JP2023164332A - 樹脂組成物およびそれに用いるアルミナ粉末 - Google Patents

樹脂組成物およびそれに用いるアルミナ粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミナ粉末の含有量が多い樹脂組成物であって、製造段階においては、アルミナ粉末と未硬化の樹脂とを含む混合物が、良好な成形性を有している樹脂組成物を提供する。【解決手段】樹脂と、アルミナ粉末とを含む樹脂組成物であって、前記アルミナ粉末は、粒径D50が100μm超で、クリプトン吸着法により測定されたBET比表面積が、0.085m2/g以下の第1のアルミナ粒子と、粒径D50が0.1μm以上1.0μm以下の第2のアルミナ粒子と、を含む、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、樹脂組成物およびそれに用いるアルミナ粉末に関する。
電子部品に通電することにより発生する熱は、ヒートシンクを介して放熱される。放熱効率を向上する目的で、電子部品とヒートシンクとの間を放熱材料で充填する技術が知られている。
放熱部材の1つとして、樹脂と無機粉末とを含む放熱性の樹脂組成物があり、無機粉末としては、アルミナ粉末が利用できることが知られている(例えば特許文献1~3)。
特許文献1には、樹脂中に高充填したときの流動性を改善することができるアルミナ粉末として、α相含有率が40%以下であり、平均円形度が0.95以上であり、平均粒径が100μm以下のアルミナ粉末が開示されている。アルミナ粉末をエポキシ樹脂に含有させた半導体封止材の用途では、アルミナ粉末の含有量を、樹脂組成物100体積%に対して40体積%以上とするのが好ましく、65~90体積%がより好ましいとされている。また、アルミナ粉末をシリコーン樹脂又はシリコーンゴムに含有させた放熱部材の用途では、アルミナ粉末の含有率を、樹脂組成物100体積%に対して65体積%以上にすることが好ましく、70~80体積%にするのがより好ましいとされている。
特許文献2には、樹脂等に配合したときの組成物の粘性と流動性を改善することができるアルミナ粉末として、平均球形度が0.93以上でかつアルミナのα率が95%以上であるアルミナ粉末が開示されている。アルミナ粉末を配合した熱伝導性組成物では、アルミナ粉末が50~95質量%、特に70~93質量%の量で配合されることが好適とされている。
特許文献3には、電融アルミナをジェットミルを用いて破砕し、その電融アルミナ粒子のエッジを取り除くことで平均粒径が5~4000μmの丸味状電融アルミナ粒子を得る方法が開示されている。丸味状電融アルミナ粒子を含む高熱伝導性樹脂では、丸味状電融アルミナ粒子の含有量は80質量%以上が好ましいとされており、実施例では、シリコーン樹脂50gに対して丸味状電融アルミナ粒子200g(80質量%)を配合している。
国際公開第2009/133904号 国際公開第2008/053536号 特開2006-169090号公報
樹脂組成物の放熱特性をさらに向上するために、樹脂組成物中のアルミナ粉末の含有量を更に増加することが望まれている。しかしながら、アルミナ粉末の含有量が多すぎると、以下の理由から、所望形状の樹脂組成物を形成することが困難になる。
樹脂組成物の一般的な製造方法では、アルミナ粉末と(未硬化の)樹脂とを混合し、得られた混合物を所望形状に成形し、成形体中の樹脂を硬化して、所望形状の樹脂組成物を得ている。樹脂組成物中のアルミナ粉末の含有量を増加するためには、その前駆体である混合物においても、アルミナ粉末の含有量を増加する必要があり、その結果、混合物中の樹脂の含有量が減少する。混合物中において、アルミナ粉末中の複数のアルミナ粒子は、樹脂を介して互いに結合しているために所望形状に成形可能であるが、樹脂の含有量が減少すると、アルミナ粒子同士を十分に結合することができず、その結果、混合物を所望形状に成形できないことがあった。
そこで、本発明の一実施形態は、アルミナ粉末の含有量が多い樹脂組成物であって、製造段階においては、アルミナ粉末と未硬化の樹脂とを含む混合物が、良好な成形性を有している樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の別の実施形態は、一実施形態に係る樹脂組成物の製造に適したアルミナ粉末を提供することを目的とする。
本発明の態様1は、
樹脂と、アルミナ粉末とを含む樹脂組成物であって、
前記アルミナ粉末は、
粒径D50が100μm超で、クリプトン吸着法により測定されたBET比表面積が、0.085m/g以下の第1のアルミナ粒子と、
粒径D50が0.1μm以上1.0μm以下の第2のアルミナ粒子と、を含む、樹脂組成物である。
本発明の態様2は、
前記アルミナ粉末が以下の式(1)を満たす、態様1に記載の樹脂組成物である。

A>B (1)

ここで、
AおよびBは、それぞれ、前記アルミナ粉末の全量を100質量%としたときの、前記第1のアルミナ粒子および前記第2のアルミナ粒子の含有量(質量%)である。
本発明の態様3は、
前記第1のアルミナ粒子が以下の式(2)を満たす、態様1または2に記載の樹脂組成物である。

L2/L1×100≦100.0(%) (2)

ここで、
L1は、SEM-EBSD像から求めた前記第1のアルミナ粒子の外縁の長さであり、
L2は、SEM-EBSD像から求めた前記第1のアルミナ粒子内部に含まれる境界線の合計長さである。
本発明の態様4は、
前記第1のアルミナ粒子のクリプトン吸着法により測定された細孔体積が0.0003cm/g以下である、態様1~3のいずれか1つに記載の樹脂組成物である。
本発明の態様5は、
前記第1のアルミナ粒子のクリプトン吸着法により測定された細孔体積分布において、細孔径2~10nmの間にあるピーク高さが0.000055cm/g以下である、態様1~4のいずれか1つに記載の樹脂組成物である。
本発明の態様6は、
前記アルミナ粉末が、さらに、粒径D50が3μm以上80μm以下の第3のアルミナ粒子を含む、態様1~5のいずれか1つに記載の樹脂組成物である。
本発明の態様7は、
前記樹脂組成物を100質量%としたときの、前記樹脂の含有量が6質量%以下である、態様1~6のいずれか1つに記載の樹脂組成物である。
本発明の態様8は、
前記アルミナ粉末の安息角が20°超38°未満である、態様1~7のいずれか1つに記載の樹脂組成物である。
本発明の態様9は、
粒径D50が100μm超で、クリプトン吸着法により測定されたBET比表面積が、0.085m/g以下の第1のアルミナ粒子と、
粒径D50が0.1μm以上1.0μm以下の第2のアルミナ粒子と、を含むアルミナ粉末である。
本発明の態様10は、
以下の式(1)を満たす、態様9に記載のアルミナ粉末である。

