JP3558548B2 - 樹脂成形体とその製造方法、及びそれを用いた電子部品の放熱部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形体とその製造方法、及び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器においては、使用時に発生する熱をどのように除去するかが重要な課題であり、それを解決するため、従来よりトランジスタやサイリスタ等の発熱電子部品は、熱伝導性シート等の放熱部材を介して放熱フインや放熱板等のヒートシンクに取り付けられている。熱伝導性シートとしては、樹脂に窒化ホウ素、アルミナ等の熱伝導性絶縁フィラーを分散含有させたものが広く賞用されている。
【0003】
今日、このような電子部品の放熱部材においては、更なる熱伝導性の向上が要求されている。また、装着時に異物が付着するのを防止するため、静電気が発生しない程度の導電性を付与し、しかもその柔軟性は、例えばアスカC硬度で50以下までに著しく柔らかくしたものが要求される場合がある。
【0004】
このような要求に応えるため、グラファイト製シートからなる放熱部材が提案されているが、このものは面内方向には優れた熱伝導性を有するが、本来必要な厚み方向への熱伝導性が不十分であり、またシワも入りやすいこともあって取り扱い性に不便であった。また、柔軟性も高くなく、発熱電子部品が荷重に弱い場合には取り付け時の締め付け力によって損傷する問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、余分な締め付け力を吸収できるような柔軟性と、極めて高い熱伝導性と、適度な導電性を有し、放熱部材として好適な樹脂成形体を提供することである。また、本発明の目的は、高柔軟性・高熱伝導性・適度な導電性を有する樹脂成形体を生産性良く製造することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、以下を要旨とする樹脂成形体とその製造方法、及び用途である。
【0007】
(請求項1)樹脂で構成された骨格部と、該骨格部の一部又は全部と一体的に形成された樹脂部からなり、骨格部と樹脂部との熱伝導率の差が1W/mK以上で、骨格部及び樹脂部の少なくとも一方の体積抵抗率が1MΩ・cm以下(0は含まず)であることを特徴とする樹脂成形体。
(請求項2)骨格部又は樹脂部の割合が、断面積比で50〜98%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形体。
(請求項3)請求項2記載の樹脂成形体からなり、アスカC硬度が50以下であることを特徴とする電子部品の放熱部材。
(請求項4)熱伝導性フィラー及び導電性フィラーの少なくとも一方を含有した樹脂硬化物を用いて、骨格部と連通した中空部からなるコア材を作製する工程と、
前記コア材の少なくとも一つの前記中空部内の一部又は全部に未硬化樹脂組成物を充填した後、硬化させて樹脂部を形成する工程とを有し、
前記樹脂硬化物及び前記未硬化樹脂組成物の少なくとも一方は導電性フィラーを含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂成形体の製造方法。
(請求項5)熱伝導性フィラー及び導電性フィラーの少なくとも一方を含有した未硬化の棒状樹脂成型物を成形し、それらの複数本を集結して連通した中空部を形成する工程と、
次いで、前記棒状樹脂成型物の硬化後又は硬化前に、少なくとも一つの前記中空部の一部又は全部に未硬化の樹脂組成物を充填し、硬化させた後、切断する工程とを有し、
前記棒状樹脂成型物及び前記未硬化の樹脂組成物の少なくとも一方は導電性フィラーを含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂成形体の製造方法。
(請求項6)棒状樹脂成型物の断面積が0.5〜300mm2、硬化物の切断幅が0.05〜5mmであることを特徴とする請求項5記載の樹脂成形体の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳しく本発明について説明する。
【0009】
本発明の樹脂成形体は、熱伝導性及び導電性の少なくとも一方を有する骨格部と、該骨格部の一部又は全部と一体的に形成された導電性及び熱伝導性の少なくとも一方を有する樹脂部とから構成されている。具体的には、表1に示された組合せである。中でも、態様トが好ましい。
