JP3092699B2 - 放熱スペーサーとその用途およびシリコーン組成物 - Google Patents

放熱スペーサーとその用途およびシリコーン組成物

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博昭 澤
正人 西川
幹敏 佐藤
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  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高柔軟性を有し電
子機器に組み込んだ時の発熱体への負荷を小さくする放
熱スペーサー、それを用いたヒートシンク、放熱スペー
サー部材および電子機器、およびシリコーン組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ、サイリスタ等の発熱性電
子部品においては、使用時に熱を発生するが、その熱を
除去するのが重要な問題となつている。従来、その発生
した熱を除去する方法としては、発熱性電子部品を電気
絶縁性の熱伝導性シートを介して放熱フィンや金属板に
取り付けて熱を除去することが一般的であった。この様
な熱伝導性シートとしては主にシリコーンゴムに熱伝導
性フィラーが充填された放熱シートが使用されている。
【0003】一方、最近の電子機器の高密度化に伴い、
放熱フィン等を取り付けるスペースがない場合や電子機
器が密閉されていてその内部にある放熱フィンから外部
への放熱が困難な場合等では、発熱性電子部品から発生
した熱を電子機器のケース等に直接伝熱する方式が取ら
れる場合がある。この伝熱を行うために、発熱性電子部
品とケースの間のスペースを埋めるだけの厚みを有した
高柔軟性放熱スペーサーが用いられることがある。
【0004】また、IC化やLSI化された発熱性電子
部品がプリント基板に実装されている場合の放熱に於い
ても、プリント基板と放熱フィンとの間に高柔軟性放熱
スペーサーが用いられることもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
一般に使用されている放熱シートはショアー硬度が90
以上と硬いために形状追従性が悪く、発熱性電子部品に
密着させるのに押圧すると応力に弱い発熱性電子部品が
破損する問題があった。
【0006】そこで、放熱シートよりも柔軟な放熱スペ
ーサーが開発されているが、それでも放熱スペーサーと
接触する発熱性電子部品が極めて応力に弱い場合には、
発熱性電子部品に密着させると負荷がかかり損傷する問
題が解消されていない。
【0007】電子機器が高密度化され、従来に増して形
状追従性が要求されている今日、更なる高柔軟性を付与
した放熱スペーサーが求められている。しかしながら、
一般に放熱スペーサーにこのような材料設計を行うと、
その表面は高い粘着性を伴う。この粘着性は、材料自身
を仮止めするのには有効であるが、作業性を悪くするば
かりか、大気中の塵、ホコリを材料の表面に付着させ、
熱伝導性を低下させる原因となる。
【0008】本発明は上記に鑑みてなされたものであ
り、高柔軟性かつ高熱伝導性を有し、更には粘着抑制処
理の施されてなる取り扱いに優れた放熱スペーサー、お
よびそれを用いたヒートシンク、放熱スペーサー部材、
電子機器ならびにシリコーン組成物を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、熱
伝導性フィラーを含有してなるシリコーン固化物からな
り、荷重30g/cm2 をかけた時の圧縮率が10%以
上及び熱伝導率が0.8W/m・K以上であることを特
徴とする放熱スペーサーであり、さらには少なくとも一
部の表面を粘着抑制処理してなることを特徴とする放熱
スペーサーである。
【0010】また、本発明は、金属板の片面または両面
に上記の放熱スペーサーの1個または2個以上が積層さ
れてなることを特徴とするヒートシンクである。また、
本発明は、包装材に上記の放熱スペーサーが配列されて
なることを特徴とする放熱スペーサー部材である。ま
た、本発明は、発熱性電子部品の搭載された回路基板と
放熱部材との間に上記の放熱スペーサーが装着されてな
ることを特徴とする電子機器である。
【0011】さらに、本発明は、2液付加反応型シリコ
ーン55〜95体積%、熱伝導性フィラー5〜45体積
%よりなり、固化物が荷重30g/cmをかけた時の
圧縮率が10%以上及び熱伝導率が0.8W/m・K以
上となることを特徴とするシリコーン組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明につい
て説明する。本発明の放熱スペーサーは、熱伝導性フィ
ラーを含有してなるシリコーン固化物からなり、荷重3
