JP2003138241A - 耐熱性接着剤並びにこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱板、接着剤付金属箔 - Google Patents

耐熱性接着剤並びにこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱板、接着剤付金属箔

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JP2003138241A
JP2003138241A JP2002211180A JP2002211180A JP2003138241A JP 2003138241 A JP2003138241 A JP 2003138241A JP 2002211180 A JP2002211180 A JP 2002211180A JP 2002211180 A JP2002211180 A JP 2002211180A JP 2003138241 A JP2003138241 A JP 2003138241A
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adhesive
siloxane
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JP2002211180A
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English (en)
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Hiroyuki Hagiwara
裕之 萩原
Toshishige Uehara
寿茂 上原
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 150℃の電気絶縁性及び接着性に優れた耐
熱性接着剤及びこれを用いた積層物を提供することを目
的とする。また、さらに、熱伝導性に優れた耐熱性接着
剤並びにこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱
板、接着剤付金属箔を提供する。 【解決手段】 150℃の体積抵抗率が1×108Ω・
cm以上を有し、シロキサン変性ポリアミドイミドと熱
硬化性樹脂成分を前者/後者が重量比で5/95〜95
/5の範囲内の割合で含有することを特徴とする電気回
路、金属箔又は回路基板と放熱板とを接着するための耐
熱性接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性接着剤並び
にこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱板、接着
剤付金属箔に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多層配線板、PGA、BGAなど
の半導体パッケージに対する配線の高密度化、電子部品
の搭載密度が大きくなり、また、半導体素子も高集積化
して単位面積あたりの発熱量が大きくなるなど、半導体
パッケージからの熱放散をよくすることが望まれるよう
になっている。それに伴うヒートマネージメントが重要
になっている。そのような状況を踏まえて、接着剤とし
て、放熱板への熱伝導性の他に高温領域の電気絶縁性お
よび銅箔接着性が要求されるようになってきた。しかし
ながら、従来、熱伝導性を有する接着フィルムで、しか
も高レベルの電気絶縁性、耐熱性、耐湿性を有するもの
は得られていなかった。
【0003】具体例として、以下に示す材料が提案され
ている。 (1)特開平8−208993号公報に示される特定の
ポリオルガノシロキサン、特定のポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサン、白金系触媒、熱伝導性充填剤からな
る熱伝導性シリコーン組成物。 (2)特開2000−273409号公報に示されるエ
ポキシ樹脂、NBR,無機質充填材からなる半導体装置
用接着剤シート。 (3)特開平10−183086号公報に示されるエポ
キシ樹脂及びその硬化剤、反応性アクリルゴム、硬化促
進剤、無機フィラーからなる熱伝導性接着フィルム。 (4)特開平11−217503号公報に示されるシロ
キサン変性ポリアミドイミド、エポキシ樹脂及び硬化剤
(硬化促進剤)等の熱硬化性樹脂成分からなる耐熱性樹
脂組成物。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)
は常温及び高温領域の体積抵抗率が高く、電気絶縁性に
優れているが、弾性率の低いシリコーン樹脂を使用して
いるため、常温ならびに高温領域における銅箔接着性が
低い課題があった。(2)及び(3)は上記同様に高温
接着性が低く、さらに150℃の体積抵抗率が107
109Ω・cmであり、高温領域の電気絶縁性に課題が
あった。(4)は電気絶縁性及び耐熱性に優れた樹脂組
成物であるが、無機フィラーを含有していないため、熱
伝導性が低かった。また、PCTあるいは耐湿性及び高
温における接着性の低下が大きかった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、150℃の電気絶縁性及び接着性に優れた耐
熱性接着剤及びこれを用いた積層物を提供することを目
的とする。また、さらに、熱伝導性に優れた耐熱性接着
剤並びにこの接着剤を用いた積層物、接着剤付き放熱
板、接着剤付金属箔を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のものに関
する。 1. 150℃の体積抵抗率が1×108Ω・cm以上を
有し、シロキサン変性ポリアミドイミドを必須成分とす
ることを特徴とする電気回路、金属箔又は回路基板と放
熱板とを接着するための耐熱性接着剤。 2. 150℃の貯蔵弾性率が10MPa以上の物性を
有することを特徴とする項1に記載の耐熱性接着剤 3. イオン性不純物が塩素イオン、ナトリウムイオ
ン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンであり、各
々のイオン量が800ppm以下かつ4種合計のイオン
量が1000ppm以下であることを特徴とする項1又
は2に記載の耐熱性接着剤。 4. 残揮発分量が10wt%以下であることを特徴と
する項1〜3に記載の耐熱性接着剤。 5. 常温で0.5W/mK以上の熱伝導率を有する項
1〜4に記載の耐熱性接着剤。 6. 耐熱性接着剤が、 (1)シロキサン変性ポリアミドイミド5〜95重量部 (2)熱硬化性樹脂成分95〜5重量部 (3)シロキサン変性ポリアミドイミド及び熱硬化性樹
脂成分の合計100重量部対して、熱可塑性エラストマ
を0〜300重量部 (4)シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、熱硬化性
樹脂成分及び熱可塑性エラストマの合計100重量部に
対して、無機フィラーを40〜900重量部含有するも
のである項1〜5記載の耐熱性接着剤。 7. 耐熱性接着剤が、シロキサン変性ポリアミドイミ
ド及び熱硬化性樹脂成分の合計100重量部対して、熱
可塑性エラストマを1〜300重量部含有するものであ
る項6記載の耐熱性接着剤。 8. 熱硬化性樹脂成分が2個以上のグリシジル基を有
するエポキシ樹脂を含有するものである項6又は7記載
の熱伝導性耐熱接着剤。 9. 熱可塑性エラストマが、アクリロニトリル、ブタ
