JP6019002B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、トナーに関し、特にカプセルトナーに関する。
特許文献1にはカプセルトナーが開示されている。カプセルトナーは、コアと、コアの表面に形成されたシェル層(カプセル層)とから構成される。
特開2004−294469号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、帯電量、画像濃度、及びトナー飛散量(落下トナー量)のいずれにも優れるトナーを得ることは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、帯電量、画像濃度、及びトナー飛散量(落下トナー量)のいずれにも優れるトナーを提供することを目的とする。
本発明に係るトナーは、コアと前記コアの表面に形成されたシェル層とを有するトナー粒子を複数含む。そして、トナー粒子の断面をEELS分析した場合に、本発明に係るトナーは、強度INsに対する強度INcの比率が0.0以上0.2以下である条件を満たす厚さ5nm以上のシェル層が前記断面の周長の80%以上に存在するトナー粒子を80個数%以上の割合で含む。さらに、本発明に係るトナーは、強度ISsに対する強度IScの比率が0.0以上0.2以下である条件を満たす厚さ5nm以上のシェル層が断面の周長の80%以上に存在するトナー粒子を80個数%以上の割合で含む。前記強度INsは、シェル層に含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度を示す。前記強度INcは、コアに含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度を示す。前記強度ISsは、シェル層に含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度を示す。前記強度IScは、コアに含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度を示す。
本発明によれば、帯電量、画像濃度、及びトナー飛散量(落下トナー量)のいずれにも優れるトナーを提供することが可能になる。
本発明の実施形態に係るトナーを構成するトナー粒子を示す図である。 S字カーブから軟化点を読み取る方法を説明するための図である。 本発明の実施例において、試料の断面の一例を示すTEM写真である。 本発明の実施例において、EELS強度マップの作成(マッピング)方法を説明するための図である。 本発明の実施例において、EELS強度のマッピング画像の一例を示す図である。 本発明の実施例において、コアのEELS強度の測定方法を説明するための図である。 本発明の実施例において、コアのEELS強度の測定方法を説明するための図である。 本発明の実施例において、シェル層の長さの測定方法を説明するための図である。 本発明の実施例において、コアの被覆率の算出方法を説明するための図である。 (a)及び(b)はそれぞれ、本発明の実施例において、コアの被覆率の算出方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係るトナーは、静電荷像現像用のカプセルトナーである。本実施形態のトナーは、多数の粒子(以下、トナー粒子という)から構成される。本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置で用いることができる。
電子写真装置では、トナーを含む現像剤を用いて静電荷像を現像する。これにより、感光体上に形成された静電潜像に、帯電したトナーが付着する。そして、付着したトナーを転写ベルトに転写した後、さらに転写ベルト上のトナー像を例えば紙に転写し、熱によりトナーを紙に定着させる。これにより、紙に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを用いてそれぞれのトナー像を重ね合わせれば、フルカラー画像を得ることができる。
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナー(特にトナー粒子)の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーを構成するトナー粒子10を示す図である。
図1に示すように、トナー粒子10は、コア11と、コア11の表面に形成されたシェル層12(カプセル層)と、外添剤13とから構成される。
コア11は、結着樹脂11aと、内添剤11b(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)とから構成される。コア11は、シェル層12によって被覆されている。シェル層12の表面には外添剤13が付着している。
ただし、トナー粒子の構成は上記に限られない。例えば、必要がなければ内添剤11b又は外添剤13を割愛してもよい。また、トナー粒子は、コア11の表面に複数のシェル層12を有していてもよい。積層された複数のシェル層12をトナー粒子が有する場合には、複数のシェル層12のうち最外のシェル層12がカチオン性を有することが好ましい。
コア11がアニオン性を有し、シェル層12がカチオン性を有することが好ましい。コア11がアニオン性を有することで、シェル層12の形成時にカチオン性のシェル層12の材料をコア11の表面に引き付けることが可能になる。詳しくは、例えば水性媒体中で負に帯電するコア11と水性媒体中で正に帯電するシェル層12の材料とが相互に電気的に引き寄せられ、例えばin−situ重合によりコア11の表面にシェル層12が形成される。これにより、分散剤を用いて水性媒体中にコア11を高度に分散させずとも、コア11の表面に均一なシェル層12を形成し易くなる。
コア11においては、コア成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂11aが占める。このため、結着樹脂11aの極性がコア11全体の極性に大きな影響を与える。例えば結着樹脂11aがエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有している場合には、コア11はアニオン性になる傾向が強くなり、例えば結着樹脂11aがアミノ基、アミン、又はアミド基を有している場合には、コア11はカチオン性になる傾向が強くなる。
本実施形態においてコア11がアニオン性であることの指標は、pHが4に調整された水性媒体中で測定されるコア11のゼータ電位が負極性を示すことである。コア11とシェル層12との結合を強めるためには、コア11のpH4におけるゼータ電位が0Vよりも小さく、トナー粒子10のpH4におけるゼータ電位が0Vよりも大きいことが好ましい。なお、本実施形態においてpH4はシェル層12を形成する時のpHに相当する。
ゼータ電位の測定方法としては、例えば電気泳動法、超音波法、又はESA(電気音響)法が挙げられる。