A>B (1)

ここで、
AおよびBは、それぞれ、前記アルミナ粉末の全量を100質量%としたときの、前記第1のアルミナ粒子および前記第2のアルミナ粒子の含有量(質量%)である。
本発明の態様11は、
前記第1のアルミナ粒子が以下の式(2)を満たす、態様9または10に記載のアルミナ粉末である。

L2/L1×100≦100.0(%) (2)

ここで、
L1は、SEM-EBSD像から求めた前記第1のアルミナ粒子の外縁の長さであり、
L2は、SEM-EBSD像から求めた前記第1のアルミナ粒子内部に含まれる境界線の合計長さである。
本発明の態様12は、
前記第1のアルミナ粒子のクリプトン吸着法により測定された細孔体積が0.0003cm/g以下である、態様9~11のいずれか1つに記載のアルミナ粉末である。
本発明の態様13は、
前記第1のアルミナ粒子のクリプトン吸着法により測定された細孔体積分布において、細孔径2~10nmの間にあるピーク高さが0.000055cm/g以下である、態様9~12のいずれか1つに記載のアルミナ粉末である。
本発明の態様14は、
さらに、粒径D50が3μm以上80μm以下の第3のアルミナ粒子を含む、態様9~13のいずれか1つに記載のアルミナ粉末である。
本発明の態様15は、
安息角が20°超38°未満である、態様9~14のいずれか1つに記載のアルミナ粉末である。
本発明の一実施形態によれば、アルミナ粉末の含有量が多い樹脂組成物であって、製造段階においては、アルミナ粉末と未硬化の樹脂とを含む混合物が、良好な成形性を有している樹脂組成物を提供することができる。
本発明の別の実施形態は、一実施形態に係る樹脂組成物の製造に適したアルミナ粉末を提供することができる。
図1は、アルミナ粒子を火炎溶融法で製造するための装置を示す概略図である。
本発明者らは、アルミナ粉末と(未硬化の)樹脂とを含む混合物の成形性が低下する問題により、アルミナ粉末の含有量を増加できない、という問題を解決するために鋭意検討をした。その結果、粒径の異なる2種以上のアルミナ粒子(D50が大きい第1のアルミナ粒子と、D50が小さい第2のアルミナ粒子)を含むアルミナ粉末を用い、かつ、第1のアルミナ粒子のKr-BET比表面積を低く抑えることにより、混合物の成形性を向上できることを見出して、本発明を完成するに至った。
以下に、実施形態に係る樹脂組成物について説明する。
[樹脂組成物]
実施形態に係る樹脂組成物は、樹脂と、アルミナ粉末とを含む。樹脂組成物を構成するのに好適なアルミナ粉末と、好適な樹脂とについて順次説明する。
[アルミナ粉末]
本明細書における「アルミナ粉末」は、樹脂と混合する前のアルミナ粉末と、樹脂と混合した後のアルミナ粉末(例えば、樹脂組成物中に混合された状態のアルミナ粉末)の両方を意図している。
アルミナ粉末は、第1のアルミナ粒子と第2のアルミナ粒子とを含む。
第1のアルミナ粒子は、粒径D50が100μm超であり、第2のアルミナ粒子は、粒径D50が0.1μm以上1.0μm以下である。なお、「粒径D50」とは、累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒径のことである。本明細書では、粒径D50を単に「D50」と記載することもある。
第1のアルミナ粒子は、クリプトン吸着法により測定されたBET比表面積(以下「Kr-BET比表面積」と記載することがある)が、0.085m/g以下と極めて低い。BET比表面積は、アルミナ粒子の表面の凹凸の程度を知る指標となるため、第1のアルミナ粒子は、粒子表面の凹凸が極めて少ないことが分かる。
このような第1のアルミナ粒子を含むアルミナ粉末を用いると、アルミナ粉末と樹脂とを含む混合物の成形性が良好になる。その理由は定かではないが、以下のようなメカニズムであると推測される。
第1のアルミナ粒子は、粒子表面の凹凸が小さいため、第1のアルミナ粒子と、第1のアルミナ粒子が接触している他の材料(例えば、隣接する別のアルミナ粒子)との間の摩擦係数が小さい。そのため、混合物に応力をかけると、第1のアルミナ粒子は、元の位置から容易に移動できる。つまり、混合物の成形に必要な応力を低減できる。
上述したように、混合物中の樹脂が少ないと、アルミナ粒子間を結合している樹脂の結合力が低下する。そのため、混合物を成形する際に高い応力をかけると、樹脂の結合力を上回って、混合物が(少なくとも部分的に)崩壊して、成形不可能となる。
ここで、粒子表面の凹凸が小さい第1のアルミナ粒子を含むアルミナ粉末を用いることにより、混合物の成形に必要な応力を低減できるので、混合物の崩壊を生じさせずに、
成形することが可能になる。また詳細は定かではないが、混合物中の樹脂が少ない状況では、非常に少ないアルミナ表面の凹凸に樹脂が入り込み、粒子間の空隙に樹脂自体が存在しなくなり、成形できないとも推測している。
このような理由から、Kr-BET比表面積が、0.085m/g以下の第1のアルミナ粒子を含むアルミナ粉末を用いることにより、混合物の成形性を向上できると考えられる。
なお、本実施形態では、アルミナ粉末に含まれる第1のアルミナ粒子と第2のアルミナ粒子のうち、特に、第1のアルミナ粒子のKr-BET比表面積について規定しているのは、D50が大きい第1のアルミナ粒子の方が、他の材料との接触面積が広いため、混合物の成形性に与える影響が大きいためである。
第1のアルミナ粒子のKr-BET比表面積は、0.085m/g以下であり、0.060m/g以下であることが好ましい。Kr-BET比表面積の下限は特に限定されないが、例えば0.0005m/g以上であってもよく、さらには0.0010m/g以上であってもよい。
なお、実施形態では、第1のアルミナ粒子のBET比表面積を測定する際に、吸着ガスとして、窒素ガスではなく、クリプトンガスを用いている。これは、第1のアルミナ粒子の粒子表面は凹凸が少なく、比表面積が低いため、Nガス吸着法では正確なBET比表面積を測定することが困難であるためである。クリプトンガスを吸着ガスとして用いたBET比表面積を測定することにより、比表面積が低い第1のアルミナ粒子のBET比表面積をより正確に測定できる。
第1のアルミナ粒子のKr-BET比表面積に対する第2のアルミナ粒子のKr-BET比表面積の割合は、45超であることが好ましく、55以上であることがより好ましく、450以下であることが好ましく、250以下であることがより好ましい。第1のアルミナ粒子のKr-BET比表面積に対する第3のアルミナ粒子のKr-BET比表面積の割合は、4.0以上であることが好ましく、5.5以上であることがより好ましく、40以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。
