JP2019148651A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱保存性及び耐熱ストレス性を向上させることができるトナーを提供する。【解決手段】トナーは、トナー粒子1を含む。トナー粒子1は、結着樹脂として第1熱可塑性樹脂を含有するコア11と、コア11の表面を部分的に覆うシェル層12と、コア11の表面のうちシェル層12で覆われていない箇所に付着する外添剤とを有する。外添剤は、外添剤粒子13を含む。外添剤粒子13は、表面の少なくとも一部がシェル層12から露出し、かつシェル層12の表面よりもコア11の径方向外側に突出している。シェル層12は、熱硬化性樹脂、又はコア11の軟化点よりも高い軟化点を有する第2熱可塑性樹脂を含有する。シェル層12の厚さは、5nm以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、トナーに関する。
コアと、コアの表面を覆うシェル層とを備えるトナー粒子を含むトナーが知られている(例えば、特許文献1参照)。コアをシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性を向上させることができる。
特開2004−294469号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、トナーの耐熱保存性及び耐熱ストレス性の双方を向上させることは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐熱保存性及び耐熱ストレス性を向上させることができるトナーを提供することである。
本発明に係るトナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、結着樹脂として第1熱可塑性樹脂を含有するコアと、前記コアの表面を部分的に覆うシェル層と、前記コアの表面のうち前記シェル層で覆われていない箇所に付着する外添剤とを有する。前記外添剤は、外添剤粒子を含む。前記外添剤粒子は、表面の少なくとも一部が前記シェル層から露出し、かつ前記シェル層の表面よりも前記コアの径方向外側に突出している。前記シェル層は、熱硬化性樹脂、又は前記コアの軟化点よりも高い軟化点を有する第2熱可塑性樹脂を含有する。前記シェル層の厚さは、5nm以上である。
本発明のトナーによれば、耐熱保存性及び耐熱ストレス性を向上させることができる。
本発明に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。 図1に示されるトナー粒子の表層の一部の拡大図である。 耐熱ストレス性の評価方法を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から平均的な粒子を相当数選び取って、それら平均的な粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−950」)を用いて測定されたメディアン径である。粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した、100個の一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、周知の帯電列などで確認できる。例えばトナーは、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電性トナー用標準キャリア:N−01、正帯電性トナー用標準キャリア:P−01)と混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えばKFM(ケルビンプローブフォース顕微鏡)で測定対象の表面電位を測定し、摩擦帯電の前後での電位の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。融点(Mp)の測定値は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定される吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)中の最大吸熱ピークの温度である。この吸熱ピークは、結晶化部位の融解に起因して現れる。ガラス転移点(Tg)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて「JIS(日本工業規格)K7121−2012」に従って測定した値である。示差走査熱量計で測定された吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)において、ガラス転移に起因する変曲点の温度(詳しくは、ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点の温度)が、Tg(ガラス転移点)に相当する。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。
数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)の各々の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。
円形度(=粒子の投影面積と等しい円の周囲長/粒子の周囲長)の測定値は、何ら規定していなければ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、相当数(例えば、3000個)の粒子について測定した値の個数平均である。
ゼータ電位は、何ら規定していなければ、pHが4に調整された25℃の水性媒体中でレーザードップラー方式の電気泳動法により測定した値である。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。
<トナー>
本実施形態に係るトナーは、例えば静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態に係るトナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して2成分現像剤として使用してもよい。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を含む。トナー粒子は、結着樹脂として第1熱可塑性樹脂を含有するコアと、コアの表面を部分的に覆うシェル層と、コアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所に付着する外添剤とを有する。外添剤は、外添剤粒子を含む。外添剤粒子は、表面の少なくとも一部がシェル層から露出し、かつシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出している。シェル層は、熱硬化性樹脂、又はコアの軟化点よりも高い軟化点を有する第2熱可塑性樹脂を含有する。シェル層の厚さは、5nm以上である。シェル層の厚さの測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。コアは、必要に応じて、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。
本実施形態に係るトナーは、上述の構成を備えることにより、耐熱保存性及び耐熱ストレス性を向上させることができる。その理由は、以下のように推測される。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子では、第1熱可塑性樹脂を含有するコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所に外添剤粒子が付着している。また、シェル層が、熱硬化性樹脂、又はコアの軟化点よりも高い軟化点を有する第2熱可塑性樹脂を含有する。即ち、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子では、比較的硬度が高い表面を有するシェル層がトナー粒子の表面に露出すると共に、比較的硬度が低い表面を有するコアに外添剤粒子が付着している。これにより、外添剤粒子のコアからの脱離を抑制しつつ、トナー粒子の凝集を抑制できるため、本実施形態に係るトナーは、耐熱保存性を向上させることができると考えられる。
また、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子では、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出している。また、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出している。更に、シェル層の厚さが、5nm以上である。よって、トナーに熱ストレスが加わった場合においても、トナー粒子のコア同士が接触することを抑制できるため、本実施形態に係るトナーは、耐熱ストレス性を向上させることができると考えられる。
トナー粒子のコアの表面において外添剤で覆われた領域の面積割合(以下、外添剤の被覆率と記載することがある。)は、20%以上30%以下であることが好ましい。外添剤の被覆率を20%以上30%以下とすることにより、外添剤粒子のコアからの脱離を抑制しつつ、トナー粒子の凝集を抑制できるため、耐熱保存性をより向上させることができる。外添剤の被覆率の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について、適宜図面を参照しながら説明する。
[トナー粒子の構成]
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。図2は、図1に示されるトナー粒子の表層の一部の拡大図である。
図1に示すように、トナー粒子1は、結着樹脂として第1熱可塑性樹脂を含有するコア11と、コア11の表面を部分的に覆うシェル層12と、コア11の表面のうちシェル層12で覆われていない箇所に付着する外添剤とを有する。外添剤は、外添剤粒子13を含む。シェル層12は、熱硬化性樹脂、又はコア11の軟化点よりも高い軟化点を有する第2熱可塑性樹脂を含有する。シェル層12の厚さは、5nm以上である。
外添剤は、コア11の表面のうちシェル層12で覆われていない箇所の全てを覆っていても、シェル層12で覆われていない箇所を部分的に覆っていてもよい。ただし、耐熱保存性及び耐熱ストレス性をより向上させるためには、外添剤がコア11の表面のうちシェル層12で覆われていない箇所の全てを覆っていることが好ましい。
図2に示すように、外添剤粒子13の表面の少なくとも一部は、シェル層12から露出している。また、外添剤粒子13は、シェル層12の表面12Aよりもコア11の径方向Drの外側に突出している。耐熱ストレス性をより向上させるためには、外添剤粒子13の突出高さHは、30nm以上であることが好ましい。また、外添剤粒子13のコア11からの脱離を抑制しつつ、トナー粒子1の凝集を抑制するためには、外添剤粒子13の突出高さHは、200nm以下であることが好ましい。外添剤粒子13の突出高さHは、シェル層12の厚さ及び外添剤粒子13の粒子径の少なくとも一方を変更することにより調整できる。なお、図2では、外添剤粒子13がコア11に食い込んだ状態で付着しているが、外添剤粒子13は、コア11に食い込んだ状態で付着していなくてもよい。ただし、外添剤粒子13とコア11との密着性を向上させるためには、外添剤粒子13がコア11に食い込んだ状態で付着していることが好ましい。
