JP2002167560A - 熱伝導性樹脂シート - Google Patents
熱伝導性樹脂シートInfo
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- JP2002167560A JP2002167560A JP2000367406A JP2000367406A JP2002167560A JP 2002167560 A JP2002167560 A JP 2002167560A JP 2000367406 A JP2000367406 A JP 2000367406A JP 2000367406 A JP2000367406 A JP 2000367406A JP 2002167560 A JP2002167560 A JP 2002167560A
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- heat conductive
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い熱伝導性を有し、放熱対象部材や放熱材
に対する適用が容易である熱伝導性樹脂シートを得る。 【解決手段】 樹脂と熱伝導性充填材とを含む熱伝導性
樹脂組成物を用いて構成されており、少なくとも放熱対
象部材に接触される第1の領域が開口3aを有する補強
シート3と、補強シート3に積層されており開口3aを
閉成するように構成された上記熱伝導性樹脂組成物から
なる熱伝導性樹脂層とを備える熱伝導性樹脂シート。
に対する適用が容易である熱伝導性樹脂シートを得る。 【解決手段】 樹脂と熱伝導性充填材とを含む熱伝導性
樹脂組成物を用いて構成されており、少なくとも放熱対
象部材に接触される第1の領域が開口3aを有する補強
シート3と、補強シート3に積層されており開口3aを
閉成するように構成された上記熱伝導性樹脂組成物から
なる熱伝導性樹脂層とを備える熱伝導性樹脂シート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱対象部材から
熱を放散させるのに用いられる熱伝導性樹脂シートに関
し、例えばCPUのコア部等からの放熱に好適に用いる
ことができ、優れた熱伝導性及び柔軟性を有する熱伝導
性樹脂シートに関する。
熱を放散させるのに用いられる熱伝導性樹脂シートに関
し、例えばCPUのコア部等からの放熱に好適に用いる
ことができ、優れた熱伝導性及び柔軟性を有する熱伝導
性樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】柔軟性を備えた熱伝導性樹脂組成物は、
例えば、電気・電子部品等の発熱体と放熱フィン(ヒー
トシンク)との間に介在され、電気・電子部品からの発
熱を放熱させる用途に広く用いられている。電気・電子
部品に限らず、発熱体や放熱体の表面に密着させるた
め、この種の用途に用いられる熱伝導性樹脂組成物は柔
軟性を有することが求められている。
例えば、電気・電子部品等の発熱体と放熱フィン(ヒー
トシンク)との間に介在され、電気・電子部品からの発
熱を放熱させる用途に広く用いられている。電気・電子
部品に限らず、発熱体や放熱体の表面に密着させるた
め、この種の用途に用いられる熱伝導性樹脂組成物は柔
軟性を有することが求められている。
【0003】柔軟性を備えた熱伝導性樹脂組成物とし
て、窒化ホウ素、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミ等
の熱伝導性充填材をシリコーンゴムやシリコーングリー
スのような樹脂材料に添加してなる組成物が知られてい
る。(例えば、特開平9−302231号公報)。
て、窒化ホウ素、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミ等
の熱伝導性充填材をシリコーンゴムやシリコーングリー
スのような樹脂材料に添加してなる組成物が知られてい
る。(例えば、特開平9−302231号公報)。
【0004】近年、コンピューターの中央演算処理装置
(CPU)の性能向上が著しく、それに伴ってCPUの
発熱量も急激に増加している。従って、上記熱伝導性樹
脂組成物において、一層高い熱伝導性が求められてい
る。
(CPU)の性能向上が著しく、それに伴ってCPUの
発熱量も急激に増加している。従って、上記熱伝導性樹
脂組成物において、一層高い熱伝導性が求められてい
る。
【0005】特にCPUの放熱用途に限定されるわけで
はないが、放熱のために用いられる熱伝導性樹脂組成物
では、以下の機能を有することが求められている。 高い熱伝導性を示すこと。 柔軟であり、発熱体や放熱部材に密着し得ること。C
PUやヒートシンクに凹凸があったとしても、軽く圧力
を加えることにより、凹凸に入り込み密着し、断熱層と
なり得る空気層を少なくし、伝熱性が高められること。 薄いこと、あるいは軽い圧力で薄く伸ばされること。
すなわち、熱伝導性樹脂組成物からなる部材が薄いと、
伝熱に際しての抵抗が小さくなり好ましい。 取付時に定量の熱伝導性樹脂組成物を適用することが
容易であること。具体的には、熱伝導性樹脂組成物から
なるシート等に賦形することにより、一定量の熱伝導性
樹脂組成物を適用することができる。また、シート形状
等に賦形することにより、ピンセット等により容易に掴
むことができる。 微粘着性を有し、取付が容易であり、かつ位置決めが
容易であること。 従来この種の用途で用いられてる熱伝導性材料として
は、熱伝導グリース、熱伝導ゲル、熱伝導性シート(低
硬度タイプ)、熱伝導性シート(高熱伝導タイプ)等が
存在する。これらの熱伝導性部材の一般的な仕様は、下
記の表1に示す通りである。
はないが、放熱のために用いられる熱伝導性樹脂組成物
では、以下の機能を有することが求められている。 高い熱伝導性を示すこと。 柔軟であり、発熱体や放熱部材に密着し得ること。C
PUやヒートシンクに凹凸があったとしても、軽く圧力
を加えることにより、凹凸に入り込み密着し、断熱層と
なり得る空気層を少なくし、伝熱性が高められること。 薄いこと、あるいは軽い圧力で薄く伸ばされること。
すなわち、熱伝導性樹脂組成物からなる部材が薄いと、
伝熱に際しての抵抗が小さくなり好ましい。 取付時に定量の熱伝導性樹脂組成物を適用することが
容易であること。具体的には、熱伝導性樹脂組成物から
なるシート等に賦形することにより、一定量の熱伝導性
樹脂組成物を適用することができる。また、シート形状
等に賦形することにより、ピンセット等により容易に掴
むことができる。 微粘着性を有し、取付が容易であり、かつ位置決めが
容易であること。 従来この種の用途で用いられてる熱伝導性材料として
は、熱伝導グリース、熱伝導ゲル、熱伝導性シート(低
硬度タイプ)、熱伝導性シート(高熱伝導タイプ)等が
存在する。これらの熱伝導性部材の一般的な仕様は、下
記の表1に示す通りである。
【0006】
【表1】
【0007】熱伝導グリースや熱伝導ゲルは柔軟性が高
いので、放熱対象部材に対する密着性に優れている。ま
た、薄く適用し得るので、熱の伝わりやすい状態を容易
に実現することができる。さらに、粘稠性を有するの
で、取付時の脱落が生じ難い。しかしながら、流動性を
維持するため、熱伝導性充填材をあまり多く配合するこ
とができず、熱伝導グリースや熱伝導ゲルの熱伝導性自
体が低かった。また、その性状から特に熱伝導グリース
の場合、一定量を安定に適用することが困難であった。
いので、放熱対象部材に対する密着性に優れている。ま
た、薄く適用し得るので、熱の伝わりやすい状態を容易
に実現することができる。さらに、粘稠性を有するの
で、取付時の脱落が生じ難い。しかしながら、流動性を
維持するため、熱伝導性充填材をあまり多く配合するこ
とができず、熱伝導グリースや熱伝導ゲルの熱伝導性自
体が低かった。また、その性状から特に熱伝導グリース
の場合、一定量を安定に適用することが困難であった。
【0008】他方、高熱伝導タイプの熱伝導シートは、
熱伝導性自体は高いが、流動性に乏しい。また、使用時
の厚みが熱伝導性グリースや熱伝導ゲルに比べて厚くな
り、熱が伝わりにくく、高い熱伝導性を発揮し得ないこ
とが多い。
熱伝導性自体は高いが、流動性に乏しい。また、使用時
の厚みが熱伝導性グリースや熱伝導ゲルに比べて厚くな
り、熱が伝わりにくく、高い熱伝導性を発揮し得ないこ
とが多い。
【0009】低硬度タイプの熱伝導性シートは、熱伝導
