JP4446514B2 - 熱伝導性シリコーン成形体の放熱部材 - Google Patents

熱伝導性シリコーン成形体の放熱部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性シリコーン成形体及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器においては、使用時に発生する熱をどのように除去するかが重要な課題であり、それを解決するため、従来よりトランジスタやサイリスタ等の発熱電子部品は、熱伝導性シート等の放熱部材を介して放熱フインや放熱板等のヒートシンクに取り付けられている。熱伝導性シートとしては、樹脂に窒化ホウ素(BN)等の熱伝導性フィラーを分散含有させたものが広く賞用されており、また最近では、その柔軟性を例えばアスカーC硬度で50以下までに著しく柔らかくした高柔軟性放熱スペーサーも使用されるようになってきている。
【0003】
今日、このような放熱部材においては、更なる熱伝導性の向上が要求されており、それをBNの充填率を高めることによって対応しているが、その反面、シートの機械的強度が低下するので充填率を高める方法には限界がある。
【0004】
BNは鱗片状粒子であり、その熱伝導率は面方向では約110W/mK、面方向に対して垂直な方向では約2W/mK程度であり、面方向の熱伝導性は数十倍優れていることが知られている。したがって、BN粒子の面方向を熱の伝達方向であるシートの厚み方向と同じにする(すなわち、BN粒子をシート厚み方向に立たせる)ことによって、シートの熱伝導性が飛躍的に向上することが期待されるが、従来のカレンダーロール法、ドクターブレード法、押し出し法等の成形方法では、シート成形時にBN粒子の配向が起こり、図3のように鱗片状粒子の面方向がシート面方向と同一となってしまい、BN粒子の面方向の優れた熱伝導性を活かされないままとなっていた。
【0005】
このような問題を解決するため、特公平6−12643号公報には、BN粒子をランダムに配向させることが提案されているが、この場合であってもシート面方向に配向したBN粒子も依然として多く存在しているので、十分に熱伝導性が高められているとはいえない。
【0006】
そこで、シート厚み方向に配向しているBN粒子の割合を、シート面方向に配向している割合よりも多くさせるため、特公平6−38460号公報が提案されている。この方法は、BN粒子の充填されたシリコーン固化物を成型機でまずブロック化し、次いでそれを垂直方向にスライスしてシート化するものであるので、ブロック寸法が大きくなると成型金型の側面ではBN粒子が配向するものの、内側ではBN粒子がランダムに配向するので、熱伝導性の十分な向上は望めない。
【0007】
BN粒子を内側まで十分に配向させるためには、BN粒子を含有するシリコーン組成物を小さな断面積で棒状に押し出すことが必要であり、成形された棒状成形物は複数本集結させ、押し出し方向で使用することにより、押し出し方向で良好な放熱性を有する放熱部材を得ることができる。
【0008】
また、最近の放熱部材においては、熱伝導性以外に放熱フィンや発熱体への取り付けやすさや、放熱部材を取り付けた部品を組み込む際、放熱部材の落下や位置ズレをなくすることが要求されている。このような背景から、当該分野においては、表面粘着性を有し、しかも柔軟性と高熱伝導性を併せ持つ放熱部材の出現が待たれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、締め付け又は圧縮時の余分な力を吸収できるような柔らかさを有し、しかも極めて高い熱伝導性と表面粘着性を有する、放熱部材として好適な熱伝導性シリコーン成形体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