シェル層12は、実質的に熱硬化性樹脂から構成されてもよいし、実質的に第2熱可塑性樹脂から構成されてもよいし、熱硬化性樹脂と第2熱可塑性樹脂との両方を含有してもよい。また、シェル層12の構成材料として、樹脂に添加剤(例えば電荷制御剤)が添加された材料を用いてもよい。耐熱保存性及び耐熱ストレス性をより向上させるためには、シェル層12の構成材料中、熱硬化性樹脂及び第2熱可塑性樹脂の少なくとも一方の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
シェル層12が第2熱可塑性樹脂を含有する場合、耐熱保存性及び耐熱ストレス性をより向上させるためには、第2熱可塑性樹脂の軟化点は、コア11の軟化点よりも25℃以上高いことが好ましい。また、シェル層12が第2熱可塑性樹脂を含有する場合、トナーの低温定着性を向上させるためには、第2熱可塑性樹脂の軟化点は、コア11の軟化点+35℃以下であることが好ましい。
シェル層12が第2熱可塑性樹脂を含有する場合、耐熱保存性及び耐熱ストレス性をより向上させるためには、シェル層12の厚さは、40nm以上であることが好ましい。また、シェル層12が第2熱可塑性樹脂を含有する場合、トナーの低温定着性を向上させるためには、シェル層12の厚さは、50nm以下であることが好ましい。
シェル層12が熱硬化性樹脂を含有する場合、トナーの低温定着性を向上させるためには、シェル層12の厚さは、6nm以下であることが好ましい。
耐熱保存性及び耐熱ストレス性をより向上させるためには、外添剤粒子13の個数平均一次粒子径は、100nm以上であることが好ましい。また、外添剤粒子13のコア11からの脱離を抑制しつつ、トナー粒子1の凝集を抑制するためには、外添剤粒子13の個数平均一次粒子径は、200nm以下であることが好ましい。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナー粒子1の体積中位径(D50)は、4μm以上9μm以下であることが好ましい。
シェル層12及び外添剤は、何れもコア11の帯電極性と逆の帯電極性を有していることが好ましい。シェル層12及び外添剤がコア11の帯電極性と逆の帯電極性を有する構成の場合、後述する製造方法Aにより本実施形態に係るトナーを容易に製造できる。例えば、シェル層12及び外添剤が正帯電性を有し、かつコア11が負帯電性を有する構成(以下、正帯電性トナー構成と記載することがある。)である場合、後述する製造方法Aにより、本実施形態に係るトナーとして正帯電性トナーを容易に製造できる。
シェル層12及び外添剤の帯電極性が、何れもコア11の帯電極性と逆の帯電極性を有する構成とするためには、シェル層12及び外添剤と、コア11とを、帯電極性の相違する材料で構成することが好ましい。正帯電性トナー構成のトナーを得るためには、シェル層12及び外添剤の構成材料として正帯電性材料を使用し、かつコア11の構成材料として負帯電性材料を使用することが好ましい。
正帯電性材料としては、例えばカチオン性官能基を有する材料が挙げられる。カチオン性官能基としては、例えばアミノ基、4級アンモニウムカチオン基、アミド基、及び窒素含有複素環基が挙げられる。窒素含有複素環基としては、例えばピリジン環基、ピラジン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基及びトリアジン環基が挙げられる。また、正帯電性材料として、正帯電性電荷制御剤も使用できる。
負帯電性材料としては、例えばアニオン性官能基を有する材料が挙げられる。アニオン性官能基としては、例えばエステル基、水酸基、エーテル基、及び酸基が挙げられる。また、負帯電性材料として、負帯電性電荷制御剤も使用できる。
[トナー粒子の要素]
次に、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
(結着樹脂)
コアは、成分の大部分(例えば、70質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、軟化点、酸価等)を調整することができる。また、結着樹脂の軟化点を変更することにより、コアの軟化点を調整することができる。
コアは、結着樹脂として第1熱可塑性樹脂を含有する。第1熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、第1熱可塑性樹脂として使用できる。
第1熱可塑性樹脂は、一種以上の熱可塑性モノマーを、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性モノマーは、単独重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(より具体的には、アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になる多価アルコール及び多価カルボン酸の組合せ)である。
正帯電性トナー構成のトナーを得るためには、第1熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂は、一種以上の多価アルコールと一種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、ジオール類、ビスフェノール類等)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、多価カルボン酸の無水物、多価カルボン酸ハライド等の縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体を使用してもよい。
ジオール類の好適な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ペンテン−1,5−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、1,4−ベンゼンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
(着色剤)
コアは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
コアは、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
コアは、カラー着色剤を含有していてもよい。カラー着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、及び194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、並びにC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254)が挙げられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、並びにC.I.アシッドブルーが挙げられる。
(離型剤)
コアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの耐ホットオフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの耐ホットオフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックス等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックス;脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックス(例えば、脱酸カルナバワックス)を好適に使用できる。本実施形態では、一種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、コアに電荷制御剤を含有させる必要はない。
コアに負帯電性電荷制御剤を含有させることで、コアのアニオン性を強めることができる。また、コアに正帯電性電荷制御剤を含有させることで、コアのカチオン性を強めることができる。
正帯電性電荷制御剤の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の直接染料;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等の酸性染料;ナフテン酸の金属塩類;高級有機カルボン酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩等の4級アンモニウム塩が挙げられる。
負帯電性電荷制御剤の例としては、キレート化合物である有機金属錯体が挙げられる。有機金属錯体としては、例えばアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体、及びこれらの塩が好ましい。
本実施形態では、電荷制御剤の一種のみを使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。電荷制御剤の含有量は、帯電安定性を向上させるためには、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(磁性粉)
コアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。本実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
(シェル層)
シェル層は、熱硬化性樹脂及び第2熱可塑性樹脂の少なくとも一方を含む。第2熱可塑性樹脂としては、コアの軟化点よりも高い軟化点を有する熱可塑性樹脂である限り特に限定されず、例えば上記コアに含まれる第1熱可塑性樹脂として例示した熱可塑性樹脂が使用できる。
シェル層が熱硬化性樹脂を含有する場合、正帯電性トナー構成のトナーを得るためには、熱硬化性樹脂としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、及びベンゾグアナミン樹脂からなる群より選択される一種以上が好ましく、メラミン樹脂がより好ましい。
シェル層が第2熱可塑性樹脂を含有する場合、正帯電性トナー構成のトナーを得るためには、第2熱可塑性樹脂としては、4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂が好ましい。
4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂としては、例えば4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物の重合体、及び4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物と他のビニル化合物との共重合体が挙げられる。なお、ビニル化合物は、ビニル基(CH2=CH−)、又はビニル基中の水素が置換された基を有する化合物(より具体的には、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン等)である。ビニル化合物は、上記ビニル基等に含まれる炭素−炭素二重結合(C=C)により付加重合して、高分子(樹脂)になり得る。
