JP5028744B2 - カーボンナノチューブの形成方法および電子デバイスの製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブの形成方法および電子デバイスの製造方法 Download PDF

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本発明はカーボンナノチューブの形成方法および電子デバイスの製造方法に関し、特に電子デバイスにおける電極間や配線間等の電気的な接続のために用いることのできるカーボンナノチューブの形成方法、およびカーボンナノチューブを用いた電子デバイスの製造方法に関する。
カーボンナノチューブは、特異な物理的、化学的、機械的性質を有していることから、現在、様々な分野への応用が検討されている。例えば、電子デバイス分野では、従来、カーボンナノチューブを電極間や配線間を電気的に接続するための配線材料として用いる試みがなされている。
カーボンナノチューブは、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、プラズマ法、放電法といった方法で、その条件を適当に設定することにより、所定の領域に柱状すなわちカーボンナノチューブを成長させる基板平面に対して垂直方向に配向させて成長させることができる。このような成長メカニズムを利用して、従来、例えば、カーボンナノチューブをトランジスタとそれより上層に形成される配線とを接続するための配線材料として用いたり、同様に多層配線構造の異なる配線層間を接続するための配線材料として用いたりする提案がなされている(特許文献1,2参照)。
特開2004−87510号公報 特開2003−273112号公報
しかし、通常の成長方法では、多数のカーボンナノチューブを成長面に対して垂直方向に配向させた状態で形成することは比較的容易であるものの、成長面に対して平行方向に配向させた状態で形成することはできなかった。そのため、電子デバイス内には上記のような異なる層間の垂直方向の接続のほかに平行方向の接続も存在するが、カーボンナノチューブをそのような平行方向の接続に用いることは非常に難しかった。
図56は形成面に対して平行方向に形成したカーボンナノチューブの模式図である。
例えば、この図56に示すように、基板200上に絶縁膜200aを介して並んだ電極201a,201b間をCVD法で形成するカーボンナノチューブ202で接続する場合には、カーボンナノチューブ202の成長核を形成した電極201a,201bを約数μm以下程度まで接近させて形成した上で成長を行う。このような方法は、架橋法と呼ばれ、この方法を用いると電極201a,201b間をアーチ状に架橋するカーボンナノチューブ202が形成されることがある。
しかし、このようなカーボンナノチューブ202は必ず形成されるというものではなく、その本数も1本形成される場合もあれば数本形成される場合もある。また、必ずしも決まった2つの電極201a,201b間に形成されるとは限らず、その近傍に他の電極が存在すれば、その電極との間を架橋するカーボンナノチューブ202が形成されてしまう場合もある。さらに、このとき形成されるカーボンナノチューブ202は、図56に示したようにアーチ状になるのが普通であって、その形状を他の形状、例えば電極201a,201b間を真直ぐ繋ぐような直線形状に制御することは難しい。このように、従来の形成方法は、偶然に頼る所が大きく、カーボンナノチューブ202を基板200に対して平行方向に直線状に再現性良く形成することができなかった。
また、図57は形成面に対して平行方向にカーボンナノチューブを形成する別の方法の説明図であって、(A)は平面模式図、(B)は断面模式図である。また、図58は図57のA部拡大図である。
形成面に対して平行方向にカーボンナノチューブを形成する別の方法に分散法がある。これは、例えば、図57(A),(B)に示すように、基板300上に絶縁膜300aを介して櫛歯状の電極301a,301bを形成し、あらかじめ別の基板上に成長させたカーボンナノチューブ302をその基板から分離して所定の溶媒中に分散させ、この分散液303を電極301a,301b上に滴下する方法であり、その後、乾燥して分散液303の溶媒を除去することにより、図58に示すように、カーボンナノチューブ302を電極301a,301b上に付着させるものである。
この分散法では、分散液303中のカーボンナノチューブ302の濃度を調整すれば、電極301a,301b間を跨ぐカーボンナノチューブ302の本数をある程度制御することはできる。しかし、たとえ本数を制御することができたとしても、カーボンナノチューブ302が配置される位置や方向については、やはり偶然に頼る所が大きい。
図59は電極間の状態を示す図であって、(A)は目的の接続状態、(B)は未接続状態、(C)は接続に寄与しないカーボンナノチューブが存在している状態、(D)はカーボンナノチューブが交差している状態を示している。なお、図59では、図58に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
この図59(A)の状態をカーボンナノチューブ302による理想的な接続状態とすると、分散法では、例えば、図59(B)に示すように電極301a,301b間にカーボンナノチューブ302が1本も形成されていないといった状況が発生し得る。このほかにも、図59(C)に示すようにカーボンナノチューブ302の方向は揃っているが電極301a,301b間で途切れてしまっているものが存在する、あるいは図59(D)に示すように方向が揃っておらず電極301a,301b間に跨るカーボンナノチューブ302に別のカーボンナノチューブ302が交差してしまっている、といった状況も発生し得る。電子デバイス内でこのようなカーボンナノチューブ302の本数、長さ、向き、接触関係等が不揃いの状況が発生すれば、安定したデバイス特性を得ることは難しい。
カーボンナノチューブは、炭素原子が規則正しく結合した円筒状の結晶構造を有しており、その長さ方向と周方向とではその電導特性が異なることが一般に知られている。1本の連続したカーボンナノチューブは、その構成原子の規則性から、電子がほとんど構成原子に衝突することなく流れるバリステック電導性を有し、抵抗が非常に低くなる。しかし、図59(D)のようにカーボンナノチューブが交差して接触している場合には、その交差部分ではバリステック電導性が得られず、電気抵抗は3桁程度高くなってしまうようになる。
電子デバイスを製造する上で、各素子は再現性良く同等のデバイス特性で得られなければならず、上記のようにカーボンナノチューブによる電極間接続が不完全だったり電極間接続に寄与するカーボンナノチューブの向きが不揃いだったりすると全体のデバイス特性もばらついてしまう。そのため、このようにカーボンナノチューブの配置制御が困難な状況では、カーボンナノチューブを用いた電子デバイスの製品化は難しい。
カーボンナノチューブは、太さ、層数、各層のカイラリティにより、様々なバンドギャップ幅を持つ、半導体から金属までの様々な性質を示すため、現在、これまでのシリコン半導体に置き換わる材料として注目されている。ところで、これまでの半導体技術は、プレーナ法、すなわち半導体基板上に平坦に材料を形成し、リソグラフィ法とエッチング法を組み合わせて材料を加工し、それを上層へと繰り返していく、という方法を採用して発展してきた。したがって、カーボンナノチューブを用いて電子デバイスを製造する場合にもこのようなプレーナ法を用いることができれば、大きなプロセス変更を行わずに既存の設備を利用してカーボンナノチューブを用いた電子デバイス製造が可能になる。すなわち、カーボンナノチューブを半導体基板に対して平行方向に平坦に形成することができれば、プレーナ法が適用できるという点で都合が良い。
なお、プレーナ法を適用する上では、カーボンナノチューブを全面に形成しておいて不必要な部分を除去するという方法ではなく、はじめから必要となる場所にのみ選択的に形成する方法の方が好ましい。これは、原料ガスを無駄に用いず資源を有効活用するのみならず、不必要な部分を除去するためのリソグラフィ工程やエッチング工程を省略して製品のコスト低減、生産性向上を図るためである。
ところで、従来、RFデバイスやロジックデバイス等には小型のスイッチが必要とされていた。その理由のひとつとして、トランジスタではオフ状態でもわずかにリーク電流が流れて回路が休止状態のときにも電力を消費してしまっていたことが挙げられる。これに対し、スイッチは、オフ状態で配線が断絶されるため、そのようなリーク電流を完全にカットすることができるという利点がある。しかし、このようなスイッチは、従来、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて形成されてきたが、LSI(Large Scale Integration)上の集積化された現在のトランジスタに比べるとその設置面積が1万倍から100万倍にもなり、その小型化が要望されていた。
また、MEMS技術を用いたスイッチ形成では、その接点付近の可動部の形成に単結晶材料を用いることが必要不可欠だった。これは、アモルファスや多結晶の材料を用いた場合には、粒界で構成原子の結び付きが弱くなり均一性に欠けることから、繰り返し動作による疲労で亀裂が生じ破損してしまうことがあるためである。そのため、現在は、シリコン等の単結晶基板からスイッチの可動部に用いる材料を切り出し、そこに接点付近の可動構造を形成するようにしている。このようにスイッチの可動部の形成には単結晶材料が必要であり、換言すれば、スイッチは単結晶表面にしか形成することができず、例えば単結晶基板上に形成した絶縁膜等の上には形成することができなかった。
そして、これに付随して、スイッチ形成に関しては次のような問題点が発生していた。まず第1に、スイッチに高価な単結晶基板を用いるため、電子デバイスの製造コストが高くなってしまう。第2に、スイッチを単結晶基板表面にしか形成することができないため、多層化することができず、その集積度を上げることができない。そして、第3に、スイッチを集積回路と混載する場合、それらを1枚の単結晶基板上に形成しようとすればレイアウト上配置場所を取り合うこととなるため、混載集積回路全体の集積度を上げることができない。
もし、電子デバイスを製造する上で、スイッチ形成に単結晶基板を用いることなく、必要に応じて自由に単結晶材料を用いることができれば、安価なガラス基板のような材料を使用することも可能になる。さらに、その場合、MEMSを多層化して形成することが可能になるのでその集積度を上げることができるようになると共に、電子デバイス1個当たりの価格を低減することも可能になる。さらにまた、単結晶基板上にLSIのトランジスタや回路を形成しておき、その上にスイッチを形成するといったことも可能になる。このようにして形成されるMEMSは、集積度、コスト、機能の点で非常に優れたものになると考えられる。
ここで、カーボンナノチューブは、元々単結晶であり、下地基板の種類を選ばず単結晶層や絶縁層の上にも形成することができる。また、カーボンナノチューブは、機械的に強く、破損する心配が極めて少ない。事実、カーボンナノチューブは、鋼鉄のおよそ5倍の引っ張り強度を有していることに加え、非常に細く柔軟に曲がるという性質を併せ持つ。この点で、カーボンナノチューブは、小型スイッチの可動部の形成材料として好適と言える。
他の材料、例えばシリコンであっても、その多結晶は微細な単結晶が集まったものと見ることもできる。しかし、このような多結晶は、ひとつひとつの単結晶が縦、横、高さのいずれの方向にも小さいため、これを用いてスイッチの可動部を形成しても、前述のように、そこに多くの粒界が形成されてしまい、繰り返し動作によって破損が起こりやすくなる。一方、カーボンナノチューブは、直径方向には数nmサイズであるが、長さ方向に長い構造を有し、しかも原理的にはいくらでも長く伸ばすことができる。換言すれば、長さ方向については巨大な単結晶である。そのため、例えば上記のような基板上の電極間にカーボンナノチューブをその基板に対して平行方向に形成すると、電極間を単結晶で接続した場合と同等の効果を得ることができるようになると考えられる。同様に、スイッチの可動部に関しても、可動部を端から端まで1本のカーボンナノチューブが跨ぐように形成することができれば、途中に粒界がなく、繰り返し動作に対しても非常に強いスイッチが得られると考えられる。