熱伝導性シリコーン成形体の骨格部と、該骨格部の一部又は全部と一体的に形成された熱伝導性シリコーン成形体の樹脂部とからなるものであって、骨格部又は樹脂部の断面形状が、三角形、四角形、六角形、格子状、菱形、台形等の多角形、円形、楕円形、波形、同心円形、放射形、渦巻形であり、骨格部と樹脂部の熱伝導率は異なっており、しかもその表面の少なくとも一部に5N/m以上の粘着部があることを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体の放熱部材である。特に、成形体の厚み方向に対して、垂直な上下両面に粘着部を有し、その差が5N/m以上であり、また骨格部又は樹脂部の割合が断面積比で50〜98%であることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明は、上記熱伝導性シリコーン成形体からなることを特徴とする電子機器の放熱部材であり、特に熱抵抗が0.5℃/W・mm以下、アスカーC硬度が60以下であることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従い、更に詳しく本発明について説明する。図1は、本発明に係る熱伝導性シリコーン成形体の基本体の斜視図、図2は、そのA−A断面図である。符号の1は熱伝導性シリコーン成形体の基本体、2は骨格部、3は樹脂部、4は熱伝導性フィラーである。
【0013】
図1、図2に示されるように、本発明に係る熱伝導性シリコーン成形体の基本体1は、骨格部2と、該骨格部の一部又は全部と一体的に形成された樹脂部3とから構成されており、熱伝導性フィラー4は成形体の厚み方向に配向している割合が著しく多いものであり、しかも骨格部と樹脂部の熱伝導率が異なっているものである。本発明は、このような熱伝導性シリコーン成形体の基本体であって、その表面の少なくとも一部に5N/m以上の粘着部があることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る熱伝導性シリコーン成形体の基本体それ自体については、本出願人が提案した特願平10−367159号明細書に記載されている。以下、それを概説する。
【0015】
骨格部と樹脂部の形成に使用されるシリコーン原料としては、付加反応型液状シリコーンゴム、過酸化物を加硫に用いる熱硬化型ミラブルタイプのシリコーンゴム等が使用されるが、電子機器の放熱部材では、発熱電子部品の発熱面とヒートシンク面との密着性が要求されるため、付加反応型液状シリコーンゴムが望ましい。その具体例としては、一分子中にビニル基とH−Si基の両方を有する一液性のシリコーンや、末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンとの二液性のシリコーンなどがあり、市販品としては、東レダウコーニング社製、商品名「SE−1885」等がある。シリコーン硬化物の柔軟性は、シリコーンの架橋密度や熱伝導性フィラーの充填量によって調整することができる。
【0016】
また、骨格部又は樹脂部の形成に使用される熱伝導性フィラーは、BN粉末単独又はBN粉末と他の熱伝導性フィラーとの混合粉末である。BNは、鱗片状粒子の面方向(a軸)と垂直方向(c軸)とでは熱伝導性が数十倍程度異なっているが、本発明によってその面方向の高熱伝導性を十分に利用することができる。
【0017】
BN以外の熱伝導性フィラーとしては、絶縁性が必要な場合には、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、マグネシア等のセラミックス粉末が用いられ、また絶縁性を問わない場合には、これらのセラミックス粉末の他に、アルミニウム、銅、銀、金等の金属粉末や、炭化珪素粉末、炭素粉末等が使用される。熱伝導性フィラーの形状は、破砕形状、球状、繊維状、針状、鱗片状などいずれでもよく、また粒度は、平均粒径1〜100μm程度のものが使用される。
【0018】
BN粒子の厚み(c軸方向)は、0.1μm以上であることが好ましく、0.1μmを未満では、シリコーンに分散させる際に粒子が破壊する恐れがある。また、BN粒子のアスペクト比(縦/横比)はできるだけ大きい方が熱伝導性を向上させる点で好ましく、20以上が好ましい。
【0019】
このようなBN粉末は、例えば粗製BN粉末をアルカリ金属又はアルカリ土類金属のほう酸塩の存在下、窒素雰囲気中、2000℃×3〜7時間加熱処理してBN結晶を十分に発達させ、粉砕後、必要に応じて硝酸等の強酸によって精製することによって製造することができる。
【0020】
本発明に係る熱伝導性シリコーン成形体の基本体において、その(1)骨格部と樹脂部の構成比率、(2)骨格部と樹脂部の熱伝導率差の大きさ、(3)一つの中空部内部に形成される樹脂部の割合、(4)骨格部ないしは樹脂部の断面形状等については、特に制限はない。以下、これらについて更に詳しく説明する。
【0021】
