JP5945530B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
本実施形態のトナー粒子を構成するコアは、バインダー及び内添剤(着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含む。ただし、コアが上記成分の全てを有していることは必須ではなく、トナーの用途等に応じて必要のない成分(着色剤、離型剤、電荷制御剤、磁性粉等)を割愛してもよい。
バインダーは、例えば官能基としてエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、メチル基、カルボキシル基、アミノ基を有する樹脂から構成されることが好ましい。バインダーを構成する樹脂としては、分子中に水酸基、カルボキシル基、アミノ基のような官能基を持つ樹脂が好ましく、分子中に水酸基及び/又はカルボキシル基を持つ樹脂がより好ましい。このような官能基を有するコア(バインダー)は、シェル層の材料(例えば、メチロールメラミン)と反応して化学的に結合し易くなる。こうした化学的な結合が生じると、コアとシェル層との結合が強固になる。
バインダーを構成するスチレンアクリル系樹脂は、例えばスチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。
バインダーを構成するポリエステル樹脂は、例えば2価又は3価以上のアルコール成分と、2価又は3価以上のカルボン酸成分とを縮重合や共縮重合することで得られる。
コアには着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、例えばトナー粒子の色に合わせて公知の顔料や染料を用いることができる。着色剤の使用量は、バインダー100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るトナー粒子のコアは、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤は、例えばカーボンブラックから構成される。また、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤等の着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も利用できる。
本実施形態に係るトナー粒子のコアは、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤等のカラー着色剤を含有していてもよい。
コアには離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、トナーの定着性及び耐オフセット性を向上させる目的で使用される。定着性及び耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、バインダー100質量部に対して1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
コアには電荷制御剤を含んでいてもよい。本実施形態ではコアがアニオン性(負帯電性)を有するため、コアでは負帯電性の電荷制御剤が使用される。電荷制御剤は、帯電安定性や帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。帯電立ち上がり特性は、所定の帯電レベルに短時間でトナー粒子を帯電可能か否かの指標になる。
トナーを1成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー全量100質量部に対して35質量部以上60質量部以下であることが好ましく、40質量部以上60質量部以下であることがより好ましい。
シェル層(シェル膜)を形成するカプセル化材料(シェル化剤)としては、アニオン性のカプセルコア(芯材)にカチオン性のカプセル材をイオン的に引き付け表面に付着させ表面重合する、いわゆるin−situ重合を行うことができる材料であれば特に限定はないが、熱硬化性の材料が好ましく、カチオン系材料がより好ましい。このような材料としては、アミノ基(−NH2)を有するアミノ樹脂と総称されるものが好ましい。アミノ樹脂としては、例えば、メラミン樹脂又はその誘導体(メチロールメラミン等)、グアナミン樹脂又はその誘導体(ベンゾグアナミン等)、アセトグアナミン、スピログアナミン、スルホアミド樹脂、尿素(ユリア)樹脂又はその誘導体、グリオキザール樹脂、アニリン樹脂が挙げられる。