【0010】
【表1】
【0011】
ここで、「熱伝導性」とは、熱伝導性フィラーを樹脂に配合して付与された特性であり、また「導電性」とは、導電性フィラーを樹脂に配合して付与された特性である。
【0012】
本発明で重要なことは、上記いずれの態様においても、骨格部と樹脂部との熱伝導率の差が1W/mK以上、好ましくは2W/mK以上であり、しかも骨格部及び樹脂部の少なくとも一方(以下、「骨格部及び/又は樹脂部」ともいう。)の体積抵抗率が1MΩ・cm以下(0は含まず)、好ましくは1KΩ・cm以下(0は含まず)とすることである。
【0013】
骨格部及び/又は樹脂部の高熱伝導側の熱伝導率としては、2W/mK以上、特に3W/mK以上が好ましい。2W/mK未満では、本発明の用途が電子部品の放熱部材等である場合、発熱性電子部品からの放熱を十分に行うことができなくなる。
【0014】
また、骨格部及び/又は樹脂部の低熱伝導側の熱伝導率としては、1W/mK以下、特に0.8W/mK以下が好ましい。1W/mKをこえると、熱伝導性フィラーの充填量が多くなり、本発明の用途が電子部品の放熱部材等である場合、発熱性電子部品への負荷が大きくなる。従って、本発明においては、骨格部と樹脂部の熱伝導率が上記値において、両者の差が1W/mK以上であることが特に好ましい。
【0015】
一方、骨格部及び/又は樹脂部の体積抵抗率が1MΩ・cmをこえると、静電気の発生を抑える効果は少なくなる。本発明においては、骨格部と樹脂部の体積抵抗率には、差を設けてもよく、また差を設けなくてもよいが、好ましくは骨格部と樹脂部とを同じ体積抵抗率にすることである。
【0016】
本発明のように、骨格部と樹脂部とを異なる熱伝導率で構成した理由は、熱伝導性フィラー充填量の多くした樹脂によって高熱伝導率を、また、熱伝導性フィラーを含有させないか又は少なく含有させた樹脂によって高柔軟性を負担させるためである。
【0017】
本発明の樹脂成形体の骨格部と樹脂部を構成する樹脂としては、特に制限はなく、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ブチル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等をあげることができるが、柔軟性及び耐熱性の面からシリコーン樹脂が適している。
【0018】
シリコーン原料は、付加反応型液状シリコーンゴム、過酸化物を用いる熱加硫型ミラブルタイプのシリコーンゴム等が使用されるが、電子部品の放熱部材では、発熱電子部品の発熱面とヒートシンク面との密着性が要求されるため、付加反応型液状シリコーンゴムが望ましい。その具体例としては、一分子中にビニル基とH−Si基の両方を有する一液性のシリコーンや、末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンとの二液性のシリコーンなどがあり、市販品としては、東レダウコーニング社製、商品名「SE−1885」等がある。シリコーン硬化物の柔軟性は、シリコーンの架橋密度や熱伝導性フィラーの充填量によって調整することができる。
【0019】
本発明で使用される熱伝導性フィラーは、アスペクト比が2以上の形状を有するものが好ましく、それを単独又は他の熱伝導性フィラーと混合して使用する。アスペクト比が2以上の熱伝導性フィラーとしては、窒化硼素、鱗片状アルミナ等の鱗片状セラミックス粉末等が使用され、形状は、破砕形状、繊維状、針状、鱗片状などいずれでもよく、また粒度は、平均粒径1〜100μm程度のものが使用される。
【0020】
アスペクト比2以上の熱伝導性フィラーの特に好適な例は、窒化硼素であり、それは粗製窒化硼素粉末をアルカリ金属又はアルカリ土類金属のほう酸塩の存在下、窒素雰囲気中、2000℃×3〜7時間加熱処理してBN結晶を十分に発達させ、粉砕後、必要に応じて硝酸等の強酸によって精製することによって製造することができる。
【0021】
アスペクト比2以上の熱伝導性フィラーの厚み(c軸方向)としては、0.1μm以上であることが好ましく、0.1μmを未満では、樹脂に分散させる際に粒子が破壊する恐れがある。また、アスペクト比はできるだけ大きい方が熱伝導性を向上させる点で好ましく、10以上が特に好ましい。
【0022】