グリース、熱伝導ゲル及び高熱伝導タイプの熱伝導シー
トの中間に位置する性能を有するが、いずれの性能にお
いても特に優れたものであるとはいえなかった。
グリース、熱伝導ゲル及び高熱伝導タイプの熱伝導シー
トの中間に位置する性能を有するが、いずれの性能にお
いても特に優れたものであるとはいえなかった。
【0010】熱伝導性シートは、取り扱いが容易である
ため、近年盛んに研究・開発されている。しかしなが
ら、使用時の厚みを薄くすることが困難であり、そのた
め、実際の熱伝達性を改善することが困難であった。そ
の結果、CPUに対しては、使い勝手が十分でない熱伝
導グリースや、電気絶縁性に問題のある金属シート等が
使われているのが現状である。
ため、近年盛んに研究・開発されている。しかしなが
ら、使用時の厚みを薄くすることが困難であり、そのた
め、実際の熱伝達性を改善することが困難であった。そ
の結果、CPUに対しては、使い勝手が十分でない熱伝
導グリースや、電気絶縁性に問題のある金属シート等が
使われているのが現状である。
【0011】また、高熱伝導タイプの熱伝導性シートで
は、表面に粘着材層を付与することにより、放熱対象部
材や放熱部材への適用が容易とされたものが提案されて
いる(例えば、特開平9−17923号公報等)。しか
しながら、層上に存在する粘着材層が熱の伝導を妨げ、
それによっても熱伝導性が十分に発現しないという問題
があった。
は、表面に粘着材層を付与することにより、放熱対象部
材や放熱部材への適用が容易とされたものが提案されて
いる(例えば、特開平9−17923号公報等)。しか
しながら、層上に存在する粘着材層が熱の伝導を妨げ、
それによっても熱伝導性が十分に発現しないという問題
があった。
【0012】また、熱伝導性シートがある程度の厚みを
有する構成とされているのは、薄すぎると破れやすく使
用に耐えないためである。そのため、熱伝導性シートに
ガラス繊維等の補強材を用いることにより、薄くかつ強
度を高めたものも提案されている(特開平7−1495
0号公報)。しかしながら、補強材の存在により、熱伝
導性シート全体が固くなり、例えば熱伝導性シートに貫
通孔を形成し、ネジ等により締着した場合、熱伝導性シ
ートがそれ以上薄くなり難かった。そのため、熱伝導グ
リースや熱伝導ゲルに比べて、やはり厚くならざるを得
なかった。
有する構成とされているのは、薄すぎると破れやすく使
用に耐えないためである。そのため、熱伝導性シートに
ガラス繊維等の補強材を用いることにより、薄くかつ強
度を高めたものも提案されている(特開平7−1495
0号公報)。しかしながら、補強材の存在により、熱伝
導性シート全体が固くなり、例えば熱伝導性シートに貫
通孔を形成し、ネジ等により締着した場合、熱伝導性シ
ートがそれ以上薄くなり難かった。そのため、熱伝導グ
リースや熱伝導ゲルに比べて、やはり厚くならざるを得
なかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の現状に鑑み、高い熱伝導性を有し、放熱対象部
材や放熱材に対する適用が容易である熱伝導性樹脂シー
トを提供することである。本願発明の他の目的は、高い
熱伝導性を有し、放熱対象部材や放熱部材への適用が容
易であるだけでなく、粘着性を有し、かつ粘着部材や伝
熱を妨げない、熱伝導性樹脂シートを提供することにあ
る。
来技術の現状に鑑み、高い熱伝導性を有し、放熱対象部
材や放熱材に対する適用が容易である熱伝導性樹脂シー
トを提供することである。本願発明の他の目的は、高い
熱伝導性を有し、放熱対象部材や放熱部材への適用が容
易であるだけでなく、粘着性を有し、かつ粘着部材や伝
熱を妨げない、熱伝導性樹脂シートを提供することにあ
る。
【0014】本発明のさらに他の目的は、高い熱伝導性
を有し、放熱対象部材や放熱部材への適用が容易である
だけでなく、柔軟であり、薄くすることができるだけで
なく、ネジによる締着に際して、さらに薄くすることが
でき、熱抵抗が小さいにも関わらず、破れ難い、熱伝導
性樹脂シートを提供することにある。
を有し、放熱対象部材や放熱部材への適用が容易である
だけでなく、柔軟であり、薄くすることができるだけで
なく、ネジによる締着に際して、さらに薄くすることが
でき、熱抵抗が小さいにも関わらず、破れ難い、熱伝導
性樹脂シートを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る熱伝導
性樹脂シートは、樹脂と、熱伝導性充填材とを含む熱伝
導性樹脂組成物からなり、少なくとも放熱対象部材に接
触される第1の領域を除いた第2の領域に粘着剤層が設
けられていることを特徴とする。
性樹脂シートは、樹脂と、熱伝導性充填材とを含む熱伝
導性樹脂組成物からなり、少なくとも放熱対象部材に接
触される第1の領域を除いた第2の領域に粘着剤層が設
けられていることを特徴とする。
【0016】第2の発明に係る熱伝導性樹脂シートは、
樹脂と、熱伝導性充填材とを含む熱伝導性樹脂組成物を
用いて構成されており、少なくとも放熱対象部材に接触
される第1の領域を除いた第2の領域が第1の領域に比
べ高強度とされており、第1の領域の熱伝導性樹が第2
の領域に比べて高くされていることを特徴とする。
樹脂と、熱伝導性充填材とを含む熱伝導性樹脂組成物を
用いて構成されており、少なくとも放熱対象部材に接触
される第1の領域を除いた第2の領域が第1の領域に比
べ高強度とされており、第1の領域の熱伝導性樹が第2
の領域に比べて高くされていることを特徴とする。
【0017】第2の発明の特定の局面では、前記第1の
領域に開口を有する補強シートと、前記補強シートに積
層されておりかつ前記開口を閉成するように構成された
熱伝導性樹脂層とを備え、前記第1の領域が前記熱伝導
性樹脂層により構成されており、前記第2の領域が前記
補強シート及び熱伝導性樹脂層により構成されている。
領域に開口を有する補強シートと、前記補強シートに積
層されておりかつ前記開口を閉成するように構成された
熱伝導性樹脂層とを備え、前記第1の領域が前記熱伝導
性樹脂層により構成されており、前記第2の領域が前記
補強シート及び熱伝導性樹脂層により構成されている。
【0018】第2の発明の他の特定の局面では、上記第
2の領域に粘着材層が形成され、該粘着材層を利用して
放熱対象部材に容易に適用することができ、かつ一定量
の熱伝導性樹脂シートを安定に適用することができる。
2の領域に粘着材層が形成され、該粘着材層を利用して
放熱対象部材に容易に適用することができ、かつ一定量
の熱伝導性樹脂シートを安定に適用することができる。
【0019】また、本発明(第1,第2の発明)に係る
熱伝導性樹脂シートは、様々な放熱対象部材からの放熱
用途に用いられるが、本発明の特定の局面では、CPU
のコア部からの放熱に用いられるように構成されてい
る。
熱伝導性樹脂シートは、様々な放熱対象部材からの放熱
用途に用いられるが、本発明の特定の局面では、CPU
のコア部からの放熱に用いられるように構成されてい
る。
【0020】以下、本発明の詳細を説明する。 (熱伝導性樹脂組成物)本発明に係る熱伝導性樹脂シー
トは、樹脂(A)と、高い熱伝導性を示す熱伝導性充填
材(B)とを必須成分として含む熱伝導性樹脂組成物を
用いて構成されている。
トは、樹脂(A)と、高い熱伝導性を示す熱伝導性充填
材(B)とを必須成分として含む熱伝導性樹脂組成物を
用いて構成されている。
【0021】上記樹脂(A)としては、特に限定され
ず、従来公知の様々な樹脂を用いることができる。上記
樹脂(A)は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいず
れであってもよい。
ず、従来公知の様々な樹脂を用いることができる。上記
樹脂(A)は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいず
れであってもよい。
【0022】上記樹脂(A)としては、例えば、シリコ
ーン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、
2重結合を有するモノマーを単独あるいは共重合させた
アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、
アクリロニトリル系樹脂、オレフィン系樹脂、天然ある
いは合成ゴム系樹脂等が例示される。これらは単独で用
いられてもよく、また、2種以上併用されてもよい。