本実施形態ではシェル層がカチオン性(正帯電性)を有するため、シェル層では正帯電性の電荷制御剤が使用される。
外添剤は、トナー粒子の流動性及び取扱性を向上させるために使用され、シェル層の表面に付着する。以下、外添剤により処理される前の粒子を「トナー母粒子」と記載する。流動性及び取扱性を向上させるためには、外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましく、2質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
例えば磁性キャリアを使用することが好ましい。磁性キャリアは、例えばキャリア芯材と、キャリア芯材を被覆する樹脂層とから構成される。キャリア芯材を被覆する樹脂層中に磁性粒子を分散させてもよい。
コアは、例えば粉砕分級法(溶融混練法)又は凝集法により形成される。これらの方法によれば、バインダー中に内添剤を良好に分散させることが可能になる。
バインダーの材料と内添剤の材料とを混合し、混合物を溶融混練する。次に、溶融混練物を粉砕し、分級することにより、所望の粒子径を有するコアを得る。粉砕分級法によれば、凝集法よりも容易にコアを形成することが可能になる。
コア成分を含む微粒子を水性媒体中で凝集させる。詳しくは、バインダーの材料を水性媒体中で所望のサイズに微粒子化することで、バインダー微粒子を含む水性分散液(バインダー微粒子分散液)を得る。続けて、バインダー微粒子分散液中で微粒子を凝集させる。これにより、凝集粒子が形成される。
ターボミルのような粉砕装置を用いてバインダーの材料を粗粉砕し、得られた粗粉砕品をイオン交換水等の水性媒体に分散し、この分散状態で加熱する。加熱温度はバインダーのTmよりも10℃以上高い温度で200℃未満の温度が好ましい。そして、加熱完了後に高速剪断乳化装置(例えば、エム・テクニック社製のクレアミックス)等で強い剪断力を与えることによりバインダー微粒子分散液が得られる。
例えば分散機を用いて、界面活性剤を含む水性媒体中に着色剤の微粒子を分散させることにより調製する。
離型剤微粒子分散液の調製に際しては、まず、離型剤を予め100μm以下程度に粉砕し、離型剤の粉体を得る。続けて、得られた離型剤の粉体を界面活性剤を含有する水性媒体中に添加し、スラリーを調製する。微粒子の分散性を向上させるためには、界面活性剤の使用量は、離型剤の質量に対して0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
シェル層の形成に際しては、まず、溶媒のpHを調整する。溶媒のpHは、例えば酸性物質により4程度に調整されるのが好ましい。分散液のpHを4程度の酸性側に調整することで、シェル層の形成に用いられる材料の重縮合反応が促進される。続けて、pHを調整した溶媒(水性媒体)にカチオン性のシェル層の材料を溶解させる。
例えばpH12以上の高アルカリ性メタノール溶液中で、メラミンとホルムアルデヒドとを反応(メチロール化反応)させる。メタノールの少なくとも一部を留去し、得られた中間生成物にメタノールを添加して、酸性条件下で反応(メチル化反応)させる。これにより、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物のメタノール溶液が得られる。その後、常圧蒸留又は減圧蒸留により溶液を濃縮することが好ましい。なお、シェル層の形成は水性媒体中で行われることが好ましい。水性媒体中であれば、バインダーの溶解又は内添剤(特に離型剤)の溶出が生じにくい。
メチロール化反応は、例えばメタノール溶液中で行われる。メタノールは、メラミン1モルに対して1.5〜5モルの範囲で使用されることが好ましく、2〜3モルの範囲で使用されることがより好ましい。メタノールの量(モル)がメラミンの量(モル)に対して5倍より多くなると、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物のメチロール基が増加する傾向がみられる。一方、メタノールの量(モル)がメラミンの量(モル)に対して1.5倍より少なくなると、生成したメチロール化メラミンが反応中に析出し、流動性が悪化する傾向がみられる。
メチル化反応は、例えば上記メチロール化反応により得たメチロール化メラミン(中間生成物)に、メタノール及び酸触媒を添加し、酸性条件下でメチロール化メラミンとメタノールとを反応させる。