また、最近では、新たな電子デバイスとして、単電子トランジスタが注目されつつある。単電子トランジスタは、電子1個でオン/オフをするものであり、非常に高速に動作することに加えて、非常に低消費電力で動作するトランジスタである。このトランジスタでロジック等の回路を組めば、高速で低消費電力の電子回路を実現することが可能になる。しかし、このようなトランジスタを実現するためには、非常に面積の小さなコンデンサが必要で、従来のリソグラフィ技術を用いて形成したものではそのサイズに限界があり、十分に小さな面積のコンデンサを形成することができなかった。さらに、リソグラフィ技術を用いて形成したものは、液体窒素や液体ヘリウム等で冷却しないと単電子動作を示さず、常に冷却器を必要とすることから現実的ではなかった。
一方、カーボンナノチューブに欠陥を導入すると、その部分の導電性が失われてコンデンサとして働くことが一般に知られている。しかも、カーボンナノチューブの直径は数nmと非常に細いので、欠陥で形成されるコンデンサは非常に面積の小さなものとなる。このコンデンサを用いて単電子トランジスタを構成すれば、常温で動作させることが可能になり、このようなカーボンナノチューブを用いた単電子トランジスタは、既に試作も行われている。
しかし、現在試作が行われている単電子トランジスタは、欠陥が所定の箇所に偶然に形成されたカーボンナノチューブを利用したものであり、欠陥を狙った箇所に意図的に形成したものではない。単電子トランジスタを製造するためには、欠陥を狙い通りの箇所に導入することを可能にする必要がある。その方法としては、例えば、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope,AFM)を利用し、その針をカーボンナノチューブ上のある箇所で周方向にスキャンさせ、そこに欠陥を導入するような方法が考えられる。しかし、この方法では、回路に必要な多くのトランジスタのすべてに欠陥を導入するのに長時間を要し、生産性が低く現実的ではない。そのため、多くの箇所に一度に微細な欠陥を導入できる技術が必要になる。また、この欠陥は非常に微細なものであるため、リソグラフィ法によるパターンを使って欠陥を形成するには、現在のリソグラフィ技術の限界を超える高精細なリソグラフィ技術が必要になり、量産には不向きとなる。また、工程数が増加するという点でもあまり好ましくはない。
本発明は、以上述べたような点に鑑みてなされたものであり、所望の性状のカーボンナノチューブを面上に倒した状態で形成することのできるカーボンナノチューブの形成方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、面上に倒れた状態で形成されるカーボンナノチューブを用いた電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、カーボンナノチューブを面上に垂直配向成長させて形成し、垂直配向成長させて形成した前記カーボンナノチューブの根元を前記面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記面上に一方向に倒すカーボンナノチューブの形成方法が提供される。
このようなカーボンナノチューブの形成方法によれば、面上に垂直配向成長させて形成したカーボンナノチューブをその根元を固定したまま一方向に倒す。多数のカーボンナノチューブを形成する場合にも、形成面上に垂直配向成長させて形成すれば、その長さ等の性状を均一化しやすい。したがって、これを一方向に倒せば、性状の揃ったカーボンナノチューブが面上に一方向に倒れた状態で得られるようになる。垂直配向成長させて形成したカーボンナノチューブを倒すためには、例えばこれを液中に浸漬してから引き上げる等の方法を用いることができる。
また、本発明の一観点によれば、基板の表面に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上にカーボンナノチューブを垂直配向成長させて形成する工程と、垂直配向成長させて形成した前記カーボンナノチューブの根元を前記絶縁膜上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記絶縁膜上に一方向に倒す工程と、を有する電子デバイスの製造方法が提供される。
このような電子デバイスの製造方法によれば、絶縁膜上に垂直配向成長させて形成したカーボンナノチューブをその根元を固定したまま一方向に倒すので、カーボンナノチューブが絶縁膜上に倒れた状態で得られるようになる。これにより、例えば半導体としてのカーボンナノチューブを絶縁膜の全面に形成した基板等が形成可能になり、このような基板を用いて各種電子デバイスを形成することも可能になる。また、倒れたカーボンナノチューブと絶縁膜との間に電極が存在すれば、そのカーボンナノチューブを電極間配線として利用することも可能になる。
さらに、本発明の一観点によれば、基板の表面に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に第1電極及び第2電極を形成する工程と、前記第1電極上にカーボンナノチューブを垂直配向成長させて形成する工程と、前記第1電極上に垂直配向成長させて形成した前記カーボンナノチューブの根元を前記第1電極上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記第2電極の側に倒す工程と、を有する電子デバイスの製造方法が提供される。
このような電子デバイスの製造方法によれば、一の電極上に垂直配向成長させて形成したカーボンナノチューブをその根元を固定したまま他の電極の側に倒すので、一の電極と他の電極とがカーボンナノチューブによって電気的に接続された電子デバイスが形成可能になる。また、このような電子デバイスの製造方法によれば、例えば、カーボンナノチューブを倒したときに一の電極と他の電極との間に欠陥が導入されるよう、一の電極上にカーボンナノチューブを垂直配向させて形成する際に意図的に欠陥を導入しておくことも容易に行えるようになる。
さらに、本発明の一観点によれば、カーボンナノチューブを用いた電子デバイスの製造方法において、基板上に凹構造または凸構造を形成する工程と、前記基板に対し垂直配向させてカーボンナノチューブを形成する工程と、前記凹構造上または前記凸構造上に前記カーボンナノチューブを倒す工程と、を有する電子デバイスの製造方法が提供される。
このような電子デバイスの製造方法によれば、カーボンナノチューブを凹構造上または凸構造上に倒すので、例えば、凸構造の電極上にカーボンナノチューブを倒してスイッチを構成したり、底に電極を設けた凹構造上にカーボンナノチューブを倒しカーボンナノチューブがその電極に離接するようにしたスイッチやメモリを構成したりすることが可能になる。
縁膜上や電極上にカーボンナノチューブを倒した状態で形成することができ、カーボンナノチューブの電子デバイスへの応用範囲を広げることが可能になると共に、カーボンナノチューブの特性を十分に再現性良く引き出すことが可能になる。その結果、高性能、高信頼性の各種電子デバイスを生産性良く製造することが可能になる。
ず、カーボンナノチューブを形成面上に平行方向に配向させて形成する方法の概略について説明する。ここでは、基板上の2電極間を接続するカーボンナノチューブの形成方法を例にして説明する。
図1はカーボンナノチューブの形成フローの一例を示す図である。
カーボンナノチューブの形成に当たり、まず、基板上に、カーボンナノチューブによって接続すべき2つの電極を形成する(ステップS1)。続いて、それらの電極のうち一方の電極上に、基板に対し垂直配向させた状態で、所定長さのカーボンナノチューブを形成する(ステップS2)。そして、このようにして一方の電極上に形成したカーボンナノチューブを、もう一方の電極の側へ倒し、それによってこれら2電極間をカーボンナノチューブで接続する(ステップS3)。したがって、一方の電極上にカーボンナノチューブを垂直配向させて形成する際には、そのカーボンナノチューブを他方の電極側に倒したときに、その先端が他方の電極上に届く長さに形成する必要がある。
図2はカーボンナノチューブを電極上に垂直配向させて形成する工程の断面模式図である。また、図3は垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒す工程を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。
例えば、上記ステップS1において、図2に示すように、カーボンナノチューブ1で接続する2つの電極2a,2bを基板3上に絶縁膜4を介して形成した場合を想定する。この場合、上記ステップS2においては、例えば一方の電極2a上に所定長さのカーボンナノチューブ1を垂直配向させて形成する。その際、カーボンナノチューブ1は、公知の方法で形成することができ、例えば、電極2a上に鉄(Fe)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、チタンコバルト(TiCo)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)等の触媒金属を堆積し、そこを起点にCVD法でカーボンを垂直配向成長させることによって形成することができる。
そして、上記ステップS3においては、図3(A),(B)に示すように、電極2a上に形成したカーボンナノチューブ1をもう一方の電極2b側へ倒し、電極2a,2b間をカーボンナノチューブ1で接続する。なお、図3(B)に示したカーボンナノチューブ1の端部の配置は、図3(A)に模式的に示したカーボンナノチューブ1の配列状態に合わせて図示したものである。一旦電極2a上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブ1を倒す際には、いくつかの方法を用いることができる。
図4は電極上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒す方法の一例の説明図である。なお、図4では、図2および図3に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
まず、一方の電極2a上にCVD法等を用いて所定長さのカーボンナノチューブ1を垂直配向させて形成した後、この基板3を、図4上図および中図に示すように、電極2a,2bのうちカーボンナノチューブ1を形成した電極2a側が図中上方になるよう縦にして液体5の中に浸漬する。その際、カーボンナノチューブ1の表面に適当な親水性処理、例えば酸に浸したりオゾンガスに曝露したりする等の処理を施しておけば、図4中図に示したように、カーボンナノチューブ1は液体5の中を比較的自由に漂うようになる。
そして、その状態から、図4下図に示すように、基板3を図中上方(電極2a,2bを結ぶ延長線方向)へと引き上げる。これにより、液体5の中のカーボンナノチューブ1は、引き上げられる際の液体5の表面張力により、一端(根元)が電極2aに接続されたまま絶縁膜4側へ引き寄せられる。すなわち、電極2a上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブ1が電極2b側へ倒されるようになる。このとき、電極2a側を図中上方、電極2b側を図中下方にして引き上げを行うことにより、電極2a上に形成した所定長さのカーボンナノチューブ1の先端が電極2bに接着し、電極2a,2b間がカーボンナノチューブ1で接続された状態が得られるようになる。
また、図5および図6は電極上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒す方法の別の例の説明図である。なお、図5および図6では、図2および図3に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
上記図4に示したような浸漬・引き上げによる方法のほか、この図5に示すように、基板3を横にしたまま液体5の中を通過させる方法も用いることができる。この場合、容器6に、液体5が内圧によって漏れない程度でかつカーボンナノチューブ1を形成した基板3が通過できる程度の大きさのスリット6a,6bを形成しておき、基板3を一方のスリット6a側から他方のスリット6b側へと液体5の中を移動させるようにする。その際は、電極2a,2bのうちカーボンナノチューブ1を垂直配向させて形成した電極2a側から液体5の中を通過させるようにする。
