JP6006703B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トナーの製造方法に関し、特にカプセルトナーの製造方法に関する。
カプセルトナーは、コアと、コアの表面に形成されたシェル層(カプセル層)とから構成される。
特許文献1には、トナー粒子と微粒子(無機物又は有機物)とを予め混合して分散させた後、硬化性樹脂を添加して、トナー粒子の表面に硬化皮膜(硬化性樹脂及び微粒子)を形成するトナーの製造方法が開示されている。
特開平7−333887号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるトナーの製造方法によってカプセルトナーを製造するためには、コアを分散させた後、シェル層の材料(硬化性樹脂前駆体)を添加する工程が必要になる。また、造粒後の副資材の除去にも工数がかかる。工程数が増えると、トナーを製造するために必要なコストが増大し、市場からのコスト要求に応えることが難しくなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、少ない工程で良質のトナーを製造することのできるトナーの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、低コストで良質のトナーを製造することのできるトナーの製造方法を提供することを他の目的とする。
本発明に係るトナーの製造方法は、有機溶媒中に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を溶解させる溶解ステップと、水媒体中に前記有機溶媒の溶解物を入れて微粒子化する微粒子化ステップと、前記微粒子化により形成された微粒子の表面に、前記溶解させた熱硬化性樹脂を成膜するシェル層形成ステップとを含む。
本発明によれば、少ない工程で良質のトナーを製造することが可能になる。また、本発明によれば、この効果に加えて又はこの効果に代えて、低コストで良質のトナーを製造することが可能になるという効果が奏される場合がある。
本発明の実施形態に係るトナーを構成するトナー粒子の構造を模式的に示す断面図である。 S字カーブから軟化点を読み取る方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係るトナーは、静電荷像現像用のカプセルトナーである。本実施形態のトナーは、多数の粒子(以下、トナー粒子という)から構成される。本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置で用いることができる。
電子写真装置では、トナーを含む現像剤を用いて静電荷像を現像する。詳しくは、現像器から感光体上に形成された静電潜像にトナーを付着させる。そして、付着したトナーを紙のような記録媒体に転写した後、熱によりトナーを記録媒体に定着させる。これにより、記録媒体にトナー像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを用いてそれぞれのトナー像を重ね合わせれば、フルカラー画像を得ることができる。
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナー(特にトナー粒子)の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーを構成するトナー粒子10の構造を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、トナー粒子10は、コア11と、コア11の表面に形成されたシェル層12(カプセル層)と、外添剤13とから構成される。
コア11は、結着樹脂11aと、内添剤11b(例えば、着色剤及び離型剤等)とから構成される。コア11は、シェル層12によって被覆されている。シェル層12の表面には外添剤13が付着している。
コア11がアニオン性を有し、シェル層12がカチオン性を有することが好ましい。コア11がアニオン性を有することで、シェル層12の形成時にカチオン性のシェル層12の材料をコア11表面に引き付けることが可能になる。詳しくは、例えば水性媒体中で負に帯電するコア11と水性媒体中で正に帯電するシェル層12の材料とが相互に電気的に引き寄せられ、例えばin−situ重合によりコア11の表面にシェル層12が形成される。これにより、分散剤を用いて水性媒体中にコア11を高度に分散させずとも、コア11の表面に均一なシェル層12を形成し易くなる。
ただし、トナー粒子の構成は上記に限られない。例えば、必要がなければ内添剤11b又は外添剤13を割愛してもよい。また、トナー粒子は、コア11の表面に複数のシェル層12を有していてもよい。積層された複数のシェル層12をトナー粒子が有する場合は、複数のシェル層12のうち最外のシェル層12がカチオン性を有することが好ましい。
コア11においては、コア成分の大部分(例えば、85%以上)を結着樹脂11aが占める。このため、結着樹脂11aの極性がコア11全体の極性に大きな影響を与える。例えば、結着樹脂11aがエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基等を有している場合には、コア11はアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂11aがアミノ基、アミン、又はアミド基等を有している場合には、コア11はカチオン性になる傾向が強くなる。
本実施形態においてコア11がアニオン性であることの指標は、pHが4に調整された水性媒体中で測定されるコア11のゼータ電位が負極性を示すことである。コア11とシェル層12との結合を強めるためには、コア11のpH4におけるゼータ電位が0Vよりも小さく、トナー粒子10のpH4におけるゼータ電位が0Vよりも大きいことが好ましい。なお、本実施形態においてpH4はシェル層12形成時のpHに相当する。
ゼータ電位の測定方法としては、電気泳動法、超音波法、又はESA(電気音響)法等が挙げられる。
電気泳動法は、粒子分散液に電場を印加して分散液中の帯電粒子を電気泳動させ、電気泳動速度に基づきゼータ電位を算出する方法である。電気泳動法としては、レーザードップラー法(電気泳動している粒子にレーザー光を照射し、得られた散乱光のドップラーシフト量から電気泳動速度を求める方法)等が挙げられる。レーザードップラー法は、分散液中の粒子濃度を高濃度とする必要がなく、ゼータ電位の算出に必要なパラメーターの数が少なく、加えて電気泳動速度を感度よく検出できるという利点を有する。
超音波法は、粒子分散液に超音波を照射して分散液中の帯電粒子を振動させ、この振動によって生じる電位差に基づきゼータ電位を算出する方法である。
ESA法では、粒子分散液に高周波電圧を印加して分散液中の帯電粒子を振動させて超音波を発生させる。そして、その超音波の大きさ(強さ)からゼータ電位を算出する。
超音波法及びESA法は、粒子濃度が高い(例えば、20質量%を超える)粒子分散液であっても、ゼータ電位を感度よく測定することができるという利点を有する。
本実施形態ではコア11もシェル層12も分散剤(界面活性剤)を有さない。一般に、分散剤は排水負荷が高い。分散剤を用いなければ、トナー粒子10を製造する際に排出される排水を希釈することなく、排水の全有機炭素(TOC)濃度を15mg/L以下の低いレベルにすることが可能となる。
なお、生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、又は全有機炭素(TOC)濃度を測定することによって、廃水中の有機物成分(例えば、未反応のモノマー、プレポリマー、又は分散剤)を測定することができる。中でも、TOC濃度によれば、有機物全般を安定的に測定することができる。また、TOC濃度を測定することで、廃水(反応後のろ過液及び洗浄液の全体)中のカプセル化に働かなかった有機成分の量を特定することができる。
以下、トナー粒子10を構成するコア11の全体構成、結着樹脂11a、内添剤11b(着色剤及び離型剤)、シェル層12、外添剤13について、順に説明する。