電気泳動法は、粒子分散液に電場を印加して分散液中の帯電粒子を電気泳動させ、電気泳動速度に基づきゼータ電位を算出する方法である。電気泳動法としては、例えばレーザードップラー法(電気泳動している粒子にレーザー光を照射し、得られた散乱光のドップラーシフト量から電気泳動速度を求める方法)が挙げられる。レーザードップラー法は、分散液中の粒子濃度を高濃度とする必要がなく、ゼータ電位の算出に必要なパラメーターの数が少なく、加えて電気泳動速度を感度よく検出できるという利点を有する。
超音波法は、粒子分散液に超音波を照射して分散液中の帯電粒子を振動させ、この振動によって生じる電位差に基づきゼータ電位を算出する方法である。
ESA法では、粒子分散液に高周波電圧を印加して分散液中の帯電粒子を振動させて超音波を発生させる。そして、その超音波の大きさ(強さ)からゼータ電位を算出する。
超音波法及びESA法は、粒子濃度が高い(例えば、20質量%を超える)粒子分散液であっても、ゼータ電位を感度よく測定することができるという利点を有する。
本実施形態ではコア11もシェル層12も分散剤(界面活性剤)を有しない。一般に、分散剤は排水負荷が高い。分散剤を用いなければ、洗浄工程での水の使用量を削減できる。また、分散剤を用いなければ、トナー粒子10を製造する際に排出される排水を希釈することなく、排水の全有機炭素(TOC)濃度を15mg/L以下の低いレベルにすることが可能となる。
なお、生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、又は全有機炭素(TOC)濃度を測定することによって、廃水中の有機物成分(例えば、未反応のモノマー、プレポリマー、又は分散剤)を測定することができる。中でも、TOC濃度に基づけば、有機物全般を安定的に測定することができる。また、TOC濃度を測定することで、廃水(反応後のろ過液及び洗浄液の全体)中のカプセル化に寄与しなかった有機成分の量を特定することができる。
以下、トナー粒子10を構成するコア11の全体構成、コア11の成分(結着樹脂11a及び内添剤11b)、シェル層12、及び外添剤13について、順に説明する。
[コア]
コア11は、結着樹脂11a及び内添剤11b(着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含む。ただし、トナーの用途に応じて必要のない成分(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、又は磁性粉)を割愛してもよい。
[結着樹脂(コア)]
以下、結着樹脂11aについて説明する。
結着樹脂11aが強いアニオン性を得るためには、結着樹脂11aの水酸基価(OHV値)及び酸価(AV値)がそれぞれ10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがより好ましい。
結着樹脂11aのガラス転移点(Tg)は、シェル層12に含まれる熱硬化性樹脂の硬化開始温度以下であることが好ましい。こうした結着樹脂11aを用いれば、高速定着時においても十分な定着性が得られる。熱硬化性樹脂(特にメラミン系の樹脂)の硬化開始温度は55℃程度であることが多い。結着樹脂11aのTgは、20℃以上であることが好ましく、30℃以上55℃以下であることがより好ましく、30℃以上50℃以下であることがさらに好ましい。結着樹脂11aのTgが20℃以上であるとシェル層12の形成時にコア11が凝集しにくくなる。
結着樹脂11aのTgは、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツル株式会社製「DSC−6200」)を用いて結着樹脂11aの吸熱曲線を測定することにより、吸熱曲線における比熱の変化点から求めることができる。詳細には、測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25℃〜200℃かつ昇温速度10℃/分の条件で結着樹脂11aの吸熱曲線を求め、得られた吸熱曲線に基づいてTgを求める方法が例として挙げられる。
結着樹脂11aの軟化点(Tm)は100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。結着樹脂11aのTmが100℃以下(より好ましくは80℃以下)であることで、高速定着時においても十分な定着性を得ることが可能になる。また、異なるTmを有する複数の結着樹脂を組み合わせることで、結着樹脂11aのTmを調整することができる。
結着樹脂11aのTmの測定には、高架式フローテスター(例えば、島津製作所社製「CFT−500D」)を用いることができる。例えば、測定試料を高架式フローテスターにセットし、所定の条件で試料を溶融流出させてS字カーブ(温度(℃)/ストローク(mm)に関するS字カーブ)を求め、得られたS字カーブから結着樹脂11aのTmを読み取る。
図2を参照して、S字カーブから結着樹脂11aのTmを読み取る方法について説明する。図2はS字カーブの一例を示すグラフである。
図2において、S1はストロークの最大値を示し、S2は低温側のベースラインのストローク値を示す。S字カーブ中のストロークの値が(S1+S2)/2となる温度を測定試料のTmとする。
図1を参照して説明を続ける。
結着樹脂11aは、例えば官能基としてエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、メチル基、カルボキシル基、又はアミノ基を有する樹脂から構成されることが好ましい。結着樹脂11aとしては、分子中に水酸基、カルボキシル基、又はアミノ基のような官能基を有する樹脂が好ましく、分子中に水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂がより好ましい。このような官能基を有するコア11(結着樹脂11a)は、シェル層12の材料(例えば、メチロールメラミン)と反応して化学的に結合し易くなる。こうした化学的な結合が生じると、コア11とシェル層12との結合が強固になる。
結着樹脂11aとしては、熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂の好適な例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、又はスチレン−ブタジエン系樹脂が挙げられる。中でも、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル樹脂はそれぞれ、トナー中の着色剤の分散性、トナーの帯電性、及び被記録媒体に対する定着性に優れる。
(スチレンアクリル系樹脂)
以下、結着樹脂11aとしてのスチレンアクリル系樹脂について説明する。
スチレンアクリル系樹脂は、例えばスチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。
スチレン系単量体の好適な例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、又はp−エチルスチレンが挙げられる。
アクリル系単量体の好適な例としては、(メタ)アクリル酸、特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)メタアクリル酸メチル、(メタ)メタアクリル酸エチル、(メタ)メタアクリル酸n−ブチル、又は(メタ)メタアクリル酸iso−ブチルが好ましい。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシプロピルが好ましい。
