JP4236970B2 - 薄膜被覆トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂により薄膜被覆されたトナー、特に加熱定着法に好適な熱硬化性樹脂表面被覆トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式における現像剤の定着方式としては、加熱ロール等を用いる接触加熱方式、フラッシュ定着法など非接触加熱方式、加圧ロール等を用いる接触加圧方式、加熱加圧ロール等を用いる接触加熱加圧方式などが提案されており、実用化されている。
【0003】
これらの定着方式の中でも、接触加熱方式、非接触加熱方式および接触加熱加圧方式などの加熱定着方式においては、主にトナーの軟化温度により定着温度が決定される。トナーの軟化温度が十分に低ければ定着温度を十分に下げることができ、定着温度が十分に低ければ、定着に要する熱エネルギーを低減でき定着時間を短縮できるため、定着工程の省エネルギー化および高速化を実現できる。この様な観点から、例えば、軟化温度が低い低融点トナー等が開発されている。
【0004】
しかしながら、軟化温度が低いトナーを使用すると、トナー同士が凝集し易い傾向にあり、搬送性が低下し、ブロッキングが発生する傾向にある。
【0005】
一方、軟化温度が高いトナーを使用した場合、ブロッキング性は低く搬送性は良好であるが、例えば、加熱ロール定着法の場合、十分な定着を実現するには、定着温度を十分に高くする必要がある。また、トナーが付着した支持体がニップを通過する時間を十分に確保する必要があるため、定着に長時間を要する場合がある。更に、フラッシュ定着法で高速定着を実現するためには、高強度のフラッシュ光を照射する必要があり、エネルギーの消費が激しく、支持体が劣化する場合もあり、高速化に技術的な限界があった。
【0006】
トナーの低凝集性(抗ブロッキング性)および高速定着性を両立する手段の一つに、表面が被覆されたトナーが考えられる。表面被覆トナーは表面が樹脂壁などであるため、軟化温度の低い結着樹脂を用いてもトナー同士が凝集しブロッキングすることは殆どなく、十分に軟化温度の低い結着樹脂を用いることができ、色材を含有する液体を用いることもできる。
【0007】
例えば、特許文献1及び2には、外殻がメラミン樹脂および尿素樹脂などのカプセルトナーが記載されている。また、特許文献3には、外殻がウレタン樹脂などのカプセルトナーが記載されている。更に、特許文献4〜7には、メラミン樹脂を使用したトナーが記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭55−070853号公報
【特許文献2】
特開昭58−111050号公報
【特許文献3】
特開昭59−166966号公報
【特許文献4】
特開昭57−104148号公報
【特許文献5】
特開昭61−122656号公報
【特許文献6】
特開平09−054455号公報
【特許文献7】
特開平09−006039号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に、熱硬化性樹脂により表面被覆されたトナーを使用すればブロッキング性は改良される。しかしながら、表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを用いた場合でも、トナーの搬送性が不十分であったり、形成される画像の解像度が不十分な場合があった。
【0010】
本発明者らは、これらの不具合の原因を鋭意解明した結果、トナーの形状が一因であることを見出した。即ち、トナーの真球度が低かったり、トナーの丸み度が低かったり、トナーの表面に激しい凹凸が存在すると、トナーの搬送性が不十分となったり、形成される画像の解像度が不十分となることがある。
【0011】
これらのトナーの形状に起因する不具合は粉砕トナー及び重合トナーの何れの場合でも生じ得るが、粉砕トナーの方が、真球度が低く、トナーの丸み度が低く、トナー表面の凹凸が激しい傾向にある。また、粉砕トナー及び重合トナーを比較すると、一般に、粉砕トナーの方が製造方法が簡便であり、製造費用が安価である。これらの理由から、特に、粉砕トナーの形状を制御することが要望されてきた。
【0012】
以上の様な状況に鑑み、真球度が十分に高く、丸み度が十分に高く、表面の凹凸が少ない、表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを提供し、トナーの十分な搬送性と、画像の十分な解像度を実現することを本発明の目的とする。
【0013】
また、真球度が十分に高く、丸み度が十分に高く、表面の凹凸が少ない、表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを、簡便、安価および十分な生産性で製造することを本発明の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記の式Iで定義される真球度(DSF)が0.85以上であるトナーが全体の70質量%以上を占め、
下記の数式IIで定義される平均丸み度(SFR)が1〜1.5であり、かつ、
下記の数式IIIで定義される平均表面凹凸度(SFC)が1〜1.3である、
熱硬化性樹脂を含んでなる薄膜により表面被覆されたトナーの製造方法であって、
【数7】
(但し、mはトナーの投影像の最小短径であり、Mは該トナーの投影像の最大長径である。)
【数8】
(但し、nは平均を取るために選ばれたトナーの数で100以上であり、Miはi番目のトナーの投影像の最大長径であり、Aiはi番目のトナーの投影像の面積であり、Σはi=1(1番目のトナー)からn(n番目のトナー)までの総和を取ることを意味する。)
【数9】
(但し、nは平均を取るために選ばれたトナーの数であり、Piはi番目のトナーの投影像の周長であり、Aiはi番目のトナーの投影像の面積であり、Σはi=1(1番目のトナー)からn(n番目のトナー)までの総和を取ることを意味する。)
分散剤が溶解している水系媒体に粉体トナーを固体状態で分散する工程と、
該分散物に熱硬化性樹脂前駆体を混合する工程と、
該粉体トナーを溶融することなく、該熱硬化性樹脂前駆体を樹脂化して該熱硬化性樹脂を含む薄膜を該粉体トナーの表面に被覆する工程と、
該被覆する工程の後に、該熱硬化性樹脂が熱破壊されない温度範囲で加熱して該粉体トナーを溶融する工程と
を具備し、
ただし、前記薄膜の平均膜厚は0.005〜1μmである
薄膜被覆トナーの製造方法が提供される。
【0015】
また本発明により、前記式Iで定義される真球度(DSF)が0.85以上であるトナーが全体の70質量%以上を占め、
前記数式IIで定義される平均丸み度(SFR)が1〜1.5であり、かつ、
前記数式IIIで定義される平均表面凹凸度(SFC)が1〜1.3である、
熱硬化性樹脂を含んでなる薄膜により表面被覆されたトナーの製造方法であって、
結着樹脂の原料である結着樹脂モノマーを含むトナー原料を乳化重合してトナーの分散物を調製する工程と、
該トナー分散物に熱硬化性樹脂前駆体を混合する工程と、
該トナーを溶融することなく、該熱硬化性樹脂前駆体を樹脂化して該熱硬化性樹脂を含む薄膜を該トナーの表面に被覆する工程と、
該被覆する工程の後に、該熱硬化性樹脂が熱破壊されない温度範囲で加熱して該トナーを溶融する工程と
を具備し、
ただし、前記薄膜の平均膜厚は0.005〜1μmである
薄膜被覆トナーの製造方法が提供される。
【0016】
図1には本発明により製造されるトナーを、図2には従来のトナーを模式的に示した。図1の20及び図2の10はトナーの模式的斜視図であり、図1の21及び図2の11が、それぞれのトナーの投影図である。
【0017】
これらの図中に示した様に、mはトナーの投影像の最小短径であり、Mは該トナーの投影像の最大長径であり、トナーの形状が制御され真球度が高くなるほど、DSFは大きくなり1に近づき、DSFが0.85以上のトナーが全体に占める割合は高くなる。
【0018】
