WO2024116954A1 - アルミナ粒子およびそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

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累積粒度分布の微粒側から個数の累積50%の粒径D50が100μm超200μm以下で、安息角が32°未満である、アルミナ粒子。

Description

アルミナ粒子およびそれを用いた樹脂組成物
 本開示は、アルミナ粒子およびそれを用いた樹脂組成物に関する。
 電子部品に通電することにより発生する熱は、ヒートシンクを介して放熱される。放熱効率を向上する目的で、電子部品とヒートシンクとの間を放熱材料で充填する技術が知られている。
 放熱材料の1つとして、樹脂と無機粒子とを含む樹脂組成物があり、無機粒子としてはアルミナ粒子が利用できることが知られている(例えば特許文献1)。
 特許文献1には、電融アルミナを、ジェットミルを用いて破砕し、その電融アルミナ粒子のエッジを取り除くことで平均粒径が5~4000μmの丸味状電融アルミナ粒子を得る方法が開示されている。
特開2006-169090号公報
 近年、電子機器の小型化およびIC高集積化により、電子部品とヒートシンクとの間の隙間が狭くなっている。電子部品とヒートシンクとの間に配置される樹脂組成物は、その狭い隙間に成形可能であること(つまり、優れた成形性を有すること)求められている。そのためには、アルミナ粒子と樹脂との混合物の粘度を低く抑えることが望ましく、混合物の粘度を低下させることのできるアルミナ粒子が求められている。
 しかしながら、特許文献1のアルミナ粒子は、そのアルミナ粒子と樹脂との混合物の粘度について検討されていない。
 このような状況を鑑みて、本発明の一実施形態は、樹脂組成物用フィラーとして使用されるアルミナ粒子であって、樹脂と混合したときに、混合物の粘度を低く抑えることができるアルミナ粒子を提供することを目的とする。さらに、本発明の別の実施形態は、そのようなアルミナ粒子を用いた樹脂組成物を提供することを目的とする。
 本発明の態様1は、
 累積粒度分布の微粒側から個数の累積50%の粒径D50が100μm超200μm以下で、
 安息角が32°未満である、アルミナ粒子である。
 本発明の態様2は、
 アルミナ粒子の外縁の長さL1に対する、アルミナ粒子内部の境界線の合計長さL2の比(L2/L1)が200.0%以下である、態様1に記載のアルミナ粒子である。
 本発明の態様3は、
 真円度が0.93超のアルミナ粒子の最大粒径が160μm以上である、態様1または2に記載のアルミナ粒子である。
 本発明の態様4は、
 粒径80μm以上160μm未満のアルミナ粒子の平均真円度が0.94超である、態様1~3のいずれか1項に記載のアルミナ粒子である。
 本発明の態様5は、
 粒径160μm以上180μm未満のアルミナ粒子の平均真円度が0.86超である、態様1~4のいずれか1項に記載のアルミナ粒子である。
 本発明の態様6は、
 樹脂と、態様1~5のいずれか1つに記載のアルミナ粒子とを含む樹脂組成物である。
 本発明の一実施形態に係るアルミナ粒子は、樹脂と混合したときに、混合物の粘度を低く抑えることができる。本発明の別の実施形態に係る樹脂組成物は、一実施形態に係るアルミナ粒子を用いているため、成形性に優れている。
図1は、アルミナ粒子の製造方法において、火炎溶融工程を実施するための装置を示す概略図である。
[実施形態1:アルミナ粒子]
 本発明の実施形態1に係るアルミナ粒子は、樹脂組成物用フィラーとして、樹脂と混合して使用するためのものである。アルミナ粒子は、累積粒度分布の微粒側から個数の累積50%の粒径D50が100μm超200μm以下で、安息角が32°未満である。本発明者らは、これらの特徴を有するアルミナ粒子は、樹脂と混合したときに混合物の粘度を低く抑えることができることを初めて見いだして、本実施の形態に係る発明を完成するに至った。
 実施形態1に係るアルミナ粒子の特徴について、以下に詳しく説明する。
(累積粒度分布の微粒側から個数の累積50%の粒径D50)
 本発明の実施形態1に係るアルミナ粒子では、累積粒度分布の微粒側から個数の累積50%の粒径D50(以下単に「D50」と記載することがある)が100μm超200μm以下のアルミナ粒子を対象としている。アルミナ粒子の粒径D50は、好ましくは115μm以上195μm以下である。