[コア]
本実施形態のトナー粒子10を構成するコア11は、結着樹脂11a及び内添剤11b(着色剤及び離型剤)を含む。ただし、トナーの用途等に応じて必要のない成分(例えば、着色剤又は離型剤)を割愛してもよい。また、コア11は電荷制御剤を含んでいてもよい。
[結着樹脂(コア)]
以下、本実施形態に係るトナー粒子10のコア11を構成する結着樹脂11aについて説明する。
結着樹脂11aのガラス転移点(Tg)は、シェル層12に含まれる熱硬化性樹脂の硬化開始温度以下であることが好ましい。こうした結着樹脂11aを用いれば、高速定着時においても十分な定着性が得られる。熱硬化性樹脂(特にメラミン系の樹脂)の硬化開始温度は55℃程度であることが多い。結着樹脂11aのTgは、20℃以上であることが好ましく、30℃以上55℃以下であることがより好ましく、30℃以上50℃以下であることがさらに好ましい。結着樹脂11aのTgが20℃以上であるとシェル層12の形成時にコア11が凝集しにくくなる。
結着樹脂11aのTgは、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツルメンツ社製「DSC−6200」)を用いて結着樹脂11aの吸熱曲線を測定することにより、吸熱曲線における比熱の変化点から求めることができる。詳細には、測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25℃〜200℃かつ昇温速度10℃/分の条件で結着樹脂11aの吸熱曲線を求め、得られた吸熱曲線に基づいてTgを求める方法が挙げられる。
結着樹脂11aの軟化点(Tm)は100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。結着樹脂11aのTmが100℃以下(より好ましくは80℃以下)であることで、高速定着時においても十分な定着性を得ることが可能になる。また、異なるTmを有する複数の結着樹脂を組み合わせることで、結着樹脂11aのTmを調整することができる。
結着樹脂11aのTmの測定には、高架式フローテスター(例えば、島津製作所社製「CFT−500D」)を用いることができる。例えば、測定試料を高化式フローテスターにセットし、所定の条件で試料を溶融流出させてS字カーブ(温度(℃)/ストローク(mm)に関するS字カーブ)を求め、得られたS字カーブから結着樹脂11aのTmを読み取る。
ここで、図2を参照して、S字カーブから結着樹脂11aのTmを読み取る方法について説明する。図2はS字カーブの一例を示すグラフである。
図2において、S1はストロークの最大値を示し、S2は低温側のベースラインのストローク値を示す。S字カーブ中のストロークの値が(S1+S2)/2となる温度を測定試料のTmとする。
図1を参照して説明を続ける。
結着樹脂11aは、例えば官能基としてエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、メチル基、カルボキシル基、又はアミノ基を有する樹脂であることが好ましい。結着樹脂11aとしては、分子中に水酸基、カルボキシル基、又はアミノ基のような官能基を有する樹脂が好ましく、分子中に水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂がより好ましい。このような官能基を有するコア11(結着樹脂11a)は、シェル層12の材料(例えば、メチロールメラミン)と反応して化学的に結合し易くなる。こうした化学的な結合が生じると、コア11とシェル層12との結合が強固になる。
結着樹脂11aとしては、熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂の好適な例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、又はスチレン−ブタジエン系樹脂が挙げられる。中でも、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル樹脂はそれぞれ、トナー中の着色剤の分散性、トナーの帯電性、及び被記録媒体に対する定着性に優れる。
(スチレンアクリル系樹脂)
以下、結着樹脂11aとしてのスチレンアクリル系樹脂について説明する。
結着樹脂11aとしてのスチレンアクリル系樹脂は、例えばスチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。
スチレン系単量体の好適な例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、又はp−エチルスチレンが挙げられる。
アクリル系単量体の好適な例としては、(メタ)アクリル酸、特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)メタアクリル酸メチル、(メタ)メタアクリル酸エチル、(メタ)メタアクリル酸n−ブチル、又は(メタ)メタアクリル酸iso−ブチルが好ましい。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシプロピルが好ましい。
スチレンアクリル系樹脂を調製する際に、水酸基を有する単量体(p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等)を用いることで、スチレンアクリル系樹脂に水酸基を導入できる。例えば、水酸基を有する単量体の使用量を適宜調整することで、得られるスチレンアクリル系樹脂の水酸基価を調整することができる。
スチレンアクリル系樹脂を調製する際に、(メタ)アクリル酸を単量体として用いることで、スチレンアクリル系樹脂にカルボキシル基を導入できる。例えば、(メタ)アクリル酸の使用量を適宜調整することで、得られるスチレンアクリル系樹脂の酸価を調整することができる。
コア11の強度及び定着性を向上させるためには、スチレンアクリル系樹脂(結着樹脂11a)の数平均分子量(Mn)が2000以上3000以下であることが好ましい。スチレンアクリル系樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は10以上20以下であることが好ましい。結着樹脂11aのMnとMwの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
(ポリエステル樹脂)
以下、結着樹脂11aとしてのポリエステル樹脂について説明する。
ポリエステル樹脂は、例えば2価又は3価以上のアルコール成分と2価又は3価以上のカルボン酸成分とを縮重合や共縮重合することで得られる。
ポリエステル樹脂の2価又は3価以上のアルコール成分の好適な例としては、ジオール類、ビスフェノール類、又は3価以上のアルコール類が挙げられる。
ジオール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが好ましい。
ビスフェノール類としては、例えばビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、又はポリオキシプロピレン化ビスフェノールAが好ましい。
3価以上のアルコール類としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが好ましい。
ポリエステル樹脂の2価又は3価以上のカルボン酸成分の好適な例としては、2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸が挙げられる。また、これらのカルボン酸成分は、エステル形成性の誘導体(酸ハライド、酸無水物、及び低級アルキルエステル等)として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1〜6のアルキル基を意味する。
2価カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、又はアルキルもしくはアルケニルコハク酸が好ましい。さらに、アルケニルコハク酸としては、例えばn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸が好ましい。