真球度(DSF)が十分に高い表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを使用することにより、トナーの十分な搬送性と、画像の十分な解像度を実現できる。この観点から、真球度(DSF)が0.85以上であるトナーが全体に占める割合は、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上が更に好ましい。
【0022】
これらの図中に示した様に、Miはi番目のトナーの投影像の最大長径であり、Aiはi番目のトナーの投影像の面積であり、Σはi=1(1番目のトナー)からn(n番目のトナー)までの総和を取ることを意味し、nは平均を取るために選ばれたトナーの数で100以上であり、統計的精度を向上させるために必要に応じて200以上、500以上および1000以上などとする。トナーの形状が制御され丸み度が高くなるほど、SFRは小さくなり1に近づく。
【0023】
丸み度が十分に高い表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを使用することにより、トナーの十分な搬送性と、画像の十分な解像度を実現できる。この観点から、平均丸み度(SFR)は、1.4以下がより好ましく、1.3以下が更に好ましい。
【0027】
これらの図中に示した様に、Piはi番目のトナーの投影像の周長であり、Aiはi番目のトナーの投影像の面積であり、Σはi=1(1番目のトナー)からn(n番目のトナー)までの総和を取ることを意味し、nは平均を取るために選ばれたトナーの数で100以上であり、統計的精度を向上させるために必要に応じて200以上、500以上および1000以上などとする。トナーの形状が制御され表面の凹凸度が低下するほど、SFCは小さくなり1に近づく。
【0028】
表面の凹凸が十分に少ない表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを使用することにより、トナーの十分な搬送性と、画像の十分な解像度を実現できる。この観点から、平均表面凹凸度(SFC)は、1.2以下がより好ましく、1.1以下が更に好ましい。
【0029】
以上の様なトナーは、粉砕トナー及び重合トナーの何れの場合においても有効であるが、粉砕トナーの方が、真球度が低く、トナーの丸み度が低く、トナー表面の凹凸が激しい傾向にある。また、粉砕トナー及び重合トナーを比較すると、一般に、粉砕トナーの方が製造方法が簡便であり、製造費用が安価である。これらの理由から、粉砕トナーに本発明を適用する方が改良効果が顕著な場合がある。
【0032】
以上の様な製造方法においては、熱硬化性樹脂が熱破壊されず内包されているトナー成分が実質的に外部に漏洩しない温度範囲で、表面が被覆されたトナーを加熱する。この加熱工程により、内包されるトナー成分が溶融し、トナーの形状が整えられ整形される。この結果、トナーの真球度が向上し、丸み度が向上し、表面の凹凸が減少する。
【0033】
よって、この工程は、表面が薄膜により被覆されたトナーの加熱整形工程と考えることができ、加熱整形するのみで簡便、安価および効率的にトナーの形状を球形に整えることができる。
【0034】
なお、熱硬化性樹脂が熱破壊されず内包されているトナー成分が実質的に外部に漏洩しない温度範囲とは、例えば、熱硬化性樹脂のガラス転移温度以下が好ましく、具体的には95℃以下が好ましく、85℃以下がより好ましく、75℃以下が更に好ましい。また、低温定着が可能なトナーを念頭とする場合は、80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましい。
【0035】
一方、内包されているトナー成分を十分に溶融しトナーの形状を十分に整形する観点から、加熱整形の温度範囲としては、表面被膜が形成される前のトナーの軟化温度以上が好ましい。また、トナーの結着樹脂のガラス転移温度以上が好ましい。具体的には、35℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、45℃以上が更に好ましい。
【0036】
以上の様な製造方法を採用することにより、真球度が十分に高く、丸み度が十分に高く、表面の凹凸が少ない、表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを、簡便、安価および十分な生産性で製造できる。
【0037】
以上の様な方法で製造され、熱硬化性樹脂より主になる表面薄膜により被覆されたトナーを使用することにより、トナーの十分な搬送性と、画像の十分な解像度とを実現できる。
【0038】
【発明の実施の形態】
トナーを加熱して溶融し、形状を整形する工程において、内包されるトナーが実質的に漏洩しないためには、トナーの表面が実質的に連続した薄膜により被覆されていることが好ましい。
【0039】
なお、「実質的に連続して」とは、例えば粉体状の被覆材が融着して被覆されている様な状態ではないことを意味し、トナーの性能が低下する程の欠損は存在していないことを意味し、この様な表面被膜は電子顕微鏡などを用いて確認できる。
【0040】
実質的に連続した被膜は、固体表面上で原料を樹脂化することで形成できる。このため、薄膜被覆前のトナーは常温において粉体であり、表面被膜を形成している際にも粉体であることが好ましい。
【0041】
具体的には、分散剤が溶解している水系媒体に粉体トナーを固体状態で分散し、この分散物に熱硬化性樹脂前駆体を混合し、粉体トナーを溶融することなく熱硬化性樹脂前駆体を樹脂化して薄膜をトナーの表面に被覆する。
【0042】
ここで「溶融」とは、加熱によりトナーが完全に溶融したり液化する場合を言い、軟化および熱変形などは含まない。加熱によりトナーが部分的に溶融したとしても、それがトナーの軟化および変形などの程度であれば、トナーの表面に被膜を形成できるからである。
【0043】
また、「樹脂化」とは、重合度が十分に高く完全な樹脂化のみならず、重合度が中程度の部分的な樹脂化も含むものであり、トナー同士の融着が阻害される程度の重合度を有する重合体を形成することを意味する。
【0044】
この製造方法によれば、先ず、分散剤が溶解している水系媒体にトナーを固体状態で分散する。これに、被膜となる熱硬化性樹脂の原料を添加し、固体状態のトナーの表面で樹脂化する。この結果、個々のトナーを夫々に熱硬化性樹脂により薄膜被覆できる。熱硬化性樹脂の膜厚は十分に薄く、また、実質的に連続して表面に被覆される。
【0045】
薄膜樹脂被膜をカプセル樹脂壁と考えれば、夫々のマイクロカプセルはトナー微粒子を1つ含む単核マイクロカプセルと考えることもできる。そして、トナーの表面には薄膜の熱硬化性樹脂壁があるため、例え、軟化温度の低いトナーの場合でも、表面に薄膜被覆を形成することによりトナー同士が凝集することを抑制できる。
【0046】
以上の方法は、粉砕トナー及び重合トナーの何れを被覆する場合にも有効である。しなしながら、例えば乳化重合法により製造される重合トナーの場合、乳化重合法で重合トナーを製造後に引続き重合トナーの表面を熱硬化性樹脂で被覆することにより、重合トナーを被覆工程に先立ち分離精製するなど必要がないため、良好な生産性および性能を実現できる。
【0047】
即ち、結着樹脂の原料である結着樹脂モノマーを含むトナー原料を乳化重合してトナーの分散物を調製し、このトナー分散物に熱硬化性樹脂前駆体を混合し、トナーを溶融することなく熱硬化性樹脂前駆体を樹脂化して薄膜をトナーの表面に被覆する。
【0048】
また、必要に応じて、被覆工程後に薄膜被覆トナを沈降法により回収し、洗浄し、加熱乾燥する。
【0049】
更に、必要に応じて、加熱乾燥工程後に薄膜被覆トナを解砕する。
【0050】
(被覆樹脂)
薄膜被覆される熱硬化性樹脂としては、高性能のトナーを製造できるものであれば特に制限されないが、固体状のトナー上に被膜を形成するため、樹脂原料を反応場に水系媒体側からのみ供給する方式で作製できるものとされる。具体的には、in situ重合法、液中硬化被覆法、コアセルベーション法などにより作製される被膜が好ましく、反応性などの観点から、in situ重合法により作製される被膜が好ましい。in situ重合法においては、水系媒体にのみに樹脂被膜の原料が存在しており、この原料が微粒子上で反応して樹脂化し、被膜が形成される。