ジエン、スチレン、アクリル、シロキサン成分から選択
される少なくとも一種類以上の成分を含有するゴム系エ
ラストマである項6又は7記載の耐熱性接着剤。 10. 無機フィラーが、熱伝導率3W/mK以上のも
のである項6又は7記載の耐熱性接着剤。 11. 無機フィラーが水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ
酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ア
ルミナ、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒
化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、炭化ケイ素の
中から選ばれた少なくとも1種類以上を使用することを
特徴とする項10記載の耐熱性接着剤。 12. 形態がフィルムである項1〜11のいずれかに
記載の耐熱性接着剤。 13. 電気回路、金属箔又は回路基板が、項1〜12
のいずれかに記載の耐熱性接着剤を介して放熱板に積層
されてなる積層物。 14. 金属箔が銅である項13記載の積層物。 15. 放熱板がアルミニウム、銅、金、銀あるいはそ
れらの合金である項13記載の積層物。 16. 放熱板に項1〜12のいずれかに記載の耐熱性
接着剤を積層してなる接着剤付き放熱板。 17. 金属箔に項1〜12のいずれかに記載の耐熱性
接着剤を積層してなる接着剤付き金属箔。
【0007】本発明は、多層プリント配線板、ビルドア
ッププリント配線板、リジッドプリント配線板、フレッ
クスリジッド配線板、ピングリッドアレイ(PGA)、
ボールグリッドアレイ(BGA)、チップサイズパッケ
ージ(CSP)などの半導体パッケージ向け配線板等で
あって、放熱板を有するものにおいて、それに必要な電
気絶縁性及び接着性に優れ、特に、高温時での電気絶縁
性及び接着性に優れ、さらに、熱伝導性又は耐湿性を有
する接着剤並びにその用途に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における接着剤は、シロキ
サン変性ポリアミドイミド樹脂を必須成分とし、150
℃での体積抵抗率が1×108Ω・cm以上を有するも
のである。シロキサン変性ポリアミドイミドは電気絶縁
性に優れ、熱硬化性樹脂成分と組みあわせることにより
その特性をより発揮することができる材料であり、体積
抵抗率の上限として、特に制限はないが、150℃で1
×1015Ω・cmとすることが製造上好ましい。また、
本発明における接着剤は、150℃での貯蔵弾性率が、
高温での体積抵抗率を確保するためには、10MPa以
上であることが好ましく、特に、50MPa以上である
ことが好ましい。上限として、特に制限はないが、15
0℃での貯蔵弾性率が、1GPaであることが製造上好
ましい。本発明における接着剤中のイオン性不純物は電
気絶縁あるいは半導体用途で嫌われている塩素イオン、
ナトリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイ
オンの4種類であり、体積抵抗率を十分確保するために
は、接着剤中の各々の含有量は800ppm以下かつ合
計の含有量が1000ppm以下であることが好まし
い。また、4種類を合計した含有量は、300ppm以
下が特に好ましい。本発明における接着剤中の残揮発分
量は、良好な電気特性を得るためには、10重量%以下
であることが好ましく、特に、1重量%以下が好まし
い。以上の150℃の体積抵抗率150℃での貯蔵弾性
率及びイオン性不純物量は、接着剤に使用する樹脂の選
択、接着剤の最終的な架橋度等を調整することにより調
整することができる。また、残揮発分量は接着剤に使用
する溶剤の選定、接着剤の乾燥条件により調整すること
ができる。さらに、本発明における接着剤は、常温で
0.5W/mK以上の熱伝導率を有することが好まし
く、特に、1.3W/mK以上の熱伝導率を有すること
が好ましい。上限として、特に制限はないが、10W/
mKであることが製造上好ましい。熱伝導率の調整は、
接着剤に含有させる充填剤の種類と使用量により調整す
ることができる。
【0009】本発明おける耐熱性接着剤としては、具体
例として、 (1)シロキサン変性ポリアミドイミド 及び (2)熱硬化性樹脂成分 を必須成分として含み、必要に応じて、 (3)熱可塑性エラストマ 及び (4)無機フィラー を含有するものが好ましい。
【0010】上記のシロキサン変性ポリアミドイミド
は、1分子中にシロキサン結合、イミド結合及びアミド
結合を有する重合体であり、(1)ジイミドジカルボン
酸とジイソシアネート化合物を反応させる方法、(2)
ジアミン化合物とトリカルボン酸クロライドを反応させ
る方法、(3)ジイソシアネート化合物とトリカルボン
酸無水物を反応させる方法等により製造することができ
る。前記(1)の方法により得られるシロキサン変性ポ
リアミドイミドについて詳述する。ジイミドジカルボン
酸のうちイミド基を連結する2価の残基が芳香族基でも
脂肪族基でもよい。イミド基を連結する2価の残基が芳
香族基であるものとして、一般式(1式)で示されるも
のが挙げられる。
【0011】
【化1】 (式中、R1は、
【化2】 であり、ここで、Xは、
【化3】 である。)
【0012】また、イミド基を連結する2価の脂肪族基
の例として、プロピレン基、ヘキサメチレン基、オクタ
メチレン基、デカメチレン基、オクタデカメチレン基等
の炭素数3〜50のアルキレン基、これらのアルキレン
基の両端に酸素が結合した基などがある。
【0013】シロキサン結合を有するイミドジカルボン
酸の例としては、一般式(2式)で示されるものがあ
る。
【化4】 (式中R2は、
【化5】 であり、ここで、R3及びR4は、それぞれ2価の有機基
を示し、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立にアル
キル基、フェニル基又は置換フェニル基を示し、nは1
〜50の整数を示す。) 上記の2価の有機基としては、プロピレン基等のアルキ
レン基、フェニレン基、アルキル基置換フェニレン基等
がある。
【0014】ジイソシアネート化合物において、芳香族
ジイソシアネート化合物としては一般式(3式)で示さ
れるものが挙げられる。
【化6】 OCN−R9−NCO (3式) (式中、R9は、
【化7】 である。)
【0015】また、ジイソシアネート化合物として、一
般式(3式)においてR9が、アルキレン基等の2価の
脂肪族基又はシクロアルキレン等の2価の脂環式基であ
る脂肪族ジイソシアネート化合物又は脂環式ジイソシア
ネート化合物がある。
【0016】シロキサン結合を有するジイミドジカルボ
ン酸及びそれ以外のジイミドジカルボン酸は、それぞ
れ、シロキサン結合を有するジアミン化合物及びこれ以
外のジアミン化合物と無水トリメリット酸を反応させて
得ることができる。シロキサン結合を有するジイミドジ
カルボン酸及びそれ以外のジイミドジカルボン酸は混合
物として使用することが好ましい。ジイミドジカルボン
酸として、シロキサン結合を有するジアミン化合物及び
それ以外のジアミンの混合物と無水トリメリット酸を反
応させて得られるジイミドジカルボン酸混合物を使用す
ることが特に好ましい。このとき、シロキサン結合を有
するジアミン化合物(以下、シロキサンジアミン化合
物)以外のジアミン化合物(a)及びシロキサンジアミ
ン化合物(b)の混合比率は、(a)/(b)=99.