0g/cm2 をかけた時の圧縮率が10%以上及び熱伝
導率が0.8W/m・K以上であることを特徴とする。
【0013】本発明のシリコーン固化物は高柔軟性を有
するものであり、その具体例として付加反応型シリコー
ンの固化物が挙げられる。この付加反応型シリコーンの
具体例としては、一分子中にビニル基とH−Si基の両
方を有する一液性のシリコーン、または末端あるいは側
鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと末端あ
るいは側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポ
リシロキサンとの二液性のシリコーンなどをあげること
ができる。このような付加反応型シリコーンの市販品と
しては、例えば東レダウコーニング社製、商品名「CY
52−283A/B」等を例示することができる。シリ
コーン固化物の柔軟性は、付加反応によって形成される
架橋密度またはシリコーン固化物に含有せしめる熱伝導
性フィラーの量によって調整することができる。
【0014】本発明の放熱スペーサーに含有されるシリ
コーンの含有量は熱伝導性フィラーの種類により異なる
が、放熱スペーサー中に55〜95体積%、好ましくは
60〜90体積%、さらに好ましくは65〜80体積%
であることが望ましい。55体積%未満では放熱スペー
サーの柔軟性が十分でなく、また95体積%を越えると
熱伝導性が低くなり、また粘着性が高すぎて取り扱いが
悪くなるので好ましくない。
【0015】本発明で使用される熱伝導性フィラーは、
放熱スペーサーに熱伝導性を付与するものであり、その
熱伝導性は熱伝導性フィラーの種類と含有量によって調
節される。熱伝導性フィラーとしては、例えば絶縁性が
必要な場合は窒化硼素(以下BNと記す)、窒化珪素、
窒化アルミニウム、アルミナ、マグネシア、又絶縁性を
問わない場合はアルミニウム、銅、銀、金、炭化珪素等
から選ばれた一種または二種以上が使用される。
【0016】熱伝導性フィラーの形状は球状、粉状、繊
維状、針状、鱗片状などの如何なるものでも良い。粒度
は平均粒径1〜100μm程度である。
【0017】熱伝導性フィラーの含有量は、熱伝導性フ
ィラーの種類により異なるが、放熱スペーサー中に5〜
45体積%、好ましくは10〜40体積%、さらに好ま
しくは20〜35体積%であることが望ましい。5体積
%未満では熱伝導性が十分でなく、また45体積%を越
えると放熱スペーサーとしての柔軟性が失われるので好
ましくない。
【0018】又、本発明に最適な熱伝導性フィラーとし
ては、熱伝導性の面からはBNを多く充填した方が同じ
充填率では高い熱伝導性を得られるために好ましいが、
硬度の面からはアルミナ又はマグネシアを充填させた方
が同じ充填率では柔らかいシリコーン固化物を得ること
ができるため、1種よりも2種のフィラーを混合した方
が特に好ましい。その最適な配合比としては、BN対ア
ルミナ又はマグネシアの混合比を体積比で1対0.5〜
12、特に1対2〜9とすることが望ましい。
【0019】本発明の放熱スペーサーの熱伝導率は0.
8W/m・K以上、特に1.5W/m・K以上であるこ
とが好ましい。
【0020】本発明の放熱スペーサーを製造する方法の
一例を示すと、一液性のシリコーン、または末端あるい
は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと末
端あるいは側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガ
ノポリシロキサンとの二液性のシリコーンに、熱伝導性
フィラーを混合してスラリーを調整した後、それをフッ
素樹脂などからなる型に流し込み、真空乾燥機に入れ、
室温で脱泡後、加熱してシリコーンを固化させ、冷却
後、型より外して放熱スペーサーを製造する方法をあげ
ることができる。なお、必要に応じて、型より外した
後、さらに加熱処理を行なってもよい。
【0021】上記製造方法において、その成形方法は特
に制限されないが、シリコーンと熱伝導性フィラーを含
有するスラリーの流し込みによって製造する場合は、ス
ラリー粘度は2万cps以下の低粘度であることが望ま
しい。また、押出し法で製造する場合にはスラリー粘度
は10万cps以上の粘度であることが望ましい。増粘
に際しては、シリカ超微粉(例えばアエロジル:日本ア
エロジル社製)や十〜数百μmのシリコーンパウダー等
を使用することができる。
【0022】本発明の放熱スペーサーをシート状にした
場合には、厚みとしては、一般的には0.5〜20mm
で、好ましくは1〜6mmである。また、その平面ない
しは断面の形状は、特に制限はなく如何なるものでもよ
