JP6046690B2 - 静電潜像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電潜像現像用トナー及びその製造方法に関する。
省エネルギー化及び画像形成装置の小型化の観点から、定着ローラーを極力加熱することなく良好に定着可能な、低温定着性に優れる静電潜像現像用トナーが望まれている。しかし、低温定着性に優れるトナーは、低融点のワックスのような離型剤を含む場合が多い。このため、低温定着性に優れるトナーは、一般的に、高温で保存する場合に凝集しやすい。また、低温定着性に優れるトナーは、加熱された定着ローラーにトナーが融着することに起因する高温オフセット性に問題が生じやすい。
例えば、特許文献1では、このような課題を解決するための乾式トナーが提供されている。この乾式トナーでは、変性ポリエステル(i)を少なくともトナーバインダーとして含有し、トナーがワックスを含有し、トナー内部のワックス分散径が0.1〜3μmである粒子がトナー内部における全ワックス粒子の70個数%以上を占める。
特開2003−131430号公報
しかし、特許文献1に記載のトナーは、定着下限温度及びホットオフセット発生温度が記載されているが、トナーの耐熱保存性が低下しやすい。このため、トナーの耐熱保存性を維持しつつ、定着オフセット性に優れる静電潜像現像用トナーが未だ望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、トナーの耐熱保存性を維持しつつ、定着オフセット性に優れた静電潜像現像用トナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂及び少なくとも1種のワックスを含有するトナー粒子を含む。ワックスは、分散径分布において、分散径が0.04μm以上0.20μm以下の範囲内と、分散径が1.0μm以上5.0μm以下の範囲内とに極大値を有する。ワックスは、分散径が0.04μm以上0.20μm以下の範囲に属する第1ワックス粒子と、分散径が1.0μm以上5.0μm以下の範囲に属する第2ワックス粒子を含有する。第2ワックス粒子の体積に対する第1ワックス粒子の体積の比率が0.5以上1.5以下である。
本発明によれば、トナーの耐熱保存性を維持しつつ、定着オフセットに優れる静電潜像現像用トナー及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態の好ましい微粉砕条件を示す図である。 湿式粉砕法による粉砕により時間経過とともに粒子が微粒化されることを示す図である。 実施例1〜6及び比較例1〜2のワックス分散径の分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については適宜説明を省略することがあるが、発明の要旨を限定するものではない。
本実施形態の静電潜像現像用トナー(以下、トナーと記載する)は、多数の粒子(以下、トナー粒子と記載する)から構成される。本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置で用いることができる。
電子写真装置では、トナーを含む現像剤を用いて静電潜像を現像する。詳しくは、現像器から感光体上に形成した静電潜像にトナーを付着させる。そして、付着したトナーを紙のような記録媒体に転写した後、熱によりトナーを記録媒体に定着させる。これにより、記録媒体にトナー像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを用いてそれぞれのトナー像を重ね合わせれば、フルカラー画像を得ることができる。
以下、本実施形態に係るトナー粒子の構成について説明する。
トナー粒子は、結着樹脂及び少なくとも1種以上のワックスを含有していればよく、適宜、内添剤(例えば、着色剤、電荷制御剤又は磁性粉)を含有することもできる。
トナー粒子(トナー母粒子)の表面は、必要に応じて、外添剤を用いて処理されていてもよい。外添剤により処理される前のトナー粒子を、トナー母粒子と記載する場合がある。トナー粒子は、トナーコアと、トナーコアの表面を被覆するシェル層とを含むことが好ましい。また、トナーコアの表面に複数のシェル層が積層されていてもよい。
[ワックス]
トナー中のワックスの分散径は、2つの極大値を有する。これら2つの極大値の1つは、0.04μm以上0.20μm以下の範囲内にあり、もう1つの極大値は、1.0μm以上5.0μm以下の範囲内にある。
ワックスの分散径が0.04μm以上0.20μm以下の範囲に属するワックス粒子を第1ワックス粒子と記載し、分散径が1.0μm以上5.0μm以下に属するワックス粒子を第2ワックス粒子と記載する。トナー粒子内部に第1ワックス粒子及び第2ワックス粒子が存在することで、トナーの耐熱保存性を維持しつつ、定着オフセット性を向上させやすい。第1ワックス粒子は、トナーの耐熱保存性を維持しつつ、トナー粒子の低温での溶融を容易にするため、トナーの低温側の定着オフセット域を拡げることに寄与すると推察される。第2ワックス粒子は、トナーの耐熱保存性を維持しつつ、定着時のトナーの離型性を高め、トナーの高温側の定着オフセット域を拡げることに寄与すると推察される。なお、第1ワックス粒子及び第2ワックス粒子は同一組成であることが好ましい。
第2ワックス粒子の体積に対する第1ワックス粒子の体積の比率は0.5以上1.5以下であり、好ましくは0.7以上1.4以下である。