骨格部又は樹脂部の構成比率(%)は、断面積中の骨格部又は樹脂部の占める面積比(=骨各部又は樹脂部の断面積/全断面積×100)で表され、50〜98%であることが好ましい。
【0022】
骨格部と樹脂部のどちらの熱伝導率を大きくするかは、使用目的に応じて決定される。また、両者の熱伝導率の差についても任意であるが、その一例は2W/m・K以上である。
【0023】
骨格部と樹脂部の間に熱伝導率の差を設ける方法としては、BN粉末の充填量かその配向のさせ方、又はその両方で行うことができる。BN粉末の充填量によって行う場合は、BN含有量の異なるシリコーン組成物を用いることによって容易に行うことができる。この場合、伝熱の主要部(骨格部又は樹脂部)における熱伝導性フィラーの含有量は、35〜60体積%特に40〜55体積%にすることが好ましい。35体積%未満では、シリコーン成形体に十分な熱伝導性を付与することができず、60体積%をこえると機械的強度が低下する。本発明のように、骨格部と樹脂部の熱伝導率を違えた理由は、熱伝導率の高い部分で高熱伝導性を、低い部分で高柔軟性を負担させるためである。
【0024】
骨格部の中空部内部に形成される樹脂部について説明すると、骨格部が伝熱の主要部となる場合においては、樹脂部が柔軟性に富むものほど、締め付け又は圧縮時に生じる骨格部の変形を吸収でき、発熱体表面への密着性が増すことから、良好な熱伝導性が得られる。骨格部と樹脂部との硬度差は限定されるものではないが、アスカーC硬度で5以上あることが好ましい。また、樹脂部は部分的に空隙状態となっていても何ら問題はなく、用途によってはこのような構造が好都合であることもある。骨格部と樹脂部の間に硬度差を設ける方法としては、フィラーの充填量、シリコーンの種類及び架橋密度などによって行うことができる。
【0025】
骨格部又は樹脂部の断面形状は、三角形、四角形、六角形、格子状、菱形、台形等の多角形、円形、楕円形、波形、同心円形、放射形、渦巻形などが可能である。
【0026】
本発明の大きな特徴は、上記熱伝導性シリコーン成形体の基本体において、その表面の少なくとも一部に5N/m以上の粘着部を設けたことである。特に、成形体の厚み方向に対して、垂直な上下両面に粘着部を形成させ、その差を5N/m以上とすることが好ましい。
【0027】
粘着部の形成方法としては、(1)骨格部と樹脂部のうち、どちらか一方又は両方のシリコーンの種類とその架橋密度を調整して粘着部を設ける、(2)熱伝導性シリコーン成形体の表面に粘着剤を塗布するなどがある。後者で使用される粘着剤としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、熱伝導性グリース、熱伝導性フィラーを含有又は含有しない低架橋密度のシリコーン組成物などがある。このような粘着剤は、樹脂部形成用原料に配合しておくこともできる。
【0028】
粘着剤の塗布は、スクリーン印刷、ロールコーター等によって行うことができる。粘着部を限られた一部分に形成する場合や、複雑形状に形成する場合には、スクリーン印刷を用いる方が有効である。
【0029】
粘着部は、厚い方が高い粘着力を得られるが、熱抵抗が上昇するので、10〜100μm程度、特に10〜50μmの厚みが好ましい。
【0030】
一方、前者のシリコーンの種類やその架橋密度の調節によって粘着部を形成させる方法においては、粘着部を形成させない部分に、波長100〜280nmの電磁波(UV−C領域の紫外線)を照射することによって、好適に行うことができる。
【0031】
粘着部の粘着性の程度は、放熱部材を発熱素子に貼り付ける際の落下ないしは位置ズレを起こさせないこと、また放熱部材を挟んで発熱素子を放熱フィンや筐体等で放冷する電子部品においては、その点検や修理の際に放熱部材が発熱部材か放熱フィンのどちらか一方に粘着していることが好ましいことなどを考慮して、5N/m以上は必要である。その上限には特に制約がなく、脱着できる程度の大きさであればよい。
【0032】
本発明の熱伝導性シリコーン成形体の形状については制約はなく、用途に応じて適切な形状が選択される。シート状ないしは矩形状のものは、熱伝導性シートや高柔軟性放熱スペーサー等の電子機器の放熱部材として使用される。
【0033】