容器6は、例えば石英で作製することができ、液体5を封入した後はスリット6a,6bを除いて内部が密閉される。スリット6a,6bは、例えば8インチウェハ(直径20cm)を通過させる場合であれば、高さ1mm、幅21cmとすることができる。なお、スリット6a,6bをこのようなサイズにする場合、液体5の水深は10cm程度に抑えるようにする。過剰な水圧がスリット6a,6bにかかって液体5が漏れてしまうのを防ぐためである。
このほかにも、図6に示すように、基板3を横にしたまま管7内に配置し、管7内を流体(気体または液体5)8で満たして基板3を所定の速度で動かす、あるいは基板3を静止させておいて管7内に流体8を一方向(電極2a側から電極2b側)に流す、といった方法を用いることも可能である。
なお、上記図4から図6に示した方法の中で液体5を利用するものについては、原則的にその液体5の種類は問わない。ただし、カーボンナノチューブ1が液体5の中でバンドル化してしまうと、基板3(絶縁膜4)に対して平行方向に倒すことが難しくなる可能性があるため、カーボンナノチューブ1がバンドル化しないような液体5を用いることが好ましい。また、カーボンナノチューブ1に不純物が付着すると、カーボンナノチューブ1の本来の性能が得られない場合もあり得るので、液体5としては乾燥後の残留物が少ないものを用いることが好ましい。さらに、カーボンナノチューブ1は本来撥水性であり、液体5を利用して倒すためには、ある程度液体5に濡れるようにした方が良い。このような点から、液体5としては、純水、純水に少量の界面活性剤を添加したもの、純水に少量の酸を添加したもの、アルコール系溶剤、アルコール系溶剤に界面活性剤を添加したもの等を適宜選択して用いることが好ましい。酸はカーボンナノチューブ1を親水性にする役割を果たし、アルコールや界面活性剤はカーボンナノチューブ1のバンドル化を防ぐ役割を果たす。
また、上記図6に示した方法で流体8に気体を用いる場合には、窒素、酸素、空気、アルゴン等のガスを適宜選択して用いることができる。気体を用いる場合は、液体5を用いる場合に比べ、カーボンナノチューブ1がバンドル化する可能性が少ない点で有利といえる。
基板3の引き上げ速度や移動速度は、カーボンナノチューブ1の倒れ具合を見て適宜設定する必要がある。カーボンナノチューブ1は、太さ、長さ、層数等の性状によって強度が変化し、それに応じてカーボンナノチューブ1の倒れやすさ、倒れにくさも変化するためである。引き上げ速度、移動速度は、カーボンナノチューブ1が倒れるのに必要な大きさ以上でなければならないが、大きすぎるとカーボンナノチューブ1が電極2a上から脱離してしまうので、その点を考慮する必要がある。
また、流体8を用いてカーボンナノチューブ1を一方向に倒すためには、その流れの途中に渦、逆流、淀み等のない一様な流れになるように調整する必要がある。一例として、管7内に流す流体8が液体5の場合、1分間に2リットル/cm2程度の液体5を流すことにより、直径約5nm、約5層のカーボンナノチューブ1を倒すことができる。また、管7内に流す流体8が気体の場合には、2気圧で10リットル/分程度の気体を流すことにより、直径約5nm、約5層のカーボンナノチューブ1を倒すことができる。
図7は形成面上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真、図8は形成面上に倒したカーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真である。なお、各写真の横にはそれぞれの形成面に対するカーボンナノチューブの方向を模式的に示している。
図7(A),(B)に示すように、ある基板10上にカーボンナノチューブ11を垂直配向させて形成した後、これを上記図4に示したように所定条件で純水に浸漬させ引き上げたところ、図8(A),(B)に示すような基板10上に倒れたカーボンナノチューブ11を得ることができた。
また、垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒すためには、上記のように液体5等を利用する方法のほか、ローラやツメ等を用いて倒すような方法を用いることも可能である。
図9はローラを用いてカーボンナノチューブを倒す方法の説明図、図10はツメを用いてカーボンナノチューブを倒す方法の説明図である。
図9に示すように、基板20上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブ21を、ローラ22を基板20に押し当てながら一方向に移動させることによって倒すようにしてもよい。また、図10に示すように、ローラ22に代えてツメ23を基板20に押し当てながら一方向に移動させることによってカーボンナノチューブ21を倒すようにしてもよい。
また、形成するカーボンナノチューブには、欠陥を導入するようにしておいてもよい。
図11はカーボンナノチューブに欠陥を導入する場合の説明図である。
図11に示すように、基板30表面の絶縁膜31上に形成した電極32a上に垂直配向させて形成するカーボンナノチューブ33の所定位置に欠陥33aを導入してから、上記したいずれかの方法を用いて、カーボンナノチューブ33を電極32b,32c側に倒すようにする。このように欠陥33aを導入したカーボンナノチューブ33は、前述のようにその導入箇所を微小コンデンサとして機能させることが可能になる。カーボンナノチューブ33を倒す前には、欠陥33aと電極32a,32b,32cとの位置関係をあらかじめ計算等により把握しておくことにより、欠陥33aを回路内に適切に配置することが可能になる。
カーボンナノチューブ33への欠陥33aの導入方法としては、次のようなものがある。例えばCVD法を用いてカーボンナノチューブ33を垂直配向させて成長させる場合、まず、成長途中の段階で一旦CVD炉内への原料ガス(メタン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、アルコール等)の供給を止め、CVD炉内を一時的に原料ガスの欠乏状態にし、成長を停止させる。その後、原料ガスを再供給して成長を再開させる。
一例として、CVD法による400℃〜900℃のカーボンナノチューブ33の成長において、一旦CVD炉内への原料ガスを止めて成長を停止させた後、約10分間放置し、原料ガスの供給を再開してカーボンナノチューブ33を再成長させる。これにより、カーボンナノチューブ33内には、原料ガスの供給を止めた箇所に欠陥33aが導入されるようになる。
さらに、一旦CVD炉内への原料ガスの供給を止めてカーボンナノチューブ33の成長を停止させ、CVD炉内に微量の水素、酸素、空気等のガスを導入して、あるいはそのようなガスに曝露して、その後成長を再開することによっても欠陥33aを導入することが可能である。カーボンナノチューブ33の成長途中で水素等のガスを導入すると、その時点でのカーボンナノチューブ33の先端表面に水素等が吸着し、その後のカーボンの規則的な成長が阻害され、その結果、カーボンナノチューブ33内に欠陥33aが導入されるようになる。
一例として、CVD法による400℃〜900℃のカーボンナノチューブ33の基板上への成長において、一旦CVD炉内への原料ガスの供給を止めて成長を停止させた後、CVD炉内の温度を下げてCVD炉外に基板を取り出す。取り出した基板は、水素中、酸素中または空気中で約1時間保管し、カーボンナノチューブ33の先端にそれらのガスの原子や分子を吸着させ、これを再びCVD炉内に戻してカーボンナノチューブ33を再成長させる。これにより、カーボンナノチューブ33内には、水素等のガスを導入した箇所に欠陥33aが導入されるようになる。
このほか、CVD炉内の加熱をヒータとレーザ光照射とで行う装置を用いてカーボンナノチューブ33の成長を行うようにし、その成長途中で瞬間的にレーザ光照射を停止することによっても欠陥33aを導入することが可能である。瞬間的にレーザ光照射を停止すると、カーボンナノチューブ33の先端温度が一時的に低下する。一般に、カーボンナノチューブの内包欠陥は低温で成長させた方が多くなることが知られている。レーザ光照射を止めて成長温度を実質的に低温化した後、再びヒータとレーザ光照射で加熱を行ってカーボンナノチューブ33を成長させることによっても、カーボンの規則的な成長が阻害されてそこに欠陥33aが導入されるようになる。
一例として、CVD法による450℃のカーボンナノチューブ33の成長において、ヒータ加熱を500Wのレーザ光照射で補助しながら行う際に、カーボンナノチューブ33が欠陥33aを導入すべきある長さまで成長した時点でレーザ光の照射を瞬間的に止め、再開し、引き続き成長を行う。このようにして、瞬間的にレーザ光照射による加熱補助のない状態を作り、実質的にカーボンナノチューブ33の成長温度を低下させることにより、カーボンナノチューブ33内に欠陥33aが導入されるようになる。
なお、カーボンナノチューブ33の成長途中に温度を一時的に低下させるためには、CVD炉内の加熱をヒータで行う通常の装置を用い、欠陥33aを導入する時点でヒータへの電流供給量を減らして成長温度を低下させる、あるいはガスを一時的に導入して成長温度を一時的に低下させるといった方法等も用いることが可能である。ただし、急峻に温度を変化させるという点では、上記のようにレーザ光を利用する方法が有効である。
また、カーボンナノチューブが倒れる位置には、上記のような導電部分が露出した電極(裸電極)だけでなく、表面を絶縁膜で被覆した電極(絶縁被覆電極)を配置するようにしてもよい。
図12は絶縁被覆電極が存在する場合の説明図である。
例えば、図12に示すように、基板40表面の絶縁膜41上に、絶縁被覆電極42cを裸電極42a,42bで挟んで並べて配置し、裸電極42a上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブ43を裸電極42b側に倒す。このとき、カーボンナノチューブ43は、絶縁被覆電極42cを跨ぐようにして倒れるようになる。このような構成は、例えば、絶縁被覆電極42cをゲート電極とするトランジスタの形成等に利用することができる。なお、このようなトランジスタの形成方法の詳細については後述する。
また、垂直配向させて形成したカーボンナノチューブは、同一平面を構成する複数の電極上に倒すだけでなく、カーボンナノチューブの根元よりも垂直方向に突出する段差に向かって倒すことも可能である。
図13は段差に向かって倒す場合の説明図である。
例えば、図13に示すように、基板50表面の絶縁膜51上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブ53の根元よりも垂直方向に突出した電極52にカーボンナノチューブ53を倒す。この図13に例示したような状態でカーボンナノチューブ53を倒せば、電極52への電圧印加によってカーボンナノチューブ53を電極52に離接することが可能になる。すなわち、絶縁膜51上に形成したカーボンナノチューブ53と電極52を用いてスイッチやメモリを構成することが可能になる。なお、このような原理を利用したスイッチやメモリの形成方法の詳細については後述する。
以下では、これまで述べてきたようなカーボンナノチューブの形成方法を用いて電子デバイス等を構成する例(第1〜第6の例)を具体的に説明する。
まず、第1の例として、基板の形成方法について説明する。
はじめに表面に絶縁膜を形成した基板を用意し、その絶縁膜の全面に膜厚数nmでCo膜あるいはTiCo膜を形成して、カーボンナノチューブの成長核を形成する。次いで、CVD法を用いて成長温度約500℃でカーボンナノチューブを絶縁膜上に垂直配向成長させる。原料ガスとしては、メタン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、アルコール等の炭化水素系のガスを用いることができる。次いで、上記のような浸漬・引き上げ等の方法を用いてカーボンナノチューブを絶縁膜上に倒す。これにより、絶縁膜上にカーボンナノチューブが横たわって並ぶ基板が形成される。このようにして形成される基板は、絶縁膜上に半導体を並べたものと見ることができ、絶縁膜上に薄いシリコン半導体層を形成したSOI(Silicon On Insulator)基板と同様の構成を有している。したがって、このような基板を用いることにより、従来のSOI基板を用いたときと同等の性能を有する各種電子デバイスを形成することが可能になる。また、このような基板は、その加工にプレーナ法を用いることも可能である。