ワックス粒子の体積は、通常用いられる方法により測定できる。例えば、市販の画像解析ソフトウェア等を用いてトナー粒子の断面のTEM撮影像を解析することにより、ワックス粒子の最大径D1とそれに直交する径D2を計測する。得られたD1及びD2から下記計算式(1)に従って、平均分散径Dを算出し、これを用いて下記計算式(2)からワックス粒子の体積を算出する方法が挙げられる。
計算式(1):D=(D1×D21/2
計算式(2):ワックス粒子の体積=(4/3)π(D/2)3
ワックスは、加熱により膨張するものであれば特に限定されない。例えば、エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス又はモンタンワックスが挙げられる。これらのワックスの中では、エステルワックスがより好ましい。エステルワックスとしては、合成エステルワックス又は天然エステルワックス(例えば、カルナウバワックス又はライスワックス)が挙げられる。合成原料を適宜選択することで示差走査熱量計を用いて測定されるワックスの融点(Mpr)を後述する好適な範囲に調整しやすいため、エステルワックスとしては、合成エステルワックスが好ましい。これらのワックスは2種以上を組み合わせて使用できる。
合成エステルワックスを製造する方法は、化学合成法であれば特に限定されない。例えば、公知の方法(酸触媒の存在下でのアルコールとカルボン酸との反応又はカルボン酸ハライドとアルコールとの反応)を用いて合成エステルワックスを製造することができる。なお、合成エステルワックスの原料は、例えば、天然油脂から製造される長鎖脂肪酸のような天然物に由来するものでもよいし、合成品として市販されているものでもよい。
[結着樹脂]
結着樹脂の酸価は、20mgKOH/g以上であることが好ましく、25mgKOH/g以上35mgKOH/g以下であることがより好ましい。
結着樹脂の軟化点(Tm)は100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。結着樹脂の軟化点(Tm)が100℃以下(より好ましくは90℃以下)であることで、高速定着時においても十分な定着性を得ることが可能になる。また、異なる軟化点(Tm)を有する複数種の結着樹脂を組み合わせることで、結着樹脂の軟化点(Tm)を調整することができる。
結着樹脂の軟化点(Tm)の測定には、高化式フローテスター(例えば、株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いることができる。例えば、測定試料を高化式フローテスターにセットし、所定の条件で試料を溶融させ、流出させてS字カーブ(温度/ストロークに関するS字カーブ)を求め、得られたS字カーブから結着樹脂の軟化点(Tm)を読み取る。
結着樹脂は、例えば官能基としてエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、メチル基、カルボキシル基又はアミノ基を有する樹脂であることが好ましい。結着樹脂としては、分子中に水酸基、カルボキシル基又はアミノ基のような官能基を有する樹脂が好ましく、分子中に水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂がより好ましい。
結着樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の好適な例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂が挙げられる。中でも、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル樹脂はそれぞれ、トナー中の着色剤の分散性、トナーの帯電性、及び記録媒体に対する定着性に優れる。
(スチレンアクリル系樹脂)
以下、結着樹脂としてのスチレンアクリル系樹脂について説明する。結着樹脂としてのスチレンアクリル系樹脂は、例えばスチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。
スチレン系単量体の好適な例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン又はp−エチルスチレンが挙げられる。
アクリル系単量体の好適な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル又は(メタ)アクリル酸iso−ブチルが好ましい。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが好ましい。なお、アクリル酸及びメタクリル酸の各々を「(メタ)アクリル酸」と総称する場合がある。
スチレンアクリル系樹脂を調製する際に、水酸基を有する単量体(p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等)を用いることで、スチレンアクリル系樹脂に水酸基を導入できる。例えば、水酸基を有する単量体の使用量を適宜調整することで、得られるスチレンアクリル系樹脂の水酸基価を調整することができる。
スチレンアクリル系樹脂を調製する際に、(メタ)アクリル酸を単量体として用いることで、スチレンアクリル系樹脂にカルボキシル基を導入できる。例えば、(メタ)アクリル酸の使用量を適宜調整することで、得られるスチレンアクリル系樹脂の酸価を調整することができる。