【0051】
熱硬化性樹脂の種類としては、上記の様な方法で形成されるものであれば特に制限されないが、得られる薄膜の性能が優れる等の理由から、メラミン系、尿素レゾルシン系などの尿素系、ウレタン系、アミド系、オレフィン系、ゼラチン・アラビアゴム系などを使用し、吸水性が低く貯蔵安定性に優れる等の理由から、メラミン系および尿素レゾルシン系などの尿素系などが好ましい。メラミン系樹脂および尿素レゾルシン系などの尿素系樹脂は低吸水性であるため、薄膜被覆トナーを乾燥する際に薄膜被覆トナーが結着することを抑制し、トナーの平均粒子径および粒子径分布が変化することを抑制でき、また、貯蔵中に腐敗することもない。
【0052】
具体的には、被覆薄膜をメラミン樹脂から作製する場合、メチロール化メラミン系化合物を用いたin situ重合法などにより作製できる。
【0053】
また、被覆薄膜を尿素樹脂から作製する場合、メチロール化尿素系化合物を用いたin situ重合法などにより作製できる。
【0054】
また、被覆薄膜をウレタン樹脂から作製する場合、アミノ−カルボニルモノオキシ化合部を用いたin situ重合法などにより作製できる。
【0055】
また、被覆薄膜をアミド樹脂から作製する場合、アミノ酸誘導体を用いたinsitu重合法などにより作製できる。
【0056】
また、被覆薄膜をオレフィン樹脂から作製する場合、エチレン、プロピレン、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン−ジビニルベンゼン等を用いたin situ重合法などにより作製できる。
【0057】
なお、以上の中には熱硬化性樹脂以外の樹脂も含まれているが、必要に応じて、これらの非熱硬化性樹脂を使用することもできる。
【0058】
特に、表面被膜を形成しても定着温度が大きく上昇することが少ない等の理由から、熱硬化性樹脂として尿素系樹脂が好ましい。尿素系樹脂は、濃縮型尿素系樹脂前駆体および尿素系樹脂前駆体混合物などを樹脂化することで形成できる。
【0059】
濃縮型尿素系樹脂前駆体とは、尿素および尿素誘導体の少なくとも何れか一方と、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体の少なくとも何れか一方とを部分縮合し、樹脂成分を所定濃度に調整したものを言う。
【0060】
なお、得られる尿素系樹脂被覆トナーの性能の観点からは、尿素およびホルムアルデヒドを部分縮合することが好ましい。
【0061】
部分縮合の際の仕込み比としては、尿素および尿素誘導体の少なくとも何れか一方の1モル部に対して、十分な抗ブロッキング性を実現する観点から、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体の少なくとも何れか一方を1.5モル部以上とすることが好ましく、1.7モル部以上がより好ましく、1.8モル部以上が更に好ましい。一方、十分な低温定着性を実現する観点から、2.5モル部以下が好ましく、2.3モル部以下がより好ましく、2.2モル部以下が更に好ましい。
【0062】
また、部分縮合後の樹脂成分の濃度としては、十分な抗ブロッキング性を実現する観点から、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、一方、十分な低温定着性を実現する観点から、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましい。
【0063】
尿素系樹脂前駆体混合物は、尿素および尿素誘導体の少なくとも何れか一方と、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体の少なくとも何れか一方とを含む。
【0064】
また、必要に応じて、尿素、尿素誘導体、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体以外の単量体成分を共縮合させた共縮合型尿素系樹脂が好ましい場合もある。
【0065】
共縮合成分としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノール等の芳香族2価アルコール類などを使用する。
【0066】
中でも、非着色性の共縮合成分が好ましく、この観点から、ハイドロキノン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノール等が好ましい。これらの共縮合成分を使用して作製された尿素系樹脂の表面被膜は、トナーの被覆工程や定着工程において安定であり、着色が少ないため好ましい。
【0067】
トナー表面に形成された薄膜の表面被膜の平均膜厚は、表面被膜としての十分な性能を実現する観点から、0.005μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.02μm以上が更に好ましく、一方、表面被膜の形成による定着温度の上昇を抑制する観点から、0.1μm以下が好ましく、0.08μm以下がより好ましく、0.05μm以下が更に好ましい。
【0068】
なお、トナーの要求性能上など理由から必要に応じては、1μm以下とする場合や、0.5μm以下とする場合もある。
【0069】
(原料トナー)
熱硬化性樹脂により十分に薄膜の被膜が個々のトナー上に形成されている場合、被覆前のトナーの平均粒子径および粒子径分布と、被覆後のトナーの平均粒子径および粒子径分布との相違は僅かとなる。
【0070】
被覆前のトナーの体積平均粒子径としては、トナーの総合的な性能の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上が更に好ましく、一方、画像の解像度の観点から、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。
【0071】
同様に、被覆後のトナーの体積平均粒子径としても、トナーの総合的な性能の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上が更に好ましく、一方、画像の解像度の観点から、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。
【0072】
結着樹脂はトナーの構成要素を十分結着し、トナーの良好な定着性および帯電性などを実現するものであれば特に制限されないが、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂およびプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ワックス類;これらの樹脂の単量体成分の共重合体などを使用し、必要に応じて複数の樹脂を併用することもできる。
【0073】
中でも、フラッシュ定着法を念頭とする場合は、エステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂などが好ましく、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体、これらの樹脂のアロイ等も使用できる。
【0074】
また、解像度の観点からは、エチレン系樹脂およびプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂が好ましい。
【0075】
例えば、エステル系樹脂の場合、アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等を使用する。
【0076】
また、必要に応じて、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等の2価のアルコール;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールを使用することもでき、以上のアルコール成分を2種以上併用することもできる。
