〜(22)の
いずれか1項に記載の透明導電膜。 (24)透明導電膜が、酸化インジウム、酸化錫、酸化
亜鉛、Fドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、Sbドー
プ酸化錫、ITO、In2O3−ZnO系アモルファス透
明導電膜であることを特徴とする上記(19)〜(2
3)のいずれか1項に記載の透明導電膜。 (25)透明導電膜が、In/Sn原子数比が100/
0.1〜100/15の範囲にあるITO膜であること
を特徴とする上記(24)に記載の透明導電膜。 (26)透明導電膜の炭素含有量が0〜5.0原子数濃
度の範囲であることを特徴とする上記(24)または
(25)に記載の透明導電膜。
【0009】(27)基材上に透明導電膜を有する物品
において、透明導電膜の比抵抗値が1× 10-3Ω・c
m以下であることを特徴とする物品。 (28)透明導電膜のキャリア移動度が10cm2/V
・sec以上であることを特徴とする上記(27)に記
載の物品。 (29)透明導電膜のキャリア密度が1×1019cm-3
以上であることを特徴とする上記(27)または(2
8)に記載の物品。 (30)透明導電膜のキャリア密度が1×1020cm-3
以上であることを特徴とする上記(27)〜(29)の
いずれか1項に記載の物品。 (31)透明導電膜が、酸化インジウム、酸化錫、酸化
亜鉛、Fドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、Sbドー
プ酸化錫、ITO、In2O3−ZnO系アモルファス透
明導電膜であることを特徴とする上記(27)〜(3
0)のいずれか1項に記載の物品。 (32)透明導電膜が、In/Snの原子数比が100
/0.1〜100/15の範囲にあるITO膜であるこ
とを特徴とする上記(31)に記載の物品。 (33)透明導電膜の炭素含有量が0〜5.0原子数濃
度の範囲であることを特徴とする上記(31)または
(32)に記載の物品。 (34)基材が、透明樹脂フィルムであることを特徴と
する上記(27)〜(33)のいずれか1項に記載の物
品。 (35)透明樹脂フィルムが、タッチパネル用フィルム
基材、液晶素子プラスチック基板、有機EL素子プラス
チック基板、PDP用電磁遮蔽フィルム、電子ペーパー
用フィルム基板であることを特徴とする上記(34)に
記載の物品。 (36)透明導電膜が、パターニングされた電極である
ことを特徴とする上記(34)または(35)に記載の
物品。
において、透明導電膜の比抵抗値が1× 10-3Ω・c
m以下であることを特徴とする物品。 (28)透明導電膜のキャリア移動度が10cm2/V
・sec以上であることを特徴とする上記(27)に記
載の物品。 (29)透明導電膜のキャリア密度が1×1019cm-3
以上であることを特徴とする上記(27)または(2
8)に記載の物品。 (30)透明導電膜のキャリア密度が1×1020cm-3
以上であることを特徴とする上記(27)〜(29)の
いずれか1項に記載の物品。 (31)透明導電膜が、酸化インジウム、酸化錫、酸化
亜鉛、Fドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、Sbドー
プ酸化錫、ITO、In2O3−ZnO系アモルファス透
明導電膜であることを特徴とする上記(27)〜(3
0)のいずれか1項に記載の物品。 (32)透明導電膜が、In/Snの原子数比が100
/0.1〜100/15の範囲にあるITO膜であるこ
とを特徴とする上記(31)に記載の物品。 (33)透明導電膜の炭素含有量が0〜5.0原子数濃
度の範囲であることを特徴とする上記(31)または
(32)に記載の物品。 (34)基材が、透明樹脂フィルムであることを特徴と
する上記(27)〜(33)のいずれか1項に記載の物
品。 (35)透明樹脂フィルムが、タッチパネル用フィルム
基材、液晶素子プラスチック基板、有機EL素子プラス
チック基板、PDP用電磁遮蔽フィルム、電子ペーパー
用フィルム基板であることを特徴とする上記(34)に
記載の物品。 (36)透明導電膜が、パターニングされた電極である
ことを特徴とする上記(34)または(35)に記載の
物品。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、「透明導電膜」の用語は、工業材料の分野で一
般に用いられている用語であり、本発明においてはこの
ような工業材料の分野で一般に用いられている用語の意
味で用いられる。透明導電膜は可視光(400〜700
nm)の領域の光を殆んど吸収せず透明で、しかも、導
電性を有している膜である。電気を運ぶ自由荷電体の透
過特性が可視光域で高く、透明であり、しかも電気伝導
性が高いため、透明電極や帯電防止膜として用いられ
る。また、本発明において、透明導電膜は、用途によっ
てその機能を有する程度に被処理体上に形成されていれ
ばよく、被処理体の全部または一部に連続的に形成され
ていても、また、不連続に形成されていてもよい。透明
導電膜としては、Pt、Au、Ag、Cu等の金属薄
膜、SnO2、In2O3、CdO、ZnO2、SnO2:
Sb、SnO2:F、ZnO:Al、In2O3:Snな
どの酸化物膜及びこれら酸化物とドーパントを用いた複
合酸化物膜、カルコゲナイド、LaB6、TiN、Ti
C等の非酸化物膜などが挙げられる。本発明の透明導電
膜形成方法は、いわゆる大気圧プラズマCVD法で行わ
れるが、以下、該大気圧プラズマCVD法について説明
する。大気圧プラズマCVD法は、大気圧または大気圧
近傍の圧力下において、反応性ガスを放電空間に導入し
てプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性
ガスに晒すことによってよって行われる薄膜形成方法で
あり、本発明において透明導電膜は該方法により形成さ
れる。本発明の大気圧プラズマCVD法においては、例
えば、対向する電極間に、100kHz以上の高周波電
界で、且つ、100W/cm2以下の電力(出力密度)
を供給し、反応性ガスを励起してプラズマを発生させ
る。本発明において、電極間に印加する高周波電界の周
波数は、好ましくは100kHzまたはそれ以上、より
好ましくは200kHz以上である。更に好ましくは8
00kHz以上である。また、150MHz以下が好ま
しい。
おいて、「透明導電膜」の用語は、工業材料の分野で一
般に用いられている用語であり、本発明においてはこの
ような工業材料の分野で一般に用いられている用語の意
味で用いられる。透明導電膜は可視光(400〜700
nm)の領域の光を殆んど吸収せず透明で、しかも、導
電性を有している膜である。電気を運ぶ自由荷電体の透
過特性が可視光域で高く、透明であり、しかも電気伝導
性が高いため、透明電極や帯電防止膜として用いられ
る。また、本発明において、透明導電膜は、用途によっ
てその機能を有する程度に被処理体上に形成されていれ
ばよく、被処理体の全部または一部に連続的に形成され
ていても、また、不連続に形成されていてもよい。透明
導電膜としては、Pt、Au、Ag、Cu等の金属薄
膜、SnO2、In2O3、CdO、ZnO2、SnO2:
Sb、SnO2:F、ZnO:Al、In2O3:Snな
どの酸化物膜及びこれら酸化物とドーパントを用いた複
合酸化物膜、カルコゲナイド、LaB6、TiN、Ti
C等の非酸化物膜などが挙げられる。本発明の透明導電
膜形成方法は、いわゆる大気圧プラズマCVD法で行わ
れるが、以下、該大気圧プラズマCVD法について説明
する。大気圧プラズマCVD法は、大気圧または大気圧
近傍の圧力下において、反応性ガスを放電空間に導入し
てプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性
ガスに晒すことによってよって行われる薄膜形成方法で
あり、本発明において透明導電膜は該方法により形成さ
れる。本発明の大気圧プラズマCVD法においては、例
えば、対向する電極間に、100kHz以上の高周波電
界で、且つ、100W/cm2以下の電力(出力密度)
を供給し、反応性ガスを励起してプラズマを発生させ
る。本発明において、電極間に印加する高周波電界の周
波数は、好ましくは100kHzまたはそれ以上、より
好ましくは200kHz以上である。更に好ましくは8
00kHz以上である。また、150MHz以下が好ま
しい。
【0011】また、電極間に供給する電力は、0.5W
/cm2以上が好ましく、より好ましくは1W/cm2以
上である。更に好ましくは1.2W/cm2である。ま
た、100W/cm2以下が好ましく、より好ましくは
50W/cm2以下である。更に好ましくは20W/c
m2以下である。ここで電力とは、電極において放電が
起こる範囲の単位面積(cm2)当りの電力を表す。ま
た、電極間に印加する高周波電界は、断続的なパルス波
であっても、連続したサイン波であっても構わないが、
本発明の効果を高く得るためには、連続したサイン波で
あることが好ましい。本発明においては、このように電
極間に電界を印加して、放電空間において反応性ガスを
プラズマ状態とするが、放電空間において均一なグロー
放電状態を保つことが好ましく、均一なグロー放電状態
を保つことができる電極を採用したプラズマ放電処理装
置を用いることが好ましい。均一なグロー放電状態を保
つ電極としては、金属母材上に誘電体を被覆した電極が
好ましい。これらの金属母材上に誘電体を被覆した電極
は、少なくとも対向する印加電極とアース電極の一方に
用いられるが、対向する印加電極とアース電極の双方に
用いることがさらに好ましい。ここで用いる誘電体は、
比誘電率が6〜45の無機物であることが好ましく、こ
のような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラ
ミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガ
ラス等のガラスライニング材等が挙げられる。また、基
材は電極間に載置してあるいは電極間を搬送してプラズ
マ状態の反応性ガスに晒される。電極間を搬送してプラ
ズマ状態の反応性ガスに晒す場合、基材をロール電極に
接して搬送することが行われるが、この場合、ロール電
極を基材を接して搬送できるロール電極仕様にするだけ
でなく、更に、誘電体表面を研磨仕上げし、電極の表面
粗さRmax(JIS B 0601)を10μm以下
にすることにより、誘電体の厚み及び電極間のギャップ
を一定に保つことができ、放電状態を安定化することが
できる。更に、熱収縮差や残留応力による歪やひび割れ
をなくし、かつ、ポーラスで無い高精度の無機誘電体を
被覆することで耐久性を大きく向上させることができ
る。
/cm2以上が好ましく、より好ましくは1W/cm2以
上である。更に好ましくは1.2W/cm2である。ま
た、100W/cm2以下が好ましく、より好ましくは
50W/cm2以下である。更に好ましくは20W/c
m2以下である。ここで電力とは、電極において放電が
起こる範囲の単位面積(cm2)当りの電力を表す。ま
た、電極間に印加する高周波電界は、断続的なパルス波
であっても、連続したサイン波であっても構わないが、
本発明の効果を高く得るためには、連続したサイン波で
あることが好ましい。本発明においては、このように電
極間に電界を印加して、放電空間において反応性ガスを
プラズマ状態とするが、放電空間において均一なグロー
放電状態を保つことが好ましく、均一なグロー放電状態
を保つことができる電極を採用したプラズマ放電処理装
置を用いることが好ましい。均一なグロー放電状態を保
つ電極としては、金属母材上に誘電体を被覆した電極が
好ましい。これらの金属母材上に誘電体を被覆した電極
は、少なくとも対向する印加電極とアース電極の一方に
用いられるが、対向する印加電極とアース電極の双方に
用いることがさらに好ましい。ここで用いる誘電体は、
比誘電率が6〜45の無機物であることが好ましく、こ
のような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラ
ミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガ
ラス等のガラスライニング材等が挙げられる。また、基
材は電極間に載置してあるいは電極間を搬送してプラズ
マ状態の反応性ガスに晒される。電極間を搬送してプラ
ズマ状態の反応性ガスに晒す場合、基材をロール電極に
接して搬送することが行われるが、この場合、ロール電
極を基材を接して搬送できるロール電極仕様にするだけ
でなく、更に、誘電体表面を研磨仕上げし、電極の表面
粗さRmax(JIS B 0601)を10μm以下
にすることにより、誘電体の厚み及び電極間のギャップ
を一定に保つことができ、放電状態を安定化することが
できる。更に、熱収縮差や残留応力による歪やひび割れ
をなくし、かつ、ポーラスで無い高精度の無機誘電体を
被覆することで耐久性を大きく向上させることができ
る。
【0012】これらの電極の作製において、高温下で金
属母材に誘電体の被覆がなされるが、少なくとも透明導
電膜を形成する基材と接する側の誘電体を研磨仕上げす
ること、更に、電極の金属母材と誘電体との熱膨張の差
を小さくすることが必要であり、そのために作製におい
て、金属母材表面に、応力を吸収出来る層として泡混入
量をコントロールした無機質の材料をライニングすると
よい。特に、材質としては琺瑯等の溶融法により得られ
るガラスが好ましく、更に、導電性金属母材に接する最
下層の泡混入量を20〜30vol%とし、次層以降を
5vol%以下とすることで、緻密でかつひび割れ等が
発生しない良好な電極を得ることができる。また、電極
の金属母材に誘電体を被覆する別の方法として、セラミ
ックスの溶射を空隙率10vol%以下で緻密に行い、
更に、ゾルゲル反応により硬化する無機質の材料にて封
孔処理を行う方法が挙げられる。ここでゾルゲル反応の
促進には、熱硬化やUV硬化を用いるのがよく、更に、
封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り
返すと、より一層無機質化が向上し、劣化の無い緻密な
電極ができる。
属母材に誘電体の被覆がなされるが、少なくとも透明導
電膜を形成する基材と接する側の誘電体を研磨仕上げす
ること、更に、電極の金属母材と誘電体との熱膨張の差
を小さくすることが必要であり、そのために作製におい
て、金属母材表面に、応力を吸収出来る層として泡混入
量をコントロールした無機質の材料をライニングすると
よい。特に、材質としては琺瑯等の溶融法により得られ
るガラスが好ましく、更に、導電性金属母材に接する最
下層の泡混入量を20〜30vol%とし、次層以降を
5vol%以下とすることで、緻密でかつひび割れ等が
発生しない良好な電極を得ることができる。また、電極
の金属母材に誘電体を被覆する別の方法として、セラミ
ックスの溶射を空隙率10vol%以下で緻密に行い、
更に、ゾルゲル反応により硬化する無機質の材料にて封
孔処理を行う方法が挙げられる。ここでゾルゲル反応の
促進には、熱硬化やUV硬化を用いるのがよく、更に、
封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り
返すと、より一層無機質化が向上し、劣化の無い緻密な
電極ができる。
【0013】本発明の透明導電膜形成方法に用いるプラ
ズマ放電処理装置としては、従来用いられているプラズ
マ放電処理装置を用いることができるが、本発明に好ま
しく用いられる上記のような電極を有するプラズマ放電
処理装置を図を用いて説明する。図1〜図8はプラズマ
放電処理装置におけるプラズマ放電処理容器及びそれに
用いる電極を説明するためのものであって、該プラズマ