ーン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、
2重結合を有するモノマーを単独あるいは共重合させた
アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、
アクリロニトリル系樹脂、オレフィン系樹脂、天然ある
いは合成ゴム系樹脂等が例示される。これらは単独で用
いられてもよく、また、2種以上併用されてもよい。
【0023】中でも、各種モノマーを自由に選択して、
強度、伸び、及び熱伝導性充填材の分散性等の良好な樹
脂組成を選択しやすいので、例えばアクリル系樹脂が好
ましい。
強度、伸び、及び熱伝導性充填材の分散性等の良好な樹
脂組成を選択しやすいので、例えばアクリル系樹脂が好
ましい。
【0024】上記樹脂(A)は、固体であっても液体で
あってもよく、形状は制限を受けないが、熱伝導性充填
材の混合に際しての温度における粘度が10cps〜1
0000cpsの範囲であるのが好ましい。粘度が10
cps未満であると充填材を充填させて混練・混合させ
る際に剪断力が伝わらず、充填材粒子同士が凝集した
り、ベース樹脂中に均一に分散せず混ざりにくくなるこ
とがあり、10000cpsを超えると、粘度が高くな
りすぎて、充填量を増やすにつれて分散せず混ざりにく
くなることがある。
あってもよく、形状は制限を受けないが、熱伝導性充填
材の混合に際しての温度における粘度が10cps〜1
0000cpsの範囲であるのが好ましい。粘度が10
cps未満であると充填材を充填させて混練・混合させ
る際に剪断力が伝わらず、充填材粒子同士が凝集した
り、ベース樹脂中に均一に分散せず混ざりにくくなるこ
とがあり、10000cpsを超えると、粘度が高くな
りすぎて、充填量を増やすにつれて分散せず混ざりにく
くなることがある。
【0025】上記樹脂(A)の粘度を10cps〜10
000cpsの範囲とするには、以下(1)から(3)
の方法のいずれか、あるいは複数を併せて実施し、低粘
度の状態で熱伝導性充填材(B)と混合することが好ま
しい。
000cpsの範囲とするには、以下(1)から(3)
の方法のいずれか、あるいは複数を併せて実施し、低粘
度の状態で熱伝導性充填材(B)と混合することが好ま
しい。
【0026】(1)加熱により、樹脂の粘度を低下させ
る方法。 (2)酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ト
ルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、メタノール、エタ
ノール、水等の揮発性の溶剤や、リン酸エステル類、フ
タル酸エステル類、脂肪酸一塩基酸エステル類、脂肪酸
二塩基酸エステル類、ポリエーテル類、液状炭化水素
類、クロロフルオロカーボン類、シリコンオイル等の可
塑剤等で希釈する方法。特に揮発性の溶剤や可塑剤を使
用し、混合後これらの溶剤を加熱等により除去すること
が、この場合、最も好ましい。ところで、樹脂(A)は
上記溶剤、可塑剤に溶解させた状態でもよく、また分散
させた状態でもよく、いずれの場合にも良好に使用でき
る。
る方法。 (2)酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ト
ルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、メタノール、エタ
ノール、水等の揮発性の溶剤や、リン酸エステル類、フ
タル酸エステル類、脂肪酸一塩基酸エステル類、脂肪酸
二塩基酸エステル類、ポリエーテル類、液状炭化水素
類、クロロフルオロカーボン類、シリコンオイル等の可
塑剤等で希釈する方法。特に揮発性の溶剤や可塑剤を使
用し、混合後これらの溶剤を加熱等により除去すること
が、この場合、最も好ましい。ところで、樹脂(A)は
上記溶剤、可塑剤に溶解させた状態でもよく、また分散
させた状態でもよく、いずれの場合にも良好に使用でき
る。
【0027】(3)樹脂(A)として単独で、あるいは
2種以上の互いに反応性を有した分子量約20000以
下の樹脂を使用し、熱伝導性の充填材(B)との混合時
は反応をほとんど進行させず、低粘度の分子量の低いま
まで、混合し、その後、反応を進行させる方法。この方
法が利用可能な樹脂としては、特に限定されないが、例
えば、ビニル基を有するモノマーやオリゴマー類からな
る樹脂;エポキシ基を有するモノマーやオリゴマー類
と、エポキシ基と反応可能な官能基を有するモノマーや
オリゴマー類からなるエポキシ樹脂;また、イソシアネ
ート基を有するモノマーやオリゴマー類と、イソシアネ
ート基と反応可能な官能基を有するモノマーやオリゴマ
ー類からなるウレタン樹脂;等が例示される。
2種以上の互いに反応性を有した分子量約20000以
下の樹脂を使用し、熱伝導性の充填材(B)との混合時
は反応をほとんど進行させず、低粘度の分子量の低いま
まで、混合し、その後、反応を進行させる方法。この方
法が利用可能な樹脂としては、特に限定されないが、例
えば、ビニル基を有するモノマーやオリゴマー類からな
る樹脂;エポキシ基を有するモノマーやオリゴマー類
と、エポキシ基と反応可能な官能基を有するモノマーや
オリゴマー類からなるエポキシ樹脂;また、イソシアネ
ート基を有するモノマーやオリゴマー類と、イソシアネ
ート基と反応可能な官能基を有するモノマーやオリゴマ
ー類からなるウレタン樹脂;等が例示される。
【0028】熱伝導性充填材(B)としては特に限定さ
れず、通常、熱伝導性樹脂組成物中に配合されるものを
用いることができ、例えば、アルミナ、酸化マグネシウ
ム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類、窒化ホ
ウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭
化ケイ素等の炭化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニ
ッケル等の金属充填材、チタン等の金属合金充填材、ダ
イヤモンド、カーボン等の炭素系充填材、石英、石英ガ
ラス等のシリカ粉類等が用いられ、また無機充填材粒子
に銀、銅または炭素材料等を表面被覆したもの、金属充
填材粒子に無機材料や炭素材料を表面被覆したものを使
用してもよい。これらは単独で用いても、2種以上を併
用してもよい。
れず、通常、熱伝導性樹脂組成物中に配合されるものを
用いることができ、例えば、アルミナ、酸化マグネシウ
ム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類、窒化ホ
ウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭
化ケイ素等の炭化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニ
ッケル等の金属充填材、チタン等の金属合金充填材、ダ
イヤモンド、カーボン等の炭素系充填材、石英、石英ガ
ラス等のシリカ粉類等が用いられ、また無機充填材粒子
に銀、銅または炭素材料等を表面被覆したもの、金属充
填材粒子に無機材料や炭素材料を表面被覆したものを使
用してもよい。これらは単独で用いても、2種以上を併
用してもよい。
【0029】上記熱伝導性充填材(B)としては、これ
らの充填材とベースとなる樹脂との親和性を向上させる
ために、シラン処理等の各種表面処理が施された充填材
を用いてもよい。
らの充填材とベースとなる樹脂との親和性を向上させる
ために、シラン処理等の各種表面処理が施された充填材
を用いてもよい。
【0030】上記熱伝導性充填材(B)の配合量は、通
常は、熱伝導性樹脂組成物中20〜95体積%が好まし
い。熱伝導性充填材の含有量が20体積%未満であると
効率的な熱伝導性を得ることができないことがあり、9
5体積%を超えると組成物の硬度が高くなってしまい、
発熱体や放熱体の表面の凹凸への密着追従性が悪くな
り、接触熱抵抗が増大し、効率的な熱伝導性が得られな
いことがある。より好ましくは、50〜95体積%であ
り、さらに好ましくは、60〜90体積%である。
常は、熱伝導性樹脂組成物中20〜95体積%が好まし
い。熱伝導性充填材の含有量が20体積%未満であると
効率的な熱伝導性を得ることができないことがあり、9
5体積%を超えると組成物の硬度が高くなってしまい、
発熱体や放熱体の表面の凹凸への密着追従性が悪くな