9/0.1〜0/100(モル比)であると好ましく、
(a)/(b)=95/5〜30/70であると更に好
ましく、(a)/(b)=90/10〜40/60であ
るとより一層好ましい。シロキサンジアミン化合物
(b)の混合比率が多くなるとTgが低下する傾向にあ
り、少なくなるとワニスにしてシートを形成した場合の
シート中に残存するワニス溶剤量が多くなる。シロキサ
ン変性をしないポリアミドイミド樹脂の場合は(a)/
(b)=100/0(モル比)で用いる。シロキサンジ
アミン以外のジアミン化合物としては、芳香族ジアミン
化合物が好ましく、特に、芳香族環を3個以上有するジ
アミン化合物が好ましい。
【0017】シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂を製
造する場合、ジアミン化合物の総量(a+b)の合計1
モルに対して無水トリメリット酸2.05〜2.20モ
ルの割合で反応させることが好ましい。シロキサン変性
をしないポリアミドイミド樹脂の場合は(a)1モルに
対して無水トリメリット酸1.98〜2.02モル、特
に2モルの割合で反応させることが好ましい。この範囲
を外れ、無水トリメリット酸が少なくなるとシロキサン
変性ポリアミドイミド樹脂の分子量が大きくならず、フ
ィルムの形成性、可撓性が低下してくるため好ましくな
く、無水トリメリット酸が多くても同様となるので好ま
しくない。
【0018】前記したジイソシアネート化合物として
は、芳香族ジイソシアネート化合物が好ましく、ジイソ
シアネート化合物のうち芳香族ジイソシアネート化合物
を50〜100モル%使用することが好ましい。また、
ジイミドジカルボン酸とジイソシアネート化合物の反応
は、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂の場合はジイ
ミドジカルボン酸の合計1モルに対してジイソシアネー
ト化合物1.05〜1.50モルの割合で行うことが好
ましい。ジイソシアネート化合物が少なすぎると、シロ
キサン変性ポリアミドイミド樹脂の分子量が大きくなら
ず、フィルムの形成性、可撓性が低下してくる傾向があ
り、ジイソシアネート化合物が多すぎても同様の傾向が
ある。シロキサン変性をしないポリアミドイミド樹脂の
場合は(a)1モルに対してジイソシアネート化合物
0.95〜1.05モル、特に1モルの割合で行うこと
が好ましい。
【0019】ジアミン化合物と無水トリメリット酸と
は、非プロトン性極性溶媒の存在下50〜90℃で反応
させ、さらに水と共沸可能な芳香族炭化水素を非プロト
ン性極性溶媒に対して10〜50重量%で投入し、12
0〜180℃で反応を行い、ジイミドジカルボン酸を含
む混合物を製造し、これとジイソシアネート化合物との
反応を行うことが好ましい。ジイミドジカルボン酸を製
造した後、その溶液から芳香族炭化水素を除去すること
が好ましい。ジイミドジカルボン酸とジイソシアネート
化合物との反応温度は、低いと反応時間が長くなること
や、高すぎるとイソシアネート化合物同士で反応するの
でこれらを防ぐため、100〜200℃で反応させるこ
とが好ましい。
【0020】本発明で用いる芳香族ジアミン化合物とし
ては、フェニレンジアミン、ビス(4−アミノフェニ
ル)メタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロ
パン、ビス(4−アミノフェニル)カルボニル、ビス
(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフ
ェニル)エーテル等があり、芳香族環を3個以上有する
ジアミン化合物としては、2,2−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPP
と略す)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテ
ル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケ
トン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等
が例示でき、単独でまたはこれらを組み合わせて用いる
ことができる。BAPPは、ポリアミドイミド樹脂の特
性のバランスとコスト的に他のジアミン化合物より特に
好ましい。
【0021】本発明で用いるシロキサンジアミンとして
は一般式(4式)で表されるものが用いられる。
【0022】
【化8】 (式中、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、前記a式
に同じである。)
【0023】このようなシロキサンジアミンとしては、
(5式)で示すものが挙げられる。これらの中でもジメ
チルシロキサン系両末端アミンであるアミノ変性シリコ
ーンオイルX−22−161AS(アミン当量45
0)、X−22−161A(アミン当量840)、X−
22−161B(アミン当量1500)、以上信越化学
工業株式会社製商品名、BY16−853(アミン当量
650)、BY16−853B(アミン当量2200)
以上東レダウコーニングシリコーン株式会社製商品名な
どが市販品として挙げられ使用することができる。
【0024】
【化9】 (上記の式中、nは、1〜50の整数を示す。)
【0025】芳香族ジイソシアネート化合物として、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下M
DIと略す)、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,
5−ジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等が
例示できる。これらは単独でまたは組み合わせて用いる
ことができる。特にMDIは分子構造においてイソシア
ネート基が離れており、ポリアミドイミドの分子中にお
けるアミド基やイミド基の濃度が相対的に低くなり、溶
解性が向上するので好ましい。脂肪族又は芳香族ジイソ
シアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス
(シクロヘキシルジイソシアネート)等がある。
【0026】非プロトン性極性溶媒としてジメチルアセ
トアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクト
ン、スルホラン、シクロヘキサノン等が挙げられる。イ
ミド化反応には高温を要するため、沸点の高いN−メチ
ル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)が特に好まし
い。これらの混合溶媒中に含まれる水分量は、無水トリ
メリット酸が水和して生成するトリメリット酸により充
分に反応が進行せずポリマの分子量低下の原因になるた
め0.2重量%以下で管理されていることが好ましい。
また、本発明で用いる非プロトン性極性溶媒は、特に制
限されないが、芳香族環を3個以上有するジアミン化合
物とシロキサンジアミン及び無水トリメリット酸を合わ
せた重量の割合が、多いと無水トリメリット酸の溶解性
が低下し充分な反応が行えなくなることや、低いと工業
的製造法として不利であることから、10重量%〜70
重量%の範囲となることが好ましい。水と共沸可能な芳
香族炭化水素として、ベンゼン、キシレン、エチルベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が例示でき、特に沸