トナー母粒子の形成後、トナー母粒子の洗浄を行う。例えばブフナーロートを用いて分散液からトナー母粒子のウエットケーキをろ取し、トナー母粒子のウエットケーキを再度イオン交換水に分散させてトナー母粒子を洗浄する。そして、イオン交換水による同様の洗浄を数回繰り返し、ろ液及び洗浄水は排水として回収する。ただしこれに限られず、トナー母粒子の洗浄方法は任意である。
例えばスプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、減圧乾燥機によりトナー母粒子を乾燥する。この際、スプレードライヤーを用いれば、乾燥中のトナー母粒子の凝集を抑制することが可能になる。ただしこれに限られず、トナー母粒子の乾燥方法は任意である。
トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。外添剤を付着させる方法としては、例えば外添剤がトナー母粒子表面に埋没しないように条件を調整して、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の混合機によりトナー母粒子と外添剤とを混合する方法が好ましい。ただしこれに限られず、トナー母粒子に対する外添方法は任意である。例えば乾燥工程でスプレードライヤーを用いる場合には、トナー母粒子の分散液と共に、シリカ等の外添剤の分散液を噴霧できる。その結果、乾燥工程と外添工程を同時に行うことが可能になる。
MarkII」(リガク社製)等が挙げられる。
先ず、カプセルトナーに硫酸を添加して、マイクロウェーブを用いて炭化処理を行う。次に、炭化処理を行ったものに硝酸と過酸化水素を添加し、マイクロウェーブを用いて分解処理を行う。分解処理したものに蒸留水を加えて溶解し、溶解液をメスフラスコに正確に測りとる。メスフラスコ中の水溶液を、誘導結合プラズマ分光分析装置(ICP)で測定することにより、トナー中のナトリウム、2価あるいは3価の金属元素の含有量が定量される。
(低溶融トナーコアの作製)
ビスフェノールAを骨格にしてエチレンオキサイドを付加したアルコール(ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物)に、パラフタル酸を反応させてポリエステル樹脂を作製した。このポリエステル樹脂のOHV値は20mgKOH/g、AVは40mgKOH/g、Tmは100℃、Tgは48℃であった。このポリエステル樹脂100質量部に対し、着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニン顔料)を5質量部、離型剤としてエステルワックス(日油社製、WEP−3)を10質量部配合し、混合機(ヘンシェルミキサー)を用いて混合した後、2軸押出機(池貝社製、PCM−30)で混練したチップを、機械式粉砕機(ターボ工業社製、ターボミル)にて6ミクロンに粉砕した。その後、分級機(日鉄鉱業社製、エルボージェット)にて分級し、6ミクロンのトナーコアを得た。このトナーコアの形状指数は0.93、Tgは49℃、Tmは90℃であった。標準キャリアN−01を用いてこのトナーコアの摩擦帯電量(アニオン性)を測定すると−20μC/gであった。さらにpH4でのゼータ電位の測定値は−15mVであり、明らかなアニオン性を示した。なお、トナーコアの各測定は以下のようにして行った。
ベックマンコールター社製のコールターカウンターマルチサイザー3を用いて、体積平均粒子径(D50)を測定した。
フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製、FPIA 3000)を用いて、形状指数としての円形度を測定した。詳しくは、各試料に関して3000個の粒子の円形度を測定し、その平均値を評価値とした。
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、DSC−6200)を用いて吸熱曲線を測定することにより、吸熱曲線における比熱の変化点から求めた。
試料を高化式フローテスター(島津製作所社製、CFT−500D)にセットし、ダイス細孔経1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分で、1cm3の試料を溶融流出させてS字カーブを求め、得られたS字カーブからトナーコアのTmを読み取った。