り、接触熱抵抗が増大し、効率的な熱伝導性が得られな
いことがある。より好ましくは、50〜95体積%であ
り、さらに好ましくは、60〜90体積%である。
【0031】また、必要に応じて物性調整剤、着色剤、
難燃剤、等の各種添加剤を加えてもよい。上記物性調整
剤としては、各種シランカップリング剤等が挙げられ、
これらは単独でまたは2種以上を併用して用いることが
できる。
難燃剤、等の各種添加剤を加えてもよい。上記物性調整
剤としては、各種シランカップリング剤等が挙げられ、
これらは単独でまたは2種以上を併用して用いることが
できる。
【0032】本発明における上記熱伝導性樹脂組成物に
は、その他、必要に応じて、タレ防止剤、酸化防止剤、
老化防止剤、紫外線吸収剤、溶剤、香料、顔料、染料等
を添加してもよい。
は、その他、必要に応じて、タレ防止剤、酸化防止剤、
老化防止剤、紫外線吸収剤、溶剤、香料、顔料、染料等
を添加してもよい。
【0033】上記樹脂(A)、熱伝導性充填材(B)並
びに必要に応じたその他成分を混練・混合させる方法は
特に限定されるものではなく、例えば、混練機、押出
機、ミキサー、ロール、ニーダー、攪拌機等の一般的な
装置を用いることができる。また、必要に応じて混練・
混合時に装置内を減圧、脱気してもよい。
びに必要に応じたその他成分を混練・混合させる方法は
特に限定されるものではなく、例えば、混練機、押出
機、ミキサー、ロール、ニーダー、攪拌機等の一般的な
装置を用いることができる。また、必要に応じて混練・
混合時に装置内を減圧、脱気してもよい。
【0034】(第1の発明)第1の発明は、上記樹脂
(A)と熱伝導性充填材(B)を必須成分とする熱伝導
性樹脂シートである。この場合、シートの厚みは30〜
200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲
がより好ましく、50〜120μmの範囲が特に好まし
い。
(A)と熱伝導性充填材(B)を必須成分とする熱伝導
性樹脂シートである。この場合、シートの厚みは30〜
200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲
がより好ましく、50〜120μmの範囲が特に好まし
い。
【0035】30μm未満では薄すぎて強度が低くな
り、取付時の破れ等が発生しやすくなることがあり、ま
た200μmを超えると、取付後にねじ締め等でかしめ
ても、薄くならず効率的に熱を伝えることが難しくなる
ことがある。
り、取付時の破れ等が発生しやすくなることがあり、ま
た200μmを超えると、取付後にねじ締め等でかしめ
ても、薄くならず効率的に熱を伝えることが難しくなる
ことがある。
【0036】第1の発明に係る熱伝導性樹脂シートは、
上記樹脂(A)及び熱伝導性樹脂シートは、上記樹脂
(A)及び熱伝導性充填材(B)を必須成分として含む
熱伝導性樹脂シートにおいて、少なくとも放熱対象部材
に接触される第1の領域を除いた第2の領域に粘着材層
が設けられている。ここで、放熱対象部材としては、特
に限定されるわけではないが、コンピューターのCPU
の放熱に第1の発明に係る熱伝導性樹脂シートが好適に
用いられ、この場合CPUのコア部が放熱対象部材とな
る。
上記樹脂(A)及び熱伝導性樹脂シートは、上記樹脂
(A)及び熱伝導性充填材(B)を必須成分として含む
熱伝導性樹脂シートにおいて、少なくとも放熱対象部材
に接触される第1の領域を除いた第2の領域に粘着材層
が設けられている。ここで、放熱対象部材としては、特
に限定されるわけではないが、コンピューターのCPU
の放熱に第1の発明に係る熱伝導性樹脂シートが好適に
用いられ、この場合CPUのコア部が放熱対象部材とな
る。
【0037】すなわち、CPUには使用時、特に高熱を
発生するコア部と、比較的発熱の少ないその他の部分が
存在する。第1の発明の熱伝導性樹脂シートでは、CP
Uのコア部面積と略同一又はそれ以上の面積の第1の領
域を除いた第2の領域に、粘着剤層が設けられている。
発生するコア部と、比較的発熱の少ないその他の部分が
存在する。第1の発明の熱伝導性樹脂シートでは、CP
Uのコア部面積と略同一又はそれ以上の面積の第1の領
域を除いた第2の領域に、粘着剤層が設けられている。
【0038】ここで、第1の領域は、粘着剤層を有せ
ず、高熱伝導性を発現する部分である。従って、第1の
領域を構成している高熱伝導性部分は上述したように樹
脂(A)に熱伝導性充填材(B)を高い割合で配合した
ものとすることが好ましい。熱伝導率は3W/m・K以
上が好ましく、5W/m・K以上がより好ましい。特に
好ましくは、7W/m・K以上である。
ず、高熱伝導性を発現する部分である。従って、第1の
領域を構成している高熱伝導性部分は上述したように樹
脂(A)に熱伝導性充填材(B)を高い割合で配合した
ものとすることが好ましい。熱伝導率は3W/m・K以
上が好ましく、5W/m・K以上がより好ましい。特に
好ましくは、7W/m・K以上である。
【0039】熱伝導率の測定方法は、定量比較が可能で
あれば特に限定されないが、発熱部材と冷却部材の間に
熱伝導性樹脂シートを介在させた後、温度変化を測定し
て熱抵抗値を求めて、その結果から算出してもよいし、
京都電子工業社製QTM−D3等の熱伝導率測定機にて
測定を行なってもよい。熱伝導率の測定の場合、必要に
より複数の熱伝導性樹脂シートを重ねて測定してもよ
い。この場合、熱伝導性樹脂シート間に空気層がほとん
ど形成されない状態にして測定する必要がある。
あれば特に限定されないが、発熱部材と冷却部材の間に
熱伝導性樹脂シートを介在させた後、温度変化を測定し
て熱抵抗値を求めて、その結果から算出してもよいし、
京都電子工業社製QTM−D3等の熱伝導率測定機にて
測定を行なってもよい。熱伝導率の測定の場合、必要に
より複数の熱伝導性樹脂シートを重ねて測定してもよ
い。この場合、熱伝導性樹脂シート間に空気層がほとん
ど形成されない状態にして測定する必要がある。
【0040】また、第1の領域の部分は発熱の最も大き
いCPUのコア部を覆う状態でさらに密着させて使用す
ることが好ましく、柔軟であることが好ましい。柔軟性
は例えばJIS K6249の方法に準拠して得られる
デュロメーターAによる測定結果で50未満が好まし
い。より好ましくは30未満である。さらに好ましくは
10未満である。
いCPUのコア部を覆う状態でさらに密着させて使用す
ることが好ましく、柔軟であることが好ましい。柔軟性
は例えばJIS K6249の方法に準拠して得られる
デュロメーターAによる測定結果で50未満が好まし
い。より好ましくは30未満である。さらに好ましくは
10未満である。
【0041】第1の領域と、粘着部分が設けられている
第2の領域とで、樹脂(A)及び熱伝導性充填材(B)
の配合量は異なってもよい。また材料種そのものが異な
っていても構わない。特に粘着剤層を有する第2の領域
においては熱伝導性充填材が存在しなくても構わない
が、CPUのコア部以外の部分からも熱が発生すること
から考えると、第1の領域よりも低くとも、ある程度の
熱伝導性を有していることが好ましい。
第2の領域とで、樹脂(A)及び熱伝導性充填材(B)
の配合量は異なってもよい。また材料種そのものが異な
っていても構わない。特に粘着剤層を有する第2の領域
においては熱伝導性充填材が存在しなくても構わない
が、CPUのコア部以外の部分からも熱が発生すること
から考えると、第1の領域よりも低くとも、ある程度の
熱伝導性を有していることが好ましい。
【0042】上記粘着剤層を構成する粘着剤層は特に限
定されず、公知のアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤を用
いることができる。粘着剤層の厚みはCPUのコア部の
他の部分から突出している部分の高さよりも薄いことが
好ましい。粘着材層がCPUのコア部を超える厚みで
は、CPUのコア部とヒートシンクとの間に隙間がで
き、両者と熱伝導性樹脂シートを密着させることが困難
である。
定されず、公知のアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤を用
いることができる。粘着剤層の厚みはCPUのコア部の
他の部分から突出している部分の高さよりも薄いことが
好ましい。粘着材層がCPUのコア部を超える厚みで
は、CPUのコア部とヒートシンクとの間に隙間がで
き、両者と熱伝導性樹脂シートを密着させることが困難
である。