なお、ここでは絶縁膜の全面に成長核を形成しそこにカーボンナノチューブを垂直配向成長させるようにしたが、絶縁膜上に成長核をストライプ状に形成しそこに垂直配向成長させたカーボンナノチューブをストライプ方向と交わる方向に向かって絶縁膜上に倒すようにしてもよい。このような方法によれば、全面にカーボンナノチューブを垂直配向成長させた場合に比べ、カーボンナノチューブをより倒しやすくなる。
次に、第2の例として、センサの形成方法について説明する。
図14はセンサ形成の第1の工程の断面模式図である。また、図15はセンサ形成の第2の工程を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。
まず、図14に示すように、基板60表面に形成した絶縁膜61上に一対の電極62a,62bを形成する。電極62a,62bの材質は導電性を有するものであれば特にその種類は問わないが、電極62aをCo等の触媒金属で形成したり表面にCo等の薄膜を形成したりしておけば、それを後にCVD法によって形成するカーボンナノチューブ63の成長核とすることができる。また、カーボンナノチューブ63を形成するためには、別途、触媒金属の微粒子を電極62a上に形成し、それをカーボンナノチューブ63の成長核とするようにしてもよい。なお、成長核として微粒子を用いる場合には、あらかじめ電極62a上にのみレジストの開口部を設けておき、全面に微粒子の形成を行ってそのレジストを除去すれば、レジスト上の微粒子を除去してレジスト開口部内、すなわち電極62a上にのみ微粒子を残すことができる。そして、図14に示したように、このようにして形成した電極62a上の成長核を起点に、CVD法によって所定長さのカーボンナノチューブ63を垂直配向成長させる。
次いで、図15(A),(B)に示すように、上記のような浸漬・引き上げ等の方法を用い、電極62a上に形成したカーボンナノチューブ63をもう一方の電極62b側に倒す。そして、電極62a,62bに電源を接続して回路を形成することにより、センサが構成される。さらに、必要に応じて200℃〜500℃程度の熱処理を行えば、電極62a,62bとカーボンナノチューブ63との間の接続強度を高めることができる。
このようなセンサは、カーボンナノチューブ63に種々のガスの成分原子が付着するとその電気的特性が著しく変化するため、その変化を電流計で検出することによってガスセンサとして利用することができる。さらに、基板60に電圧を印加し、これをバックゲートとして作用させることもできる。例えば、横軸にバックゲートの電圧、縦軸に電極62a,62b間に流れる電流をとれば、各種のガスに特有の曲線が得られ、その曲線の形状からガス種を判別することも可能になる。
次に、第3の例として、トランジスタの形成方法について説明する。
図16はトランジスタ形成の第1の工程を示す図であって、(A)は平面模式図、(B)は断面模式図である。また、図17はトランジスタ形成の第2の工程を示す図であって、(A)は平面模式図、(B)は断面模式図である。
まず、図16(A),(B)に示すように、基板70表面に形成した絶縁膜71上に電極72a,72bを形成し、例えば一方の電極72a上に触媒金属で成長核を形成して、それを起点にCVD法によってカーボンナノチューブ73を垂直配向成長させる。そして、そのカーボンナノチューブ73を上記のような方法を用いてもう一方の電極72b側に倒す。なお、電極72a,72bの材質は導電性を有するものであれば特にその種類は問わない。カーボンナノチューブ73の成長を行う際には、電極72a上に触媒金属の薄膜あるいは微粒子を形成し、それをカーボンナノチューブ73の成長核とすればよい。
次いで、まず全面にCVD法を用いて絶縁膜74を膜厚約10nmで形成し、さらに全面に電極材を形成して、レジストパターンを用いて電極材のエッチングを行う。それにより、図17(A),(B)に示すようなゲート電極75を形成する。なお、電極72a,72b同様、ゲート電極75の材質は導電性を有するものであれば特にその種類は問わない。
最後に、絶縁膜74のエッチングを行い、電極72a,72bを部分的に露出させる。これにより、カーボンナノチューブ73を用いたトランジスタが構成される。このトランジスタにおいて、電極72a,72bは、ソース・ドレイン電極として機能する。なお、ここでは、エッチングの際、ゲート電極75をソース・ドレイン電極となる電極72a,72bにオーバーラップするように形成し、ゲート電極75と電極72aの間、ゲート電極75と電極72bの間に、ゲート電極75の支配を受けないカーボンナノチューブ73の高抵抗な領域が形成されないようにしている。
また、ここで述べたトランジスタ形成では、カーボンナノチューブ73を倒してからゲート電極75を形成するようにしたが、先にゲート電極75を形成しておき、後からカーボンナノチューブ73を倒すことによってトランジスタ形成を行うことも可能である。
図18はトランジスタ形成の別の例の第1の工程を示す図、図19はトランジスタ形成の別の例の第2の工程を示す図、図20はトランジスタ形成の別の例の第3の工程を示す図である。また、図21はトランジスタ形成の別の例の第4の工程を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。なお、図18から図21では、図16および図17に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
まず、図18に示すように、基板70表面に形成した絶縁膜71上に電極72a,72bおよびゲート電極75aを形成した後、全面に膜厚約10nmで絶縁膜74aを形成する。次いで、レジストパターンを用い、図19に示すように、中央のゲート電極75aを覆う部分以外の絶縁膜74aをエッチングにより除去する。次いで、図20に示すように、CVD法によって電極72a上にカーボンナノチューブ73を垂直配向成長させ、これを、図21(A),(B)に示すように、絶縁膜74aで被覆されたゲート電極75aを跨いで、電極72b側に倒す。このような方法によっても、カーボンナノチューブ73を用いたトランジスタが構成される。
このようにして形成される第3の例のトランジスタでは、ゲート電極75,75aに電圧を印加することで、電極72a,72b間に流れる電流を制御することが可能になる。ここで注目すべきは、このトランジスタが絶縁膜71上に形成されている点にある。したがって、例えばガラス基板等の上でも動作するトランジスタが実現される。このようなトランジスタは、特にディスプレイやタグ等の分野で有用である。
なお、このような構成のトランジスタは、カーボンナノチューブ73のカイラリティによっては、その中に半導体的性質を有する部分と金属的性質を有する部分とが混在するといったことが起こり得る。その場合、形成されるトランジスタは、リーク電流の多いものになる可能性があるため、形成に当たってはカーボンナノチューブ73のカイラリティに留意する必要がある。
また、カーボンナノチューブを太く、総数を多く成長するほどほぼ100%金属的なカーボンナノチューブを得ることができるが、この金属カーボンナノチューブに酸処理や熱処理を施して多くの欠陥を導入するようにすれば、完全な導電性は失われ擬似的に半導体的な性質を帯びるようになることが知られており、このような点にも留意する必要がある。
次に、第4の例として、電極間配線の形成方法について説明する。
基板に対して垂直方向に配向させて形成したカーボンナノチューブを平行方向に倒して電極間を接続する場合、接続する電極の数は2つに限定されるものではなく、3つ以上であっても構わない。
図22は3つの電極間の接続構造を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。
例えば、この図22(A),(B)に示すように、基板80表面の絶縁膜81上に並べて形成した3つの電極82a,82b,82cをカーボンナノチューブ83によって接続する場合、まず、一端の電極82a上に、倒したときに他端の電極82cに届く長さのカーボンナノチューブ83をCVD法で垂直配向成長させた後、これを電極82b,82c側に倒すようにする。4つ以上の電極間を接続する場合も同様に行うことができる。
また、垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒して2つ以上の電極間を接続する構造を形成する際には、最初に垂直配向させて形成するカーボンナノチューブは、必ずしも電極上に形成されていることを要しない。
図23は電極以外の領域に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒して形成した接続構造を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。なお、図23では、図22に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
例えば、この図23(A),(B)に示すように、電極82a,82b,82cの延長線上にある絶縁膜81の一の領域上にカーボンナノチューブ83をCVD法で垂直配向成長させた後、これを電極82a,82b,82c側に倒すようにしても構わない。なお、このような接続構造は、上記第2,第3の例にも適用可能である。
また、最初に垂直配向させて形成するカーボンナノチューブは、一の電極上や一の領域上といったような1箇所であることは必ずしも要しない。
図24は複数個所に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒して形成した接続構造を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。また、図25および図26は倒した後のカーボンナノチューブの重なり状態を示す平面模式図である。なお、図24から図26では、図21に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
例えば、この図24(A),(B)に示すように、電極82a上と電極82b上にそれぞれカーボンナノチューブ83a,83bをCVD法で垂直配向成長させ、これらを電極82b,82c側に倒すようにしてもよい。勿論、図25に示すように、電極82a,82b,82cの延長線上にある絶縁膜81の一の領域上と電極82a上にそれぞれカーボンナノチューブ83a,83bをCVD法で垂直配向成長させ、これらを電極82a,82b,82c側に倒すようにしても構わない。
倒れた後のカーボンナノチューブ83a,83bが重なる領域は、図24(A),(B)や図25に示したように電極82b,82c間、電極82a,82b間といった電極間領域に設けるようにすることも、また、図26に示したように同様にしてカーボンナノチューブ83a,83bを形成した2つの電極82d,82eの外側といった電極外領域に設けるようにすることも可能である。
また、垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒して2つ以上の電極間を接続する構造を形成する場合、それらの電極の中には裸電極だけでなく絶縁被覆電極が含まれていても構わない。
図27は絶縁被覆電極を含む裸電極群のカーボンナノチューブによる接続構造を示す図であって、(A)は平面模式図、(B)はカーボンナノチューブによる接続状態の一形態の断面模式図、(C)はカーボンナノチューブによる接続状態の別の形態の断面模式図である。なお、図27では、図22に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
例えば、図27(A)に示すように、基板80表面の絶縁膜81上に3つの電極82a,82b,82cとそれらの間に2つの絶縁被覆電極82f,82gが形成されている場合でも、一端の電極82a上に所定長さのカーボンナノチューブ83をCVD法で垂直配向成長させ、これを電極82b,82c側に倒すようにすればよい。倒れた後のカーボンナノチューブ83は、図27(B)に示すように電極82a,82b,82cおよび絶縁被覆電極82f,82gを直線状に架橋するように形成されていても、図27(C)に示すように電極82a,82b,82cおよび絶縁被覆電極82f,82gの表面を這うように形成されていても構わない。また、図27(B),(C)に示した形態が混在していても構わない。