 アルミナ粒子のD50は、ISO 13322-2に準拠した動的画像解析の原理に基づいてアルミナ粒子の粒度分布を測定し、測定結果から得た累積粒度分布を用いて、微粒側から個数の累積50%の粒径(D50)を求める。測定装置としては、例えば、CAMSIZER(VERDER Scientific製)を用い、装置内に試料を順次投入して、ドライエアーにより凝集粒子を分散させながらカメラ前を通過する粒子を測定する。
(安息角)
 安息角は、粉体自体の流動性を示す指標である。本発明の実施形態1のアルミナ粒子は、安息角が32°未満である。これにより、アルミナ粒子の流動性が向上し、樹脂と混合したときに混合物の粘度を低く抑えることができる。安息角は、好ましくは29°未満であり、より好ましくは27°未満である。一方、安息角を所定値以上にしておくことで、例えばアルミナ粒子の飛散を抑制できるなど、ハンドリング性を向上させることができる。安息角は、好ましくは14°超であり、より好ましくは16°以上であり、特に好ましくは18°以上である。
 アルミナ粒子の安息角は、公知の方法で調整し得る。一例としては、アルミナ粒子の比表面積を調整したり、粒径80μm以上(特に、粒径160μm以上)の粒子の真円度を調整することにより、安息角を調整してもよい。後述するように、火炎溶融法で製造するアルミナ粒子の場合は、燃焼量を制御することでアルミナ粒子の安息角を調整し得る。
 アルミナ粒子の安息角は、JIS R 9301-2-2:1999の記載に準拠して測定する。安息角測定時の周囲雰囲気としては、温度23℃、湿度40%とする。
(アルミナ粒子の外縁の長さL1に対する粒子内部の境界線の合計長さL2の比)
 アルミナ粒子内部の粒界および空洞が少ないほど、例えば放熱部材として使用される、樹脂と無機粒子(アルミナ粒子)とを含む樹脂組成物の製造段階において、アルミナ粒子と樹脂とを混合するときに、アルミナ粒子を樹脂中に均一に分散させることができ、また、混合物の粘度が下がると期待される。その結果、樹脂組成物の成形のしやすさ、および混合時の作業性および混錬性が良好になるなどの効果が期待される。このような特性を持つアルミナ粒子は、実施形態1で規定した安息角をもつことがある。
 また、アルミナ粒子内部の粒界および空洞が少ないほど、アルミナ粒子の熱伝導率の向上にも寄与し得る。樹脂と無機粒子とを含む樹脂組成物を放熱材料として使用するときに有利である。アルミナ粒子を含む樹脂組成物を、放熱部材として電子部品の近傍に配置する際に有利である。
 そこで、アルミナ粒子内部の粒界の含有量の指標として、外縁の長さL1に対する境界線の合計長さL2の比(L2/L1)を導入する。L1およびL2は、アルミナ粒子の断面観察から求める。
 1つのアルミナ粒子の外縁の長さをL1、そのアルミナ粒子が有する境界線の合計長さをL2としたとき、L2/L1の値が小さいアルミナ粒子は、境界線の含有量が少なく、誘電損失の低いアルミナ粒子といえる。特に、(L2/L1)(%)が200.0%以下であることが好ましく、樹脂組成物用フィラーとして使用したときに、樹脂組成物の放熱性を向上でき、かつ誘電損失を低下できると期待される。(L2/L1)は、より好ましくは130.0%以下、更に好ましくは、100.0%以下、より更に好ましくは80.0%以下であり、特に好ましくは、60.0%以下であり、好ましくは5.0%以上であり、より好ましくは15.0%以上であり、更に好ましくは35.0%以上であり、特に好ましくは45.0%以上である。このL2/L1は、造粒した原料粒子や多結晶である原料粒子を用いて火炎溶融法でアルミナ粒子を製造した場合に特に値が大きくなってしまい、再加熱等の後工程を行っても大きく低減することはできない。
 なお、「境界線の合計長さL2」は、アルミナ粒子の内部に含まれる境界線の総和であり、アルミナ粒子の外縁を含まない。境界線の合計長さL2は、アルミナ粒子内部の粒界の合計長さL3と、(アルミナ粒子の内部に空洞がある場合は)その空洞の内壁の合計長さL4とを加算したものとする(つまり、L2=L3+L4)。
 L1、L2、L3およびL4の測定は、α-アルミナからなるアルミナ粒子で行うことが好ましい。
(アルミナ粒子の真円度)
 アルミナ粒子の真円度(SPHT)はISO 9276-6に準拠して解析した。SPHT=4πA/Pから求められる。式中のAは投影粒子画像の面積の測定値であり、Pは粒子投影画像の外周長の測定値である。
 各々のアルミナ粒子の真円度は、ISO 13322-2に準拠した動的画像解析の原理に基づく測定装置(例えば、CAMSIZER X2(VERDER Scientific製))により測定する。アルミナ粒子の真円度の測定と同時に、アルミナ粒子の粒度分布も測定できる。