ターブラミキサーを用いて、標準キャリアN−01(日本画像学会から提供される負帯電極性トナー用標準キャリア)と、この標準キャリアに対して7質量%のトナーコアとを30分間混合した。そして、得られた混合物を測定試料として標準キャリアと摩擦させた場合のトナーコアの摩擦帯電量をQMメータ(TREK社製、MODEL 210HS−2A)を用いて測定した。
トナーコア0.2g、イオン交換水80g、及び1%濃度のノニオン系界面活性剤(ポリビニルピロリドン、日本触媒社製「K−85」)20gをマグネットスターラーで混合し、トナーコアを均一に分散させて分散液を得た。この分散液に希塩酸を加えて分散液のpHを4に調整した。そして、この分散液を測定試料として、ゼータ電位・粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製、Delsa Nano HC)により、pH4に調整された分散液中のトナーコアのゼータ電位を測定した。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた四つ口フラスコに、メタノール160.2g(5.0モル)を仕込み、水酸化ナトリウム水溶液でpHを12に調整した。そこへパラホルムアルデヒド(92%CH2O)169.7g(5.2モル)を仕込み、60℃で20分間保温して、パラホルムアルデヒドをメタノールに溶解させた。次にメラミン126.1g(1.0モル)を仕込み、水酸化ナトリウム水溶液でpHを12に調整した。還流温度で、メタノールを系外に留去しながら1時間反応(メチロール化反応)させた。上記反応中間生成物(メチロール化メラミン)にメタノール640.8g(20.0モル)を仕込み、硫酸でpHを2.0に調整し、30℃で3.5時間反応(メチル化反応)させた後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に調整し中和処理をして反応を停止させた。次に生成した中和塩をろ過して除去し、ろ過液を0.008MPaで70℃になるまで減圧濃縮して、カプセル剤材料となるメラミンホルムアルデヒド初期縮合物を得た。このメラミンホルムアルデヒド初期縮合物の混和度は600質量%、有効成分濃度は80%であった。なお、混和度(メラミンホルムアルデヒド初期縮合物100に対する水の溶解度)は、測定温度60℃でメラミンホルムアルデヒド初期縮合物に水を少しずつ加えながら撹拌し、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物に対する水の溶解限界点(白濁するポイント)を目視で検出することにより測定した。
まず、温度計及び撹拌羽根を備えた容量3Lの3つ口フラスコを準備し、ウォーターバスを用いてフラスコ内温度を30℃に保持した。そして、フラスコ内にイオン交換水1Lを入れ、さらに塩酸を加えて、フラスコ内の水性媒体のpHを3.5に調整した。このフラスコ内に前記メラミンホルムアルデヒド初期縮合物(有効成分濃度80%)を2.85g添加し、フラスコの内容物を撹拌してメラミンホルムアルデヒド初期縮合物を水性媒体に溶解させた。次にフラスコ内(カプセル剤材料が溶解した酸性水溶液)に、上記で作製したトナーコア300gを添加し、40℃で分散処理をして十分攪拌した。その後、攪拌しながら0.5℃/分の速度で昇温し70℃で1時間キープした。その後冷却し、60℃(中和剤投入温度)の時点で水酸化ナトリウム水溶液(中和剤)を加えてpH8(中和剤投入後のpH)になるまで中和し、フラスコの内容物を40℃まで冷却して、トナー母粒子を含む分散液を得た。このようにしてトナーコア表面にカチオン性のシェル層が形成されてなるカプセルトナーを得た。
トナー母粒子の形成後、トナー母粒子の洗浄を行った。ブフナーロートを用いて分散液からトナー母粒子のウエットケーキをろ取し、トナー母粒子のウエットケーキを再度イオン交換水に分散させてトナー母粒子を洗浄した。そして、イオン交換水による同様の洗浄を5回繰り返した。ろ液及び洗浄水は排水として回収した。なお、洗浄水(イオン交換水)量は20L、洗浄水(イオン交換水)温度は25℃であった。ろ液の導電率を、堀場製作所社製のHoriba COND METER ES−51を用いて測定した結果、3.2μS/cmであった。
上記洗浄後、乾燥を行った。分散液から回収したトナー母粒子を40℃雰囲気中に48時間放置して乾燥させた。