次に、第5の例として、スイッチの形成方法について説明する。
図28はスイッチ形成工程の一例の断面模式図である。また、図29はスイッチのオン/オフ動作の説明図であって、(A)はオフ状態の断面模式図、(B)はオン状態の断面模式図である。
カーボンナノチューブを用いてスイッチを形成する場合には、例えば、図28に示すように、まず、絶縁膜90上に裸電極91a,91bおよび絶縁被覆電極91cを形成する。裸電極91a,91bおよび絶縁被覆電極91cは、上記図18および図19に示したのと同様にリソグラフィ法を用いて形成することが可能である。続いて、これら3つの電極を結ぶ延長線上で裸電極91a付近の絶縁膜90上に、CVD法により、所定長さのカーボンナノチューブ92を垂直配向成長させる。そして、このカーボンナノチューブ92を上記のような方法を用いて裸電極91a,91bおよび絶縁被覆電極91cの側に倒す。これにより、図29(A)に示すように、カーボンナノチューブ92は、裸電極91aとの接点で折れ曲がり、この接点を通じて裸電極91aとコンタクトされるようになる。
裸電極91aと絶縁被覆電極91cとの間に電圧を印加すると、この間のキャパシタによってカーボンナノチューブ92に力が加わり、カーボンナノチューブ92が絶縁被覆電極91c側へ引き寄せられるようになる。そして、図29(B)に示すように、カーボンナノチューブ92は、最終的にその先端が裸電極91bに接続され、その結果、裸電極91a,91b間が導通するようになる。すなわち、スイッチがオンした状態となる。このとき、たとえカーボンナノチューブ92が絶縁被覆電極91cと接触しても、絶縁被覆電極91cにはその表面に設けられた絶縁膜93によって電流が流れることはなく、裸電極91aと絶縁被覆電極91cとの間には電圧が印加し続けられる。
裸電極91aと絶縁被覆電極91cとの間に印加されている電圧を切ると、カーボンナノチューブ92は、それが持つ復元力によって裸電極91bから離れ、図29(A)に示した電圧印加前の状態に戻り、スイッチがオフされた状態となる。なお、カーボンナノチューブ92の復元力が弱い場合には、スイッチがオンした後にオフされることがなくなり、これを不揮発性メモリやアンチヒューズとして使用することが可能になる。
図30はスイッチ形成工程の別の例の断面模式図である。なお、図30では、図28に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
この図30に示すように、スイッチを構成するカーボンナノチューブ92は、例えば、CVD法によって裸電極91a上に垂直配向成長させておき、これを裸電極91bおよび絶縁被覆電極91cの側に倒すようにしてもよい。この場合も、カーボンナノチューブ92の倒れ具合を適当に調節する等により、図29に示したのと同様にしてオン/オフ動作を行うスイッチを構成することが可能である。
ここで、カーボンナノチューブを用いたスイッチの変形例(第1〜第7の変形例)について述べる。
まず、第1の変形例について説明する。
図31は第1の変形例のスイッチの形成工程の断面模式図である。また、図32は第1の変形例のスイッチのオン/オフ動作の説明図であって、(A)はオフ状態の断面模式図、(B)はオン状態の断面模式図である。
この第1の変形例のスイッチは、図31に示すように、絶縁膜100内の2つの電極101a,101b、および絶縁膜100上に1つの電極101cを有し、絶縁膜100には電極101a,101bに通じる開口部100a,100bが形成されている。そして、電極101a上にCVD法によって所定長さのカーボンナノチューブ102を垂直配向成長させ、これを上記のような方法を用いて電極101c側に倒す。このとき、倒されたカーボンナノチューブ102は、図32(A)に示すように、開口部100aのエッジ部分を支点にして電極101c側に折れ曲がるようになる。
電極101a,101b間に電圧を印加すると、カーボンナノチューブ102は、電極101b側へ引き寄せられ、図32(B)に示すように、その先端が電極101cに接続され、その結果、電極101a,101c間が導通するようになる。電極101a,101b間の電圧印加を止めると、カーボンナノチューブ102は、電極101cから離れ、図32(A)に示した電圧印加前の状態に戻る。
この第1の変形例のスイッチは、構造上、カーボンナノチューブ102が電極101bに接することがないので、電極101bの表面を絶縁膜で被覆することを要しない。そして、これは開口部100a,100bを形成することによって可能になっており、この構造は電極101bの表面を絶縁膜で被覆する構造に比べて比較的容易に形成可能である。なお、電極101a,101b間に印加する電圧は、電極101bからカーボンナノチューブ102までの距離(開口部100bの深さ、カーボンナノチューブ102の倒れ具合等)に応じて設定するようにする。
続いて、第2の変形例について説明する。
図33は第2の変形例のスイッチの形成工程の断面模式図である。また、図34は第2の変形例のスイッチのオン/オフ動作の説明図であって、(A)はオフ状態の断面模式図、(B)はオン状態の断面模式図である。なお、図33および図34では、図31および図32に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
この第2の変形例のスイッチは、図33に示すように、電極101cが電極101a,101bと同一面上に形成されている、すなわち3つの電極101a,101b,101cが同一面上に形成されている点で、第1の変形例のスイッチと相違する。この場合、電極101a,101b,101cは、まず絶縁膜100内に形成した後、開口部100aを形成して電極101aを露出させ、開口部100bを形成して電極101b,101cを露出させることにより形成される。そして、カーボンナノチューブ102が電極101a上にCVD法によって所定長さで垂直配向成長される。このカーボンナノチューブ102が上記のような方法を用いて電極101c側に倒されると、カーボンナノチューブ102は、図34(A)に示すように、開口部100aのエッジ部分を支点にして電極101c側に折れ曲がるようになる。そのため、上記第1の変形例同様、この第2の変形例のスイッチにおいても、電極101bの表面を絶縁膜で被覆することを要しない。
この第2の変形例のスイッチのオン/オフ動作は、第1の変形例のスイッチと同じであり、電極101a,101b間に電圧を印加すると、カーボンナノチューブ102は、電極101b側へ引き寄せられ、図34(B)に示すように、その先端が電極101cに接続され、その結果、電極101a,101c間が導通するようになる。電極101a,101b間の電圧印加を止めると、カーボンナノチューブ102は、電極101cから離れ、図34(A)に示した電圧印加前の状態に戻る。
続いて、第3の変形例について説明する。
図35は第3の変形例のスイッチの形成工程の断面模式図である。また、図36は第3の変形例のスイッチのオン/オフ動作の説明図であって、(A)はオフ状態の断面模式図、(B)はオン状態の断面模式図である。なお、図35および図36では、図31および図32に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
この第3の変形例のスイッチは、図35に示すように、2つの電極101a,101dが同一面上に形成されている点で、第2の変形例のスイッチと相違する。電極101a,101dは、絶縁膜100に開口部100a,100dをそれぞれ形成することにより露出され、電極101a上にはCVD法によって所定長さのカーボンナノチューブ102が垂直配向成長される。このカーボンナノチューブ102が上記のような方法を用いて電極101d側に倒されると、カーボンナノチューブ102は、図36(A)に示すように、開口部100aのエッジ部分を支点にして電極101d側に折れ曲がるようになる。
さらに、この第3の変形例のスイッチにおいては、図36(A),(B)に示すように、開口部100dのエッジ部分でカーボンナノチューブ102の先端が支持される点も特徴のひとつである。このようなスイッチで電極101a,101d間に電圧を印加すると、カーボンナノチューブ102は、電極101d側へ引き寄せられ、図36(B)に示したように、その中間部が電極101dに接続され、その結果、電極101a,101d間が導通するようになる。電極101a,101d間の電圧印加を止めると、カーボンナノチューブ102は、その復元力によって電極101dから離れ、図36(A)に示した電圧印加前の状態に戻る。カーボンナノチューブ102の復元力が弱い場合には、このスイッチはオフ状態に戻らなくなるため、不揮発性メモリやアンチヒューズを構成するのに好適である。
続いて、第4の変形例について説明する。
図37は第4の変形例のスイッチの形成工程の説明図であって、(A)は第1の形成工程の断面模式図、(B)は第2の形成工程の断面模式図である。また、図38は第4の変形例のスイッチのオン/オフ動作の説明図であって、(A)はオフ状態の断面模式図、(B)はオン状態の断面模式図である。なお、図37および図38では、図31および図32に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
この第4の変形例のスイッチは、図37(A)に示すように、3つの電極101a,101b,101cが同一面上に形成され、それらが絶縁膜100に開口部100a,100b,100cを形成することによって露出されている点で、第2の変形例のスイッチと相違する。カーボンナノチューブ102は、電極101a上にCVD法によって所定長さで垂直配向成長され、上記のような方法を用いて電極101b,101c側に倒されると、図37(B)に示すように、開口部100aのエッジ部分を支点にして電極101b,101c側に折れ曲がり、さらに、開口部100b,100cのエッジ部分で支持されるようになる。
このようなスイッチで電極101a,101b間に電圧を印加すると、カーボンナノチューブ102は、図38(A)に示すように、その中間部が電極101b側へ引き寄せられて電極101bに接続され、その結果、電極101a,101b間が導通するようになる。この状態で電極101a,101c間に電圧を印加すると、カーボンナノチューブ102は、図38(B)に示すように、その先端部側が電極101c側へ引き寄せられて電極101cに接続され、一方、電極101bに接続されていた中間部は持ち上がって電極101bから離れる。すなわち、この第4の変形例のスイッチは、これに含まれる2つのスイッチ部のオン/オフがカーボンナノチューブ102によって適宜切り替え可能になっている。なお、ここではスイッチ部を2個設けた構造を例に述べたが、3個以上設けた構造とすることも可能である。
続いて、第5の変形例について説明する。
図39および図40は第5の変形例のスイッチの説明図であり、図39は第5の変形例のスイッチの一例を示す断面模式図、図40は第5の変形例のスイッチの別の例を示す断面模式図である。なお、図39および図40では、図31および図32に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
上記の第3,第4の変形例で述べたスイッチは、スイッチ内でカーボンナノチューブ102がその根元のみで固定された構成としたが、根元と先端の両方で固定された構成とすることも可能である。
例えば、図39に示すように、第3の変形例で述べたスイッチにさらに別の電極101eを設け、カーボンナノチューブ102の先端が電極101eに接続されるように構成してもよい。また、例えば、図40に示すように、第4の変形例で述べたスイッチにさらに別の電極101fを設け、カーボンナノチューブ102の先端が電極101fに接続されるように構成してもよい。いずれの場合も、その後のオン/オフ動作については、第3,第4の変形例のスイッチについて述べたのと同じである。なお、前述のように、適当な温度で熱処理を行えば、カーボンナノチューブ102の根元や先端と電極101a,101e,101fとの接続強度を高めることも可能である。
続いて、第6の変形例について説明する。