【0043】また、粘着剤層の厚みがあまりに薄いと、
工程中の剥がれ等のトラブルを生じるので粘着剤層の厚
みは3μm以上であることが好ましい。より好ましくは
5μm以上である。
工程中の剥がれ等のトラブルを生じるので粘着剤層の厚
みは3μm以上であることが好ましい。より好ましくは
5μm以上である。
【0044】上記樹脂(A)及び熱伝導性充填材(B)
を配合した組成物は、所望の形状に成形することが可能
であり、第1の発明ではシート状に成形される。成形は
従来公知の方法で実施することができ、用いる材料の特
性を損なわないのであれば、方法は特に限定されない。
射出金型やバッチ式の金型に樹脂組成物を投入して、複
雑な形状の樹脂シートとしてもよく、押出、あるいはキ
ャストによりプレート形状もしくはシート形状にするこ
とも可能である。
を配合した組成物は、所望の形状に成形することが可能
であり、第1の発明ではシート状に成形される。成形は
従来公知の方法で実施することができ、用いる材料の特
性を損なわないのであれば、方法は特に限定されない。
射出金型やバッチ式の金型に樹脂組成物を投入して、複
雑な形状の樹脂シートとしてもよく、押出、あるいはキ
ャストによりプレート形状もしくはシート形状にするこ
とも可能である。
【0045】また、第1の発明においては、薄いシート
の強度を補強する意味でシートの全面または一部に金属
箔や金属メッシュ、ガラス繊維等のシート状の補強材を
組み込んでも構わないが、組成物の熱伝導率が著しく低
下しないように、その使用量は最小限にとどめることが
好ましい。
の強度を補強する意味でシートの全面または一部に金属
箔や金属メッシュ、ガラス繊維等のシート状の補強材を
組み込んでも構わないが、組成物の熱伝導率が著しく低
下しないように、その使用量は最小限にとどめることが
好ましい。
【0046】粘着剤層の形成は上記樹脂(A)及び熱伝
導性充填材(B)を配合した組成物をシート状に成形す
るのと同時に行なわれてもよく、シート状に成形した後
にラミネートあるいはキャスト、あるいはスプレー状に
塗布等の従来公知の方法で、後から粘着剤層が積層され
てもよい。あるいは粘着剤層を形成した後に、組成物層
を形成しても構わない。
導性充填材(B)を配合した組成物をシート状に成形す
るのと同時に行なわれてもよく、シート状に成形した後
にラミネートあるいはキャスト、あるいはスプレー状に
塗布等の従来公知の方法で、後から粘着剤層が積層され
てもよい。あるいは粘着剤層を形成した後に、組成物層
を形成しても構わない。
【0047】第1の発明においては、上記熱伝導樹脂シ
ートのうち、粘着剤層を有しない第1の領域が、例え
ば、主な発熱部分であるCPUコア部とヒートシンクの
間に薄く密着するため、熱の伝達性が大変良好となる。
また、第2の領域に設けられた粘着剤層が位置決め機能
を補うため、作業性も高められる。
ートのうち、粘着剤層を有しない第1の領域が、例え
ば、主な発熱部分であるCPUコア部とヒートシンクの
間に薄く密着するため、熱の伝達性が大変良好となる。
また、第2の領域に設けられた粘着剤層が位置決め機能
を補うため、作業性も高められる。
【0048】(第2の発明)第2の発明の熱伝導性樹脂
シートにおいても、樹脂(A)に熱伝導性充填剤(B)
を配合してなる熱伝導性樹脂組成物が用いられる。
シートにおいても、樹脂(A)に熱伝導性充填剤(B)
を配合してなる熱伝導性樹脂組成物が用いられる。
【0049】第2の発明に係る熱伝導性樹脂シートは、
少なくとも放熱対象部材に接触させる第1の領域を除い
た第2の領域に比べて高強度とされていることを特徴と
する。この場合、第1の領域が熱伝導性が高いことが必
要である。
少なくとも放熱対象部材に接触させる第1の領域を除い
た第2の領域に比べて高強度とされていることを特徴と
する。この場合、第1の領域が熱伝導性が高いことが必
要である。
【0050】熱伝導率の測定方法については、第1の発
明の場合と同様である。なお、第2の領域が相対的に高
強度化されているが、この強度の測定方法については、
定量比較が可能であれば特に限定されないが、例えば、
JIS K7127にしめされている引張強さの測定等
に規定されている条件で測定された値が第1の領域に比
べて第2の領域が大きければよい。
明の場合と同様である。なお、第2の領域が相対的に高
強度化されているが、この強度の測定方法については、
定量比較が可能であれば特に限定されないが、例えば、
JIS K7127にしめされている引張強さの測定等
に規定されている条件で測定された値が第1の領域に比
べて第2の領域が大きければよい。
【0051】上記第1の領域は、第2の領域に比べて熱
伝導性が高いが、この場合の熱伝導性については、3W
/m・K以上が好ましく、5W/m・K以上は好まし
く、さらに好ましくは7W/m・K以上である。
伝導性が高いが、この場合の熱伝導性については、3W
/m・K以上が好ましく、5W/m・K以上は好まし
く、さらに好ましくは7W/m・K以上である。
【0052】また、第1の領域は、例えば、CPUのコ
ア部のような放熱対象部材を覆い、さらに密着されて使
用されることが好ましい。従って、第1の領域は柔軟性
を有することが望ましい。この場合の柔軟性は、例え
ば、JIS K6249の方法に準拠して測定されるデ
ュロメーターAによる測定結果で50未満が好ましく、
より好ましくは30未満である。
ア部のような放熱対象部材を覆い、さらに密着されて使
用されることが好ましい。従って、第1の領域は柔軟性
を有することが望ましい。この場合の柔軟性は、例え
ば、JIS K6249の方法に準拠して測定されるデ
ュロメーターAによる測定結果で50未満が好ましく、
より好ましくは30未満である。
【0053】第1の領域と第2の領域において、樹脂
(A)及び熱伝導性充填剤(B)の配合量は異なってい
てもよい。また、材料種そのものが異なっていてもよ
い。特に第2の領域においては、熱伝導性充填剤(B)
が存在しなくともよいが、CPUのコア部のような放熱
対象部材以外の部分からも熱が発生することを考える
と、第2の領域においても、ある程度の熱伝導性を有す
ることが望ましい。
(A)及び熱伝導性充填剤(B)の配合量は異なってい
てもよい。また、材料種そのものが異なっていてもよ
い。特に第2の領域においては、熱伝導性充填剤(B)
が存在しなくともよいが、CPUのコア部のような放熱
対象部材以外の部分からも熱が発生することを考える
と、第2の領域においても、ある程度の熱伝導性を有す
ることが望ましい。
【0054】第2の発明において、第2の領域が第1の
領域に比べて強度が高くされているが、このような高強
度は、樹脂(A)や熱伝導性充填剤(B)の種類や配合
を最適化したり、樹脂あるいは無機短繊維もしくはウイ
スカー等を第2の領域において熱伝導性樹脂組成物中に
配合し、第2の領域の強度を高くすることにより達成し
得る。あるいは、図1に示すように、放熱対象部材であ
るCPU1のコア部2の面積と略同一かまたはそれ以上
の面積の開口3aを有する補強シート3を用いてもよ
い。図1に示す構成では、第1の領域に開口3aを有す
る補強シート3が用いられており、該補強シート3に熱
伝導性樹脂層4が積層されている。熱伝導性樹脂層4
は、上記開口3aを閉成するように構成されている。従
って、第1の領域が熱伝導性樹脂層4により構成されて
おり、第2の領域が補強シート3及び熱伝導性樹脂層4
の積層体により構成されていることになる。
領域に比べて強度が高くされているが、このような高強
度は、樹脂(A)や熱伝導性充填剤(B)の種類や配合
を最適化したり、樹脂あるいは無機短繊維もしくはウイ
スカー等を第2の領域において熱伝導性樹脂組成物中に
配合し、第2の領域の強度を高くすることにより達成し
得る。あるいは、図1に示すように、放熱対象部材であ
るCPU1のコア部2の面積と略同一かまたはそれ以上
の面積の開口3aを有する補強シート3を用いてもよ
い。図1に示す構成では、第1の領域に開口3aを有す
る補強シート3が用いられており、該補強シート3に熱
伝導性樹脂層4が積層されている。熱伝導性樹脂層4
は、上記開口3aを閉成するように構成されている。従
って、第1の領域が熱伝導性樹脂層4により構成されて
おり、第2の領域が補強シート3及び熱伝導性樹脂層4
の積層体により構成されていることになる。
【0055】補強シート3を用いることにより、熱伝導
性樹脂シートを取り扱う際の破れが生じ難くなる。ま
た、上記熱伝導性樹脂シートでは、補強シート3が存在
