JP6523079B2 - 窒化アルミニウム複合フィラーおよびこれを含む樹脂組成物 - Google Patents
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Description
窒化アルミニウム粉末(A)
本発明における複合フィラーを構成する窒化アルミニウム粉末(A)は、表面にアルミナ被膜が形成された窒化アルミニウム結晶粒子から構成される粉末である。
本発明における複合フィラーを構成するアルミナ粉末(B)の出発原料として用いるアルミナ等は、α、γ、θ、δ、η、κ、χ等の結晶構造を持つアルミナやベーマイトやダイアスポア、ギブサイト、バイヤライト、トーダナイトなど加熱により脱水転移して最終的に全部又は一部がα−アルミナに転移するものが全て使用可能である。これらは単独あるいは種類の異なるものを混合して用いても良いが、特に反応性が高く、制御が容易なα−アルミナ、γ−アルミナ、ベーマイトが好適に用いられる。
本発明の複合フィラーは上述した窒化アルミニウム粉末(A)と上述したアルミナ粉末(B)とを含む。このような本発明の複合フィラーは、樹脂に添加して樹脂組成物としたときに、当該樹脂組成物において分散しやすく、かつ、窒化アルミニウム粉末のみからなるフィラーに比べて、樹脂に添加して得られる樹脂組成物の粘度を低く抑えることができるという効果が得られる。このような効果が得られる理由としては、おそらく、上記窒化アルミニウム粉末(A)を構成する粒子表面は正に帯電している一方、上記アルミナ粉末(B)を構成する粒子表面もまた正に帯電していることにより、上記窒化アルミニウム粉末(A)を構成する粒子と上記アルミナ(B)を構成する粒子とが互いに凝集することなく反発し合うという電荷反発効果が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物は、樹脂中に、上記複合フィラーを含む樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物に含有される樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸類(ポリメタクリル酸メチル等のポリメタクリル酸エステル)、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、アイオノマーなどの熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、硬化性アクリル樹脂、硬化性ウレタン樹脂、硬化性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、硬化性ポリイミド樹脂、硬化型変性PPE、および硬化型PPEなどの硬化性樹脂等が挙げられる。これら樹脂の中でも、板状成形体や薄膜状成形体などの成形体を作製する上では、硬化性樹脂が好ましく、液状の硬化性樹脂が特に好ましい。
上記樹脂組成物は上記複合フィラー、上記樹脂、その他、上記添加剤など必要に応じて含まれる成分を、例えば、ロール、ニーダ、バンバリーミキサー、自転・公転ミキサー等の通常の混練機で混合することによって製造することができる。
そして、以上のような本発明の樹脂組成物を従来公知の適当な方法により成形することにより、高い熱伝導性を持った成形体を得ることができる。
尚、本発明において、各種試験方法は、以下の通り行なった。
(1)樹脂組成物の粘度:
樹脂組成物の粘度は、レオメーター(AR2000ex:TA Instruments社製)を用い、せん断速度5/s、25.5℃にて測定した。
(2)粒径
試料をホモジナイザーにて5%ピロリン酸ソーダ水溶液中に分散させ、レーザー回折粒
度分布装置(日機装株式会社製MICROTRAC HRA)にて粒径を測定した。
(3)成形体の熱伝導率
樹脂組成物を成形して得られる成形体(ペレット)の熱伝導率は、熱拡散率、密度および比熱から、下記式に基づき求めた。
熱拡散率は、レーザーフラッシュ法にて測定を行なった。
密度は、アルキメデス法にて測定を行なった。
比熱は、DSC法にて測定を行なった。
なお、本実施例および比較例においては、それぞれ基材樹脂にエポキシ樹脂を用いて樹脂組成物を作製した。
基材樹脂としてエポキシ樹脂(三菱化学株式会社製jER828)100重量部と硬化剤(イミダゾール系硬化剤、四国化成工業株式会社製キュアゾール2E4MZ)5重量部との混合物を準備した。次に、基材樹脂100重量部と、窒化アルミニウム粉末602重量部とアルミナ粉末38重量部とからなる複合フィラー(フィラー1)とを自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製ARE−500)にて混合して樹脂組成物(以下、「第1の樹脂組成物」)を得た。第1の樹脂組成物のフィラー1の充填率は70体積%であった。ここで、使用した窒化アルミニウム粉末およびアルミナ粉末からなる複合フィラーをフィラー1とし、その物性を表1Aに示す。