アスペクト比2以上の熱伝導性フィラーと併用されることのある熱伝導性フィラーとしては、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、マグネシア等のセラミックス粉末をあげることができ、その形状は、破砕形状、球状などいずれでもよく、また粒度は、平均粒径1〜100μm程度が好ましい。
【0023】
一方、本発明で使用される導電性フィラーとしては、アルミニウム、銅、銀、金等の金属粉末や、炭化珪素粉末、炭素粉末等が使用され、形状は、破砕形状、繊維状、針状、鱗片状などいずれでもよく、また粒度は、平均粒径1〜100μm程度のものが使用される。
【0024】
本発明の樹脂成形体において、骨格部と樹脂部の熱伝導率と体積抵抗率の調整は、熱伝導性フィラーの含有量ないしはその配向度と、導電性フィラーの含有量を変えることによって行うことができる。
【0025】
例えば、熱伝導性フィラーの充填量については、熱伝導率を1W/mK以上に高める側、例えば骨格部(又は樹脂部、又は骨格部と樹脂部の両方)の熱伝導性フィラーの含有量を35〜70体積%、特に40〜55体積%とし、これよりも著しく充填量を少なくした、場合によっては全く充填しない樹脂組成物を用いて、その骨格部に対応する樹脂部(又は骨格部、又は樹脂部と骨格部の両方)を形成させる。熱伝導性フィラーの含有量が35体積%未満では、樹脂成形体に十分な熱伝導性を付与することができず、70体積%をこえると機械的強度が低下する。
【0026】
一方、導電性フィラーの充填量は、柔軟性を確保するためにできるだけ少ない方がよく、静電気の発生防止に必要な最低量を充填するのが望ましい。具体的には、体積抵抗率を1MΩ・cm以下にする側、例えば骨格部(又は樹脂部、又は骨格部と樹脂部の両方)の導電性フィラーの含有量を10〜40体積%とし、これよりも著しく充填量を少なくした、場合によっては全く充填しない樹脂組成物を用いて、その骨格部に対応する樹脂部(又は骨格部、又は樹脂部と骨格部の両方)を形成させる。
【0027】
次に、本発明の樹脂成形体における骨格部と樹脂部の構成比率と断面形状について説明する。
【0028】
骨格部又は樹脂部の構成比率については、本発明の樹脂成形体の断面積比で50〜98%であることが好ましい。骨格部の構成比率が大きくてもよいし、樹脂部の構成比率が大きいものであってもよい。
【0029】
骨格部の断面形状は、通常は網目構造の網の部分であり、その断面積占有率が上記した骨格部の構成比率となる。これに対し、樹脂部(すなわち網目の目の部分であり、樹脂が充填される部分)の断面形状は、菱形(図1参照)、三角形、四角形(図4参照)、六角形、格子状、台形等の多角形、円形(図5参照)、楕円形、波形、同心円形、放射形、渦巻形など種々の形状が可能である。
【0030】
本発明の樹脂成形体の形状については制約はなく、用途に応じて適切な形状が選択される。シート状ないしは矩形状のものは、熱伝導性シートや高柔軟性放熱スペーサー等の電子部品の放熱部材として使用される。
【0031】
本発明の電子部品の放熱部材は、上記樹脂成形体からなり、アスカC硬度が50以下であることが特徴である。アスカC硬度が50をこえると、柔軟性が不十分となり、発熱性電子部品のへの負荷が大きくなり、破損等が生じる場合がある。硬度の調整は、樹脂の硬化度合、熱伝導性フィラー及び導電性フィラーの少なくとも一方の充填量等を変えることによって行うことができる。
【0032】
次に、本発明の樹脂成形体の製造方法について説明する。
【0033】
まず、本発明の第1の製造方法を上記表1の態様イを例にとって説明すると、骨格部と中空部からなるコア材を作製するための混合原料を調製する。態様イにおいては、骨格部は熱伝導性フィラーを含有した樹脂硬化物で構成されるので、それには液状シリコーン30〜80体積%、熱伝導性フィラー70〜20体積%からなる混合原料を調製することが好ましい。この混合原料には、骨格部を導電性とするために導電性フィラーを混合することもできるし(その場合は、態様ホ、へ又はトとなる)、また難燃化剤、硬化調整剤等の改質剤を常法に従い混合することもできる。
【0034】