4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物としては、例えばビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩、2−(アクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩、及び2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩が挙げられる。また、4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物として、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル等の3級アミノ基を含むビニル化合物を4級化した化合物を用いることもできる。
ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩としては、例えばビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等)、ビニルベンジルトリエチルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等)、ビニルベンジルジメチルエチルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルジメチルエチルアンモニウムクロライド等)、ビニルベンジルジメチルイソプロピルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルジメチルイソプロピルアンモニウムクロライド等)、ビニルベンジルn−ブチルジメチルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルn−ブチルジメチルアンモニウムクロライド等)、及びビニルベンジルジメチルペンチルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルジメチルペンチルアンモニウムクロライド等)が挙げられる。
2−(アクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩としては、例えば2−(アクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(アクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド等)、2−(アクリロイルオキシ)エチルジメチルエチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(アクリロイルオキシ)エチルジメチルエチルアンモニウムクロライド等)、2−(アクリロイルオキシ)エチルトリエチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(アクリロイルオキシ)エチルトリエチルアンモニウムクロライド等)、及び2−(アクリロイルオキシ)エチルジメチルn−ペンチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(アクリロイルオキシ)エチルジメチルn−ペンチルアンモニウムクロライド等)が挙げられる。
2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩としては、例えば2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド等)、2−(メタクリロイルオキシ)エチルジメチルエチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(メタクリロイルオキシ)エチルジメチルエチルアンモニウムクロライド等)、及び2−(メタクリロイルオキシ)エチルジメチルn−ペンチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(メタクリロイルオキシ)エチルジメチルn−ペンチルアンモニウムクロライド等)が挙げられる。
4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物と共重合可能な他のビニル化合物としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン系化合物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル系化合物;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物は、これらの他のビニル化合物の一種と共重合させてもよく、これらの他のビニル化合物の二種以上と共重合させてもよい。
(外添剤)
外添剤に含まれる外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、及び金属酸化物(より具体的には、アルミナ、チタニア、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等)の粒子がより好ましい。本実施形態では、一種の外添剤粒子を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤粒子を併用してもよい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(より具体的には、鎖状シラザン化合物、環状シラザン化合物等)、及びシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。表面処理剤としては、シランカップリング剤及びシラザン化合物が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、アミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数の水酸基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、水酸基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。
正帯電性トナー構成のトナーを得るためには、外添剤粒子としては、アミノシランで表面処理された正帯電性シリカ粒子、及びアミノシランで表面処理された正帯電性チタニア粒子が好ましい。アミノシランとしては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、及びN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の使用量は、コア100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
(材料の組合せ)
耐熱保存性及び耐熱ストレス性をより向上させ、かつ正帯電性トナー構成のトナーを得るためには、シェル層が、4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂、及びメラミン樹脂の少なくとも一方を含有し、かつ外添剤が、アミノシランで表面処理された正帯電性シリカ粒子、及びアミノシランで表面処理された正帯電性チタニア粒子の少なくとも一方を含有することが好ましい。
[トナーの製造方法]
次に、本実施形態に係るトナーの好適な製造方法(以下、製造方法Aと記載することがある。)について説明する。製造方法Aは、コアの調製工程(コア調製工程)と、外添剤の付着工程(外添剤付着工程)と、シェル層の形成工程(シェル層形成工程)とを備える。また、製造方法Aは、シェル層形成工程の後に、洗浄工程、乾燥工程及び解砕工程を更に備えてもよい。洗浄工程、乾燥工程及び解砕工程の各工程の一例は、実施例で説明する。
(コア調製工程)
コア調製工程では、例えば粉砕法又は凝集法によりコアを調製する。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、及び必要に応じて添加される内添剤を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。これにより、コアが得られる。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂、及び必要に応じて添加される内添剤の各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂等を含有する凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含有される成分を合一化させる。これにより、コアが得られる。
(外添剤付着工程)
次いで、コアの表面の一部に外添剤を付着させる。この工程により、コアと、コアの表面の一部に付着した外添剤とを備える外添剤付着コアが得られる。コアの表面の一部に外添剤を付着させる方法としては、例えば混合装置を用いて、コアと、外添剤粒子とを攪拌しながら混合することにより、コアの表面の一部に外添剤粒子を付着させる方法が挙げられる。
(シェル層形成工程)
次いで、外添剤付着コアの表面のうち外添剤が付着していない箇所にシェル層を形成する。シェル層の形成方法の例としては、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法が挙げられる。より具体的には、水性媒体中に、シェル層を形成するための原料(シェル原料)と、外添剤付着コアとを入れた後、その水性媒体を加熱することにより、シェル原料の反応(例えば熱硬化反応)を外添剤付着コアの表面で進行させて、外添剤付着コアの表面にシェル層を形成する方法が挙げられる。この方法では、シェル原料の使用量を変更することにより、シェル層の厚さを調整できる。また、シェル原料及び外添剤と、コアとを、帯電極性の相違する材料で構成することにより、シェル原料の反応が、外添剤付着コアの表面のうち外添剤が付着していない箇所において選択的に行われる。正帯電性トナー構成のトナーを得るためには、シェル原料、及び外添剤の構成材料として正帯電性材料を使用し、かつコアの構成材料として負帯電性材料を使用することが好ましい。
また、シェル原料として樹脂粒子の分散液を使用してもよい。例えば、正帯電性を有するシェル層を形成する場合は、正帯電性材料を含む樹脂粒子の分散液(正帯電性樹脂粒子分散液)を使用できる。また、負帯電性を有するシェル層を形成する場合は、負帯電性材料を含む樹脂粒子の分散液(負帯電性樹脂粒子分散液)を使用できる。より具体的には、水性媒体中に、外添剤付着コアと、樹脂粒子の分散液とを入れた後、その水性媒体を加熱することにより、樹脂粒子の膜化(樹脂粒子同士の結合)を外添剤付着コアの表面で進行させて、外添剤付着コアの表面にシェル層を形成する方法が挙げられる。この方法では、樹脂粒子の分散液の使用量を変更することにより、シェル層の厚さを調整できる。また、樹脂粒子及び外添剤と、コアとを、帯電極性の相違する材料で構成することにより、樹脂粒子の膜化が、外添剤付着コアの表面のうち外添剤が付着していない箇所において選択的に行われる。正帯電性トナー構成のトナーを得るためには、樹脂粒子、及び外添剤の構成材料として正帯電性材料を使用し、かつコアの構成材料として負帯電性材料を使用することが好ましい。低温定着性及び耐熱保存性をより向上させるためには、樹脂粒子の個数平均一次粒子径は、40nm以上60nm以下であることが好ましい。
