JP2003131430A - 乾式トナー - Google Patents

乾式トナー

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JP2003131430A
JP2003131430A JP2001343626A JP2001343626A JP2003131430A JP 2003131430 A JP2003131430 A JP 2003131430A JP 2001343626 A JP2001343626 A JP 2001343626A JP 2001343626 A JP2001343626 A JP 2001343626A JP 2003131430 A JP2003131430 A JP 2003131430A
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toner
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acid
wax
particles
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JP2001343626A
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English (en)
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Koshin Sugiyama
恒心 杉山
Masami Tomita
正実 冨田
Shigeru Emoto
茂 江本
Yuji Yamashita
裕士 山下
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性と耐ホットオフセット性とのいず
れにも優れ、耐フィルミング性、耐スペント性が良好で
あり、しかもカラートナーとして用いた場合の光沢性、
透明性に優れ、かつ粉体流動性が良好なことから、転写
性、現像性の向上した高品質の画像を与えることのでき
る乾式トナーを提供すること。 【解決手段】 変性ポリエステル(i)を少なくともト
ナーバインダーとして含有する乾式トナーにおいて、該
トナーがワックスを含有し、該トナー内部のワックス分
散径が0.1〜3μmである粒子が70個数%以上を占
めることを特徴とする乾式トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式トナーに関
し、さらに詳しくは、電子写真、静電記録、静電印刷等
における静電荷像を現像するための現像剤に使用される
乾式トナーであって、直接又は間接電子写真現像方式を
用いた複写機、レーザープリンター及び普通紙ファック
ス等に使用される乾式トナー又は直接又は間接電子写真
多色現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレ
ーザープリンター及びフルカラー普通紙ファックス等に
使用される乾式トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真、静電記録、静電印刷等におい
て使用される現像剤は、その現像工程において、例え
ば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一
旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等
の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定
着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像
を現像するための現像剤として、キャリアとトナーから
成る二成分系現像剤及びキャリアを必要としない一成分
系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られてい
る。従来、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられ
る乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル
等のトナーバインダーを着色剤等と共に溶融混練し、微
粉砕したものが用いられている。
【0003】これらの乾式トナーは紙等に現像転写され
た後、熱ロールを用いて加熱溶融することにより定着さ
れる。その際、熱ロール温度が高すぎると、トナーが過
剰に溶融し熱ロールに融着する問題(ホットオフセッ
ト)が発生する。また、熱ロール温度が低すぎると、ト
ナーが充分に溶融せず、定着が不十分になる問題が発生
する。省エネルギー化、複写機等の装置の小型化の観点
から、よりホットオフセット発生温度が高く(耐ホット
オフセット性)、かつ定着温度が低い(低温定着性)ト
ナーが求められている。
【0004】とりわけ、フルカラー複写機、フルカラー
プリンターにおいては、その画像の光沢性及び混色性が
必要なことから、トナーはより低溶融粘度であることが
必要であり、シャープメルト性のポリエステル系のトナ
ーバインダーが用いられている。このようなトナーで
は、ホットオフセットの発生が起こりやすいことから、
従来からフルカラー用の機器では、熱ロールにシリコー
ンオイル等を塗布することが行われている。しかしなが
ら、熱ロールにシリコーンオイルを塗布する方法は、オ
イルタンク、オイル塗布装置が必要であり、装置が複雑
化、大型化することとなる。また、熱ロールの劣化をも
引き起こし、一定期間毎のメンテナンスを必要とする。
さらに、コピー用紙、OHP(オーバーヘッドプロジェ
クター)用フィルム等にオイルが付着することが不可避
であり、とりわけ、OHPにおいては付着オイルによる
色調の悪化が問題となる。
【0005】そこで、熱ロールにオイル塗布することな
くトナーの融着を防ぐために、トナーにワックスを添加
する方法が一般的に用いられているが、その離型効果に
は、ワックスのバインダー中での分散状態が大きく影響
している。ワックスはバインダー中に相溶してしまうと
離型性を発現できず、非相溶なドメイン粒子として存在
することにより初めて離型性を向上させることができ
る。ドメイン粒子の分散径が大きすぎると、トナー粒子
表面近傍に存在するワックスの割合が相対的に増加する
ため、凝集性を示して流動性が悪化したり、長期の使用
においてワックスがキャリアや感光体に移行してフィル
ミングを生じたりして、良好な画質を得るのを妨げると
いう問題を生じる。また、カラートナーにおいては、色
再現性や透明性を損なうという問題もある。逆に、分散
径が小さすぎると、ワックスが過度に微分散されて十分
な離型性が得られない。このようにワックスの分散径の
コントロールは必要不可欠であるにもかかわらず、いま
だ適切な方法が見つかっていないのが現状である。
【0006】粉砕法により製造されるトナーの場合、分
散径を決定する大きな要因は溶融混練時の練りのせん断
力であるが、近年、トナー用バインダーに多く用いられ
ているポリエステル樹脂は、その粘度の低さから充分な
練りのせん断力が加わらず、ワックスの分散を制御する
のがきわめて困難で、適度な分散径が得られ難いもので
あった。また、粉砕法におけるもう一つの問題として、
ワックスが破断面になりやすいために、表面に露出する
ワックスが多くなってしまうということがあった。
【0007】一方、近年、重合トナーが開発、商品化さ
れ、重合トナーは、まず小粒径トナーが製造しやすく、
したがって高画質が得られ、さらに、流動性、転写性が
良好であるという利点を有する。最近、厳密には従来に
いう重合ではないが、重合に分類される水中造粒法で製
造されるウレア結合によって伸長されたポリエステルト
ナーが提案されているが、この水中造粒法で製造される
トナーの場合、粉砕トナーとは反対に、極性の低いワッ
クスは水との親和性が低いため、表面に露出するワック
スがきわめて少ないという問題点がある。流動性やフィ
ルミング等の観点からは好ましいが、定着時の離型性は
充分に得られない。このように、離型性に優れ、かつフ
ィルミング・スペントが起こさないトナーを得ることは
困難である。
【0008】高品位、高画質の画像を得るためには、ト
ナーの粒子径を小さくしたり、その粒度分布を狭くした
りすることによって改良が図られているが、通常の混
練、粉砕法による製造方法では、その粒子形状が不定形
であり、粒径が6、7μm以下の小粒径トナーを製造す
ることが難しく、小粒径機械内部では、現像部内でのキ
ャリアとの攪拌や、一成分系現像剤として用いる場合
は、現像ローラとトナー供給ローラ、層厚規制ブレード
や摩擦帯電ブレード等とによる接触ストレスにより、さ
らにトナーが粉砕され、極微粒子が発生したり、流動化
剤がトナー表面に埋め込まれるために、画像品質が低下
するという現象が発生している。また、その形状ゆえに
粉体としての流動性が悪く、もって高画質を得難く、多
量の流動化剤を必要としたり、トナーボトル内への充填
率が低く、コンパクト化への阻害要因となっている。
【0009】さらに、フルカラー画像を作成するために
多色トナーより形成された画像の感光体から転写媒体や
紙への転写プロセスも複雑になってきており、粉砕トナ
ーのような不定形の形状による転写性の悪さから、転写
された画像のぬけやそれを補うためトナー消費量が増加
する等の問題が発生している。
【0010】したがって、一層転写効率の向上を図るこ
とにより、トナーの消費量を減少させて画像のぬけの無
い高品位の画像を得たり、ランニングコストを低減させ
たいという要求も高まっている。転写効率が向上すれ
ば、感光体や転写媒体から未転写トナーを取り除くため
のクリーニングユニットが必要なくなり、機器の小型
化、低コスト化が図れ、廃棄トナーもなくなるというメ
リットも同時に有することになるからである。このよう
な不定形の形状効果の欠点を補うために種々の球状のト
ナー製造法によるトナーが重合トナーとして使用されて
いる。
【0011】上記問題点のうち、低温定着性、耐ホット
オフセット性を両立させるものとして、多官能のモノ
マーを用いて部分架橋せしめたポリエステルをトナーバ
インダーとして用いたもの(特開昭57−109825
号公報)、ウレタン変性したポリエステルをトナーバ
インダーとして用いたもの(特公平7−101318号
公報)等が提案されている。また、フルカラー用に熱ロ
ールへのオイル塗布量を低減するものとして、ポリエ
ステル微粒子とワックス微粒子を造粒したもの(特開平
7−56390号公報)が提案されている。
【0012】さらに、小粒径化した場合の粉体流動性、
転写性を改善するものとしては、着色剤、極性樹脂及
び離型剤を含むビニル単量体組成物を水中に分散させた
後、懸濁重合した重合トナー(特開平9−43909号
公報)、ポリエステル系樹脂からなるトナーを水中に
て溶剤を用いて球形化したトナー(特開平9−3416
7号公報)が提案されている。
【0013】さらに、特開平11−133666号公
報には、ウレア結合で変性されたポリエステル樹脂を用
いた略球形の乾式トナーが開示されている。また、オイ
ルレス定着性と粉体流動性、転写性に優れ、かつフィル
ミングしないトナーとして、例えば、トナー表面に露
出するワックス量と、ワックスの分散径を規定したトナ
ー(特開平10−207116号)がある。
【0014】しかし、〜に開示されているトナー