いが、例えば三角形、四角形、五角形等の多角形、円
形、楕円形等が挙げられる。また、その表面が球面状の
ものなどでもよい。
【0023】本発明における圧縮率とは、放熱スペーサ
ーに所定の荷重をかけた時の加圧方向への変形率を言
う。
【0024】本発明の放熱スペーサーは、荷重30g/
cm2 をかけた時の圧縮率が10%以上、好ましくは1
5〜50%、さらに好ましくは20〜40%であり、荷
重を除くと元の形状に戻るという極めて柔軟性の高いか
つ弾性を有するものであってマシュマロ的な感触を有す
るものである。このような放熱スペーサーを、応力に対
して非常に弱い発熱性電子部品に押しつけても発熱性電
子部品が損傷する危険性が極めて小さくなる。また、発
熱性電子部品が密集している場合にも形状追従性を十分
に満足することができる。
【0025】また、本発明の放熱スペーサーは、上記シ
リコーン固化物の少なくとも一部の表面が粘着抑制処理
の施されていることが実使用の点からも望ましい。粘着
抑制処理の方法としては、例えばセラミックス粉の打粉
法、活性物質の塗布・硬化法、および紫外線照射法など
をあげることができる。
【0026】セラミックス粉の打粉法に用いられるセラ
ミックス粉としては、上記した熱伝導性フィラーの超微
粉、タルク等が好適であり、それらのセラミックス粉を
シリコーン固化物の表面に打粉して粘着抑制処理を行
う。
【0027】また、活性物質を塗布・硬化させて粘着抑
制被膜を形成する方法としては、例えばシリコーン固化
物の表面に有機過酸化物、イソシアネート、白金系触媒
含有ポリオルガノシロキサン、オルガノシランなどの活
性物質を塗布し、加熱硬化させる方法があげられる。
【0028】また、紫外線照射法により粘着抑制被膜を
形成する方法としては、特に制限はないが、例えば短波
長紫外線を至近距離から照射する方法が挙げられる。
【0029】本発明の放熱スペーサーの粘着抑制処理さ
れる箇所は、熱伝導性フィラーを含有するシリコーン固
化物の少なくとも一部の表面であり、例えば取り扱いの
際に指と接触する部分であることが好ましい。具体的に
は、シリコーン固化物の表面の少なくとも2面であり、
例えば上面と側面、側面同士等である。この場合におい
ては、各々の面は全面または一部の面に粘着抑制処理を
施したものでもよい。
【0030】本発明の放熱スペーサーは、表面の粘着
性、ベタツキを抑えることができ、取り扱いが容易にな
り作業能率が向上する。
【0031】さらに、本発明は、包装材に上記の放熱ス
ペーサーを配列して放熱スペーサー部材としたものであ
る。本発明の放熱スペーサー部材においては、放熱スペ
ーサーと包装材との当接面以外の部分はその粘着性が実
用上問題ない程度に抑制されているために、輸送や保存
によってゴミが付着するのを防止できる。また、放熱ス
ペーサーの柔らかさ、伸び易さによる取り扱いの不都合
を除くことができる。
【0032】本発明で使用される包装材としては、プラ
スチックまたは金属のトレイ、ないしは紙またはプラス
チックのキャリヤーテープが好適である。包装材は離型
性を有するものはそのまま使用することができるが、離
型性がない場合には、離型剤を塗布して使用することが
できる。これにより包装材から簡単に剥れるので、放熱
スペーサーの貼付作業の際の能率を大幅に向上させるこ
とができる。
【0033】なお、上記包装材に配列される放熱スペー
サーは粘着性を有しているために、粘着剤を使用するこ
となく容易に配列させることができる。
【0034】次に、本発明は、金属板の片面または両面
に上記の放熱スペーサーの1個または2個以上を積層し
てヒートシンクとしたものである。
【0035】放熱スペーサーの積層状態は特に制限はな
く使用目的により自由に選択することができるが、例え
ば大きさの異なるまたは同一の1個または2個以上の放
熱スペーサーを金属板の表面または裏面の一部または全
部に配置して積層することができる。また、金属板の4
辺のうち3辺の縁面に沿ってコ字状に、複数個の放熱ス
ペーサーを等間隔または任意の間隔で積層することもで
きる。
【0036】金属板としては、如何なるものでもよい
が、例えばアミニウム、銅、鉄、ステンレス、ホーロー
等が挙げられるが、特にアルミニウムが好適である。金
属板の厚みは0.3〜6mmのものが好ましい。
【0037】このような本発明のヒートシンクは、その
放熱スペーサーの金属との当接面以外の表面が粘着抑制
処理されているので取り扱い性がよく、発熱性電子部品
が搭載された回路基板に直接取り付けて使用することが
できる。
【0038】本発明の電子機器は、発熱性電子部品の搭
載された回路基板と放熱部材との間に上記の放熱スペー
サーが装着されてなるものである。
【0039】放熱部材としては、例えばヒートシンク、
