JP6050743B2 - 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真方式を用いて画像を形成する装置において、定着ローラーを用いた加熱及び加圧により、紙等の被記録媒体に静電荷像現像用トナーを定着させることが行われている。定着時の省エネルギー化及び装置の小型化を達成するために、静電荷像現像用トナーには、軟化点(Tm)及びガラス転移点(Tg)の低い結着樹脂並びに軟化点(Tm)の低い離型剤が使用されている。このため、静電荷像現像用トナーを高温下で保存する場合に、複数のトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーのトナー粒子同士が凝集することがある。そして、凝集している静電荷像現像用トナー粒子の帯電量は、凝集していない静電荷像現像用トナー粒子の帯電量よりも低下しやすいため、凝集したトナー粒子は現像されやすく、静電潜像の露光部以外に付着することがある。その結果、画像欠陥が発生することがある。
一般的に複数のトナー粒子の各々は、着色剤、電荷制御剤、離型剤、及び磁性材料のような成分を結着樹脂に混合する混合工程、混練工程、粉砕工程、及び分級工程を経て得られる。
一方、熱硬化性樹脂を含む水性媒体中で架橋させて得られるトナーが提案されている(例えば、特許文献1)。前記トナーは耐熱保存性及び低温定着性の両方に優れている。
特開平5−265252号公報
特許文献1に記載のトナーの製造方法において、酸性触媒では、塩酸が用いられる。しかしながら、上記の酸性触媒は液体であるため、取扱及び保管が困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温定着性及び耐熱保存性の両方に優れている静電荷像現像用トナーを、酸性触媒としてベンゼンスルホン酸化合物を用いて製造する方法を提供することにある。
本発明の静電荷像現像用トナーは、複数のトナー粒子を含む。前記複数のトナー粒子の各々は、トナーコアと、前記トナーコアの表面を被覆するシェル層とを含む。前記シェル層は、ベンゼンスルホン酸化合物を含み、前記トナー粒子5gを水100g中に分散させた時のろ液中のベンゼンスルホン酸化合物の量が0gより大きく0.0001g以下である。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、トナーコアを準備する準備工程と、前記トナーコアの表面にシェル層が被覆されたトナー粒子を形成する形成工程とを含み、前記形成工程は、ベンゼンスルホン酸化合物を添加する酸化工程と、塩基性水溶液を添加する中和工程とを含み、前記形成工程後のトナー粒子5gを水100g中に分散させた時の分散液中のベンゼンスルホン酸化合物の量は、0gより大きく、0.0001g以下である。
本発明によれば、低温定着性及び耐熱保存性の両方に優れる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーのトナー粒子を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については適宜説明を省略することがあるが、発明の要旨を限定するものではない。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーについて、図1を参照して説明する。本実施形態に係るトナーは、複数のトナー粒子10から構成される。トナー粒子10は、トナーコア11とシェル層12とを含む。本実施形態に係るトナーは、例えば、電子写真方式の複写機に用いることができる。
≪トナーコア≫
トナーコア11は、必須成分(結着樹脂)を含む。トナーコア11は、必要に応じて任意成分(着色剤、電荷制御剤、離型剤、又は磁性粉)を含んでもよい。以下にトナーコア11に含まれる成分について説明する。
[結着樹脂]
トナーコア11に含まれる結着樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、又はスチレン−ブタジエン系樹脂のような熱可塑性樹脂が挙げられる。このような熱可塑性樹脂は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。このような熱可塑性樹脂の中でも、トナー中での着色剤の分散性、トナーの帯電性、又はトナーの用紙に対する定着性を良好にするためには、スチレンアクリル系樹脂、又はポリエステル樹脂が好ましい。以下、スチレンアクリル系樹脂、又はポリエステル樹脂について説明する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体である。スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、又はp−エチルスチレンが挙げられる。アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、又はメタアクリル酸iso−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、2価若しくは3価以上のアルコール成分と2価若しくは3価以上のカルボン酸成分との縮重合又は共縮重合によって得られるポリエステル樹脂を使用することができる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下の2価若しくは3価以上のアルコール成分又は2価若しくは3価以上のカルボン酸成分が挙げられる。