放電処理容器においては、アース電極となるロール電極
と、対向する位置に配置された印加電極となる固定電極
との間で放電させ、当該電極間に反応性ガスを導入して
プラズマ状態とし、ロール電極に巻回された長尺フィル
ム状の基材をこのプラズマ状態の反応性ガスに晒し、薄
膜を形成する。本発明において、透明導電膜の形成に用
いられるプラズマ放電処理容器はこれに限定されるもの
ではなく、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、
グロー放電を安定に維持し、透明導電膜を形成するため
の反応性ガスを励起してプラズマ状態とすることができ
るものであればいずれでもよい。他の方式としては、基
材を電極間ではない電極近傍に載置しあるいは搬送さ
せ、別個に発生させたプラズマを当該基材上に吹き付け
て薄膜の形成を行ういわゆるジェット方式等が挙げられ
る。
ズマ放電処理装置としては、従来用いられているプラズ
マ放電処理装置を用いることができるが、本発明に好ま
しく用いられる上記のような電極を有するプラズマ放電
処理装置を図を用いて説明する。図1〜図8はプラズマ
放電処理装置におけるプラズマ放電処理容器及びそれに
用いる電極を説明するためのものであって、該プラズマ
放電処理容器においては、アース電極となるロール電極
と、対向する位置に配置された印加電極となる固定電極
との間で放電させ、当該電極間に反応性ガスを導入して
プラズマ状態とし、ロール電極に巻回された長尺フィル
ム状の基材をこのプラズマ状態の反応性ガスに晒し、薄
膜を形成する。本発明において、透明導電膜の形成に用
いられるプラズマ放電処理容器はこれに限定されるもの
ではなく、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、
グロー放電を安定に維持し、透明導電膜を形成するため
の反応性ガスを励起してプラズマ状態とすることができ
るものであればいずれでもよい。他の方式としては、基
材を電極間ではない電極近傍に載置しあるいは搬送さ
せ、別個に発生させたプラズマを当該基材上に吹き付け
て薄膜の形成を行ういわゆるジェット方式等が挙げられ
る。
【0014】図1は、本発明の透明導電膜形成方法に用
いられるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放
電処理容器の一例を示す概略図である。図1において、
長尺フィルム状の基材Fは搬送方向(図中、時計回り)
に回転するロール電極25に巻回されながら搬送され
る。固定されている電極26は複数の円筒から構成さ
れ、ロール電極25に対向させて設置される。ロール電
極25に巻回された基材Fは、ニップローラ65、66
で押圧され、ガイドローラ64で規制されてプラズマ放
電処理容器31によって確保された放電処理空間に搬送
され、放電プラズマ処理される。次いで、ガイドローラ
67を介して次工程に搬送される。また、仕切板54は
前記ニップローラ65、66に近接して配置され、基材
Fに同伴する空気がプラズマ放電処理容器31内に進入
するのを抑制する。基材Fに同伴されてプラズマ放電処
理容器31内に持ち込まれる空気は、プラズマ放電処理
容器31内の気体の全体積に対し、1体積%以下に抑え
ることが好ましく、0.1体積%以下に抑えることがよ
り好ましい。前記ニップローラ65および66により、
それを達成することが可能である。なお、放電プラズマ
処理に用いられる混合ガス(不活性ガスと、反応性ガス
である還元ガスおよび有機金属化合物)は、給気口52
からプラズマ放電処理容器31に導入され、処理後のガ
スは排気口53から排気される。
いられるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放
電処理容器の一例を示す概略図である。図1において、
長尺フィルム状の基材Fは搬送方向(図中、時計回り)
に回転するロール電極25に巻回されながら搬送され
る。固定されている電極26は複数の円筒から構成さ
れ、ロール電極25に対向させて設置される。ロール電
極25に巻回された基材Fは、ニップローラ65、66
で押圧され、ガイドローラ64で規制されてプラズマ放
電処理容器31によって確保された放電処理空間に搬送
され、放電プラズマ処理される。次いで、ガイドローラ
67を介して次工程に搬送される。また、仕切板54は
前記ニップローラ65、66に近接して配置され、基材
Fに同伴する空気がプラズマ放電処理容器31内に進入
するのを抑制する。基材Fに同伴されてプラズマ放電処
理容器31内に持ち込まれる空気は、プラズマ放電処理
容器31内の気体の全体積に対し、1体積%以下に抑え
ることが好ましく、0.1体積%以下に抑えることがよ
り好ましい。前記ニップローラ65および66により、
それを達成することが可能である。なお、放電プラズマ
処理に用いられる混合ガス(不活性ガスと、反応性ガス
である還元ガスおよび有機金属化合物)は、給気口52
からプラズマ放電処理容器31に導入され、処理後のガ
スは排気口53から排気される。
【0015】図2は、図1に示されたプラズマ放電処理
容器とは異なる、本発明の透明導電膜形成方法に用いら
れるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処
理容器の他の一例を示す概略図である。図1において
は、電極として、ロール電極25に対向する固定されて
いる電極26は円柱型の電極が用いられているのに対
し、図2においては、電極として、ロール電極25に対
向する固定されている電極としては角柱型電極36が用
いられている。図2に示した角柱型電極36は、図1に
示した円柱型の電極26に比べて放電の範囲が広がるの
で、本発明の導電膜形成方法に好ましく用いられる。図
3は、図1及び図2に示された円筒型のロール電極の一
例を示す概略図、図4は、同じく図1及び図2に示され
た円筒型のロール電極の他の一例を示す概略図、図5
は、図1に示された円筒型で固定されている電極の一例
を示す概略図、図6は、図1に示された円筒型で固定さ
れている電極の他の一例を示す概略図、図7は、図2に
示された角柱型で固定されている電極の一例を示す概略
図、図8は、図2に示された角柱型で固定されている電
極の他の一例を示す概略図である。
容器とは異なる、本発明の透明導電膜形成方法に用いら
れるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処
理容器の他の一例を示す概略図である。図1において
は、電極として、ロール電極25に対向する固定されて
いる電極26は円柱型の電極が用いられているのに対
し、図2においては、電極として、ロール電極25に対
向する固定されている電極としては角柱型電極36が用
いられている。図2に示した角柱型電極36は、図1に
示した円柱型の電極26に比べて放電の範囲が広がるの
で、本発明の導電膜形成方法に好ましく用いられる。図
3は、図1及び図2に示された円筒型のロール電極の一
例を示す概略図、図4は、同じく図1及び図2に示され
た円筒型のロール電極の他の一例を示す概略図、図5
は、図1に示された円筒型で固定されている電極の一例
を示す概略図、図6は、図1に示された円筒型で固定さ
れている電極の他の一例を示す概略図、図7は、図2に
示された角柱型で固定されている電極の一例を示す概略
図、図8は、図2に示された角柱型で固定されている電
極の他の一例を示す概略図である。
【0016】図3において、アース電極となるロール電
極25cは、金属等の導電性母材25aに対しセラミッ
クスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミッ
ク被覆処理誘電体25bを被覆した組み合わせで構成さ
れている。セラミック被覆処理誘電体25bを片肉で1
mm被覆し、ロール径を被覆後200mmφとなるよう
に製作される。ロール電極25cはアースされる。ま
た、図4に示すように、金属等の導電性母材25Aへラ
イニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体
25Bを被覆した組み合わせてロール電極25Cを構成
してもよい。ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラ
ス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸
塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラ
ス、バナジン酸塩ガラス等が好ましく用いられるが、こ
の中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易いので、更に好ま
しく用いられる。金属等の導電性母材25a、25Aの
材料としては、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、
鉄等の金属等が挙げられるが、加工の観点からするとス
テンレスが好ましい。また、溶射に用いるセラミックス
材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられ
るが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ま
しく用いられる。なお、実際に使用する形態において
は、ロール電極の母材は、冷却水による冷却手段を有す
るステンレス製ジャケットを有するロール母材が使用さ
れる(不図示)。
極25cは、金属等の導電性母材25aに対しセラミッ
クスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミッ
ク被覆処理誘電体25bを被覆した組み合わせで構成さ
れている。セラミック被覆処理誘電体25bを片肉で1
mm被覆し、ロール径を被覆後200mmφとなるよう
に製作される。ロール電極25cはアースされる。ま
た、図4に示すように、金属等の導電性母材25Aへラ
イニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体
25Bを被覆した組み合わせてロール電極25Cを構成
してもよい。ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラ
ス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸
塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラ
ス、バナジン酸塩ガラス等が好ましく用いられるが、こ
の中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易いので、更に好ま
しく用いられる。金属等の導電性母材25a、25Aの
材料としては、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、
鉄等の金属等が挙げられるが、加工の観点からするとス
テンレスが好ましい。また、溶射に用いるセラミックス
材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられ
るが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ま
しく用いられる。なお、実際に使用する形態において
は、ロール電極の母材は、冷却水による冷却手段を有す
るステンレス製ジャケットを有するロール母材が使用さ
れる(不図示)。
【0017】図5及び図6は、図1に示す印加電極であ
る固定された電極26を、図7及び図8は、図2に示す
固定された角柱型電極36を説明するものであって、図
5における固定の電極26c及び図7における電極36
cは、図3におけるロール電極25cと同様に金属等の
導電性母材26a、36aに対しセラミックスを溶射
後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理
誘電体26b,36bを被覆した組み合わせで構成され
ており、図6における固定の電極26C及び図8におけ
る電極36Cは、図3におけるロール電極25cと同様
に金属等の導電性母材26A、36Aへライニングによ
り無機材料を設けたライニング処理誘電体26B、36
Bを被覆した組み合わせで電極26C、36Cを構成し
ている。なお、実際に使用する形態においては、電極の
母材とし中空のステンレスパイプが使用されており(不
図示)、セラミック被覆処理誘電体を被覆した後の直径
は12mmまたは15mmとなるように製作される。ま
た、当該固定電極は、上記ロール電極の周囲に沿って1
4本設置している。電極に印加する電源は、特に限定は
ないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パ
ール工業製高周波電源(800kHz)、日本電子製高
周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電
源(150MHz)等が使用できる。
る固定された電極26を、図7及び図8は、図2に示す
固定された角柱型電極36を説明するものであって、図
5における固定の電極26c及び図7における電極36
cは、図3におけるロール電極25cと同様に金属等の
導電性母材26a、36aに対しセラミックスを溶射
後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理
誘電体26b,36bを被覆した組み合わせで構成され
ており、図6における固定の電極26C及び図8におけ
る電極36Cは、図3におけるロール電極25cと同様
に金属等の導電性母材26A、36Aへライニングによ
り無機材料を設けたライニング処理誘電体26B、36
Bを被覆した組み合わせで電極26C、36Cを構成し
ている。なお、実際に使用する形態においては、電極の
母材とし中空のステンレスパイプが使用されており(不
図示)、セラミック被覆処理誘電体を被覆した後の直径
は12mmまたは15mmとなるように製作される。ま
た、当該固定電極は、上記ロール電極の周囲に沿って1
4本設置している。電極に印加する電源は、特に限定は
ないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パ
ール工業製高周波電源(800kHz)、日本電子製高
周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電
源(150MHz)等が使用できる。
【0018】図9は、本発明の透明導電膜形成方法に用
いられるプラズマ放電処理装置の一例を示す概念図であ
る。図9において、プラズマ放電処理容器31は図2に
記載のプラズマ放電処理容器と同じ構成になっている。
また、反応性ガス発生装置51、電源41、電極冷却ユ
ニット60、ポンプP等が装置構成として配置されてい
る。電極冷却ユニット60の冷却剤としては、蒸留水、
油等の絶縁性材料が用いられる。図9に記載の電極2
5、36は、図3〜図8に示した電極と同様であり、対
向する電極間のギャップは、例えば、1mm程度に設定
される。電極間距離は、電極の母材に設置した固体誘電
体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的
等を考慮して決定される。電極の一方に固体誘電体を設
置した場合の固体誘電体と電極の最短距離、電極の双方
に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体同士の距離と
しては、いずれの場合も均一な放電を行せるという観点