 本発明の実施形態1のアルミナ粒子は、粒径と真円度が以下の要件(i)~(iii)を満たしていることが好ましい。この範囲にあると、樹脂との混錬性を良好にでき、かつ、混練後の樹脂とアルミナ粒子との混合物(コンポジット)の粘度をさらに低くすることができる。
 要件(i):真円度が0.93超のアルミナ粒子の最大粒径は、160μm以上である。
 
 要件(ii):粒径80μm以上160μm未満のアルミナ粒子の平均真円度は、0.94超である。より好ましくは0.95超である。
要件(iii):粒径160μm以上180μm未満のアルミナ粒子の平均真円度は、0.86超である。より好ましくは0.88以上である。
 要件(i)~(iii)を満たしているか否かは、アルミナ粒子の真円度と粒度分布の測定データを用いて、以下の手法で解析することによって確認できる。
 要件(i):真円度が0.93超のアルミナ粒子について粒径を調べ、最も大きい粒径の値を求める。
 要件(ii):粒径が80μm以上160μm未満の範囲に含まれるアルミナ粒子について、真円度の平均値(平均真円度)を求める。
 要件(iii):粒径が160μm以上180μm未満の範囲に含まれるアルミナ粒子について、真円度の平均値(平均真円度)を求める。
 本発明の実施形態1のアルミナ粒子は、粒径と真円度が以下の構成(iv)を満たしていても良い。この範囲にあると、樹脂との混錬性を良好にでき、かつ、混練後の樹脂とアルミナ粒子との混合物(コンポジット)の粘度をさらに低くすることができる。
 要件(iv):粒径80μm未満のアルミナ粒子の平均真円度は、0.88超である。より好ましくは0.91超であり、特に好ましくは0.93超である。
 要件(iv)を満たしているか否かは、アルミナ粒子の真円度および粒度分布の測定データを用いて、粒径が80μm未満のアルミナ粒子の真円度の平均値(平均真円度)を求めることで確認できる。
 本発明の実施形態1のアルミナ粒子は、真円率の高いアルミナ粒子の含有量が多いことが好ましく、樹脂との混錬性を良好にでき、かつ、混練後の樹脂とアルミナ粒子との混合物(コンポジット)の粘度をさらに低くすることができる。
 「アルミナ粒子の含有量(%)」とは、全アルミナ粒子の体積を100%としたとき、特定の条件を満たすアルミナ粒子の体積の割合のことを指す。含有量は、真円度の積算分布から算出する。
 真円度が0.93超のアルミナ粒子の含有量(%)は、40%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、75%以上が特に好ましい。
 また、真円度が0.98超のアルミナ粒子の含有量(%)は、20%以上が好ましく、35%以上がより好ましく、45%以上が更に好ましく、55%以上が特に好ましい。
 なお、アルミナ粒子は一般的に硬い粒子であるため、真円度の低いアルミナ粒子同士を衝突させたり、または真円度の低いアルミナ粒子を粉砕するだけでは、所望の安息角を持ち、真円度が0.90以上のアルミナ粒子を得ることは困難である点に留意すべきである。衝突および粉砕によってアルミナ粒子の真円度を向上させるためには、衝突および粉砕を長時間行う必要があるが、その場合はアルミナの微粉が多量に生じて、アルミナ粒子の粒径D50が低下しすぎたり、所望の安息角を得られない可能性がある。また、粉砕によりアルミナ粒子の表面に生じる新たな親水面は、アルミナ粒子樹脂との混和性を低下させ得るため、樹脂との混合物の粘度が上昇するおそれがある。
[アルミナ粒子の製造方法]
 本発明の実施形態1に係るアルミナ粒子の製造方法について説明する。
 アルミナ粒子の原料には、主に単結晶α-アルミナから成り、累積粒度分布の微粒側から個数の累積50%の粒径D50が100μm以上250μm以下のアルミナ原料粒子を使用する。そして、火炎溶融法により、アルミナ原料粒子からアルミナ粒子を製造する。
 これまでは、原料粒子を火炎に入れると溶融されて、原料粒子の結晶構造がリセットされるので、原料粒子の結晶構造の素性は、火炎で球状化した後の粒子の結晶構造に影響を及ぼすことはない、というのが通説だった。しかしながら、原料粒子として単結晶粒子を用い、さらに、後述のように式(1)を満たすようにすると、球状化後も原料粒子の結晶構造の素性が引き継がれ、所望の物性を持つアルミナ粒子が得られることを思いがけなく見出した。
 火炎溶融工程では、例えば、図1に示すような装置を用いる。火炎溶融工程により、実施形態1に係るアルミナ粒子を得ることができる。