本発明の放熱部材は、本発明の熱伝導性シリコーン成形体で構成されてなるものであり、その熱抵抗が0.5℃/W・mm以下、アスカーC硬度が60以下であることが好ましい。また、熱伝導性フィラーとして、BN粉末単独又はBN粉末と他の熱伝導性フィラーとの混合粉末を使用した場合、放熱部材の厚み方向にX線を照射して得られたX線回折図において、〈100〉面(a軸)に対する〈002〉面(c軸)のピーク比(〈002〉/〈100〉)が1以下であることが好ましい。
【0034】
【実施例】
以下、実施例と比較例をあげて更に具体的に本発明を説明する。
【0035】
実施例1
骨格部を成形するため、A液(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン)対B液(H−Si基を有するオルガノポリシロキサン)の体積比をA液:B液=1:1の割合で混合して得られた二液性の付加反応型液状シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「SE−1885」)45体積%と、平均粒子径15μm、平均粒子厚み1μmのBN粉末(電気化学工業社製、商品名「デンカボロンナイトライド」)55体積%とを、市販ミキサーで混合して熱伝導性コンパウンドを調製した。
【0036】
このコンパウンドを、直径3mmの孔が横に20個開けられたダイスから、押し出して未硬化の棒状シリコーン成形物を成形し、長さ6cmに切断後、用意した樹脂製外枠内に積み重ねて集結体とした。この集結体は、未硬化の骨格部と、樹脂部となる中空部から構成されてなるものであり、その平面形状は60×60mm程度である。
【0037】
次に、粘着性を有する樹脂部を形成するため、液性付加反応型液状シリコーンをA液:B液=1.2:1の体積割合で混合し、粘着力が発現されるように調整した。これを棒状シリコーン成形物の充填された型枠に流し込み、真空で10分間処理した後、熱風乾燥機で120℃、5時間加硫硬化させた。その後、厚み1mmに切断して本発明の熱伝導性シリコーン成形体を作製した。
【0038】
実施例2
骨格部に粘着性を持たせるため、骨格部の形成に使用した二液性付加反応型液状シリコーンの混合割合をA液:B液=1.2:1の体積比にしたこと以外は、実施例1と同様な方法で熱伝導性シリコーン成形体を作製した。
【0039】
実施例3
樹脂部の形成に使用するスラリーとして、上記二液性付加反応型液状シリコーンの体積比をA液:B液=1:1としてなるもの80体積%とシリカ粉末20体積%との混合物を使用したこと以外は、実施例1に準じて、図1に示される熱伝導性シリコーン成形体の基本体を成形し、その厚み方向に対して垂直となる上面全体に、シリコーン系粘着剤(東芝シリコーン社製、商品名「PSA6574」)を厚さ10〜20μmに塗布して、本発明の熱伝導性シリコーン成形体を作製した。
【0040】
実施例4
シリコーン系粘着剤のかわりに、上記二液性付加反応型液状シリコーンの体積比をA液:B液=1.2:1としてなるもの70体積%と窒化ケイ素粉末30体積%とを混合して得られたスラリーを用い、それをスクリーン印刷により厚さ50μmに塗布した後、120℃の熱風乾燥機で硬化させたこと以外は、実施例3と同様にして、熱伝導性シリコーン成形体を作製した。
【0041】
実施例5
シリコーン系粘着剤のかわりに、市販の熱伝導性グリース(信越化学工業社製、商品名「G−747」)を用い、スクリーン印刷により厚さ50μmに塗布したこと以外は、実施例3と同様にして、熱伝導性シリコーン成形体を作製した。
【0042】
実施例6
実施例1で作製された本発明の熱伝導性シリコーン成形体の片面に、実施例4で調整されたスラリーをスクリーン印刷により厚さ50μmに塗布・硬化させて、熱伝導性シリコーン成形体を作製した。
【0043】
比較例1
実施例1で調製された熱伝導性コンパウンドを、押し出し口が平面形状であるダイスを用い、平面形状の未硬化シリコーン成形物を押し出し、それを硬化させたこと以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シリコーン成形体を製造した。
【0044】
比較例2
シリコーン系粘着剤を塗布しなかったこと以外は、実施例3と同様にして、熱伝導性シリコーン成形体の基本体を成形し、それを熱伝導性シリコーン成形体とした。
【0045】
上記で得られた熱伝導性シリコーン成形体について、樹脂部の構成比率、粘着力、厚み方向の熱抵抗及びアスカ−C硬度を以下に従い測定した。また、アルミニウム製放熱フィンへの取り付け性についても評価した。それらの結果を表1に示す。