第1のアルミナ粒子の粒径D50は、上述した通り100μm超であり、105μm以上であることが好ましく、110μm以上であることがより好ましく、115μm以上であることが特に好ましい。また、第1のアルミナ粒子の粒径D50の上限は特に限定されないが、樹脂との混錬性を良好にする観点から、160μm以下であることが好ましく、155μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることがより好ましく、140μm以下であることがさらに好ましい。
第2のアルミナ粒子の粒径D50は、上述した通り0.1μm以上1.0μm以下であり、0.2μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましく、0.9μm以下であることが好ましく、0.6μm以下であることがより好ましい。
アルミナ粉末は、さらに、粒径D50が3μm以上80μm以下の第3のアルミナ粒子を含んでいてもよい。
第3のアルミナ粒子の粒径D50は、4μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましく、70μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。
第1のアルミナ粒子、第2のアルミナ粒子および第3のアルミナのD50については、ISO 13322-2に準拠した動的画像解析の原理に基づいて各々のアルミナ粒子の粒度分布を測定し、測定結果から得た累積粒度分布を用いて、微粒側から累積50%の粒径(D50)を求める。測定装置としては、例えば、CAMSIZER(VERDER Scientific製)を用い、装置内に試料を順次投入して、ドライエアーにより凝集粒子を分散させながらカメラ前を通過する粒子を測定する。また、レーザー粒度分布 測定装置〔日機装(株)製「マイクロトラック:MT-3300」〕を用いて、レーザー 回折法により粒度分布を測定することもできる。
アルミナ粉末が第1のアルミナ粒子および第2のアルミナ粒子を含む場合は、アルミナ粉末の粒度分布には、第1のアルミナ粒子に由来する第1のピークと、第2のアルミナ粒子に由来する第2のピークの、少なくとも2つのピークが存在し得る。第1のピークの位置は、第1のアルミナ粒子のD50に近い値となり得、第2のピーク位置は、第2のアルミナ粒子のD50に近い値となり得る。
アルミナ粉末が、第1のアルミナ粒子および第2のアルミナ粒子に加えて、第3のアルミナ粒子を含む場合は、アルミナ粉末の粒度分布には、第1のアルミナ粒子に由来する第1のピークと、第2のアルミナ粒子に由来する第2のピークと、第3のアルミナ粒子に由来する第3のピークと、の3つのピークが存在し得る。第1のピークの位置は、第1のアルミナ粒子のD50に近い値となり得、第2のピークの位置は、第2のアルミナ粒子のD50に近い値となり得、第3のピークの位置は、第3のアルミナ粒子のD50に近い値となり得る。
このように、アルミナ粉末に第1のアルミナ粒子、第2のアルミナ粒子、および第3のアルミナ粒子を含むことは、アルミナ粉末の粒度分布から確認し得る。
後述するように、アルミナ粉末は、第1のアルミナ粒子と、第2のアルミナ粒子と、任意で第3のアルミナ粒子とを混合して調製される。そのため、混合前の各アルミナ粒子の粒径D50を測定することにより、混合後のアルミナ粉末に含まれる各アルミナ粒子の粒径D50を知ることができる。また例えば、粒度分布測定試料溶液の循環・攪拌速度を速くすることにより、大きな粒子が停滞しないようにして測定すると、第1~第3のアルミナ粒子を入れた際にピーク分離しやすい。
一方、混合後のアルミナ粉末からは、各アルミナ粒子の粒径D50を特定する方法としては、一例として、目開き100μmの第1のメッシュと、目開き5μmの第2のメッシュとを用いた湿式篩法によって、簡易的に、各アルミナ粒子に篩別し、篩別後の各アルミナ粒子のD50を測定することができる。
アルミナ粉末を目開き100μmの第1のメッシュで篩別すると、第1のアルミナ粒子が篩上物、第3のアルミナ粒子および第2のアルミナ粒子が篩下物となる。そして、篩下物を、目開き5μmの第2のメッシュで篩別することにより、第3のアルミナ粒子が篩上物、第2のアルミナ粒子が篩下物となる。このようにして篩別した3つのアルミナ粒子について、それぞれD50および各種の物性値を測定することができる。また、アルミナ粉末に含まれる各アルミナ粒子の含有量も測定することができる。
樹脂組成物に含まれるアルミナ粉末の場合は、樹脂組成物から樹脂を取り除いてアルミナ粉末を得て、そのアルミナ粉末の粒度分布を測定し、または篩別することにより、アルミナ粉末中の各アルミナ粒子を確認、または分離することができる。この時、粒度分布のピーク位置からアルミナ粒子のD50を確認し、複数のアルミナ粒子が含まれていれば、それぞれのD50の値に応じて上述の目開きの大きさを適宜選択することで、アルミナ粒子を篩別、分離することもできる。
樹脂と混合する前のアルミナ粉末の場合は、そのまま粒度分布を測定し、または篩別できる。
アルミナ粉末の全量を100質量%としたときの、第1のアルミナ粒子、第2のアルミナ粒子、および第3のアルミナ粒子の各々の好ましい含有量は以下の通りである。
第1のアルミナ粒子の含有量は、50.0質量%以上99.0質量%以下が好ましく、50.0質量%以上70.0質量%以下がより好ましい。
第2のアルミナ粒子の含有量は、5.0質量%以上49.9質量%以下が好ましく、8.0質量%以上35.0質量%以下がより好ましい。
第3のアルミナ粒子の含有量は、0質量%以上49.9質量%以下が好ましく、5.0質量%以上40.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以上35.0質量%以下が特に好ましい。
第2のアルミナ粒子は、多面体球状であることが好ましい。「多面体球状」とは、多面体で、かつ、平均球形度(または真円度であっても良い)が0.70以上での形状である。多面体球状であると、樹脂と混ぜた際の増粘が抑制でき、樹脂組成物中で粒子同士が面接触するため、熱伝導率が向上する。
アルミナ粉末中の第1のアルミナ粒子の含有量(質量%)は、第2のアルミナ粒子の含有量(質量%)よりも多いことが好ましい。つまり、アルミナ粉末が以下の式(1)を満たすことが好ましい。

A>B (1)