2価若しくは3価以上のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールのようなジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、又はポリオキシプロピレン化ビスフェノールAのようなビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価若しくは3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アルキル若しくはアルケニルコハク酸(n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸)、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、又はマロン酸のような2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸が挙げられる。このような2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、又は低級アルキルエステルのようなエステル形成性の誘導体として用いられてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂の軟化点(Tm)は特に限定されないが、一般的には60℃以上100℃以下であることが好ましく、70℃以上95℃以下であることがより好ましい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50℃以上65℃以下であることが好ましく、50℃以上60℃以下であることがより好ましい。
[離型剤]
トナーコア11は、必要に応じて離型剤を含んでもよい。離型剤は、一般的にトナーの低温定着性及び耐高温オフセット性を向上させる目的で使用される。
好適な離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス、又は酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物系ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、又はベトロラクタムのような鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルの一部又は全部を脱酸化したワックスが挙げられる。
離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
[着色剤]
トナーコア11は、必要に応じて着色剤を含んでもよい。トナーコア11に含有させる着色剤としては、トナー粒子10の色に合わせて、公知の顔料や染料を用いることができる。好適な着色剤の具体例としては、以下の着色剤が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤としては後述するイエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のような着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も利用することができる。トナー粒子10がカラートナーである場合に、トナーコア11に配合される着色剤としては、例えば、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、又はアリルアミド化合物のような着色剤が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ネフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、又はペリレン化合物のような着色剤が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)が挙げられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン誘導体、アントラキノン化合物、又は塩基染料レーキ化合物のような着色剤が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーが挙げられる。
トナーコア11に配合される着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
[電荷制御剤]
トナーコア11が負帯電性を有するために、トナーコア11では負帯電性の電荷制御剤が使用される。このような電荷制御剤は、帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性又は安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。帯電立ち上がり特性は、所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標になる。