以上説明した製造方法Aにより、本実施形態に係るトナーを容易に製造できる。なお、本実施形態に係るトナーの製造方法は、上述した製造方法Aに限定されない。例えば、コアの表面を部分的にシェル層で覆った後、コアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所に外添剤を付着させる方法により、本実施形態に係るトナーを製造してもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。まず、軟化点及びガラス転移点の測定方法について説明する。
<軟化点(Tm)の測定>
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)に、試料(より具体的には、コア、熱可塑性樹脂等)を充填した。続いて、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて、試料のS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)を得た。得られたS字カーブから試料の軟化点を読み取った。S字カーブにおいて、ストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2としたときに、S字カーブ中のストロークの値が「(S1+S2)/2」となる温度が、試料の軟化点(Tm)に相当する。
<ガラス転移点(Tg)の測定>
測定装置として、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いた。試料(より具体的には、コア、熱可塑性樹脂等)10mgをアルミ皿(アルミニウム製の容器)に入れて、そのアルミ皿を測定装置の測定部にセットした。また、リファレンスとして空のアルミ皿を使用した。次いで、測定部の温度を、測定開始温度である−20℃から150℃まで10℃/分の速度で昇温させた(第1回目の昇温:RUN1)。その後、測定部の温度を150℃から−20℃まで10℃/分の速度で降温させた。続けて、測定部の温度を再び−20℃から150℃まで10℃/分の速度で昇温させた(第2回目の昇温:RUN2)。RUN2により、試料の吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を得た。得られた吸熱曲線から、試料のTgを読み取った。RUN2の吸熱曲線中、Tgに起因する変曲点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度(オンセット温度)が試料のTgに相当する。
<コアCAの調製>
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、精留塔及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコを油浴にセットし、このフラスコ内に、1,2−プロパンジオール1200gと、テレフタル酸1700gと、ジオクタン酸錫(II)3gとを投入した。続けて、窒素雰囲気下、温度230℃の条件でフラスコ内容物を15時間反応(詳しくは、縮合反応)させた。続けて、容器内を減圧し、減圧雰囲気(圧力8.0kPa)かつ温度230℃の条件で、反応生成物(ポリエステル樹脂)のTmが所定の温度(100℃)になるまで、容器内容物を反応させた。その結果、Tg48℃かつTm100℃のポリエステル樹脂が得られた。
上記のようにして得られたポリエステル樹脂100質量部と、着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3、成分:銅フタロシアニン顔料)5質量部と、離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」、融点73℃のエステルワックス)5質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10C/I」)を用いて回転速度2400rpmで混合(乾式混合)した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルT250」)を用いて設定粒子径5.6μmの条件で粉砕した。続けて、得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)6.0μmのコアCAの粉体が得られた。得られたコアCAは、円形度が0.931であり、Tgが50℃であり、Tmが98℃であり、pH4におけるゼータ電位が−20mVであった。また、得られたコアCAと標準キャリアN−01(日本画像学会から提供される負帯電性トナー用標準キャリア)との摩擦帯電量が、−20μC/gであった。ゼータ電位及び摩擦帯電量のデータから、コアCAがアニオン性(負帯電性)を有することは明らかであった。
<正帯電性樹脂粒子分散液の調製>
[正帯電性樹脂粒子分散液PAの調製]
温度計(熱電対)、窒素導入管、攪拌装置、及びコンデンサー(熱交換器)を備えた容量2Lのフラスコ内に、イソブチルアルコール250gと、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル6gと、p−トルエンスルホン酸メチル6gとを入れた。続けて、窒素雰囲気中、温度80℃で、フラスコ内容物を1時間反応(4級化反応)させた。続けて、フラスコ内に窒素ガスを流しながら、アクリル酸n−ブチル230gと、過酸化物重合開始剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート:アルケマ吉富株式会社製)12gとを、フラスコ内に更に加えた。続けて、フラスコ内温を95℃(重合温度)に保持してフラスコ内容物を3時間攪拌した。その後、過酸化物重合開始剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート:アルケマ吉富株式会社製)12gを更にフラスコ内に加え、フラスコ内温を95℃に保持してフラスコ内容物を3時間攪拌した。
続けて、温度140℃かつ圧力10kPaの環境下でフラスコ内容物を乾燥させて、イソブチルアルコールを除去した。続けて、フラスコ内容物を解砕して、粗粉砕物を得た。続けて、機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルT250」)を用いて、設定粒子径10μmの条件で上記粗粉砕物を更に粉砕して、微粉砕物を得た。続けて、得られた微粉砕物100gと、カチオン界面活性剤(花王株式会社製「コータミン(登録商標)24P」、濃度25質量%のラウリルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液)2gと、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液25gとを混合して、分散液を得た。
続けて、得られた分散液にイオン交換水を加えて、全量400gのスラリーを調製した。そして、得られたスラリーを、ステンレス製の耐圧丸底容器に投入した。続けて、高速剪断乳化装置(エム・テクニック株式会社製「クレアミックス(登録商標)CLM−2.2S」)を用いて、温度140℃かつ圧力0.5MPaの環境下、ローター回転速度20000rpmの条件で上記スラリーを30分間剪断分散した。その後、容器内容物を5℃/分の速度で冷却しながら、容器内の温度が50℃になるまで、ローター回転速度15000rpmの条件で容器内容物を攪拌して、固形分濃度30質量%の正帯電性樹脂粒子(4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂により形成された粒子)を含む分散液(正帯電性樹脂粒子分散液PA)を得た。得られた正帯電性樹脂粒子分散液PAに含まれる正帯電性樹脂粒子は、個数平均一次粒子径が50nmであり、Tgが59℃であり、Tmが124℃であり、pH4におけるゼータ電位が21mVであった。ゼータ電位のデータから、正帯電性樹脂粒子分散液PAに含まれる正帯電性樹脂粒子がカチオン性(正帯電性)を有することは明らかであった。
[正帯電性樹脂粒子分散液PBの調製]
4級化反応後にフラスコ内に更に加えるモノマー及びその添加量について、アクリル酸n−ブチル230gを、スチレン155g及びアクリル酸n−ブチル75gに変更したこと以外は、正帯電性樹脂粒子分散液PAの調製と同様の方法で、固形分濃度30質量%の正帯電性樹脂粒子(4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂により形成された粒子)を含む分散液(正帯電性樹脂粒子分散液PB)を得た。得られた正帯電性樹脂粒子分散液PBに含まれる正帯電性樹脂粒子は、個数平均一次粒子径が50nmであり、Tgが60℃であり、Tmが125℃であり、pH4におけるゼータ電位が20mVであった。ゼータ電位のデータから、正帯電性樹脂粒子分散液PBに含まれる正帯電性樹脂粒子がカチオン性(正帯電性)を有することは明らかであった。
[正帯電性樹脂粒子分散液PCの調製]
4級化反応後にフラスコ内に更に加えるモノマー及びその添加量について、アクリル酸n−ブチル230gを、スチレン120g及びアクリル酸n−ブチル110gに変更したこと以外は、正帯電性樹脂粒子分散液PAの調製と同様の方法で、固形分濃度30質量%の正帯電性樹脂粒子(4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂により形成された粒子)を含む分散液(正帯電性樹脂粒子分散液PC)を得た。なお、スチレンとアクリル酸n−ブチルとを共重合させる際は、スチレンの使用割合(モル比)を小さくすると、得られる共重合体(熱可塑性樹脂)のTmが低くなる傾向がある。得られた正帯電性樹脂粒子分散液PCに含まれる正帯電性樹脂粒子は、個数平均一次粒子径が50nmであり、Tgが40℃であり、Tmが95℃であり、pH4におけるゼータ電位が20mVであった。ゼータ電位のデータから、正帯電性樹脂粒子分散液PCに含まれる正帯電性樹脂粒子がカチオン性(正帯電性)を有することは明らかであった。
<負帯電性樹脂粒子分散液の調製>
[負帯電性樹脂粒子分散液NAの調製]
温度計(熱電対)、窒素導入管、攪拌装置、及びコンデンサー(熱交換器)を備えた容量2Lのフラスコ内に、イソブチルアルコール250gを入れた後、フラスコ内に窒素ガスを流しながら、アクリル酸n−ブチル230gと、過酸化物重合開始剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート:アルケマ吉富株式会社製)24gとを、フラスコ内に加えた。続けて、フラスコ内温を95℃(重合温度)に保持してフラスコ内容物を3時間攪拌した。その後、過酸化物重合開始剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート:アルケマ吉富株式会社製)12gを更にフラスコ内に加え、フラスコ内温を95℃に保持してフラスコ内容物を3時間攪拌した。