 単結晶アルミナの原料粒子を使用し、球状化後も、単結晶アルミナの結晶構造の素性を活かすことができ、さらに、適切な安息角を有するアルミナ粒子を簡便に製造するために、使用するアルミナ原料粒子の粒径、装置の火炎溶融炉内へのアルミナ原料粒子の供給量、火炎溶融炉内での燃焼量、火炎溶融炉の体積などを制御することが有効である。
 D50が100μm以上200μm以下のアルミナ粒子を製造するためには、D50が、例えば100μm以上250μm以下のアルミナ原料粒子を用いる。アルミナ原料粒子のD50は、好ましくは110μm以上240μm以下であり、例えば143.6μm、または、177.8μmである。
 なお、火炎溶融工程を行う際の条件(アルミナ原料粒子、燃料ガスおよび酸素ガスの供給量など)によっても、得られるアルミナ粒子のD50を制御し得る。
 なお、アルミナ原料粒子のD50が例えば100μm以上250μm以下であっても、個々のアルミナ原料粒子としては、100μm未満の粒径のもの、および250μm超のものが含まれ得る。そのため、得られたアルミナ粒子には、多結晶のα-アルミナおよび/またはα-アルミナ以外のアルミナなどを含み得る。しかしながら、アルミナ原料粒子のD50を100μm以上250μm以下とすることにより、多結晶のα-アルミナおよび/またはα-アルミナ以外のアルミナの含有量を、本発明で許容される程度の少量に抑えることができる。
 また、従来から、造粒した原料粒子や多結晶である原料粒子を用いて火炎溶融法でアルミナ粒子を製造する方法が知られているが、得られるアルミナ粒子の内部に粒界および内部空隙が多く含まれることがある。本発明では、アルミナ原料粒子として、造粒を行っていない単結晶α-アルミナそのものを使用するので、L2/L1の値が小さいアルミナ粒子を得ることができる。
 アルミナ原料粒子のD50は、上述のアルミナ粒子のD50の測定方法と同じ方法でも測定できる。
 アルミナ原料粒子が単結晶のα-アルミナであることは、SEM-EBSD法により確認することができる。Phase MAPにて、α-アルミナであるか、α-アルミナ以外のアルミナであるかを判断し、次いで、Image Quality(IQ)MAPにて、アルミナ粒子中の明確な結晶粒界の有無により、単結晶であるか、多結晶であるかを判断することができる。
 α-アルミナが単結晶であることは、デバイ・シェラー法により確認しても良い。
 アルミナ原料粒子の原材料としては、サファイア、およびCZ法、ベルヌーイ法、カイロポーラス法、ブリッジマン法、EFG法等の融液成長法で作製した単結晶のα-アルミナ等を用いることができる。それらの原材料を粉砕して、所望の目開きのメッシュで篩別することで、所定のD50のアルミナ原料粒子を準備することができる。
 アルミナ原料粒子は、α-アルミナ以外のアルミナ(δ-アルミナ、θ-アルミナ等)を少量(例えば約10質量%以下)含んでいてもよく、また、単結晶のα-アルミナと共に、少量(例えば約10質量%以下)の多結晶のα-アルミナを含んでいてもよく、いずれも本発明の目的の妨げにならない。
 火炎溶融工程において、アルミナ原料粒子の供給量、燃料ガスの燃焼量、および火炎溶融炉の炉内体積が以下の式(1)を満たすことが好ましい。

 3.80×10≦C/RV(kcal/kg・m)≦1.00×10  (1)

ここで、Rはアルミナ原料粒子の供給量(kg/時間)、Cは火炎溶融炉内での燃料ガスの燃焼量(kcal/時間)、Vは火炎溶融炉の炉内体積(m)である。
 アルミナ原料粒子の供給量R(kg/時間)は、1時間で火炎溶融炉内に供給されるアルミナ原料粒子の質量(kg)である。
 火炎溶融炉内での燃料ガスの燃焼量C(kcal/時間)は、1時間で火炎溶融炉内に供給される燃料ガスの体積(Nm/時間)に、燃料ガス1mあたりの発生熱量を掛け合わせた値である。ここで、燃料ガス1mあたりの発生熱量は、例えば燃料ガスがLPGの場合は、その値を21800kcal/N・mとして計算する。
 火炎溶融炉の炉内体積V(m)は、実際に使用する火炎溶融炉(円筒状)の内径R(m)、長さL(m)を元に、以下の式(2)から計算する。
V=π×R×L/4
内径、長さは、例えば、仕様書に記載されている数値を用いる。
 式(1)の中辺(C/RV)は、アルミナ原料粒子1kgあたり、かつ火炎溶融炉の体積1mあたりの燃焼量を意味しており、アルミナ原料粒子に、どの程度の燃焼量(熱エネルギー)が与えられるのかを知る指標となる。式(1)を満たす条件で火炎溶融工程を行うと、D50が100μm以上250μm以下のアルミナ原料粒子に対して適正な熱エネルギー密度を付与することができ、アルミナ原料粒子の結晶構造の素性を活かしたまま球状化することができる。例えば、粒径100μm以上(特に、粒径160μm以上)のアルミナ原料粒子に対して、火炎中での溶融度合いがより適切になり得る。