[磁性粉]
トナーコア11は、必要に応じて磁性粉を含んでもよい。好適な磁性粉としては、例えば、鉄(フェライト又はマグネタイト)、強磁性金属(コバルト又はニッケル)鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金、鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物、熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金、又は二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の粒子径は、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。このような範囲内の粒子径の磁性粉を用いると、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
静電荷像現像用トナーを1成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー100質量部に対して35質量部以上60質量部以下であることが好ましく、40質量部以上60質量部以下であることがより好ましい。
≪シェル層≫
シェル層12は、トナーコア11の表面に被覆される。
シェル層12を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂を含む。シェル層12を構成する樹脂は熱硬化性樹脂を含むことにより、強度及び硬度を高くすることができる。シェル層12を構成する樹脂のガラス転移点(Tg)は、トナーコア11を構成する樹脂のガラス転移点よりも高いことが好ましい。
熱硬化性樹脂は、正帯電性を有することが好ましい。正帯電性を有する熱硬化性樹脂としては、アミノ基(−NH2)を有する熱硬化性樹脂と総称されるものが挙げられる。アミノ基を有する熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、又はその誘導体であるメチロールメラミン;グアナミン樹脂、又はその誘導体であるベンゾグアナミン;アセトグアナミン、スピログアナミン、スルホアミド樹脂、尿素、又は尿素の誘導体;グリオキザール樹脂、又はアニリン樹脂がある。窒素原子を分子骨格に有する熱硬化性樹脂としては、例えば、マレイド系重合体、ビスマレイミド、アミノビスマレイミド、又はビスマレイミドトリアジンのような熱硬化性ポリイミド樹脂が挙げられる。このような熱硬化性樹脂は1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物である。メラミン樹脂の形成に使用されるモノマーとしては、メラミンが挙げられる。尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドとの重縮合物である。尿素樹脂の形成に使用されるモノマーとしては、尿素が挙げられる。グリオキザール樹脂は、グリオキザールと尿素との反応物とホルムアルデヒドとの重縮合物である。メラミン及び尿素は周知の変性を受けてもよい。
また、シェル層12を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂とともに熱可塑性樹脂を含んでもよい。
シェル層12の膜厚は1nm以上20nm以下であることが好ましく、1nm以上10nm以下であることがより好ましい。シェル層12の膜厚が20nm以下であると、トナーを被記録媒体へ定着させる時に、定着ローラーの加熱及び加圧によりシェル層12が容易に破壊される。その結果、トナーコア11に含まれる結着樹脂の軟化及び溶融が速やかに進行し、低温域でトナーを被記録媒体に定着できる。更に、シェル層12の帯電性が高くなり過ぎないため、画像が適正に形成される。シェル層12の膜厚が1nm以上であると、シェル層12は十分な強度を有するものとなり、輸送時の衝撃によって、シェル層12が破壊されることが抑制される。ここで、シェル層12の少なくとも一部が破壊されたトナー粒子10においては、シェル層12が破壊された箇所を通じて、離型剤の成分がトナー粒子10の表面に高温条件下で染み出しやすくなる。このため、高温条件下でトナーを保存する場合において、トナー粒子10が凝集しやすくなる。さらに、シェル層12の膜厚が1nm以上であると帯電性が低くなりすぎないため、画像の欠陥を抑制することができる。
市販の画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてトナー粒子10の断面のTEM撮影像を解析することによって、シェル層12の厚さを計測できる。
[電荷制御剤]
本実施形態では、シェル層12が正帯電性を有するため、シェル層12では、正帯電性の電荷制御剤が使用される。
≪外添剤≫
本実施形態に係るトナー粒子10はトナーコア11とシェル層12とを含むことを説明した。なお、トナー粒子10は外添剤を含んでもよい。
例えば、シェル層12の表面は、トナー粒子10の流動性及び取扱性を向上させるために、外添剤により外添処理されてもよい。そのために、外添処理として、公知の方法が用いられる。具体的には、外添剤がシェル層12中に埋没しないように外添条件を調整し、混合機(例えば、ヘンシェルミキサー、又はナウターミキサー)を用いて、トナー粒子10に対して外添処理される。