から0.5mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは
1mm±0.5mmである。プラズマ放電処理容器31
内にロール電極25、固定されている電極36を所定位
置に配置し、反応性ガス発生装置51で発生させた混合
ガスを流量制御して、給気口52よりプラズマ放電処理
容器31内に導入し、プラズマ放電処理容器31内をプ
ラズマ処理に用いる混合ガスで充填する。使用済の反応
性ガスは排気口53より排気される。次に、ロール電極
25はアースし、電源41により電極36に電圧を印加
して放電プラズマを発生させる。ここで基材Fはロール
状の元巻き基材61より供給される。供給された基材F
はガイドローラ64により導かれ、プラズマ放電処理容
器31内の電極間を、ロール電極25に接触した状態で
搬送され、搬送中に放電プラズマにより表面が放電処理
され、その後にガイドローラ67に導かれ、次工程に搬
送される。ここで、基材Fはロール電極25に接触して
いる側の反対の面のみに導電膜が形成される。電源41
より固定されている電極36に印加する電圧は適宜決定
されるが、例えば、電圧は0.5〜10kV程度、電源
周波数は0.5kHz以上150MHz以下に調整され
る。ここで電源の印加法に関しては、連続モードといわ
れる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと
いわれる断続的にON/OFFを行う断続発振モードの
どちらを採用してもよいが、連続モードの方がより緻密
で良質な膜が得られる。
いられるプラズマ放電処理装置の一例を示す概念図であ
る。図9において、プラズマ放電処理容器31は図2に
記載のプラズマ放電処理容器と同じ構成になっている。
また、反応性ガス発生装置51、電源41、電極冷却ユ
ニット60、ポンプP等が装置構成として配置されてい
る。電極冷却ユニット60の冷却剤としては、蒸留水、
油等の絶縁性材料が用いられる。図9に記載の電極2
5、36は、図3〜図8に示した電極と同様であり、対
向する電極間のギャップは、例えば、1mm程度に設定
される。電極間距離は、電極の母材に設置した固体誘電
体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的
等を考慮して決定される。電極の一方に固体誘電体を設
置した場合の固体誘電体と電極の最短距離、電極の双方
に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体同士の距離と
しては、いずれの場合も均一な放電を行せるという観点
から0.5mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは
1mm±0.5mmである。プラズマ放電処理容器31
内にロール電極25、固定されている電極36を所定位
置に配置し、反応性ガス発生装置51で発生させた混合
ガスを流量制御して、給気口52よりプラズマ放電処理
容器31内に導入し、プラズマ放電処理容器31内をプ
ラズマ処理に用いる混合ガスで充填する。使用済の反応
性ガスは排気口53より排気される。次に、ロール電極
25はアースし、電源41により電極36に電圧を印加
して放電プラズマを発生させる。ここで基材Fはロール
状の元巻き基材61より供給される。供給された基材F
はガイドローラ64により導かれ、プラズマ放電処理容
器31内の電極間を、ロール電極25に接触した状態で
搬送され、搬送中に放電プラズマにより表面が放電処理
され、その後にガイドローラ67に導かれ、次工程に搬
送される。ここで、基材Fはロール電極25に接触して
いる側の反対の面のみに導電膜が形成される。電源41
より固定されている電極36に印加する電圧は適宜決定
されるが、例えば、電圧は0.5〜10kV程度、電源
周波数は0.5kHz以上150MHz以下に調整され
る。ここで電源の印加法に関しては、連続モードといわ
れる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと
いわれる断続的にON/OFFを行う断続発振モードの
どちらを採用してもよいが、連続モードの方がより緻密
で良質な膜が得られる。
【0019】プラズマ放電処理容器31にはパイレック
ス(R)ガラス製の容器等が好ましく用いられるが、電
極との絶縁がとれれば金属製の容器を用いることも可能
であり、例えば、アルミニウム、ステンレスのフレーム
の内面にポリイミド樹脂等を張り付けた容器、金属フレ
ームにセラミックス溶射を行い絶縁性を持たせた容器が
用いられる。また、放電プラズマ処理時の基材への影響
を最小限に抑制するために、放電プラズマ処理時の基材
表面の温度を常温(15℃〜25℃)〜300℃に調整
することが好ましく、更に好ましくは、常温〜200
℃、より好ましくは常温〜100℃に調整することであ
る。上記の温度範囲に調整するために、必要に応じて電
極、基材を冷却手段で冷却することができる。本発明に
おいては、上記の放電プラズマ処理が大気圧または大気
圧近傍で行われるが、ここで大気圧近傍とは、20kP
a〜110kPaの圧力をいい、本発明の効果を好まし
く得るためには、93kPa〜104kPaが好まし
い。また、本発明の導電膜形成方法に用いる放電用電極
においては、少なくとも基材と接する側の電極表面のJ
IS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ
(Rmax)が10μm以下になるように調整すること
が、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更
に好ましくは、表面粗さの最大値を8μm以下、特に好
ましくは、7μm以下に調整することである。また、J
IS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ
(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは
0.1μm以下である。
ス(R)ガラス製の容器等が好ましく用いられるが、電
極との絶縁がとれれば金属製の容器を用いることも可能
であり、例えば、アルミニウム、ステンレスのフレーム
の内面にポリイミド樹脂等を張り付けた容器、金属フレ
ームにセラミックス溶射を行い絶縁性を持たせた容器が
用いられる。また、放電プラズマ処理時の基材への影響
を最小限に抑制するために、放電プラズマ処理時の基材
表面の温度を常温(15℃〜25℃)〜300℃に調整
することが好ましく、更に好ましくは、常温〜200
℃、より好ましくは常温〜100℃に調整することであ
る。上記の温度範囲に調整するために、必要に応じて電
極、基材を冷却手段で冷却することができる。本発明に
おいては、上記の放電プラズマ処理が大気圧または大気
圧近傍で行われるが、ここで大気圧近傍とは、20kP
a〜110kPaの圧力をいい、本発明の効果を好まし
く得るためには、93kPa〜104kPaが好まし
い。また、本発明の導電膜形成方法に用いる放電用電極
においては、少なくとも基材と接する側の電極表面のJ
IS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ
(Rmax)が10μm以下になるように調整すること
が、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更
に好ましくは、表面粗さの最大値を8μm以下、特に好
ましくは、7μm以下に調整することである。また、J
IS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ
(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは
0.1μm以下である。
【0020】次に、本発明の導電膜形成方法に用いられ
る反応性ガスについて説明する。本発明の透明導電膜形
成方法を実施するにあたり、使用する反応性ガスは、反
応性ガス成分として、分子内に少なくとも1つの酸素原
子を有する無機ガスと分子内に少なくとも1つの酸素原
子を有する有機金属化合物からなり、通常、不活性ガス
との混合ガスとして用いられる。反応性ガスは、放電空
間でプラズマ状態となり、導電膜を形成する。本発明で
用いる分子内に少なくとも1つの酸素原子を有する無機
ガスの好ましい例としては、酸素、二酸化炭素、一酸化
炭素、一酸化二窒素、二酸化窒素、一酸化硫黄、二酸化
硫黄、オゾン等が挙げられ、特に好ましい無機ガスは酸
素である。酸素は混合ガスに対して、0.0001〜
5.0体積%の範囲で用いることができるが、好ましい
範囲は、0.001〜3.0体積%である。また、分子
内に少なくとも1つ以上の酸素原子を含む有機金属化合
物(以下、本発明の有機化合物ということがある。)と
しては、βジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アル
キル金属等の有機金属化合物を用いることができるが、
特に好ましい本発明の有機化合物は、以下の一般式1ま
たは一般式2で表される有機金属化合物である。
る反応性ガスについて説明する。本発明の透明導電膜形
成方法を実施するにあたり、使用する反応性ガスは、反
応性ガス成分として、分子内に少なくとも1つの酸素原
子を有する無機ガスと分子内に少なくとも1つの酸素原
子を有する有機金属化合物からなり、通常、不活性ガス
との混合ガスとして用いられる。反応性ガスは、放電空
間でプラズマ状態となり、導電膜を形成する。本発明で
用いる分子内に少なくとも1つの酸素原子を有する無機
ガスの好ましい例としては、酸素、二酸化炭素、一酸化
炭素、一酸化二窒素、二酸化窒素、一酸化硫黄、二酸化
硫黄、オゾン等が挙げられ、特に好ましい無機ガスは酸
素である。酸素は混合ガスに対して、0.0001〜
5.0体積%の範囲で用いることができるが、好ましい
範囲は、0.001〜3.0体積%である。また、分子
内に少なくとも1つ以上の酸素原子を含む有機金属化合
物(以下、本発明の有機化合物ということがある。)と
しては、βジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アル
キル金属等の有機金属化合物を用いることができるが、
特に好ましい本発明の有機化合物は、以下の一般式1ま
たは一般式2で表される有機金属化合物である。
【0021】
【化3】
〔一般式1及び2において、MはIn、Sn、Znを表
し、R1、R2はそれぞれ置換基を有していてもよいアル
キル基、アリール基、アルコキシル基を表し、Rは水素
原子、置換基を表し、また、RはR1、R2と結合して環
を形成してもよい。R3はそれぞれ置換基を有していて
もよいアルキル基、アリール基を表す。n1は整数を表
し、n2は整数を表す。〕 一般式1で表される有機金属化合物を形成する配位子の
具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。
し、R1、R2はそれぞれ置換基を有していてもよいアル
キル基、アリール基、アルコキシル基を表し、Rは水素
原子、置換基を表し、また、RはR1、R2と結合して環
を形成してもよい。R3はそれぞれ置換基を有していて
もよいアルキル基、アリール基を表す。n1は整数を表
し、n2は整数を表す。〕 一般式1で表される有機金属化合物を形成する配位子の
具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
また、下記のジケトン化合物も配位子として好ましい。
【0024】
【化6】
【0025】一般式1及び2におけるMとしてはインジ
ウム(In)が好ましい。本発明の有機化合物の中で好
ましい例としては、インジウムヘキサフルオロペンタン
ジオネート、インジウムメチル(トリメチル)アセチル
アセテート、インジウムアセチルアセトナート、インジ
ウムイソポロポキシド、インジウムトリフルオロペンタ
ンジオネート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル
3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジ−n−ブ
チルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n
−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキ
シスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシス
ズ、ジンクアセチルアセトナート等を挙げることが出来
る。この中で特に好ましいのはインジウムアセチルアセ
トナート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,
5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジンクアセチル
アセトナート、ジ−n−ブチルジアセトキシスズであ
る。これらの有機金属化合物は一般に市販されており、
例えば、インジウムアセチルアセトナートは東京化成工
業(株)から容易に入手することができる。本発明にお
いては、これら分子内に少なくとも1つの酸素原子を有
する有機金属化合物と共に、導電膜の導電性を向上させ
るためにドーピング剤を反応ガスとして含有させること
ができる。これらドーピング剤としては、例えば、アル
ミニウムイソプロポキシド、ニッケルアセチルアセトナ
ート、マンガンアセチルアセトナート、ボロンイソプロ
ポキシド、n−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブチル
アンチモン、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジ
オネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ
−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシ
スズ、テトラブトキシスズ、テトラブチルスズ、ジンク
アセチルアセトナート、6フッ化プロピレン、8フッ化
シクロブタン、4フッ化メタン等を挙げることができ
る。
ウム(In)が好ましい。本発明の有機化合物の中で好
ましい例としては、インジウムヘキサフルオロペンタン
ジオネート、インジウムメチル(トリメチル)アセチル
アセテート、インジウムアセチルアセトナート、インジ
ウムイソポロポキシド、インジウムトリフルオロペンタ
ンジオネート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル
3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジ−n−ブ
チルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n
−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキ
シスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシス
ズ、ジンクアセチルアセトナート等を挙げることが出来
る。この中で特に好ましいのはインジウムアセチルアセ
トナート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,
5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジンクアセチル
アセトナート、ジ−n−ブチルジアセトキシスズであ
る。これらの有機金属化合物は一般に市販されており、
