JP6248879B2 - トナー - Google Patents
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Description
(1)シェル層が、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂を含む。
(2)トナーコアが、融点50℃以上100℃以下の離型剤(以下、構成(2)の離型剤と記載する)を含む。
(3)トナー粒子の断面における構成(2)の離型剤の平均個数分散径は0nm超1000nm以下である。また、トナー粒子が、トナー粒子の断面における分散径が300nm以上700nm以下である構成(2)の離型剤の粒子(以下、構成(3)の離型剤の粒子と記載する)を、60個数%以上100個数%以下の割合で含む。
トナーコアは、結着樹脂を含む。また、トナーコアは、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含んでもよい。
トナーコアにおいては、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占めることが多い。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基、アミン、又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。
トナーコアは、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るトナーは、前述の構成(2)及び(3)を有する。トナーコアは、融点50℃以上100℃以下の離型剤を含む。離型剤は、例えばトナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
トナーコアは、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、例えばトナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。また、トナーコアに負帯電性の電荷制御剤を含ませることで、トナーコアのアニオン性を強めることができる。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアは、磁性粉を含んでいてもよい。磁性粉としては、例えば、鉄(より具体的には、フェライト又はマグネタイト)、強磁性金属(より具体的には、コバルト又はニッケル)、鉄及び/又は強磁性金属を含む合金、強磁性化処理(例えば、熱処理)が施された強磁性合金、又は二酸化クロムを好適に使用できる。一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
本実施形態に係るトナーは、前述の構成(1)を有する。シェル層は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との両方を含む。また、シェル層において、熱可塑性樹脂が、架橋性を有するモノマー又はプレポリマー(例えば、後述する熱硬化性樹脂の調製に用いられ得るモノマー)で架橋されてもよい。熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との割合は任意である。シェル層において、熱可塑性樹脂に対する熱硬化性樹脂の比率(熱硬化性樹脂の質量/熱可塑性樹脂の質量)は、3/7(≒0.4)以上8/2(=4.0)以下であることが好ましく、4/6(≒0.7)以上7/3(≒2.3)以下であることがより好ましい。トナーコアとシェル層との結合を強めるためには、トナーコアとシェル層との間に共有結合が形成されることが好ましい。
トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。外添剤は、例えばトナーの流動性又は取扱性を向上させるために使用される。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(トナーコアA−1の作製)
トナーA−1の製造方法では、以下の手順でトナーコアA−1を作製した。まず、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、100質量部のポリエステル樹脂Aと、ワックスA(日油株式会社製「WEP−3」、融点73℃のエステルワックス)5質量部と、着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3、銅フタロシアニン)5質量部とを混合した。ポリエステル樹脂Aは、表1に示される物性を有する非結晶性のポリエステル樹脂である。なお、ワックスの融点(表2参照)は、下記方法に従って測定した。
ワックスの融点は、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6200」)を用いて測定した。詳しくは、温度プログラム(下記RUN1〜3)を実行し、RUN3で得られた吸熱曲線に基づいて、ワックスの融点を求めた。
RUN1:10℃から150℃へ、10℃/分の速度で昇温する。
RUN2:150℃から10℃へ、10℃/分の速度で降温する。
RUN3:10℃から150℃へ、10℃/分の速度で昇温する。
なお、RUN1〜3は、RUN1、RUN2、RUN3の順に実行した。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットした。続けて、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れて、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に希塩酸を加えて、フラスコ内の水系媒体(イオン交換水)のpHを4に調整した。
上記のようにして得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。その後、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再度分散させた。さらに、分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
続けて、得られたトナー母粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、トナー母粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。その結果、トナー母粒子の粉体が得られた。
続けて、得られたトナー母粒子を外添処理した。詳しくは、トナー母粒子100質量部と乾式シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「REA90」)1質量部とを、10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナーA−1が得られた。