トナー粒子の強度及びトナーの定着性を向上させるためには、スチレンアクリル系樹脂(結着樹脂)の数平均分子量(Mn)が2000以上3000以下であることが好ましい。スチレンアクリル系樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は10以上20以下であることが好ましい。結着樹脂のMnとMwとの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
(ポリエステル樹脂)
以下、結着樹脂としてのポリエステル樹脂について説明する。ポリエステル樹脂は、例えば2価又は3価以上のアルコールと2価又は3価以上のカルボン酸とを重合させることで得られる。
ポリエステル樹脂の2価のアルコールの好適な例としては、ジオール類、又はビスフェノール類が挙げられる。
ジオール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールが好ましい。
ビスフェノール類としては、例えばビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA又はポリオキシプロピレン化ビスフェノールAが好ましい。
3価以上のアルコール類としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが好ましい。
2価カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、アルキルコハク酸、又はアルケニルコハク酸が好ましい。アルキルコハク酸としては、例えばn−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、又はイソドデシルコハク酸が好ましい。アルケニルコハク酸としては、例えばn−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸が好ましい。
3価以上のカルボン酸としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸又はエンポール三量体酸が好ましい。また、上記2価又は3価以上のカルボン酸は、エステル形成性の誘導体(酸ハライド、酸無水物、及び低級アルキルエステル等)を用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1〜6のアルキル基を意味する。
ポリエステル樹脂を製造する際に、2価又は3価以上のアルコールの使用量と2価又は3価以上のカルボン酸の使用量とをそれぞれ適宜変更することで、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価を調整することができる。また、ポリエステル樹脂の分子量を上げると、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価は低下する傾向がある。
トナー粒子の強度及びトナーの定着性を向上させるためには、ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1000以上2000以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は1.5以上21以下であることが好ましい。結着樹脂のMnとMwとの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
トナー粒子が、トナーコアと、シェル層とを含む場合、トナーコアに含まれる結着樹脂のガラス転移点Tgは、シェル層に含まれる熱硬化性樹脂の硬化開始温度以下であることが好ましい。こうした結着樹脂を用いれば、高速定着時においてもトナーは十分な定着性を得られる。熱硬化性樹脂(特にメラミン系の樹脂)の硬化開始温度は55℃程度であることが多い。このため、結着樹脂のTgは、20℃以上であることが好ましく、30℃以上55℃以下であることがより好ましく、30℃以上50℃以下であることが更に好ましい。結着樹脂のTgが20℃以上であるとシェル層の形成時にトナー粒子(トナーコア)が凝集しにくくなる。
結着樹脂のTgは、示差走査熱量計を用いて結着樹脂の吸熱曲線を測定することにより、吸熱曲線における比熱の変化点から求めることができる。
[着色剤]
着色剤としては、例えば、トナー粒子の色に合わせて公知の顔料や染料を用いることができる。着色剤の使用量は、100質量部の結着樹脂に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
(黒色着色剤)
本実施形態に係るトナー粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤は、例えば、カーボンブラックから構成される。また、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤のような着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も利用できる。
(カラー着色剤)