続けて、温度140℃かつ圧力10kPaの環境下でフラスコ内容物を乾燥させて、イソブチルアルコールを除去した。続けて、フラスコ内容物を解砕して、粗粉砕物を得た。続けて、機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルT250」)を用いて、設定粒子径10μmの条件で上記粗粉砕物を更に粉砕して、微粉砕物を得た。続けて、得られた微粉砕物100gと、カチオン界面活性剤(花王株式会社製「コータミン(登録商標)24P」、濃度25質量%のラウリルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液)2gと、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液25gとを混合して、分散液を得た。
続けて、得られた分散液にイオン交換水を加えて、全量400gのスラリーを調製した。そして、得られたスラリーを、ステンレス製の耐圧丸底容器に投入した。続けて、高速剪断乳化装置(エム・テクニック株式会社製「クレアミックス(登録商標)CLM−2.2S」)を用いて、温度140℃かつ圧力0.5MPaの環境下、ローター回転速度20000rpmの条件で上記スラリーを30分間剪断分散した。その後、容器内容物を5℃/分の速度で冷却しながら、容器内の温度が50℃になるまで、ローター回転速度15000rpmの条件で容器内容物を攪拌して、固形分濃度30質量%の負帯電性樹脂粒子(アクリル酸n−ブチル重合体により形成された粒子)を含む分散液(負帯電性樹脂粒子分散液NA)を得た。得られた負帯電性樹脂粒子分散液NAに含まれる負帯電性樹脂粒子は、個数平均一次粒子径が50nmであり、Tgが58℃であり、Tmが122℃であり、pH4におけるゼータ電位が−19mVであった。ゼータ電位のデータから、負帯電性樹脂粒子分散液NAに含まれる負帯電性樹脂粒子がアニオン性(負帯電性)を有することは明らかであった。
[負帯電性樹脂粒子分散液NBの調製]
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(プロピレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)25モル部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)25モル部と、フマル酸40モル部と、トリメリット酸10モル部とを、反応容器に入れた。続けて、窒素雰囲気中、触媒(酸化ジブチル錫)の存在下で容器内容物を反応させて、数平均分子量(Mn)5500、質量平均分子量(Mw)11000、Mw/Mn(分子量分布)2.0、Tg59℃、Tm122℃のポリエステル樹脂を得た。
上記のようにして得られたポリエステル樹脂1300gを、温度調節用のジャケットを備えた混合装置(プライミクス株式会社製「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」)の容器に投入し、温度120℃の条件で容器内容物を溶融混練した。続けて、トリエタノールアミン100gと、濃度25質量%のアニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマール(登録商標)0」、成分:ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液80gとを、容器内に加えて、プラネタリー回転速度50rpmの条件で容器内容物を15分間捏和した。続けて、温度98℃のイオン交換水2870gを50g/分の速度で容器内に投入し、ポリエステル樹脂の乳化液を得た。その後、容器内の温度が50℃になるまで容器内容物を5℃/分の速度で冷却して、固形分濃度30質量%の負帯電性樹脂粒子(ポリエステル樹脂により形成された粒子)を含む分散液(負帯電性樹脂粒子分散液NB)を得た。得られた負帯電性樹脂粒子分散液NBに含まれる負帯電性樹脂粒子は、個数平均一次粒子径が50nmであり、Tgが59℃であり、Tmが122℃であり、pH4におけるゼータ電位が−21mVであった。ゼータ電位のデータから、負帯電性樹脂粒子分散液NBに含まれる負帯電性樹脂粒子がアニオン性(負帯電性)を有することは明らかであった。
<外添剤の調製>
[外添剤EAの調製]
温度計及び攪拌装置を備えた容量2Lの3つ口フラスコ内に、シリカ粒子(信越化学工業株式会社製「QSG−100」、負帯電性シリカ粒子)100gを投入し、フラスコ内の空気を窒素で置換して、フラスコ内を窒素雰囲気にした。続けて、フラスコ内容物を攪拌しながら、表面処理剤を含む液(詳しくは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン15gをトルエン100mLに溶解させた液)と、シリカ表面での反応(詳しくは、加水分解反応)を進行させるために適した量の蒸留水とを、フラスコ内に噴霧した。その後、フラスコ内容物を攪拌しながら、温度250℃の条件で、シリカ粒子と表面処理剤(詳しくは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン)とを、180分間反応させた。その結果、外添剤EA(表面処理された正帯電性シリカ粒子の粉体)が得られた。外添剤EAに含まれる正帯電性シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、100nmであった。
[外添剤EBの調製]
温度計及び攪拌装置を備えた容量2Lの3つ口フラスコ内に、チタニア粒子(チタン工業株式会社製「KA−30」、負帯電性チタニア粒子)100gを投入し、フラスコ内の空気を窒素で置換して、フラスコ内を窒素雰囲気にした。続けて、フラスコ内容物を攪拌しながら、表面処理剤を含む液(詳しくは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン15gをトルエン100mLに溶解させた液)と、チタニア表面での反応(詳しくは、加水分解反応)を進行させるために適した量の蒸留水とを、フラスコ内に噴霧した。その後、フラスコ内容物を攪拌しながら、温度250℃の条件で、チタニア粒子と表面処理剤(詳しくは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン)とを、180分間反応させた。その結果、外添剤EB(表面処理された正帯電性チタニア粒子の粉体)が得られた。外添剤EBに含まれる正帯電性チタニア粒子の個数平均一次粒子径は、200nmであった。
<トナーの作製>
以下、トナーTA−1〜TA−8及びTB−1〜TB−5のそれぞれの作製方法について説明する。
[トナーTA−1の作製]
(外添剤付着工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3500rpmかつジャケット温度20℃の条件で、100gのコアCAと、3gの外添剤EAとを、5分間混合した。これにより、コアCAの表面の一部に外添剤(正帯電性シリカ粒子)を付着させた。続けて、得られた粉体を、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いて篩別し、外添剤付着コアCA−1を得た。
(シェル層形成工程)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量2Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットした。そして、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れて、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に塩酸を加えて、フラスコ内容物のpHを4に調整した。
続けて、フラスコ内に、300gの外添剤付着コアCA−1と、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PAとを投入し、フラスコ内容物を回転速度100rpmで5分間攪拌した。次いで、フラスコ内にイオン交換水300mLを追加し、フラスコ内容物を回転速度100rpmで攪拌しながらフラスコ内温を1℃/分の速度で65℃まで昇温させた。そして、フラスコ内温が65℃に到達した時点で加熱を止めて、フラスコ内に冷水を入れることによりフラスコ内容物を10℃/分の速度で温度25℃まで降温させた。次いで、水酸化ナトリウム水溶液を用いてフラスコ内容物のpHを7に調整(中和)した。その結果、外添剤付着コアCA−1の表面のうち外添剤が付着していない領域がシェル層(4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂により形成された層)で覆われたトナー粒子の分散液を得た。
(洗浄工程)
次いで、得られたトナー粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状のトナー粒子を得た。次いで、得られたウェットケーキ状のトナー粒子をイオン交換水に再分散させた後、ブフナー漏斗を用いてろ過した。更に、再分散とろ過とを5回繰り返して、トナー粒子を洗浄した。
(乾燥工程及び解砕工程)
次いで、洗浄したトナー粒子を、温度35℃かつ圧力10kPaの雰囲気下に48時間静置することにより乾燥させた。次いで、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、乾燥させたトナー粒子を30秒間解砕処理し、正帯電性のトナーTA−1を得た。トナーTA−1に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.0μmであり、円形度が0.965であった。また、後述する<外添剤の被覆率の測定>において、トナーTA−1に含まれるトナー粒子の表面を観察した際に、外添剤がコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所の全てを覆っていることを確認した。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTA−1に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していることを確認した。更に、トナーTA−1に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していることを確認した。
[トナーTA−2の作製]