スチレンアクリル系樹脂を調製する際に、水酸基を有する単量体(例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル)を用いることで、スチレンアクリル系樹脂に水酸基を導入できる。例えば、水酸基を有する単量体の使用量を適宜調整することで、得られるスチレンアクリル系樹脂の水酸基価を調整することができる。
スチレンアクリル系樹脂を調製する際に、(メタ)アクリル酸を単量体として用いることで、スチレンアクリル系樹脂にカルボキシル基を導入できる。例えば、(メタ)アクリル酸の使用量を適宜調整することで、得られるスチレンアクリル系樹脂の酸価を調整することができる。
コア11の強度又は定着性を向上させるためには、結着樹脂11aとしてのスチレンアクリル系樹脂の数平均分子量(Mn)が2000以上3000以下であることが好ましい。スチレンアクリル系樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は10以上20以下であることが好ましい。結着樹脂11aのMnとMwの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
(ポリエステル樹脂)
以下、結着樹脂11aとしてのポリエステル樹脂について説明する。
ポリエステル樹脂は、例えば2価又は3価以上のアルコール成分と2価又は3価以上のカルボン酸成分とを縮重合や共縮重合することで得られる。
ポリエステル樹脂の2価又は3価以上のアルコール成分の好適な例としては、ジオール類、ビスフェノール類、又は3価以上のアルコール類が挙げられる。
ジオール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが好ましい。
ビスフェノール類としては、例えばビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、又はポリオキシプロピレン化ビスフェノールAが好ましい。
3価以上のアルコール類としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが好ましい。
ポリエステル樹脂の2価又は3価以上のカルボン酸成分としては、例えばエステル形成性の誘導体(例えば、酸ハライド、酸無水物、又は低級アルキルエステル)を用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1〜6のアルキル基を意味する。
2価カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、又はアルキルもしくはアルケニルコハク酸が好ましい。さらに、アルケニルコハク酸としては、例えばn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸が好ましい。
3価以上のカルボン酸としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が好ましい。
ポリエステル樹脂を製造する際に、2価又は3価以上のアルコール成分の使用量と2価又は3価以上のカルボン酸成分の使用量とをそれぞれ適宜変更することで、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価を調整することができる。また、ポリエステル樹脂の分子量を上げると、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価は低下する傾向がある。
コア11の強度又は定着性を向上させるためには、結着樹脂11aとしてのポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1200以上2000以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は9以上20以下であることが好ましい。結着樹脂11aのMnとMwの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
[着色剤(コア)]
以下、コア11(内添剤11b)に含まれる着色剤について説明する。
着色剤としては、例えばトナー粒子10の色に合わせて公知の顔料や染料を用いることができる。着色剤の使用量は、100質量部の結着樹脂11aに対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
(黒色着色剤)
本実施形態に係るトナー粒子10のコア11は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤は、例えばカーボンブラックから構成される。また、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤のような着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も利用できる。
(カラー着色剤)
本実施形態に係るトナー粒子10のコア11は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤は、例えば縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、又はアリルアミド化合物から構成されることが好ましい。イエロー着色剤としては、例えばC.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ネフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローが好ましい。
マゼンタ着色剤は、例えば縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、又はペリレン化合物から構成されることが好ましい。マゼンタ着色剤としては、例えばC.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)が好ましい。
シアン着色剤は、例えば銅フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン誘導体、アントラキノン化合物、又は塩基染料レーキ化合物から構成されることが好ましい。シアン着色剤としては、例えばC.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーが好ましい。
[離型剤(コア)]
以下、コア11(内添剤11b)に含まれる離型剤について説明する。
離型剤は、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は100質量部の結着樹脂11aに対して1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