3価以上のカルボン酸としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が好ましい。
ポリエステル樹脂を製造する際に、2価又は3価以上のアルコール成分の使用量と2価又は3価以上のカルボン酸成分の使用量とをそれぞれ適宜変更することで、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価を調整することができる。また、ポリエステル樹脂の分子量を上げると、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価は低下する傾向がある。
コア11の強度及び定着性を向上させるためには、ポリエステル樹脂(結着樹脂11a)の数平均分子量(Mn)が1200以上2000以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は9以上20以下であることが好ましい。結着樹脂11aのMnとMwの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
[着色剤(コア)]
以下、本実施形態に係るトナー粒子10のコア11(内添剤11b)を構成する着色剤について説明する。
着色剤としては、例えばトナー粒子10の色に合わせて公知の顔料や染料を用いることができる。着色剤の使用量は、100質量部の結着樹脂11aに対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
(黒色着色剤)
本実施形態に係るトナー粒子10のコア11は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤は、例えばカーボンブラックから構成される。また、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤のような着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も利用できる。
(カラー着色剤)
本実施形態に係るトナー粒子10のコア11は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤は、例えば縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、又はアリルアミド化合物から構成されることが好ましい。イエロー着色剤としては、例えばC.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194等)、ネフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローが好ましい。
マゼンタ着色剤は、例えば縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、又はペリレン化合物から構成されることが好ましい。マゼンタ着色剤としては、例えばC.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254等)が好ましい。
シアン着色剤は、例えば銅フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン誘導体、アントラキノン化合物、又は塩基染料レーキ化合物から構成されることが好ましい。シアン着色剤としては、例えばC.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66等)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーが好ましい。
[離型剤(コア)]
以下、本実施形態に係るトナー粒子10のコア11(内添剤11b)を構成する離型剤について説明する。
離型剤は、トナーの定着性及び耐オフセット性を向上させる目的で使用される。定着性及び耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は100質量部の結着樹脂11aに対して1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
一例では、離型剤が、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、酸化ポリエチレンワックス、又は酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物から構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、オゾケライト、セレシン、又はベトロラクタムのような鉱物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類から構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したワックスから構成されることが好ましい。
[シェル層]
シェル層12は熱硬化性樹脂から構成されることが好ましく、強度、硬度、及びカチオン性を向上させるためには、窒素原子を含む樹脂又はその誘導体から構成されることがより好ましい。窒素原子を含むシェル層12は正帯電し易くなる。カチオン性を強くするためには、シェル層12中の窒素原子の含有量は10質量%以上であることが好ましい。
シェル層12を構成する熱硬化性樹脂としては、例えばメラミン樹脂、尿素(ユリア)樹脂、スルホアミド樹脂、グリオキザール樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹脂、又はこれら各樹脂の誘導体が好ましい。メラミン樹脂の誘導体では、例えばメチロールメラミンが好ましい。グアナミン樹脂の誘導体では、例えばベンゾグアナミン、アセトグアナミン、又はスピログアナミンが好ましい。
シェル層12を構成する熱硬化性樹脂としては、例えば窒素元素を分子骨格に有するポリイミド樹脂、マレイド系重合体、ビスマスイミド、アミノビスマスイミド、又はビスマスイミドトリアジンが好ましい。
シェル層12を構成する熱硬化性樹脂としては、アミノ基を含む化合物とアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)との重縮合によって生成される樹脂(以下、アミノアルデヒド樹脂という)、又はアミノアルデヒド樹脂の誘導体が特に好ましい。なお、メラミン樹脂は、例えばメラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物である。尿素樹脂は、例えば尿素とホルムアルデヒドとの重縮合物である。グリオキザール樹脂は、例えばグリオキザールと尿素との反応物とホルムアルデヒドとの重縮合物である。
シェル層12の厚さは、1nm以上20nm以下であることが好ましく、1nm以上10nm以下であることがより好ましい。
シェル層12の厚さが20nm以下であると、トナーを被記録媒体へ定着させる際の加熱加圧等よりシェル層12が容易に破壊されるようになる。その結果、コア11に含まれる結着樹脂11a及び離型剤の軟化又は溶融が速やかに進行し、低温域でトナーを被記録媒体に定着することが可能になる。さらに、シェル層12の厚さが20nm以下であるとシェル層12の帯電性が強くなり過ぎないため、画像形成が適正に行われるようになる。
一方、シェル層12の厚さが1nm以上であると、十分な強度を有するものとなり輸送時の衝撃等によってシェル層12が破壊されることを抑制することができる。
シェル層12の厚さは、市販の画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事社製「WinROOF」)等を用いてトナー粒子10の断面のTEM撮影像を解析することによって計測できる。