シェル層形成工程において、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PAの代わりに、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PBを用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−2を得た。トナーTA−2に含まれるトナー粒子は、4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTA−2に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.1μmであり、円形度が0.964であった。また、後述する<外添剤の被覆率の測定>において、トナーTA−2に含まれるトナー粒子の表面を観察した際に、外添剤がコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所の全てを覆っていることを確認した。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTA−2に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していることを確認した。更に、トナーTA−2に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していることを確認した。
[トナーTA−3の作製]
外添剤付着工程において、3gの外添剤EAの代わりに、10gの外添剤EBを用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−3を得た。トナーTA−3に含まれるトナー粒子は、4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTA−3に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.1μmであり、円形度が0.963であった。また、後述する<外添剤の被覆率の測定>において、トナーTA−3に含まれるトナー粒子の表面を観察した際に、外添剤がコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所の全てを覆っていることを確認した。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTA−3に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していることを確認した。更に、トナーTA−3に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していることを確認した。
[トナーTA−4の作製]
シェル層形成工程において、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PAの代わりに、2.0mLのヘキサメチロールメラミン初期重合体の水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSM−607」、固形分濃度80質量%)を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−4を得た。トナーTA−4に含まれるトナー粒子は、メラミン樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTA−4に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.2μmであり、円形度が0.964であった。また、後述する<外添剤の被覆率の測定>において、トナーTA−4に含まれるトナー粒子の表面を観察した際に、外添剤がコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所の全てを覆っていることを確認した。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTA−4に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していることを確認した。更に、トナーTA−4に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していることを確認した。
[トナーTA−5の作製]
シェル層形成工程において、正帯電性樹脂粒子分散液PAの使用量を28gに変更したこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−5を得た。トナーTA−5に含まれるトナー粒子は、4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTA−5に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.1μmであり、円形度が0.960であった。また、後述する<外添剤の被覆率の測定>において、トナーTA−5に含まれるトナー粒子の表面を観察した際に、外添剤がコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所の全てを覆っていることを確認した。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTA−5に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していることを確認した。更に、トナーTA−5に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していることを確認した。
[トナーTA−6の作製]
シェル層形成工程において、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PAの代わりに、1.7mLのヘキサメチロールメラミン初期重合体の水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSM−607」、固形分濃度80質量%)を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−6を得た。トナーTA−6に含まれるトナー粒子は、メラミン樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTA−6に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.0μmであり、円形度が0.965であった。また、後述する<外添剤の被覆率の測定>において、トナーTA−6に含まれるトナー粒子の表面を観察した際に、外添剤がコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所の全てを覆っていることを確認した。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTA−6に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していることを確認した。更に、トナーTA−6に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していることを確認した。
[トナーTA−7の作製]
シェル層形成工程において、正帯電性樹脂粒子分散液PAの使用量を40gに変更したこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−7を得た。トナーTA−7に含まれるトナー粒子は、4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTA−7に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.0μmであり、円形度が0.965であった。また、後述する<外添剤の被覆率の測定>において、トナーTA−7に含まれるトナー粒子の表面を観察した際に、外添剤がコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所の全てを覆っていることを確認した。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTA−7に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していることを確認した。更に、トナーTA−7に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していることを確認した。
[トナーTA−8の作製]
シェル層形成工程において、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PAの代わりに、2.3mLのヘキサメチロールメラミン初期重合体の水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSM−607」、固形分濃度80質量%)を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−8を得た。トナーTA−8に含まれるトナー粒子は、メラミン樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTA−8に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.2μmであり、円形度が0.950であった。また、後述する<外添剤の被覆率の測定>において、トナーTA−8に含まれるトナー粒子の表面を観察した際に、外添剤がコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所の全てを覆っていることを確認した。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTA−8に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していることを確認した。更に、トナーTA−8に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していることを確認した。
[トナーTB−1の作製]
シェル層形成工程において、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PAの代わりに、35gの負帯電性樹脂粒子分散液NAを用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法でトナーTB−1を得た。トナーTB−1に含まれるトナー粒子は、アクリル酸n−ブチル重合体により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTB−1に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.0μmであり、円形度が0.964であった。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTB−1に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層で覆われていることを確認した。よって、トナーTB−1に含まれるトナー粒子では、外添剤粒子の表面がシェル層から露出していなかった。