図41は第6の変形例のスイッチの説明図であり、(A)は第1の形成工程の断面模式図、(B)は第2の形成工程の断面模式図である。
この第6の変形例のスイッチは、図41(A)に示すように、絶縁膜110上に、絶縁膜111a、電極112a、絶縁膜111b、電極112b、絶縁膜111cが、一端側が階段状になるようにして順に積層形成され、さらに電極112a,112bの他端側がオーバーエッチングされて窪み113a,113bが形成された電極構造を有している。そして、この電極構造の窪み113a,113bが形成されている側の絶縁膜110上に、この電極構造の積層方向に配向させてCVD法によって所定長さのカーボンナノチューブ114を形成する。これを上記のような方法を用いてこの電極構造側に倒すことにより、図41(B)に示すように、上記第3の変形例のスイッチと同様のオン/オフ動作が行える縦型のスイッチを構成することができる。
なお、ここでは一端側を階段状に形成するとして説明および図示を行っているが、この段差は各電極112a,112bに電気的なコンタクトを取るためのコンタクトホール部分を便宜上模式的に表したものである。
続いて、第7の変形例について説明する。
図42は第7の変形例のスイッチの形成工程の説明図であって、(A)は第1の形成工程の断面模式図、(B)は第2の形成工程の断面模式図である。また、図43は第7の変形例のスイッチの接続状態を示す図であって、(A)は一の接続状態の断面模式図、(B)は別の接続状態の断面模式図である。なお、図42および図43では、図41に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
この第7の変形例のスイッチは、図42(A)に示すように、カーボンナノチューブ114を絶縁膜110に埋め込み形成された電極112cから電極構造の積層方向に配向させて形成している点で、上記第6の変形例のスイッチと相違する。このカーボンナノチューブ114を上記のような方法を用いてこの電極構造側に倒すことにより、上記第4の変形例のスイッチと同様、図42(B)に示すような2つのスイッチ部を備える構造を形成することができる。これにより、図43(A),(B)に示すように、上記第4の変形例のスイッチと同様、2つのスイッチ部のオン/オフがカーボンナノチューブ114によって適宜切り替え可能になる。なお、上記第4の変形例においても述べたように、スイッチ部を3個以上設けた構造とすることも可能である。
以上、この第5の例において述べてきたように、絶縁膜(開口部)や電極で形成される凹構造や凸構造を組み合わせることにより、その上にカーボンナノチューブを倒したときに、カーボンナノチューブの可動部が形成されるようになる。このような可動部を利用することで、種々の形態のスイッチ、あるいはメモリを構成することが可能になる。
次に、第6の例として、単電子デバイスの形成方法について説明する。
まず、カーボンナノチューブへの欠陥の導入方法について説明する。
カーボンナノチューブへの欠陥の導入には、上記のように、CVD法による成長段階で一旦原料ガスの供給を止める、成長途中で水素や酸素等のガスに曝す、ヒータとレーザ光照射で加熱する装置を用い成長途中で瞬間的にレーザ光照射を停止する等、カーボンナノチューブの成長温度を低下させるような方法を用いることが可能である。
図44は欠陥導入時のカーボンナノチューブの成長時間と長さの関係を示す図である。
図44において、横軸はカーボンナノチューブ116の成長時間を表し、縦軸はカーボンナノチューブ116の長さを表している。この図44に示すように、所定長さのカーボンナノチューブ116を成長させる毎に欠陥116aを導入していくことにより、所定箇所に欠陥116aを有するカーボンナノチューブ116を形成することができる。さらに、このようにして形成されるカーボンナノチューブ116は、それが複数であっても、ほぼ同じ箇所に欠陥116aが導入されるようになる。
このようにしてカーボンナノチューブに導入される欠陥は、回路内に設けて微小コンデンサとして機能させることが可能である。したがって、欠陥の導入されたカーボンナノチューブを用いることにより、単電子メモリや単電子インバータ等、種々の単電子デバイスを形成することが可能になる。
まず、単電子メモリについて述べる。
図45は単電子メモリの等価回路図である。
この図45に示した単電子メモリ回路には、カーボンナノチューブに導入した欠陥によって微小コンデンサとして機能する単一電子トンネリング(Single Electron Tunneling,SET)接合120a,120b,120c,120dが用いられている。単電子メモリ回路は、このほか、コンデンサC1,C2、電流計、電源で構成される。なお、この図45の単電子メモリ回路には、便宜上、適所に導体部121a,121b,121cを設けている。
このような回路で構成される単電子メモリを実現することができれば、電子1個で動作する非常に省電力で動く回路を構成することが可能になる。従来は、前述のように、コンデンサ部分のサイズを十分に小さくすることができないため低温でなければ動作しなかったり、カーボンナノチューブの欠陥を利用してSET接合を形成しても欠陥導入位置を制御できなかったりしていた。しかし、これらの問題点は、これまで述べてきた方法を組み合わせることによって解決することが可能になる。
図46は単電子メモリの第1の形成工程の平面模式図である。
単電子メモリの形成においては、まず、この図46に示すように各電極を配置する。ここでは、図46に示したように、3つの裸電極122a,122b,122cと2つの絶縁被覆電極123a,123bを配置し、電流計および電源はすでに所定の電極に接続されているものとする。なお、図45に示したコンデンサC1,C2はそれぞれ、絶縁被覆電極123bに接続された配線内および絶縁被覆電極123b内部に形成されるキャパシタである。
図47は単電子メモリの第2の形成工程の平面模式図である。
上記のように各電極を配置した後、例えば、この図47に示すように、裸電極122a,122b上にそれぞれ、CVD法を用いてカーボンナノチューブ124a,124bを垂直配向成長させる。その際には、上記図44に示したような手順でカーボンナノチューブ124a,124bの所定箇所に欠陥を導入する。
図48は単電子メモリの第2の形成工程における欠陥導入位置の説明図である。
カーボンナノチューブ124a,124bに欠陥を導入する際には、裸電極122a,122b,122c、絶縁被覆電極123a,123bの各電極の配置を考慮する。すなわち、この図48に示すように、例えば、裸電極122b上に欠陥125b,126bを導入しながら垂直配向成長させたカーボンナノチューブ124bを、裸電極122c側に倒したときに、裸電極122bと絶縁被覆電極123bの間に欠陥125bが、また、絶縁被覆電極123bと裸電極122cの間に欠陥126bが、それぞれ配置されるように、成長時に欠陥125b,126bを導入していくようにする。これは、欠陥125b,126bがSET接合として機能する、すなわち欠陥125b,126b部分を微小コンデンサとして利用するためである。カーボンナノチューブ124aについても同様にして、裸電極122aおよび絶縁被覆電極123a,123bの配置を考慮し欠陥を導入する。
図49は単電子メモリの第3の形成工程の平面模式図である。
上記のようにして欠陥125a,126a、欠陥125b,126bを導入したカーボンナノチューブ124a,124bをそれぞれ、上記のような方法を用いて、絶縁被覆電極123b、裸電極122cに向かって倒す。これにより、カーボンナノチューブ124a側では、裸電極122aと絶縁被覆電極123aの間に欠陥125aが、また、絶縁被覆電極123aと絶縁被覆電極123bとの間に欠陥126aが、それぞれ配置される。また、カーボンナノチューブ124b側では、裸電極122bと絶縁被覆電極123bの間に欠陥125bが、また、絶縁被覆電極123bと裸電極122cの間に欠陥126bが、それぞれ配置される。これにより、上記図45の等価回路で示される単電子メモリが実現される。なお、図45に示した導体部121a,121bは、カーボンナノチューブ124aが絶縁被覆電極123a,123b上に配置される部分を示し、導体部121cは、カーボンナノチューブ124bが絶縁被覆電極123b上に配置される部分を示している。
このような単電子メモリを形成する上で、異なる裸電極122a,122b上に垂直配向成長されるカーボンナノチューブ124a,124bは、同時にその成長が行われ、図44に示したような手順によれば、根元からほぼ同じ長さの箇所に欠陥125a,125b、および欠陥126a,126bが形成される。ここで注目すべきは、同時に成長させかつ根元からほぼ同じ長さの箇所に各欠陥125a,126a,125b,126bを導入したカーボンナノチューブ124a,124bで、回路内の異なる部分の配線を形成することができる点にある。
このように、各電極を適切に配置すると共に、その配置に基づき適切な位置に欠陥を導入しながらカーボンナノチューブを成長させることにより、所望の位置にSET接合を有するカーボンナノチューブを利用した単電子メモリを精度良くかつ効率的に形成することができる。また、同時に多数の単電子メモリを形成したり、その他のロジック回路を同時形成したりすることもできる。
なお、ここではカーボンナノチューブ124a,124bを裸電極122a,122b上に垂直配向させて形成するようにしたが、裸電極122cや絶縁被覆電極123b上に垂直配向させて形成し、同様の単電子メモリ回路を構成するようにしてもよい。
また、図45にコンデンサC2として示したキャパシタは、カーボンナノチューブ124a,124b、絶縁被覆電極123bの絶縁膜および電極によって構成されるキャパシタである。
続いて、単電子インバータについて述べる。
図50は単電子インバータの等価回路図である。
この図50に示した単電子インバータ回路には、SET接合130a,130b,130c,130dのほか、コンデンサC1,C2,CA,CBが用いられている。なお、この図50の単電子インバータ回路には、便宜上、適所に導体部131a,131bを設けている。このような回路で構成される単電子インバータも、上記単電子メモリと同様、これまで述べてきた方法を組み合わせることによって形成することが可能である。
図51は単電子インバータの第1の形成工程の平面模式図である。
単電子インバータの形成においては、まず、この図51に示すように各電極を配置する。ここでは、図51に示したように、3つの裸電極132a,132b,132cと1つの絶縁被覆電極133を配置する。なお、図50に示したコンデンサC1,C2は、絶縁被覆電極133内部に形成されるキャパシタ、コンデンサCA,CBは絶縁被覆電極133に接続された配線内に形成されるキャパシタである。
このように各電極を配置した後は、例えば、この図51に示したように、裸電極132a,132b上にそれぞれ、CVD法を用いてカーボンナノチューブ134a,134bを垂直配向成長させる。その際には、上記図44に示したような手順でカーボンナノチューブ134a,134bの所定箇所に欠陥を導入する。具体的には、これらのカーボンナノチューブ134a,134bを倒したときに、裸電極132aと絶縁被覆電極133の間、絶縁被覆電極133と裸電極132bの間、絶縁被覆電極133と裸電極132cの間にそれぞれ欠陥が導入されるようにする。
図52は単電子インバータの第2の形成工程の平面模式図である。
裸電極132a,132b上にそれぞれカーボンナノチューブ134a,134bを成長させた後、これらを上記のような方法を用いて、裸電極132b,132c側に倒す。これにより、カーボンナノチューブ134a側では、裸電極132aと絶縁被覆電極133の間に欠陥135aが、また、絶縁被覆電極133と裸電極132bとの間に欠陥136aが、それぞれ配置される。カーボンナノチューブ134b側では、裸電極132bと絶縁被覆電極133の間に欠陥135bが、また、絶縁被覆電極133と裸電極132cの間に欠陥136bが、それぞれ配置される。これにより、上記図50の等価回路で示される単電子インバータが実現される。なお、図50に示した導体部131aは、カーボンナノチューブ134aが絶縁被覆電極133上に配置される部分を示し、導体部131bは、カーボンナノチューブ134bが絶縁被覆電極133上に配置される部分を示している。