例えば、インジウムアセチルアセトナートは東京化成工
業(株)から容易に入手することができる。本発明にお
いては、これら分子内に少なくとも1つの酸素原子を有
する有機金属化合物と共に、導電膜の導電性を向上させ
るためにドーピング剤を反応ガスとして含有させること
ができる。これらドーピング剤としては、例えば、アル
ミニウムイソプロポキシド、ニッケルアセチルアセトナ
ート、マンガンアセチルアセトナート、ボロンイソプロ
ポキシド、n−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブチル
アンチモン、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジ
オネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ
−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシ
スズ、テトラブトキシスズ、テトラブチルスズ、ジンク
アセチルアセトナート、6フッ化プロピレン、8フッ化
シクロブタン、4フッ化メタン等を挙げることができ
る。
【0026】また、導電膜の抵抗値を調整するために、
反応性ガスに、例えば、チタントリイソプロポキシド、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサ
メチルジシロキサン等を反応ガスとして含有させること
ができる。反応性ガスにおけるドーピング剤の量は、成
膜する透明導電膜の種類により異なる。例えば、酸化イ
ンジウムにスズをドーピングして得られるITO膜にお
いては、ITO膜におけるIn/Snの原子数比が10
0/0.1〜100/15の範囲になるように反応性ガ
スを調整する。さらに好ましいIn/Snの原子数比
は、100/0.5〜100/10の範囲である。IT
O膜におけるIn/Snの原子数比はXPS法により求
めることができる。また、酸化錫にフッ素をドーピング
して得られる透明導電膜(以下、FTO膜という。)に
おいては、FTO膜におけるSn/Fの原子数比が10
0/0.01〜100/50の範囲になるように調整す
る。FTO膜におけるSn/Fの原子数比はXPS法に
より求めることができる。また、In2O3−ZnO系ア
モルファス透明導電膜においては、In2O3−ZnO系
アモルファス透明導電膜におけるIn/Znの原子数比
が100/50〜100/5の範囲になるように調整す
る。In2O3−ZnO系アモルファス透明導電膜におけ
るIn/Znの原子数比はXPS法により求めることが
できる。上記反応性ガスは、混合ガスに対し、0.01
〜10体積%含有させることが好ましい。本発明におい
ては上記の反応性ガスを含有する混合ガスにおいては、
通常、不活性ガスとの混合物としてプラズマ空間に導入
される。本発明で用いられるこれら不活性ガスとして
は、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネ
オン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、更に
は、窒素ガス等の反応にあずからないガスが挙げられる
が、本発明に記載の効果を得るためには、アルゴンまた
はヘリウムが特に好ましい。本発明の導電膜形成方法に
より、厚さ0.1nm〜1000nmの範囲の透明導電
膜を得ることができる。
反応性ガスに、例えば、チタントリイソプロポキシド、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサ
メチルジシロキサン等を反応ガスとして含有させること
ができる。反応性ガスにおけるドーピング剤の量は、成
膜する透明導電膜の種類により異なる。例えば、酸化イ
ンジウムにスズをドーピングして得られるITO膜にお
いては、ITO膜におけるIn/Snの原子数比が10
0/0.1〜100/15の範囲になるように反応性ガ
スを調整する。さらに好ましいIn/Snの原子数比
は、100/0.5〜100/10の範囲である。IT
O膜におけるIn/Snの原子数比はXPS法により求
めることができる。また、酸化錫にフッ素をドーピング
して得られる透明導電膜(以下、FTO膜という。)に
おいては、FTO膜におけるSn/Fの原子数比が10
0/0.01〜100/50の範囲になるように調整す
る。FTO膜におけるSn/Fの原子数比はXPS法に
より求めることができる。また、In2O3−ZnO系ア
モルファス透明導電膜においては、In2O3−ZnO系
アモルファス透明導電膜におけるIn/Znの原子数比
が100/50〜100/5の範囲になるように調整す
る。In2O3−ZnO系アモルファス透明導電膜におけ
るIn/Znの原子数比はXPS法により求めることが
できる。上記反応性ガスは、混合ガスに対し、0.01
〜10体積%含有させることが好ましい。本発明におい
ては上記の反応性ガスを含有する混合ガスにおいては、
通常、不活性ガスとの混合物としてプラズマ空間に導入
される。本発明で用いられるこれら不活性ガスとして
は、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネ
オン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、更に
は、窒素ガス等の反応にあずからないガスが挙げられる
が、本発明に記載の効果を得るためには、アルゴンまた
はヘリウムが特に好ましい。本発明の導電膜形成方法に
より、厚さ0.1nm〜1000nmの範囲の透明導電
膜を得ることができる。
【0027】本発明の導電膜形成方法によって得られる
透明導電膜は高いキャリア移動度を有するという特徴を
持っている。よく知られているように透明導電膜の電気
伝導率は以下の(1)式で表される。 σ=neμ (1) ここで、σは電気伝導率、nはキャリア密度、eは電子
の電気量、μはキャリアの移動度である。電気伝導度を
上げるためにはキャリア密度あるいはキャリア移動度を
向上させる必要があるが、キャリア密度を向上させてい
くと2×1021cm-3付近から反射率が大きくなるため
透明性が失われる。そのため、電気伝導率を向上させる
ためにはキャリア移動度を向上させる必要があるが、市
販されているDCマグネトロンスパッタリング法置によ
り作成された透明導電膜のキャリア移動度は30cm2
/sec・V程度である。しかし、本発明の導電膜形成
方法によれば、条件を最適化することにより市販の装置
を用いたDCマグネトロンスパッタリング法により形成
された透明導電膜を超えるキャリア移動度を有する透明
導電膜を形成することが可能であることが判明した。本
発明の導電膜形成方法により得られた透明導電膜は、高
いキャリア移動度を有するため、ドーピングなしでも比
抵抗値で1×10-3Ω・cm以下の低抵抗な透明導電膜
を得ることができる。ドーピングを行いキャリア密度を
増加させることで更に抵抗を下げることができる。ま
た、必要に応じて、抵抗値を上げる反応性ガスを用いる
ことで比抵抗で1×10-2以上の高抵抗の透明導電膜を
得ることもできる。本発明の導電膜形成方法によって、
キャリア移動度が10cm2/V・sec以上の透明導
電膜を得ることができる。また、本発明の導電膜形成方
法によって、キャリア密度が1×1019cm-3以上の、
さらに、より好ましい条件を選ぶことによって、1×1
020cm-3以上の透明導電膜を得ることができる。ま
た、本発明の透明導電膜形成方法では、反応性ガスとし
て有機金属化合物を用いるため、得られる透明導電膜に
は微量の炭素を含有する場合があるが、その場合でも炭
素含有率を5.0原子数濃度以下とすることが好まし
い。特に好ましくは0.01〜3原子数濃度の範囲内に
することである。
透明導電膜は高いキャリア移動度を有するという特徴を
持っている。よく知られているように透明導電膜の電気
伝導率は以下の(1)式で表される。 σ=neμ (1) ここで、σは電気伝導率、nはキャリア密度、eは電子
の電気量、μはキャリアの移動度である。電気伝導度を
上げるためにはキャリア密度あるいはキャリア移動度を
向上させる必要があるが、キャリア密度を向上させてい
くと2×1021cm-3付近から反射率が大きくなるため
透明性が失われる。そのため、電気伝導率を向上させる
ためにはキャリア移動度を向上させる必要があるが、市
販されているDCマグネトロンスパッタリング法置によ
り作成された透明導電膜のキャリア移動度は30cm2
/sec・V程度である。しかし、本発明の導電膜形成
方法によれば、条件を最適化することにより市販の装置
を用いたDCマグネトロンスパッタリング法により形成
された透明導電膜を超えるキャリア移動度を有する透明
導電膜を形成することが可能であることが判明した。本
発明の導電膜形成方法により得られた透明導電膜は、高
いキャリア移動度を有するため、ドーピングなしでも比
抵抗値で1×10-3Ω・cm以下の低抵抗な透明導電膜
を得ることができる。ドーピングを行いキャリア密度を
増加させることで更に抵抗を下げることができる。ま
た、必要に応じて、抵抗値を上げる反応性ガスを用いる
ことで比抵抗で1×10-2以上の高抵抗の透明導電膜を
得ることもできる。本発明の導電膜形成方法によって、
キャリア移動度が10cm2/V・sec以上の透明導
電膜を得ることができる。また、本発明の導電膜形成方
法によって、キャリア密度が1×1019cm-3以上の、
さらに、より好ましい条件を選ぶことによって、1×1
020cm-3以上の透明導電膜を得ることができる。ま
た、本発明の透明導電膜形成方法では、反応性ガスとし
て有機金属化合物を用いるため、得られる透明導電膜に
は微量の炭素を含有する場合があるが、その場合でも炭
素含有率を5.0原子数濃度以下とすることが好まし
い。特に好ましくは0.01〜3原子数濃度の範囲内に
することである。
【0028】本発明の導電膜形成方法に用いることがで
きる基材しては、フィルム状のもの、シート状のもの、
レンズ状等の立体形状のもの等、透明導電膜をその表面
に形成できるものであれば特に限定はない。これら基材
は、電極間に載置できるものであれば電極間に載置する
ことによって、基材が電極間に載置できないものであれ
ば発生したプラズマを当該基材に吹き付けることによっ
て導電膜の形成を行うことができる。基材を構成する材
料も特に限定されるものではないが、本発明の導電膜形
成方法が大気圧または大気圧近傍の圧力下で行われ、ま
た、低温でのグロー放電で反応性ガスをプラズマ状態に
することができるので、樹脂フィルム等の樹脂材料にも
導電膜を形成することができる。これら樹脂フィルムと
しては、例えば、セルローストリアセテート等のセルロ
ースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
スチレンなどのフィルム状、更にこれらの上にゼラチ
ン、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂等を塗設したもの
などが使用できる。また、これら基材には、防眩層、ク
リアハードコート層、バックコート層、帯電防止層を塗
設した基材も含まれる。具体的には、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィル
ム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロ
ースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースア
セテートフタレートフィルム、セルローストリアセテー
トフィルム、セルロースナイトレートフィルム等のセル
ロースエステル類またはそれらの誘導体からなるフィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコー
ルフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シン
ジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボ
ネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメ
チルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、
ポリイミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、
ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフ
ィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナ
イロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、
アクリル系フィルムあるいはポリアリレート系フィルム
等を挙げることができる。
きる基材しては、フィルム状のもの、シート状のもの、
レンズ状等の立体形状のもの等、透明導電膜をその表面
に形成できるものであれば特に限定はない。これら基材
は、電極間に載置できるものであれば電極間に載置する
ことによって、基材が電極間に載置できないものであれ
ば発生したプラズマを当該基材に吹き付けることによっ
て導電膜の形成を行うことができる。基材を構成する材
料も特に限定されるものではないが、本発明の導電膜形
成方法が大気圧または大気圧近傍の圧力下で行われ、ま
た、低温でのグロー放電で反応性ガスをプラズマ状態に
することができるので、樹脂フィルム等の樹脂材料にも
導電膜を形成することができる。これら樹脂フィルムと
しては、例えば、セルローストリアセテート等のセルロ
ースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
スチレンなどのフィルム状、更にこれらの上にゼラチ
ン、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂等を塗設したもの
などが使用できる。また、これら基材には、防眩層、ク
リアハードコート層、バックコート層、帯電防止層を塗
設した基材も含まれる。具体的には、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィル
ム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロ
ースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースア
セテートフタレートフィルム、セルローストリアセテー
トフィルム、セルロースナイトレートフィルム等のセル
ロースエステル類またはそれらの誘導体からなるフィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコー
ルフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シン
ジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボ
ネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメ
チルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、
ポリイミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、
ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフ
ィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナ
イロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、
アクリル系フィルムあるいはポリアリレート系フィルム
等を挙げることができる。
【0029】上記のフィルムの素材は単独であるいは適
宜混合されて使用することもできる。中でも、ゼオネッ
クス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴ
ム(株)製)などの市販品を好ましく使用することがで
きる。更に、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ
スルフォン及びポリエーテルスルフォンなどの固有複屈
折率の大きい素材であっても、溶液流延、溶融押し出し
等の条件、更には縦、横方向に延伸条件等を適宜設定す
ることにより使用することができる。以上本発明の導電
膜形成方法に用いられる基材について説明したが、本発
明において用いられる基材は、これらの記載によって限
定されるものではない。また、上記のフィルム状の基材
としては、10μm〜1000μmの膜厚のものが好ま
しく用いられる。また、本発明の基材としては上記の樹
脂フィルムの他に、ガラス等の耐熱性を有する基材を用
いることもできる。また、本発明によって導電膜を形成
する場合、必要に応じて、基材と透明導電性膜の間に接
着性を向上させるために接着層を設けてもよい。また、
光学特性を改良するために、透明導電膜を設けた面の反
対の面に反射防止膜を設けることもできる。さらに、フ
ィルムの最外層に防汚層を設けることも可能である。そ
の他、必要に応じてガスバリア性、耐溶剤性を付与する
ための層等を設けることもできる。これらの層の形成方
法は特に限定はなく、塗布法、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、大気圧プラズマCVD法等を用いることができ
る。特に好ましいのは大気圧プラズマCVD法である。
これらの層の大気圧プラズマCVDによる形成方法、例
えば、反射防止膜の形成方法としては、特願2000−
021573号明細書等に開示された方法を用いること
ができる。本発明においては、透明導電膜を設ける場
合、透明導電膜の膜厚偏差は平均膜厚の±10%になる
ように設けることが好ましく、更に好ましくは±5%以
内にすることであり、特に好ましくは±1%以内になる
ようすることでる。
宜混合されて使用することもできる。中でも、ゼオネッ
クス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴ
ム(株)製)などの市販品を好ましく使用することがで
きる。更に、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ
スルフォン及びポリエーテルスルフォンなどの固有複屈
折率の大きい素材であっても、溶液流延、溶融押し出し
等の条件、更には縦、横方向に延伸条件等を適宜設定す
ることにより使用することができる。以上本発明の導電
膜形成方法に用いられる基材について説明したが、本発
明において用いられる基材は、これらの記載によって限
定されるものではない。また、上記のフィルム状の基材
としては、10μm〜1000μmの膜厚のものが好ま
しく用いられる。また、本発明の基材としては上記の樹
脂フィルムの他に、ガラス等の耐熱性を有する基材を用
いることもできる。また、本発明によって導電膜を形成
する場合、必要に応じて、基材と透明導電性膜の間に接
着性を向上させるために接着層を設けてもよい。また、
光学特性を改良するために、透明導電膜を設けた面の反
対の面に反射防止膜を設けることもできる。さらに、フ
ィルムの最外層に防汚層を設けることも可能である。そ
の他、必要に応じてガスバリア性、耐溶剤性を付与する
ための層等を設けることもできる。これらの層の形成方
法は特に限定はなく、塗布法、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、大気圧プラズマCVD法等を用いることができ
る。特に好ましいのは大気圧プラズマCVD法である。
これらの層の大気圧プラズマCVDによる形成方法、例
えば、反射防止膜の形成方法としては、特願2000−
021573号明細書等に開示された方法を用いること
ができる。本発明においては、透明導電膜を設ける場
合、透明導電膜の膜厚偏差は平均膜厚の±10%になる
ように設けることが好ましく、更に好ましくは±5%以
内にすることであり、特に好ましくは±1%以内になる
ようすることでる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。 (実施例1)基材として膜厚約50nmのシリカ膜をア
ルカリバリアコートとして設けたガラス基板(50mm
×50mm×1mm)を用意した。プラズマ放電装置に
は、電極が平行平板型のものを用い、この電極間に上記
ガラス基板を載置し、混合ガスを導入して薄膜形成を行
った。なお、アース(接地)電極としては、200mm
×200mm×2mmのステンレス板に高密度、高密着
性のアルミナ溶射膜を被覆し、その後、テトラメトキシ
シランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外
線照射により硬化させ封孔処理を行い、このようにして
被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax
5μmとなるように加工した電極を用いた。また、印加
電極としては、中空の角型の純チタンパイプに対し、誘
電体をアース電極と同様の条件にて被覆した電極を用い
た。印加電極は複数作成し、アース電極に対向して設け
放電空間を形成した。また、プラズマ発生に用いる電源
としては、日本電子(株)製高周波電源JRF−100
00を用い、周波数13.56MHzで、5W/cm2
の電力を供給した。電極間に以下の組成の混合ガスを流
し、プラズマ状態とし、上記のガラス基材を大気圧プラ
ズマ処理し、ガラス基材上に錫ドープ酸化インジウム膜
を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.5体積% 反応性ガス1:酸素 0.25体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。 (実施例1)基材として膜厚約50nmのシリカ膜をア
ルカリバリアコートとして設けたガラス基板(50mm
×50mm×1mm)を用意した。プラズマ放電装置に
は、電極が平行平板型のものを用い、この電極間に上記
ガラス基板を載置し、混合ガスを導入して薄膜形成を行
った。なお、アース(接地)電極としては、200mm
×200mm×2mmのステンレス板に高密度、高密着
性のアルミナ溶射膜を被覆し、その後、テトラメトキシ
シランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外
線照射により硬化させ封孔処理を行い、このようにして
被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax
5μmとなるように加工した電極を用いた。また、印加
電極としては、中空の角型の純チタンパイプに対し、誘
電体をアース電極と同様の条件にて被覆した電極を用い
た。印加電極は複数作成し、アース電極に対向して設け
放電空間を形成した。また、プラズマ発生に用いる電源
としては、日本電子(株)製高周波電源JRF−100
00を用い、周波数13.56MHzで、5W/cm2
の電力を供給した。電極間に以下の組成の混合ガスを流
し、プラズマ状態とし、上記のガラス基材を大気圧プラ
ズマ処理し、ガラス基材上に錫ドープ酸化インジウム膜
を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.5体積% 反応性ガス1:酸素 0.25体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
【0031】作成した錫ドープ酸化インジウム膜を以下
の方法で評価した。 <透過率>JIS−R−1635に従い、日立製作所製
分光光度計U−4000型を用いて測定を行った。試験
光の波長は550nmとした。 <膜厚、製膜速度>膜厚はPhotal社製FE−30
00反射分光膜厚計により測定し、得られた膜厚をプラ
ズマ処理時間で徐したものを製膜速度とした。 <抵抗率>JIS−R−1637に従い、四端子法によ
り求めた。なお、測定には三菱化学製ロレスタ−GP、
MCP−T600を用いた。 <Hall効果>三和無線測器研究所M1−675シス
テムを用いてvan der Pauw法にて測定を行
い、キャリア密度、キャリア移動度を求めた。 <炭素含有率の測定>膜組成、炭素含有率は、XPS表
面分析装置を用いて求めた。用いるXPS表面分析装置
は特に限定はなく、如何なる機種も使用することができ
るが、本実施例においては、VGサイエンティフィック
ス社製ESCALAB−200Rを用いた。測定は、X
線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧1
5kV、エミッション電流40mA)で行った。エネル
ギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で
規定したとき、1.5〜1.7eVとなるように設定し
た。測定を行う前に、汚染による影響を除くために、薄
膜の膜厚の10〜20%の厚さに相当する表面層をエッ
チング除去した。表面層の除去には、希ガスイオンが利
用できるイオン銃を用いることが好ましく、イオン種と
しては、He、Ne、Ar、Xe、Krなどが利用でき
る。本測定おいては、Arイオンエッチングを用いて表
面層を除去した。
の方法で評価した。 <透過率>JIS−R−1635に従い、日立製作所製
分光光度計U−4000型を用いて測定を行った。試験
光の波長は550nmとした。 <膜厚、製膜速度>膜厚はPhotal社製FE−30
00反射分光膜厚計により測定し、得られた膜厚をプラ
ズマ処理時間で徐したものを製膜速度とした。 <抵抗率>JIS−R−1637に従い、四端子法によ
り求めた。なお、測定には三菱化学製ロレスタ−GP、
MCP−T600を用いた。 <Hall効果>三和無線測器研究所M1−675シス
テムを用いてvan der Pauw法にて測定を行
い、キャリア密度、キャリア移動度を求めた。 <炭素含有率の測定>膜組成、炭素含有率は、XPS表
面分析装置を用いて求めた。用いるXPS表面分析装置
は特に限定はなく、如何なる機種も使用することができ
るが、本実施例においては、VGサイエンティフィック
ス社製ESCALAB−200Rを用いた。測定は、X
線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧1
5kV、エミッション電流40mA)で行った。エネル
ギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で
規定したとき、1.5〜1.7eVとなるように設定し
た。測定を行う前に、汚染による影響を除くために、薄
膜の膜厚の10〜20%の厚さに相当する表面層をエッ
チング除去した。表面層の除去には、希ガスイオンが利
用できるイオン銃を用いることが好ましく、イオン種と
しては、He、Ne、Ar、Xe、Krなどが利用でき
る。本測定おいては、Arイオンエッチングを用いて表
面層を除去した。
【0032】先ず、結合エネルギー0eVから1100
eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定
し、いかなる元素が検出されるかを求めた。次に、検出
された、エッチングイオン種を除く全ての元素につい
て、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最
大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンを
行い、各元素のスペクトルを測定した。得られたスペク
トルは、測定装置、あるいは、コンピューターの違いに
よる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするため
に、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON
DATA PROCESSING SYSTEM(Ve
r.2.3以降が好ましい。)上に転送した後、同ソフ
トで処理をおこない、炭素含有率の値を原子数濃度(a
tomic concentration:at%)と
して求めた。また、錫とインジウムの比も、上記結果か
ら得られた原子数濃度の比として求めた。また、定量処
理をおこなう前に、各元素についてCount Sca
leのキャリブレーションを行い、5ポイントのスムー
ジング処理を行った。定量処理では、バックグラウンド
を除去したピークエリア強度(cps×eV)を用い
た。バックグラウンド処理には、Shirley法を用
いた。Shirley法については、D.A.Shir
ley,Phys.Rev.,B5,4709(197
2)を参考にすることができる。
eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定
し、いかなる元素が検出されるかを求めた。次に、検出
された、エッチングイオン種を除く全ての元素につい
て、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最
大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンを
行い、各元素のスペクトルを測定した。得られたスペク
トルは、測定装置、あるいは、コンピューターの違いに
よる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするため
に、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON
DATA PROCESSING SYSTEM(Ve
r.2.3以降が好ましい。)上に転送した後、同ソフ
トで処理をおこない、炭素含有率の値を原子数濃度(a
tomic concentration:at%)と
して求めた。また、錫とインジウムの比も、上記結果か
ら得られた原子数濃度の比として求めた。また、定量処
理をおこなう前に、各元素についてCount Sca
leのキャリブレーションを行い、5ポイントのスムー
ジング処理を行った。定量処理では、バックグラウンド
を除去したピークエリア強度(cps×eV)を用い
た。バックグラウンド処理には、Shirley法を用
いた。Shirley法については、D.A.Shir
ley,Phys.Rev.,B5,4709(197
2)を参考にすることができる。
【0033】(実施例2)実施例1において、混合ガス
として以下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と
同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.65体積% 反応性ガス1:酸素 0.10体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例3)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.25体積% 反応性ガス1:酸素 0.5体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例4)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 88.75体積% 反応性ガス1:酸素 10体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