シェル層12は、破壊箇所(機械的強度の弱い部位)を有することが好ましい。破壊箇所はシェル層12に局所的に欠陥等を生じさせることにより形成することができる。シェル層12に破壊箇所を設けることで、トナーを被記録媒体へ定着させる際の加熱加圧等よりシェル層12が容易に破壊されるようになる。その結果、シェル層12が熱硬化性樹脂から構成される場合でも、低温で定着させることが可能になる。破壊箇所の数は任意である。
シェル層12の帯電性が十分でない場合には、正帯電性の電荷制御剤をシェル層12に添加してもよい。
[外添剤]
以下、本実施形態に係るトナー粒子10を構成する外添剤13について説明する。以下、外添剤13により処理される前の粒子を「トナー母粒子」と記載する。
外添剤13は、トナー粒子10の流動性及び取扱性を向上させるために使用され、シェル層12の表面に付着する。流動性及び取扱性を向上させるためには、外添剤13の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましく、2質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
外添剤13は、例えばシリカ、又はアルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、もしくはチタン酸バリウムのような金属酸化物から構成されることが好ましい。
流動性及び取扱性を向上させるためには、外添剤13の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーの製造方法は、有機溶媒中に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を溶解させるステップと、水媒体中に有機溶媒の溶解物を入れて微粒子化するステップと、微粒子化により形成された微粒子の表面に、溶解させた熱硬化性樹脂を成膜するステップとを含む。
こうしたトナーの製造方法であれば、成膜工程で熱硬化性樹脂を加える必要がないため、少ない工程で良質のトナーを製造することが可能になる。また、低コストで良質のトナーを製造することが可能になる。
以下、本実施例に係る現像剤A〜X(それぞれ2成分現像剤)の調製方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。
[現像剤Aの調製方法]
現像剤Aは、トナー及びキャリアから構成される2成分現像剤である。現像剤Aの調整に際しては、まず、コア11及びシェル層12から構成されるトナー母粒子を作製し、作製したトナー母粒子に外添剤13を付着させることによりトナー粒子10(ひいてはトナー)を作製した。さらに、作製したトナーとキャリアとを混合することにより現像剤Aを完成させた。以下、現像剤Aの調製方法について説明する。
(トナー母粒子の作製)
トナー母粒子の作製に際しては、まず、熱可塑性樹脂(結着樹脂11a)、内添剤11b、及び熱硬化性樹脂を有機溶媒に溶解させる。詳しくは、474gのポリエステル樹脂Aと、36gのマスターバッチ(18gのシアン顔料ピグメントブルー15:3)と、90gのエステルワックスと、4mLのヘキサメトキシメチロールメラミン(昭和電工社製「ミルベン607(濃度80質量%)」)と、900gのテトラヒドロフランとを5Lの耐圧丸底ステンレス容器に入れて、50℃に加温した後、30分間撹拌することで、固形分を完全にテトラヒドロフラン(有機溶媒)に溶解させた。なお、ポリエステル樹脂A、シアン顔料ピグメントブルー15:3、エステルワックス、及びヘキサメトキシメチロールメラミンはそれぞれ、結着樹脂11a、着色剤、離型剤、及びシェル層12を形成するための物質である。
テトラヒドロフラン(有機溶媒)に添加された材料(ポリエステル樹脂A、シアン顔料ピグメントブルー15:3、及びエステルワックス)の物性等は、次のとおりである。
ポリエステル樹脂Aは、2082のMn、4861のMw、22.4mgKOH/gの酸価(AV値)、46.4mgKOH/gの水酸基価(OHV値)、73.7℃のTm、及び34.6℃のTgを有する。
シアン顔料ピグメントブルー15:3は、ポリエステル樹脂A等と混合及び混練されてバッチ化され、マスターバッチとして上記容器に添加された。マスターバッチ中の顔料の含有量は50質量%であった。
エステルワックスは、0.1mgKOH/gの酸価(AV値)、2.1mgKOH/gの水酸基価(OHV値)、及び76℃の融点を有する。
続けて、高速剪断乳化装置ハーモテック(エム・テクニクス社製「HMT−CA−2」、アンカーミキサー「AM−0.2」付きクレアミックス「CLM−2.2S」)のベッセル(容器)に6gのアニオン性界面活性剤(花王株式会社製「エマール0」)と19.2gの30質量%水酸化ナトリウム水溶液と900gの蒸留水とを入れて、50℃で30分間保持した。これにより、蒸留水にアニオン性界面活性剤及び水酸化ナトリウム(中和剤)を溶解させた。
続けて、ハーモテックのベッセル内に前述のテトラヒドロフラン溶液を加えた。続けて、ハーモテックにおいて、クレアミックス(ローターR1、スクリーンS1.0−24)のローター回転速度20000rpmでベッセル内容物を60分間剪断微粒子化した。これにより、コア11の微粒子が形成された。微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.5、液温は47℃であった。
続けて、ベッセル内容物を5℃/分の速度で20℃まで冷却した。その結果、ベッセル内容物として樹脂微粒子分散体Aが得られた。樹脂微粒子分散体Aにおける樹脂微粒子の中位径(体積分布基準)は4.43μm、変動係数は20.3%であった。中位径及び変動係数の測定にはレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製「LA−920」)を用いた。
続けて、耐圧丸底ステンレス容器に樹脂微粒子分散体Aを入れて、容器の内容物を回転速度300rpmで撹拌しながら塩酸でpHを4に調整した。続けて、容器の内容物を1℃/分の速度で85℃まで昇温し、85℃で3時間保持した。これにより、容器内のヘキサメトキシメチロールメラミンを反応させた。その結果、コア11の微粒子の表面にシェル層12が形成された。反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.7、液温は82℃であった。
続けて、容器の内容物をpH7になるまで水酸化ナトリウムで中和した。続けて、容器の内容物を5℃/分の速度で20℃まで冷却した。その結果、トナー母粒子を含む分散液が得られた。
続けて、ブフナーロート(ヌッチェ)を用いて吸引ろ過(固液分離)を行った。さらに、ろ取したウェットケーキ状のトナー母粒子を再度イオン交換水に分散させて再びブフナーロートを用いて吸引ろ過を行った。ろ過後のろ液の導電率が3μS/cm未満になるまで分散及び濾過を繰り返した。
上記洗浄後、トナー母粒子の乾燥を行った。本実施例に係る調製方法では、分散液から回収したトナー母粒子を40℃雰囲気中に0.001気圧で72時間静置して乾燥させた。これにより、中位径(体積分布基準)4.43μm、円形度0.965のトナー母粒子が得られた。
(外添剤の作製)
信越化学工業株式会社製のジメチルポリシロキサン100gと信越化学工業株式会社製の3−アミノプロピルトリメトキシシラン100gとをトルエン200gに溶解させた後、10倍に希釈した。
続けて、日本アエロジル株式会社製のヒュームドシリカアエロジル(#90)200gにジメチルポリシロキサンと3−アミノプロピルトリメトキシランとの希釈溶液を徐々に滴下し、超音波照射及び撹拌しながら30分間混合した。
続けて、混合物を150℃の恒温槽で加熱した後、トルエンをロータリーエヴァポレーターで留去して固形物を得た。
続けて、得られた固形物を減圧乾燥機にて設定温度50℃で減量しなくなるまで乾燥した。さらに、窒素気流下、200℃の条件で電気炉にて3時間加熱処理を行った。これにより、粗粉体が得られた。
続けて、得られた粗粉体をジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製のIDS型ジェットミル)により解砕してバグフィルターで捕集した。その結果、外添剤13としての疎水性シリカが得られた。