複合フィラーとして表1Aに示した窒化アルミニウム粉末およびアルミナ粉末からなるフィラー2を使用し、かつ基材樹脂100重量部に対するフィラー2の添加量を表1Bに示す量とした以外は実施例1と同様にして、第1の樹脂組成物及びペレットを作成した。得られたペレットの熱伝導率を測定した結果を表1Bに示した。
複合フィラーとして表1Aに示した窒化アルミニウム粉末およびアルミナ粉末からなるフィラー3を使用し、かつ基材樹脂100重量部に対するフィラー3の添加量を表1Bに示す量とした以外は実施例1と同様にして、第1の樹脂組成物及びペレットを作成した。得られたペレットの熱伝導率を測定した結果を表1Bに示した。
複合フィラーとして表1Aに示した窒化アルミニウム粉末およびアルミナ粉末からなるフィラー4を使用し、かつ基材樹脂100重量部に対するフィラー4の添加量を表1Bに示す量とした以外は実施例1と同様にして、第1の樹脂組成物及びペレットを作成した。得られたペレットの熱伝導率を測定した結果を表1Bに示した。
複合フィラーとして表1Aに示した窒化アルミニウム粉末およびアルミナ粉末からなるフィラー5を使用し、かつ基材樹脂100重量部に対するフィラー5の添加量を表1Bに示す量とした以外は実施例1と同様にして、第1の樹脂組成物及びペレットを作成した。得られたペレットの熱伝導率を測定した結果を表1Bに示した。
複合フィラーとして表1Aに示した窒化アルミニウム粉末のみからなるフィラー6を使用し、かつ基材樹脂100重量部に対するフィラー6の添加量を表1Bに示す量とした以外は実施例1と同様にして、第1の樹脂組成物及びペレットを作成した。得られたペレットの熱伝導率を測定した結果を表1Bに示した。
複合フィラーとして表1Aに示した、窒化アルミニウム粉末およびアルミナ粉末からなるフィラー7またはフィラー8を使用し、かつ基材樹脂100重量部に対するフィラー7またはフィラー8の添加量を表1Bに示す量とした以外は、それぞれ実施例1と同様にして第1の樹脂組成物及びペレットを作成した。得られたペレットの熱伝導率を測定した結果を表1Bに示した。
複合フィラーとして表1Aに示した窒化アルミニウム粉末およびアルミナ粉末からなるフィラー9またはフィラー10を使用し、かつ基材樹脂100重量部に対するフィラー9またはフィラー10の添加量を表1Bに示す量とした以外は、それぞれ実施例1と同様にして第1の樹脂組成物及びペレットを作成した。得られたペレットの熱伝導率を測定した結果を表1Bに示した。
複合フィラーとして表1Aに示した窒化アルミニウム粉末およびアルミナ粉末からなるフィラー11を使用し、かつ基材樹脂100重量部に対するフィラー11の添加量を表1Bに示す量とした以外は実施例1と同様にして、第1の樹脂組成物及びペレットを作成した。得られたペレットの熱伝導率を測定した結果を表1Bに示した。
Claims (7)
- アルミナ被膜が形成された窒化アルミニウム粉末(A)とアルミナ粉末(B)とを含む複合フィラーであり、窒化アルミニウム粉末(A)の粒度分布曲線における累積50%値(D50(A))が0.5〜100μmの範囲であり、窒化アルミニウム粉末(A)の粒度分布曲線における累積90%値(D90(A))と累積10%値(D10(A))との比 D90(A)/D10(A)が32〜100であり、アルミナ粉末(B)の粒度分布曲線における累積50%値(D50(B))に対するD50(A)の比 D50(A)/D50(B)が10〜100である複合フィラー。
- 前記窒化アルミニウム粉末(A)と前記アルミナ粉末(B)の合計100体積%に対する前記アルミナ粉末(B)の割合が、5体積%以上15体積%以下である請求項1に記載の複合フィラー。
- 前記累積50%値(D50(A))が1〜80μmの範囲である請求項1または2に記載の複合フィラー。
- 前記窒化アルミニウム粉末(A)の真球度が0.7〜0.99である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合フィラー。
- 前記アルミナ粉末(B)の真球度が0.7〜0.99である請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合フィラー。
- 請求項1または2に記載の複合フィラーと樹脂とを含む樹脂組成物であり、該樹脂組成
物中の複合フィラーの含有量が50体積%〜80体積%である樹脂組成物。 - 前記樹脂が液状の硬化性樹脂である請求項6に記載の樹脂組成物。
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