トナーA−2の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアA−2を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアA−2の製造方法は、5質量部のワックスAに代えてワックスB(日油株式会社製「WEP−3」の融点を変更したエステルワックス、融点45℃)5質量部を用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーA−3の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアA−3を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアA−3の製造方法は、5質量部のワックスAに代えてワックスC(日油株式会社製「WEP−3」の融点を変更したエステルワックス、融点50℃)5質量部を用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーA−4の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアA−4を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアA−4の製造方法は、5質量部のワックスAに代えてワックスD(日油株式会社製「WEP−3」の融点を変更したエステルワックス、融点85℃)5質量部を用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーA−5の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアA−5を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアA−5の製造方法は、5質量部のワックスAに代えてワックスE(日油株式会社製「WEP−3」の融点を変更したエステルワックス、融点100℃)5質量部を用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーA−6の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアA−6を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアA−6の製造方法は、5質量部のワックスAに代えてワックスF(日油株式会社製「WEP−3」の融点を変更したエステルワックス、融点110℃)5質量部を用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーA−7の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアA−7を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアA−7の製造方法は、5質量部のワックスAに代えてワックスG(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」、融点83℃のカルナバワックス)5質量部を用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーA−8の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアA−8を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアA−8の製造方法は、5質量部のワックスAに代えてワックスH(融点70℃のパラフィンワックス)5質量部を用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーB−1の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアB−1を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアB−1の製造方法は、混練条件を、「投入量5kg/時、軸回転速度150rpm、シリンダ温度90℃」から「投入量3kg/時、軸回転速度150rpm、シリンダ温度90℃」に変更した以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーB−2の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアB−2を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアB−2の製造方法は、混練条件を、「投入量5kg/時、軸回転速度150rpm、シリンダ温度90℃」から「投入量4kg/時、軸回転速度150rpm、シリンダ温度90℃」に変更した以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーB−3の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアB−3を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアB−3の製造方法は、混練条件を、「投入量5kg/時、軸回転速度150rpm、シリンダ温度90℃」から「投入量4kg/時、軸回転速度170rpm、シリンダ温度70℃」に変更した以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーB−4の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアB−4を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアB−4の製造方法は、混練条件を、「投入量5kg/時、軸回転速度150rpm、シリンダ温度90℃」から「投入量3kg/時、軸回転速度150rpm、シリンダ温度85℃」に変更した以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーB−5の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアB−5を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアB−5の製造方法は、混練条件を、「投入量5kg/時、軸回転速度150rpm、シリンダ温度90℃」から「投入量5kg/時、軸回転速度150rpm、シリンダ温度120℃」に変更した以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーB−6の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアB−6を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアB−6の製造方法は、混練条件を、「投入量5kg/時、軸回転速度150rpm、シリンダ温度90℃」から「投入量5kg/時、軸回転速度120rpm、シリンダ温度140℃」に変更した以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。