(トナーの作製)
5Lの混合機(日本コークス工業株式会社製のヘンシェルミキサー)を用いて200gのトナー母粒子と4gの外添剤13(疎水性シリカ微粒子)とを5分間混合した。続けて、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いて混合物を篩分けした。これにより、トナー粒子10を多数有するトナーが得られた。
(キャリアの作製)
ポリアミドイミド樹脂30gを水2Lで希釈し、得られた希釈液に4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体(FEP)120gを分散させた後、さらに酸化ケイ素3gを分散させた。これにより、被覆層形成液が得られた。
続けて、得られた被覆層形成液を用いてキャリア粒子を被覆した。詳しくは、平均粒子径35μmのノンコートフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製「EF−35B」)10kgと被覆層形成液とを流動床被覆装置に投入して、キャリア粒子の表面に被覆層を形成した。その後、250℃で1時間焼付けを行った。これにより、被覆層が形成されたキャリア粒子を多数有するキャリアが得られた。
(トナーとキャリアとの混合)
30gのトナーと300gのキャリアとを容量500mLのポリ容器(瓶)に入れて、ターブラー・シェーカー・ミキサー(株式会社シンマルエンタープライゼス製「T2F型」)にて30分間混合した。これにより、現像剤A(2成分現像剤)が得られた。
[現像剤Bの調製方法]
現像剤Bの調製方法は、一部の材料の量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
テトラヒドロフラン溶液(油相)を調製する際に、592.5gのポリエステル樹脂A、45gのマスターバッチ(22.5gのシアン顔料ピグメントブルー15:3)、112.5gのエステルワックス、及び5mLのヘキサメトキシメチロールメラミンを750gのテトラヒドロフランに溶解させた。また、水溶液(水相)を調製する際に、900gの蒸留水に6gのアニオン性界面活性剤と24.1gの30質量%水酸化ナトリウム(中和剤)とを溶解させた。
現像剤Bの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.3、液温は46℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.7、液温は83℃であった。
[現像剤Cの調製方法]
現像剤Cの調製方法は、一部の材料の量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
テトラヒドロフラン溶液(油相)を調製する際に、237gのポリエステル樹脂A、18gのマスターバッチ(9.0gのシアン顔料ピグメントブルー15:3)、45gのエステルワックス、及び2mLのヘキサメトキシメチロールメラミンを1200gのテトラヒドロフランに溶解させた。また、水溶液(水相)を調製する際に、900gの蒸留水に6gのアニオン性界面活性剤と9.6gの30質量%水酸化ナトリウム(中和剤)とを溶解させた。
現像剤Cの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.1、液温は45℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.6、液温は82℃であった。
[現像剤Dの調製方法]
現像剤Dの調製方法は、一部の材料の量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
テトラヒドロフラン溶液(油相)を調製する際に、177.8gのポリエステル樹脂A、13.5gのマスターバッチ(6.75gのシアン顔料ピグメントブルー15:3)、33.8gのエステルワックス、及び1.5mLのヘキサメトキシメチロールメラミンを1275gのテトラヒドロフランに溶解させた。また、水溶液(水相)を調製する際に、900gの蒸留水に6gのアニオン性界面活性剤と7.2gの30質量%水酸化ナトリウム(中和剤)とを溶解させた。
現像剤Dの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.4、液温は48℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.6、液温は82℃であった。
[現像剤Eの調製方法]
現像剤Eの調製方法は、一部の材料の量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
テトラヒドロフラン溶液(油相)を調製する際に、651.8gのポリエステル樹脂A、49.5gのマスターバッチ(24.75gのシアン顔料ピグメントブルー15:3)、123.8gのエステルワックス、及び5.5mLのヘキサメトキシメチロールメラミンを675gのテトラヒドロフランに溶解させた。また、水溶液(水相)を調製する際に、900gの蒸留水に6gのアニオン性界面活性剤と26.5gの30質量%水酸化ナトリウム(中和剤)とを溶解させた。
現像剤Eの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.4、液温は48℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.6、液温は82℃であった。
[現像剤Fの調製方法]
現像剤Fの調製方法は、一部の材料の量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
テトラヒドロフラン溶液(油相)を調製する際に、592.5gのポリエステル樹脂A、45.0gのマスターバッチ(22.5gのシアン顔料ピグメントブルー15:3)、112.5gのエステルワックス、及び5.0mLのヘキサメトキシメチロールメラミンを750gのテトラヒドロフランに溶解させた。また、水溶液(水相)を調製する際に、900gの蒸留水に6gのアニオン性界面活性剤と24.1gの30質量%水酸化ナトリウム(中和剤)とを溶解させた。
現像剤Fの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.3、液温は47℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.7、液温は83℃であった。
[現像剤Gの調製方法]
現像剤Gの調製方法は、ポリエステル樹脂Aの代わりにスチレンアクリル樹脂を使用した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
スチレンアクリル樹脂において、Mnは13700、Mwは3980、酸価(AV値)は5.02mgKOH/g、Tmは81.5℃、Tgは32.3℃であった。
現像剤Gの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.0、液温は45℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.6、液温は81℃であった。
[現像剤Hの調製方法]
現像剤Hの調製方法は、テトラヒドロフランの代わりに2−ブタノンを使用した以外は、現像剤Bの調製方法と同じである。
現像剤Hの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.3、液温は44℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.7、液温は84℃であった。
[現像剤Iの調製方法]
現像剤Iの調製方法は、テトラヒドロフランの代わりに酢酸エチルを使用した以外は、現像剤Bの調製方法と同じである。
現像剤Iの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.3、液温は47℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.6、液温は83℃であった。