として以下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と
同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.65体積% 反応性ガス1:酸素 0.10体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例3)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.25体積% 反応性ガス1:酸素 0.5体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例4)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 88.75体積% 反応性ガス1:酸素 10体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
【0034】(実施例5)実施例1において、混合ガス
として以下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と
同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.5体積% 反応性ガス1:オゾン 0.25体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例6)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.5体積% 反応性ガス1:二酸化炭素 0.25体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例1)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例7)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:アルゴン 98.5体積% 反応性ガス1:酸素 0.25体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
として以下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と
同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.5体積% 反応性ガス1:オゾン 0.25体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例6)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.5体積% 反応性ガス1:二酸化炭素 0.25体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例1)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例7)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:アルゴン 98.5体積% 反応性ガス1:酸素 0.25体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
【0035】(実施例8)実施例1において、混合ガス
として以下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と
同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:アルゴン 98.65体積% 反応性ガス1:酸素 0.10体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例9)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:アルゴン 98.25体積% 反応性ガス1:酸素 0.5体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例2)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:アルゴン 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例10)実施例1において、混合ガスとして以下
に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして
錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウムとアルゴンの混合ガス(ヘリウム/アルゴン体積比70/ 30) 98.5体積% 反応性ガス1:酸素 0.25体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
として以下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と
同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:アルゴン 98.65体積% 反応性ガス1:酸素 0.10体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例9)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:アルゴン 98.25体積% 反応性ガス1:酸素 0.5体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例2)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:アルゴン 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例10)実施例1において、混合ガスとして以下
に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして
錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウムとアルゴンの混合ガス(ヘリウム/アルゴン体積比70/ 30) 98.5体積% 反応性ガス1:酸素 0.25体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
【0036】(実施例11)実施例1において、混合ガ
スとして以下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1
と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウムとアルゴンの混合ガス(ヘリウム/アルゴン体積比70/ 30) 98.65体積% 反応性ガス1:酸素 0.10体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例3)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウムとアルゴンの混合ガス(ヘリウム/アルゴン体積比70/ 30) 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例12)実施例1において、混合ガスとして以下
に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして
錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:窒素 98.5体積% 反応性ガス1:酸素 0.25体積% 反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
スとして以下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1
と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウムとアルゴンの混合ガス(ヘリウム/アルゴン体積比70/ 30) 98.65体積% 反応性ガス1:酸素 0.10体積% 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例3)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウムとアルゴンの混合ガス(ヘリウム/アルゴン体積比70/ 30) 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (実施例12)実施例1において、混合ガスとして以下
に組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして
錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:窒素 98.5体積% 反応性ガス1:酸素 0.25体積% 反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
【0037】(比較例4)実施例1で用いたアルカリバ
リアコートを設けたガラス基板を、DCマグネトロンス
パッタ装置に装着し、真空槽内を1×10-5torr以
下まで減圧した。なお、酸化インジウム:酸化錫95:
5の組成のスパッタリングターゲットを用いた。この
後、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス(Ar:O2
=1000:3)を1×10-3Paとなるまで導入し、
スパッタ出力100W、基板温度100℃にて製膜を行
い、錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (比較例5)2−メトキシメタノール22.2gにモノ
エタノールアミン0.4gと酢酸インジウム3.8g、
Sn(OC4H9)40.16gを添加し、10分間攪拌
混合した。得られたディップコート液を用い、実施例1
で用いたアルカリバリアコートを設けたガラス基材上に
1.2cm/分の速度でディップコートした。コーティ
ングの後、電気炉を用い500℃で1時間加熱し、ガラ
ス基材上に錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (比較例6)比較例5において、ディップコート液とし
て京都エレックス(株)製有機ITOペーストニューフ
ロコートEC−1を用いた以外は比較例5と同様にして
ガラス基材上に錫ドープ酸化インジウム膜を形成した。 (実施例13)実施例1において、反応性ガス2をトリ
エチルインジウムに代えた以外は実施例1と同様にして
錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (実施例14)実施例1において、反応性ガス2をトリ
メチルインジウムに代えた以外は実施例1と同様にして
錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (比較例7)実施例1において、反応性ガス2をトリエ
チルインジウムに、また、反応性ガス3をテトラブチル
錫に代えた以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化イ
ンジウム膜を作成した。 (比較例8)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:トリエチルインジウム 1.2体積% 反応性ガス3:テトラブチル錫 0.05体積%
リアコートを設けたガラス基板を、DCマグネトロンス
パッタ装置に装着し、真空槽内を1×10-5torr以
下まで減圧した。なお、酸化インジウム:酸化錫95:
5の組成のスパッタリングターゲットを用いた。この
後、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス(Ar:O2
=1000:3)を1×10-3Paとなるまで導入し、
スパッタ出力100W、基板温度100℃にて製膜を行
い、錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (比較例5)2−メトキシメタノール22.2gにモノ
エタノールアミン0.4gと酢酸インジウム3.8g、
Sn(OC4H9)40.16gを添加し、10分間攪拌
混合した。得られたディップコート液を用い、実施例1
で用いたアルカリバリアコートを設けたガラス基材上に
1.2cm/分の速度でディップコートした。コーティ
ングの後、電気炉を用い500℃で1時間加熱し、ガラ
ス基材上に錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (比較例6)比較例5において、ディップコート液とし
て京都エレックス(株)製有機ITOペーストニューフ
ロコートEC−1を用いた以外は比較例5と同様にして
ガラス基材上に錫ドープ酸化インジウム膜を形成した。 (実施例13)実施例1において、反応性ガス2をトリ
エチルインジウムに代えた以外は実施例1と同様にして
錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (実施例14)実施例1において、反応性ガス2をトリ
メチルインジウムに代えた以外は実施例1と同様にして
錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (比較例7)実施例1において、反応性ガス2をトリエ
チルインジウムに、また、反応性ガス3をテトラブチル
錫に代えた以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化イ
ンジウム膜を作成した。 (比較例8)実施例1において、混合ガスとして以下に
組成の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様にして錫
ドープ酸化インジウム膜を作成した。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:トリエチルインジウム 1.2体積% 反応性ガス3:テトラブチル錫 0.05体積%
【0038】(実施例15)実施例1において、反応性
ガス2をトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,
6−ヘプタンジオナト)インジウムに代えた以外は実施
例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成し
た。 (実施例16)実施例1において、反応性ガス2をイン
ジウムヘキサフルオロペンタンジオネートに代えた以外
は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作
成した。 (実施例17)実施例15において、反応性ガス3をビ
ス(ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネー
ト)スズに代えた以外は実施例15と同様にして錫ドー