 そして、式(1)を満たす条件で火炎溶融工程を行うと、安息角が32°未満のアルミナ粒子を得ることができる。
 「C/RV」の数値範囲は、式(1)の左辺に示すように3.80×10kcal/kg・m以上であることが好ましく、9.60×10kcal/kg・m以上がより好ましく、10.00×10kcal/kg・m以上が特に好ましい。
「C/RV」の値は、式(1)の右辺に示すように1.00×10kcal/kg・m以下であることが好ましい。
 本発明における燃料ガスとしては、例えば、プロパン、ブタン、プロピレン、アセチレン、水素などが挙げられる。特に、プロパン(例えば、液化プロパンガス(LPG))が好ましい。
 火炎溶融工程において、溶融されたアルミナ原料粒子を固化させる際、冷却速度を遅くするために、600℃~1500℃の領域、好ましくは800℃~1400℃の領域、より好ましくは1000℃~1300℃の領域を通過させてもよい。このような領域を通過させて、球状化したアルミナ粒子を固化させることにより、α化率をより高くすることができる。
 上述の火炎溶融工程の後工程として、冷却固化されたアルミナ粒子を、回収する前に再加熱する工程を入れてもよい。冷却固化されたアルミナ粒子を再加熱することで、α-アルミナ以外のアルミナの割合を低減でき、α化率をより高くすることができる。再加熱する工程の温度としては、例えば900℃以上が好ましく、1000℃以上がより好ましい。再加熱する方法としては、ヒーター等を使った外部からの加熱、再度のガス燃焼による加熱などが適用できる。
 火炎溶融工程の代わりに、プラズマ溶融工程を行うこともできる。
 プラズマ溶融工程は、プラズマ溶融法により、アルミナ原料粒子を溶融・球状化することによりアルミナ粒子を製造する工程である。プラズマ溶融工程でも、原料粒子として単結晶粒子を用いる。プラズマ溶融による球状化後も原料粒子の結晶構造の素性が引き継がれるように、プラズマ(プラズマフレーム)発生のための電力および雰囲気等を適宜制御する。プラズマ溶融工程には、例えば、公知の高周波熱プラズマ装置を使用できる。
 プラズマ溶融工程においても、所望の粒径のアルミナ粒子を得るために、アルミナ原料粒子のD50、プラズマ溶融法における各種条件等を適宜制御する。プラズマ溶融工程に供するのに適したアルミナ原料粒子のD50は、火炎溶融工程に供するのに適したアルミナ原料粒子のD50と、同様の範囲にし得る。なお、アルミナ原料粒子の粒径が大きい場合(例えばアルミナ原料粒子のD50が160μm以上の場合)は、プラズマ溶融工程が好適である。
[実施形態2:樹脂組成物]
 本発明の実施形態1に係るアルミナ粒子を樹脂組成物用フィラーとして使用することにより、成形性に優れた樹脂組成物を得ることができる。樹脂組成物は、樹脂と、本発明の実施形態1に係るアルミナ粒子とを含んでいる。
 本発明の実施形態1に係るアルミナ粒子は、樹脂特有のしなやかさを損なうことなく成形性を向上させることができるため、その配合比率は樹脂組成物(コンポジット)に対して樹脂5~75体積%、アルミナ粒子95~25体積%の割合であることが好ましい。
 実施形態1に係るアルミナ粒子は、樹脂と混合(混錬)したときに、混合物の粘度を低く抑えることができるという特徴を有する。そのため、電子部品とヒートシンクとの間の隙間が狭い場合であっても、その狭い隙間に樹脂組成物を適切に配置することができる。
 樹脂組成物の製造方法について説明する。
 一般的に用いられる公知の方法を使用して、本発明の実施形態1に係るアルミナ粒子と樹脂を混合することにより樹脂組成物を得ることができる。例えば、樹脂が液状の場合(例えば液状エポキシ樹脂など)は、液状樹脂とアルミナ粒子と硬化剤とを混合した後、熱または紫外線などで硬化させることにより樹脂組成物を得ることができる。硬化剤や混合方法、硬化方法は公知のものおよび方法を用いることができる。一方、樹脂が固体状の場合(例えばポリオレフィン樹脂やアクリル樹脂など)は、アルミナ粒子と樹脂を混合した後に、溶融混練などの公知の方法により混練することで目的とする樹脂組成物を得ることができる。