点が比較的低く作業環境上有害性の少ないトルエンが好
ましく、使用量は非プロトン性極性溶媒に対して10〜
50重量%の範囲が好ましい。
【0027】前記(2)の方法により得られるシロキサ
ン変性ポリアミドイミド樹脂について説明する。ジアミ
ン化合物として前記したジアミン化合物が、また、シロ
キサン結合を有するジアミン化合物として前記したもの
が使用できる。トリカルボン酸クロライドとしてはトリ
メリット酸クロライド等がある。これらを用いてよく知
られた酸クロライド法により前記シロキサン変性ポリア
ミドイミド樹脂を製造することができる。
【0028】前記(3)の方法により得られるシロキサ
ン変性ポリアミドイミドについて説明する。ジイソシア
ネート化合物として前記したものが、また、シロキサン
結合を有するジイソシアネート化合物としてやはり前記
したものが使用できる。トリカルボン酸無水物としては
無水トリメリット酸等がある。これらを用いて、従来か
らよく知られたジアミン化合物とジイソシアネート化合
物の反応により前記シロキサン変性ポリアミドイミド樹
脂を製造することができる。
【0029】熱硬化性樹脂成分は、分子内にシロキサン
変性ポリアミドイミド樹脂と反応性の官能基(例えば、
グリシジル基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基
等)を2以上有する化合物が好ましく、それ自身で又は
硬化剤との組み合わせで硬化可能な化合物であってもよ
い。熱硬化性樹脂成分としては、ポリイミド樹脂、ポリ
マレイミド樹脂なども使用できるが、分子内にグリシジ
ル基を2個以上有している化合物が好適である。例え
ば、エポキシ樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂等を使用す
ることが好ましく、接着性、取り扱い性よりエポキシ樹
脂がより好ましい。熱硬化性樹脂成分のエポキシ樹脂
は、1分子中にグリシジル基(又はエポキ基)を2個以
上有するエポキシ樹脂とその硬化促進剤、もしくは、1
分子中にグリシジル基(又はエポキ基)を2個以上有す
るエポキシ樹脂とその硬化剤及び硬化促進剤を用いるこ
とが好ましい。2官能以上のエポキシ樹脂であれば特に
制限するものでないが、分子量が5,000未満、好ま
しくは3,000未満のエポキシ樹脂が好適に使用され
る。特に、分子量が500以下のビスフェノールA型ま
たはビスフェノールF型液状樹脂を用いると積層時の流
動性を向上させることができて好ましい。また、上記以
外のエポキシ樹脂として、ビスフェノールS型エポキシ
樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型
エポキシ樹脂を使用することができる。さらに、分子量
が3万〜8万の高分子量エポキシ樹脂、さらには、8万
を超える超高分子量エポキシ樹脂(特公平7−5961
7号、特公平7−59618号、特公平7−59619
号、特公平7−59620号、特公平7−64911
号、特公平7−68327号公報参照)を使用すること
が可能である。
【0030】エポキシ樹脂の硬化剤または硬化促進剤
は、エポキシ樹脂と反応するもの、または、硬化を促進
させるものであれば制限されず、例えば、アミン類、イ
ミダゾール類、多官能フェノール類、酸無水物類等が使
用できる。アミン類としては、ジシアンジアミド、ジア
ミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が使用でき、イ
ミダゾール類としてはアルキル基置換イミダゾール、ベ
ンゾイミダゾール、シアノアルキル基置換イミダゾール
等が使用でき、多官能フェノール類としては、ヒドロキ
ノン、レゾルシノール、ビスフェノールA及びこれらの
ハロゲン化合物、サラニアルデヒドとの縮合物であるノ
ボラック樹脂、レゾール樹脂などが使用でき、酸無水物
類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトタカル
ボン酸等が使用できる。このうち、硬化促進剤として
は、イミダゾール類を用いることが好ましい。硬化剤
は、そのエポキシ基に対する反応基の当量A、シロキサ
ン変性ポリアミドイミドのアミド基の当量B及びエポキ
シ樹脂のエポキシ基の当量Cが、(A+B)/Cが1.
0〜1.5の範囲内になるように適宜使用することが好
ましく、場合により使用しなくてもよい。また、硬化促
進剤は、エポキシ樹脂に対して5重量%以下の範囲で使
用されることが好ましく、場合により使用しなくてもよ
い。
【0031】シロキサン変性ポリアミドイミドのアミド
基とエポキシ樹脂のグリシジル基(又はエポキシ基)と
の付加反応または、硬化促進剤としてイミダゾール等の
塩基性触媒を使用すると両者の間で挿入反応が生じ3次
元橋かけ樹脂となり、150℃程度の高温領域での電気
絶縁性、接着性の低下が抑制されると考えられる。3次
元橋かけが進行せず、10MPa未満になると、Tgの
低下を招き、その結果、電気絶縁性、接着性が低下する
傾向がある。
【0032】前記熱可塑性エラストマは、硬化後の接着
剤の可撓性、応力緩和性を改善する目的で使用すること
ができる。そのために、前記熱可塑性エラストマは、常
温で容易に変形、流動が生じるゴム状の材料が好まし
い。熱可塑性エラストマの具体例としては、アクリル系
エラストマ、ブタジエン系エラストマ、フッ素系エラス
トマ、塩ビ系エラストマ、オレフィン系エラストマ、ス
チレン系エラストマ、ウレタン系エラストマ、ポリエス
テル系エラストマ、ポリアミド系エラストマが挙げられ
る。特にブタジエン成分を含有するブタジエンゴム、ブ
タジエン−スチレンゴム、スチレン−ブタジエン−スチ
レンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、イソプレン−
ブタジエン−イソプレンゴム、ブタジエン−アクリロニ
トリルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーン
ゴム、スチレンゴム等が好ましい。熱可塑性エラストマ
の添加形態としては、接着剤中に完全あるいは部分相溶
している場合や、粒子状として分散している場合でもよ
い。
【0033】前記無機フィラーは、耐熱性その他の特性
改善のために使用することができるが、特に、本発明の
耐熱性接着剤に熱伝導性を付与するために使用すること
が好ましい。そのために、前記無機フィラーとしては、
常温での熱伝導率が3W/mK以上のものが好ましく、
特に5〜300W/mK以上のものが好ましい。無機フ
ィラーの具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケ
イ酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、
アルミナ、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、
窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、炭化ケイ素
が挙げられる。特に、熱伝導性をよくするためには、ア
ルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリ
カ、非晶性シリカ、炭化ケイ素が好ましい。この内、ア
ルミナは、熱伝導性が良く、耐熱性、電気絶縁性が良好
な点で好適である。また、結晶性シリカまたは非晶性シ
リカは、熱伝導性の点ではアルミナより劣るが、イオン
性不純物が少ないため、PCT処理時の電気絶縁性が高