外添剤としては、例えば、シリカ、又は金属酸化物(例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム)の粒子が挙げられる。外添剤の平均粒子径は、0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。トナーコア11の100質量部に対して外添剤の含有量は1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、2質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
以上、トナー粒子10の構成について説明した。トナー粒子10は、ベンゼンスルホン酸化合物を含む。ベンゼンスルホン酸化合物としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、又はイソプロピルベンゼンスルホン酸が挙げられる。
トナーを水に添加して、分散させてトナーを含む分散液を得た。得られた分散液をろ過して、ろ液を回収した。ろ液中のベンゼンスルホン酸化合物の量は液体クロマトグラフィーを用いて測定された。
ろ液中のベンゼンスルホン酸化合物の量は、0gより大きく、0.0001g以下である。
≪静電荷像現像用トナーの製造方法≫
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、準備工程と形成工程とを含む。準備工程において、トナーコア11を準備する。形成工程において、トナーコア11の表面にシェル層12を被覆する。
なお、シェル層12の表面に外添剤を付着させる外添工程を含んでもよい。
[準備工程]
準備工程において、必須成分(結着樹脂)中に、必要に応じて任意成分(着色剤、電荷制御剤、離型剤、又は磁性粉)を良好に分散させることができる方法を用いればよい。準備工程を実行する方法としては、例えば、溶融混練法、又は凝集法が挙げられる。
溶融混練法は、混合工程、溶融混練工程、粉砕工程、及び分級工程を実施することによって実行される。混合工程において、結着樹脂と必要に応じて結着樹脂以外の成分とを混合する。溶融混練工程において、得られた混合物を溶融混練する。粉砕工程において、得られた溶融混練物を適宜に冷却固化した後、公知の手法で粉砕する。分級工程において、得られた粉砕物を公知の手法で分級し、所望の粒子径のトナーコア11を得る。
溶融混練法によれば、後述の凝集法と比較して、容易にトナーコア11を調製することができる。一方、溶融混練法において、粉砕工程を経てトナーコア11を得るため、球形度の高いトナーコア11を得ることが困難である。しかし、後述する形成工程において、シェル層12に含まれる熱硬化性樹脂の硬化反応が進行する際に、トナーコア11が表面張力によって収縮することにより、軟化したトナーコア11が円形化されることがある。そのため、トナーコア11の球形度が幾分低くなる溶融混練法を用いたデメリットを低減することができる。
凝集法は、凝集工程、及び合一化工程を実施することによって実行される。トナーコア11を調製すると、形状が均一で粒子径の揃ったトナー粒子10を得ることができる。
凝集工程において、トナーコア11の微粒子を水性媒体中で凝集させて凝集粒子を形成させる。そして、合一化工程において、凝集工程によって得られた凝集粒子を水性媒体中で合一化させてトナーコア11を得ることができる。
凝集工程において、トナーコア11の微粒子を準備する。トナーコア11の微粒子は、必須成分(結着樹脂)及び必要に応じて任意成分(着色剤、離型剤、電荷制御剤、又は磁性粉)を含んでもよい。
一般にトナーコア11の微粒子は、水性媒体中で結着樹脂又は結着樹脂を含む組成物を所望のサイズに微粒子化することで、結着剤樹脂を含有する微粒子(結着樹脂微粒子)を含む水性分散液(結着樹脂微粒子分散液)として調製される。結着樹脂微粒子分散液は、結着樹脂以外の成分の微粒子の水性分散液(例えば、着色剤微粒子分散液又は離型剤微粒子分散液)を含んでもよい。凝集工程において、このような結着樹脂微粒子分散液中で微粒子を凝集させて凝集粒子を得ることができる。
次いで、合一化工程において、凝集工程にて得られる凝集粒子に含まれる成分を水性媒体中で合一化させて、トナーコア11が得られる。凝集粒子に含まれる成分を合一化させるためには、凝集工程にて得られる凝集粒子を含む水性分散液を加熱させればよい。これによりトナーコア11を含む水性分散液を得ることができる。
合一化工程において、凝集粒子を含む水性分散液の加熱温度は、結着樹脂のガラス転移点(Tg)+10℃以上結着樹脂の融点以下の温度であることが好ましい。このような範囲内の加熱温度とすることで、凝集粒子に含まれる成分の合一化を良好に進行させることができる。
合一化工程を経たトナーコア11を含む水性分散液に対して、必要に応じて後述の洗浄工程及び乾燥工程から選択される1以上の工程を実行することによりトナーコア11を得ることができる。
洗浄工程において、前記方法で得られたトナーコア11を水で洗浄する。洗浄方法としては、例えば、トナーコア11を含む分散液から、固液分離により、トナーコア11をウェットケーキとして回収し、得られるウェットケーキを水で洗浄する方法や、トナーコア11を含む水性分散液中のトナーコア11を沈降させ、上澄み液を水と置換し、置換後にトナーコア11を水に再分散させる方法が挙げられる。