異なる裸電極132a,132b上に垂直配向成長されるカーボンナノチューブ134a,134bは、同時にその成長が行われ、根元からほぼ同じ長さの箇所に欠陥135a,135b、および欠陥136a,136bが形成される。このように、単電子インバータについても、単電子メモリ形成について述べたのと同じく、同時に成長させたカーボンナノチューブ134a,134bで回路内の異なる部分の配線を形成することが可能になっている。また、同時に多数の単電子インバータを形成したり、その他のロジック回路を同時形成したりすることも可能である。
なお、ここではカーボンナノチューブ134a,134bを裸電極132a,132b上に垂直配向させて形成するようにしたが、裸電極132b,132c上に垂直配向させて形成し、同様の単電子インバータ回路を構成するようにしてもよい。
また、ここでは異なる裸電極132a,132b上にカーボンナノチューブ134a,134bをそれぞれ垂直配向成長させ、これらを倒すことによって単電子インバータを構成するようにしたが、裸電極132a上に成長させたカーボンナノチューブ134aのみで単電子インバータを構成することも可能である。
図53は単電子インバータの第1の形成工程の変形例の平面模式図、図54は単電子インバータの第2の形成工程の変形例の平面模式図である。
例えば、この図53に示すように、裸電極132a上にのみカーボンナノチューブ134aを垂直配向成長させ、これを上記のような方法を用いて倒すことにより、図54に示すような構成の単電子インバータを形成することもできる。なお、この場合、カーボンナノチューブ134aには、各電極の配置に基づいた、根元からの箇所が異なる4種の欠陥135a,136a,137a,138aを導入しておく必要がある。これにより、裸電極132aと絶縁被覆電極133の間に欠陥135aが、絶縁被覆電極133と裸電極132bとの間に欠陥136aが、裸電極132bと絶縁被覆電極133の間に欠陥137aが、絶縁被覆電極133と裸電極132cの間に欠陥138aが、それぞれ配置され、上記図50の等価回路で示される単電子インバータが実現される。
なお、ここではカーボンナノチューブ134aを裸電極132a上に垂直配向させて形成するようにしたが、裸電極132c上に垂直配向させて形成し、同様の単電子インバータ回路を構成するようにしてもよい。
以上説明したように、形成面上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを、液中への浸漬・引き上げ等の方法を用いることで、形成面上に平行方向に倒すことができる。これにより、カーボンナノチューブの電子デバイスへの応用範囲を広げることが可能になると共に、カーボンナノチューブの特性を十分に再現良く引き出すことが可能になる。その結果、高性能、高信頼性の各種電子デバイスを生産性良く製造することが可能になる。
なお、形成面上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを上記のような方法を用いて倒した場合には、従来法で形成面に対して平行方向に倒れた状態にする場合と次のような相違点がある。例えば、2電極間をカーボンナノチューブで接続する場合を想定する。
図55は従来法との相違点を説明する図であって、(A)は本方法で2電極間を接続した場合の断面模式図、(B)は架橋法で2電極間を接続した場合の断面模式図、(C)は分散法で2電極間を接続した場合の断面模式図である。
絶縁膜140上に形成した2つの電極141a,141b間をカーボンナノチューブ142で接続する場合、本方法では、一方の電極141a上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブ142を、浸漬・引き上げ等の方法により、もう一方の電極141b側に倒すため、上図55(A)に示すように、カーボンナノチューブ142の根元部分が電極141aに対して垂直方向を向くようになる。これに対し、架橋法では、図55(B)に示すように、カーボンナノチューブ142が一方の電極141aの端部と他方の電極141bの端部との間にアーチ状に形成されるようになる。また、分散法では、図55(C)に示すように、カーボンナノチューブ142の両端部がそれぞれ電極141a,141bに対してほぼ平行方向に向くようになり、中間部も絶縁膜140に対してほぼ平行方向に向くようになる。したがって、各方法で電極141a,141b間に形成されるカーボンナノチューブ142の端部を、厳密に走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡等を用いて観察することにより、いずれの方法を用いているかを推定することが可能である。
(付記1) カーボンナノチューブの形成方法において、
カーボンナノチューブを形成面上に垂直配向させて形成し、垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブの根元を前記形成面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記形成面上に一方向に倒すことを特徴とするカーボンナノチューブの形成方法。
(付記2) 垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブの前記根元を前記形成面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記形成面上に一方向に倒す際には、
垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブを前記形成面と共に液中に浸漬し、前記形成面を略垂直にして前記液から引き上げることによって、前記カーボンナノチューブの前記根元を前記形成面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記形成面上に一方向に倒すことを特徴とする付記1記載のカーボンナノチューブの形成方法。
(付記3) 垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブを前記形成面と共に前記液中に浸漬する際には、
あらかじめ前記カーボンナノチューブの表面に親水性処理を行うことを特徴とする付記2記載のカーボンナノチューブの形成方法。
(付記4) 前記液は、前記カーボンナノチューブを親水性にすることを特徴とする付記2記載のカーボンナノチューブの形成方法。
(付記5) 垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブを前記形成面と共に前記液中に浸漬し、前記形成面を略垂直にして前記液から引き上げる際には、
引き上げる際の速度を前記カーボンナノチューブの性状に応じて設定することを特徴とする付記2記載のカーボンナノチューブの形成方法。
(付記6) 垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブの前記根元を前記形成面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記形成面上に一方向に倒す際には、
垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブを前記形成面と共に液中を通過させることによって、前記カーボンナノチューブの前記根元を前記形成面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記形成面上に一方向に倒すことを特徴とする付記1記載のカーボンナノチューブの形成方法。
(付記7) 垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブを前記形成面と共に前記液中を通過させる際には、
平面上に前記液を満たした容器を配置し、前記容器の側面の底部2箇所に前記液が漏れないサイズのスリットを設け、垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブを前記形成面と共に、前記平面上を一方の前記スリットから入れ他方の前記スリットから出すことを特徴とする付記6記載のカーボンナノチューブの形成方法。
(付記8) 垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブの前記根元を前記形成面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記形成面上に一方向に倒す際には、
前記カーボンナノチューブを前記形成面と共に、前記カーボンナノチューブを倒す方向に流れる流体中に置くことによって、前記カーボンナノチューブの前記根元を前記形成面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記形成面上に一方向に倒すことを特徴とする付記1記載のカーボンナノチューブの形成方法。
(付記9) 前記カーボンナノチューブを前記形成面と共に、前記カーボンナノチューブを倒す方向に流れる前記流体中に置く際には、
前記カーボンナノチューブを前記形成面と共に管内に配置し、前記管内に前記流体を所定方向に流すことを特徴とする付記8記載のカーボンナノチューブの形成方法。
(付記10) カーボンナノチューブを用いた電子デバイスの製造方法において、
基板の表面に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上にカーボンナノチューブを垂直配向させて形成する工程と、
垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブの根元を前記絶縁膜上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記絶縁膜上に一方向に倒す工程と、
を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
(付記11) 前記基板の表面に前記絶縁膜を形成する工程後に、
前記絶縁膜上に複数の電極を形成する工程を有し、
前記複数の電極の形成後に、前記絶縁膜上に前記カーボンナノチューブを垂直配向させて形成し、
垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブの前記根元を前記絶縁膜上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記絶縁膜上に一方向に倒す工程においては、前記カーボンナノチューブを前記複数の電極のうちの少なくとも2つの電極上を跨ぐように倒すことを特徴とする付記10記載の電子デバイスの製造方法。
(付記12) 前記カーボンナノチューブが跨ぐ電極には、表面が絶縁膜で被覆された電極が含まれることを特徴とする付記11記載の電子デバイスの製造方法。
(付記13) 前記絶縁膜上に前記カーボンナノチューブを垂直配向させて形成する際には、
前記カーボンナノチューブを前記複数の電極のうちの少なくとも2つの電極上を跨ぐように倒したときに、前記カーボンナノチューブが跨ぐ各電極間に欠陥が配置されるよう、前記カーボンナノチューブの所定箇所に前記欠陥を導入しながら前記絶縁膜上に前記カーボンナノチューブを垂直配向させて形成することを特徴とする付記11記載の電子デバイスの製造方法。
(付記14) カーボンナノチューブを用いた電子デバイスの製造方法において、
基板の表面に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に複数の電極を形成する工程と、
前記複数の電極のうちの一の電極上にカーボンナノチューブを垂直配向させて形成する工程と、
前記一の電極上に垂直配向させて形成した前記カーボンナノチューブの根元を前記一の電極上に固定したまま前記カーボンナノチューブを他の電極の側に倒す工程と、
を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
(付記15) 前記絶縁膜上に前記複数の電極を形成する工程においては、
前記一の電極と前記他の電極との間または前記一の電極と前記他の電極とを結ぶ延長線上に電極が形成されるよう前記複数の電極を形成することを特徴とする付記14記載の電子デバイスの製造方法。