ここで、
AおよびBは、それぞれ、前記アルミナ粉末の全量を100質量%としたときの、前記第1のアルミナ粒子および前記第2のアルミナ粒子の含有量(質量%)である。
アルミナ粉末中の第1のアルミナ粒子の含有量が、第2のアルミナ粒子の含有量よりも多いことにより、混合物の流動性をさらに向上し得るとともに、混合物の隙間がうまるために熱伝導性も併せてよくなる。
電子部品で発生する熱を放熱する樹脂組成物では、電子部品に隣接して配置されるため、誘電損失が小さいことが望ましい。ここで、アルミナ粒子内部の粒界および空洞が少ないほど、アルミナ粒子の誘電損失が低くなる。そこで、アルミナ粒子内部の粒界の含有量の指標として、外縁の長さL1に対する境界線の合計長さL2の比(L2/L1)を導入する。
1粒のアルミナ粒子の外縁の長さL1、そのアルミナ粒子が有する境界線の合計長さL2としたとき、L2/L1の値が小さいアルミナ粒子は、境界線の含有量が少なく、誘電損失の低いアルミナ粒子といえる。
特に、D50が大きい第1のアルミナ粒子は、D50が小さい第2のアルミナ粒子よりも、粒子内部に境界線および内部空間を含みやすい。そのため、第1のアルミナ粒子の内部の境界線および内部空間を低減することにより、樹脂組成物の誘電損失を効果的に低減し得る。
第1のアルミナ粒子の外縁の長さL1に対する粒子内部の境界線の合計長さL2の比(百分率(%)表記)が100.0%以下であることが好ましく、樹脂組成物の誘電損失をより低下させ得る。つまり、第1のアルミナ粒子が以下の式(2)を満たすことが好ましい。なお、「L2/L1(%)」と表記した場合は、式(2)の左辺(L2/L1×100)で求めたことを意味する。

L2/L1×100≦100.0(%) (2)

ここで、
L1は、SEM-EBSD像から求めた前記第1のアルミナ粒子の外縁の長さであり、
L2は、SEM-EBSD像から求めた前記第1のアルミナ粒子内部に含まれる境界線の合計長さである。
「境界線の合計長さL2」は、第1のアルミナ粒子の内部に含まれる境界線の総和であり、第1のアルミナ粒子の外縁を含まない。境界線の合計長さL2は、第1のアルミナ粒子のSEM-EBSD像において、結晶粒界の境界線の合計長さL3と、(第1のアルミナ粒子の内部に空洞がある場合は)その空洞の内壁の合計長さL4とを加算したものとする(つまり、L2=L3+L4)。
との合計のことである。
L2/L1は、0.8以下(つまり80.0%以下)であることがより好ましく、0.5以下(つまり50%以下)であることがさらに好ましく、0.4以下(つまり40.0%以下)であることが特に好ましい。
第2のアルミナ粒子のL2/L1(%)は、50.0%以下が好ましく、20.0%以下であることがより好ましく、10.0%以下であることがさらに好ましい。
第3のアルミナ粒子のL2/L1(%)は、200.0%以下が好ましく、150.0%以下であることがより好ましく、50.0%以下であることがさらに好ましく、10.0%以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係るアルミナ粒子である第1のアルミナ粒子と、第2のアルミナ粒子と、第3のアルミナ粒子の全てのL2/L1(%)が、150.0%以下が好ましく、100.0%以下であることがより好ましく、75.0%以下であることがさらに好ましく、50.0%以下であることが特に好ましい。
第1のアルミナ粒子の細孔体積をクリプトン吸着法により測定したとき、細孔体積が0.0003cm/g以下であることが好ましい。
細孔体積は、Kr-BET比表面積と同様に、粒子表面の凹凸の程度を知る指標となる。第1のアルミナ粒子の細孔体積を上記範囲に制御することにより、混合物の成形性をさらに向上することができる。
上記細孔体積は、0.00009cm/g以下であることが好ましく、0.00007cm/g以下であることがより好ましい。上記細孔体積の下限は特に限定されないが、例えば0.000001cm/g以上であってもよく、さらには0.000005cm/g以上であってもよい。
第2のアルミナ粒子の細孔体積は、0.001cm/g以上であることが好ましく、0.004cm/g以下であることが好ましい。
第3のアルミナ粒子の細孔体積は、0.0001cm/g以上であることが好ましく、0.001cm/g未満であることが好ましい。
また、第1のアルミナ粒子の細孔体積に対する第2のアルミナ粒子の細孔体積の割合は、25超であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、95以下であることが好ましく、70以下であることがより好ましい。また、第1のアルミナ粒子の細孔体積に対する第3のアルミナ粒子の細孔体積の割合は、5.1以上であることが好ましく、6.0以上であることがより好ましく、55以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましい。このようにすることでアルミナ粒子の含有量を向上することができる。
第1のアルミナ粒子の細孔体積分布を、クリプトン吸着法により測定したとき、細孔体積分布の細孔径2~10nmの間にあるピーク高さが0.000055cm/g以下であることが好ましい。
細孔径2~10nmの間にあるピークは、樹脂の染み込みのしやすさを知る指標となり得る。よって、ピークを上記範囲に制御することにより、混合物の成形性をさらに向上することができる。
上記ピーク高さは、0.000055cm/g以下であることが好ましく、0.000050cm/g以下であることがより好ましい。上記細孔体積の下限は特に限定されないが、例えば0.000001cm/g以上であってもよく、さらには0.000005cm/g以上であってもよい。
第2のアルミナ粒子の上記ピーク高さは、0.0003cm/g以上であることが好ましく、0.003cm/g以下であることが好ましい。
第3のアルミナ粒子の上記ピーク高さは、0.00006cm/g以上であることが好ましく、0.0003cm/g以下であることが好ましい。
また、第1のアルミナ粒子の上記ピーク高さに対する第2のアルミナ粒子の上記ピーク高さの割合は、25超であることが好ましく、30以上であることがより好ましく、95以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましい。第1のアルミナ粒子の上記ピーク高さに対する第3のアルミナ粒子の上記ピーク高さの割合は、2.5以上であることが好ましく、4.0以上であることがより好ましく、15以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。このようにすることでアルミナ粒子の含有量を向上することができる。なお、これらのピーク高さとは細孔径2~10nmの間にある最も高いピークの高さを表す。
アルミナ粉末は、α-アルミナの含有率が高いことが望ましい。α-アルミナは熱伝導率が高いため、アルミナ粉末中のα-アルミナの含有量を高くすることにより、アルミナ粉末の熱伝導率を高くすることができる。本発明の実施形態に係るアルミナ粉末では、第1のアルミナ粒子、第2のアルミナ粒子、および第3のアルミナ粒子の各々について、α-アルミナの含有量の指標であるα化率が以下の範囲にあることが好ましい。
第1のアルミナ粒子のα化率は、90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましく、94%以上であることが特に好ましい。
第2のアルミナ粒子のα化率は、90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましく、94%以上であることが特に好ましい。
第3のアルミナ粒子のα化率は、0%以上100%以下であることが好ましく、60%以上100%以下であることがより好ましく、85%以上100%以下であることが特に好ましい。
本明細書において「α化率」とは、アルミナ粒子に含まれる全てのアルミナに対するα-アルミナの含有率(体積%)である。
α化率は、アルミナ粒子を粉末X線回折法により測定し、得られた回折スペクトルから、2θ=25.6°の位置に現れるα相(012面)のピーク高さ(I25.6)と、2θ=46°の位置に現れるγ相、η相、χ相、κ相、θ相およびδ相のピーク高さ(I46)を求め、以下の式(3)により算出する。