乾燥工程において、例えば、洗浄工程を経たトナーコア11を乾燥させる。乾燥工程に用いられる乾燥機としては、例えば、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、又は減圧乾燥機が挙げられる。
[形成工程]
次いで、形成工程について説明する。形成工程は、酸化工程と中和工程とを含む。酸化工程において、トナーコア11を含む水性分散液にシェル層12を構成する材料を溶解させる。その後、トナーコア11及びシェル層12を構成する材料を含む水性分散液中に酸性触媒を添加してシェル層12を構成する材料の反応を進行させる。中和工程において、シェル層12を構成する材料の反応終了後に、塩基性水溶液を添加して、中和する。
シェル層12の形成は水性媒体中で行われることが好ましい。水性媒体を使用することで、水性媒体に対する結着樹脂の溶解性が良好であることと、トナーコア11に含まれる離型剤成分の溶出を抑制できることとを両立することができる。
形成工程において、トナーコア11を含む分散液にシェル層12を形成させるための材料を添加して分散させる。分散剤を含む水性媒体中でトナーコア11を良好に分散させる方法としては、例えば、分散液を強力に撹拌できる装置を用いて、機械的に分散させる方法が挙げられる。上記の方法を用いると、水性媒体中でトナーコア11が均一に分散されるため、均一な膜厚のシェル層12を形成することができる。
分散液を強力に撹拌できる装置としては、例えば、ハイビスミックス(プライミックス株式会社製)が挙げられる。
分散剤を用いることで、トナーコア11を水性媒体中で良好に分散させることができる。分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリパラビニルフェノール、部分鹸化ポリ酢酸ビニル、イソプレンスルホン酸、ポリエーテル、イソブチレン無水マレイン酸共重合体、ポリアスパラギン酸ナトリウム、デンプン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、又はリグニンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。このような分散剤は1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
分散剤の使用量は、トナーコア11の100質量部に対して分散剤75質量部以下であることが好ましい。分散剤の使用量がこのような範囲内であると、排水中の全有機炭素量を低減させることができる。
また、シェル層12を形成する際に分散剤を用いると、トナーコア11の表面にシェル層12を均一に被覆させることができる。一方、トナーコア11の表面に分散剤が付着するため、トナーコア11とシェル層12との界面に分散剤が存在する状態で、トナーコア11の表面にシェル層12が形成される。トナーコア11とシェル層12との界面に存在する分散剤の影響で、シェル層12のトナーコア11への付着力が弱くなる。そのため、トナー粒子10に加わる機械的ストレスにより、トナーコア11からシェル層12の膜が剥がれやすくなる。そのため、分散剤の使用量をトナーコア11の100質量部に対して75質量部以下とすることにより、トナーコア11からのシェル層12の膜の剥離を抑制することができる。
酸化工程において、トナーコア11を含む水性分散液のpHは4程度に調整されることが好ましい。水性分散液のpHを4程度の酸性側に調整することで、シェル層12の形成に用いられる樹脂の重縮合反応が促進される。また、水性媒体のpHを4程度の酸性側に調製することで、シェル層12を構成する樹脂の重縮合反応を促進することができる。トナーコア11を含む水性分散液のpHの調整は、トナーコア11の表面にシェル層12を被覆する前に行われることが好ましい。
トナーコア11を含む水性分散液のpHを4程度に調製するために、酸性触媒を添加することができる。一般的に酸性触媒としては、塩酸、又は硫酸のような酸性液体を用いる。酸性液体は常温で液体状態であるため、取扱及び保管が困難である。そのため、常温で固体である酸性固体を用いることが好ましい。酸性固体は常温で固体状態であるため、取扱及び保管が容易である。酸性固体としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、又はイソプロピルベンゼンスルホン酸のようなベンゼンスルホン酸化合物が挙げられる。
なお、酸性触媒としてベンゼンスルホン酸化合物を用いると、シェル層12の表面又は内部にベンゼンスルホン酸化合物が残留することがある。このような場合では、シェル層12の表面又は内部に残留したベンゼンスルホン酸化合物の吸水性が高いため、高温高湿環境下でトナー粒子10同士が凝集してしまい、耐熱保存性が低下する。
中和工程において、トナー粒子10を含む水性分散液に塩基性水溶液をpHが7になるまで添加して、中和する。塩基性水溶液としては、例えば、アンモニア、又はアンモニア誘導体のような塩基性有機物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化カルシウムのような塩基性無機物が挙げられる。