本実施形態に係るトナー粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤は、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物又はアリールアミド化合物から構成されることが好ましい。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191若しくは194)、ネフトールイエローS、ハンザイエローG又はC.I.バットイエローが好ましい。
マゼンタ着色剤は、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物又はペリレン化合物から構成されることが好ましい。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221又は254)が好ましい。
シアン着色剤は、例えば、銅フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン誘導体、アントラキノン化合物又は塩基染料レーキ化合物から構成されることが好ましい。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62若しくは66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー又はC.I.アシッドブルーが好ましい。
[電荷制御剤]
以下、トナー母粒子に含まれる電荷制御剤について説明する。
本実施形態では、トナー母粒子は電荷制御剤を含んでもよい。このような電荷制御剤は、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性又は安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、トナーを所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標になる。
[磁性粉]
トナー母粒子は、必要に応じて磁性粉を含んでもよい。好適な磁性粉としては、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、強磁性金属(コバルト、及びニッケル)、合金(鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金)、化合物(鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物)、強磁性合金(熱処理のような強磁性化処理を行った強磁性合金)又は二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の平均粒子径は、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。磁性粉の平均粒子径が、このような範囲内であると、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
トナーを1成分現像剤として使用する場合には、磁性粉の添加量は、トナー全量100質量部に対して35質量部以上60質量部以下であることが好ましく、40質量部以上60質量部以下であることがより好ましい。
[シェル層]
トナー粒子表面にシェル層が形成される場合は、シェル層は熱硬化性樹脂から構成されることが好ましく、トナー粒子の強度、硬度、及びカチオン性を向上させるためには、窒素原子を含む結着樹脂又はその誘導体から構成されることがより好ましい。窒素原子を含むシェル層は正帯電し易くなる。トナー粒子のカチオン性を強くするためには、シェル層中の窒素原子の含有量は10質量%以上であることが好ましい。
シェル層を構成する熱硬化性樹脂としては、例えばメラミン樹脂、尿素(ユリア)樹脂、スルホンアミド樹脂、グリオキザール樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹脂又はこれら各樹脂の誘導体が好ましい。メラミン樹脂の誘導体では、例えばメチロールメラミンが好ましい。グアナミン樹脂の誘導体では、例えばベンゾグアナミン、アセトグアナミン又はスピログアナミンが好ましい。
シェル層を構成する熱硬化性樹脂としては、例えば、窒素元素を分子骨格に有するポリイミド樹脂、マレイミド系重合体、ビスマレイミド、アミノビスマレイミド又はビスマレイミドトリアジンが好ましい。
シェル層を構成する熱硬化性樹脂としては、アミノ基を含む化合物とアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)との重縮合によって生成される樹脂(以下、アミノアルデヒド樹脂と記載する)又はアミノアルデヒド樹脂の誘導体が特に好ましい。なお、メラミン樹脂は、例えばメラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物である。尿素樹脂は、例えば尿素とホルムアルデヒドとの重縮合物である。グリオキザール樹脂は、例えばグリオキサールと尿素との反応生成物とホルムアルデヒドとの重縮合物である。
シェル層の厚さは、1nm以上20nm以下であることが好ましく、1nm以上10nm以下であることがより好ましい。
シェル層の厚さが20nm以下であると、トナーを記録媒体に定着する際の、加熱又は加圧によりシェル層が容易に破壊されるようになる。その結果、トナー粒子に含まれる結着樹脂及びワックスの軟化又は溶融が速やかに進行し、低温域でトナーを記録媒体に定着することが可能になる。更に、シェル層の厚さが20nm以下であるとシェル層の帯電性が強くなり過ぎないため、画像形成が適正に行われやすい。