α化率(%)=I25.6/(I25.6+I46)×100 (3)
アルミナ粒子は、α-アルミナ以外のアルミナ(δ-アルミナ、θ-アルミナ等)を含んでいてもよい。α-アルミナ以外のアルミナは、どのような態様で含まれていてもよい。例えば、1粒のアルミナ粒子の内部に、α-アルミナと、α-アルミナ以外のアルミナとが共に含まれていてもよい。また、とある粒のアルミナ粒子はα-アルミナのみからなり、別の粒のアルミナ粒子はα-アルミナ以外のアルミナのみからなり、それらのアルミナ粒子が混在していてもよい。
アルミナ粒子の真円度は0.70以上であることが好ましく、アルミナ粒子の含有量を向上させることができ、かつ、樹脂との混錬性を良好にでき、コンポジットの粘度上昇を抑制できる。さらにアルミナ粒子による他の部材の摩耗を低減することもできる。本実施形態に係るアルミナ粒子である第1のアルミナ粒子と、第2のアルミナ粒子と、第3のアルミナ粒子とが全て真円度が0.70以上であることが好ましく、0.75以上がより好ましく0.80以上が特に好ましく、0.85以上が特により好ましい。
アルミナ粒子の真円度は、ISO 13322-2に準拠した動的画像解析の原理に基づく測定装置(例えば、CAMSIZER X2(VERDER Scientific製))により、粒度分布と同時に測定することができ、真円度(SPHT)はISO 9276-6に準拠して解析され、SPHT=4πA/Pから求められる。式中のAは投影粒子画像の面積の測定値であり、Pは粒子投影画像の外周長の測定値である。粒子のSEM観察により真円度を求めても良い。また樹脂組成物のSEM断面観察から求めても良い。
安息角は、粉体自体の流動性を示す指標である。本発明の実施形態のアルミナ粉末は、安息角が38°未満である。これにより、アルミナ粉末の流動性が向上し、樹脂と混合したときに良好な成形性を有する樹脂組成物を得ることができる。安息角は、好ましくは35°以下であり、より好ましくは33°以下である。一方、安息角を所定値以上にしておくことで、例えばアルミナ粉末の飛散を抑制できるなど、ハンドリング性を向上させることができる。安息角は、好ましくは20°超であり、より好ましくは25°以上である。
アルミナ粉末の安息角は、公知の方法で調整し得る。一例としては、アルミナ粒子の比表面積や細孔体積を調整したりすることにより、安息角を調整してもよい。後述するように、火炎溶融法で製造する第1のアルミナ粒子の燃焼条件を制御することでアルミナ粉末の安息角を調整し得る。
アルミナ粉末の安息角は、JIS R 9301-2-2:1999の記載に準拠して測定する。安息角測定時の周囲雰囲気としては、温度23℃、湿度40%とする。
このようなアルミナ粉末を樹脂組成物に使用することにより、樹脂組成物中のアルミナ粉末の含有量を向上しつつ、成形性の良好な混合物から樹脂組成物を製造することができる。
上述したアルミナ粉末の各種物性の測定は、樹脂と混合する前のアルミナ粉末であれば、そのまま測定することができ、また、樹脂と混合した後(例えば、樹脂とアルミナ粉末との混合物の状態、または当該混合物を硬化させて得られた樹脂組成物の状態)は、樹脂を取り除いた後のアルミナ粉末を測定することができる。
[アルミナ粉末の製造方法]
アルミナ粉末の製造方法は、第1のアルミナ粒子と、第2のアルミナ粒子と、任意で第3のアルミナ粒子と、を混合することを含む。
混合方法は特に限定されず、ブレンダー、ミキサーなどの混合方法を用いることができる。
2種のアルミナ粒子を混合する場合は、それぞれの所定量を秤量し、混合容器に入れて混合する。3種のアルミナ粒子を混合する場合は、それぞれの所定量を秤量し、混合容器に全て同時に入れて混合してもよく、順次投入して混合してもよい。
[アルミナ粒子の製造方法]
アルミナ粉末を構成するアルミナ粒子(第1のアルミナ粒子と第2のアルミナ粒子、および任意で第3のアルミナ粒子)を製造する方法は特に限定されず、各アルミナ粒子に求められる物性を達成できればどのような製造方法で製造してもよい。
また、各々のアルミナ粒子として、市販のアルミナ粒子を用いてもよい。
なお、第1のアルミナ粒子を製造する場合は、火炎溶融法で製造することが好ましい。
火炎溶融法による第1のアルミナ粒子の製造には、例えば、図1に示すような装置を用いる。
火炎溶融法でD50が100μm超の第1のアルミナ粒子を製造するためには、D50が、例えば110μm以上のアルミナ原料粒子を用いる。アルミナ原料粒子のD50は、好ましくは120μm以上であり、例えば150μmである。
アルミナ原料粒子のD50は、上述のアルミナ粒子のD50の測定方法と同じ方法で測定できる。
火炎溶融時に用いる燃料ガス(例えばLPGガス)の供給量は、20Nm/時間未満であることが好ましい。燃料ガスの供給量により、火炎長を変えることができ、燃料ガスの供給量が多くなるほど、火炎長が長くなり、粒子の火炎中の滞留時間が長くなる。燃料ガスの供給量が小さくなるほど、火炎長が短くなり、粒子の火炎中の滞留時間が短くできる。すなわち、アルミナ原料粒子の火炎中の滞留時間を変えることができ、アルミナ原料粒子の火炎中の溶融度合い(時間)を変化させることができる。また、アルミナ原料粒子の原料粒子の結晶構造を維持したままアルミナ粒子表面の凹凸を極めて少なくすることができ、Kr-BET比表面積が0.085m/g以下のアルミナ粒子を製造したり、このようなアルミナ粒子を含むアルミナ粉末の安息角を所定の範囲にすることが可能である。
また、従来から、造粒した原料粒子を用いて火炎溶融法でアルミナ粒子を製造する方法が知られているが、得られるアルミナ粒子の内部に内部空隙が多く含まれることがある。アルミナ原料粒子として、造粒を行っていない単結晶アルミナを使用するので、内部空隙の少ない(または内部空隙のない)、密度の高い第1のアルミナ粒子を得ることができる。
[樹脂]
樹脂組成物に使用する樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂の中から選択することができる。なお、樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレン-エーテル共重合体(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル等のポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマー等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン-ブタジエンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン-イソプレンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、架橋ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。架橋ゴムの具体例としては、天然ゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレン共重合ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、及びシリコーンゴムが挙げられる。
加工性や特性の観点から、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