一例では、離型剤が、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、酸化ポリエチレンワックス、又は酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物から構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、オゾケライト、セレシン、又はベトロラクタムのような鉱物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類から構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスから構成されることが好ましい。
[電荷制御剤(コア)]
以下、コア11(内添剤11b)に含まれる電荷制御剤について説明する。
本実施形態ではコア11がアニオン性(負帯電性)を有するため、コア11では負帯電性の電荷制御剤が使用される。電荷制御剤は、帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性又は安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。帯電立ち上がり特性は、所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標になる。
[磁性粉(コア)]
以下、コア11(内添剤11b)に含まれる磁性粉について説明する。
トナーを1成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー全量100質量部に対して35質量部以上60質量部以下であることが好ましく、40質量部以上60質量部以下であることがより好ましい。また、トナーを2成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー全量100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。
磁性粉は、例えば鉄(フェライト又はマグネタイト)、強磁性金属(コバルト又はニッケル)、鉄及び/又は強磁性金属を含む合金、鉄及び/又は強磁性金属を含む化合物、熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金、又は二酸化クロムから構成されることが好ましい。
磁性粉の粒子径は、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。こうした範囲に磁性粉の粒子径がある場合には、結着樹脂11a中に磁性粉を均一に分散させ易くなる。
[シェル層]
シェル層12の材料としては、水に分散する材料が好ましい。
シェル層12は熱硬化性樹脂から構成されることが好ましく、強度、硬度、又はカチオン性を向上させるためには、窒素原子を含む樹脂又はその誘導体から構成されることがより好ましい。シェル層12が窒素原子を含む場合には、シェル層12が正帯電し易くなる。カチオン性を強くするためには、シェル層12中の窒素原子の含有量が10質量%以上であることが好ましい。
シェル層12を構成する熱硬化性樹脂としては、例えばメラミン樹脂、尿素(ユリア)樹脂、スルホアミド樹脂、グリオキザール樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹脂、又はこれら各樹脂の誘導体が好ましい。メラミン樹脂の誘導体では、例えばメチロールメラミンが好ましい。グアナミン樹脂の誘導体では、例えばベンゾグアナミン、アセトグアナミン、又はスピログアナミンが好ましい。
シェル層12を構成する熱硬化性樹脂としては、例えば窒素元素を分子骨格に有するポリイミド樹脂、マレイド系重合体、ビスマスイミド、アミノビスマスイミド、又はビスマスイミドトリアジンが好ましい。
シェル層12を構成する熱硬化性樹脂としては、アミノ基を含む化合物とアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)との重縮合によって生成される樹脂(以下、アミノアルデヒド樹脂という)、又はアミノアルデヒド樹脂の誘導体が特に好ましい。なお、メラミン樹脂は、例えばメラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物である。尿素樹脂は、例えば尿素とホルムアルデヒドとの重縮合物である。グリオキザール樹脂は、例えばグリオキザールと尿素との反応物とホルムアルデヒドとの重縮合物である。
シェル層12の厚さは、1nm以上20nm以下であることが好ましく、1nm以上10nm以下であることがより好ましい。
シェル層12の厚さが20nm以下であると、トナーを被記録媒体へ定着させる際の加熱加圧等によって、シェル層12が容易に破壊されるようになる。その結果、コア11に含まれる結着樹脂11a及び離型剤の軟化又は溶融が速やかに進行し、低温域でトナーを被記録媒体に定着することが可能になる。さらに、シェル層12の厚さが20nm以下であるとシェル層12の帯電性が強くなり過ぎないため、画像が適正に形成される。
一方、シェル層12の厚さが1nm以上であると、十分な強度を有するものとなり輸送時の衝撃等によってシェル層12の破壊を抑制することができる。
シェル層12の厚さは、市販の画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてトナー粒子10の断面のTEM撮影像を解析することによって計測できる。
なお、本実施形態ではシェル層12がカチオン性(正帯電性)を有するため、シェル層12では正帯電性の電荷制御剤を使用できる。
[外添剤]
以下、外添剤13について説明する。以下、外添剤13により処理される前の粒子を「トナー母粒子」と記載する。
外添剤13は、トナー粒子10の流動性又は取扱性を向上させるために使用され、シェル層12の表面に付着する。流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤13の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましく、2質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
外添剤13は、例えばシリカ又は金属酸化物(例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、もしくはチタン酸バリウム)から構成されることが好ましい。
流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤13の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子10の断面をEELS分析した場合に、シェル層12に含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度INsに対するコア11に含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度INcの比率(INc/INs)が0.0以上0.2以下である条件を満たす厚さ5nm以上のシェル層12が断面の周長の80%以上に存在するトナー粒子10を80個数%以上の割合で含む。さらに、本実施形態に係るトナーは、シェル層12に含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度ISsに対するコア11に含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度IScの比率(ISc/ISs)が0.0以上0.2以下である条件を満たす厚さ5nm以上のシェル層12が断面の周長の80%以上に存在するトナー粒子10を80個数%以上の割合で含む。
