JP6019002B2 - トナー - Google Patents
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Description
コア11は、結着樹脂11a及び内添剤11b(着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含む。ただし、トナーの用途に応じて必要のない成分(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、又は磁性粉)を割愛してもよい。
以下、結着樹脂11aについて説明する。
結着樹脂11aは、例えば官能基としてエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、メチル基、カルボキシル基、又はアミノ基を有する樹脂から構成されることが好ましい。結着樹脂11aとしては、分子中に水酸基、カルボキシル基、又はアミノ基のような官能基を有する樹脂が好ましく、分子中に水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂がより好ましい。このような官能基を有するコア11(結着樹脂11a)は、シェル層12の材料(例えば、メチロールメラミン)と反応して化学的に結合し易くなる。こうした化学的な結合が生じると、コア11とシェル層12との結合が強固になる。
以下、結着樹脂11aとしてのスチレンアクリル系樹脂について説明する。
以下、結着樹脂11aとしてのポリエステル樹脂について説明する。
以下、コア11(内添剤11b)に含まれる着色剤について説明する。
本実施形態に係るトナー粒子10のコア11は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤は、例えばカーボンブラックから構成される。また、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤のような着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も利用できる。
本実施形態に係るトナー粒子10のコア11は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
以下、コア11(内添剤11b)に含まれる離型剤について説明する。
以下、コア11(内添剤11b)に含まれる電荷制御剤について説明する。
以下、コア11(内添剤11b)に含まれる磁性粉について説明する。
シェル層12の材料としては、水に分散する材料が好ましい。
以下、外添剤13について説明する。以下、外添剤13により処理される前の粒子を「トナー母粒子」と記載する。
<コアの作製>
以下、トナーAの調製方法においてコア11を作製する手順について説明する。
以下、トナーAの調製方法においてシェル層12を形成する手順について説明する。
ビニルスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製「V0043」)20gと、アクリル酸ナトリウム(浅田化学工業株式会社製「Na−AA」)70gと、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業株式会社製「V−50」)10gとを、精製水500gに溶解させた。そして、得られた溶解物を1Lのセパラブルフラスコに移して、攪拌しながら60℃で1時間反応させた。その後、得られた反応物を冷却した。続けて、1Lのビーカーに入った600mLのエタノール(和光純薬工業株式会社製「エタノール特級」)にフラスコ内の反応物10gを投入した。これにより、ビーカー内に白色の沈殿が得られた。続けて、得られた沈殿物を濾別及び乾燥した。その結果、水溶性を有するCCR−Aが得られた。CCR−Aはビニルスルホン酸ナトリウム/アクリル酸ナトリウム共重合体であった。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコを準備し、ウォーターバスを用いてフラスコ内温を30℃に保った。そして、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れ、さらに希塩酸を加えて、フラスコ内の水性媒体のpHを4に調整した。
トナー母粒子(コア11及びシェル層12)の形成後、分散液をろ過(固液分離)してトナー母粒子を得た。その後、イオン交換水を用いてトナー母粒子を洗浄した。さらに、洗浄とろ過とを繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。その後、トナー母粒子を乾燥した。ろ過後のろ液の導電率は4μS/cmであった。導電率の測定には、堀場製作所社製の電気伝導率計「HORIBA ES−51」を用いた。
上記乾燥工程により得られたトナー母粒子に対して0.5質量%の割合で外添剤13としての乾式シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「REA90」)を混合した。これにより、トナー粒子10を多数有するトナーAが得られた。
トナーBの調製方法は、シェル層12の形成において、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が5.7nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
トナーCの調製方法は、シェル層12の形成において、CCR−Aの添加量を0.060gから0.048gに変更し、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が6.5nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
トナーDの調製方法は、シェル層12の形成において、CCR−Aの添加量を0.060gから0.048gに変更し、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が5.5nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
トナーEの調製方法は、シェル層12の形成において、CCR−Aに代えてCCR−Bを用いて、CCR−Bの添加量を0.048gとし、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が5.8nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