 樹脂組成物に使用する樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂の中から選択することができる。なお、樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレン-エーテル共重合体(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル等のポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマー等が挙げられる。
 熱可塑性エラストマーとしては、スチレン- ブタジエンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン-イソプレンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
 熱硬化性樹脂としては、架橋ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。架橋ゴムの具体例としては、天然ゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレン共重合ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、及びシリコーンゴムが挙げられる。
 加工性や特性の観点から、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
 さらに、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、発明の効果を損なわない範囲で可塑剤、硬化促進剤、カップリング剤、充填剤、顔料、難燃剤、酸化防止剤、界面活性剤、相溶化剤、耐候剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、レベリング剤、離型剤などの公知の添加剤を単独または二種以上を適宜配合しても良い。
 本実施の形態に係るアルミナ粒子、および当該アルミナ粒子を含む樹脂組成物は、特に、放熱材料用途に好適である。よって、本開示の一態様では、放熱性アルミナ粒子および放熱性樹脂組成物を提供することができる。
(1)アルミナ粒子の製造
 単結晶のアルミナからなる原料粒子(原料粒子1~4)準備した。アルミナ原料粒子のD50と共に、累積粒度分布の微粒側から個数の累積10%の粒径D10と、累積粒度分布の微粒側から個数の累積90%の粒径D90を測定し、表1にまとめた。アルミナ原料粒子のD10、D50およびD90はレーザー回折法により測定を行った。水中に分散させた試料にレーザー光線を照射し、その回折を測定して粒度を求めた。測定装置はCILAS製1090L型を用いた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(試料No.1~2のアルミナ粒子:火炎溶融)
 試料No.1~2のアルミナ粒子については、図1に示すような装置を用いて、アルミナ原料粒子からアルミナ粒子を調製した。酸素ガス供給システム10からの酸素ガスを分岐して、一方(キャリア酸素ガス11)をフィーダ30に、他方(燃焼酸素ガス12)を火炎溶融炉40のバーナー41に供給した。フィーダ30に供給されたアルミナ原料粒子は、キャリア酸素ガス11によって火炎溶融炉40のバーナー41まで運搬された。また、ガス供給システム20から燃料ガス(LPG)をバーナー41に供給した。バーナー41では、燃料ガスと燃焼酸素ガス12によって2150℃以上の高温火炎が形成され、そこに、キャリア酸素ガス11中に分散させたアルミナ原料粒子を供給した。これにより、火炎溶融炉40内において、アルミナ原料粒子を溶融して球状化した。その後、球状化したアルミナ粒子をサイクロン50にて分級を行い、サイクロン50に補足したアルミナ粒子を得た。
(試料No.4~5のアルミナ粒子:プラズマ溶融)
 試料No.4~5のアルミナ粒子については、公知の高周波熱プラズマ装置を用いて、Ar-O雰囲気下で、アルミナ原料粒子を高周波熱プラズマ法により溶融・球状化することでアルミナ粒子を製造した。
(試料No.3のアルミナ粒子:溶融なし)
 試料No.3は、火炎溶融もプラズマ溶融も行わなかった。
 使用したアルミナ原料粒子の種類と、溶融法の種類とを表2にまとめた。さらに、火炎溶融法を用いた試料No.1~2については、火炎溶融工程において、アルミナ原料粒子の供給量R(kg/時間)、火炎溶融炉内での燃料ガスの燃焼量C(kcal/時間)、および火炎溶融炉の炉内体積V(m)から求めたC/RV(kcal/kg・m)も、表2にまとめた。