トナーC−1の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアC−1を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアC−1の製造方法は、100質量部のポリエステル樹脂Aに代えて、100質量部のポリエステル樹脂Bを用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。ポリエステル樹脂Bは、表1に示される物性を有する非結晶性のポリエステル樹脂(PES樹脂)である。
トナーC−2の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアC−2を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアC−2の製造方法は、100質量部のポリエステル樹脂Aに代えて、100質量部のポリエステル樹脂Cを用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。ポリエステル樹脂Cは、表1に示される物性を有する非結晶性のポリエステル樹脂(PES樹脂)である。
トナーC−3の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアC−3を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアC−3の製造方法は、100質量部のポリエステル樹脂Aに代えて、100質量部のポリエステル樹脂Dを用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。ポリエステル樹脂Dは、表1に示される物性を有する非結晶性のポリエステル樹脂(PES樹脂)である。
トナーC−4の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアC−4を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアC−4の製造方法は、100質量部のポリエステル樹脂Aに代えて、100質量部のポリエステル樹脂Eを用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。ポリエステル樹脂Eは、表1に示される物性を有する非結晶性のポリエステル樹脂(PES樹脂)である。
トナーC−5の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアC−5を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアC−5の製造方法は、100質量部のポリエステル樹脂Aに代えて、100質量部のポリエステル樹脂Fを用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。ポリエステル樹脂Fは、表1に示される物性を有する非結晶性のポリエステル樹脂(PES樹脂)である。
トナーC−6の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアC−6を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアC−6の製造方法は、100質量部のポリエステル樹脂Aに代えて、85質量部のポリエステル樹脂Aと、15質量部のポリエステル樹脂Gとを用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。ポリエステル樹脂Gは、表1に示される物性を有する結晶性のポリエステル樹脂(PES樹脂)である。なお、表1に示される結晶性ポリエステル樹脂の融点は、下記方法に従って測定された。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定した。詳しくは、示差走査熱量計の測定部に、試料(結晶性ポリエステル樹脂)15mgを入れたアルミパンをセットし、温度範囲30℃〜170℃、昇温速度10℃/分の条件で、試料の吸熱曲線を測定した。リファレンスとしては、空のアルミパンを使用した。測定された試料の吸熱曲線において、融解熱が最大ピークを示す温度を、試料の融点とした。
トナーC−7の製造方法は、トナーコアA−1に代えてトナーコアC−7を用いた以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。トナーコアC−7の製造方法は、100質量部のポリエステル樹脂Aに代えて、85質量部のポリエステル樹脂Aと、15質量部のポリエステル樹脂Hとを用いた以外は、トナーコアA−1の製造方法と同じである。ポリエステル樹脂Hは、表1に示される物性を有する結晶性のポリエステル樹脂(PES樹脂)である。
トナーD−1の製造方法は、シェル材料A及びBの各々の添加量を2mLから0.5mLに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。
トナーD−2の製造方法は、シェル材料A及びBの各々の添加量を2mLから1mLに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。
トナーD−3の製造方法は、シェル材料A及びBの各々の添加量を2mLから4mLに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。
トナーE−1の製造方法は、シェル層の形成に用いたシェル材料を、2mLのシェル材料A及び2mLのシェル材料Bから、4mLのシェル材料A及び1mLのシェル材料Bに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。
トナーE−2の製造方法は、シェル層の形成に用いたシェル材料を、2mLのシェル材料A及び2mLのシェル材料Bから、1mLのシェル材料A及び2.3mLのシェル材料Bに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。
トナーE−3の製造方法は、シェル層の形成に用いたシェル材料を、2mLのシェル材料A及び2mLのシェル材料Bから、2mLのシェル材料C及び1mLのシェル材料Bに変更し、シェル層の形成において触媒Aを使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。シェル材料Cは、グリオキザール系モノマーの水溶液(DIC株式会社製「BECKAMINE(登録商標)NS−11」、固形分濃度40質量%)である。触媒Aは、複合金属塩系触媒の水溶液(DIC株式会社製「キャタリストGT−3」)である。
トナーE−4の製造方法は、シェル層の形成に用いたシェル材料を、2mLのシェル材料A及び2mLのシェル材料Bから、2mLのシェル材料D及び1mLのシェル材料Bに変更し、シェル層の形成において触媒Bを使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。シェル材料Dは、メチロール化尿素の水溶液(DIC株式会社製「BECKAMINE(登録商標)J−300S」、固形分濃度70質量%)である。触媒Bは、アミン塩系触媒の水溶液(DIC株式会社製「キャタリスト376」)である。