プ酸化インジウム膜を作成した。 (実施例18)実施例16において、反応性ガス3をビ
ス(ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネー
ト)スズに代えた以外は実施例16と同様にして錫ドー
プ酸化インジウム膜を作成した。 (実施例19)実施例1において、プラズマを、周波数
10kHz、5W/cm2の電力を供給して発生させた
以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜
を作成した。 (実施例20)実施例1において、プラズマを、周波数
200kHz、5W/cm2の電力を供給して発生させ
た以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム
膜を作成した。
ガス2をトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,
6−ヘプタンジオナト)インジウムに代えた以外は実施
例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成し
た。 (実施例16)実施例1において、反応性ガス2をイン
ジウムヘキサフルオロペンタンジオネートに代えた以外
は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作
成した。 (実施例17)実施例15において、反応性ガス3をビ
ス(ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネー
ト)スズに代えた以外は実施例15と同様にして錫ドー
プ酸化インジウム膜を作成した。 (実施例18)実施例16において、反応性ガス3をビ
ス(ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネー
ト)スズに代えた以外は実施例16と同様にして錫ドー
プ酸化インジウム膜を作成した。 (実施例19)実施例1において、プラズマを、周波数
10kHz、5W/cm2の電力を供給して発生させた
以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜
を作成した。 (実施例20)実施例1において、プラズマを、周波数
200kHz、5W/cm2の電力を供給して発生させ
た以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム
膜を作成した。
【0039】(実施例21)実施例1において、プラズ
マを、周波数800kHz、5W/cm2の電力を供給
して発生させた以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸
化インジウム膜を作成した。 (実施例22)実施例1において、プラズマを、特開2
0001−74906号公報に記載の実施例1と同様
に、波高値10kV、放電電流密度100mA/cm
2 、周波数6kHzのパルス電界を印加し、且つ、5W
/cm2の電力を供給して発生させた以外は実施例1と
同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (実施例23)実施例1において、プラズマを、供給す
る電力を0.1W/cm2として発生させた以外は実施
例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成し
た。 (実施例24)実施例1において、プラズマを、供給す
る電力を1W/cm2として発生させた以外は実施例1
と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (実施例25)実施例1において、プラズマを、供給す
る電力を1.5W/cm2として発生させた以外は実施
例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成し
た。 (実施例26)実施例1において、プラズマを、供給す
る電力を10W/cm2として発生させた以外は実施例
1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
上記実施例2〜26及び比較例1〜8で得られた錫ドー
プ酸化インジウム膜について、実施例1と同様にして、
透過率、膜厚、製膜速度、抵抗率、Hall効果(キャ
リア密度、キャリア移動度)、炭素含有率、錫とインジ
ウムの比を求めた。得られた結果を併せて表1に示す。
マを、周波数800kHz、5W/cm2の電力を供給
して発生させた以外は実施例1と同様にして錫ドープ酸
化インジウム膜を作成した。 (実施例22)実施例1において、プラズマを、特開2
0001−74906号公報に記載の実施例1と同様
に、波高値10kV、放電電流密度100mA/cm
2 、周波数6kHzのパルス電界を印加し、且つ、5W
/cm2の電力を供給して発生させた以外は実施例1と
同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (実施例23)実施例1において、プラズマを、供給す
る電力を0.1W/cm2として発生させた以外は実施
例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成し
た。 (実施例24)実施例1において、プラズマを、供給す
る電力を1W/cm2として発生させた以外は実施例1
と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。 (実施例25)実施例1において、プラズマを、供給す
る電力を1.5W/cm2として発生させた以外は実施
例1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成し
た。 (実施例26)実施例1において、プラズマを、供給す
る電力を10W/cm2として発生させた以外は実施例
1と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。
上記実施例2〜26及び比較例1〜8で得られた錫ドー
プ酸化インジウム膜について、実施例1と同様にして、
透過率、膜厚、製膜速度、抵抗率、Hall効果(キャ
リア密度、キャリア移動度)、炭素含有率、錫とインジ
ウムの比を求めた。得られた結果を併せて表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】(実施例27)実施例1において用いたプ
ラズマ放電装置を、図9に示すプラズマ放電処理装置に
代え、また、ガラス基材を非晶質シクロポリオレフィン
樹脂フィルム(JSR社製ARTONフィルム:厚さ1
00μm)に代えた以外は実施例1と同様にして錫ドー
プ酸化インジウム膜を作成した。作成した錫ドープ酸化
インジウム膜について、実施例1と同様にして、透過
率、膜厚、製膜速度、抵抗率を求めた。また、得られた
錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについて、以下
の手順により耐変形試験を行った。 <耐変形試験>得られた錫ドープ酸化インジウム付きの
フィルムを縦5cm横1cmの長さに切断した。室温2
5℃、湿度60%における表面抵抗を三菱化学製ロレス
タ−GP、MCP−T600を用いて測定した。この表
面抵抗値をR0とする。このフィルムについて、JIS
−K7113−1995(以下、単にJIS−K711
3という。)中の1号形試験片を作成し、1号形試験片
の記載(JIS−K7113 図2)に基づき、50m
m±0.5mmの標線を記した。なお、フィルムの厚さ
は本実施例のままとした。JIS−K7113に基づ
き、弾性変形領域で1%の変形を加えた。その状態で3
分間保持した後フィルムを試験機より取り出し、標線部
分で試験片を切断し、再度表面抵抗を測定した。この値
をRとする。また、同様にして、変形量を1%から5%
まで変化させてそれぞれの試験片のR 0及びRを測定
し、R/R0が1を超えた伸びを限界変形とした。 (実施例28)実施例27において、基材を日本ゼオン
社製ゼオノアZF16(厚さ100μm)に代えた以外
は実施例27と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を
作成した。得られた錫ドープ酸化インジウム膜及び錫ド
ープ酸化インジウム付きのフィルムについて実施例27
と同様の評価を行った。 (実施例29)実施例27において、基材を流延法で形
成したポリカーボネートフィルム(帝人社製ピュアエー
ス:厚さ100μm)に代えた以外は実施例27と同様
にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。得られた
錫ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸化インジウム
付きのフィルムについて実施例27と同様の評価を行っ
た。 (実施例30)実施例27において、基材をトリアセチ
ルセルロースフィルム(厚さ100μm)に代えた以外
は実施例27と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を
作成した。得られた錫ドープ酸化インジウム膜及び錫ド
ープ酸化インジウム付きのフィルムについて実施例27
と同様の評価を行った。
ラズマ放電装置を、図9に示すプラズマ放電処理装置に
代え、また、ガラス基材を非晶質シクロポリオレフィン
樹脂フィルム(JSR社製ARTONフィルム:厚さ1
00μm)に代えた以外は実施例1と同様にして錫ドー
プ酸化インジウム膜を作成した。作成した錫ドープ酸化
インジウム膜について、実施例1と同様にして、透過
率、膜厚、製膜速度、抵抗率を求めた。また、得られた
錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについて、以下
の手順により耐変形試験を行った。 <耐変形試験>得られた錫ドープ酸化インジウム付きの
フィルムを縦5cm横1cmの長さに切断した。室温2
5℃、湿度60%における表面抵抗を三菱化学製ロレス
タ−GP、MCP−T600を用いて測定した。この表
面抵抗値をR0とする。このフィルムについて、JIS
−K7113−1995(以下、単にJIS−K711
3という。)中の1号形試験片を作成し、1号形試験片
の記載(JIS−K7113 図2)に基づき、50m
m±0.5mmの標線を記した。なお、フィルムの厚さ
は本実施例のままとした。JIS−K7113に基づ
き、弾性変形領域で1%の変形を加えた。その状態で3
分間保持した後フィルムを試験機より取り出し、標線部
分で試験片を切断し、再度表面抵抗を測定した。この値
をRとする。また、同様にして、変形量を1%から5%
まで変化させてそれぞれの試験片のR 0及びRを測定
し、R/R0が1を超えた伸びを限界変形とした。 (実施例28)実施例27において、基材を日本ゼオン
社製ゼオノアZF16(厚さ100μm)に代えた以外
は実施例27と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を
作成した。得られた錫ドープ酸化インジウム膜及び錫ド
ープ酸化インジウム付きのフィルムについて実施例27
と同様の評価を行った。 (実施例29)実施例27において、基材を流延法で形
成したポリカーボネートフィルム(帝人社製ピュアエー
ス:厚さ100μm)に代えた以外は実施例27と同様
にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。得られた
錫ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸化インジウム
付きのフィルムについて実施例27と同様の評価を行っ
た。 (実施例30)実施例27において、基材をトリアセチ
ルセルロースフィルム(厚さ100μm)に代えた以外
は実施例27と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を
作成した。得られた錫ドープ酸化インジウム膜及び錫ド
ープ酸化インジウム付きのフィルムについて実施例27
と同様の評価を行った。
【0042】(比較例9)真空槽、スパッタリングター
ゲット、気体導入系を有する巻き取り式マグネトロンス
パッタリング装置を用い、以下の手順に従って実施例2
7で用いた非晶質シクロポリオレフィン樹脂フィルム
(JSR社製ARTONフィルム:厚さ100μm)上
に錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。装置内にフィ
ルムを導入し、内部を3×10-6torrまで減圧し
た。なお、酸化インジウム:酸化錫95:5の組成のス
パッタリングターゲットを用いた。この後フィルムを巻
き返し、脱ガス処理を行った。次いで、アルゴンガスと
酸素ガスとの混合ガス(Ar:O2=98.8:1.
2)を1×10-3Paとなるまで導入し、メインロール
の温度を室温、フィルムの繰り出し速度を0.1m/m
in、電力密度1W/cm2として製膜を行い、錫ドー
プ酸化インジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化
インジウム膜及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィル
ムについて実施例27と同様の評価を行った。 (比較例10)比較例9において、基材を日本ゼオン社
製ゼオノアZF16(厚さ100μm)に代えた以外は
比較例9と同様にして製膜を行い、錫ドープ酸化インジ
ウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウム膜
及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについて実
施例27と同様の評価を行った。 (比較例11)比較例9において、基材を流延法で形成
したポリカーボネートフィルム(帝人社製ピュアエー
ス:厚さ100μm)に代えた以外は比較例9と同様に
して製膜を行い、錫ドープ酸化インジウム膜を作成し
た。得られた錫ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸
化インジウム付きのフィルムについて実施例27と同様
の評価を行った。 (比較例12)実施例27において、混合ガスとして以
下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例27と同様に
して錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。得られた錫
ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸化インジウム付
きのフィルムについて実施例27と同様の評価を行っ
た。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
ゲット、気体導入系を有する巻き取り式マグネトロンス
パッタリング装置を用い、以下の手順に従って実施例2
7で用いた非晶質シクロポリオレフィン樹脂フィルム
(JSR社製ARTONフィルム:厚さ100μm)上
に錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。装置内にフィ
ルムを導入し、内部を3×10-6torrまで減圧し
た。なお、酸化インジウム:酸化錫95:5の組成のス
パッタリングターゲットを用いた。この後フィルムを巻
き返し、脱ガス処理を行った。次いで、アルゴンガスと
酸素ガスとの混合ガス(Ar:O2=98.8:1.