一方、シェル層の厚さが1nm以上であると、トナー粒子は十分な強度を有するものとなり、輸送時の衝撃等によってシェル層が破壊されにくい。
シェル層の厚さは、市販の画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製「WinROOF」)等を用いてトナー粒子の断面のTEM撮影像を解析することによって計測できる。
シェル層は、破壊箇所(機械的強度の弱い部位)を有することが好ましい。破壊箇所はシェル層に局所的に欠陥を生じさせることにより形成することができる。シェル層に破壊箇所を設けることで、トナーを記録媒体へ定着する際の、加熱又は加圧によりシェル層が容易に破壊されるようになる。その結果、シェル層が熱硬化性樹脂から構成される場合でも、低温で定着することが可能になる。破壊箇所の数は任意である。
シェル層の帯電性が十分でない場合には、正帯電性の電荷制御剤をシェル層に添加してもよい。
[外添剤]
以下、本実施形態に係るトナー粒子を構成する外添剤について説明する。以下、外添剤により処理される前の粒子を「トナー母粒子」と記載する。
外添剤は、トナー粒子の流動性及び取扱性を向上させるために使用され、トナー母粒子の表面に付着する。トナー粒子の流動性及び取扱性を向上させるためには、外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましく、2質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
外添剤は、例えばアルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム若しくはチタン酸バリウムのような金属酸化物、又はシリカから構成されることが好ましい。
トナー粒子の流動性及び取扱性を向上させるためには、外添剤の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーの製造方法は、結着樹脂及び少なくとも1種のワックスを含む原料を混合し、溶融し、混練し、粗粉砕する第1工程と、第1工程で得られた粗粉砕物を、pH及び/又は温度を高めて微粉砕する第2工程とを含む。
こうしたトナーの製造方法であれば、ワックスの分散径が2つの極大値を有することができるため、トナーの耐熱保存性を維持しつつ、定着オフセット性に優れたトナーを製造することが可能となる。
第1工程は、混合工程と、溶融工程と、混練工程と、粗粉砕工程とを有する。混合工程では、結着樹脂及び少なくとも1種のワックスと、必要に応じてこれら以外の成分とを混合し、混合物を得る。溶融工程では、得られた混合物を溶融する。混練工程では、溶融工程で得られた溶融物を混練する。粗粉砕工程では、混練工程で得られた混練物を粗粉砕する。
第2工程は、第1工程で得られた粉砕物を、pH及び/又は温度を高めて微粉砕する工程である。
第2工程では、粉砕物の粒子径が1.0μm以上5.0μm以下である極大値と、粒子径が0.02μm以上0.50μm以下である極大値とを有するまで第1工程で得られた粗粉砕物を微粉砕することが好ましい。
第2工程における粉砕時間は、30分以上600分以下であることが好ましく、60分以上300分以下であることがより好ましい。
第1工程で得られた粗粉砕物は、水性媒体中に分散させてから、第2工程を行うことが好ましい。分散工程は、粗粉砕物を水性媒体中に分散できれば特に限定されない。
ここで、図1を参照して、粉砕条件(温度及び/又はpH)に起因する粉砕状態の違いについて説明する。図1の領域Cに示した粉砕条件では、第1工程で得られた粗粉砕物は、粉砕機を用いて処理しても微粉砕されにくい。
一方、図1の領域Aに示した粉砕条件下において、第1工程で得られた粗粉砕物を、粉砕機を用いて処理すると、化学的な作用により効率的に微粉砕されやすい。粗粉砕物が効率的に微粉砕されれば、粒子径が0.2μm以上0.5μm以下の粒子が形成されやすい。例えば、結着樹脂のTgに対して比較的高い温度下で、第1工程で得られた粗粉砕物を、粉砕機を用いて処理すると、化学的な作用により効率的に微粉砕されやすい。また、高いpH下で、第1工程で得られた粗粉砕物を、粉砕機を用いて処理すると、化学的な作用により効率的に微粉砕されやすい。
本実施形態では、第1工程で得られた粗粉砕物を、pH及び/又は温度を高めたマイルドな粉砕条件下で化学的な作用により効率的に微粉砕する。
なお、本実施形態におけるpH及び/又は温度を高める工程は、図1の領域Bに示した条件下で行うことが好ましい。即ち、pHを9.0に高めた場合には結着樹脂のガラス転移点(Tg)以上結着樹脂のガラス転移点(Tg)+30℃以下であることが好ましく、pHを10.0に高めた場合には結着樹脂のガラス転移点(Tg)−8℃以上結着樹脂のガラス転移点(Tg)+10℃以下であることが好ましい。pHを11.0に高めた場合には結着樹脂のガラス転移点(Tg)−14℃以上結着樹脂のガラス転移点(Tg)℃以下であることが好ましく、pHを12.0に高めた場合には結着樹脂のガラス転移点(Tg)−16℃以上結着樹脂のガラス転移点(Tg)−6℃以下であることが好ましい。pHを13.0に高めた場合には結着樹脂のガラス転移点(Tg)−18℃以上結着樹脂のガラス転移点(Tg)−10℃以下であることが好ましく、pHを14.0に高めた場合には結着樹脂のガラス転移点(Tg)−20℃以上結着樹脂のガラス転移点(Tg)−12℃以下であることが好ましい。