しない熱伝導性樹脂層4のみからなる第1の領域により
CPU1のコア部2等の放熱対象部材とヒートシンク5
等の放熱部材とを接続することができ、しかも、ネジに
よる締着等を行なった場合、特に第1の領域の熱伝導性
樹脂層4が流動しやすく、薄く伸び、その結果、熱伝導
性が高められる。
性樹脂シートを取り扱う際の破れが生じ難くなる。ま
た、上記熱伝導性樹脂シートでは、補強シート3が存在
しない熱伝導性樹脂層4のみからなる第1の領域により
CPU1のコア部2等の放熱対象部材とヒートシンク5
等の放熱部材とを接続することができ、しかも、ネジに
よる締着等を行なった場合、特に第1の領域の熱伝導性
樹脂層4が流動しやすく、薄く伸び、その結果、熱伝導
性が高められる。
【0056】上記補強シートを構成する材料について
は、特に限定されないが、熱伝導性の高い材料からなる
ものがより好ましい。例えば、金、銀、銅もしくはアル
ミニウム等の金属からなる箔、メッシュもしくは繊維、
カーボン繊維もしくはアルミナ等の無機繊維、または不
織布等を用いることができる。
は、特に限定されないが、熱伝導性の高い材料からなる
ものがより好ましい。例えば、金、銀、銅もしくはアル
ミニウム等の金属からなる箔、メッシュもしくは繊維、
カーボン繊維もしくはアルミナ等の無機繊維、または不
織布等を用いることができる。
【0057】もっとも、補強シートの熱伝導性は必須で
はなく、第1の領域に存在する熱伝導性樹脂組成物部分
に比べて熱伝導性が低い、ガラス繊維や天然もしくは合
成繊維等を用いて補強シートを構成してもよい。必要な
強度、場合によっては電気絶縁性や難燃性等を求められ
る機能に応じた材料や使用方法に応じたコストの材料を
選択して補強シートを構成することができる。
はなく、第1の領域に存在する熱伝導性樹脂組成物部分
に比べて熱伝導性が低い、ガラス繊維や天然もしくは合
成繊維等を用いて補強シートを構成してもよい。必要な
強度、場合によっては電気絶縁性や難燃性等を求められ
る機能に応じた材料や使用方法に応じたコストの材料を
選択して補強シートを構成することができる。
【0058】上記補強シートの厚みは、CPUのコア部
の他の部分よりも突出している高さよりも薄いことが望
ましい。すなわち、第1の発明における粘着材層の厚み
と同様に、補強シートの厚みが厚すぎると、CPUのコ
ア部とヒートシンクの間に隙間ができ、両者と熱伝導性
シートを密着させることができないことがある。
の他の部分よりも突出している高さよりも薄いことが望
ましい。すなわち、第1の発明における粘着材層の厚み
と同様に、補強シートの厚みが厚すぎると、CPUのコ
ア部とヒートシンクの間に隙間ができ、両者と熱伝導性
シートを密着させることができないことがある。
【0059】第2の発明においても、上記樹脂(A)及
び熱伝導性樹充填材(B)を含む熱伝導性樹脂組成物は
好ましくはシート状に成形され、それによって熱伝導性
樹脂層が構成される。この場合、第2の発明に係る熱伝
導性樹脂シートが、熱伝導性樹脂組成物のみからなる場
合には、前述したように第2の領域において、第1の領
域に比べて高強度となるように充填材の配合等が選択さ
れる。
び熱伝導性樹充填材(B)を含む熱伝導性樹脂組成物は
好ましくはシート状に成形され、それによって熱伝導性
樹脂層が構成される。この場合、第2の発明に係る熱伝
導性樹脂シートが、熱伝導性樹脂組成物のみからなる場
合には、前述したように第2の領域において、第1の領
域に比べて高強度となるように充填材の配合等が選択さ
れる。
【0060】また、第2の発明においても、熱伝導性樹
脂組成物をシート状に成形する方法は特に限定されず、
第1の発明の場合と同様である。他方、第2の発明にお
いて、熱伝導性樹脂層と補強シートとの積層体により熱
伝導性樹脂シートを構成する場合には、熱伝導性樹脂組
成物を補強シートにラミネートする方法、あるいはキャ
ストもしくはスプレー状に塗布または補強シートが投入
された型内に注入する方法等、補強シートを損なわない
限り、適宜の方法を用いることができる。
脂組成物をシート状に成形する方法は特に限定されず、
第1の発明の場合と同様である。他方、第2の発明にお
いて、熱伝導性樹脂層と補強シートとの積層体により熱
伝導性樹脂シートを構成する場合には、熱伝導性樹脂組
成物を補強シートにラミネートする方法、あるいはキャ
ストもしくはスプレー状に塗布または補強シートが投入
された型内に注入する方法等、補強シートを損なわない
限り、適宜の方法を用いることができる。
【0061】なお、第1の領域に開口を有する補強シー
トを用意するにあたり、開口の閉成は、熱伝導性樹脂組
成物からなる熱伝導性樹脂層を成形する前であってもよ
く、成形工程において行なってもよく、成形後に形成し
てもよい。いずれの方法を採用してもよいが、最終的に
は開口部分が熱伝導性樹脂組成物層により閉成されてい
ることが必要である。
トを用意するにあたり、開口の閉成は、熱伝導性樹脂組
成物からなる熱伝導性樹脂層を成形する前であってもよ
く、成形工程において行なってもよく、成形後に形成し
てもよい。いずれの方法を採用してもよいが、最終的に
は開口部分が熱伝導性樹脂組成物層により閉成されてい
ることが必要である。
【0062】この場合、開口内の熱伝導性樹脂組成物層
は、第2の領域における熱伝導性樹脂組成物と同一組成
を有する必要は必ずしもないが、生産性を考慮すると同
一の熱伝導性樹脂組成物を用いることが望ましい。
は、第2の領域における熱伝導性樹脂組成物と同一組成
を有する必要は必ずしもないが、生産性を考慮すると同
一の熱伝導性樹脂組成物を用いることが望ましい。
【0063】
【発明の実施の形態】(実施例)以下に実施例を掲げて
本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施
例のみに限定されるものではない。
本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施
例のみに限定されるものではない。
【0064】(実施例1)以下の配合に従って、攪拌機
を用いて組成物が均一に混合されるまで攪拌を行い、熱
伝導性樹脂組成物を調製した後、離型PETフィルムの
上にフィルム状に塗工したものをオーブンに入れ、酢酸
エチルを乾燥し、PETフィルム上に積層されている厚
み100μmの高熱伝導性樹脂シートを得た。
を用いて組成物が均一に混合されるまで攪拌を行い、熱
伝導性樹脂組成物を調製した後、離型PETフィルムの
上にフィルム状に塗工したものをオーブンに入れ、酢酸
エチルを乾燥し、PETフィルム上に積層されている厚
み100μmの高熱伝導性樹脂シートを得た。
【0065】樹脂(A)アクリル系粘着剤の20%酢酸
エチル溶液 :40体積%(固形分換算)熱伝導性充填
材(B)球形の熱伝導性充填材 窒化アルミニウム
グレードF(トクヤマ社製):20体積%非球形の熱
伝導性充填材 窒化ホウ素 グレードSGP(電気化学
工業社製):40体積%本発明においては、熱伝導性の
充填材を高い割合で配合するため、酢酸エチルやアセト
ン、トルエン等の有機溶剤で希釈した樹脂(A)の溶液
と熱伝導性の充填材(B)を配合することにより、容易
にこれらを均一に混合した樹脂組成物を得ることが可能
である。
エチル溶液 :40体積%(固形分換算)熱伝導性充填
材(B)球形の熱伝導性充填材 窒化アルミニウム
グレードF(トクヤマ社製):20体積%非球形の熱
伝導性充填材 窒化ホウ素 グレードSGP(電気化学
工業社製):40体積%本発明においては、熱伝導性の
充填材を高い割合で配合するため、酢酸エチルやアセト
ン、トルエン等の有機溶剤で希釈した樹脂(A)の溶液
と熱伝導性の充填材(B)を配合することにより、容易
にこれらを均一に混合した樹脂組成物を得ることが可能
である。
【0066】この場合、種々のモノマー材料を選択する
ことにより、希望の組成の樹脂が選択できるという点で
アクリル系の樹脂が好ましく用いることができる。別途
用意された離型PETフィルムに、CPUコア部(1.
1×0.9cm、高さ1mm)の上面と相似形状であ
り、かつ1.1倍の面積の領域を除いてアクリル系の粘
着剤を塗工した後、オーブンにて十分乾燥し、上記領域
に開口を有し、かつ10μmの厚みのアクリル粘着剤シ
ートを得た。
ことにより、希望の組成の樹脂が選択できるという点で
アクリル系の樹脂が好ましく用いることができる。別途
用意された離型PETフィルムに、CPUコア部(1.