[トナーTB−2の作製]
シェル層形成工程において、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PAの代わりに、35gの負帯電性樹脂粒子分散液NBを用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法でトナーTB−2を得た。トナーTB−2に含まれるトナー粒子は、ポリエステル樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTB−2に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.1μmであり、円形度が0.965であった。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTB−2に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層で覆われていることを確認した。よって、トナーTB−2に含まれるトナー粒子では、外添剤粒子の表面がシェル層から露出していなかった。
[トナーTB−3の作製]
外添剤付着工程において、3gの外添剤EAの代わりに、3gのシリカ粒子(信越化学工業株式会社製「QSG−100」、負帯電性シリカ粒子)を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法でトナーTB−3を得た。トナーTB−3に含まれるトナー粒子は、4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTB−3に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.0μmであり、円形度が0.964であった。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTB−3に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層で覆われていることを確認した。よって、トナーTB−3に含まれるトナー粒子では、外添剤粒子の表面がシェル層から露出していなかった。
[トナーTB−4の作製]
シェル層形成工程において、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PAの代わりに、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PCを用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法でトナーTB−4を得た。トナーTB−4に含まれるトナー粒子は、4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTB−4に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.0μmであり、円形度が0.964であった。また、後述する<外添剤の被覆率の測定>において、トナーTB−4に含まれるトナー粒子の表面を観察した際に、外添剤がコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所の全てを覆っていることを確認した。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTB−4に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していることを確認した。更に、トナーTB−4に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していることを確認した。
[トナーTB−5の作製]
シェル層形成工程において、35gの正帯電性樹脂粒子分散液PAの代わりに、1.4mLのヘキサメチロールメラミン初期重合体の水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSM−607」、固形分濃度80質量%)を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法でトナーTB−5を得た。トナーTB−5に含まれるトナー粒子は、メラミン樹脂により形成されたシェル層を備えていた。また、トナーTB−5に含まれるトナー粒子は、体積中位径(D50)が6.1μmであり、円形度が0.965であった。また、後述する<外添剤の被覆率の測定>において、トナーTB−5に含まれるトナー粒子の表面を観察した際に、外添剤がコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所の全てを覆っていることを確認した。また、後述する<シェル層の厚さの測定>において、トナーTB−5に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していることを確認した。更に、トナーTB−5に含まれるトナー粒子の断面を観察した際に、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していることを確認した。
<シェル層の厚さの測定>
測定対象のトナーを常温硬化性のエポキシ樹脂中に分散させ、温度40℃の雰囲気で2日間硬化させて硬化物を得た。得られた硬化物を、四酸化オスミウムを用いて染色した。この操作により、トナー粒子中のシェル層のみが選択的に染色された。続けて、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ株式会社製「EM UC6」)を用いて、染色された硬化物を切り出し、薄片試料を得た。続けて、得られた薄片試料の断面を、透過電子顕微鏡(TEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて、倍率10万倍で撮影した。そして、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてTEM撮影像を解析することで、シェル層の厚さを測定した。具体的には、トナー粒子の断面の略中心で直交する2本の直線を引き、それら2本の直線がシェル層と交差する4箇所の各々で、シェル層の厚さを測定した。測定された4箇所の厚さの算術平均値を、そのトナー粒子のシェル層の厚さとした。そして、測定対象のトナーに含まれる10個のトナー粒子について、それぞれシェル層の厚さを測定し、測定された厚さの個数平均値を測定対象のトナーの評価値(シェル層の厚さ)とした。
<外添剤の被覆率の測定>
温度25℃の雰囲気下で、測定対象のトナーを、濃度5質量%RuO4水溶液2mLの蒸気中に20分間暴露した。このようにして、トナーをRu染色した。この操作により、トナーに含まれるトナー粒子の表面のうち、シェル層のみが選択的に染色され、外添剤粒子は染色されなかった。
次に、染色されたトナーを、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)(日本電子株式会社製「JSM−7600F」)で撮影して、トナー粒子の反射電子像(表面撮影像)を得た。トナー粒子の表面領域のうち、Ruで染色された領域(染色領域)は、Ruで染色されなかった領域(非染色領域)よりも、明るく表示された。なお、トナー粒子の反射電子像の撮影条件は、加速電圧10.0kV、照射電流95μA、倍率250000倍、コントラスト4800、明るさ(ブライトネス)550であった。
続いて、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、反射電子像の画像解析を行った。詳しくは、反射電子像のうちトナー粒子の中央付近の表面領域(2μm×2μm)を切り取って、得られた画像データに対して5×5ガウシアンフィルタ処理を行った。なお、トナー粒子の中央付近の表面領域は、反射電子像におけるトナー粒子の重心を基点(矩形の重心)として描かれた縦2μm×横2μmの矩形領域であった。そして、フィルタ処理した画像データ(領域:2μm×2μm、画素数:1280×1024)の輝度値ヒストグラム[縦軸:頻度(画素の個数)、横軸:輝度]を得た。輝度値ヒストグラムは、トナー粒子の表面領域(染色領域及び非染色領域)の輝度値の分布を示していた。
上記のようにして得た輝度値ヒストグラムに関して、表計算ソフトウェア(マイクロソフト社製「MICROSOFT EXCEL(登録商標)」)のソルバーを用いて、最小二乗法による正規分布へのフィッティング及び波形分離を行った。その結果、非染色領域の輝度値の分布(低輝度側の正規分布)を示す非染色波形と、染色領域の輝度値の分布(高輝度側の正規分布)を示す染色波形とを得た。その後、得られた2つの波形の面積(RC:非染色波形の面積、RS:染色波形の面積)から、下記式に基づいて外添剤の被覆率(単位:%)を求めた。なお、上記画像データにおいて、非染色波形に属する画素は、外添剤粒子を表していると考えられる。また、上記画像データにおいて、染色波形に属する画素は、シェル層を表していると考えられる。このため、下記式により、トナー粒子の表面領域のうち外添剤が覆う領域の面積割合(外添剤の被覆率)を求めることができる。
外添剤の被覆率=100×RC/(RC+RS)
トナーTA−1〜TA−8及びTB−1〜TB−5のそれぞれについて、表1に、コア、シェル層及び外添剤の詳細を示す。表1において、「PA−QA」は、シェル層形成工程で使用した正帯電性樹脂粒子分散液PA中の4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂を示す。「PB−QA」は、シェル層形成工程で使用した正帯電性樹脂粒子分散液PB中の4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂を示す。「PC−QA」は、シェル層形成工程で使用した正帯電性樹脂粒子分散液PC中の4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂を示す。「MR」は、メラミン樹脂を示す。「BA」は、アクリル酸n−ブチル重合体を示す。「PES」は、ポリエステル樹脂を示す。「P−Si」は、正帯電性シリカ粒子を示す。「P−Ti」は、正帯電性チタニア粒子を示す。「N−Si」は、負帯電性シリカ粒子を示す。なお、シェル層の樹脂の軟化点の欄において、「−」は、軟化点を測定しなかったことを示す。また、外添剤の被覆率の欄において、「−」は、外添剤の被覆率を測定しなかったことを示す。
Figure 2019148651
<評価方法>
[2成分現像剤の調製]
MnO換算で39.7モル%、MgO換算で9.9モル%、Fe23換算で49.6モル%、SrO換算で0.8モル%になるように各原料(MnO、MgO、Fe23、及びSrOの各原料)を適量配合し、配合した原料に水を加えた。続けて、湿式ボールミルを用いて配合した原料を10時間かけて粉砕しながら混合した。続けて、得られた混合物を乾燥させた。続けて、乾燥させた混合物を温度950℃で4時間熱処理した。