図2を参照して、pH及び/又は温度を高めた湿式粉砕法による粉砕(第2工程)により時間経過とともに粒子が微粒化されることを説明する。第2工程において、pH及び/又は温度を高めた条件で、第1工程で得られた粗粉砕物を微粉砕する。粉砕時間の経過とともに粒子径が10μm以上100μm以下の範囲に属する粒子が粉砕され、粒子径が1.0μm以上10μm以下の範囲に属する粒子が生産される。すなわち、図2に示す通り、粉砕時間0分(S1)、15分(S2)、30分(S3)及び45分(S4)から、粉砕時間が経過するにつれて、粒子径が10μm以上100μm以下の範囲に属する粒子が減少し、粒子径が1.0μm以上10μm以下の範囲に属する粒子が増加する。
その後、粉砕処理を続けることで、粒子径が1.0μm以上10μm以下の範囲に属する粒子が更に粉砕され、粒子径が0.2μm以上1.0μm以下の範囲に属する粒子が生産される。すなわち、図2に示す通り、粉砕時間60分(S5)、75分(S6)、90分(S7)及び105分(S8)から粉砕時間が経過するにつれて、粒子径が1.0μm以上10μm以下の範囲に属する粒子が減少し、粒子径が0.2μm以上1.0μm以下の範囲に属する粒子が増加する。なお、図2の横軸は対数軸である。
粒子を粉砕した後、凝集工程及び合一化工程を行ってもよい。凝集工程は、上記粉砕された粒子を、水性媒体中で凝集して凝集粒子を形成する工程である。合一化工程は、前記凝集粒子に含まれる成分を、水性媒体中で合一化してトナー粒子を形成する工程である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、これら実施例によって本発明はなんら限定されるものではない。
[シリカの作製]
ジメチルポリシロキサン100g及び3−アミノプロピルトリメトキシシラン100g(以上、信越化学工業株式会社製)をトルエン200gに溶解させ、10倍に希釈した。ついでヒュームドシリカアエロジル♯80(日本アエロジル株式会社製)200gを攪拌しながら、得られた希釈溶液を徐々に滴下して30分間超音波照射・攪拌して混合物とした。この混合物を150℃の恒温槽で加熱した後、ロータリーエヴァポレーターを用いて、トルエンを溜去し、得られた固形物を減圧乾燥機にて設定温度50℃で減量しなくなるまで乾燥した。更に電気炉にて窒素気流下、200℃で3時間の加熱処理を行った。得られた粉体はジェットミルにより解砕してバグフィルターで捕集してシリカを得た。
[キャリアの作製]
ポリアミドイミド樹脂30gを水2Lで希釈した後、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体(FEP)120gを分散させ、更に酸化ケイ素3Gを分散させた被覆層形成液を得た。この被覆層形成液とノンコートフェライトEF−35B(パウダーテック株式会社製、平均粒子径:35μm)10kgを流動床被覆装置に投入して被覆を行った。その後、250℃で1時間、焼付けを行い、キャリアを得た。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例1〜6及び比較例1〜2のトナー(それぞれ静電潜像現像用トナー)を示す。
Figure 0006046690
(実施例1)
[混練・粗粉砕工程]
ポリエステル樹脂A(Mn:1882、Mw:4324、酸価:25.2mgKOH/g、Tm:82.1℃、Tg:55.3℃)3280g、ワックスA(合成エステル系ワックス;融点:76℃、酸価:0.1mgKOH/g)328g、シアン顔料P.B.15−3(マスターバッチ、顔料比率50%、ポリエステル樹脂A)382gを20LのFMミキサーに投入して3分間混合して調合をした。その後、二軸押出機PCM−30(株式会社池貝製)でシリンダー温度を130℃、軸回転数160rpmで4kg/時の材料投入速度で溶融混練してドラムフレーカーで冷却して混練チップを得た。続いてロートプレックスW80(ホソカワミクロン株式会社製)で粗粉砕した後、ミルスターダムMSD−LB(東京アトマイザー製造株式会社製)で100m/秒で7.2kg/時で粉砕処理を行ってトナー粗粉砕品を得た。
[分散工程]
続いて卓上サンドミル(株式会社林商店製)の2Lのアルミナセラミック製ベセル内にトナー粗粉砕品を150g、10%E−0(ドデシル硫酸ナトリウム、花王株式会社製)水溶液15g、蒸留水335gを投入し、50℃で超音波を5分間照射して十分に分散させた。これに直径1mmのジルコニアビーズ1500gを入れ、53℃条件下でアルミナセラミックス製ディスク3枚を2160rpm(高速モード)で回転させ180分間かけて分散させた。
[微粉砕工程]
続いて、トリエタノールアミン(TEA)17.8gを添加して53℃条件下で更に60分間かけて微粉砕処理を行った。そして、開口径0.5mmの篩にジルコニアビーズを除いてトナー微粒子液を得た。レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−850V2(株式会社堀場製作所製)で測定した結果、個数中位径287nm、体積中位径443nmであった。
[凝集工程]