本実施形態に係るトナーは、帯電量、画像濃度、及びトナー飛散量(落下トナー量)のいずれにも優れる。
本発明の実施例について説明する。本実施例では、トナーA〜Iについて評価した(後述の表1参照)。以下、トナーA〜Iの調製方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。
[トナーAの調製方法]
<コアの作製>
以下、トナーAの調製方法においてコア11を作製する手順について説明する。
トナーAの調製方法では、混合機(日本コークス工業株式会社製「ヘンシェルミキサー」)を用いて、低粘度ポリエステル樹脂750gと、中粘度ポリエステル樹脂100gと、高粘度ポリエステル樹脂150gと、離型剤55gと、着色剤40gとを、混合時間5分、回転速度2400rpmで混合した。
低粘度ポリエステル樹脂において、Tgは38℃、Tmは65℃である。中粘度ポリエステル樹脂において、Tgは53℃、Tmは84℃である。高粘度ポリエステル樹脂において、Tgは71℃、Tmは120℃である。
着色剤としては、DIC株式会社製の「KET Blue111」(フタロシアニンブルー)を用いた。離型剤としては、株式会社加藤洋行製の「カルナバワックス1号」を用いた。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料投入量5kg/時、軸回転速度160rpm、設定温度範囲100℃以上130℃以下の条件で溶融混練した。その後、得られた溶融混練物を冷却した。
続けて、機械式粉砕機(株式会社東亜機械製作所製「ロートプレックス16/8型」)を用いて溶融混練物を粗粉砕した。さらに、ジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製「超音波ジェットミルI型」)を用いて粗粉砕物を微粉砕した。続けて、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて微粉砕物を分級した。これにより、中位径(体積分布基準)6.0μmのコア11が得られた。コア11はアニオン性を有していた。
<シェル層の形成>
以下、トナーAの調製方法においてシェル層12を形成する手順について説明する。
まず、シェル層12の形成に用いたCCR−Aの合成方法について説明する。CCR−Aは水溶性を有する。
(CCR−Aの合成方法)
ビニルスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製「V0043」)20gと、アクリル酸ナトリウム(浅田化学工業株式会社製「Na−AA」)70gと、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業株式会社製「V−50」)10gとを、精製水500gに溶解させた。そして、得られた溶解物を1Lのセパラブルフラスコに移して、攪拌しながら60℃で1時間反応させた。その後、得られた反応物を冷却した。続けて、1Lのビーカーに入った600mLのエタノール(和光純薬工業株式会社製「エタノール特級」)にフラスコ内の反応物10gを投入した。これにより、ビーカー内に白色の沈殿が得られた。続けて、得られた沈殿物を濾別及び乾燥した。その結果、水溶性を有するCCR−Aが得られた。CCR−Aはビニルスルホン酸ナトリウム/アクリル酸ナトリウム共重合体であった。
(重合)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコを準備し、ウォーターバスを用いてフラスコ内温を30℃に保った。そして、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れ、さらに希塩酸を加えて、フラスコ内の水性媒体のpHを4に調整した。
続けて、水溶性メチロールメラミン(日本カーバイド工業株式会社製「ニカレヂンS−260」)を1.8g、CCR−Aを0.060g、それぞれフラスコ内に添加し、フラスコ内容物を攪拌して水溶性メチロールメラミン(メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物)及びCCR−Aを水性媒体に溶解させた。
続けて、フラスコ内に前述の手順で作製した300gのコア11を添加し、フラスコ内容物を十分攪拌した。
続けて、フラスコ内にイオン交換水300mLを追加し、フラスコの内容物を攪拌しながら1℃/分の速度でフラスコ内の温度を70℃まで上げて70℃の状態を2時間保った。
上記のように温度70℃で2時間放置した結果、コア11表面に熱硬化性樹脂(メラミン樹脂)から構成されるカチオン性のシェル層12が形成された。シェル層12の厚さは6.2nmであった。その後、水酸化ナトリウムを加えてフラスコ内容物のpHを7に調整(中和)した。これにより、熱硬化性樹脂の硬化反応が止まった。続けて、フラスコ内容物を常温(25℃)まで冷却し、トナー母粒子を含む分散液を得た。
(洗浄及び乾燥)
トナー母粒子(コア11及びシェル層12)の形成後、分散液をろ過(固液分離)してトナー母粒子を得た。その後、イオン交換水を用いてトナー母粒子を洗浄した。さらに、洗浄とろ過とを繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。その後、トナー母粒子を乾燥した。ろ過後のろ液の導電率は4μS/cmであった。導電率の測定には、堀場製作所社製の電気伝導率計「HORIBA ES−51」を用いた。
(外添)
上記乾燥工程により得られたトナー母粒子に対して0.5質量%の割合で外添剤13としての乾式シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「REA90」)を混合した。これにより、トナー粒子10を多数有するトナーAが得られた。
[トナーBの調製方法]
トナーBの調製方法は、シェル層12の形成において、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が5.7nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
[トナーCの調製方法]
トナーCの調製方法は、シェル層12の形成において、CCR−Aの添加量を0.060gから0.048gに変更し、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が6.5nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
[トナーDの調製方法]
トナーDの調製方法は、シェル層12の形成において、CCR−Aの添加量を0.060gから0.048gに変更し、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が5.5nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