さらに、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、発明の効果を損なわない範囲で可塑剤、硬化促進剤、カップリング剤、充填剤、顔料、難燃剤、酸化防止剤、界面活性剤、相溶化剤、耐候剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、レベリング剤、離型剤などの公知の添加剤を単独または二種以上を適宜配合しても良い。
樹脂組成物を100質量%としたとき、樹脂の含有量は10質量%以下であってもよく、6質量%以下であることが好ましい。これにより、樹脂組成物中のアルミナ粉末の含有量を高く(例えば、94質量%以上)することができるので、樹脂組成物の放熱特性をさらに向上することができる。
実施形態に係るアルミナ粉末であれば、樹脂の含有量を6質量%以下まで減少させても、アルミナ粉末と樹脂との混合物の成形性が良好であるため、樹脂組成物を製造することができる。
樹脂組成物を100質量%としたとき、樹脂の含有量は1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であってもよい。
樹脂組成物に含まれる樹脂の含有量は、あらかじめ測定した樹脂組成物の質量と、樹脂組成物から樹脂を取り除いて得られるアルミナ粉末の質量とから求めることができる。樹脂組成物から樹脂を取り除く具体的な方法としては、溶剤で樹脂を溶解して除去する方法、樹脂組成物を灰化して樹脂を除去する方法などが挙げられる。
[樹脂組成物の製造方法]
樹脂組成物の製造方法は、アルミナ粉末と樹脂とを混合する混合工程を含む。
混合工程は、一般的に用いられる公知の方法を使用でき、樹脂とアルミナ粉末とを混合して樹脂組成物を得る。
例えば、樹脂が液状の場合(例えば液状エポキシ樹脂など)は、液状樹脂とアルミナ粒子と硬化剤とを混合した後、熱または紫外線などで硬化させることにより樹脂組成物を得ることができる。硬化剤や混合方法、硬化方法は公知のものおよび方法を用いることができる。
一方、樹脂が固体状の場合(例えばポリオレフィン樹脂やアクリル樹脂など)は、樹脂とアルミナ粒子とを混合した後に、溶融混練などの公知の方法により混練することで目的とする樹脂組成物を得ることができる。
樹脂組成物に用いられるアルミナ粉末は、粒径D50が100μm超で、クリプトン吸着法により測定されたBET比表面積が、0.085m/g以下の第1のアルミナ粒子と、粒径D50が0.1μm以上1.0μm以下の第2のアルミナ粒子と、を混合することで得られる。
アルミナ粉末と樹脂と混合する混合工程より前または混合工程と同時に、第1のアルミナ粒子と、第2のアルミナ粒子とを混合することができる。
例えば、混合工程より前に、第1のアルミナ粒子と第2のアルミナ粒子とを事前に混合してアルミナ粉末を調製し、その後に、樹脂とアルミナ粉末とを混合する混合工程を行ってもよい。
別の例では、樹脂とアルミナ粉末との混合工程の際に、樹脂と、第1のアルミナ粒子と、第2のアルミナ粒子とを混合容器内に入れて混合してもよい。これにより、実質的に、樹脂と、第1のアルミナ粒子と第2のアルミナ粒子とを含むアルミナ粉末と、を混合することができる。
アルミナ粉末が、第1のアルミナ粒子と第2のアルミナ粒子とに加えて、さらに第3のアルミナ粒子を含む場合は、それら3種のアルミナ粒子を混合する順番、および混合するタイミングは任意に選択できる。
3種のアルミナ粒子を混合する順番については、例えば、第1のアルミナ粒子、第2のアルミナ粒子、および第3のアルミナ粒子を同時に混合してアルミナ粉末を調製してもよい。
別の例では、いずれか1種のアルミナ粒子に、その他の2種のアルミナ粒子を順次加えて混合してアルミナ粉末を調製してもよい。
3種のアルミナ粒子を混合するタイミングは、アルミナ粉末と樹脂と混合する混合工程より前、および/または混合工程と同時であってもよい。
例えば、混合工程より前に、3種のアルミナ粒子を事前に混合してアルミナ粉末を調製し、その後に、樹脂とアルミナ粉末とを混合する混合工程を行ってもよい。
別の例では、2種のアルミナ粒子を事前に混合した2種混合アルミナ粒子を調製し、其の後に、2種混合アルミナ粒子と、残りの1種のアルミナ粒子と、樹脂とを混合容器内に入れて混合してもよい。
さらに別の例では、樹脂と、3種のアルミナ粒子とを混合容器内に入れて混合してもよい。
1.測定用試料の作製
1)アルミナ粒子の準備
表1に示す特性を有するアルミナ粒子No.1a、1b、2a、3a、3b、3cを準備した。なお、アルミナ粒子No.1aは以下の手順で作製し、その他のアルミナ粒子は市販されたものを用いた。
2)アルミナ粒子No.1aの作製
アルミナ粒子No.1aは、火炎溶融法で作製した。
まず、単結晶のアルミナからなる原料粒子を準備した。アルミナ原料粒子は角ばった形状をしていた。
このアルミナ原料粒子を、目開き132μmの篩で篩別し、篩上分のアルミナ原料粒子を、アルミナ粒子No.1aの原料として用いた。
図1に示すような装置を用いて、原料からアルミナ粒子No.1aを作製した。図1の装置では、酸素ガス供給システム10からの酸素ガスを分岐して、一方(キャリア酸素ガス11)をフィーダ30に、他方(燃焼酸素ガス12)を火炎溶融炉40のバーナー41に供給した。フィーダ30に供給された原料は、キャリア酸素ガス11によって火炎溶融炉40のバーナー41まで運搬された。また、ガス供給システム20から20Nm/時間未満で燃料ガス(LPG)をバーナー41に供給した。バーナー41では、燃料ガスと燃焼酸素ガス12によって2150℃以上の高温火炎が形成され、そこに、キャリア酸素ガス11中に分散させた原料を供給した。これにより、火炎溶融炉40内において、原料を溶融して球状化した。その後、球状化したアルミナ粒子をサイクロン50にて分級を行い、サイクロン50にアルミナ粒子No.1aを補足した。
3)アルミナ粒子No.1bの作製
アルミナ粒子No.1bは、原料にバイヤー法で作製した多結晶アルミナ粒子(D50:95μm)を用いたこと、燃料ガス(LPG)の流量を40Nm/時間にしたこと以外は、No.1aと同じ条件にて火炎溶融法で球状化した。球状化したアルミナ粒子をサイクロン50に捕捉し、回収したアルミナ粒子を目開き100μmの篩で篩別した。篩上分のアルミナ原料粒子をアルミナ粒子No.1bとした。
4)アルミナ粉末の準備
第1のアルミナ粒子(アルミナ粒子No.1aまたは1b;いずれも球状)と、第2のアルミナ粒子(アルミナ粒子No.2a;多面体球状)と、第3のアルミナ粒子(アルミナ粒子No.3a;球状、3b;多面体球状、3c;球状)とを、表2に示す配合率(各アルミナ粒子の含有量の比率)で混合し、アルミナ粉末(実施例1~7および比較例1~3)を準備した。
5)アルミナ粉末と樹脂との混合物(混合試料)の作製
アルミナ粉末と樹脂とを、表3に示す配合率(アルミナ粉末と樹脂の含有量の比率)となるように配合し、株式会社シンキー製 自転・公転ミキサー(ARV-310)を用いて混練し、アルミナ粉末と樹脂との混合物(実施例1~7および比較例1~3の混合試料)を得た。
樹脂は、常温硬化埋込樹脂 53型エポキシ樹脂((株)三啓製)を用いた。
2.アルミナ粒子の粒径D50の測定
アルミナ粒子No.1a、1b、2a、3a、3b、3cの粒度分布を測定し、粒径D50を求めた。測定結果を表1に示す。