形成工程において、トナーコア11の表面にシェル層12を被覆する時の反応温度が55℃以上100℃以下であることが好ましい。反応温度がこのような範囲内であると、シェル層12の形成が良好に進行する。なお、結着樹脂が水酸基又はカルボキシル基を有する樹脂(例えば、ポリエステル樹脂)を含む場合は、このような範囲内の温度でシェル層12を形成すると、トナーコア11の表面に露出する水酸基又はカルボキシル基と、熱硬化性樹脂に含まれるメチロール基とが反応する。前記反応により得られたトナーコア11を構成する結着樹脂とシェル層12を構成する樹脂との間に共有結合が形成される。そのため、トナーコア11とシェル層12とを強固に付着させることができる。
洗浄工程において、水を用いてトナー粒子10を洗浄する。洗浄方法としては、例えば、固液分離により、トナー粒子10を含む水性分散液から、トナー粒子10を含むウェットケーキを回収し、回収されるウェットケーキを水で洗浄する方法や、トナー粒子10を含む分散液中のトナー粒子10を沈降させ、上澄み液を水と置換し、置換後にトナー粒子10を水に再分散させる方法が挙げられる。
上記洗浄工程により、トナー中のベンゼンスルホン酸化合物、又は分散剤を取り除くことができる。
使用するベンゼンスルホン酸化合物の量が多くなると、トナー中のベンゼンスルホン酸化合物を洗浄するための洗浄水(廃液)の量が多くなる。トナー中のベンゼンスルホン酸化合物の洗浄が不十分であると、トナー中にベンゼンスルホン酸化合物が残存してしまい、トナーの耐熱保存性が悪化してしまうことがある。
分散剤の使用量が多くなると、トナー中の分散剤を洗浄するための洗浄水(廃液)の量が多くなる。しかし、分散剤を使用せずにトナー粒子10を製造する場合に、排出される廃液を洗浄水により希釈せずにこの廃液中に含まれる全有機炭素濃度を15mg/L以下の低いレベルとすることができる。
洗浄工程の後に、必要に応じて乾燥工程及び外添工程から選択される1以上の工程を経て、トナー粒子10を得ることができる。トナー粒子10を静電荷像現像用トナーとしてもよく、トナー粒子10にその他の成分を配合することにより静電荷像現像用トナーとしてもよい。
乾燥工程において、乾燥機(例えば、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、又は減圧乾燥機)を用いて、洗浄工程後のトナー粒子10を乾燥する。このような乾燥機の中でも、乾燥中のトナー粒子10の凝集を抑制するという観点から、スプレードライヤーを用いることが好ましい。スプレードライヤーを用いると、トナー粒子10の分散液と共に外添剤(例えば、シリカ粒子)の分散液を噴霧することができ、後述の外添工程を同時に行うことができる。
[外添工程]
外添工程において、トナー粒子10の表面に外添剤を付着させる。外添剤を付着させる方法としては、例えば、外添剤がトナー母粒子の表面に埋没しないように条件を調整して、混合機(例えば、ヘンシェルミキサー、又はナウターミキサー)を用いて、トナー粒子10と外添剤とを混合する方法が挙げられる。
以上、トナー粒子10の作製方法について説明した。得られるトナー粒子10の5gを水100gに分散させて、ろ過して回収されたろ液中のベンゼンスルホン酸化合物の量を液体クロマトグラフィーにより測定する。
上記水は界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤を用いると、トナーの分散性を向上させることができる。界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、又はノニオン系界面活性剤が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩型界面活性剤、スルホン酸塩型界面活性剤、リン酸エステル塩型界面活性剤、又は石鹸が挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、又は4級アンモニウム塩型界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物型界面活性剤、又は多価アルコール型界面活性剤(グリセリン、ソルビトール、又はソルビタンのような多価アルコールの誘導体)が挙げられる。これらの中でも、アニオン系界面活性剤が好ましい。このような界面活性剤は1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
界面活性剤の使用量は、水の質量に対して0質量%より大きく、1質量%以下であることが好ましく、0質量%より大きく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
また、水の中のトナーの分散性を向上させるために、強い機械的撹拌力を有する分散機、又は超音波照射機を用いて分散させてもよい。
ろ液中のベンゼンスルホン酸化合物の量は、0gより大きく0.0001g以下である。
図1を参照して説明したように、本実施形態の静電荷像現像用トナーは、耐熱保存安定性と低温定着性とのいずれにも優れる。このため、本実施形態の静電荷像現像用トナーは、画像形成装置において好適に使用される。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されない。