[トナーEの調製方法]
トナーEの調製方法は、シェル層12の形成において、CCR−Aに代えてCCR−Bを用いて、CCR−Bの添加量を0.048gとし、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が5.8nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
以下、CCR−Bの合成方法について説明する。CCR−Bは水溶性を有する。
スチレンスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製「スチレンスルホン酸ナトリウム特級」)20gと、ヒドロキシエチルメタクリレート70gと、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業株式会社製「V−50」)10gとを、精製水500gに溶解させた。そして、得られた溶解物を、前述したCCR−Aと同じ条件で、重合、濾別、及び乾燥した。これにより、水溶性を有するCCR−Bが得られた。
[トナーFの調製方法]
トナーFの調製方法は、シェル層12の形成において、CCR−Aを使用せず、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が6.0nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
[トナーGの調製方法]
トナーGの調製方法は、シェル層12を形成しなかった以外は、トナーAの調製方法と同じである。
[トナーHの調製方法]
トナーHの調製方法は、シェル層12の形成において、CCR−Aの添加量を0.060gから0.045gに変更し、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が6.3nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
[トナーIの調製方法]
トナーIの調製方法は、シェル層12の形成において、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が4.5nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
[評価方法]
評価方法は、以下の通りである。
(コアの被覆率)
トナー粒子10を常温硬化性のエポキシ樹脂中に分散し、40℃の雰囲気にて2日間硬化させて硬化物を得た。この硬化物を四酸化オスミウムにて染色した後、ダイヤモンドナイフを備えたミクロトーム(ライカ社製「EM UC6」)を用いて切り出し、厚さ200nmの薄片試料を得た。そして、電界放出形透過電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JEM−2100F」)を用いて加速電圧200kVの条件で上記試料の断面を撮影した。図3は、試料の断面の一例を示すTEM写真である。本実施例では、TEM撮影像から無作為に選んだ100個のトナー粒子10を測定試料とした。ただし、TEM撮影された断面(トナー粒子10)のうち、最も長い直径が3μm未満である断面(トナー粒子10)は、測定対象から除外した。
続けて、エネルギー分解能1.0eV、ビーム径1.0nmの電子エネルギー損失分光法(EELS)検出器(ガタン社製「GIF TRIDIEM(登録商標)」)と、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF 5.5.0」)とを用いてTEM撮影像を解析した。詳しくは、シェル層12に含まれる元素(炭素、酸素、窒素、及び硫黄)のEELS強度マップを作成した。画像(TEM撮影像)上の1ピクセルのサイズは5nm角であった。
以下、主に図4及び図5を参照して、EELS強度マップの作成(マッピング)について説明する。
まず、図4に示すように、画像解析ソフトウェア(WinROOF)を用いてトナー粒子10の重心Gを特定した。続けて、重心Gから放射状に線を引いてトナー粒子10の表面を30個の領域Rに分割した。そして、分割部分(領域R)の各々についてEELS検出器を用いて炭素、酸素、窒素、及び硫黄のマッピングを行った。
図5に、領域RにおいてEELS強度マップを作成したマッピング画像の一例を示す。領域Rにおいてトナー粒子10の周方向に相当するY方向の長さは500ピクセルであった。
画像解析ソフトウェア(WinROOF)を用いて作成したマッピング画像においては、EELS強度が画像の白さに比例した。そこで、画像解析ソフトウェア(WinROOF)の濃度キャリブレーション機能を用いて画像濃度を分割した。詳しくは、最も白い部分の値を255、最も黒い部分の値を0として、画像濃度を256分割した。
本実施例では、トナー粒子10の断面をEELS分析して、次の条件(1)及び(2)の両方を満足するシェル層12を検出した。
(1)シェル層の窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度INsに対するコアの窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度INcの比率(INc/INs)が0.0以上0.2以下であること
(2)厚さが5nm以上であること
上記検出に際しては、領域Rにおいて、コア11に含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端のEELS強度を測定した。以下、主に図6及び図7を参照して、コア11のEELS強度の測定方法について説明する。
まず、図6に示すように、マッピング画像において、コア11の領域から無作為に100箇所の測定部位Pを選んだ。続けて、選ばれた100個の測定部位Pについてそれぞれ、EELS強度を測定した。EELS強度は256階調で測定された。続けて、図7に示すように、測定された100個のEELS強度の平均値を求めた。本実施例では、100個の測定部位Pについてそれぞれ、コア11に含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端のEELS強度を測定した。そして、測定された100個のEELS強度の平均値を強度INc(評価に用いる値)とした。
条件(1)を満たすためには、強度INsが強度INcの5倍以上であること(INc×5≦INs)が要件となる。例えば、強度INcが6.8である場合には、強度INsが34(=6.8×5)以上であれば、そのピクセルは条件(1)を満たす。また、本実施例では、画像上の1ピクセルのサイズが5nm角である。このため、コア11の表面に条件(1)を満足するシェル層12としてのピクセルが1つでもあれば、シェル層12の厚さは5nm以上である(条件(2)を満足する)こととした。