放熱フィン、または金属、セラミックス、プラスチック
のケース等が挙げられる。そのセラミックスの例として
は、窒化アルミニウム、BN、炭化珪素、アルミナ、窒
化珪素等が挙げられ、プラスチックとしては、ポリ塩化
ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ABS樹脂等であ
る。
【0040】電子機器の種類としては、例えばコンピュ
ータ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、CD−
Rドライブ、携帯電話等である。
【0041】さらには、本発明のシリコーン組成物は、
この様な主に電子部品の放熱用スペーサー用途以外に、
対象物にできるだけ応力をかけずに加熱したい場合の緩
衝物や、2つの対象物を等温にさせる為に両者を直接接
触させたいが、応力や振動による影響を避ける場合の緩
衝材として使用することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例、比較例をあげてさらに具体的
に本発明を説明する。
【0043】実施例1〜8 A液(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン)とB
液(H−Si基を有するオルガノポリシロキサン)の2
液性の付加反応型シリコーン(東レダウコーニング社
製、商品名「CY52−283」)をA液対B液の混合
比を表1に示す配合(体積%)で混合し、これに平均粒
子径17μmのアルミナ粉(昭和電工社製、商品名「A
S−30」)、平均粒子径15μmのBN粉(電気化学
工業社製、商品名「デンカボロンナイトライド」)およ
び平均粒子径18μmのマグネシア粉(協和化学工業社
製、商品名「パイロキスマ3320K」)を表1に示す
割合(体積%)で混合してスラリー(粘度:約8000
cps)を調整した後、それをフッ素樹脂製型(5mm
×50mm×50mm)に流し込んだ。
【0044】次いで、真空乾燥機に入れ、室温で脱泡
後、150℃で1時間加熱し、シリコーンを固化させて
から型より取り外し、さらに150℃で24時間加熱し
てシリコーン固化物(1〜5mm×50mm×50m
m)からなる放熱スペーサーを得た。
【0045】粘着抑制処理としては、放熱スペーサーの
表面に以下の方法を施した。 (A)打粉法 放熱スペーサーの下面を除く全ての面に平均粒子径3μ
mのBN粉(電気化学工業社製、商品名「デンカボロン
ナイトライド」)を均一に打粉した。
【0046】(B)活性物質の塗布・硬化法 放熱スペーサーの片面に2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイドの鉱油溶液を塗布し、150℃で15分間
加熱して表面の粘着抑制処理を行った。
【0047】(C)紫外線照射法 放熱スペーサーの型表面に紫外線ランプから15cmの
距離で60秒間照射した。
【0048】比較例1 A液(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン)とB
液(H−Si基を有するオルガノポリシロキサン)の2
液性の付加反応型シリコーン(東レダウコーニング社
製、商品名「CY52−283」)をA液対B液の混合
比を50/50(体積%)で混合し、熱伝導性フィラー
を配合しないで、それ以外は、実施例1と同様にして放
熱スペーサーを製造した。
【0049】比較例2 A液(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン)とB
液(H−Si基を有するオルガノポリシロキサン)の2
液性の付加反応型シリコーン(東レダウコーニング社
製、商品名「CY52−283」)をA液対B液の混合
比を26/26(体積%)で混合し、熱伝導性フィラー
として、平均粒子径17μmのアルミナ粉(昭和電工社
製、商品名「AS−30」)を48体積%混合したこと
以外は、実施例1と同様にして放熱スペーサーを製造し
た。
【0050】試験方法 (1)圧縮率 放熱スペーサーの1/cm2の部分に、精密万能試験機
(島津製作所社製、商品名「オートグラフ」)により、
厚さ方向に30gの荷重をかけ、下記の(1)式により
算出した。
【0051】
【数1】
【0052】(2)熱伝導率 放熱スペーサーをTO−3型銅製ヒーターケースと銅板
との間にはさみ、トルクレンチにより締め付けトルク2
00g−cmを掛けてセットした後、銅製ヒーターケー
スに電力5Wをかけて4分間保持し、銅製ヒーターケー
スと銅板との温度差(℃)を測定し、下記の(2)式に
て熱抵抗(℃/W)を算出し、この熱抵抗値を用いて、
下記の(3)式にて熱伝導率(W/m・K)を算出し
た。
【0053】