【0077】
また、酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、これらの無水物などを使用し、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロへキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等の2価のカルボン酸を使用し、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸などの3価以上のカルボン酸成分も使用できる。
【0078】
なお、エステル系樹脂の形成反応を促進するために、例えば、酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート等を使用することもできる。
【0079】
一方、スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂の単量体成分の共重合体の具体例としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びスチレン誘導体のホモポリマー;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体などを使用する。
【0080】
更に、架橋構造を有する樹脂を結着樹脂として使用することもできる。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
【0081】
なお、結着樹脂のトナー全体に占める割合は、普通、50〜95質量%とする。
【0082】
また、以上の様な結着樹脂には、軟化温度を低下させるために、高沸点(300℃以上)のオイル類、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、流動パラフィン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を、トナー全体に対して、0.1〜20質量%添加することもできる。
【0083】
表面被膜を被覆する前のトナーの軟化温度は、トナーを尿素系樹脂薄膜で被覆する際にトナーが軟化することを抑制するため、30℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましく、40℃以上が更に好ましく、一方、定着温度を十分低温とし、また高速の定着を実現する観点から、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましく、80℃以下とする場合もある。
【0084】
表面被膜を被覆する前のトナーの定着温度は、十分な抗ブロッキング性を実現する観点から、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、一方、定着温度を十分低温とし、また高速の定着を実現する観点から、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましく、80℃以下とする場合もある。
【0085】
また、以上と同様の観点から、トナー又は結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、30℃以上が更に好ましく、一方、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、70℃以下が更に好ましい。
【0086】
トナーは乾式トナー及び湿式トナーに大別され、乾式トナーは製造方法により粉砕トナーと重合トナーとに大別される。
【0087】
粉砕トナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、磁性剤などの必要なトナー成分を、ヘンシェルミキサー及びボールミル等の混合機で十分に混合する。
【0088】
次に、得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を相溶させ、トナー成分を均一に分散させる。その後、得られた混練物を冷却固化し、ハンマーミル及びジェットミル等で粉砕し、サイクロン及びミクロンセパレーター等で分級して造粒し、所望のトナーを得る。
【0089】
さらに必要に応じて表面処理剤などを、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合することもできる。
【0090】
一方、重合トナーの製造方法としては、例えば、ディスク及び多流体ノズル等を用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法などの乳化重合法;予め一次極性乳化重合粒子を調製後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いる。
【0091】
中でも、重合性モノマーと他のトナー成分とを含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も好ましい。
【0092】
(色材)
色材としては、トナーの特性を低下させることなく十分に着色できるものであれば特に制限されないが、チャネルカーボン、ファーネスカーボン等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;分散染料、油溶性染料などを用い、必要に応じて複数の色材を併用することもできる。
【0093】
また、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、ホワイトカーボン、シリカ、アルミナホワイト、水酸化アルミニウム、カオリンクレー等の粘土鉱物、タルク、マイカ、ネフェリンサイアナイト等の体質顔料も使用できる。
【0094】
黒色トナーの場合、黒色色材として、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー色材、マゼンタ色材およびシアン色材を混合して黒色に調色された色材などを用いる。
【0095】
カラー画像の場合、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー等を作製する。
【0096】
イエロー色材としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168及び180等を使用し、C.I.ソルベントイエロー93,162,163等の染料を併用しても良い。
【0097】
マゼンタ色材としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などを使用し、具体的には、C.Iピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221及び254等を使用する。
【0098】
シアン色材としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62及び66等を使用する。
【0099】
白色トナーの場合、白色色材として、酸化チタン、チタン白、酸化亜鉛、亜鉛白、硫化亜鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、ジルコニア、酸化ジルコニア等を使用する。
【0100】
なお、色材のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0101】
(電荷制御剤)
電荷制御剤としては、トナーの特性を低下させることなく十分に電荷を制御できるものであれば特に制限されないが、負極性電荷制御剤および正極性電荷制御剤を用いる。
【0102】
負極性電荷制御剤の具体例としては、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸およびそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、及びノンメタルカルボン酸系化合物などが有るが、Cr錯塩染料などの電子受容性染料、電子受容性有機錯体、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、塩素化パラフィン等が好ましい。