次に、領域Rにおいて、シェル層12に含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端のEELS強度(強度INs)を測定して、条件(1)及び(2)を満足するシェル層12を検出した。詳しくは、画像解析ソフトウェア(WinROOF)の二値化機能を用いて、画像(TEM撮影像)上で条件(1)を満足するシェル層12としてのピクセルを特定した。また、前述したように、条件(1)を満足するシェル層12としてのピクセルが1つでもあれば、条件(2)も満足することとした。
続けて、領域R(詳しくは、コア11の表面)において条件(1)及び(2)を満足するシェル層12の長さを測定した。以下、主に図8を参照して、シェル層12の長さの測定方法について説明する。
画像解析ソフトウェア(WinROOF)の計測機能(手動計測機能及びライン長計測機能)を用いて、シェル層12の長さを測定した。詳しくは、図8に示すように、画像解析ソフトウェア(WinROOF)が、シェル層12を線P1〜P5に変換し、線P1〜P5の各々の長さ及びこれらの長さの総和を測定した。一例では、下記のような測定値が得られた。
・線P1の長さ:10.466ピクセル
・線P2の長さ:41.254ピクセル
・線P3の長さ:33.494ピクセル
・線P4の長さ:57.154ピクセル
・線P5の長さ:276.344ピクセル
・線P1〜P5の各長さの総和:約419ピクセル
続けて、領域Rにおいて、条件(1)及び(2)を満足するシェル層12でコア11の表面が被覆される割合(コア11の被覆率)を求めた。詳しくは、本実施例では、条件(1)及び(2)を満足するシェル層12の長さ(ピクセル)の総和を500ピクセルで除した。なお、500ピクセルは、領域RのY方向(トナー粒子10の周方向)の長さに相当する。上記例では、線P1〜P5の各長さの総和が約419ピクセルであるため、コア11の被覆率は83.8%(=419×100/500)であった。
次に、コア11の全周において条件(1)及び(2)を満足するシェル層12でコア11の表面が被覆される割合(以下、被覆率Rnと記載する)を算出した。以下、主に図9、図10(a)、及び図10(b)を参照して、被覆率Rnの算出方法について説明する。
図9に示すように、分割された30個の領域R(図4参照)の全てについて上記と同様にしてコア11の被覆率を求めた。こうして得られた30個の被覆率の平均値を被覆率Rn(評価に用いる値)とした。
図10(a)に、被覆率Rnが100%であるトナー粒子10を示す。図10(a)において、長さL0はトナー粒子10の断面の周長を示す。
図10(b)に、条件(1)及び(2)を満足するシェル層12でコア11が部分的に被覆されたトナー粒子10を示す。図10(b)において、長さL1〜L5はそれぞれ、条件(1)及び(2)を満足するシェル層12の長さを示す。被覆率Rnは、長さL1〜L5の総和を長さL0で除することにより算出することができる。被覆率Rnは「Rn=100×(L1+L2+L3+L4+L5)/L0」の式に基づいて算出できる。
図9に示されるように、本実施例では、100個のトナー粒子10(測定試料)についてそれぞれ、被覆率Rnが80%以上であるか否かを評価した。そして、100個のトナー粒子10(測定試料)のうち、被覆率Rnが80%以上であるトナー粒子10の数を求めた。なお、被覆率Rnが80%以上であるトナー粒子10は、条件(1)及び(2)を満足するシェル層12が断面の周長(長さL0)の80%以上に存在するトナー粒子10に相当する。
さらに、被覆率Rnと同様にして、コア11の全周において次の条件(3)及び(4)を満足するシェル層12でコア11の表面が被覆される割合(以下、被覆率Rsと記載する)を算出した。
(3)シェル層の硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度ISsに対するコアの硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度IScの比率(ISc/ISs)が0.0以上0.2以下であること
(4)厚さが5nm以上であること
100個の測定部位Pについてそれぞれ、コア11に含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端のEELS強度を測定した(図6参照)。そして、測定された100個のEELS強度の平均値を強度ISs(評価に用いる値)とした(図7参照)。強度ISsの測定における測定部位Pは、強度INsの測定における測定部位Pと同じにした。
領域Rにおいて、条件(3)及び(4)を満足するシェル層12でコア11の表面が被覆される割合(コア11の被覆率)を求めた(図8参照)。さらに、分割された30個の領域R(図4参照)の全てについてコア11の被覆率を求めた。そして、得られた30個の被覆率の平均値を被覆率Rs(評価に用いる値)とした(図9参照)。
100個のトナー粒子10(測定試料)についてそれぞれ、被覆率Rsが80%以上であるか否かを評価した。そして、被覆率Rsが80%以上であるトナー粒子10の数を求めた。
(シェル層の厚さ)
トナー粒子10を常温硬化性のエポキシ樹脂中に分散し、40℃の雰囲気で2日間硬化させて硬化物を得た。この硬化物を四酸化オスミウムにて染色した後、ダイヤモンドナイフを備えたミクロトーム(ライカ社製「EM UC6」)を用いて切り出し、厚さ200nmの薄片試料を得た。そして、この試料の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JEM−2100F」)を用いて撮影した。
画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF 5.5.0」)を用いてTEM撮影像を解析することで、シェル層12の厚さを計測した。具体的には、トナー粒子10の断面の略中心で直交する2本の直線を引き、この2本の直線上の、シェル層12と交差する4箇所の長さを測定した。そして、測定された4箇所の長さの平均値を測定対象である1個のトナー粒子10のシェル層12の厚さとした。トナーに含まれる10個以上のトナー粒子10についてシェル層12の厚さを測定し、得られた10個以上の測定値の平均を評価値とした。
なお、シェル層12の厚さが小さい場合には、TEM画像上でのコア11とシェル層12との境界が不明瞭になるため、シェル層12の厚さの測定が困難な場合がある。このような場合には、TEM撮影と電子エネルギー損失分光法(EELS)とを組み合わせてコア11とシェル層12との境界を明確にすることにより、シェル層12の厚さを測定した。具体的には、TEM画像中で、EELSを用いてシェル層12に含まれる元素(例えば、窒素元素)のマッピングを行った。
(帯電量、画像濃度、トナー飛散量)
現像剤用キャリア(TASKalfa5550用キャリア)と、キャリアの質量に対して10質量%のトナーとを、ボールミルを用いて30分間混合して2成分現像剤を調製した。
温度20℃、湿度60%RHの条件で、調製直後の2成分現像剤の帯電量を測定した。調製直後の2成分現像剤の帯電量の好ましい範囲は30μC/g以上60μC/g未満である。
カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ社製「TASKalfa5550」)を用いて、温度20℃、湿度60%RHの条件で、印字率5%で連続して10万枚の被記録媒体(普通紙)に印刷(画像形成)した。印刷後、トナーの帯電量、画像濃度(ID)、及び印刷中に現像器内に落下した落下トナー量(トナー飛散量)を測定した。トナーの帯電量の好ましい範囲は8μC/g以上25μC/g未満である。画像濃度(ID)の好ましい範囲は1.2以上である。トナー飛散量(落下トナー量)の好ましい範囲は200mg以下である。
帯電量の測定には、QMメーター(TREK社製「MODEL 210HS−1」)を用いた。画像濃度(ID)の測定には、分光光度計(サカタインクスエンジニアリング株式会社製「スペクトロアイ」)を用いた。トナー飛散量(落下トナー量)の測定では、現像器内部に落下しているトナーを回収した。そして、回収されたトナーの質量を測定した。
[評価結果]
表1に、トナーA〜Iの評価結果をまとめて示す。
表1に示すように、トナーA〜Eはそれぞれ、トナー粒子10の断面をEELS分析した場合に、シェル層12に含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度INsに対するコア11に含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度INcの比率(INc/INs)が0.0以上0.2以下である条件を満たす厚さ5nm以上のシェル層12が断面の周長の80%以上に存在するトナー粒子10(被覆率Rnが80%以上であるトナー粒子10)を80個数%以上の割合で含む。さらに、トナーA〜Eはそれぞれ、シェル層12に含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度ISsに対するコア11に含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度IScの比率(ISc/ISs)が0.0以上0.2以下である条件を満たす厚さ5nm以上のシェル層12が断面の周長の80%以上に存在するトナー粒子10(被覆率Rsが80%以上であるトナー粒子10)を80個数%以上の割合で含む。
トナーF及びHはそれぞれ、被覆率Rnが80%以上であるトナー粒子10を80個数%以上の割合で含む。ただし、トナーF及びHはそれぞれ、被覆率Rsが80%以上であるトナー粒子10を80個数%以上の割合で含まない。
トナーIは、被覆率Rsが80%以上であるトナー粒子10を80個数%以上の割合で含む。ただし、トナーIは、被覆率Rnが80%以上であるトナー粒子10を80個数%以上の割合で含まない。
調製直後の2成分現像剤の帯電量に関して、トナーA〜Eではそれぞれ帯電量が30μC/g以上60μC/g未満であり、トナーF及びHではそれぞれ帯電量が60μC/g以上であり、トナーG及びIではそれぞれ帯電量が30μC/g未満であった。
10万枚印刷後の2成分現像剤の帯電量に関して、トナーA〜Eではそれぞれ8μC/g以上25μC/g未満であり、トナーF及びHではそれぞれ帯電量が25μC/g以上であり、トナーIでは帯電量が8μC/g未満であった。トナーGを用いた場合には画像を形成できなかったため、10万枚印刷後の評価を行わなかった。
10万枚印刷後の画像濃度(ID)に関して、トナーA〜E及びIではそれぞれ画像濃度の測定値が1.2以上であり、トナーF及びHではそれぞれ画像濃度の測定値が1.2未満であった。トナーGを用いた場合には画像を形成できなかったため、10万枚印刷後の評価を行わなかった。
10万枚印刷後のトナー飛散量(落下トナー量)に関して、トナーA〜F及びHではそれぞれトナー飛散量が200mg以下であった。トナーIではトナー飛散量が200mgよりも大きかった。トナーGを用いた場合には画像を形成できなかったため、10万枚印刷後の評価を行わなかった。
以上説明したように、トナーA〜Eは、帯電量、画像濃度、及びトナー飛散量(落下トナー量)のいずれにも優れていた。なお、トナーA〜Eでは、コア11がアニオン性を有し、シェル層12がカチオン性を有していた。シェル層12は熱硬化性樹脂から構成されていた。シェル層12の厚さは5.5nm以上6.5nm以下であった。
本発明は上記実施例には限定されない。トナーが、被覆率Rnが80%以上であるトナー粒子10を80個数%以上の割合で含み、且つ、被覆率Rsが80%以上であるトナー粒子10を80個数%以上の割合で含む場合には、そのトナーは、帯電量、画像濃度、及びトナー飛散量(落下トナー量)のいずれにも優れる。
本発明に係るトナーは、例えば、複写機又はプリンターにおいて画像を形成するために用いることができる。
10 トナー粒子
11 コア
11a 結着樹脂
11b 内添剤
12 シェル層
13 外添剤

Claims (5)

  1. コアと前記コアの表面に形成されたシェル層とを有するトナー粒子を複数含むトナーであって、
    前記シェル層は、窒素を含有し硫黄を含有しない熱硬化性樹脂である第1樹脂と、硫黄を含有し窒素を含有しない第2樹脂とを含み、
    トナー粒子の断面をEELS分析した場合に、強度INsに対する強度INcの比率が00.2以下である条件を満たす厚さ5nm以上のシェル層が前記断面の周長の80%以上に存在するトナー粒子を80個数%以上の割合で含み、且つ、強度ISsに対する強度IScの比率が00.2以下である条件を満たす厚さ5nm以上のシェル層が前記断面の周長の80%以上に存在するトナー粒子を80個数%以上の割合で含み、
    前記強度INc及び前記強度IScはそれぞれ0ではなく、
    前記強度INsは、シェル層に含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度を示し、前記強度INcは、コアに含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度を示し、前記強度ISsは、シェル層に含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度を示し、前記強度IScは、コアに含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度を示す、トナー。
  2. 前記強度INc及び前記強度IScの各々は、前記コアにおいて無作為に選ばれた100個の部位についてそれぞれ測定された100個のEELS強度の平均である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記シェル層は、前記第1樹脂としてメラミン樹脂を含み、前記第2樹脂としてビニルスルホン酸ナトリウム/アクリル酸ナトリウム共重合体を含む、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 記シェル層は、前記第1樹脂としてメラミン樹脂を含み、前記第2樹脂としてスチレンスルホン酸ナトリウム/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を含む、請求項1又は2に記載のトナー。
  5. 前記シェル層の厚さは5.5nm以上6.5nm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
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