(実施例1)
以下に、実施例1について説明する。
[準備工程]
ポリエステル樹脂(水酸基価(OHV値)20mgKOH/g、酸価(AV値)40mgKOH/g、軟化点(Tm)90℃、ガラス転移点(Tg)49℃)100質量部に対して、着色剤(フタロシアニン顔料15:3タイプ)5質量部と、離型剤(エステルワックス)5質量部とを配合し、混合機(ヘンシャルミキサ−)を用いて混合して混合物を得た。得られた混合物を、2軸押出機(池貝株式会社製「PCM−30型」)を用いて溶融混練して溶融混練物を得た。得られた溶融混練物を機械式粉砕機(ターボ工業株式会社製「ターボミル」)を用いて粉砕し、平均粒子径6μmに粉砕した。得られた粉砕物を分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェット」)で分級し、平均粒子径6μm、形状測定値0.93のトナーコアを得た。
得られたトナーコアの帯電量は、負帯電性標準キャリア(N−01)を用いて測定された。その結果、摩擦帯電量は−20μC/gであり、pHが4の時の分散液中のゼ−タ電位は−15mVであり、トナーコアはアニオン性を示した。また、トナーコアのガラス転移点は51℃、軟化点は91℃であった。
[形成工程]
温度計と撹拌羽根と冷却管とを備えた容量1Lの三つ口フラスコを30℃のウォーターバス中にセットした。フラスコ内にイオン交換水300mlを投入し、さらに、p−トルエンスルホン酸水溶液1mol/Lをフラスコ内の水系のpHが4になるまで添加した。得られた酸性水溶液に、シェル層の膜厚が6nmになるように、メチロ−ルメラミン水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン607」)2mlを添加した。得られた水溶液に上述で得られたトナーコア300gを添加し、十分に撹拌した。更に、イオン交換水300mlを追加し、撹拌しながらフラスコ内の液温度を30℃から70℃まで昇温速度1℃/分で昇温し、70℃で2時間保持した。
[中和工程]
その後、水酸化ナトリウムを添加して、フラスコ内容物のpHを7に調整した。中和されたフラスコ内容物を常温まで冷却し、トナー粒子を含む分散液を得た。
[洗浄工程]
得られたトナー粒子を含む分散液からブフナーロートを用いて、トナー粒子を含むウェットケーキをろ取した。ろ取後のトナー粒子を含むウェットケーキをイオン交換水を用いて分散させてトナー粒子を洗浄した。そして、トナー粒子を含むウェットケーキをイオン交換水を用いて、同様に数回洗浄した。
洗浄されたウェットケーキを乾燥して実施例1の静電荷像現像用トナーを得た。
(実施例2)
メチロールメラミン水溶液の配合量を2mlから3mlに代えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例2の静電荷像現像用トナーを得た。
(実施例3)
メチロールメラミン水溶液の配合量を2mlから4mlに代えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例3の静電荷像現像用トナーを得た。
(実施例4)
形成工程において、フラスコ内の液温度を30℃から70℃まで昇温速度1℃/分で昇温し、70℃で2時間保持したことを、フラスコ内の液温度を30℃から65℃まで昇温速度1℃/分で昇温し、同温度で4時間保持したことに代えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例4の静電荷像現像用トナーを得た。
(比較例1)
中和工程を実行しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例1の静電荷像現像用トナーを得た。
(比較例2)
形成工程において、pHを4から2に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例2の静電荷像現像用トナーを得た。
[評価方法]
実施例1〜4及び比較例1〜2のトナーの評価方法及び測定方法は以下の通りである。
(ろ液中のp−トルエンスルホン酸の量の測定方法)
実施例1〜4及び比較例1〜2の各々にて得られたトナー5gを界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン120」)0.5%水溶液100gに添加して、5分間超音波分散させて混合溶液を得た。得られた混合溶液をろ過して、ろ液を回収した。回収されたろ液中のp−トルエンスルホン酸の量を液体クロマトグラフィーにより求めた。
(シェル層の膜厚の測定方法)
常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分に分散させて、40℃の雰囲気で2日間硬化させて硬化物を得た。得られた硬化物を四三酸化オスミウムで染色した後、ダイヤモンドナイフをセットしたミクロトームで薄片状のサンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断面形態を観察して、シェル層の膜厚を測定した。
また、シェル層の膜厚が5nmより小さい場合には、上記の透過型電子顕微鏡を用いてシェル層を判別することは困難であった。そのため、電子エネルギー損失分光(TEM−EELS)を用いて窒素マッピングを行うことでシェル層の膜厚を測定した。