アルミナ粒子の粒度分布は、ISO 13322-2に準拠した動的画像解析の原理に基づく装置CAMSIZER X2(VERDER Scientific製)により測定した。測定は乾式とし、装置内に試料を順次投入して、50kPaのドライエアーにより凝集粒子を分散させながらカメラ前を通過する粒子を測定した。測定試料は3g秤量し、1回測定とした。同じ測定を3回繰返し行い、これらの結果の積算平均から粒度分布を解析した。粒子径は円相当粒子径とした。円相当粒子径とは投影粒子画像と同じ面積となる真円の粒子径のことである。また、粒子径の基準は体積とした。
3.アルミナ粒子のKr-BET比表面積、細孔体積分布、および細孔体積の測定
アルミナ粒子No.1a、1b、2a、3a、3b、3cの細孔体積分布、Kr-BET比表面積、および細孔体積を測定した。
ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定法はJIS Z 8830:2013に準拠し、吸着ガスとしてKrを用いた。測定に際し、1gのアルミナ粒子をサンプル管にいれて、吸脱着等温線を取得し、多点プロット法により、Kr-BET比表面積(m/g)解析、および細孔体積分布解析を行い、Kr-BET比表面積および細孔体積を求めた。また、細孔体積分布から、細孔径2~10nmの間にあるピーク高さを求めた。それぞれの測定結果を表1に示す。
4.アルミナ粒子の外縁の長さL1と粒子内部の境界線の合計長さL2の測定
アルミナ粒子No.1a、1b、2a、3a、3b、3cを用いて断面観察用試料を作製した。断面観察用試料の作製では、アルミナ粒子を樹脂包埋後、樹脂とアルミナ粒子をダイヤモンドカッターにて切断した。その後、断面に保護膜としてPtを蒸着し、Arイオンミリングにて断面調製を行い、SEM試料台にCu両面テープにて固定し、無蒸着にてSEM-EBSD測定を行った。観察領域内に2粒以上のアルミナ粒子が完全に入るように(つまり、2粒以上のアルミナ粒子が、観察領域の枠と接触しないように)、観察位置を決定した。
サンプルの前処理およびEBSD測定には、以下の機器を使用した。
・使用機器
イオンミリング装置:IM-4000(株式会社日立製作所製)
イオンスパッタ装置:E-1030(株式会社日立製作所製)
超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡:JSM-7800F Prime(日本電子株式会社製)
後方散乱電子回折装置:Digiview V (TSL製)
EBSD測定の条件は以下の通りとした。
・測定領域:500.0μm×400.0μm
・加速電圧:20.0kV
・倍率:×500
・低真空度:30Pa
得られたEBSD像において、観察領域の枠と接触していないアルミナ粒子を2粒以上選択した。各々のアルミナ粒子の外縁の長さL1を、画像処理ソフトImage J(National Institute of Health製)で求め、その平均を算出した。また各々のアルミナ粒子の境界線の合計長さL2についても、同じ画像処理ソフトを用いて求め、それらの平均値を算出した。「境界線の合計長さL2」は、アルミナ粒子の内部に含まれる境界線の総和であり、アルミナ粒子の外縁を含まないものとした。境界線の合計長さL2は、アルミナ粒子内部の粒界の合計長さと、(アルミナ粒子の内部に空洞がある場合は)その空洞の内壁の合計長さとを加算して求めた。
外縁の長さL1(平均値)に対する境界線の合計長さL2(平均値)の比L2/L1(%)(つまり、L2/L1×100)を求めた。測定結果を表1に示す。
5.アルミナ粉末の安息角の測定
実施例1~9および比較例1~3のアルミナ粉末の安息角を、JIS R 9301-2-2:1999の記載に準拠して測定した。安息角測定時の周囲雰囲気としては、温度23℃、湿度40%とした。測定結果を表2に示す。
6.シート成形性の評価
実施例1~7および比較例1~3(表3)の混合物(混合試料)を、直径20mmの金型に5g入れ、30MPaの圧力をかけて成型し、室温で24時間置いて樹脂を硬化させた。これにより、シート状の樹脂組成物を作製した。
樹脂組成物がシートの形状を保持できている場合には、シート成形性が良好(〇)とし、シート形状を保持できなかった場合(例えば、粉末状に崩壊した場合)には、シート成形性が不良(×)と評価した。
評価結果を表4に示す。
7.熱伝導率の測定
表3に示した実施例1~7の混合試料から、熱伝導率の測定用試料片を作製した。直径20mmの金型に混合試料を2g入れ、30MPaの圧力をかけて成型し、室温で24時間置いて樹脂を硬化させた。
硬化した成型体を10mm角×厚さ2mmのサイズに加工し、表面研磨したものを試験片とした。この試験片の厚み方向の熱伝導率について、キセノンフラッシュアナライザー(NETZSCH社製、LFA467)を用い、レーザーフラッシュ法により板状の試験片の厚み方向の熱伝導率を測定した。測定は、大気雰囲気下、25℃の条件下で行った。
なお、上記「5.シート成形性の評価」で述べたように、比較例1~3の混合試料はシート状に成形できないため、測定用試料片を作製することができなかった。そのため、比較例1~3については、熱伝導率の測定を行わなかった。
8.塗工伸び率の測定
表3に示した実施例1~7および比較例1~3の混合試料を、ガラス板の上で長さ2cm×幅1cmの形に整えた(これを「初期状態」とする)。初期状態の混合試料の上に、スキージを斜め(水平面とスキージの下面との傾斜角10度)に配置した。初期状態の長さ方向に沿って、1cm/sの速度でスキージを引張って、混合試料を引き延ばした。CTFE(三フッ化エチレン樹脂)製スキージでスキージのサイズは混合試料に接する部分の幅は2.5cmであった。
引き延ばした後の混合試料の長さ方向の全長を測定し、初期状態の長さで割って、伸び率(%)を求めた。例えば、長さ方向の全長が4cmであった場合は、伸び率は200%(4/2×100)となる。測定結果を表4に示す。
なお、混合試料が粉末状となっており、塗工伸び率の測定を行えない場合があった。混合試料を初期状態に整えることができなかった場合は、表4に線(-)を記入した。また、混合試料を初期状態に整えることはできたものの、引き延ばすことができなかった場合は、表4にゼロ(0)を記入した。
9.粘度測定
表2に示した実施例1および比較例1のアルミナ粉末に、シリコーン樹脂(CY52-276 ダウ・東レ株式会社製)を、アルミナ粉末94質量%、シリコーン樹脂6質量%の比率で混合して、粘度測定用の混合試料を準備した。動的粘弾性測定装置(ユービーエム社製「Rheosol-G3000」)を使用して、混合試料の粘度を測定した。直径40mmのパラレルプレートを使用し、ギャップ1mm、せん断速度1s-1、25℃で測定した。
樹脂組成物は、半導体チップの封止部材としても使用可能である。その場合には樹脂とアルミナ粉末との混合物は、部品の隙間に入る必要があるため、混合物の粘度が低い方が好ましい。
測定結果を表4に示す。
Figure 2023164332000001
Figure 2023164332000002
Figure 2023164332000003
Figure 2023164332000004
実施例1~7は、本実施形態の条件を満たすアルミナ粉末を用いることにより、混合試料の成形性が良好であった。特に、実施例3は、アルミナ粉末の含有量が96質量%と極めて高いにもかかわらず、シート状に成形することができた。
一方、比較例1~3は、第1のアルミナ粒子のKr-BET比表面積が本実施形態の条件を満たさなかったため、混合試料の成形性が低かった。
10 酸素ガス供給システム
11 キャリア酸素ガス
12 燃焼酸素ガス
20 燃料ガス供給システム
30 フィーダ
40 火炎溶融炉
50 サイクロン