その後、得られたトナー微粒子分散液をステンレス製の2L丸底フラスコに25℃で投入し、更に500gの蒸留水を添加して撹拌羽根を用いて100rpmの撹拌下にて、10分間撹拌した。続いて塩化マグネシウム六水和物水溶液(固形分50%)51.2gを添加後、5分間かけて滴下した後、混合分散液を0.2℃/分の昇温レートで昇温し凝集成長させた。マルチサイザーIII(ベックマン・コールター株式会社製)にて個数平均径が4.5μmになるまで昇温を続け、65℃付近で昇温を停止した。その後、攪拌回転数を200rpmに上げて70℃まで0.2℃/分の昇温レートで昇温し、70℃で120分間攪拌を続けて粒子を合一させて実施例1のトナー粒子を得た。
[洗浄・乾燥工程]
トナー粒子分散液を、ヌッチェを用いて吸引ろ過を行い固液分離した。ろ過されたウエットケーキ状のトナー粒子を、再度イオン交換水に再分散し、再びヌッチェを用いて吸引ろ過を行った。これをろ液の導電率が3μS/cm未満になるまで洗浄を重ねた。洗浄工程を終えたウエットケーキ状のトナーを、真空定温乾燥機DP63(ヤマト科学株式会社製)にて40℃で1kPaで72時間静置させて乾燥させて実施例1のトナーを得た。実施例1のトナーの中位径(体積)は5.45μm、平均円形度は0.852であった。
[外添工程]
これに外添処理を行った。トナー粒子100gに対しシリカを2g添加し、5LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)にて5分間混合処理した。その後#300メッシュ(目開き48μm)で篩分けを行った。
[2成分現像剤製造工程]
その後、キャリア300gとトナーA30gとを500mLのポリボトルに秤量し、混合機(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製「ターブラー(登録商標)ミキサーT2F」)で30分間混合して実施例1の現像剤を作製した。
(実施例2)
ポリエステル樹脂Aの代わりにポリエステル樹脂B(Mn:2078、Mw:5127、酸価:33.6mgKOH/g、Tm:84.5℃、Tg:58.1℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の現像剤を作製した。
(実施例3)
ワックスAの代わりにワックスB(カルナウバワックス;融点:82.1℃、酸価:0.1mgKOH/g)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の現像剤を作製した。
(実施例4)
トリエタノールアミン17.8gを添加する代わりに1N水酸化ナトリウム24gを添加した以外は、実施例1と同様にして実施例4の現像剤を作製した。
(実施例5)
ポリエステル樹脂Aの代わりにポリエステル樹脂C(Mn:1887、Mw:5754、酸価:17.6mgKOH/g、Tm:83.2℃、Tg:56.7℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例5の現像剤を作製した。
(実施例6)
ワックスAの代わりにワックスC(パラフィンワックス、融点:75.5℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例6の現像剤を作製した。
(比較例1)
トリエタノールアミンを添加した後60分間かけて粉砕処理を行う代わりに20分間かけて粉砕処理を行うこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の現像剤を作製した。
(比較例2)
トリエタノールアミンを添加した後60分間かけて粉砕処理を行う代わりに2180分間かけて粉砕処理を行うこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の現像剤を作製した。
図3には実施例1〜6及び比較例1〜2のトナーにおけるワックスの分散径分布を示した。実施例1〜6及び比較例2のトナーにおけるワックスの分散径は、0.04μm以上0.20μm以下の極大値と1.0μm以上5.0μm以下の極大値を有していた。一方、比較例1のトナーにおけるワックスの分散径は、1.0μm以上5.0μm以下の極大値を有していたものの、0.04μm以上0.20μm以下の極大値を有していなかった。
[評価法]
以下に評価方法・評価結果を示す。結果は表中に示す。
[ワックスの分散径及び分散径分布]
実施例1〜6及び比較例1〜2の各々のトナー粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂に分散させ、40℃の雰囲気に2日間静置し硬化物を得た。得られたエポキシ樹脂の硬化物を、ミクロトーム(ライカ社製「UC7k」)を用いて、厚さ100nmの薄片上の測定試料を切り出した。次に、四酸化ルテニウム0.5%水溶液を用いて、測定試料を染色した。透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、染色した測定試料を観察し、トナー粒子の断面の拡大写真を撮影した。トナー粒子の断面は任意に選んだ。また、拡大写真の倍率は10万倍と5000倍で撮影した。得られた画像を画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)で、2値の画像データに変換した。100個のワックス粒子を無作為に選び、ワックス粒子断面の最大径D1及びそれに直交する径D2を測定した。得られたD1及びD2から下記計算式(3)によりトナー粒子中に存在するワックス粒子の分散径Dを算出した。また、求めた分散径Dの分布を図3に示した。