 表2において、溶融法の欄が「-」となっているのは、溶融自体を行っていないことを意味し、C/RVの欄が「-」となっているのは、火炎溶融を行わなかったことを意味している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 得られたアルミナ粒子(試料No.1~5)について各種測定を行った。なお、アルミナ粒子の「試料No.3」は、アルミナ原料粒子1と同一のものである。
(2)アルミナ粒子の安息角の測定
 アルミナ粒子の安息角を、JIS R 9301-2-2:1999の記載に準拠して測定した。安息角測定時の周囲雰囲気としては、温度23℃、湿度40%とした。
 測定結果を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 安息角について、試料No.1、4~5のアルミナ粒子は、実施形態1で規定した数値範囲内にあったが、試料No.2~3のアルミナ粒子は、規定した数値範囲を上回っていた。
(3)アルミナ粒子の粒度分布および真円度の測定
 アルミナ粒子の粒度分布と真円度を測定した。
 アルミナ粒子の粒度分布および真円度は、ISO 13322-2に準拠した動的画像解析の原理に基づく装置CAMSIZER X2(VERDER Scientific製)により測定した。測定は乾式とし、装置内に試料を順次投入して、50kPaのドライエアーにより凝集粒子を分散させながらカメラ前を通過する粒子を測定した。測定試料は3g秤量し、1回測定とした。同じ測定を3回繰返し行い、これらの結果の積算平均から粒度分布および真円度を解析した。粒子径は円相当粒子径とした。円相当粒子径とは投影粒子画像と同じ面積となる真円の粒子径のことである。また、粒子径の基準は体積とした。
 真円度(SPHT)はISO 9276-6に準拠して解析した。SPHT=4πA/Pから求めた。式中のAは投影粒子画像の面積の測定値であり、Pは粒子投影画像の外周長の測定値である。
 アルミナ粒子の粒度分布から求めたD50は、表4に示す通りであった。試料No.1~5のいずれも、D50が100μm超200μm以下の範囲内にあった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 アルミナ粒子の粒度分布と真円度の測定結果から、以下の要件(i)~(iii)の数値を求めた。
(i)真円度が0.93超のアルミナ粒子の最大粒径(μm)(ただし、試料No.3は未算出)
(ii)粒径80μm以上160μm未満のアルミナ粒子の平均真円度
(iii)粒径160μm以上180μm未満のアルミナ粒子の平均真円度
 表5に測定結果を示す。なお、表中では、各要件は、「(i) 最大粒径 (μm)」「(ii) 80~160μm 平均真円度」「(iii)160~180μm 平均真円度」と略称する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 要件(i)~(iii)について、試料No.1、4~5のアルミナ粒子は、実施形態1で規定した好ましい数値範囲内にあったが、試料No.2~3のアルミナ粒子は、規定した好ましい数値範囲から外れていた。
(4)特定の真円度を有するアルミナ粒子の含有量の測定
 アルミナ粒子の粒度分布と真円度の測定結果と真円度の積算分布から、特定の真円度を有するアルミナ粒子の含有量(要件(iv)、(v))を求めた。
(iv)全アルミナ粒子の質量を100%としたとき、真円度が0.93超のアルミナ粒子の含有量(%)
(v)全アルミナ粒子の質量を100%としたとき、真円度が0.98超のアルミナ粒子の含有量(%)
 表6に測定結果を示す。なお、表中では、各要件は、「(iv) 真円度0.93超の含有率(%)」「(v) 真円度0.98超の含有率(%)」と略称する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 要件(iv)~(v)について、試料No.1、4~5のアルミナ粒子は、実施形態1で規定した好ましい数値範囲内にあったが、試料No.2~3のアルミナ粒子は、規定した好ましい数値範囲から外れていた。
(5)アルミナ粒子の外縁の長さL1と粒子内部の境界線の合計長さL2の測定
 各アルミナ粒子を用いて断面観察用試料を作製した。断面観察用試料の作製では、アルミナ粒子を樹脂包埋後、樹脂とアルミナ粒子をダイヤモンドカッターにて切断した。その後、断面に保護膜としてPtを蒸着し、Arイオンミリングにて断面調製を行い、SEM試料台にCu両面テープにて固定し、無蒸着にてSEM-EBSD測定を行った。観察領域内に2つ以上のアルミナ粒子が完全に入るように(つまり、2つ以上のアルミナ粒子が、観察領域の枠と接触しないように)、観察位置を決定した。測定はα-アルミナ粒子で行った。