Claims (15)

  1. 樹脂と、アルミナ粉末とを含む樹脂組成物であって、
    前記アルミナ粉末は、
    粒径D50が100μm超で、クリプトン吸着法により測定されたBET比表面積が、0.085m/g以下の第1のアルミナ粒子と、
    粒径D50が0.1μm以上1.0μm以下の第2のアルミナ粒子と、を含む、樹脂組成物。
  2. 前記アルミナ粉末が以下の式(1)を満たす、請求項1に記載の樹脂組成物。

    A>B (1)

    ここで、
    AおよびBは、それぞれ、前記アルミナ粉末の全量を100質量%としたときの、前記第1のアルミナ粒子および前記第2のアルミナ粒子の含有量(質量%)である。
  3. 前記第1のアルミナ粒子が以下の式(2)を満たす、請求項1または2に記載の樹脂組成物。

    L2/L1×100≦100.0(%) (2)

    ここで、
    L1は、SEM-EBSD像から求めた前記第1のアルミナ粒子の外縁の長さであり、
    L2は、SEM-EBSD像から求めた前記第1のアルミナ粒子内部に含まれる境界線の合計長さである。
  4. 前記第1のアルミナ粒子のクリプトン吸着法により測定された細孔体積が0.0003cm/g以下である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  5. 前記第1のアルミナ粒子のクリプトン吸着法により測定された細孔体積分布において、細孔径2~10nmの間にあるピーク高さが0.000055cm/g以下である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  6. 前記アルミナ粉末が、さらに、粒径D50が3μm以上80μm以下の第3のアルミナ粒子を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  7. 前記樹脂組成物を100質量%としたときの、前記樹脂の含有量が6質量%以下である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  8. 前記アルミナ粉末の安息角が20°超38°未満である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  9. 粒径D50が100μm超で、クリプトン吸着法により測定されたBET比表面積が、0.085m/g以下の第1のアルミナ粒子と、
    粒径D50が0.1μm以上1.0μm以下の第2のアルミナ粒子と、を含むアルミナ粉末。
  10. 以下の式(1)を満たす、請求項9に記載のアルミナ粉末。

    A>B (1)

    ここで、
    AおよびBは、それぞれ、前記アルミナ粉末の全量を100質量%としたときの、前記第1のアルミナ粒子および前記第2のアルミナ粒子の含有量(質量%)である。
  11. 前記第1のアルミナ粒子が以下の式(2)を満たす、請求項9または10に記載のアルミナ粉末。

    L2/L1×100≦100.0(%) (2)

    ここで、
    L1は、SEM-EBSD像から求めた前記第1のアルミナ粒子の外縁の長さであり、
    L2は、SEM-EBSD像から求めた前記第1のアルミナ粒子内部に含まれる境界線の合計長さである。
  12. 前記第1のアルミナ粒子のクリプトン吸着法により測定された細孔体積が0.0003cm/g以下である、請求項9または10に記載のアルミナ粉末。
  13. 前記第1のアルミナ粒子のクリプトン吸着法により測定された細孔体積分布において、細孔径2~10nmの間にあるピーク高さが0.000055cm/g以下である、請求項9または10に記載のアルミナ粉末。
  14. さらに、粒径D50が3μm以上80μm以下の第3のアルミナ粒子を含む、請求項9または10に記載のアルミナ粉末。
  15. 安息角が20°超38°未満である、請求項9または10に記載のアルミナ粉末。
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