く、銅箔、アルミ線、アルミ板等の腐食が少ない点で好
適である。難燃性を与えるためには、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウムが好ましい。溶融粘度調節やチ
クソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシ
ウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カ
ルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、結晶性シリ
カ、非晶性シリカが好ましい。
【0034】シロキサン変性ポリアミドイミドと熱硬化
性樹脂成分は、シロキサン変性ポリアミドイミド5〜9
5重量部及び熱硬化性樹脂成分95〜5重量部で全体が
100重量部になるように使用することが好ましく、シ
ロキサン変性ポリアミドイミド10〜60重量部及び熱
硬化性樹脂成分90〜40重量部で全体が100重量部
になるように使用することが好ましい。熱硬化性樹脂成
分が少なすぎると、期待した接着性が得られず、さらに
耐湿処理後の接着性の低下が大きい。また、熱硬化性樹
脂成分が多すぎると150℃の体積抵抗率の大幅な低下
を招く。さらに、耐熱接着フィルムの脆性が悪化する。
【0035】シロキサン変性ポリアミドイミドと熱硬化
性樹脂成分を合わせた配合物100重量部に対する熱可
塑性エラストマの配合量は、1〜300重量部であるこ
とが好ましい。熱可塑性エラストマの配合量が、耐熱接
着フィルムの脆性の悪化、取り扱い時の割れや裂け、さ
らにヒートサイクル等の熱衝撃試験におけるクラックの
発生、電気特性の大幅な低下を防ぐために使用すること
が好ましく、特に、シロキサン変性ポリアミドイミドと
熱硬化性樹脂成分を合わせた配合物100重量部に対し
て、5重量部以上使用することが好ましい。熱可塑性エ
ラストマの配合量が多すぎると、接着性及び150℃体
積抵抗率の大幅な低下を招く恐れがあるため、シロキサ
ン変性ポリアミドイミドと熱硬化性樹脂成分を合わせた
配合物100重量部に対して300重量部以下で使用す
ることが好ましく、特に、100重量部以下で使用する
ことが好ましい。
【0036】シロキサン変性ポリアミドイミド、熱硬化
性樹脂成分及び熱可塑性エラストマを合わせた配合物1
00重量部に対する無機フィラーの配合量は、40〜9
00重量部であることが好ましく、特に、400〜90
0重量部が好ましい。無機フィラーの配合は、熱伝導性
を付与する上で好ましいが、多すぎると接着性の低下招
き、耐熱性接着剤をフィルム状に成形した場合にフィル
ム状接着剤の成膜性が悪化する傾向がある。
【0037】シロキサン変性ポリアミドイミド、熱硬化
性樹脂成分、無機フィラーを含有する耐熱性接着剤は、
それら以外の材料を添加してもよい。例えば、カップリ
ング剤を配合することもできる。カップリング剤として
は、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリ
ング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレ
イドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチ
ル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げら
れる。
【0038】さらに、イオン性不純物を吸着して、吸湿
時の電気絶縁信頼性をよくするために、イオン捕捉剤を
配合することができる。イオン捕捉剤の配合量は、添加
による効果や耐熱性、コストから、耐熱性接着剤の総重
量に対して5〜10重量%が好ましい。イオン捕捉剤と
しては、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅
害防止剤として知られる化合物、例えば、トリアジンチ
オール化合物、ビスフェノール系還元剤を配合すること
もできる。ビスフェノール系還元剤としては、2,2’
−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第3−ブチルフ
ェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6
−第3−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0039】また、無機イオン吸着剤としては、ジルコ
ニウム系化合物、アンチモンビスマス系化合物、マグネ
シウムアルミニウム系化合物、ハイドロタルサイト等が
挙げられる。
【0040】本発明における耐熱性接着剤は、溶剤に溶
解分散させてワニスとして使用する他、そのワニスを基
材上に塗布し、加熱して溶剤を除去して得られるような
フィルムとして使用することが可能である。ワニス化の
溶剤は、溶解性が得られるものであれば特に制限はな
く、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、γ―ブチロラクトン、スルホラ
ン、N−メチルー2−ピロリドン、シクロヘキサノンな
どが挙げられる。ワニスの製造は、無機フィラーの分散
を考慮した場合には、らいかい機、3本ロール及びビー
ズミル等により、またこれらを組み合わせて行なうこと
ができる。無機フィラーと低分子量物をあらかじめ混合
した後、高分子量物を配合することにより、混合に要す
る時間を短縮することも可能となる。また、ワニスとし
た後、真空脱気によりワニス中の気泡を除去することが
好ましい。
【0041】フィルム化に際し使用される上記基材とし
ては、離型性を有するプラスチックフィルムであれば特
に制限はなく、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、シリコーンを離型処理したポリエステルフィ
ルム、フッ素フィルム等が好適に用いられる。
【0042】フィルム状態における接着剤組成物の厚み
は3〜500μmが好ましく、さらに10〜100μm
の範囲が好ましい。接着剤組成物の厚みが小さすぎる
と、放熱板あるいは銅箔との接着性の低下が顕著であ
り、接着剤組成物の厚みが小大きすぎると接着フィルム
中の残溶剤量が多くなり、放熱板と銅箔を接着した積層
物を環境試験に処理した際に浮き、膨れ等の不具合を生
じる。
【0043】本発明における耐熱性接着剤は、電気回
路、金属箔又は回路基板と放熱板とを接着するために使
用される。本発明の放熱板とは、電気回路に搭載されて
いる電子部品等からの放熱を目的に電子部品が搭載され
るべき面と反対面の電気回路に積層される板であり、好
ましくは金属板が使用される。また、上記電気回路は、
エポキシプリプレグ等に形成されているもの、すなわ
ち、回路基板上の電気回路であってもよい。電気回路に
放熱板が積層されている積層物は、金属箔が放熱板に積
層されている積層物(放熱板付金属箔)の金属箔を回路
加工することにより作製することができる。また、電気
回路への電子部品の搭載は、ハンダ接続等この分野でよ
く知られた方法により行われる。上記放熱板は、通常ヒ
ートシンク、ヒートスラグ、ヒートスプレッダなどと称
されている。放熱板は、銅、アルミ、ステンレス、ニッ
ケル、鉄、金、銀、モリブデン、タングステンなどの金
属、またはこれらの金属を2種類以上用いた合金、また
は金属とガラス、合金、セラミックの複合材料を用いる
ことができる。中でも、熱伝導率の高い銅、アルミニウ
ム、金、銀、これらを用いた合金が好ましい。放熱板の
厚みは特に制限はないが、価格及び加工性の点から0.