【0046】
(1)樹脂部の構成比率
熱伝導性シリコーン成形体の断面積当たりの樹脂部の占有面積率を顕微鏡で測定した。
【0047】
(2)粘着力
125mm×25mm×1mmの熱伝導性シリコーン成形体を、200mm×40mmのSUS板に載せ、500g荷重のローラーを約300mm/minの速さで一往復させて圧着する。その後、引張試験機にて、引張速度50mm/minで90゜剥離強度を測定した。
【0048】
(3)熱抵抗
厚さ1mmの熱伝導性シリコーン成形体をTO−3形状に切断し、これをTO−3型の銅製ヒーターケースと銅板との間にはさみ、締付けトルク5kgf−cmにてセットした後、銅製ヒーターケースに電力15Wをかけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板との温度差を測定し、式、熱抵抗(℃/W・mm)={温度差(℃)/電力(W)}/シート厚(mm)、により算出した。
【0049】
(4)アスカーC硬度
厚さ1mmの熱伝導性シリコーン成形体を円形状(直径29mm)に切断した後、10枚重ねて厚さ10mmの試験片とした後、アスカーC硬度計(高分子計器社製)により、測定荷重500gを加えて硬度を測定した。
【0050】
(5)アルミニウム製放熱フィンへの取り付け性
市販のアルミニウム製放熱フィンに、30mm×30mm×1mmの熱伝導性シリコーン成形体を貼り付けた後、横方向に10回往復させて位置ズレの有無を確認した。また、放熱フィンを裏返しにして落下の有無を確認した。
評価 ○:位置ズレ、落下なし
△:位置ズレ、落下のいずれかあり
×:位置ズレ、落下の両方あり
【0051】
【表1】
Figure 0004446514
【0052】
表1より、実施例1〜6の熱伝導性シリコーン成形体は、比較例1に比べて熱伝導性が大幅に向上している、また、比較例1〜2と比べて、表面に粘着部が形成されていることから取り付け性に優れていることがわかる。
【0053】
次に、実施例で作製された熱伝導性シリコーン成形体を放熱部材とし、ヒートシンク側に貼って、ボールグッリドアレイ式のSRAM等の発熱素子に取り付けたところ、落下や位置ズレもなく組み立てることができた。また、作動時においても、温度上昇を低く抑えることができ、高信頼性の電子機器をつくることができた。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、放熱部材に適した粘着性を有し、しかも高柔軟性かつ高熱伝導性のシリコーン成形体を提供することができる。本発明の熱伝導性シリコーン成形体は、熱伝導性シート、柔軟性放熱スペーサー等の電子機器の放熱部材として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱伝導性シリコーン成形体の基本体の斜視図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】従来の熱伝導性シートの厚み方向における断面図
【符号の説明】
1 熱伝導性シリコーン成形体の基本体
2 骨格部
3 樹脂部
4 熱伝導性フィラー

Claims (5)

  1. 熱伝導性シリコーン成形体の骨格部と、該骨格部の一部又は全部と一体的に形成された熱伝導性シリコーン成形体の樹脂部とからなるものであって、骨格部又は樹脂部の断面形状が、三角形、四角形、六角形、格子状、菱形、台形等の多角形、円形、楕円形、波形、同心円形、放射形、渦巻形であり、骨格部と樹脂部の熱伝導率は異なっており、しかもその表面の少なくとも一部に5N/m以上の粘着部があることを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体の放熱部材。
  2. 放熱部材の厚み方向に対して、垂直な上下両面に粘着部を有し、その差が5N/m以上であることを特徴とする請求項1記載の放熱部材。
  3. 骨格部又は樹脂部の割合が断面積比で50〜98%であることを特徴とする請求項2記載の放熱部材。
  4. 請求項1、2又は3記載のいずれかの放熱部材からなることを特徴とする電子機器の放熱部材。
  5. 熱抵抗が0.5℃/W・mm以下、アスカーC硬度が60以下であることを特徴とする請求項4記載の放熱部材。
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