は、いずれも粉体流動性、転写性が不十分であり、小粒
径化して高画質化できるものではない。特に、、に
開示されているトナーは、いずれも従来の粉砕法によっ
て得られるものであって、小粒径、画質、転写性を改善
するものでない。さらに、及びに開示されているト
ナーは、耐熱保存性と低温定着性の両立がいまだ不十分
であると共に、フルカラー用には光沢性が発現しないた
め使用できるものではない。また、に開示されている
トナーは、低温定着性が不十分であると共に、オイルレ
ス定着におけるホットオフセット性が満足できるもので
はない。及びに開示されているトナーは、粉体流動
性、転写性の改善効果は見られるものの、に開示され
ているトナーは、低温定着性が不十分であり、定着に必
要なエネルギーが多くなる問題点があって、特に、フル
カラー用のトナーではこの問題が顕著である。に開示
されているトナーは、低温定着性ではより優れるもの
の、耐ホットオフセット性が不十分であり、フルカラー
用において熱ロールへのオイル塗布を不要とするもので
はなかった。
【0015】に開示されているトナーは、ウレア結合
によって伸長されたポリエステルを用いることによって
トナーの粘弾性を適宜調節でき、フルカラートナーとし
ての適正な光沢性と離型性を両立することができる点で
優れている。特に、定着ローラーが使用中に電荷を帯
び、転写媒体上の未定着画像上のトナーが静電的に散っ
たり、定着ローラーに付着してしまう、いわゆる静電オ
フセットは、ウレア結合成分の正帯電性とポリエステル
樹脂自身の弱負帯電性の中和により緩和することができ
る。しかし、耐ホットオフセット性という点において
は、オイル塗布をすることなく満足な離型性が得られる
というレベルには達していないものであった。
【0016】のトナーは、ワックスが適切な状態に分
散されているため、定着性が良好である上に、耐フィル
ミング性等の特性に優れ、また、水中で造粒する球形ト
ナーであるため、粉体特性にも優れるとされている。し
かし、定着時にワックスをトナー内部よりしみ出させる
のでなく、はじめからワックスを表面に露出させること
で定着性を改善させるのは、フィルミング・スペント等
の観点から本来好ましくなく、信頼性は不十分なもので
あった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点を解消し、低温定着性と耐ホットオフセッ
ト性とのいずれにも優れ、耐フィルミング性、耐スペン
ト性が良好であり、しかもカラートナーとして用いた場
合の光沢性、透明性に優れ、かつ粉体流動性が良好なこ
とから、転写性、現像性の向上した高品質の画像を与え
ることのできる乾式トナーを提供することをその課題と
するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、バインダーとして用いる樹脂とトナ
ー内部に含有させるワックスの分散径に着目して鋭意検
討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
【0019】すなわち、本発明によれば、下記(1)〜
(10)の乾式トナー(以下、単にトナーということがあ
る)が提供される。 (1)変性ポリエステル(i)を少なくともトナーバイ
ンダーとして含有する乾式トナーにおいて、該トナーが
ワックスを含有し、該トナー内部のワックス分散径が
0.1〜3μmである粒子が70個数%以上を占めるこ
とを特徴とする乾式トナー。 (2)該トナーバインダーが、該変性ポリエステル
(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)を
含有し、(i)/(ii)の重量比が5/95〜80/2
0である上記(1)に記載の乾式トナー。 (3)該トナーのピーク分子量が、1000〜3000
0である上記(1)又は(2)に記載の乾式トナー。 (4)該トナーバインダーの酸価が、1〜30mgKO
Hである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乾式ト
ナー。 (5)該トナーのガラス転移点(Tg)が、40〜70
℃である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の乾式ト
ナー。 (6)変性ポリエステルを含むトナー組成物を、有機溶
剤に溶解又は分散させ、水系媒体中で分散して得られる
上記(1)〜(5)のいずれかに記載の乾式トナー。 (7)プレポリマーを含むトナー組成物を有機溶剤に溶
解又は分散し、水系媒体中で分散する工程中に、変性ポ
リエステルを生成させて得られる上記(6)に記載の乾
式トナー。 (8)変性ポリエステルが、ウレア変性ポリエステルで
ある上記(1)〜(7)のいずれかに記載の乾式トナ
ー。 (9)体積平均粒径が、3〜10μmである上記(1)
〜(8)のいずれかに記載の乾式トナー。 (10)円形度が、0.94〜0.99である上記
(1)〜(9)のいずれかに記載の乾式トナー。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明では、変性ポリエステル
(i)を少なくともトナーバインダーとして含有するこ
とにより、ワックス粒子が適度な粒子径で安定して分散
されることを見出した。これは、変性ポリエステル中の
極性基部分がワックスとの界面において負吸着を起こ
し、極性の低いワックスを安定的に分散させることがで
きるようになるからと考えられる。ワックスの分散は、
通常の混合、撹拌装置を使用して行う。具体的には、ワ
ックスを溶解させた原材料溶解液を溶解撹拌タンク等で
攪拌した後、例えば、アトライター、ボールミル、サン
ドミル、振動ミル等の粒状メデイアを装備した装置によ
り湿式粉砕する。粒状メデイアとしては、ステンレス
鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が
好ましく用いられる。
【0021】さらに、特に、トナー組成物を有機溶剤に
溶解又は分散し、水系媒体中で分散させてトナー粒子を
得る方法においては、変性ポリエステル中の極性基部分
が水と親和性を示してトナー表面に選択的に集まるた
め、ワックス粒子が表面に露出するのを妨げるという効
果も発揮される。すなわち、本発明のトナーは、ワック
スが粒子内で微分散された状態で内包されており、フィ
ルミングや帯電安定性の阻害等ワックス分散径が大きい
こと又は表面近傍に存在したりすることによる悪影響が
ないものがある。
【0022】なお、本発明では、ワックスと同時に顔料
を投入して分散させてもよい。上記の攪拌装置により、
着色剤の凝集を解き、着色剤の平均粒径が0.7μm程
度以下、好ましくは0.4μm程度以下になるまで、着
色剤を分散させることができる。したがって、カラート
ナーとした場合の光沢性、透明性にも優れ、鮮明で色再
現に優れた画像を得ることができる。
【0023】定着時には、これら内包されたワックスが
定着面と定着ローラの界面に速やかにしみ出すため、離
型性にも優れる。その理由は、トナーバインダーが変性
ポリエステル(分子量大)と変性されていないポリエス
テル(分子量小)から構成され、定着時に分子量の小さ
い部分がはじめに溶融してワックスが効率良くしみ出す
ためである。変性ポリエステル、変性されていないポリ
エステルの好ましい条件については、後に詳細に説明す
る。
【0024】本発明においては、ワックスの最大方向の
粒径をもってワックス分散径とした。具体的には、トナ
ーをエポキシ樹脂に包埋して、約100nmに超薄切片
化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子
顕微鏡(TEM)により倍率10000倍で観察を行
い、写真撮影し、この写真を画像評価することにより、
ワックスの分散状態を観察し分散径を測定した。本発明
のトナー中に存在するワックス分散径の分布は、0.1
〜3μmの粒子が70個数%以上、より好ましくは1μ
m〜2μmの粒子が70個数%以上である。0.1μm
より小さい粒子が多いと、充分な離型性を発現できな
い。また、3μmより大きい粒子が多いと、凝集性を示
して流動性が悪化したり、フィルミングを生じたりする
ばかりでなく、カラートナーにおいては、色再現性や光
沢性を著しく低下させてしまう。
【0025】変性ポリエステルとは、ポリエステル樹脂
中に酸、アルコールのモノマーユニットに含まれる官能
基とエステル結合以外の結合基が存在したり、また、ポ
リエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、
イオン結合等により結合した状態のものをいう。
【0026】例えば、ポリエステル末端をエステル結合
以外のもので反応させたもの、具体的には、末端に酸
基、水酸基と反応するイソシアネート基等の官能基を導
入し、活性水素化合物とさらに反応させ、末端を変性し
たり伸長反応させたものも含まれる。
【0027】さらに、活性水素基が複数存在する化合物
であれば、ポリエステル末端同士を結合させたものも含
まれる(ウレア変性ポリエステル、ウレタン変性ポリエ
ステル等)。また、ポリエステル主鎖中に二重結合等の
反応性基を導入し、そこからラジカル重合を起こして側
鎖に炭素−炭素結合のグラフト成分を導入したり、二重
結合同士を橋かけしたものも含まれる(スチレン変性、
アクリル変性ポリエステル等)。
【0028】また、ポリエステルの主鎖中に構成の異な
る樹脂成分を共重合させたり、末端のカルボキシル基や
水酸基と反応させたもの、例えば、末端がカルボキシル
基、水酸基、エポキシ基、メルカプト基によって変性さ
れたシリコーン樹脂と共重合させたものも含まれる(シ
リコーン変性ポリエステル等)。以下に、具体的に説明
する。
【0029】ウレア結合で変性されたポリエステル
(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステ
ルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物等が
挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプ
レポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカ
ルボン酸(2)の重縮合物で、かつ活性水素基を有する
ポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応
させた物等が挙げられる。上記ポリエステルの有する活
性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフ
ェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メル
カプト基等が挙げられ、これらのうち好ましいものはア
ルコール性水酸基である。
【0030】ポリオール(1)としては、ジオール(1
−1)及び3価以上のポリオール(1−2)が挙げら
れ、(1−1)単独又は(1−1)と少量の(1−2)
の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、ア
ルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール
等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂
環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、
水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS
等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオ
キサイド等)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレ
ンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキ
レングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキ
サイド付加物であり、特に好ましいものは、ビスフェノ
ール類のアルキレンオキサイド付加物及びこれと炭素数
2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価
以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価又はそ
れ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ソルビトール等);3価以上のフェノール類
(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレ
ゾールノボラック等);上記3価以上のポリフェノール
類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0031】ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボ
ン酸(2−1)及び3価以上のポリカルボン酸(2−
2)が挙げられ、(2−1)単独及び(2−1)と少量
の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−
1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸
(マレイン酸、フマール酸等);芳香族ジカルボン酸
(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち好まし
いものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸
及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価
以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜
20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメ
リット酸等)等が挙げられる。なお、ポリカルボン酸
(2)としては、上記のものの酸無水物又は低級アルキ
ルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプ
ロピルエステル等)を用いてポリオール(1)と反応さ
せてもよい。
【0032】ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)
の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COO
H]の当量比[OH]/[COOH]として、通常、2
/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに
好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0033】ポリイソシアネート(3)としては、脂肪
族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソ
シアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシア
ネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシル
メタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート
(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,
α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ート等);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネー
トをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等で
ブロックしたもの及びこれら2種以上の併用が挙げられ
る。
【0034】ポリイソシアネート(3)の比率は、イソ
シアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステ
ルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]とし
て、通常、5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2
/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1であ
る。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が
悪化し、[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエ
ステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット
性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポ
リマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の
含有量は、通常、0.5〜40重量%、好ましくは1〜
30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。
0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化す
ると共に、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利に
なり、また、40重量%を超えると、低温定着性が悪化
する。
【0035】イソシアネート基を有するプレポリマー
(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基
は、通常、1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、
さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分
子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子
量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0036】アミン類(B)としては、ジアミン(B
1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコー
ル(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸
(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたも
の(B6)等が挙げられる。ジアミン(B1)として
は、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルト
ルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン
等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’
ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキ
サン、イソホロンジアミン等);及び脂肪族ジアミン
(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン等)等が挙げられる。3価以上のポリ
アミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン等が挙げられる。アミノアルコール
(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチ
ルアニリン等が挙げられる。アミノメルカプタン(B
4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロ
ピルメルカプタン等が挙げられる。アミノ酸(B5)と
しては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙
げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの
(B6)としては、上記B1〜B5のアミン類とケトン
類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジ
ン化合物等が挙げられる。これらアミン類(B)のうち
好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物で
ある。
【0037】さらに、必要により伸長停止剤を用いてウ
レア変性ポリエステルの分子量を調整することができ
る。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミ
ン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン
等)及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)
等が挙げられる。
【0038】アミン類(B)の比率は、イソシアネート
基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基
[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]
の当量比[NCO]/[NHx]として、通常、1/2
〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに
好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]
/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変
性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオ
フセット性が悪化する。
【0039】本発明においては、変性されたポリエステ
ル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有し
ていてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量
のモル比は、通常、100/0〜10/90であり、好
ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、
60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が
10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0040】本発明の変性ポリエステル(i)は、ワン
ショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポ
リエステル(i)の重量平均分子量は、通常、1万以
上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3
万〜100万である。1万未満では、耐ホットオフセッ
ト性が悪化する。変性ポリエステルの数平均分子量は、
後記の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場
合は特に限定されるものではなく、上記重量平均分子量
とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の
場合は、数平均分子量は、通常、20000以下、好ま
しくは1000〜10000、さらに好ましくは200
0〜8000である。20000を超えると、低温定着
性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化す
る。
【0041】本発明においては、上記変性されたポリエ
ステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、
変性されていないポリエステル(ii)をトナーバインダ
ー成分として含有させることもできる。(ii)を併用す
ることにより、低温定着性及びフルカラー装置に用いた
場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)
としては、上記(i)のポリエステル成分と同様なポリ
オール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物等が
挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、
(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、例えば、ウ
レア結合やウレタン結合で変性されていてもよい。
(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが
低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。し
たがって、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の
組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と
(ii)の重量比は、通常、5/95〜80/20、好ま
しくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/9
5〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80
である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフ
セット性が悪化すると共に、耐熱保存性と低温定着性の
両立の面で不利になる。
【0042】トナーのピーク分子量は、通常、1000
〜30000、好ましくは1500〜10000、さら
に好ましくは2000〜8000である。1000未満
では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると低温定
着性が悪化する。トナーの水酸基価は、5以上であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好
ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低
温定着性の両立の面で不利になる。トナーバインダーの
酸価は通常、1〜30、好ましくは5〜20である。酸
価を持たせることにより、負帯電性となりやすい傾向が
あり、また、定着時における紙との親和性が増大し、定
着力が強くなる。
【0043】本発明において、トナーのガラス転移点
(Tg)は、通常、40〜70℃、好ましくは55〜6
5℃である。40℃未満では、トナーの耐熱保存性が悪
化し、70℃を超えると、低温定着性が不十分となる。
変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナ
ーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較し
て、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を
示す。
【0044】本発明の離型剤として用いるワックスとし
ては公知のものが使用でき、例えば、ポリオレフィンワ
ックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワック
ス等);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾール
ワックス等);カルボニル基含有ワックス等が挙げられ
る。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワ
ックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポ
リアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワ
ックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペン
タエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリト
ールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネ
ート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート
等);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリ
ステアリル、ジステアリルマレエート等);ポリアルカ
ン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等);
ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルア
ミド等);及びジアルキルケトン(ジステアリルケトン
等)等が挙げられる。
【0045】これらカルボニル基含有ワックスのうち好
ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明
のワックスの融点は、通常、40〜160℃であり、好
ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90
℃である。融点が40℃未満のワックスは、耐熱保存性
に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは、低温で
の定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、
ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測
定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好
ましくは10〜100cpsである。1000cpsを
超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性
への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は
通常1〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%
である。
【0046】本発明の着色剤としては、公知の染料及び
顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグ
ロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエ
ロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄
色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、
オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、
R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー
(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バル
カンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレー
キ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローB
GL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛
朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッ
ド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッ
ド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリ
ンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリア
ントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンB
S、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、F
RLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベル
カンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、
リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリ
リアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、
ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボル
ドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボ
ンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレ
ーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリ
ザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマ
ルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロ
ンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベ
ンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレン
ジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブル
ーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルー
レーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニン
ブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー
(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノ
ンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレッ
トレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオ
レット、アントラキノンバイオレット、クロムグリー
ン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラ
ルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリ
ーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、
マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、
アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボ
ン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量は
トナーに対して、通常、1〜15重量%、好ましくは3
〜10重量%である。
【0047】本発明で用いる着色剤は、樹脂と複合化さ
れたマスターバッチとして用いることもできる。マスタ
ーバッチの製造又はマスターバッチと共に混練されるバ
インダー樹脂としては、上記の変性、未変性ポリエステ
ル樹脂の他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチ
レン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン
共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチ
レン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル
酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体
等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、
ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレ
タン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリ
ル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族
叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パ
ラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独又は
混合して使用できる。
【0048】本マスターバッチは、マスターバッチ用の
樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得
ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高
めるために、有機溶剤を用いることができる。また、い
わゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水
性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合混練し、着色剤
を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方
法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることがで
きるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混
合混練するには、3本ロールミル等を有する高せん断分
散装置が好ましく用いられる。
【0049】本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御
剤を含有していてもよい。帯電制御剤としては、公知の
ものが全て使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリ
フェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリ
ブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ
系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモ
ニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合
物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、
サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等であ
る。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、
第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属ア
ゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属
錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フ
ェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工
業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP
−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社
製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY
VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブル
ーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NE
G VP2036、コピーチャージ NX VP434
(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体
であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロ
シアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その
他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩
等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0050】本発明における荷電制御剤の使用量は、バ
インダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の
有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定さ
れるもので、一律に決定されるものではないが、好まし
くは、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜
10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜
5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合には、
トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退
させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の
流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制
御剤、離型剤は、マスターバッチ、樹脂と共に溶融混練
することもでき、有機溶剤に溶解、分散する際に加えて
もよい。
【0051】本発明で得られた着色粒子の流動性や現像
性、帯電性を補助するために用いられる外添剤として
は、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無
機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが
好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好まし
い。また、BET法による比表面積は、20〜500m
2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割
合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好まし
く、特に0.01〜2.0重量%であることが好まし
い。無機微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、ア
ルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグ
ネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウ
ム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ
灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガ
ラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコ
ニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。
【0052】この他、高分子系微粒子、例えば、ソープ
フリー乳化重合、懸濁重合、分散重合によって得られる
ポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エス
テル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロ
ン等の重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げ
られる。
【0053】このような流動化剤は、表面処理を行って
疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性
の悪化を防止することができる。例えば、シランカップ
リング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシラ
ンカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、
アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、
変性シリコーンオイル等が好ましい表面処理剤として挙
げられる。
【0054】感光体や一次転写媒体に残存する転写後の
現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤として
は、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸等脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメ
タクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフ
リー乳化重合等によって製造されたポリマー微粒子等を
挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布
が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ま
しい。
【0055】本発明の乾式トナーの製法を例示する。例
えば、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、トナーバ
インダーは以下の方法等で製造することができる。ポリ
オール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキ
シチタネート、ジブチルチンオキサイド等公知のエステ
ル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要に
より減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有
するポリエステルを得る。次いで、40〜140℃に
て、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソ
シアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さら
に、(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応さ
せ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。
(3)を反応させる際及び(A)と(B)を反応させる
際には、必要により溶剤を用いることもできる。
【0056】使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(ト
ルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類
(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド等)及びエーテル類(テトラヒド
ロフラン等)等のイソシアネート(3)に対して不活性
なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポ
リエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポ
リエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを上記
(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。乾式ト
ナーは、以下の方法で製造することができるが、これに
限定されるものではない。
【0057】本発明に用いる水系媒体としては、水単独
でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもでき
る。水と混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノ
ール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジ
メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ
類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、
メチルエチルケトン等)等が挙げられる。
【0058】トナー粒子は、水系媒体中でプレポリマー
(A)からなる分散体を(B)と反応させて形成しても
よく、あらかじめ製造した変性ポリエステル(i)を用
いてもよい。水系媒体中で変性ポリエステル(i)やプ
レポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる
方法としては、水系媒体中に変性ポリエステル(i)や
プレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加え
て、せん断力により分散させる方法等が挙げられる。プ
レポリマー(A)と他のトナー組成物(以下、トナー原
料という)である着色剤、着色剤マスターバッチ、離型
剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂等は、水系媒
体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あら
かじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合
物を加えて分散させた方がより好ましい。
【0059】また、本発明においては、着色剤、離型
剤、荷電制御剤等の他のトナー原料は、必ずしも、水系
媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はな
く、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。例えば、
着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方
法で着色剤を添加することもできる。
【0060】分散の方法としては特に限定されるもので
はないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧
ジェット式、超音波等の公知の設備が適用できる。分散
体の粒径を2〜20μmにするためには高速せん断式が
好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数
は特に限定はないが、通常、1000〜30000rp
m、好ましくは5000〜20000rpmである。分
散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通
常、0.1〜5分である。分散時の温度としては、通
常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃
である。高温な方が、変性ポリエステル(i)やプレポ
リマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易
な点で好ましい。
【0061】変性ポリエステル(i)やプレポリマー
(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の
使用量は、通常、50〜2000重量部、好ましくは1
00〜1000重量部である。50重量部未満では、ト
ナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子
が得られない。20000重量部を超えると経済的でな
い。また、必要に応じて、分散剤を用いることもでき
る。分散剤を用いた方が、粒度分布がシャープになると
共に分散が安定である点で好ましい。
【0062】トナー原料が分散された油性相を、水が含
まれる液体に乳化、分散するために用いる分散剤として
はアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスル
ホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性荊、ア
ルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリ
アミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、
アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチル
アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウ
ム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、
塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオ
ン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘
導体等の非イオン界面活性剤、例えば、アラニン、ドデ
シルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノ
エチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルア
ンモニウムべタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0063】また、フルオロアルキル基を有する界面活
性剤を用いることにより、きわめて少量でその効果を上
げることができる。好ましく用いられるフルオロアルキ
ル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2
〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、
パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリ
ウム、3−[オメガーフルオロアルキル(C6〜C1
1)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸
ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C
6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホ
ン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)
カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン
酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアル
キル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パー
フルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−
プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオ
クタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜
C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウ
ム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エ
チルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル
(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられ
る。
【0064】商品名としては、サーフロンS−111、
S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードF
C−93、FC−95、FC−98、FC−129(住
友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−10
2、(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、
F−120、F−113、F−191、F−812、F
−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−10
2、103、104、105、112、123A、12
3B、306A、501、201、204、(トーケム
プロダクツ社製)、フタージェントF−100、F15
0(ネオス社製)等が挙げられる。
【0065】また、カチオン界面活性剤としては、フル
オロアルキル基を右する脂肪族一級、二級又は二級アミ
ン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホン
アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4
級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼト
ニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名
としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラ
ードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−
202(ダイキン工業社製)、メガファックF−15
0、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF
−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェント
F−300(ネオス社製)等が挙げられる。
【0066】また、水に難溶の無機化合物分散剤として
はリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、
コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等も用いるこ
とができる。
【0067】また、高分子系保護コロイドにより分散液
滴を安定化させてもよい。例えば、アクリル酸、メタク
リル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸
または無水マレイン酸等の酸類、又は水酸基を含有する
(メタ)アクリル系単量体、例えば、アクリル酸β−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、
アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−
ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸
3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコー
ルモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノ
メタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エス
テル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチ
ロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド等、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ
ーテル類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルプロピルエーテル等、又はビニルア
ルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル
類、例えば、酢酸ピニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル等、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物、アク
リル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロ
ライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニル
イミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子又はその複
素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリ
オキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエ
チレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキル
アミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキ
シプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニ
ルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニル
エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル
等のポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース
等のセルロース類等が使用できる。
【0068】得られた乳化分散体から有機溶媒を除去す
るためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒
を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。ま
た、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非
水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成
し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能であ
る。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空
気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に
使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された
各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベ
ルトドライアー、ロータリーキルン等により、短時間の
処理で十分目的とする品質が得られる。
【0069】なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム
塩等の酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩
酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水
洗する等の方法によって、微粒子からリン酸カルシウム
塩を除去する。その他、酵素による分解等の操作によっ
ても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤
がトナー粒子表面に残存したままとすることもできる
が、伸長及び/又は架橋反応後、洗浄除去する方がトナ
ーの帯電面から好ましい。
【0070】さらに、トナー原料の粘度を低くするため
に、変性ポリエステル(i)や(A)が可溶の溶剤を使
用することもできる。溶剤を用いた方が粒度分布がシャ
ープになる点で好ましい。この溶剤は、沸点が100℃
未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ま
しい。このような溶剤としては、例えば、トルエン、キ
シレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2
−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、ト
リクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼ
ン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独又
は2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,
2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハ
ロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)10
0部に対する溶剤の使用量は、通常、0〜300部、好
ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部