次いで、コア材の少なくとも一つの中空部内の一部又は全部に、導電性フィラーを含有した未硬化樹脂組成物を充填した後、硬化させて樹脂部を形成させる。通常は、全ての中空部内の全部に未硬化樹脂組成物が充填される。未硬化樹脂組成物中の導電性フィラーの含有量は、10〜40体積%が好ましい。未硬化樹脂組成には、樹脂部を熱伝導性とするために熱伝導性フィラーを混合することもできるし(態様ロとなる)、また難燃化剤、硬化調整剤等の改質剤を常法に従い混合することもできる。
【0035】
上記コア材形成用混合原料、又は中空部充填用の未硬化樹脂組成物の調合は、ロールミル、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いて行うことができ、また硬化は、遠赤外炉、熱風炉等を用いて行われる。
【0036】
次に、本発明の第2の製造方法を、同様に態様イを例にとって説明する。
【0037】
まず、上記で調製されたコア材形成用混合原料を、例えば複数穴を有するダイスより押し出して未硬化の棒状樹脂成型物を成形し、それらの複数本を集結してコア材の骨格部と連通した中空部を形成する。未硬化棒状樹脂成型物の一本の断面積(ダイスの穴径に相当)は、0.5〜300mm2 とすることが好ましく、これによって、熱伝導性フィラーが窒化硼素のように鱗片粒子であっても、混合原料がダイスの狭い流路を通過する際に鱗片粒子を一定方向に配向させることが容易となり、樹脂成形体の厚み方向への熱伝導率を著しく向上させることができる。
【0038】
次に、上記棒状樹脂成型物を硬化させてから又は硬化させる前に、少なくとも一つの中空部内部の全部又は一部に、通常は全ての中空部内の全部に、上記で調製された未硬化樹脂組成物を充填する。充填にあたっては、コア材は予め硬化させたものであってもよい。また、未硬化の棒状樹脂成型物を集結してコア材を成形するかわりに、硬化した棒状樹脂成型物を集結してコア材を形成してもよい。
【0039】
その後、中空部に充填された未硬化樹脂組成物を硬化させ、所望長さに切断することによって、本発明の樹脂成形体が製造される。切断幅としては、0.05〜5mm、特に0.2〜2mmが好ましい。
【0040】
【実施例】
以下、実施例と比較例をあげて更に具体的に本発明を説明する。
【0041】
使用原料
(1)二液性付加反応型液状シリコーンゴム(東レダウコーニング社製、商品名「SE−1885」 A液:ビニル基を有するオルガノポリシロキサン、B液:H−Si基を有するオルガノポリシロキサン)
(2)窒化ホウ素粉(電気化学工業社製、商品名「デンカボロンナイトライド」 平均粒子径15μm、平均粒子厚み1μm)
(3)カーボン粉(中越黒鉛工業所製、商品名「BF5A」)
(4)アルミニウム粉(東洋アルミニウム社製、商品名「AC−2500」)
(5)アルミナ粉(昭和電工社製、商品名「AS−40」 平均粒子径14μm)
(6)シリコーンゴム用難燃付与剤(白金含有イソプロピルアルコール)
【0042】
実施例1〜7
表2に示される骨格部の割合で原料を混合してから少量のシリコーンゴム用難燃付与剤を添加して、コア材成形用の熱伝導性コンパウンドを調製した。
【0043】
次いで、直径3mmの穴が縦に34列、横に34列設けられたダイスから、上記熱伝導性コンパウンドを押し出して未硬化の棒状シリコーン成型物を成形し、それらの全てを自重と側面ロールによって集結(集結体の平面形状は100×100mm程度である)しながら、150℃の遠赤外乾燥炉を5分間通過させて加硫硬化させ、断面積比が中空部約20%、骨格部約80%からなるコア材を成形した。中空部の平面形状は各辺が湾曲した菱形ないしは三角形であり、その数は約1024であった。
【0044】
次に、コア材をフッ素樹脂製の型枠に入れ、コア材の全ての中空部の内部の全部に、表2に示される樹脂部の割合で混合されたスラリ−を流し込み、真空で5分間処理した後、熱風乾燥機で120℃、5時間加硫硬化させ、樹脂部を形成させた。その後、これを型枠から取り出して厚み1mmに切断し、図1に示す形状を有し、表1に示される態様イ〜トの樹脂成形体をそれぞれ製造した。
【0045】
比較例1〜6
表3に示される混合原料を、押し出し口が平面形状であるダイスから押し出して、平板形状の未硬化シリコーン成形物を成形し、それを硬化させて樹脂成形体を製造した。
【0046】
上記で得られた樹脂成形体について、アスカC硬度、及び骨格部と樹脂部のそれぞれにおける、厚み方向の熱伝導率、体積抵抗率及び構成比率を測定した。それらの結果を表2(実施例1〜7)、表3(比較例1〜6)に示す。
【0047】
(1)熱伝導率