【数2】
【0054】
【数3】
【0055】(3)粘着性 試料表面の粘着性を指蝕により判定した。 ○:指に粘着せず。 ×:指に粘着し、試料が持ち上がる。 以上の結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1の結果より、本発明の放熱スペーサー
は、荷重30g/cm2 をかけた時の圧縮率が15%〜
33%と極めて大きく高柔軟性であり、しかも熱伝導率
が0.8W/m・K以上と熱伝導性が良好である。また
表面を実用上問題ない程度に粘着抑制することもでき
る。
【0058】実施例9 実施例1および実施例6で得られた放熱スペーサー(5
mm×50mm×50mm)をアルミニウム板(3mm
×52mm×52mm)に積層してヒートシンクを作製
した。放熱スペーサーはアルミニウム板との当接面は粘
着性を有しているために、アルミニウム板には容易に粘
着して積層することができた。得られたヒートシンクは
発熱性電子部品の搭載された回路基板の放熱板として使
用することができた。また実施例1の放熱スペーサーは
表面が粘着抑制処理が施されているために指につかず取
り扱い性がよかった。
【0059】実施例10 実施例1および実施例6で得られた放熱スペーサー(5
mm×50mm×50mm)を幅60mmの帯状の離型
性を有するポリ四ふっ化エチレンフィルムに配列して放
熱スペーサー部材を得た。放熱スペーサーはフィルムか
ら簡単に剥がすことができ、取り扱いが便利であった。
また実施例1の放熱スペーサーは指蝕面が粘着抑制処理
が施されているために指に付かず取り扱い性がよかっ
た。
【0060】
【発明の効果】本発明の放熱スペーサーは熱伝導性と柔
軟性に極めて優れているため、発熱性電子部品の搭載さ
れた回路基板に押しつけてもほとんど応力がかからず、
また高密度化され発熱性電子部品の搭載された回路基板
にも良好な密着性を保った状態で放熱を行うことができ
る。また表面を粘着抑制処理を施したものは、高柔軟性
でしかも取り扱い性が良好となる。しかも放熱スペーサ
ーの表面に施される粘着抑制層を変えることにより、熱
伝導性および柔軟性を調整する効果も期待できる。
【0061】本発明のヒートシンクによれば、そのまま
発熱性電子部品の搭載された回路基板の放熱板として使
用することができる。
【0062】本発明の放熱スペーサー部材によれば、放
熱スペーサーの取り扱い性および作業性が向上する。
【0063】また、本発明の電子機器は、発熱性電子部
品の破損のない放熱性に優れたものである。
【0064】また、本発明のシリコーン組成物は、対象
物にできるだけ応力をかけずに加熱したい場合の緩衝物
や、2つの対象物を等温にさせる為に両者を直接接触さ
せたいが、応力や振動による影響を避ける場合の緩衝材
として使用することができる。
フロントページの続き (72)発明者 池田 和義 福岡県大牟田市新開町1 電気化学工業 株式会社 大牟田工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性フィラーを含有してなるシリコ
    ーン固化物からなり、荷重30g/cm2 をかけた時の
    圧縮率が10%以上及び熱伝導率が0.8W/m・K以
    上であることを特徴とする放熱スペーサー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放熱スペーサーの少なく
    とも一部の表面を粘着抑制処理してなることを特徴とす
    る放熱スペーサー。
  3. 【請求項3】 金属板の片面または両面に請求項1ある
    いは2記載の放熱スペーサーの1個または2個以上が積
    層されてなることを特徴とするヒートシンク。
  4. 【請求項4】 包装材に請求項1あるいは2記載の放熱
    スペーサーが配列されてなることを特徴とする放熱スペ
    ーサー部材。
  5. 【請求項5】 発熱性電子部品の搭載された回路基板と
    放熱部材との間に請求項1または2記載の放熱スペーサ
    ーが装着されてなることを特徴とする電子機器。
  6. 【請求項6】 2液付加反応型シリコーン55〜95体
    積%、熱伝導性フィラー5〜45体積%よりなり、固化
    物が荷重30g/cmをかけた時の圧縮率が10%以
    上及び熱伝導率が0.8W/m・K以上となることを特
    徴とするシリコーン組成物。
JP09122802A 1996-04-30 1997-04-28 放熱スペーサーとその用途およびシリコーン組成物 Expired - Fee Related JP3092699B2 (ja)

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