[現像剤Jの調製方法]
現像剤Jの調製方法は、一部の材料の種類及び量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
テトラヒドロフラン溶液(油相)を調製する際に、474gのポリエステル樹脂A、36gのマスターバッチ(18gのシアン顔料ピグメントブルー15:3)、90gのエステルワックス、及び1.5mLのジメトキシメチル尿素を900gのテトラヒドロフランに溶解させた。
現像剤Jの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.2、液温は48℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.7、液温は82℃であった。
[現像剤Kの調製方法]
現像剤Kの調製方法は、一部の材料の量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
水溶液(水相)を調製する際に、900gの蒸留水に6gのアニオン性界面活性剤と9.6gの30質量%水酸化ナトリウム(中和剤)とを溶解させた。
現像剤Kの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは8.6、液温は48℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.6、液温は82℃であった。
[現像剤Lの調製方法]
現像剤Lの調製方法は、微粒子化開始時の温度を50℃から55℃に変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
現像剤Lの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.1、液温は53℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.8、液温は81℃であった。
[現像剤Mの調製方法]
現像剤Mの調製方法は、成膜開始時の温度を85℃から75℃に変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
現像剤Mの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.2、液温は47℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.8、液温は72℃であった。
[現像剤Nの調製方法]
現像剤Nの調製方法は、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHを2.7から3.3に変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
現像剤Nの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.4、液温は48℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは3.3、液温は83℃であった。
[現像剤Oの調製方法]
現像剤Oの調製方法は、ポリエステル樹脂Aの代わりにポリエステル樹脂Bを使用した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
ポリエステル樹脂Bは、1191のMn、2291のMw、11.9mgKOH/gの酸価(AV値)、37.6mgKOH/gの水酸基価(OHV値)、70.8℃のTm、及び38.4℃のTgを有する。
現像剤Oの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.2、液温は46℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.8、液温は81℃であった。
[現像剤Pの調製方法]
現像剤Pの調製方法は、一部の材料の量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
テトラヒドロフラン溶液(油相)を調製する際に、118.5gのポリエステル樹脂A、9gのマスターバッチ(4.5gのシアン顔料ピグメントブルー15:3)、22.5gのエステルワックス、及び1mLのヘキサメトキシメチロールメラミンを1350gのテトラヒドロフランに溶解させた。また、水溶液(水相)を調製する際に、900gの蒸留水に6gのアニオン性界面活性剤と4.8gの30質量%水酸化ナトリウム(中和剤)とを溶解させた。
現像剤Pの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.3、液温は47℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.7、液温は84℃であった。
[現像剤Qの調製方法]
現像剤Qの調製方法は、一部の材料の量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
テトラヒドロフラン溶液(油相)を調製する際に、711gのポリエステル樹脂A、54gのマスターバッチ(27gのシアン顔料ピグメントブルー15:3)、135gのエステルワックス、及び6mLのヘキサメトキシメチロールメラミンを600gのテトラヒドロフランに溶解させた。また、水溶液(水相)を調製する際に、900gの蒸留水に6gのアニオン性界面活性剤と28.9gの30質量%水酸化ナトリウム(中和剤)とを溶解させた。
現像剤Qの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.3、液温は48℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.7、液温は82℃であった。
[現像剤Rの調製方法]
現像剤Rの調製方法は、ポリエステル樹脂Aの代わりにポリエステル樹脂Cを使用した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
ポリエステル樹脂Cは、2213のMn、5920のMw、8.4mgKOH/gの酸価(AV値)、54.0mgKOH/gの水酸基価(OHV値)、69.9℃のTm、及び37.4℃のTgを有する。
現像剤Rの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.1、液温は47℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.8、液温は83℃であった。
[現像剤Sの調製方法]
現像剤Sの調製方法は、成膜工程(シェル層12の形成)を割愛したこと以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。現像剤Sの調製方法では、ヘキサメトキシメチロールメラミンを使用しなかった。また、現像剤Sの調製方法では、熱硬化性樹脂の成膜を行わないため、微粒子化後に加温しなかった。
現像剤Sの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.3、液温は46℃であった。
[現像剤Tの調製方法]
現像剤Tの調製方法は、一部の材料の量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
テトラヒドロフラン溶液(油相)を調製する際に、474gのポリエステル樹脂A、36gのマスターバッチ(18gのシアン顔料ピグメントブルー15:3)、90gのエステルワックス、及び12mLのヘキサメトキシメチロールメラミンを900gのテトラヒドロフランに溶解させた。
現像剤Tの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.4、液温は45℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.6、液温は82℃であった。
[現像剤Uの調製方法]