1〜5mmが好ましい。
【0044】前記の金属箔としては、銅、アルミ、ステ
ンレス、ニッケル、鉄、金、銀、モリブデン、タングス
テンなどの金属、またはこれらの金属を2種類以上用い
た合金などがある。中でも、汎用性の高い銅が好まし
い。金属箔の厚みは特に制限はないが、価格及び加工性
の点から3〜50μmが好ましい。
【0045】前記の放熱板付金属箔は、前述の放熱板と
金属箔とを本発明の耐熱性接着剤を介して接着して得る
ことができる。さらに具体的には、以下の方法で作製す
ることができる。 (1)放熱板に接着剤を塗布またはフィルム状の接着剤
を貼り合せて接着剤付放熱板を作製する。次に接着剤付
放熱板の接着剤面に銅箔等の金属箔を置いて熱プレスま
たはロールラミネートにより接着して積層物を得る。 (2)銅箔等の金属箔に接着剤を塗布またはフィルム状
の接着剤を貼り合せて接着剤付金属箔を作製する。次に
接着剤付金属箔の接着剤面に放熱板を置いて熱プレスま
たはロールラミネートにより接着して、積層物を得る。 (3)放熱板と銅箔等の金属箔の間にフィルム状の接着
剤を挟み込み、熱プレスまたはロールラミネートにより
接着して、積層物を得る。
【0046】本発明の接着剤付金属箔とは、前述した金
属箔の片面に接着剤を塗布、またはフィルム状の接着剤
を熱プレスあるいはロールラミネートにより接着して得
ることができる。
【0047】本発明の接着剤付放熱板とは、前述した放
熱板の片面に接着剤を塗布、またはフィルム状の接着剤
を熱プレスあるいはロールラミネートにより接着して得
ることができる。
【0048】本発明における耐熱性接着剤の特長をまと
め、以下に示す。 1)150℃程度の高温領域の体積抵抗率が1×108
Ω・cmより高く、電気絶縁性に優れている。特に、シ
ロキサン変性ポリアミドイミド等のイオン性不純物の少
ない材料を使用し、さらに、接着剤中の残揮発分量を低
減するとこのような体積抵抗率が得やすくなる。 2)また、未反応のエポキシ樹脂の成分が多数残存させ
た場合は、圧力がかかった場合、ゲル中より未反応成分
が浸みだすため、無機フィラーを多量に含む場合でも被
着体へのぬれが良好であり、高い接着性が得られる。 3)さらに、接着剤が3次元橋かけ化すると(例えば、
シロキサン変性ポリアミドイミドのアミド基とエポキシ
樹脂のグリシジル基との付加反応または、硬化促進剤と
してイミダゾール等の塩基性触媒を使用すると両者の間
で挿入反応が生じ3次元橋かけ樹脂となりやすい)、P
CT,耐熱耐湿、温度サイクル処理後の接着性の低下が
少ない。特に、耐湿接着性に優れる。 4)本発明における耐熱性接着剤からなる接着フィルム
は、フィルム強度、可撓性の両立が図られ、Bステージ
状態での取り扱い性が良好である。 5)無機フィラーを混合することで、タック性の低減を
図れる。 6)加熱下のプレス加工の過程でBステージからCステ
ージになるため、耐熱性樹脂組成物のしみだしが極めて
少ない。 7)熱可塑性エラストマを添加することで、硬化後の接
着剤に可撓性、応力緩和性が付与されるため、ヒートサ
イクル等の熱衝撃試験による電気特性の低下がない。 本発明おける耐熱性接着剤は、前記したような電気回
路、金属箔又は回路基板と放熱板とを接着するための接
着剤に限らず、プリプレグ、フィルム、金属板等の回路
基板と金属箔を張り合わせるための接着剤、半導体素子
を基板に張り合わせるためのダイボンド剤等としても有
用であり、半導体素子、電気回路、金属箔又は回路基板
と回路基板又は電子部品搭載基板とを張り合わせるため
の接着剤としても有用である。
【0049】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。 (合成例1〜3)環流冷却器を連結したコック付き25
mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた1リット
ルのセパラブルフラスコに芳香族環を3個以上有するジ
アミンとしBAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン)、シロキサンジアミ
ンとして反応性シリコンオイルX−22−161AS
(信越化学工業株式会社製商品名、アミン当量41
6)、TMA(無水トリメリット酸)、非プロトン性極
性溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン)を表1に
示した配合比で仕込み、80℃で30分間撹拌した。そ
して水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン10
0mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環
流させた。水分定量受器に水が約7.2ml以上たまっ
ていること、水の流出が見られなくなっていることを確
認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しなが
ら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去し
た。その後、溶液を室温に戻し、芳香族ジイソシアネー
トとしてMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート)60.1g(0.24mol)を投入し、1
90℃で2時間反応させた。反応終了後、シロキサン変
性ポリアミドイミド樹脂のNMP溶液を得た。
【0050】
【表1】 注)表1において、BAPPは2、2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、161AS
は反応性シリコーンオイルX−22−161AS、TM
Aは無水トリメリット酸、NMPはN−メチルピロリド
ン及びMDIは4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネートを意味する。また、配合の単位はグラム(ただ
し、かっこ内はモル数)で示す。
【0051】(実施例1〜10)合成例1〜3で得られ
たシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂
としてESCN195(住友化学工業(株)製商品
名)、硬化促進剤として1−アミノエチル−2−エチル
−4−メチルイミダゾール(キュアゾール2E4MZ−
CN)(四国化成工業(株)製商品名)、無機フィラー
としてアルミナA−42−6(昭和電工(株)製商品
名)を表2に示す配合量で配合した。次に小型攪拌脱泡
装置のあわとり練太郎MX−201((株)シンキー製
商品名)で5分攪拌・混練し、耐熱性接着剤とした。こ
の耐熱性接着剤を、支持基材である離型PETフィルム
上に乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗布し、13
0℃、15分間乾燥させBステージの耐熱性接着フィル
ムを得た。その後、支持基材から耐熱接着フィルムを剥
がし35μmt電解粗化銅箔GTSMP(古河サーキッ
トフォイル製商品名)のマット面と1.0mmtアルミ
板A1100P(昭和アルミニウム(株)製商品名)と
を耐熱性接着フィルムを介して、170℃ 2MPa
60分間プレス接着を行い積層物を作製した。その積層