【0103】
また、正極性電荷制御剤の具体例としては、ニグロシン、脂肪酸金属塩による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジンアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩および4級アンモニウム塩又はオニウム塩のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、例えば、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類などが有るが、電子供与性のニグロシン染料、第四級アンモニウム塩などが好ましい。
【0104】
なお、電荷制御剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.01〜10質量%とする。
【0105】
(キャリア成分)
現像剤の種類には、一般に2成分系および1成分系が有る。2成分系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などを用いて作製され、キャリアと混合されて2成分系現像剤とされる。
【0106】
一方、1成分系現像剤の場合、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などに加え、キャリア成分がトナーに配合されており、トナーのみで現像剤として使用する。1成分系現像剤用のトナーはキャリア成分を含んでいるため、2成分系現像剤用のトナーと比較して、密度が高い。このため、薄膜被覆トナーを洗浄後、沈降法により薄膜被覆トナーを回収する際、薄膜被覆トナーの高い沈降速度を実現できるため、回収を良好に行うことができ、分散剤などを容易に除去できる。
【0107】
この様な観点から、キャリア成分としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等の金属;これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属;これらの金属の合金、酸化物およびその混合物などを使用し、具体的には、表面酸化の鉄粉、表面未酸化の鉄粉、ニッケル粉、銅粉、亜鉛粉、コバルト粉、マンガン粉、クロム粉、希土類粉などの金属粉;これらの金属の酸化物粉;これらの金属の合金粉;これらの合金の酸化物粉;フェライト粉;マグネタイト粉などを使用し、トナー全体に対して1〜60質量%添加する。
【0108】
トナーは、必要に応じてキャリアと混合される。混合は、Vブレンダーなどを用いて行われる。
【0109】
また、湿式トナーの場合は、ボールミル及びアトライタ等の混合機にトナー成分とキャリア液体とを投入し、十分に分散させて、混合工程および造粒工程を同時に行う。
【0110】
(表面被膜の形成)
トナー表面に薄膜を被覆する工程は、分散剤が溶解している水系媒体にトナーを固体状態で分散した状態で行われるか、重合トナーの場合、乳化重合法などによりトナー粒子を形成後に引続き行われるため、良好な薄膜被覆を実現するためには、分散剤の選択が重要である。分散剤は、トナーを十分に分散し、トナー表面で樹脂化を十分に進行させ、薄膜形成後の洗浄工程において分散剤を十分に除去できる等の観点から選択される。洗浄工程において分散剤を十分に除去できない場合、薄膜被覆トナーの洗浄後に加熱乾燥すると、薄膜被覆トナーが結着することがある。薄膜被覆トナーが結着すると、トナーの平均粒子径および粒子径分布が乱れることとなり、結着した薄膜被覆トナーを強制的に解砕すると被膜が剥離する場合がある。
【0111】
トナーを十分に分散し、トナー表面で樹脂化を十分に進行させる観点からは、カルボキシル基などを有するアニオン性分散剤が好ましい。また、薄膜形成後の洗浄工程において分散剤を十分に除去する観点からは、分散剤の分子量は500,000以下が好ましい。
【0112】
より具体的には、重量平均分子量500,000以下の高分子化合物および分子量10,000以下の低分子化合物が好ましい。また、高分子化合物の場合、重量平均分子量は100,000以下がより好ましく、10,000以下が更に好ましく、低分子化合物の場合、分子量は1,000以下がより好ましい。
【0113】
なお、分散剤の分子量の指標として、分散剤の25質量%水溶液の25℃における溶液粘度は、500mPa・s以上が好ましく、1,000mPa・s以上がより好ましく、2,000mPa・s以上が更に好ましく、一方、100,000mPa・s以下が好ましく、50,000mPa・s以下がより好ましく、30,000mPa・s以下が更に好ましい。
【0114】
また、樹脂化反応による被覆工程において分散剤の混合物に占める濃度は、トナーを十分に分散し、トナー表面で樹脂化を十分に進行させる観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、一方、薄膜形成後の洗浄工程において分散剤を十分に除去する観点から、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、5質量%以下とする場合もある。
【0115】
なお、分子量の高い分散剤を使用する場合は、分散剤の濃度を低下させる。例えば、重量平均分子量が100,000〜1,000,000の分散剤を使用する場合や、25質量%水溶液の25℃における溶液粘度が100,000〜1000,000mPa・sの場合、樹脂化反応による被覆工程において分散剤の混合物に占める濃度を、例えば0.01〜0.1質量%とする。但し、5質量%以下とすることもある。
【0116】
また、分散剤の種類としては、ポリ及びオリゴ(メタ)アクリル酸、スチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、スチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、エチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、エチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、ポリ及びオリゴビニルアルコール、ヘキサエチルセルロース由来のオリゴマー、メチルセルロース由来のオリゴマー、カルボキシメチルセルロース由来のオリゴマー、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルフォン酸塩、ポリオキシエチレン硫酸塩などを使用でき、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0117】
ここで、樹脂化反応が急激に進行することを抑制するために、トナーを分散する温度と樹脂薄膜の原料を混合する温度とは、原料を樹脂化し被覆を形成する樹脂化反応温度より低くすることが好ましく、更に樹脂化反応温度は徐々に昇温することが好ましい。具体的には、分散温度および混合温度は10〜40℃が好ましく、樹脂化反応温度は30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましく、一方、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下が更に好ましい。
【0118】
また、樹脂化反応が急激に進行することを抑制するために、樹脂化反応用の混合物は弱酸性が好ましく、具体的にはpHを3〜6程度にする。
【0119】
以上の様にして得られた薄膜被覆トナーは、被覆工程後の洗浄工程において沈降法により容易に回収でき、分散剤を容易に除去できるので、加熱乾燥しても、薄膜被覆トナー同士が結着することは殆どない。このため、加熱乾燥工程後に薄膜被覆トナを容易に解砕でき、所望の平均粒子径および粒子径分布を有する薄膜被覆トナーを製造できる。