(付記16) 前記一の電極と前記他の電極との間または前記一の電極と前記他の電極とを結ぶ延長線上に形成される電極、および前記他の電極には、表面が絶縁膜で被覆された電極が含まれることを特徴とする付記15記載の電子デバイスの製造方法。
(付記17) 前記複数の電極のうちの前記一の電極上に前記カーボンナノチューブを垂直配向させて形成する工程においては、
前記カーボンナノチューブを前記他の電極の側に倒したときに、前記一の電極と前記他の電極との間に欠陥が配置されるよう、前記カーボンナノチューブの所定箇所に欠陥を導入しながら前記一の電極上に前記カーボンナノチューブを垂直配向させて形成することを特徴とする付記14記載の電子デバイスの製造方法。
(付記18) カーボンナノチューブを用いた電子デバイスの製造方法において、
基板上に凹構造または凸構造を形成する工程と、
前記基板に対し垂直配向させてカーボンナノチューブを形成する工程と、
前記凹構造上または前記凸構造上に前記カーボンナノチューブを倒す工程と、
を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
(付記19) 前記凹構造上または前記凸構造上に前記カーボンナノチューブを倒す工程においては、
前記カーボンナノチューブが前記凹構造または前記凸構造と部分的に接触して可動するよう、前記凹構造上または前記凸構造上に前記カーボンナノチューブを倒すことを特徴とする付記18記載の電子デバイスの製造方法。
(付記20) 前記凹構造および前記凸構造は、絶縁膜または電極によって構成されることを特徴とする付記18記載の電子デバイスの製造方法。
カーボンナノチューブの形成フローの一例を示す図である。 カーボンナノチューブを電極上に垂直配向させて形成する工程の断面模式図である。 垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒す工程を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。 電極上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒す方法の一例の説明図である。 電極上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒す方法の別の例の説明図(その1)である。 電極上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒す方法の別の例の説明図(その2)である。 形成面上に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真である。 形成面上に倒したカーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真である。 ローラを用いてカーボンナノチューブを倒す方法の説明図である。 ツメを用いてカーボンナノチューブを倒す方法の説明図である。 カーボンナノチューブに欠陥を導入する場合の説明図である。 絶縁被覆電極が存在する場合の説明図である。 段差に向かって倒す場合の説明図である。 センサ形成の第1の工程の断面模式図である。 センサ形成の第2の工程を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。 トランジスタ形成の第1の工程を示す図であって、(A)は平面模式図、(B)は断面模式図である。 トランジスタ形成の第2の工程を示す図であって、(A)は平面模式図、(B)は断面模式図である。 トランジスタ形成の別の例の第1の工程を示す図である。 トランジスタ形成の別の例の第2の工程を示す図である。 トランジスタ形成の別の例の第3の工程を示す図である。 トランジスタ形成の別の例の第4の工程を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。 3つの電極間の接続構造を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。 電極以外の領域に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒して形成した接続構造を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。 複数個所に垂直配向させて形成したカーボンナノチューブを倒して形成した接続構造を示す図であって、(A)は断面模式図、(B)は平面模式図である。 倒した後のカーボンナノチューブの重なり状態を示す平面模式図(その1)である。 倒した後のカーボンナノチューブの重なり状態を示す平面模式図(その2)である。 絶縁被覆電極を含む裸電極群のカーボンナノチューブによる接続構造を示す図であって、(A)は平面模式図、(B)はカーボンナノチューブによる接続状態の一形態の断面模式図、(C)はカーボンナノチューブによる接続状態の別の形態の断面模式図である。 スイッチ形成工程の一例の断面模式図である。 スイッチのオン/オフ動作の説明図であって、(A)はオフ状態の断面模式図、(B)はオン状態の断面模式図である。 スイッチ形成工程の別の例の断面模式図である。 第1の変形例のスイッチの形成工程の断面模式図である。 第1の変形例のスイッチのオン/オフ動作の説明図であって、(A)はオフ状態の断面模式図、(B)はオン状態の断面模式図である。 第2の変形例のスイッチの形成工程の断面模式図である。 第2の変形例のスイッチのオン/オフ動作の説明図であって、(A)はオフ状態の断面模式図、(B)はオン状態の断面模式図である。 第3の変形例のスイッチの形成工程の断面模式図である。 第3の変形例のスイッチのオン/オフ動作の説明図であって、(A)はオフ状態の断面模式図、(B)はオン状態の断面模式図である。 第4の変形例のスイッチの形成工程の説明図であって、(A)は第1の形成工程の断面模式図、(B)は第2の形成工程の断面模式図である。 第4の変形例のスイッチのオン/オフ動作の説明図であって、(A)はオフ状態の断面模式図、(B)はオン状態の断面模式図である。 第5の変形例のスイッチの一例を示す断面模式図である。 第5の変形例のスイッチの別の例を示す断面模式図である。 第6の変形例のスイッチの説明図であり、(A)は第1の形成工程の断面模式図、(B)は第2の形成工程の断面模式図である。 第7の変形例のスイッチの形成工程の説明図であって、(A)は第1の形成工程の断面模式図、(B)は第2の形成工程の断面模式図である。 第7の変形例のスイッチの接続状態を示す図であって、(A)は一の接続状態の断面模式図、(B)は別の接続状態の断面模式図である。 欠陥導入時のカーボンナノチューブの成長時間と長さの関係を示す図である。 単電子メモリの等価回路図である。 単電子メモリの第1の形成工程の平面模式図である。 単電子メモリの第2の形成工程の平面模式図である。 単電子メモリの第2の形成工程における欠陥導入位置の説明図である。 単電子メモリの第3の形成工程の平面模式図である。 単電子インバータの等価回路図である。 単電子インバータの第1の形成工程の平面模式図である。 単電子インバータの第2の形成工程の平面模式図である。 単電子インバータの第1の形成工程の変形例の平面模式図である。 単電子インバータの第2の形成工程の変形例の平面模式図である。 従来法との相違点を説明する図であって、(A)は本方法で2電極間を接続した場合の断面模式図、(B)は架橋法で2電極間を接続した場合の断面模式図、(C)は分散法で2電極間を接続した場合の断面模式図である。 形成面に対して平行方向に形成したカーボンナノチューブの模式図である。 形成面に対して平行方向にカーボンナノチューブを形成する別の方法の説明図であって、(A)は平面模式図、(B)は断面模式図である。 図57のA部拡大図である。 電極間の状態を示す図であって、(A)は目的の接続状態、(B)は未接続状態、(C)は接続に寄与しないカーボンナノチューブが存在している状態、(D)はカーボンナノチューブが交差している状態を示している。
符号の説明
1,11,21,33,43,53,63,73,83,83a,83b,92,102,114,116,124a,124b,134a,134b,142 カーボンナノチューブ
2a,2b,32a,32b,32c,52,62a,62b,72a,72b,82a,82b,82c,82d,82e,101a,101b,101c,101d,101e,101f,112a,112b,112c,141a,141b 電極
3,10,20,30,40,50,60,70,80 基板
4,31,41,51,61,71,74,74a,81,90,93,100,110,111a,111b,111c,140 絶縁膜
5 液体
6 容器
6a,6b スリット
7 管
8 流体
22 ローラ
23 ツメ
33a,116a,125a,125b,126a,126b,135a,135b,136a,136b,137a,138a 欠陥
42a,42b,91a,91b,122a,122b,122c,132a,132b,132c 裸電極
42c,82f,82g,91c,123a,123b,133 絶縁被覆電極
75,75a ゲート電極
100a,100b,100c,100d 開口部
113a,113b 窪み
120a,120b,120c,120d,130a,130b,130c,130d SET接合
121a,121b,121c,131a,131b 導体部

Claims (5)

  1. ーボンナノチューブを面上に垂直配向成長させて形成し、垂直配向成長させて形成した前記カーボンナノチューブの根元を前記面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記面上に一方向に倒すことを特徴とするカーボンナノチューブの形成方法。
  2. 垂直配向成長させて形成した前記カーボンナノチューブの前記根元を前記面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記面上に一方向に倒す際には、
    垂直配向成長させて形成した前記カーボンナノチューブを前記面と共に液中に浸漬し、前記面を略垂直にして前記液から引き上げることによって、前記カーボンナノチューブの前記根元を前記面上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記面上に一方向に倒すことを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの形成方法。
  3. 板の表面に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上にカーボンナノチューブを垂直配向成長させて形成する工程と、
    垂直配向成長させて形成した前記カーボンナノチューブの根元を前記絶縁膜上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記絶縁膜上に一方向に倒す工程と、
    を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  4. 板の表面に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に第1電極及び第2電極を形成する工程と、
    前記第1電極上にカーボンナノチューブを垂直配向成長させて形成する工程と、
    前記第1電極上に垂直配向成長させて形成した前記カーボンナノチューブの根元を前記第1電極上に固定したまま前記カーボンナノチューブを前記第2電極の側に倒す工程と、
    を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  5. 前記第1電極上に前記カーボンナノチューブを垂直配向成長させて形成する工程においては、
    前記カーボンナノチューブを前記第2電極の側に倒したときに、前記第1電極と前記第2電極との間に、導電性が失われコンデンサとして機能する欠陥が配置されるよう、前記カーボンナノチューブの所定箇所にカーボンの規則的な成長を阻害して欠陥を導入しながら前記第1電極上に前記カーボンナノチューブを垂直配向成長させて形成することを特徴とする請求項4記載の電子デバイスの製造方法。
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