計算式(3):D=(D1×D21/2
[ワックス粒子の体積の比率]
上記の通り求めた分散径Dを用いて、下記計算式(4)によりワックス粒子の体積を算出した。得られた第1ワックス粒子及び第2ワックス粒子のそれぞれの体積から、第2ワックス粒子の体積に対する第1ワックス粒子の体積の比率を計算した。
計算式(4):ワックス粒子の体積=(4/3)π(D/2)3
[ワックス含有量]
実施例1〜6及び比較例1〜2の各々のトナーにおける吸熱ピークを示差走査熱量計(株式会社日立ハイテクサイエンス製、DSC7020)を用いて測定した。各々のトナーの吸熱ピークの面積から吸熱量を算出し、その吸熱量をワックス単独の吸熱ピークから得たワックス単独の吸熱量を除してトナー中のワックスの含有量を算出した。なお、吸熱ピークは、測定試料と基準物質との間の熱量差から算出した。表1にトナー中のワックスの含有量の測定結果を示す。
[定着性能−非オフセット域]
評価機としてカラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製、TASKalfa 5550ci)を用いた。実施例1〜6及び比較例1〜2にて得られた現像剤を前記評価機の現像装置に充填した。実施例1〜6及び比較例1〜2にて得られた現像剤を前記評価機のトナーコンテナに投入した。前記評価機により作製した定着治具を用いて、評価用紙(富士ゼロックス株式会社製、CC80)上に形成した0.4mg/cm2のトナー未定着画像(パッチ)を線速266mm/秒で定着させた。定着させた画像にオフセットが発生した時の温度を求めた。表2に示すように非オフセット発生温度幅の評価を以下の基準に従って評価した。
良い(○):非オフセット発生温度幅が、40℃以上である。
悪い(×):非オフセット発生温度幅が、40℃未満である。
[耐熱保存性]
実施例1〜6及び比較例1〜2の各々のトナー3gを容量20mLのポリ容器に投入して、トナーが投入されたポリ容器を恒温槽(三洋電気株式会社製、CONBECTION OVEN)を用いて60℃で3時間及び48時間静置した。その後、温度25℃、湿度65%での環境下で3時間静置した後、恒温槽から取り出されたポリ容器に入っているトナーを質量既知の目開き45μmの篩に投入した。トナーが投入された目開き45μmの篩をパウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製、TYPE PT−E)に取り付け、5メモリの条件で30秒間、トナーをふるった。次いで、篩上に残存したトナーの重量を測定し、45μm篩上の残分を測定した。
表2に、実施例1〜6及び比較例1〜2のトナーの定着オフセット性、及び耐熱保存性の各々の評価結果を示す。
Figure 0006046690
実施例1〜6のトナーは、低温で定着でき、更に定着幅が大きくなっていることから定着オフセット性が優れており、耐熱保存性についても優れていた。一方、比較例1のトナーは低温で定着できず、定着幅も小さくなっていることから、定着オフセット性は劣っていた。また、比較例2のトナーにおいては低温で定着でき、定着幅も大きかったものの、耐熱保存性が劣っていた。
本実施形態の静電潜像現像用トナーは、例えば複写機又はプリンターにおいて画像を形成するために用いることができる。

Claims (5)

  1. 結着樹脂及び少なくとも1種のワックスを含有するトナー粒子を含む静電潜像現像用トナーであって、
    前記ワックスは、分散径分布において、分散径が0.04μm以上0.20μm以下の範囲内と、分散径が1.0μm以上5.0μm以下の範囲内とに極大値を有し、
    前記ワックスは、分散径が0.04μm以上0.20μm以下の範囲に属する第1ワックス粒子と、
    分散径が1.0μm以上5.0μm以下の範囲に属する第2ワックス粒子とを含有し、
    前記第2ワックス粒子の体積に対する前記第1ワックス粒子の体積の比率が0.5以上1.5以下である、静電潜像現像用トナー。
  2. 前記結着樹脂の酸価が20mgKOH/g以上である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法であって、
    前記結着樹脂及び前記少なくとも1種のワックスを含む原料を混合し、溶融し、混練し、粗粉砕する第1工程と、
    前記第1工程で得られた粗粉砕物を、pH及び温度を高めて微粉砕する第2工程と
    を含む
    、静電潜像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記第2工程における粉砕時間が30分以上600分以下である、請求項3に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記第2工程において、pHを高めるために用いるpH調整剤がトリエタノールアミンであり
    前記第2工程において、前記pHを10.0以上11.0以下とし、且つ、前記温度を前記結着樹脂のガラス転移点−8℃以上前記結着樹脂のガラス転移点以下として、前記粗粉砕物を微粉砕する、請求項3又は4に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
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