【0120】
(定着方法)
以上で得られた薄膜被覆トナーの定着方法は、加熱ロール等を用いる接触加熱方式、フラッシュ定着法など非接触加熱方式、加熱加圧ロール等を用いる接触加熱加圧方式などに好適である。
【0121】
これらの加熱方式の場合、加熱により薄膜被覆トナーの内芯トナーが熱膨張し薄膜被覆が破壊されることで内芯トナーが露出され支持体に定着される。加熱の際の熱エネルギーは薄膜被覆が破壊されるのに必要な量で十分であり、内芯トナーとして軟化温度が十分に低いものを使用すれば低エネルギーで高速な定着を実現できる。また、フラッシュ定着法においては、赤外線の照射により内芯トナーの温度が瞬時に昇温されるため、内芯トナーが瞬時に熱膨張し薄膜被覆が瞬時に破壊され、高速な定着を実現できる。更に、加圧方式の場合、圧力により薄膜被服が破壊されるので、加熱定着法およびフラッシュ定着法などと併用することにより、支持体に対する高速定着を実現できる。
【0122】
以上の定着方式において、軟化温度が低い内芯トナーを使用すれば低エネルギーで高速な定着を実現できるが、内芯トナーは薄膜被覆されているため、軟化温度が低い内芯トナーを使用しても、薄膜被覆トナー同士が凝集することを抑制できる。
【0123】
なお、最終的に得られる表面薄膜被覆トナーの定着温度は、高速定着および省エレルギーの観点から、145℃以下が好ましく、125℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。
【0124】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用した。
【0125】
(平均粒子径)
トナーの平均粒子径は、トナーを電子顕微鏡で観察し、得られた画像中のトナーの直径を計測し平均することで、数平均粒子径および粒子径分布を算出できる。また、体積平均粒子径および粒子径分布は、オリフィスを利用する方法および光散乱法などにより測定できる。オリフィスを利用する方法の場合、例えばCoulter Electronics社(英国)製のコールターマルチサイダーを用いて測定できる。
【0126】
(被覆薄膜の平均膜厚)
トナー上に被覆された薄膜の平均膜厚は、被覆前のトナーの平均粒子径と被覆後のトナーの平均粒子径とから算術的に計算できる。また、薄膜被覆トナーをエポキシ樹脂中などで固定し、切断して、断面を電子顕微鏡で観察することによっても計測できる。更に、薄膜の形成で消費された原料の量とトナーの平均粒子径とからも算術的に計算できる。
【0127】
(軟化温度)
軟化温度(℃)は、一定加圧下での溶融押出法により測定できる。この方法では、所定量の試料を昇温しながら一定加重でノズルより押出し、所定量の試料が流出するか又は流出速度が所定の値に達する温度(流出開始温度)をもって軟化温度を決定する。また、JIS K 7234に従い環球法によっても軟化温度を測定できる。
【0128】
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度(Tg、℃)は、示差走査熱量測定法および動的粘弾性測定法により測定できる。また、Foxらによる以下の経験式に従って、ガラス転移温度(Tg)を計算することもできる;
1/Tg=Σ(1/Tgi)
なお、式中、Tgiはi番目の単量体を重合して得られるホモポリマーのガラス転移温度であり、Σはiについて総和を取ることを意味する。
【0129】
(トナーの形状因子)
トナーを電子顕微鏡により観察し、得られた画像をトナーの投影図として解析し、真球度(DSF)、平均丸に度(SFR)及び平均表面凹凸度(SFC)を計測する。
【0130】
(画像形成性)
0.1質量%ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液(和光順薬製)40質量部と、オリエント化学社製トナー用荷電制御剤(商品名:BONTRON N−01、BONTRON P−51、BONTRON S−34、BONTRON E−84)とを10質量部と計量し、ガラスビーズ(直径2mm)100質量部を加え、フタ付きの容器に投入する。これを、RED DEVIL EQUIP MENT社製RED DEVIL 5400(商品名)で2時間粉砕し、次に150メッシュの振るいでガラスビーズを除去して帯電制御剤分散物を調製する。
【0131】
得られた帯電制御剤分散物を、薄膜被覆後のトナーの洗浄工程の最後で、混合物の全体に対して0.5質量%となる様に加える。その後、洗浄操作を4〜5回繰り返し、トナーを洗浄し、ステンレス製バットに移した後、40℃に設定したヤマト科学製の送風乾燥機(商品名:FineOvenDH−42)中で10時間乾燥する。
【0132】
得られた現像剤を市販の複写機のトナーカートリッジに充填し、ベタ画像を形成して、Macbeth社製の測定器(商品名:TR927、Rフィルター)を用いて定着性を以下の基準で評価する;
○:トナーは十分な搬送性を有しており、十分な解像度の画像が得られる、
△:トナーは実用に耐え得る程度の搬送性を有しており、実用に耐え得る程度の解像度の画像が得られる、
×:トナーの搬送性は不十分であり、画像の解像度も不十分である。
【0133】
(実施例1)薄膜被覆トナー1
市販の加熱定着方式用粉砕トナーに、以下の様にしてメラミン系樹脂製の薄膜を被覆した。使用した加熱定着方式用トナーの体積平均粒子径は8μm、軟化温度は80℃、結着樹脂はエステル系(ガラス転移温度:45℃)であり、色材はカーボンブラックであった。
【0134】
先ず、25質量%水溶液の25℃における溶液粘度が8,000mPa・sのポリアクリル酸を水に溶解し、pHが4.5で濃度が5質量%の水系媒体を調製した。この水系媒体300質量部に上記の加熱定着方式用トナーを100質量部を室温で分散し、これにヘキサメチロールメラミン初期重合物(昭和高分子社製、商品名:ミルベン607)8.2質量を室温で混合した。得られた室温の混合物を20分で55℃に昇温し1時間で樹脂化反応を行い、加熱定着方式用トナーの表面をメラミン樹脂で被覆した。
【0135】
引続き、混合物を70℃まで昇温し、攪拌しながら2時間保温した。
【0136】
その後、混合物を室温まで冷却し、4,000rpmで10分の遠心により薄膜被覆トナーを沈殿させ、上澄みを除去して薄膜被覆トナーを回収した。沈降性は良好であった。
【0137】
回収された薄膜被覆トナーを再び水に懸濁し遠心沈降して上澄みを除去する操作を4回繰返し、薄膜被覆トナーを洗浄して、ポリアクリル酸を除去した。洗浄性は良好であった。
【0138】
その後、薄膜被覆トナーを40℃で加熱乾燥したが結着などが発生することはなく、簡単な解砕操作により、薄膜被覆トナー1を得た。
【0139】
得られた薄膜被覆トナー1の体積平均粒子径を測定すると8.05μmであり、平均膜厚0.03μmの薄い薄膜が形成されたと考えられ、薄膜被覆によりトナーの平均粒子径は大きくは変化していないことが分った。また、被覆形成前のトナーの粒子径分布と、被覆形成後のトナーの粒子径分布とを測定したところ、粒子径の分布関数は両者で同様であり、薄膜被覆によりトナーの粒子径分布も大きくは変化していないことが分った。
【0140】
更に、被覆形成後で加熱整形前のトナーの電子顕微鏡写真を、図3(a)に示した。また、加熱整形後のトナーの電子顕微鏡写真を、図3(b)に示した。これらの写真より、加熱整形によりトナーの形状が球形に整えられていることが明瞭に分かる。
【0141】
加えて、これらの電子顕微鏡写真より、トナーが個別に被覆されており、熱硬化性樹脂からなる薄膜は連続してトナーの表面を被覆していることが分った。なお、表面被膜が連続していることは、トナーの加熱整形工程において、内包されるトナーが漏洩していないことからも確認できた。
【0142】
また、加熱整形前のトナーの形状因子を計測したところ、真球度(DSF)が0.85以上のトナーが全体に占める割合は68質量%であり、平均丸み度(SFR)は1.7であり、平均表面凹凸度(SFC)は1.4であった。一方、加熱整形後のトナーの形状因子を計測したところ、真球度(DSF)が0.85以上のトナーが全体に占める割合は87質量%であり、平均丸み度(SFR)は1.2であり、平均表面凹凸度(SFC)は1.1であった。