上記乾燥後、外添を行った。前記カプセルトナーに、BET表面積が130m2/g、pHが8.5、メタノールに対する濡れ性が55%の疎水性シリカ微粉子(日本アエロジル社製、REA−200)をジェットミル粉砕機(日本ニューマチック工業社製、MDS−2型)を用いて粉砕圧4kg/cm2、フィード量60g/minの条件で解砕し、トナー母粒子に対して0.5質量%を添加し、FMミキサー(日本コークス工業社製、FM−10C)で混合することで、トナー母粒子とシリカ微粒子の混合物(トナー粒子)を得た。このトナー粒子を目開き87μmのふるいにかけカプセルトナーを作製した。
ポリエステル樹脂(花王社製、タフトンTTR−2)24質量%、磁性体(戸田工業社製、EPT−1000)74質量%、荷電制御剤(オリエント化学社製、ボントロンS−34)2質量%、ワックス(日本精蝋社製、LUVAX−1151)1質量%を十分混合した後、2軸押出機(池貝社製、PCM−30)で溶融、混練を行った。この混練物を冷却後粗粉砕機(朋来鉄工所社製、UG−210KGS)にて2mmφパスに粗粉砕し、これを中粉砕機(日本ニューマチック工業社製、ファインミルFM−300N)で中粉砕した後、微粉砕機(日本ニューマチック工業社製、セパレーターDS−5UR)を用いて分級を行い、重量平均粒径36μmのキャリアを作製した。
前記カプセルトナー(T)とキャリア(C)(京セラドキュメントソリューションズ製プリンタ(FS−C5400DN)用のキャリア)とを(T)/(C)=8質量%で混合し、現像剤を作製した。」
下記の表2に示すように、中和条件(中和剤投入後のpH、中和剤投入温度)、洗浄条件(ろ液の導電率、洗浄水量、洗浄水温度)を変更した以外は、実施例1と同様にして、現像剤を作製した。
カプセル剤材料として、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物(有効成分濃度80%)2.85gに、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/スチレンスルホン酸ナトリウムのブロック共重合体の水溶液(有効成分濃度5%)を10g添加したもの使用してカプセル化を行った。また、下記の表2に示すように、中和条件(中和剤投入後のpH、中和剤投入温度)、洗浄条件(ろ液の導電率、洗浄水量、洗浄水温度)を変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、現像剤を作製した。
下記の表2に示すように、中和条件(中和剤投入後のpH、中和剤投入温度)、洗浄条件(ろ液の導電率、洗浄水量、洗浄水温度)を変更した以外は、実施例7と同様にして、現像剤を作製した。
カプセル剤材料として、尿素ホルムアルデヒドプレポリマー/メラミンホルムアルデヒド初期縮合物を使用してカプセル化を行った以外は、実施例1に準じて、現像剤を作製した。
トリエタノールアミンでpH8.5に調整した37質量%ホルムアルデヒド水溶液146gと、尿素60gとを混合し、70℃で1時間反応させて尿素ホルムアルデヒドプレポリマーを作製した。
まず、温度計及び撹拌羽根を備えた容量3Lの3つ口フラスコを準備し、ウォーターバスを用いてフラスコ内温度を30℃に保持した。そして、フラスコ内にイオン交換水1Lを入れ、さらに塩酸を加えて、フラスコ内の水性媒体のpHを3.5に調整した。このフラスコ内に前記尿素ホルムアルデヒドプレポリマー(有効成分濃度38%)を6g添加し、さらにメラミンホルムアルデヒド初期縮合物(有効成分濃度80%)を1g添加し、フラスコの内容物を撹拌してメラミンホルムアルデヒド初期縮合物を水性媒体に溶解させた。次にフラスコ内(カプセル剤材料が溶解した酸性水溶液)に、上記で作製したトナーコア300gを添加し、40℃で分散処理をして十分攪拌した。その後、攪拌しながら0.5℃/分の速度で昇温し70℃で1時間キープした。その後冷却を開始し、60℃(中和剤投入温度)の時点で水酸化ナトリウム水溶液(中和剤)を加えてpH8(中和剤投入後のpH)になるまで中和し、フラスコの内容物を40℃まで冷却して、トナー母粒子を含む分散液を得た。以降は実施例1と同様にしてトナーコア表面にカチオン性のシェル層が形成されてなるカプセルトナーを得た。
下記の表2に示すように、中和条件(中和剤投入後のpH、中和剤投入温度)、洗浄条件(ろ液の導電率、洗浄水量、洗浄水温度)を変更した以外は、実施例1と同様にして、現像剤を作製した。
下記の表2に示すように、中和条件(中和剤投入後のpH、中和剤投入温度)、洗浄条件(ろ液の導電率、洗浄水量、洗浄水温度)を変更した以外は、実施例7と同様にして、現像剤を作製した。
このようにして得た実施例及び比較例の現像剤を用いて、下記の基準に従い各特性の評価を行った。これらの結果を下記の表2に併せて示した。