続けて、湿式ボールミルを用いて、上記熱処理後の混合物を24時間かけて粉砕して、スラリーを調製した。続けて、得られたスラリーの乾燥及び造粒を、スプレードライヤーで行った。続けて、乾燥した造粒物を、温度1270℃かつ酸素濃度2%の雰囲気中に6時間保持した後、解砕した。その後、粒度調整を行うことで、3000(103/4π・A/m)の印加磁場での飽和磁化が70Am2/kgであるMn−Mg−Srフェライト粒子(磁性キャリアコア)の粉体(個数平均一次粒子径35μm)が得られた。
続けて、ポリアミドイミド樹脂(無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノジフェニルメタンとの共重合体)をメチルエチルケトンで希釈して、固形分濃度10質量%の樹脂溶液を調製した。続けて、得られた樹脂溶液中にFEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)を分散させて、更に樹脂全体量に対して2質量%の割合で酸化珪素を加えて、固形分換算で150gのキャリアコート液を得た。得られたキャリアコート液に関して、ポリアミドイミド樹脂とFEPとの質量比(ポリアミドイミド樹脂:FEP)は2:8であった。
続けて、転動流動層コーティング装置(岡田精工株式会社製「スピラコータ(登録商標)SP−25」)を用いて、前述の手順で得た磁性キャリアコア(Mn−Mg−Srフェライト粒子)10kgを上記キャリアコート液で被覆した。その後、樹脂で被覆された磁性キャリアコアを220℃で1時間焼成した。その結果、評価用キャリアが得られた。樹脂被覆量は、キャリア全体に対して1.5質量%であった。
上記のようにして得た評価用キャリア100質量部と、試料(評価に用いるトナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、2成分現像剤を調製した。
[低温定着性(最低定着温度)の評価]
評価機として、定着装置を備えるカラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」を改造して定着温度を変更可能にした評価機)を用いた。定着装置の加熱ロールの表面材質は、膜厚30μm±10μm、面粗度(Ra:算術平均粗さ)5μmのPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブであった。前述の手順で調製した2成分現像剤を評価機のシアン用現像装置に投入し、評価に用いるトナーを評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。
上記評価機を用いて、温度25℃かつ湿度50%RHの環境下、坪量90g/m2の紙(A4サイズの印刷用紙)に、線速300mm/秒(紙の向き:横送り)、トナー載り量0.4mg/cm2で、大きさ25mm×25mmのソリッド画像(詳しくは、未定着のトナー像)を形成した。続けて、画像が形成された紙を評価機の定着装置に通した。この際、定着装置の定着温度を80℃から5℃ずつ上げながら各定着温度について定着の可否を判定し、ソリッド画像(トナー像)を紙に定着できる最低温度(最低定着温度)を測定した。トナーを定着させることができたか否かは、以下に示すような折擦り試験で確認した。詳しくは、定着装置に通した紙を、画像を形成した面が内側となり、且つ画像の中央が折り目となるように半分に折り曲げ、布帛で被覆した1kgの真鍮製の分銅を用いて、折り目上を5往復摩擦した。続けて、紙を広げ、紙の折り曲げ部(ソリッド画像が形成された部分)を観察した。そして、折り曲げ部のトナーの剥がれの長さ(剥がれ長)を測定した。剥がれ長が1mm以下となる定着温度のうちの最低温度を、最低定着温度とした。結果を表2に示す。最低定着温度が100℃以下であれば低温定着性が「特に良い」と評価し、最低定着温度が100℃を超えて105℃以下であれば低温定着性が「良い」と評価した。また、最低定着温度が105℃を超える場合、低温定着性が「良くない」と評価した。
[耐熱保存性(凝集度)の評価]
ポリエチレン製容器(容量20mL)に3gのトナー(評価に用いるトナー)を入れて、ポリエチレン製容器を密閉した。密閉された容器に対してタッピング処理を5分間行った後、容器を60℃に設定された恒温槽内に8時間静置した。その後、容器から取り出したトナーを室温(25℃)まで冷却して、評価対象を得た。
得られた評価対象を、質量既知の300メッシュ(目開き48μm)の篩に載せた。そして、評価対象を含む篩の質量を測定し、篩別前のトナーの質量を求めた。続けて、粉体特性評価装置(ホソカワミクロン株式会社製「パウダテスタ(登録商標)PT−X」)に上記篩をセットし、粉体特性評価装置のマニュアルに従い、振幅1.0mmの条件で30秒間、篩を振動させ、評価対象を篩別した。篩別後、篩を通過しなかったトナーの質量を測定した。そして、篩別前のトナーの質量と、篩別後のトナーの質量とに基づいて、次の式に従って凝集度(単位:質量%)を求めた。結果を表2に示す。凝集度が10質量%以下であれば耐熱保存性が「良い」と評価した。また、凝集度が10質量%を超える場合、耐熱保存性が「良くない」と評価した。なお、下記式における「篩別後のトナーの質量」は、篩を通過しなかったトナーの質量であり、篩別後に篩上に残留したトナーの質量である。
凝集度=100×篩別後のトナーの質量/篩別前のトナーの質量
[耐熱ストレス性(回転トルクが5mN・mになるときの温度)の評価]
評価機として、レオメーター(株式会社アントンパール製「MCR−301」)を用いた。図3に、この評価機(レオメーター)の概要を示す。以下、図3を参照して、耐熱ストレス性の評価方法について説明する。
図3に示すように、評価機30は、アルミニウム製の圧子31と、ステンレススチール(SUS)製のプレート32と、加熱装置33とを備える。圧子31の形状は、面積0.785cm2の底面F20を有する円柱である。プレート32は固定されており、圧子31はモーターにより駆動されて移動する。プレート32の上面に対して直交する方向(Z1方向又はZ2方向)に圧子31が変位することで、圧子31の底面F20とプレート32の上面との距離が変わる。圧子31の底面F20とプレート32の上面との間にトナー粒子34(評価に用いるトナーに含まれるトナー粒子)を挟み、圧子31をプレート32に近づける(Z2側に変位させる)ことで、トナー粒子34に所定の圧力を加えることができる。また、圧子31は、モーターにより駆動されて、プレート32の上面に対して直交する方向を回転軸として回転する。
耐熱ストレス性の評価では、周波数1Hzで偏向角0.01°ずつ回転する圧子31により、1.0mgのトナー粒子34に一定の押圧荷重(3.0N/cm2)をかけながら、トナー粒子34の温度を2℃/分で上昇させ、圧子31の回転トルクが5mN・mになるときの温度を測定した。回転トルクは、トナー粒子が溶け始めると5mN・m以上に上昇し、トナー粒子がある程度溶けると、下がり始める傾向がある。回転トルクが5mN・mになるときの温度が、58℃以上であれば耐熱ストレス性が「良い」と評価し、58℃未満であれば耐熱ストレス性が「良くない」と評価した。結果を表2に示す。
Figure 2019148651
トナーTA−1〜TA−8では、トナー粒子のコアの表面のうちシェル層で覆われていない箇所に外添剤が付着していた。トナーTA−1〜TA−8では、外添剤粒子の表面の少なくとも一部がシェル層から露出していた。トナーTA−1〜TA−8では、外添剤粒子がシェル層の表面よりもコアの径方向外側に突出していた。表1に示すように、トナーTA−1〜TA−8では、シェル層が、熱硬化性樹脂、又はコアの軟化点よりも高い軟化点を有する熱可塑性樹脂(第2熱可塑性樹脂)を含有していた。トナーTA−1〜TA−8では、シェル層の厚さが5nm以上であった。
表2に示すように、トナーTA−1〜TA−8では、凝集度が10質量%以下であった。よって、トナーTA−1〜TA−8は、耐熱保存性が良かった。トナーTA−1〜TA−8では、回転トルクが5mN・mになるときの温度が、58℃以上であった。よって、トナーTA−1〜TA−8は、耐熱ストレス性が良かった。
トナーTB−1〜TB−3では、外添剤粒子の表面がシェル層から露出していなかった。表1に示すように、トナーTB−4では、シェル層を形成する樹脂が、コアの軟化点よりも低い軟化点を有する熱可塑性樹脂であった。トナーTB−5では、シェル層の厚さが5nm未満であった。
表2に示すように、トナーTB−1〜TB−4では、凝集度が10質量%を超えていた。よって、トナーTB−1〜TB−4は、耐熱保存性が良くなかった。トナーTB−1〜TB−5では、回転トルクが5mN・mになるときの温度が、58℃未満であった。よって、トナーTB−1〜TB−5は、耐熱ストレス性が良くなかった。
以上の結果から、本発明に係るトナーは、耐熱保存性及び耐熱ストレス性を向上できることが示された。
本発明に係るトナーは、例えば複合機又はプリンターにおいて画像を形成するために利用することができる。
1 トナー粒子
11 コア
12 シェル層
13 外添剤粒子

Claims (8)

  1. トナー粒子を含むトナーであって、
    前記トナー粒子は、結着樹脂として第1熱可塑性樹脂を含有するコアと、前記コアの表面を部分的に覆うシェル層と、前記コアの表面のうち前記シェル層で覆われていない箇所に付着する外添剤とを有し、
    前記外添剤は、外添剤粒子を含み、
    前記外添剤粒子は、表面の少なくとも一部が前記シェル層から露出し、かつ前記シェル層の表面よりも前記コアの径方向外側に突出しており、
    前記シェル層は、熱硬化性樹脂、又は前記コアの軟化点よりも高い軟化点を有する第2熱可塑性樹脂を含有し、
    前記シェル層の厚さは、5nm以上である、トナー。
  2. 前記シェル層は、前記第2熱可塑性樹脂を含有し、
    前記第2熱可塑性樹脂の軟化点は、前記コアの軟化点よりも25℃以上高い、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記シェル層は、前記第2熱可塑性樹脂を含有し、
    前記シェル層の厚さは、40nm以上50nm以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記外添剤粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上200nm以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載のトナー。
  5. 前記コアの表面において、前記外添剤で覆われた領域の面積割合は、20%以上30%以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載のトナー。
  6. 前記シェル層及び前記外添剤は、何れも前記コアの帯電極性と逆の帯電極性を有する、請求項1〜5の何れか一項に記載のトナー。
  7. 前記シェル層及び前記外添剤は、正帯電性を有し、
    前記コアは、負帯電性を有する、請求項6に記載のトナー。
  8. 前記シェル層は、前記第2熱可塑性樹脂として、4級アンモニウムカチオン基を含む熱可塑性樹脂を含有する、請求項7に記載のトナー。
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