シリコーン成形体をTO−3形状に切断し、これをTO−3型の銅製ヒーターケースと銅板との間にはさみ、締付けトルク5kgf−cmにてセットした後、銅製ヒーターケースに電力15Wをかけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板との温度差を測定し、次式により算出した。
【0048】
熱抵抗(℃/W・mm)={温度差(℃)/電力(W)}/シート厚(mm)
【0049】
熱伝導率(W/mK)=シート厚み(mm)/{熱抵抗(℃/W・mm)×測定面積(mm2)}
【0050】
(2)体積抵抗率
熱伝導性成形体の体積抵抗率をJIS C 2123に順じ測定した。
【0051】
(3)骨格部と樹脂部の構成比率
樹脂成形体の断面積当たりの骨格部と樹脂部の占有面積率を顕微鏡で測定した。
【0052】
(4)アスカC硬度
樹脂成形体を10mm厚に切断し、アスカC硬度計で測定した。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
表2、表3より、実施例の樹脂成形体は、比較例に比べて、熱伝導性が大幅に向上しており、しかも導電性であることがわかる。
【0056】
次に、実施例で製造された本発明の樹脂成形体を適宜形状に切断して放熱部材となし、ボールグッリドアレイ式のSRAMとヒートシンクの間に荷重をかけて介在させたところ良く密着し、作動時の温度上昇の少ない高信頼性の電子機器をつくることができた。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、高柔軟性、高熱伝導性かつ導電性の樹脂成形体が提供される。本発明の樹脂成形体は、電子部品の放熱部材として好適なものである。また、本発明の製造方法によれば、高柔軟性、高熱伝導性かつ導電性の樹脂成形体を生産性良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂成形体の斜視図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】従来の熱伝導性シートの厚み方向における断面図
【図4】本発明の樹脂成形体の平面図
【図5】本発明の樹脂成形体の平面図
【符号の説明】
1 樹脂成形体
2 骨格部
3 樹脂部
4 熱伝導性フィラー
5 導電性フィラー
6 樹脂
Claims (6)
- 樹脂で構成された骨格部と、該骨格部の一部又は全部と一体的に形成された樹脂部からなり、骨格部と樹脂部との熱伝導率の差が1W/mK以上で、骨格部及び樹脂部の少なくとも一方の体積抵抗率が1MΩ・cm以下(0は含まず)であることを特徴とする樹脂成形体。
- 骨格部又は樹脂部の割合が、断面積比で50〜98%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形体。
- 請求項2記載の樹脂成形体からなり、アスカC硬度が50以下であることを特徴とする電子部品の放熱部材。
- 熱伝導性フィラー及び導電性フィラーの少なくとも一方を含有した樹脂硬化物を用いて、骨格部と連通した中空部からなるコア材を作製する工程と、
前記コア材の少なくとも一つの前記中空部内の一部又は全部に未硬化樹脂組成物を充填した後、硬化させて樹脂部を形成する工程とを有し、
前記樹脂硬化物及び前記未硬化樹脂組成物の少なくとも一方は導電性フィラーを含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂成形体の製造方法。 - 熱伝導性フィラー及び導電性フィラーの少なくとも一方を含有した未硬化の棒状樹脂成型物を成形し、それらの複数本を集結して連通した中空部を形成する工程と、
次いで、前記棒状樹脂成型物の硬化後又は硬化前に、少なくとも一つの前記中空部の一部又は全部に未硬化の樹脂組成物を充填し、硬化させた後、切断する工程とを有し、
前記棒状樹脂成型物及び前記未硬化の樹脂組成物の少なくとも一方は導電性フィラーを含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂成形体の製造方法。 - 棒状樹脂成型物の断面積が0.5〜300mm2、硬化物の切断幅が0.05〜5mmであることを特徴とする請求項5記載の樹脂成形体の製造方法。
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