シェル層の厚さは、上述の方法に従い測定した。即ち、トナー粒子を、常温硬化性のエポキシ樹脂中に十分に分散し、40℃の雰囲気にて2日間硬化させて硬化物を得た。この硬化物を四酸化オスミウムにて染色した後、ダイヤモンドナイフをセットしたミクロトーム(ライカ社製、EM UC6)にて切り出し、厚さ200nmの薄片試料を得た。そして、この試料の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子社製、JSM−6700 F)にて撮影した。
誘導結合プラズマ分光分析装置(パーキンエルマージャパン社製、ICP−OES Optima8300)を用いて、Na元素量を定量した。測定サンプルは、0.01g又は0.05gを、極性溶媒N−メチル−2−ピロリドン(NMP)にて10mlに定容したものを用いた(1000倍希釈又は200倍希釈)。検量線を求めるための標準液は、水系単元素Na標準液1000ppmをNMPで1000倍以上希釈し調製した。また、市販の金属分析用イットリウム標準液[Y(NO3)3 in HNO3 2〜3質量%]1000mg/Lなる試薬を用い、Na標準液と同様に希釈し、すべての測定溶液に1ppmになるように追加添加した。なお、サンプルはNMPに完全に溶解せず、分散した状態であるため、測定前に撹拌して測定した。検出下限LODは、NMPブランク10回測定により得られる標準偏差の3倍値より算出した。測定条件を、下記の表1に示した
Naの定量には、発光スペクトルのうち波長588.995nmの強度を測定して、図1に示す検量線より計算で求めた。
実施例または比較例で作成した現像剤をシアン色用の現像装置に投入し、実施例または比較例で作成したカプセルトナーをシアン色用のトナーコンテナに投入した京セラドキュメントソリューションズ製プリンタ(FS−C5400DN)を用いて、通常環境(20℃、65%)にて、連続3万枚プリント後にべた画像を含む画像評価パターン(紙面上のトナー載せ量を0.5mg/cm2となるよう現像バイアス調整する)を印字して画像とし、得られたベタ画像の画像濃度をマクベス反射濃度計(グレタグ・マクベス社製、RD914)により測定し、下記3段階で評価した。
○:画像濃度が1.20以上
△:画像濃度が1.10以上1.20未満
×:画像濃度が1.10未満
定着装置の定着温度を可変できるように改造した京セラドキュメントソリューションズ製プリンタ(FS−C5400DN)を用いて、以下の条件設定で定着下限温度(最低定着可能温度)及び定着上限温度(最高定着可能温度)を特定した。条件は200mm/secのスピードで8mmのニップ間を形成し温度を100℃から200℃まで5℃刻みで変化させ、定着下限温度(最低定着可能温度)及び定着上限温度(最高定着可能温度)を測定した。ニップ通過時間は40msecであった。90g/m2の用紙に1.0mg/cm2のトナーを現像し、温度を調整した定着器を通過させて、その定着性を評価した。
Claims (2)
- pH4におけるゼータ電位が−5mV以下であるアニオン性のトナーコアの表面に、カチオン性のシェル層が形成されてなるカプセルトナー粒子を含有し、前記カプセルトナー粒子の表面に残存するナトリウム元素量が、誘導結合プラズマ分光分析装置(ICP)による測定で200ppm以上1000ppm以下であり、前記シェル層の材料は、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物と、そのメチロール基と反応可能なアルコール性OH基を有するビニルモノマーとスチレンスルホン酸ナトリウムとのブロック共重合体と、から成ることを特徴とする電子写真用トナー。
- 前記シェル層の材料は、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物と、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルとスチレンスルホン酸ナトリウムとのブロック共重合体と、から成る請求項1に記載の電子写真用トナー。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013268278A JP5945530B2 (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | 電子写真用トナー |
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