2)を1×10-3Paとなるまで導入し、メインロール
の温度を室温、フィルムの繰り出し速度を0.1m/m
in、電力密度1W/cm2として製膜を行い、錫ドー
プ酸化インジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化
インジウム膜及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィル
ムについて実施例27と同様の評価を行った。 (比較例10)比較例9において、基材を日本ゼオン社
製ゼオノアZF16(厚さ100μm)に代えた以外は
比較例9と同様にして製膜を行い、錫ドープ酸化インジ
ウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウム膜
及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについて実
施例27と同様の評価を行った。 (比較例11)比較例9において、基材を流延法で形成
したポリカーボネートフィルム(帝人社製ピュアエー
ス:厚さ100μm)に代えた以外は比較例9と同様に
して製膜を行い、錫ドープ酸化インジウム膜を作成し
た。得られた錫ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸
化インジウム付きのフィルムについて実施例27と同様
の評価を行った。 (比較例12)実施例27において、混合ガスとして以
下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例27と同様に
して錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。得られた錫
ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸化インジウム付
きのフィルムについて実施例27と同様の評価を行っ
た。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
【0043】(比較例13)実施例28において、混合
ガスとして以下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例
28と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成し
た。得られた錫ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸
化インジウム付きのフィルムについて実施例27と同様
の評価を行った。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例14)実施例29において、混合ガスとして以
下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例29と同様に
して錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。得られた錫
ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸化インジウム付
きのフィルムについて実施例27と同様の評価を行っ
た。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例15)実施例30において、混合ガスとして以
下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例30と同様に
して錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。得られた錫
ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸化インジウム付
きのフィルムについて実施例27と同様の評価を行っ
た。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例16)実施例27において、反応ガス1を水素
に代えた以外は実施例27と同様にして錫ドープ酸化イ
ンジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウ
ム膜及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについ
て実施例27と同様の評価を行った。 (比較例17)実施例28において、反応ガス1を水素
に代えた以外は実施例28と同様にして錫ドープ酸化イ
ンジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウ
ム膜及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについ
て実施例27と同様の評価を行った。 (比較例18)実施例29において、反応ガス1を水素
に代えた以外は実施例29と同様にして錫ドープ酸化イ
ンジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウ
ム膜及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについ
て実施例27と同様の評価を行った。 (比較例19)実施例30において、反応ガス1を水素
に代えた以外は実施例30と同様にして錫ドープ酸化イ
ンジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウ
ム膜及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについ
て実施例27と同様の評価を行った。実施例27〜30
及び比較例9〜19で得られた結果を併せて表2に示
す。
ガスとして以下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例
28と同様にして錫ドープ酸化インジウム膜を作成し
た。得られた錫ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸
化インジウム付きのフィルムについて実施例27と同様
の評価を行った。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例14)実施例29において、混合ガスとして以
下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例29と同様に
して錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。得られた錫
ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸化インジウム付
きのフィルムについて実施例27と同様の評価を行っ
た。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例15)実施例30において、混合ガスとして以
下に組成の混合ガスを用いた以外は実施例30と同様に
して錫ドープ酸化インジウム膜を作成した。得られた錫
ドープ酸化インジウム膜及び錫ドープ酸化インジウム付
きのフィルムについて実施例27と同様の評価を行っ
た。 ―混合ガス組成― 不活性ガス:ヘリウム 98.75体積% 反応性ガス1:なし 反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積% 反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積% (比較例16)実施例27において、反応ガス1を水素
に代えた以外は実施例27と同様にして錫ドープ酸化イ
ンジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウ
ム膜及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについ
て実施例27と同様の評価を行った。 (比較例17)実施例28において、反応ガス1を水素
に代えた以外は実施例28と同様にして錫ドープ酸化イ
ンジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウ
ム膜及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについ
て実施例27と同様の評価を行った。 (比較例18)実施例29において、反応ガス1を水素
に代えた以外は実施例29と同様にして錫ドープ酸化イ
ンジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウ
ム膜及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについ
て実施例27と同様の評価を行った。 (比較例19)実施例30において、反応ガス1を水素
に代えた以外は実施例30と同様にして錫ドープ酸化イ
ンジウム膜を作成した。得られた錫ドープ酸化インジウ
ム膜及び錫ドープ酸化インジウム付きのフィルムについ
て実施例27と同様の評価を行った。実施例27〜30
及び比較例9〜19で得られた結果を併せて表2に示
す。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明により、安全性が高く、生産性に
優れ、良好な光学及び電気特性、プラスチックフィルム
基材上での優れた機械特性を有する透明導電膜の形成方
法、該方法によって形成された透明導電膜および該透明
導電膜を有する物品を提供することが出来た。
優れ、良好な光学及び電気特性、プラスチックフィルム
基材上での優れた機械特性を有する透明導電膜の形成方
法、該方法によって形成された透明導電膜および該透明
導電膜を有する物品を提供することが出来た。
【図1】本発明の透明導電膜形成方法に用いられるプラ
ズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の
一例を示す概略図である。
ズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の
一例を示す概略図である。
【図2】本発明の透明導電膜形成方法に用いられるプラ
ズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の
他の一例を示す概略図である。
ズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の
他の一例を示す概略図である。
【図3】プラズマ放電処理容器に用いられる円筒型のロ
ール電極の一例を示す概略図である。
ール電極の一例を示す概略図である。
【図4】プラズマ放電処理容器に用いられる円筒型のロ
ール電極の一例を示す概略図である。
ール電極の一例を示す概略図である。
【図5】プラズマ放電処理容器に用いられる固定型の円
筒型電極の一例を示す概略図である。
筒型電極の一例を示す概略図である。
【図6】プラズマ放電処理容器に用いられる固定型の円
筒型電極の一例を示す概略図である。
筒型電極の一例を示す概略図である。
【図7】プラズマ放電処理容器に用いられる固定型の角
柱型電極の一例を示す概略図である。
柱型電極の一例を示す概略図である。
【図8】プラズマ放電処理容器に用いられる固定型の角
柱型電極の一例を示す概略図である。
柱型電極の一例を示す概略図である。
【図9】本発明の透明導電膜形成方法に用いられるプラ
ズマ放電処理装置の説明図である。
ズマ放電処理装置の説明図である。
25、25c、25C;ロール電極
26、26c、26C、36、36c、36C;電極
25a、25A、26a、26A、36a、36A;金
属等の導電性母材 25b、26b、36b;セラミック被覆処理誘電体 25B、26B、36B;ライニング処理誘電体 31;プラズマ放電処理容器 41;電源 51;ガス発生装置 52;給気口 53;排気口 60;電極冷却ユニット 61;元巻き基材 65、66;ニップローラ 64、67;ガイドローラ
属等の導電性母材 25b、26b、36b;セラミック被覆処理誘電体 25B、26B、36B;ライニング処理誘電体 31;プラズマ放電処理容器 41;電源 51;ガス発生装置 52;給気口 53;排気口 60;電極冷却ユニット 61;元巻き基材 65、66;ニップローラ 64、67;ガイドローラ
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Fターム(参考) 4K030 AA11 AA14 BA11 BA16 BA42
BA45 BA47 BB05 CA07 CA12
JA16 JA18 KA15 LA01 LA16
LA18
5G307 FA02 FC02
5G323 AA01
Claims (36)
- 【請求項1】 大気圧または大気圧近傍の圧力下におい
て、反応性ガスを電極間の放電空間に導入してプラズマ
状態とし、基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒
し、基材上に透明導電膜を形成する透明導電膜形成方法
において、反応性ガスが分子内に少なくとも1つの酸素
原子を有する無機ガスと分子内に少なくとも1つの酸素
原子を有する有機金属化合物を含有する混合ガスである
ことを特徴とする透明導電膜形成方法。 - 【請求項2】 分子内に少なくとも1つの酸素原子を有
する無機ガスが酸素であることを特徴とする請求項1に
記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項3】 分子内に少なくとも1つの酸素原子を有
する有機金属化合物が以下の一般式1または一般式2で
表される有機金属化合物であることを特徴とする請求項
1または2に記載の透明導電膜形成方法。 【化1】 〔一般式1及び2において、MはIn、Sn、Znを表
し、R1、R2はそれぞれ置換基を有していてもよいアル
キル基、アリール基、アルコキシル基を表し、Rは水素
原子、置換基を表し、また、RはR1、R2と結合して環
を形成してもよい。R3はそれぞれ置換基を有していて
もよいアルキル基、アリール基を表す。n1は整数を表
し、n2は整数を表す。〕 - 【請求項4】 混合ガスが、不活性ガスを含有すること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明
導電膜形成方法。 - 【請求項5】 不活性ガスが、アルゴンまたはヘリウム
であることを特徴とする請求項4に記載の透明導電膜形
成方法。 - 【請求項6】 混合ガスが、分子内に少なくとも1つの
酸素原子を有する無機ガスを、0.0001〜5.0体
積%の範囲で含有していることを特徴とする請求項1〜
5のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項7】 電極間に印加する電界が周波数100k
Hz以上の高周波電界であり、且つ、1W/cm2以上
の電力を供給して放電させることを特徴とする請求項1
〜6のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項8】 電極間に印加する電界が、周波数150
MHz以下の高周波電界であることを特徴とする請求項
7に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項9】 電極間に印加する電界が、周波数200
kHz以上の高周波電界であることを特徴とする請求項
7または8に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項10】 電極間に印加する電界が、周波数80
0kHz以上の高周波電界であることを特徴とする請求
項7〜9のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項11】 電極間に供給する電力が、1.2W/
cm2以上であることを特徴とする請求項7〜10のい
ずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項12】 電極間に供給する電力が、50W/c
m2以下であることを特徴とする請求項7〜11のいず
れか1項に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項13】 電極間に供給する電力が、20W/c
m2以下であることを特徴とする請求項7〜12のいず
れか1項に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項14】 電極間に印加する高周波の電界が、連
続したサイン波の電界であることを特徴とする請求項7
〜13のいずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項15】 電極の少なくとも一方が、誘電体で被
覆されていることを特徴とする請求項7〜14のいずれ
か1項に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項16】 誘電体が、比誘電率が6〜45の無機
物であることを特徴とする請求項15に記載の透明導電
膜形成方法。 - 【請求項17】 電極の表面粗さRmaxが10μm以
下であることを特徴とする請求項15または16に記載
の透明導電膜形成方法。 - 【請求項18】 基材の表面温度300℃以下で基材上
に導電膜を形成することを特徴とする請求項1〜17の
いずれか1項に記載の透明導電膜形成方法。 - 【請求項19】 請求項1〜18のいずれか1項に記載
の透明導電膜形成方法で形成された透明導電膜。 - 【請求項20】 透明導電膜の比抵抗値が1× 10-3
Ω・cm以下であることを特徴とする請求項19に記載
の透明導電膜。 - 【請求項21】 透明導電膜のキャリア移動度が10c
m2/V・sec以上であることを特徴とする請求項1
9または20に記載の透明導電膜。 - 【請求項22】 透明導電膜のキャリア密度が1×10
19cm-3以上であることを特徴とする請求項19〜21
のいずれか1項に記載の透明導電膜。 - 【請求項23】 透明導電膜のキャリア密度が1×10
20cm-3以上であることを特徴とする請求項19〜22
のいずれか1項に記載の透明導電膜。 - 【請求項24】 透明導電膜が、酸化インジウム、酸化
錫、酸化亜鉛、Fドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、
Sbドープ酸化錫、ITO、In2O3−ZnO系アモル
ファス透明導電膜であることを特徴とする請求項19〜
23のいずれか1項に記載の透明導電膜。 - 【請求項25】 透明導電膜が、In/Sn原子数比が
100/0.1〜100/15の範囲にあるITO膜で
あることを特徴とする請求項24に記載の透明導電膜。 - 【請求項26】 透明導電膜の炭素含有量が0〜5.0
原子数濃度の範囲であることを特徴とする請求項24ま
たは25に記載の透明導電膜。 - 【請求項27】 基材上に透明導電膜を有する物品にお
いて、透明導電膜の比抵抗値が1× 10-3Ω・cm以
下であることを特徴とする物品。 - 【請求項28】 透明導電膜のキャリア移動度が10c
m2/V・sec以上であることを特徴とする請求項2
7に記載の物品。 - 【請求項29】 透明導電膜のキャリア密度が1×10
19cm-3以上であることを特徴とする請求項27または
28に記載の物品。 - 【請求項30】 透明導電膜のキャリア密度が1×10
20cm-3以上であることを特徴とする請求項27〜29
のいずれか1項に記載の物品。 - 【請求項31】 透明導電膜が、酸化インジウム、酸化
錫、酸化亜鉛、Fドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、
Sbドープ酸化錫、ITO、In2O3−ZnO系アモル
ファス透明導電膜であることを特徴とする請求項27〜
30のいずれか1項に記載の物品。 - 【請求項32】 透明導電膜が、In/Snの原子数比
が100/0.1〜100/15の範囲にあるITO膜
であることを特徴とする請求項31に記載の物品。 - 【請求項33】 透明導電膜の炭素含有量が0〜5.0
原子数濃度の範囲であることを特徴とする請求項31ま
たは32に記載の物品。 - 【請求項34】 基材が、透明樹脂フィルムであること
を特徴とする請求項27〜33のいずれか1項に記載の
物品。 - 【請求項35】 透明樹脂フィルムが、タッチパネル用
フィルム基材、液晶素子プラスチック基板、有機エレク
トロルミネッセンス素子プラスチック基板、プラズマデ
ィスプレイパネル用電磁遮蔽フィルム、電子ペーパー用
フィルム基板であることを特徴とする請求項34に記載
の物品。 - 【請求項36】 透明導電膜が、パターニングされた電
極であることを特徴とする請求項34または35に記載
の物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002143155A JP2003338227A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 透明導電膜形成方法、該方法により形成された透明導電膜および該透明導電膜を有する物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002143155A JP2003338227A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 透明導電膜形成方法、該方法により形成された透明導電膜および該透明導電膜を有する物品 |
Publications (1)
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---|---|
JP2003338227A true JP2003338227A (ja) | 2003-11-28 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002143155A Pending JP2003338227A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 透明導電膜形成方法、該方法により形成された透明導電膜および該透明導電膜を有する物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003338227A (ja) |
-
2002
- 2002-05-17 JP JP2002143155A patent/JP2003338227A/ja active Pending
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