物の特性を測定し、結果を表4に示した。
【0052】(比較例1)合成例3において、シロキサ
ンジアミンを使用しないこと以外は合成例3と同様に行
い、シロキサンを含まないポリアミドイミド樹脂を使用
した。ポリアミドイミド樹脂として、シロキサンを含ま
ないポリアミドイミド樹脂を使用したこと以外は実施例
9と同じにした。
【0053】(比較例2)合成例3で得られたシロキサ
ン変性ポリアミドイミド樹脂とESCN−195の配合
比(重量)を99/1としたこと以外は実施例9と同じ
にした。
【0054】(比較例3)エポキシ樹脂を単官能エポキ
シ樹脂EA−1010(新中村化学工業(株)製商品
名)に変更した以外は実施例9と同じにした。
【0055】
【表2】 注)表2において、Si−PAIは合成例1〜3で得ら
れたシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂を意味し、配
合の単位は重量部である。
【0056】なお、実施例1〜10及び比較例1〜3に
ついての測定値は、次の測定方法によって測定したもの
である。 (1)銅箔接着力 積層物の電解粗化銅箔に10mm幅の切れ込みを入れ、
ワニス乾燥膜界面で剥がし銅箔接着力をJIS C 6
481に準じて測定した。積層物の処理条件及び測定温
度を表3に示す。
【0057】
【表3】 注)表3において、PCT96時間処理は、温度121
℃、相対湿度100%、気圧2026hPaの条件で行
った。
【0058】(2)体積抵抗率 50mm□積層物の電解粗化銅箔面を20mmφの形状
を残すようにエッチングし、絶縁抵抗計R8340A
((株)アドバンテスト製商品名)を用いて、印加電圧
DC500V、印加30秒後に20℃及び150℃にお
ける体積抵抗を測定し、体積抵抗率を算出した。 (3)貯蔵弾性率 動的粘弾性測定装置DVE−V4(レオロジー(株)製
商品名)を用い、下記の条件で測定した。 ・治具:引張り ・チャック間距離:20mm ・昇温速度:5℃/分 ・測定周波数:10Hz ・サンプルサイズ:5mm幅×30mm長さ (4)熱伝導率 100mm×50mmサイズのサンプルを熱伝導率測定
機KemthermQTMD3(京都電子工業社製商品
名)を用い、20℃における耐熱性接着フィルムの熱伝
導率を測定した。
【0059】
【表4】
【0060】表4から明らかなように、実施例1〜10
では、20℃初期の銅箔接着力が高く、PCT及び耐熱
耐湿処理後の銅箔接着力の低下が小さい。さらに、15
0℃における高温銅箔接着力も高いと判断される。15
0℃の体積抵抗率は1011〜1012Ω・cmのオーダー
で高く、高温雰囲気で電気絶縁性が要求される用途に十
分に適用できると考えられる。さらに、実施例10をの
ぞき、熱伝導率は1.5W/mK程度であり、放熱性が
良好である。Bステージ状態の接着フィルムは、タック
フリーであり、適度な強度と可撓性を有するため取り扱
い性が良好である。実施例10では無機フィラーを添加
していないため、熱伝導率が低いが、銅箔接着性は良好
である。
【0061】なお、比較例1では、貯蔵弾性率が高く、
銅箔へのぬれが低いために銅箔接着力の値が全体的に低
い。比較例2は、熱硬化性樹脂成分であるエポキシ樹脂
の配合量が少ないため、銅箔との高い密着性が得られ
ず、銅箔接着力が低い。比較例3は単官能エポキシ化合
物を使用しているため、シロキサン変性ポリアミドイミ
ドのアミド基と反応し3次元橋かけすることができず、
150℃貯蔵弾性率が低い。その結果、高い銅箔接着力
及び体積抵抗率が得られない。特に150℃銅箔接着性
が顕著に低い。
【0062】(実施例11〜19)合成例1〜3で得ら
れたシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹
脂としてESCN195(住友化学工業(株)製商品
名)、熱可塑性エラストマとしてパラロイドEXL26
55(呉羽化学工業(株)製商品名)、硬化促進剤とし
て1−アミノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール(キュアゾール2E4MZ−CN)(四国化成工業
(株)製商品名)、無機フィラーとしてアルミナA−4
2−6(昭和電工(株)製商品名)を表5に示す配合量
で配合した。次に小型攪拌脱泡装置のあわとり練太郎M
X−201((株)シンキー製商品名)で5分攪拌・混
練し、耐熱性接着剤とした。この耐熱性接着剤を、支持
基材である離型PETフィルム上に乾燥後の膜厚が50
μmとなるように塗布し、130℃、15分間乾燥させ
Bステージの耐熱接着フィルムを得た。その後、支持基
材から耐熱接着フィルムを剥がし35μmt電解粗化銅
箔GTSMP(古河サーキットフォイル製商品名)のマ
ット面と1.0mmtアルミ板A1100P(昭和アル
ミニウム(株)製商品名)とを耐熱接着フィルムを介し
て、170℃2MPa 60分間プレス接着を行い積層
物を作製した。その積層物の特性を測定し、結果を表7
に示した。
【0063】(比較例4)エポキシ樹脂をEP−49−
10(旭電化工業(株)製商品名)に変更した以外は実
施例19と同じにした。
【0064】(比較例5)エポキシ樹脂を単官能エポキ
シ樹脂EA−1010(新中村化学工業(株)製商品
名)に変更した以外は実施例19と同じにした。
【0065】(比較例6)合成例3において、シロキサ
ンジアミンを使用しないこと以外は合成例3と同様に行
い、シロキサンを含まないポリアミドイミド樹脂を使用
した。ポリアミドイミド樹脂として、シロキサンを含ま
ないポリアミドイミド樹脂を使用したこと以外は実施例
19と同じにした。
【0066】(比較例7)耐熱接着フィルムの乾燥条件
を60℃、10分間に変更した以外は実施例19と同じ
にした。
【0067】
【表5】 注)表5において、Si−PAIは合成例1〜3で得ら
れたシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂を意味し、配
合の単位は重量部である。
【0068】なお、実施例11〜19及び比較例4〜7
で示す測定値は、次の測定方法によって測定したもので
ある。 (1)銅箔接着力 積層物の電解粗化銅箔に10mm幅の切れ込みを入れ、
ワニス乾燥膜界面で剥がし銅箔接着力をJISC648
1に準じて測定した。積層物の処理条件及び測定温度を
表3に示す。
【0069】
【表6】表6 測定条件 注)表6において、PCT96時間処理は、温度121
℃、相対湿度100%、気圧2026hPaの条件で行
った。
【0070】(2)体積抵抗率 50mm□積層物の電解粗化銅箔面を20mmφの形状
を残すようにエッチングし、絶縁抵抗計R8340A
((株)アドバンテスト製商品名)を用いて、印加電圧
DC500V、印加30秒後に150℃における体積抵
抗を測定し、体積抵抗率を算出した。 (3)絶縁破壊電圧 (2)項記載と同様に作製したサンプルの厚み方向の絶
縁破壊電圧を、AC耐電圧試験機PT−1011(東亜
電波(株)製商品名)を用いて不活性液体フロリナート
FC−77中(住友スリーエム(株)製商品名)で測定
した。ここで、昇圧速度は5kV/10秒、カットオフ
電流は10mA、測定雰囲気温度は20℃とした。 (4)貯蔵弾性率 前記に同じ (5)熱伝導率 前記に同じ (6)イオン性不純物量 (4)項記載のCステージ化した耐熱接着フィルム1g