【0143】
以上の結果より、トナーの表面に熱硬化性樹脂から主になる表面被膜を形成後、熱硬化性樹脂が熱破壊されない温度範囲で加熱して粉体トナーを溶融することで、トナーの形状を加熱整形でき、真球度が十分に高く、丸み度が十分に高く、表面の凹凸が少ない、表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを簡便、安価および十分な生産性で製造できることが分った。
【0144】
また、薄膜被覆トナー1について画像形成性を試験したが、トナーは十分な搬送性を有しており、十分な解像度の画像が得られ、評価結果は○であった。
【0145】
(実施例2)薄膜被覆トナー2
市販の加熱定着方式用粉砕トナーに、以下の様にして尿素系樹脂製の薄膜を被覆した。使用した加熱定着方式用トナーの体積平均粒子径は8μm、軟化温度は80℃、結着樹脂はエステル系(ガラス転移温度:45℃)であり、色材はカーボンブラックであった。
【0146】
先ず、尿素1モル部とホルムアルデヒド2モル部とをアンモニア存在下75℃で縮合し、粘稠なシロップ状物を得た。これを真空蒸発させ樹脂成分を60質量%に調整し、濃縮型尿素系樹脂前駆体を得た。
【0147】
次に、25質量%水溶液の25℃における溶液粘度が8,000mPa・sのポリアクリル酸を水に溶解し、pHが4.5で濃度が5質量%の水系媒体を調製した。この水系媒体300質量部に加熱定着方式用トナー100質量部を室温で分散し、これに上記の濃縮型尿素系樹脂前駆体1.5質量部(乾燥)を室温で混合した。得られた室温の混合物を20分で50℃に昇温し1時間で樹脂化反応を行い、加熱定着方式用トナーの表面を尿素系樹脂で被覆した。
【0148】
引続き、混合物を70℃まで昇温し、攪拌しながら2時間保温した。
【0149】
その後、混合物を室温まで冷却し、4,000rpmで10分の遠心により薄膜被覆トナーを沈殿させ、上澄みを除去して薄膜被覆トナーを回収した。沈降性は良好であった。
【0150】
回収された薄膜被覆トナーを再び水に懸濁し遠心沈降して上澄みを除去する操作を4回繰返し、薄膜被覆トナーを洗浄して、ポリアクリル酸を除去した。洗浄性は良好であった。
【0151】
その後、薄膜被覆トナーを40℃で加熱乾燥したが結着などが発生することはなく、簡単な解砕操作により、薄膜被覆トナー2を得た。
【0152】
得られた薄膜被覆トナー2の体積平均粒子径を測定すると8.05μmであり、平均膜厚0.03μmの薄い薄膜が形成されたと考えられ、薄膜被覆によりトナーの平均粒子径は大きくは変化していないことが分った。また、被覆形成前のトナーの粒子径分布と、被覆形成後のトナーの粒子径分布とを測定したところ、粒子径の分布関数は両者で同様であり、薄膜被覆によりトナーの粒子径分布も大きくは変化していないことが分った。
【0153】
更に、加熱整形前後のトナーの電子顕微鏡写真より、加熱整形によりトナーの形状が球形に整えられていることを確認した。
【0154】
加えて、これらの電子顕微鏡写真より、トナーが個別に被覆されており、熱硬化性樹脂からなる薄膜は連続してトナーの表面を被覆していることが分った。なお、表面被膜が連続していることは、トナーの加熱整形工程において、内包されるトナーが漏洩していないことからも確認できた。
【0155】
また、加熱整形前のトナーの形状因子を計測したところ、真球度(DSF)が0.85以上のトナーが全体に占める割合は68質量%であり、平均丸み度(SFR)は1.7であり、平均表面凹凸度(SFC)は1.4であった。一方、加熱整形後のトナーの形状因子を計測したところ、真球度(DSF)が0.85以上のトナーが全体に占める割合は87質量%であり、平均丸み度(SFR)は1.2であり、平均表面凹凸度(SFC)は1.1であった。
【0156】
以上の結果より、トナーの表面に熱硬化性樹脂から主になる表面被膜を形成後、熱硬化性樹脂が熱破壊されない温度範囲で加熱して粉体トナーを溶融することで、トナーの形状を加熱整形でき、真球度が十分に高く、丸み度が十分に高く、表面の凹凸が少ない、表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを簡便、安価および十分な生産性で製造できることが分った。
【0157】
また、薄膜被覆トナー2について画像形成性を試験したが、トナーは十分な搬送性を有しており、十分な解像度の画像が得られ、評価結果は○であった。
【0158】
(実施例3)薄膜被覆トナー3
市販の加熱定着方式用粉砕トナーに、以下の様にして尿素系樹脂製の薄膜を被覆した。使用した加熱定着方式用トナーの体積平均粒子径は8μm、軟化温度は80℃、結着樹脂はエステル系(ガラス転移温度:45℃)であり、色材はカーボンブラックであった。
【0159】
先ず、25質量%水溶液の25℃における溶液粘度が8,000mPa・sのポリアクリル酸を水に溶解して、10質量%の水系媒体を調製した。この水系媒体300質量部と尿素5質量部とを混合して、水酸化ナトリウム水溶液によりpHを3.2とした。これに加熱定着方式用トナー100質量部を室温で分散し、更に、ホルマリン12.5質量部を室温で混合した。得られた室温の混合物を20分で60℃に昇温し1時間で樹脂化反応を行い、加熱定着方式用トナーの表面を尿素系樹脂で被覆した。
【0160】
引続き、混合物を70℃まで昇温し、攪拌しながら2時間保温した。
【0161】
その後、混合物を室温まで冷却し、4,000rpmで10分の遠心により薄膜被覆トナーを沈殿させ、上澄みを除去して薄膜被覆トナーを回収した。沈降性は良好であった。
【0162】
回収された薄膜被覆トナーを再び水に懸濁し遠心沈降して上澄みを除去する操作を4回繰返し、薄膜被覆トナーを洗浄して、ポリアクリル酸を除去した。洗浄性は良好であった。
【0163】
その後、薄膜被覆トナーを40℃で加熱乾燥したが結着などが発生することはなく、簡単な解砕操作により、薄膜被覆トナー3を得た。
【0164】
得られた薄膜被覆トナー3の体積平均粒子径を測定すると8.05μmであり、平均膜厚0.03μmの薄い薄膜が形成されたと考えられ、薄膜被覆によりトナーの平均粒子径は大きくは変化していないことが分った。また、被覆形成前のトナーの粒子径分布と、被覆形成後のトナーの粒子径分布とを測定したところ、粒子径の分布関数は両者で同様であり、薄膜被覆によりトナーの粒子径分布も大きくは変化していないことが分った。
【0165】
更に、加熱整形前後のトナーの電子顕微鏡写真より、加熱整形によりトナーの形状が球形に整えられていることを確認した。
【0166】
加えて、これらの電子顕微鏡写真より、トナーが個別に被覆されており、熱硬化性樹脂からなる薄膜は連続してトナーの表面を被覆していることが分った。なお、表面被膜が連続していることは、トナーの加熱整形工程において、内包されるトナーが漏洩していないことからも確認できた。
【0167】
また、加熱整形前のトナーの形状因子を計測したところ、真球度(DSF)が0.85以上のトナーが全体に占める割合は68質量%であり、平均丸み度(SFR)は1.7であり、平均表面凹凸度(SFC)は1.4であった。一方、加熱整形後のトナーの形状因子を計測したところ、真球度(DSF)が0.85以上のトナーが全体に占める割合は87質量%であり、平均丸み度(SFR)は1.2であり、平均表面凹凸度(SFC)は1.1であった。
【0168】
以上の結果より、トナーの表面に熱硬化性樹脂から主になる表面被膜を形成後、熱硬化性樹脂が熱破壊されない温度範囲で加熱して粉体トナーを溶融することで、トナーの形状を加熱整形でき、真球度が十分に高く、丸み度が十分に高く、表面の凹凸が少ない、表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを簡便、安価および十分な生産性で製造できることが分った。
【0169】