(耐熱保存性の評価方法)
実施例1〜4及び比較例1〜2の各々にて得られたトナー粒子3gを20mlのポリ容器に投入して、恒温槽内に60℃で、3時間静置した。その後、200メッシュをセットした振動ふるいを用いて30秒間ふるった。振動ふるいを30秒間行った後に、篩上に残存したトナーの質量を求めた。耐熱保存性について以下の式を用いた。
ふるい残(%)=(ふるい後に篩上に残存したトナーの質量/ふるい前に篩上に残存したトナーの質量)×100
以下の基準に従いトナーの評価を行った。表1に、耐熱保存性の評価結果を示す。
良い(○):ふるい残が20%以下であった。
平均(△):ふるい残が20%を超えて、20%以下であった。
悪い(×):ふるい残が40%を超えた。
(耐熱保存性の評価方法)
実施例1〜4及び比較例1〜2の各々にて得られたトナーを25℃、60%RHの環境下にて48時間放置した後、そのトナー粒子3gを20mlのポリ容器に投入して、恒温槽内に60℃で、3時間静置した。その後、200メッシュをセットした振動ふるいを用いて30秒間ふるった。振動ふるいを30秒間行った後に、篩上に残存したトナーの質量を求めた。耐熱保存性について以下の式を用いた。
ふるい残(%)=(ふるい後に篩上に残存したトナーの質量/ふるい前に篩上に残存したトナーの質量)×100
以下の基準に従いトナーの評価を行った。表1に、耐熱保存性の評価結果を示す。
良い(○):ふるい残が20%以下であった。
平均(△):ふるい残が20%を超えて、20%以下であった。
悪い(×):ふるい残が40%を超えた。
表1に、実施例1〜4及び比較例1〜2の各々にて得られた静電荷像現像用トナーの評価結果を示す。
Figure 0006050743
表1から明らかなように、実施例1〜4の各々にて得られた静電荷像現像用トナーは、トナー粒子中のp−トルエンスルホン酸の量を低減することにより、耐熱保存性に優れていた。
一方、比較例1にて得られた静電荷像現像用トナーにおいて、中和工程を実行しなかったため、トナー粒子中に多くのp−トルエンスルホン酸が残存し、高温高湿環境下においてトナー粒子同士が凝集してしまい、耐熱保存性が悪かった。
また、比較例2にて得られた静電荷像現像用トナーにおいて、形成工程においてp−トルエンスルホン酸の添加量が多かった。そのため、トナー粒子中に多くのp−トルエンスルホン酸が残存し、高温高湿環境下においてトナー粒子同士が凝集してしまい、耐熱保存性が悪かった。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、画像形成装置において好適に使用される。
10 トナー粒子
11 トナーコア
12 シェル層

Claims (4)

  1. 複数のトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、
    前記複数のトナー粒子の各々は、トナーコアと、前記トナーコアの表面を被覆するシェル層とを含み、
    前記トナーコアは、少なくとも結着樹脂を含む溶融混練物の粉砕物であり、
    前記シェル層は、メチロールメラミンの重合物を含み、
    前記シェル層は、ベンゼンスルホン酸化合物を含み、かつ、前記ベンゼンスルホン酸化合物以外の界面活性剤を含まず、
    前記トナー粒子5gを水100g中に分散させた時の分散液中のベンゼンスルホン酸化合物の量は、0gより大きく、0.0001g以下である、静電荷像現像用トナー。
  2. 前記シェル層の厚さは6nm以上12nm以下である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. トナーコアを準備する準備工程と、
    前記トナーコアの表面にシェル層が被覆されたトナー粒子を形成する形成工程とを含み、
    前記準備工程は、
    少なくとも結着樹脂を含む前記トナーコアの材料を溶融混練して、溶融混練物を得る工程と、
    前記溶融混練物を粉砕する工程と、
    を含み、
    前記形成工程は、
    水性媒体にベンゼンスルホン酸化合物を添加して、前記水性媒体のpHを4にる工程と、
    前記水性媒体に、前記トナーコアとメチロールメラミンとを添加する工程と、
    前記トナーコアと前記メチロールメラミンと前記ベンゼンスルホン酸化合物とを含み、かつ、前記ベンゼンスルホン酸化合物以外の界面活性剤を含まない前記水性媒体中で、前記メチロールメラミンを重合させる工程と、
    前記メチロールメラミンを重合させた後に、前記水性媒体に塩基性水溶液を添加して、前記水性媒体のpHを7にする中和工程と
    を含み、
    前記形成工程後に、水を用いて前記トナー粒子を洗浄する洗浄工程をさらに含み、
    前記形成工程後のトナー粒子5gを水100g中に分散させた時の分散液中のベンゼンスルホン酸化合物の量は、0gより大きく、0.0001g以下である、静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記シェル層の厚さは6nm以上12nm以下である、請求項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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