1×0.9cm、高さ1mm)の上面と相似形状であ
り、かつ1.1倍の面積の領域を除いてアクリル系の粘
着剤を塗工した後、オーブンにて十分乾燥し、上記領域
に開口を有し、かつ10μmの厚みのアクリル粘着剤シ
ートを得た。
【0067】この粘着剤シートを先に作製した高熱伝導
性樹脂シートにハンドロールにて転写し、上記開口以外
の領域に粘着剤層を有する厚み110μm(開口部は1
00μm)の熱伝導性樹脂シートを得た。
性樹脂シートにハンドロールにて転写し、上記開口以外
の領域に粘着剤層を有する厚み110μm(開口部は1
00μm)の熱伝導性樹脂シートを得た。
【0068】(比較例1)転写されるアクリル系の粘着
剤シートとして、開口を有しないものを用いた以外は、
実施例1と同様の方法で、厚み110μmの熱伝導性樹
脂シートを得た。
剤シートとして、開口を有しないものを用いた以外は、
実施例1と同様の方法で、厚み110μmの熱伝導性樹
脂シートを得た。
【0069】(評価)実施例1及び比較例1で得られた
熱伝導性樹脂シートについて、熱伝導率及び位置決め性
を下記の要領で評価した。
熱伝導性樹脂シートについて、熱伝導率及び位置決め性
を下記の要領で評価した。
【0070】熱伝導率:京都電子工業社製QTM−D
3にて測定を行なった。なお、厚みが薄いため各サンプ
ルは10枚ずつ密着した積層体として測定した。実施例
1のサンプルについては、粘着剤シートが転写されてい
ない、CPUコア部と接触する部分を測定した。 位置決め性:CPUコア部へ熱伝導性樹脂シートサン
プルを手で軽く密着させて置き、逆さまにひっくり返し
た時に、脱落するか否かを観察し、脱落した場合に位置
決め性良好とした。また、置き間違えた場合を想定し
て、一度剥がしても破れず、貼り直しが可能か否かを観
察し、貼り直し可能な場合を位置決め性良好とした。結
果を下記の表2に示す。
3にて測定を行なった。なお、厚みが薄いため各サンプ
ルは10枚ずつ密着した積層体として測定した。実施例
1のサンプルについては、粘着剤シートが転写されてい
ない、CPUコア部と接触する部分を測定した。 位置決め性:CPUコア部へ熱伝導性樹脂シートサン
プルを手で軽く密着させて置き、逆さまにひっくり返し
た時に、脱落するか否かを観察し、脱落した場合に位置
決め性良好とした。また、置き間違えた場合を想定し
て、一度剥がしても破れず、貼り直しが可能か否かを観
察し、貼り直し可能な場合を位置決め性良好とした。結
果を下記の表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】(実施例2)以下の配合に従って、攪拌機
を用いて組成物が均一に混合されるまで攪拌を行い、熱
伝導性樹脂組成物を調製した。次に、離型PETフィル
ム上に支持されており、CPUコア部(1.1×0.9
cm、高さ1mm)と相似形状でかつ1.1倍の面積の
領域に開口を有するガラス繊維シート(厚さ0.05m
m、補強シート)上に上記熱伝導性樹脂組成物をフィル
ム状に塗工した後、オーブンにて酢酸エチルを乾燥し
て、厚み100μmの熱伝導性樹脂組成物層がガラス繊
維シートに一体化されている熱伝導性樹脂シート(開口
部以外の厚さ130μm)を得た。 樹脂(A) アクリル系粘着剤の20%酢酸エチル溶液:40体積%
(固形分換算) 熱伝導性充填材(B) 球形の熱伝導性充填材 窒化アルミニウム グレード
F(トクヤマ社製):20体積% 球形の熱伝導性充填材 窒化ホウ素 グレードSGP
(電気化学工業社製):40体積%
を用いて組成物が均一に混合されるまで攪拌を行い、熱
伝導性樹脂組成物を調製した。次に、離型PETフィル
ム上に支持されており、CPUコア部(1.1×0.9
cm、高さ1mm)と相似形状でかつ1.1倍の面積の
領域に開口を有するガラス繊維シート(厚さ0.05m
m、補強シート)上に上記熱伝導性樹脂組成物をフィル
ム状に塗工した後、オーブンにて酢酸エチルを乾燥し
て、厚み100μmの熱伝導性樹脂組成物層がガラス繊
維シートに一体化されている熱伝導性樹脂シート(開口
部以外の厚さ130μm)を得た。 樹脂(A) アクリル系粘着剤の20%酢酸エチル溶液:40体積%
(固形分換算) 熱伝導性充填材(B) 球形の熱伝導性充填材 窒化アルミニウム グレード
F(トクヤマ社製):20体積% 球形の熱伝導性充填材 窒化ホウ素 グレードSGP
(電気化学工業社製):40体積%
【0073】(実施例3)熱伝導性充填材(B)を以下
の通り変更した以外は、実施例2と同様の方法で熱伝導
性樹脂シートを得た。
の通り変更した以外は、実施例2と同様の方法で熱伝導
性樹脂シートを得た。
【0074】熱伝導性充填材(B) 球形の熱伝導性充填材 窒化ケイ素 グレードGC8
00S(屋久島電工社製):20体積% 非球形の熱伝導性充填材 窒化ホウ素 グレードSG
P(電気化学工業社製):40体積%
00S(屋久島電工社製):20体積% 非球形の熱伝導性充填材 窒化ホウ素 グレードSG
P(電気化学工業社製):40体積%
【0075】(実施例4)実施例2と同様にして、ガラ
ス繊維シートに一体化されたシートを得た後、実施例1
と同様にして、開口部以外の領域に粘着剤層を有する熱
伝導性樹脂シート(開口部厚さ100μm、開口部以外
の厚さ140μm)を得た。
ス繊維シートに一体化されたシートを得た後、実施例1
と同様にして、開口部以外の領域に粘着剤層を有する熱
伝導性樹脂シート(開口部厚さ100μm、開口部以外
の厚さ140μm)を得た。
【0076】(比較例2)補強シートとしてのガラス繊
維シートを用いないこと以外は、実施例2と同様の方法
で、熱伝導性樹脂シートを得た。
維シートを用いないこと以外は、実施例2と同様の方法
で、熱伝導性樹脂シートを得た。
【0077】(比較例3)補強シートとして開口を有し
ないガラス繊維シートを用いたこと以外は、実施例1と
同様の方法で、熱伝導性樹脂シートを得た。
ないガラス繊維シートを用いたこと以外は、実施例1と
同様の方法で、熱伝導性樹脂シートを得た。
【0078】(評価)各実施例2〜4、比較例2、3で
得られた熱伝導性樹脂シートについて、熱伝導率、シー
ト強さ、柔軟性について評価を行なった。
得られた熱伝導性樹脂シートについて、熱伝導率、シー
ト強さ、柔軟性について評価を行なった。
【0079】熱伝導率:京都電子工業社製QTM−D3
にて測定を行なった。 シート強さ:熱伝導性樹脂シートを保持している離型P
ETからはがしたときに破れを生じないか、それぞれ繰
り返し5回行い、1枚も破れなかったものを○、1枚以
上破れたものを×とした。
にて測定を行なった。 シート強さ:熱伝導性樹脂シートを保持している離型P
ETからはがしたときに破れを生じないか、それぞれ繰
り返し5回行い、1枚も破れなかったものを○、1枚以
上破れたものを×とした。
【0080】柔軟性:触診により、実施例2のシート基
準として、硬いものを×、同等レベルのものを○とし
た。結果を下記の表3に示す。
準として、硬いものを×、同等レベルのものを○とし
た。結果を下記の表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
【発明の効果】第1の発明に係る熱伝導性樹脂シート
は、樹脂(A)に熱伝導性充填材(B)を添加してなる
熱伝導性樹脂組成物からなり、少なくとも放熱対象部材
に接触される第1の領域を除いた第2の領域に粘着剤層
が設けられているので、第1の領域が高い熱伝導性を発
現して例えばCPUのコア部のような放熱対象部材から
の熱を速やかに例えばヒートシンクのような放熱部材に
放散させることができる。加えて、第2の領域には粘着
材層が設けられているので、熱伝導性樹脂シートを容易
に放熱対象部材に適用することができる。
は、樹脂(A)に熱伝導性充填材(B)を添加してなる
熱伝導性樹脂組成物からなり、少なくとも放熱対象部材
に接触される第1の領域を除いた第2の領域に粘着剤層
が設けられているので、第1の領域が高い熱伝導性を発
現して例えばCPUのコア部のような放熱対象部材から
の熱を速やかに例えばヒートシンクのような放熱部材に
放散させることができる。加えて、第2の領域には粘着
材層が設けられているので、熱伝導性樹脂シートを容易
に放熱対象部材に適用することができる。
【0083】さらに、粘着剤層は第2の領域のみに設け
られており、第1の領域には設けられていないので、粘
着剤層を有するにも関わらず、第1の領域においては高
い熱伝導性が発現する。
られており、第1の領域には設けられていないので、粘
着剤層を有するにも関わらず、第1の領域においては高
い熱伝導性が発現する。
【0084】第2の発明に係る熱伝導性樹脂シートで
は、少なくとも放熱対象部材に接触される第1の領域を
除いた第2の領域が第1の領域に比べて高強度とされて
いるので、破れにくく、取り扱いが容易であり、放熱対
象部材や放熱材に容易に適用することができる。また、
第1の領域は、強度が要求されないため、すなわち、第
2の領域において強度が確保されているので、第1の領
域を高い熱伝導性を有する熱伝導性樹脂組成物で構成す
ることができ、それによって高い熱伝導性を実現するこ
とができる。
は、少なくとも放熱対象部材に接触される第1の領域を
除いた第2の領域が第1の領域に比べて高強度とされて