現像剤Uの調製方法は、一部の材料の量を下記のように変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
水溶液(水相)を調製する際に、900gの蒸留水に6gのアニオン性界面活性剤と4.8gの30質量%水酸化ナトリウム(中和剤)とを溶解させた。
現像剤Uの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは7.6、液温は48℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.6、液温は83℃であった。
[現像剤Vの調製方法]
現像剤Vの調製方法は、微粒子化開始時の温度を50℃から65℃に変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
現像剤Vの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.0、液温は63℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.7、液温は82℃であった。
[現像剤Wの調製方法]
現像剤Wの調製方法は、成膜開始時の温度を85℃から70℃に変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
現像剤Wの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.2、液温は47℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは2.5、液温は73℃であった。
[現像剤Xの調製方法]
現像剤Xの調製方法は、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHを2.7から3.9に変更した以外は、現像剤Aの調製方法と同じである。
現像剤Xの調製方法において、微粒子化終了時におけるベッセル内容物のpHは9.3、液温は46℃であった。また、反応(成膜)終了時における容器の内容物のpHは3.9、液温は82℃であった。
[評価方法]
各試料の評価方法は、以下の通りである。
(粒子径)
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製「LA−950V2」)を用いて中位径(体積分布基準)を測定した。
(保存性能)
トナー3gを容量30mLのポリ容器(瓶)に入れて、その容器を60℃に設定された恒温器(オーブン)内に入れて3時間経過後に取り出し、温度25℃かつ湿度65%の環境下で3時間静置して、評価用トナーを得た。
パウダーテスター(ホソカワミクロン製)上に篩C(目開き45μm)、篩B(目開き63μm)、及び篩A(目開き105μm)を重ねて積置した。そして、篩A上に評価用トナーを載せて、各篩を5目盛りの振動強度で30秒間振動させた後、各篩上に残留したトナーの質量(g)を測定した。さらに、次の式に基づいて凝集度(質量%)を算出した。
式1:割合A=(篩A上の残留トナーの質量)×100/3[質量%]
式2:割合B=(篩B上の残留トナーの質量)×100/3[質量%]
式3:割合C=(篩C上の残留トナーの質量)×100/3[質量%]
式4:凝集度=割合A+割合B×3/5+割合C×1/5[質量%]
本実施例では、凝集度2%未満を○(非常に良い)と判断し、凝集度2%以上15%未満を△(良い)と判断し、凝集度15%以上を×(良くない)と判断した。
(定着性能)
評価機として、定着温度を調節できるように改造した定着器(定着治具)を設けたプリンター(京セラドキュメントソリューションズ社製「TASKalfa 5550ci」)を用いた。現像剤を評価機の現像器に投入し、トナーを評価機のトナーコンテナに投入した。そして、評価機により線速266mm/秒で紙を搬送し、搬送しながら紙(モンディ社製「カラーコピー90」)に0.4mg/cm2のトナーを現像した。そして、定着器の定着温度を徐々に上昇させてホットオフセットの生じない温度範囲(非オフセット域)を測定した。具体的には、目視により評価機の定着ローラーにトナーが付着していると確認された場合にホットオフセットが生じたと判断した。
本実施例では、非オフセット域40℃以上を○(良い)と判断し、非オフセット域40℃未満を×(良くない)と判断した。
(現像性能)
等分割された6極の磁石(40mT)を内側に有するローラーとローラーに対向する電極とを備えたトナー分離治具を用いてトナーの電界応答性を評価した。電極にバイアスを印加するとトナー粒子が移動して電極上で電荷の変化が生じる。そこで、印加バイアスDC+3kV、トナー量0.3gの条件で、電荷の変化量を測定した。そして、電荷の変化量に基づいて、飽和量に対する1秒間に飛翔したトナー量の割合(以下、飛翔トナー量の割合と記載する)を算出した。
本実施例では、飛翔トナー量の割合85%以上を○(非常に良い)と判断し、飛翔トナー量の割合80%以上85%未満を△(良い)と判断し、飛翔トナー量の割合80%未満を×(良くない)と判断した。
[評価結果]
表1に、本実施例に係る調製方法により得た現像剤A〜Xの評価結果をまとめて示す。表1中、熱可塑性樹脂の濃度、ワックス顔料濃度、及び熱硬化性樹脂の濃度はそれぞれ、樹脂、ワックス、顔料、及び有機溶媒の合計量に対する割合を示している。
Figure 0006006703
(粒子径)
中位径(体積分布基準)は、現像剤Aでは4.63μm、現像剤Bでは4.56μm、現像剤Cでは4.02μm、現像剤Dでは3.89μm、現像剤Eでは4.98μm、現像剤Fでは4.58μm、現像剤Gでは4.64μm、現像剤Hでは4.55μm、現像剤Iでは4.62μm、現像剤Jでは4.54μm、現像剤Kでは5.32μm、現像剤Lでは4.63μm、現像剤Mでは4.52μm、現像剤Nでは4.78μm、現像剤Oでは5.25μm、現像剤Pでは2.75μm、現像剤Qでは6.77μm、現像剤Rでは9.45μm、現像剤Sでは4.59μm、現像剤Tでは4.62μm、現像剤Uでは9.27μm、現像剤Vでは4.48μm、現像剤Wでは4.53μm、現像剤Xでは4.61μmであった。
(保存性能)
現像剤A〜K、O、Q、R、Tでは、凝集度が2質量%未満であった。現像剤L、M、N、W、Xでは、凝集度が2質量%以上15質量%未満であった。現像剤P、S、U、Vでは、凝集度が15質量%以上であった。
(定着性能)
現像剤A〜K、M、N、O、Q、S、U、W、Xでは、非オフセット域の幅(最高温度と最低温度との差)が40℃以上であった。現像剤L、P、R、T、Vでは、非オフセット域の幅が40℃未満であった。
(現像性能)
現像剤A〜J、M、N、Tでは、飛翔トナー量の割合が85質量%以上であった。現像剤K、L、O、Xでは、飛翔トナー量の割合が80質量%以上85質量%未満であった。現像剤P〜S、U〜Wでは、飛翔トナー量の割合が80質量%未満であった。現像剤Q、R、Uについては、粒度分布が極端に広くなったため、測定できなかった。
以上説明したように、現像剤A〜R、T〜Xの調製方法は、トナーの製造に関し、有機溶媒中に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を溶解させるステップと、水媒体中に有機溶媒の溶解物を入れて微粒子化するステップと、微粒子化により形成された微粒子の表面に、溶解させた熱硬化性樹脂を成膜するステップとを含む。詳しくは、予め有機溶媒中に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を溶解させ、安定条件下でコア11の微粒子を生成(微粒子化)した後、溶媒を留去しながら微粒子の表面に熱硬化性樹脂が吸着して重合反応(成膜反応)が起きる条件にすることによりシェル層12を形成した。
こうしたトナーの製造方法では、成膜工程で熱硬化性樹脂を加える必要がないため、製造工程が簡素になる。また、上記実施例に示すように、こうした製造方法は、多種多様なトナーの製造に適用することができる。