トナーFの調製方法は、シェル層12の形成において、CCR−Aを使用せず、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が6.0nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
トナーGの調製方法は、シェル層12を形成しなかった以外は、トナーAの調製方法と同じである。
トナーHの調製方法は、シェル層12の形成において、CCR−Aの添加量を0.060gから0.045gに変更し、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が6.3nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
トナーIの調製方法は、シェル層12の形成において、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)の添加量をシェル層12の厚さ(膜厚)が4.5nmになるように調整した以外は、トナーAの調製方法と同じである。
評価方法は、以下の通りである。
トナー粒子10を常温硬化性のエポキシ樹脂中に分散し、40℃の雰囲気にて2日間硬化させて硬化物を得た。この硬化物を四酸化オスミウムにて染色した後、ダイヤモンドナイフを備えたミクロトーム(ライカ社製「EM UC6」)を用いて切り出し、厚さ200nmの薄片試料を得た。そして、電界放出形透過電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JEM−2100F」)を用いて加速電圧200kVの条件で上記試料の断面を撮影した。図3は、試料の断面の一例を示すTEM写真である。本実施例では、TEM撮影像から無作為に選んだ100個のトナー粒子10を測定試料とした。ただし、TEM撮影された断面(トナー粒子10)のうち、最も長い直径が3μm未満である断面(トナー粒子10)は、測定対象から除外した。
(1)シェル層の窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度INsに対するコアの窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度INcの比率(INc/INs)が0.0以上0.2以下であること
(2)厚さが5nm以上であること
・線P1の長さ:10.466ピクセル
・線P2の長さ:41.254ピクセル
・線P3の長さ:33.494ピクセル
・線P4の長さ:57.154ピクセル
・線P5の長さ:276.344ピクセル
・線P1〜P5の各長さの総和:約419ピクセル
(3)シェル層の硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度ISsに対するコアの硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度IScの比率(ISc/ISs)が0.0以上0.2以下であること
(4)厚さが5nm以上であること
トナー粒子10を常温硬化性のエポキシ樹脂中に分散し、40℃の雰囲気で2日間硬化させて硬化物を得た。この硬化物を四酸化オスミウムにて染色した後、ダイヤモンドナイフを備えたミクロトーム(ライカ社製「EM UC6」)を用いて切り出し、厚さ200nmの薄片試料を得た。そして、この試料の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JEM−2100F」)を用いて撮影した。
現像剤用キャリア(TASKalfa5550用キャリア)と、キャリアの質量に対して10質量%のトナーとを、ボールミルを用いて30分間混合して2成分現像剤を調製した。
表1に、トナーA〜Iの評価結果をまとめて示す。
11 コア
11a 結着樹脂
11b 内添剤
12 シェル層
13 外添剤
Claims (5)
- コアと前記コアの表面に形成されたシェル層とを有するトナー粒子を複数含むトナーであって、
前記シェル層は、窒素を含有し硫黄を含有しない熱硬化性樹脂である第1樹脂と、硫黄を含有し窒素を含有しない第2樹脂とを含み、
トナー粒子の断面をEELS分析した場合に、強度INsに対する強度INcの比率が0超0.2以下である条件を満たす厚さ5nm以上のシェル層が前記断面の周長の80%以上に存在するトナー粒子を80個数%以上の割合で含み、且つ、強度ISsに対する強度IScの比率が0超0.2以下である条件を満たす厚さ5nm以上のシェル層が前記断面の周長の80%以上に存在するトナー粒子を80個数%以上の割合で含み、
前記強度INc及び前記強度IScはそれぞれ0ではなく、
前記強度INsは、シェル層に含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度を示し、前記強度INcは、コアに含まれる窒素元素に由来するN−K殻吸収端の強度を示し、前記強度ISsは、シェル層に含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度を示し、前記強度IScは、コアに含まれる硫黄元素に由来するS−K殻吸収端の強度を示す、トナー。 - 前記強度INc及び前記強度IScの各々は、前記コアにおいて無作為に選ばれた100個の部位についてそれぞれ測定された100個のEELS強度の平均である、請求項1に記載のトナー。
- 前記シェル層は、前記第1樹脂としてメラミン樹脂を含み、前記第2樹脂としてビニルスルホン酸ナトリウム/アクリル酸ナトリウム共重合体を含む、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記シェル層は、前記第1樹脂としてメラミン樹脂を含み、前記第2樹脂としてスチレンスルホン酸ナトリウム/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を含む、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記シェル層の厚さは5.5nm以上6.5nm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
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