トナーE−5の製造方法は、シェル層の形成に用いたシェル材料を、2mLのシェル材料A及び2mLのシェル材料Bから、2mLのシェル材料A及び2mLのシェル材料Eに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。シェル材料Eは、単量体組成「メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/アクリルアミド/メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール=30/50/20(モル比率)」、ガラス転移点(Tg)110℃、質量平均分子量(Mw)55000のアクリルアミド系共重合体の水溶液(固形分濃度5質量%)である。
トナーE−6の製造方法は、シェル層の形成に用いたシェル材料を、2mLのシェル材料A及び2mLのシェル材料Bから、2mLのシェル材料A及び2mLのシェル材料Fに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。シェル材料Fは、アクリル−シリコーン系グラフトポリマーの水溶液(東亞合成株式会社製「サイマック(登録商標)US−480」、固形分濃度25質量%)である。
トナーE−7の製造方法は、シェル層の形成に用いたシェル材料を、2mLのシェル材料A及び2mLのシェル材料Bから、2mLのシェル材料A及び2mLのシェル材料Gに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。シェル材料Gは、ウレタン樹脂の水溶液(第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス(登録商標)170」、固形分濃度30質量%)である。
トナーFの製造方法は、シェル層を形成しなかった以外は、トナーA−1の製造方法と同じである。なお、外添処理は、トナーA−1の製造方法と同様に行った。
各試料(トナーA−1〜F)の評価方法は、以下の通りである。
試料(トナー)を常温硬化性のエポキシ樹脂中に分散し、40℃の雰囲気で2日間硬化させて硬化物を得た。得られた硬化物を四酸化オスミウムを用いて染色した後、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ株式会社製「EM UC6」)を用いて切り出し、厚さ150nmの薄片試料を得た。続けて、得られた薄片試料の断面(特に、トナーコアの断面)を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JSM−7600F」)を用いて倍率3000倍で撮影した。そして、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてTEM撮影像を解析することで、離型剤(ワックス)の分散径(直径)を計測した。なお、離型剤の粒子の断面が真円でない場合には、長径(最も長い径)を分散径の測定値とした。
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6200」)を用いて試料(トナー)の吸熱曲線を測定した。詳しくは、示差走査熱量計を用いて、温度範囲25℃〜200℃、昇温速度10℃/分の条件で、アルミパン中に入れた試料(トナー)10mgの吸熱曲線を測定した。リファレンスとしては、空のアルミパンを使用した。その後、得られた吸熱曲線における試料(トナー)の比熱の変化点から試料(トナー)のTg(ガラス転移点)を求めた。
試料(トナー)を高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)にセットし、ダイス細孔経1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料(トナー)を溶融流出させてS字カーブを求めた。そして、得られたS字カーブから試料(トナー)のTm(軟化点)を読み取った。
試料(トナー)を常温硬化性のエポキシ樹脂中に分散し、40℃の雰囲気で2日間硬化させて硬化物を得た。得られた硬化物を四酸化オスミウムを用いて染色した後、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ株式会社製「EM UC6」)を用いて切り出し、薄片試料を得た。続けて、得られた薄片試料の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて撮影した。
試料(トナー)3gを容量20mLのポリエチレン製容器に入れて密閉し、密閉された容器を、60℃に設定された恒温槽(ヤマト科学株式会社製「DKN302」)内に3時間静置した。その後、恒温槽から取り出したトナーを室温まで冷却して、評価用トナーを得た。
トナー凝集率(質量%)=100×篩を通過しなかったトナーの質量/篩別前のトナーの質量
現像剤用キャリア(FS−C5300DN用キャリア)100質量部と、試料(トナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、2成分現像剤を調製した。
トナーA−1〜Fの各々についての評価結果は以下のとおりである。表4に、最低定着温度、最高定着温度、耐熱保存性、及びグロスの評価結果をそれぞれ示す。なお、離型剤の分散径の評価結果は、表2に示されている。また、シェル層の厚さ、並びにトナーのTg及びTmの各々の評価結果は、表3に示されている。
Claims (6)
- 複数のトナー粒子を含むトナーであって、
前記トナー粒子は、コアと、前記コアの表面に形成されたシェル層とを有し、
前記コアは、融点50℃以上100℃以下の離型剤を含み、
前記コアはポリエステル樹脂を含み、
前記シェル層は、架橋性を有するモノマーで架橋された熱可塑性樹脂を含み、
前記架橋性を有するモノマーは、メチロールメラミン、グリオキザール系モノマー、又はメチロール化尿素であり、
前記トナー粒子の断面における前記離型剤の平均個数分散径は600nm以上1000nm以下であり、
前記コアは、前記トナー粒子の断面における分散径が300nm以上700nm以下である前記離型剤の粒子を、60個数%以上の割合で含む、トナー。 - 前記架橋性を有するモノマーで架橋された前記熱可塑性樹脂は、メチロールメラミンとグリオキザール系モノマーとメチロール化尿素とからなる群より選択される1種類のモノマーで架橋されたポリアクリルアミドである、請求項1に記載のトナー。
- 前記架橋性を有するモノマーで架橋された前記熱可塑性樹脂は、メチロールメラミンで架橋されたアクリルアミド系共重合体である、請求項1に記載のトナー。
- 前記架橋性を有するモノマーで架橋された前記熱可塑性樹脂は、メチロールメラミンで架橋されたアクリル−シリコーン系グラフトポリマーである、請求項1に記載のトナー。
- 前記架橋性を有するモノマーで架橋された前記熱可塑性樹脂は、メチロールメラミンで架橋されたウレタン樹脂である、請求項1に記載のトナー。
- 前記離型剤は合成エステルワックスであり、
前記ポリエステル樹脂の質量平均分子量が10000以上50000以下であり、
前記ポリエステル樹脂の、数平均分子量に対する質量平均分子量の比率が、8以上50以下であり、
前記ポリエステル樹脂の酸価が5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、
前記ポリエステル樹脂の水酸基価が15mgKOH/g以上80mgKOH/g以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
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