現像剤A〜R、T〜Xの調製方法では、ケミカル法でトナーを製造する。詳しくは、モノマーから重合させたりポリマーから粒子成長させたりして、着色剤、荷電制御剤、又はワックス等を微粒子から造粒する。ケミカル法は、省エネルギー性及び環境性に優れており、粉砕法よりも少ないエネルギーで造粒が可能である。また、分散媒が存在することで、低溶融の樹脂の取扱いが容易になる。また、形状、大きさ、又は組成などについて、トナーが最大限の機能を発揮できるような粒子設計が容易である。
現像剤A〜R、T〜Xの調製方法では、低溶融粘度の熱可塑性樹脂を硬い熱硬化性樹脂で被覆することで、定着性及び保存性の両方に優れたトナーが得られる。また、シェル層12を安定形成することが可能であり、シェル層12の分離(剥離)を抑制することが可能になる。また、こうしたトナーを電子写真装置で用いることにより、電子写真画像の画質を銀塩写真又は印刷物の画質に近づけることが可能になる。
現像剤A〜R、T〜Xの調製方法では、成膜中のpHを微粒子化中のpHよりも小さくしている。詳しくは、微粒子化中のpHと比べて成膜中のpHを5以上小さくしている。微粒子化中のpHと成膜中のpHとを調整することで、微粒子化のステップでは熱硬化性樹脂の成膜を抑制しながら微粒子化を促進することが可能になり、さらに微粒子化後に微粒子の表面に熱硬化性樹脂を好適に成膜することが可能になる。
現像剤A〜R、T〜Xの調製方法では、成膜中の温度を微粒子化中の温度よりも高くしている。多くの現像剤では、微粒子化中の温度と比べて成膜中の温度を30℃以上高くしている。微粒子化中の温度と成膜中の温度とを調整することで、微粒子化のステップでは熱硬化性樹脂の成膜を抑制しながら微粒子化を促進することが可能になり、さらに微粒子化後に微粒子の表面を熱硬化性樹脂によって好適に被膜することが可能になる。
現像剤A〜T、V〜Xの調製方法では、微粒子化終了時のpHは9.0以上である。微粒子化中のpHが9.0以上であれば、熱可塑性樹脂の酸基が解離し易くなり、微粒子化が促進されると考えられる。その結果、現像性等が向上し易くなると考えられる。なお、微粒子化が進むとpHは小さくなる傾向にある。
現像剤A〜K、M〜U、W、Xの調製方法では、微粒子化中の温度(有機溶媒の温度)が50℃以下である。微粒子化中の温度が50℃以下であれば、溶媒が気化しにくくなる。そのため、溶媒に対する熱硬化性樹脂の溶解度は高く維持され、微粒子化中において不要な熱硬化性樹脂の成膜が起きにくくなる。その結果、成膜工程において熱硬化性樹脂の成膜が好適に行われるようになる。
現像剤A〜Xの調製方法では、反応(成膜)終了時のpHが4以下である。反応(成膜)終了時のpHが4以下であれば、熱硬化性樹脂の膜化又は重合反応が起き易くなる。なお、反応(成膜)が進むとpHは小さくなる傾向にある。
現像剤A〜V、Xの調製方法では、成膜中の温度(水媒体の温度)が75℃以上である。成膜中の温度が75℃以上であれば、熱硬化性樹脂の膜化又は重合反応が起き易くなる。
現像剤A〜F、H〜N、P、Q、S〜Xの調製方法では、熱可塑性樹脂が酸価20以上のポリエステル樹脂である。酸価が20以上であれば、微粒子化が促進されると考えられる。その結果、現像性等が向上し易くなると考えられる。なお、熱可塑性樹脂の粘度を適正な大きさにするためには、熱可塑性樹脂が酸価20以上70以下のポリエステル樹脂であることがより好ましい。
現像剤A〜R、T〜Xの調製方法では、熱硬化性樹脂がメラミン樹脂又は尿素樹脂である。こうした熱硬化性樹脂によれば、優れた保存性等が得られ易くなる。
現像剤A〜R、T〜Xの調製方法では、有機溶媒が、2−ブタノン(エチルメチルケトン)、テトラヒドロフラン、又は酢酸エチルである。熱可塑性樹脂の微粒子化及び熱硬化性樹脂の成膜を好適に行うためには、こうした有機溶媒が好ましい。
現像剤A〜O、R〜Xの調製方法では、微粒子化において、熱可塑性樹脂の有機溶媒に対する濃度が10質量%〜48質量%の範囲に入るように乳化している。こうした調製方法では、微粒子化が促進されると考えられる。その結果、現像性等が向上し易くなると考えられる。
本発明は上記実施例には限定されない。少なくとも、有機溶媒中に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を溶解させるステップと、水媒体中に有機溶媒の溶解物を入れて微粒子化するステップと、微粒子化により形成された微粒子の表面に、溶解させた熱硬化性樹脂を成膜するステップとを含むトナーの製造方法であれば、成膜工程で熱硬化性樹脂を加える必要がないため、少ない工程で良質のトナーを製造することが可能になる。また、低コストで良質のトナーを製造することが可能になる。
本発明に係るトナーの製造方法は、画像形成に用いるトナーの製造に適している。
10 トナー粒子
11 コア
11a 結着樹脂
11b 内添剤
12 シェル層
13 外添剤

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂を含むコアと、前記コアの表面に形成され、メラミン樹脂を含むシェル層と、を含むトナー粒子を含むトナーを製造する方法であって、
    前記熱可塑性樹脂と前記メラミン樹脂の材料とを含み、シリルイソシアネート化合物を含まない有機溶媒を準備するステップと、
    水媒体と前記有機溶媒とを混ぜて混合液を得た後、前記混合液中の前記熱可塑性樹脂を微粒子化して、前記熱可塑性樹脂を含むコアを得る微粒子化ステップと、
    前記微粒子化ステップの後、新たに熱硬化性樹脂の材料を前記混合液に加えることなく、前記混合液のpHを小さくし、かつ、前記混合液の温度を高くすることにより、前記混合液中の前記メラミン樹脂の材料の重合反応を引き起こして、前記重合反応により前記混合液中の前記メラミン樹脂の材料を樹脂化して、前記混合液中で、前記コアの表面に、前記メラミン樹脂を含むシェル層を成膜するシェル層形成ステップと、
    を含む、トナーの製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂を含むコアと、前記コアの表面に形成され、尿素樹脂を含むシェル層と、を含むトナー粒子を含むトナーを製造する方法であって、
    前記熱可塑性樹脂と前記尿素樹脂の材料とを含み、シリルイソシアネート化合物を含まない有機溶媒を準備するステップと、
    水媒体と前記有機溶媒とを混ぜて混合液を得た後、前記混合液中の前記熱可塑性樹脂を微粒子化して、前記熱可塑性樹脂を含むコアを得る微粒子化ステップと、
    前記微粒子化ステップの後、新たに熱硬化性樹脂の材料を前記混合液に加えることなく、前記混合液のpHを小さくし、かつ、前記混合液の温度を高くすることにより、前記混合液中の前記尿素樹脂の材料の重合反応を引き起こして、前記重合反応により前記混合液中の前記尿素樹脂の材料を樹脂化して、前記混合液中で、前記コアの表面に、前記尿素樹脂を含むシェル層を成膜するシェル層形成ステップと、
    を含む、トナーの製造方法。
  3. 前記微粒子化終了時のpHは9.0以上である、請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記微粒子化中の温度は50℃以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  5. 前記成膜終了時のpHが4以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  6. 前記シェル層形成ステップにおける温度が75℃以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  7. 前記有機溶媒は、エチルメチルケトン、テトラヒドロフラン、又は酢酸エチルである、請求項1〜のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  8. 前記熱可塑性樹脂はポリエステル樹脂又はスチレンアクリル樹脂である、請求項1〜のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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