いるので、破れにくく、取り扱いが容易であり、放熱対
象部材や放熱材に容易に適用することができる。また、
第1の領域は、強度が要求されないため、すなわち、第
2の領域において強度が確保されているので、第1の領
域を高い熱伝導性を有する熱伝導性樹脂組成物で構成す
ることができ、それによって高い熱伝導性を実現するこ
とができる。
【0085】第2の発明において、第1の領域に開口を
有する補強シートと、該補強シートに積層されており開
口を閉成するように構成された熱伝導性樹脂層とを備え
る場合には、第1の領域が熱伝導性樹脂層により構成さ
れており、高い熱伝導性を発現し、第2の領域が補強シ
ートより熱伝導性樹脂層の積層体により構成されている
ので、第1の領域に比べて高い強度を発現し、取り扱い
に際しての破れ等が生じ難い。
有する補強シートと、該補強シートに積層されており開
口を閉成するように構成された熱伝導性樹脂層とを備え
る場合には、第1の領域が熱伝導性樹脂層により構成さ
れており、高い熱伝導性を発現し、第2の領域が補強シ
ートより熱伝導性樹脂層の積層体により構成されている
ので、第1の領域に比べて高い強度を発現し、取り扱い
に際しての破れ等が生じ難い。
【0086】第2の発明において、第2の領域に粘着材
層が設けられている場合には、破れ難いだけでなく、放
熱対象部材や放熱部材への適用が容易な熱伝導性樹脂シ
ートを提供することができる。
層が設けられている場合には、破れ難いだけでなく、放
熱対象部材や放熱部材への適用が容易な熱伝導性樹脂シ
ートを提供することができる。
【0087】本発明に係る熱伝導性樹脂シートは、様々
な放熱対象部材、例えば電気・電子部品等に適用するこ
とができるが、特に、発熱量が大きいCPUのコア部に
対して好適に用いることができ、従来の熱伝導グリース
や熱伝導ゲルを用いた場合に比べて、CPUのコア部の
放熱に際しての作業性を大幅に高めることができる。
な放熱対象部材、例えば電気・電子部品等に適用するこ
とができるが、特に、発熱量が大きいCPUのコア部に
対して好適に用いることができ、従来の熱伝導グリース
や熱伝導ゲルを用いた場合に比べて、CPUのコア部の
放熱に際しての作業性を大幅に高めることができる。
【図1】本発明の一実態様としての熱伝導性シートをC
PUのコア部に適用する工程を説明するための略図的斜
視図。
PUのコア部に適用する工程を説明するための略図的斜
視図。
1…CPU 2…コア部 3…補強シート 3a…開口(第1の領域) 4…熱伝導性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/36 H01L 23/36 D Fターム(参考) 4F100 AA13 AA13H AA14 AA14H AD04 AD04H AD06 AD06H AK01A AK25 AK25G AR00B BA02 CA23A CB05 EC04 GB41 JJ01 JJ01A JJ01H JK13 JK17 JL13B 4J002 AA001 BG031 BG041 BG051 DA026 DA036 DA076 DA086 DA096 DC006 DE046 DE076 DE136 DE146 DF016 DJ006 DJ016 DK006 FB076 FD206 GQ00 4J004 AA05 AA10 AB01 CA06 CA07 CC02 CE03 FA05 FA10 5F036 AA01 BA23 BB21 BD21
Claims (5)
- 【請求項1】 樹脂と、熱伝導性充填材とを含む熱伝導
性樹脂組成物からなり、少なくとも放熱対象部材に接触
される第1の領域を除いた第2の領域に粘着剤層が設け
られていることを特徴とする熱伝導性樹脂シート。 - 【請求項2】 樹脂と、熱伝導性充填材とを含む熱伝導
性樹脂組成物を用いて構成されており、少なくとも放熱
対象部材に接触される第1の領域を除いた第2の領域が
第1の領域に比べ高強度とされており、第1の領域の熱
伝導性が第2の領域に比べて高くされていることを特徴
とする熱伝導性樹脂シート。 - 【請求項3】 前記第1の領域に開口を有する補強シー
トと、前記補強シートに積層されておりかつ前記開口を
閉成するように構成された熱伝導性樹脂層とを備え、前
記第1の領域が前記熱伝導性樹脂層により構成されてお
り、前記第2の領域が前記補強シート及び熱伝導性樹脂
層により構成されている、請求項2に記載の熱伝導性樹
脂シート。 - 【請求項4】 前記第2の領域に粘着剤層が設けられて
いる、請求項2または3に記載の熱伝導性樹脂シート。 - 【請求項5】 前記放熱対象部材がCPUのコア部であ
る、請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性樹脂シー
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000367406A JP2002167560A (ja) | 2000-12-01 | 2000-12-01 | 熱伝導性樹脂シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000367406A JP2002167560A (ja) | 2000-12-01 | 2000-12-01 | 熱伝導性樹脂シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002167560A true JP2002167560A (ja) | 2002-06-11 |
Family
ID=18837834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000367406A Pending JP2002167560A (ja) | 2000-12-01 | 2000-12-01 | 熱伝導性樹脂シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002167560A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005232313A (ja) * | 2004-02-19 | 2005-09-02 | Mitsubishi Electric Corp | 熱伝導性樹脂シートおよびこれを用いたパワーモジュール |
JP2010123850A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Asahi Kasei E-Materials Corp | 熱伝導シート |
JP2010235953A (ja) * | 2002-05-02 | 2010-10-21 | Three M Innovative Properties Co | 熱伝導性シート並びにその製造方法 |
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WO2015012180A1 (ja) * | 2013-07-22 | 2015-01-29 | ローム株式会社 | パワーモジュールおよびその製造方法 |
JP2016119440A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-06-30 | 株式会社指月電機製作所 | コンデンサ |
WO2017051925A1 (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 車両用制御装置 |
JP2019140398A (ja) * | 2019-04-01 | 2019-08-22 | ローム株式会社 | パワーモジュールおよびその製造方法 |
JP2022126642A (ja) * | 2016-09-30 | 2022-08-30 | デンカ株式会社 | 高耐荷重性および高熱伝導性を有する放熱シート |
-
2000
- 2000-12-01 JP JP2000367406A patent/JP2002167560A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2015012180A1 (ja) * | 2013-07-22 | 2015-01-29 | ローム株式会社 | パワーモジュールおよびその製造方法 |
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CN107949910A (zh) * | 2015-09-24 | 2018-04-20 | 爱信艾达株式会社 | 车辆用控制装置 |
JPWO2017051925A1 (ja) * | 2015-09-24 | 2018-05-24 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 車両用制御装置 |
US20180226319A1 (en) * | 2015-09-24 | 2018-08-09 | Aisin Aw Co., Ltd. | Vehicle control device |
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