また、薄膜被覆トナー3について画像形成性を試験したが、トナーは十分な搬送性を有しており、十分な解像度の画像が得られ、評価結果は○であった。
【0170】
(実施例4)薄膜被覆トナー4
市販の加熱定着方式用粉砕トナーに、以下の様にして尿素系樹脂製の薄膜を被覆した。使用した加熱定着方式用トナーの体積平均粒子径は8μm、軟化温度は80℃、結着樹脂はエステル系(ガラス転移温度:45℃)であり、色材はカーボンブラックであった。
【0171】
先ず、25質量%水溶液の25℃における溶液粘度が8,000mPa・sのポリアクリル酸を水に溶解して、10質量%の水系媒体を調製した。この水系媒体300質量部と尿素5質量部とハイドロキノン0.5質量部とを混合して、水酸化ナトリウム水溶液によりpHを3.2とした。これに加熱定着方式用トナー100質量部を室温で分散し、更に、ホルマリン12.5質量部を室温で混合した。得られた室温の混合物を20分で60℃に昇温し1時間で樹脂化反応を行い、加熱定着方式用トナーの表面を尿素系樹脂で被覆した。
【0172】
引続き、混合物を70℃まで昇温し、攪拌しながら2時間保温した。
【0173】
その後、混合物を室温まで冷却し、4,000rpmで10分の遠心により薄膜被覆トナーを沈殿させ、上澄みを除去して薄膜被覆トナーを回収した。沈降性は良好であった。
【0174】
回収された薄膜被覆トナーを再び水に懸濁し遠心沈降して上澄みを除去する操作を4回繰返し、薄膜被覆トナーを洗浄して、ポリアクリル酸を除去した。洗浄性は良好であった。
【0175】
その後、薄膜被覆トナーを40℃で加熱乾燥したが結着などが発生することはなく、簡単な解砕操作により、薄膜被覆トナー4を得た。
【0176】
得られた薄膜被覆トナー4の体積平均粒子径を測定すると8.05μmであり、平均膜厚0.03μmの薄い薄膜が形成されたと考えられ、薄膜被覆によりトナーの平均粒子径は大きくは変化していないことが分った。また、被覆形成前のトナーの粒子径分布と、被覆形成後のトナーの粒子径分布とを測定したところ、粒子径の分布関数は両者で同様であり、薄膜被覆によりトナーの粒子径分布も大きくは変化していないことが分った。
【0177】
更に、加熱整形前後のトナーの電子顕微鏡写真より、加熱整形によりトナーの形状が球形に整えられていることを確認した。
【0178】
加えて、これらの電子顕微鏡写真より、トナーが個別に被覆されており、熱硬化性樹脂からなる薄膜は連続してトナーの表面を被覆していることが分った。なお、表面被膜が連続していることは、トナーの加熱整形工程において、内包されるトナーが漏洩していないことからも確認できた。
【0179】
また、加熱整形前のトナーの形状因子を計測したところ、真球度(DSF)が0.85以上のトナーが全体に占める割合は68質量%であり、平均丸み度(SFR)は1.7であり、平均表面凹凸度(SFC)は1.4であった。一方、加熱整形後のトナーの形状因子を計測したところ、真球度(DSF)が0.85以上のトナーが全体に占める割合は87質量%であり、平均丸み度(SFR)は1.2であり、平均表面凹凸度(SFC)は1.1であった。
【0180】
以上の結果より、トナーの表面に熱硬化性樹脂から主になる表面被膜を形成後、熱硬化性樹脂が熱破壊されない温度範囲で加熱して粉体トナーを溶融することで、トナーの形状を加熱整形でき、真球度が十分に高く、丸み度が十分に高く、表面の凹凸が少ない、表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを簡便、安価および十分な生産性で製造できることが分った。
【0181】
また、薄膜被覆トナー4について画像形成性を試験したが、トナーは十分な搬送性を有しており、十分な解像度の画像が得られ、評価結果は○であった。
【0182】
(実施例5)薄膜被覆トナー5
スチレン単量体100質量部およびn−ブチルアクリレート単量体20質量部にキナクリドン系顔料およびジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物を混合し5時間分散させた後、60℃に加温して2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.3質量部を添加し、更にアクリル系モノマーでシード重合して、体積平均粒子径8μmの重合トナーを製造した。
【0183】
これを室温まで冷却し、重合トナーを単離することなく、薄膜被覆トナー2の場合と同様にして、生産性良好に薄膜被覆トナー5を得た。
【0184】
得られた薄膜被覆トナー5の体積平均粒子径を測定すると8.05μmであり、平均膜厚0.03μmの薄い薄膜が形成されたと考えられた。
【0185】
また、電子顕微鏡写真より、加熱整形によりトナーの形状が球形に整えられていること、トナーが個別に被覆されており熱硬化性樹脂からなる薄膜は連続してトナーの表面を被覆していることを確認した。なお、表面被膜が連続していることは、トナーの加熱整形工程において、内包されるトナーが漏洩していないことからも確認できた。
【0186】
更に、薄膜被覆トナー5の形状因子を計測したところ、真球度(DSF)が0.85以上のトナーが全体に占める割合は87質量%であり、平均丸み度(SFR)は1.2であり、平均表面凹凸度(SFC)は1.1であった。
【0187】
加えて、薄膜被覆トナー5について画像形成性を試験したが、トナーは十分な搬送性を有しており、十分な解像度の画像が得られ、評価結果は○であった。
【0188】
【発明の効果】
トナーの表面に熱硬化性樹脂から主になる表面被膜を形成し、熱硬化性樹脂が熱破壊されない温度範囲で加熱して粉体トナーを溶融することで、真球度が十分に高く、丸み度が十分に高く、表面の凹凸が少ない、表面が熱硬化性樹脂により被覆されたトナーを簡便、安価および十分な生産性で製造でき、トナーの十分な搬送性と、画像の十分な解像度を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜被覆トナーを説明するための模式図である。
【図2】従来の薄膜被覆トナーを説明するための模式図である。
【図3】トナーを電子顕微鏡により観察した結果である。
【符号の説明】
10 トナー
11 投影図
20 トナー
21 投影図
Claims (2)
- 下記の式Iで定義される真球度(DSF)が0.85以上であるトナーが全体の70質量%以上を占め、
下記の数式IIで定義される平均丸み度(SFR)が1〜1.5であり、かつ、
下記の数式IIIで定義される平均表面凹凸度(SFC)が1〜1.3である、
熱硬化性樹脂を含んでなる薄膜により表面被覆されたトナーの製造方法であって、
分散剤が溶解している水系媒体に粉体トナーを固体状態で分散する工程と、
該分散物に熱硬化性樹脂前駆体を混合する工程と、
該粉体トナーを溶融することなく、該熱硬化性樹脂前駆体を樹脂化して該熱硬化性樹脂を含む薄膜を該粉体トナーの表面に被覆する工程と、
該被覆する工程の後に、該熱硬化性樹脂が熱破壊されない温度範囲で加熱して該粉体トナーを溶融する工程と
を具備し、
ただし、前記薄膜の平均膜厚は0.005〜1μmである
薄膜被覆トナーの製造方法。 - 下記の式Iで定義される真球度(DSF)が0.85以上であるトナーが全体の70質量%以上を占め、
下記の数式IIで定義される平均丸み度(SFR)が1〜1.5であり、かつ、
下記の数式IIIで定義される平均表面凹凸度(SFC)が1〜1.3である、
熱硬化性樹脂を含んでなる薄膜により表面被覆されたトナーの製造方法であって、
結着樹脂の原料である結着樹脂モノマーを含むトナー原料を乳化重合してトナーの分散物を調製する工程と、
該トナー分散物に熱硬化性樹脂前駆体を混合する工程と、
該トナーを溶融することなく、該熱硬化性樹脂前駆体を樹脂化して該熱硬化性樹脂を含む薄膜を該トナーの表面に被覆する工程と、
該被覆する工程の後に、該熱硬化性樹脂が熱破壊されない温度範囲で加熱して該トナーを溶融する工程と
を具備し、
ただし、前記薄膜の平均膜厚は0.005〜1μmである
薄膜被覆トナーの製造方法。
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