 サンプルの前処理およびEBSD測定には、以下の機器を使用した。
・使用機器
 イオンミリング装置:IM-4000(株式会社日立製作所製)
 イオンスパッタ装置:E-1030(株式会社日立製作所製)
 超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡:JSM-7800F Prime(日本電子株式会社製)
 後方散乱電子回折装置:Digiview V (TSL製)
 EBSD測定の条件は以下の通りとした。
・測定領域:500.0μm×400.0μm
・加速電圧:20.0kV
・倍率:×500
・真空度:30Pa
 得られたEBSD像において、観察領域の枠と接触していないアルミナ粒子を2つ以上選択して、各アルミナ粒子の外縁の長さL1を、画像処理ソフトImage J(National Institute of Health製)の平均を算出した。また境界線の合計長さL2についても算出した。「境界線の合計長さL2」は、アルミナ粒子の内部に含まれる境界線の総和であり、アルミナ粒子の外縁を含まないものとした。境界線の合計長さL2は、アルミナ粒子内部の粒界の合計長さと、(アルミナ粒子の内部に空洞がある場合は)その空洞の内壁の合計長さとを加算して求めた。
 外縁の長さL1に対する境界線の合計長さL2の比(L2/L1)を百分率(%)で表した。アルミナ粒子内部の粒界および空洞が多いほど、L2/L1(%)の値が大きくなる。
 測定結果を表7に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 L2/L1について、試料No.1~5のいずれのアルミナ粒子も、実施形態1で規定した好ましい数値範囲内にあった。
(6)アルミナ粒子と樹脂との混合物の粘度測定
 アルミナ粒子とエポキシ樹脂との混合物のせん断速度-粘度測定を行った。
 エポキシ樹脂(三菱化学製エポキシバインダーjER828)と、試料No.1~5のいずれかのアルミナ粒子とを、体積%で45:55の配合比(エポキシ樹脂約0.5g:アルミナ粒子約2.0gに相当)で混合した。アルミナ粒子とエポキシ樹脂を、乳鉢を用いて、手動で10~20分程度混合して、粘度測定用の混合試料を準備した。
 HAAKEMARSID(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、混合試料のせん断速度-粘度測定を行った。
 測定条件は以下の通りとした。
・ジオメトリー:Φ20mmパラレルプレート
・せん断速度:0.001s-1~100s-1
・測定温度:23℃
・測定時間:4分
 測定温度で安定したプレート上に、10分以内にサンプルセットを完了し、測定を開始した。
 せん断速度1s―1での粘度の測定結果を表8に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 粒径D50および安息角が、実施形態1で規定した数値範囲内にある試料No.1、4~5のアルミナ粒子では、樹脂との混合物の粘度が低く、成形性に優れているといえる。一方、安息角が実施形態1で規定した数値範囲を上回っていた試料No.2~3のアルミナ粒子では、樹脂との混合物の粘度が著しく高く、成形性に乏しいことがわかった。

Claims (6)

  1.  累積粒度分布の微粒側から個数の累積50%の粒径D50が100μm超200μm以下で、
     安息角が32°未満である、アルミナ粒子。
  2.  アルミナ粒子の外縁の長さL1に対する、アルミナ粒子内部の境界線の合計長さL2の比(L2/L1)が200.0%以下である、請求項1に記載のアルミナ粒子。
  3.  真円度が0.93超のアルミナ粒子の最大粒径が160μm以上である、請求項1に記載のアルミナ粒子。
  4.  粒径80μm以上160μm未満のアルミナ粒子の平均真円度が0.94超である、請求項1に記載のアルミナ粒子。
  5.  粒径160μm以上180μm未満のアルミナ粒子の平均真円度が0.86超である、請求項1に記載のアルミナ粒子。
  6.  樹脂と、請求項1~5のいずれか1項に記載のアルミナ粒子とを含む樹脂組成物。
PCT/JP2023/041737 2022-12-02 2023-11-21 アルミナ粒子およびそれを用いた樹脂組成物 WO2024116954A1 (ja)

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