と超純水(関東化学製)59gをポリフッ化エチレン系
繊維製耐圧容器に入れ密閉し、121℃オーブンで16
8時間処理を行った。その後室温まで空冷してJIS−
K0101に準拠して超純水中に抽出された塩素イオン
量、ナトリウムイオン量、カルシウムイオン量、アンモ
ニウムイオン量を定量した。 (7)残揮発分量 50mm×50mmサイズのBステージ状態の耐熱接着
フィルムを170℃オーブンで30分間処理を行い、処
理前後の重量から残揮発分量を算出した。
【0071】
【表7】
【0072】表7から明らかなように、実施例11〜1
9では、20℃初期の銅箔接着力が高く、ヒートサイク
ル処理後の銅箔接着力の低下が小さい。さらに、150
℃における高温銅箔接着力も高いと判断される。150
℃の体積抵抗率は1012Ω・cmとまた、絶縁破壊電圧
は5kV以上と高く、高温雰囲気で電気絶縁性が要求さ
れる用途に十分に適用できると考えられる。さらに、熱
伝導率は2.5W/mK程度であり、放熱性が良好であ
る。Bステージ状態の接着フィルムは、タックフリーで
あり、適度な強度と可撓性を有するため取り扱い性が良
好である。
【0073】なお、比較例4では、加水分解性塩素量及
び全塩素量の多いエポキシ樹脂を使用しているため、イ
オン性不純物量が多く、150℃体積抵抗率が低い。比
較例5では、単官能エポキシ樹脂を使用しているため、
硬化後の貯蔵弾性率が低く、150℃体積抵抗率が低
い。比較例6では、シロキサン変性していないポリアミ
ドイミドを使用しているため、溶剤揮発性が低く、残揮
発分量が多く、150℃体積抵抗率が低い。比較例7で
は、乾燥温度が低く残揮発分量が多いため、150℃体
積抵抗率が低い。
【0074】
【発明の効果】本発明に係る耐熱性接着剤は、体積抵抗
率及び接着性の両立が図られており、特に、150℃高
温での電気絶縁性及び接着力に優れ、さらに、絶縁破壊
電圧にも優れる。さらに、熱伝導性又は耐ヒートサイク
ル性にも優れるようにすることができる。この耐熱性接
着剤を使用することにより、信頼性の高い積層物を得る
ことができ、これを作製するための接着剤付き放熱板及
び接着剤付き金属箔を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 CA041 CA042 CA071 CA072 CA081 CA082 EC001 EC002 EH031 EH032 EK031 EK032 GA29 HA136 HA156 HA176 HA196 HA206 HA296 HA306 JA09 KA42 LA08 MA02 NA19

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 150℃の体積抵抗率が1×108Ω・
    cm以上を有し、シロキサン変性ポリアミドイミドと熱
    硬化性樹脂成分を前者/後者が重量比で5/95〜95
    /5の範囲内の割合で含有することを特徴とする電気回
    路、金属箔又は回路基板と放熱板とを接着するための耐
    熱性接着剤。
  2. 【請求項2】 150℃の貯蔵弾性率が10MPa以上
    の物性を有することを特徴とする請求項1に記載の耐熱
    性接着剤
  3. 【請求項3】 イオン性不純物が塩素イオン、ナトリウ
    ムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンであ
    り、各々のイオン量が800ppm以下かつ4種合計の
    イオン量が1000ppm以下であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の耐熱性接着剤。
  4. 【請求項4】 残揮発分量が10wt%以下であること
    を特徴とする請求項1〜3に記載の耐熱性接着剤。
  5. 【請求項5】 常温で0.5W/mK以上の熱伝導率を
    有する請求項1〜4に記載の耐熱性接着剤。
  6. 【請求項6】 耐熱性接着剤が、 (1)シロキサン変性ポリアミドイミド5〜95重量部 (2)熱硬化性樹脂成分95〜5重量部 (3)シロキサン変性ポリアミドイミド及び熱硬化性樹
    脂成分の合計100重量部対して、熱可塑性エラストマ
    を0〜300重量部 (4)シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、熱硬化性
    樹脂成分及び熱可塑性エラストマの合計100重量部に
    対して、無機フィラーを40〜900重量部 含有するものである請求項1〜5記載の耐熱性接着剤。
  7. 【請求項7】 耐熱性接着剤が、シロキサン変性ポリア
    ミドイミド及び熱硬化性樹脂成分の合計100重量部に
    対して、熱可塑性エラストマを1〜300重量部含有す
    るものである請求項6記載の耐熱性接着剤。
  8. 【請求項8】 熱硬化性樹脂成分が2個以上のグリシジ
    ル基を有するエポキシ樹脂を含有するものである請求項
    6又は7記載の耐熱性接着剤。
  9. 【請求項9】 熱可塑性エラストマが、アクリロニトリ
    ル、ブタジエン、スチレン、アクリル、シロキサン成分
    から選択される少なくとも一種類以上の成分を含有する
    ゴム系エラストマである請求項6又は7記載の耐熱性接
    着剤。
  10. 【請求項10】 無機フィラーが、熱伝導率3W/mK
    以上のものである請求項6又は7記載の耐熱性接着剤。
  11. 【請求項11】 無機フィラーが水酸化アルミニウム、
    水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
    ム、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシ
    ウム、アルミナ、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイ
    スカ、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、炭化
    ケイ素の中から選ばれた少なくとも1種類以上を使用す
    ることを特徴とする請求項10記載の耐熱性接着剤。
  12. 【請求項12】 形態がフィルムである請求項1〜11
    のいずれかに記載の耐熱性接着剤。
  13. 【請求項13】 電気回路、金属箔又は回路基板が、請
    求項1〜12のいずれかに記載の耐熱性接着剤を介して
    放熱板に積層されてなる積層物。
  14. 【請求項14】 金属箔が銅である請求項13記載の積
    層物。
  15. 【請求項15】 放熱板がアルミニウム、銅、金、銀あ
    るいはそれらの合金である請求項13記載の積層物。
  16. 【請求項16】 放熱板に請求項1〜12のいずれかに
    記載の耐熱性接着剤を積層してなる接着剤付き放熱板。
  17. 【請求項17】 金属箔に請求項1〜12のいずれかに
    記載の耐熱性接着剤を積層してなる接着剤付き金属箔。
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