である。溶剤を使用した場合は、伸長及び/又は架橋反
応後、常圧又は減圧下にて加温し、除去する。
【0071】ウレア変性ポリエステルの場合、伸長及び
/又は架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイ
ソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによ
る反応性により選択されるが、通常、10分〜40時
間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通
常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。ま
た、必要に応じて公知の触媒を使用することができ、具
体的には、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラ
ウレート等が挙げられる。
【0072】得られた乳化分散体から有機溶媒を除去す
るためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒
を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。ま
た、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非
水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成
し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能であ
る。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空
気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に
使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された
各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベ
ルトドライアー、ロータリーキルン等により、短時間の
処理で十分目的とする品質が得られる。
【0073】乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分
布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度
分布に分級して粒度分布を整えることができる。分級操
作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等によ
り、微粒子部分を取り除くことができる。乾燥後に粉体
として取得した後に分級操作を行ってもよいが、液体中
で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒
子または粗粒子は、再び混練工程に戻して粒子の形成に
用いることができる。その際微粒子又は粗粒子はウェッ
トの状態でも構わない。用いた分散剤は得られた分散液
からできるだけ取り除くことが好ましいが、上記の分級
操作と同時に行うのが好ましい。
【0074】得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微
粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒
子等の異種粒子と共に混合したり、混合粉体に機械的衝
撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、
得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止
することができる。
【0075】具体的手段としては、高速で回転する羽根
によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混
合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子
を適当な衝突板に衝突させる方法等がある。装置として
は、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル
(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧
力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈
良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工
業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
【0076】このような製造法によれば、粉体流動性、
転写性に優れ、小粒径で高画質な画像を提供するトナー
を得ることができる。さらには、低温定着性、耐ホット
オフセット性にも優れ、かつフィルミング・スペントを
生じることもない。このように、各種要求特性を満足す
るようなトナーは、粉砕トナーも含め、従来得られてい
なかったものである。
【0077】本発明のトナーの体積平均粒径は、3〜1
0μmであることが好ましい。10μmより大きいと、
高画質の画像を得るのが困難になり、3μmよりも小さ
いと転写性、クリーニング性が低下したり、フィルミン
グやキャリアへのスペント等が発生しやすくなる。
【0078】本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる
場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像
剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重
量部に対して、トナー1〜10重量部が好ましい。磁性
キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄
粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリア
等従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料と
しては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒ
ド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア
樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えば、
アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリア
クリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチ
レン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチ
レン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン
樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレ
ンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル
樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチ
レン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビ
ニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデ
ンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレン
と弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等の
フルオロターポリマー及びシリコーン樹脂等が使用でき
る。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有さ
せてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。こ
れらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好まし
い。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗
の制御が困難になる。また、本発明のトナーはキャリア
を使用しない1成分系の磁性トナー又は非磁性トナーと
しても用いることができる。
【0079】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、これら実施例によって本発明はなんら限定
されるものではない。なお、部は重量部である。
【0080】実施例1 (トナーバインダーの合成)冷却管、攪拌機及び窒素導
入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部
及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230
℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で
5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32
部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、8
0℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソ
シアネート188部と2時間反応を行い、イソシアネー
ト含有プレポリマー(1)を得た。続いて、プレポリマ
ー(1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃
で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア
変性ポリエステル(1)を得た。上記と同様にビスフェ
ノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テ
レフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合
し、次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応し
て、ピーク分子量5000の変性されていないポリエス
テル(a)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)10
0部と変性されていないポリエステル(a)900部を
酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶
解、混合し、トナーバインダー(1)の酢酸エチル/M
EK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー
(1)を単離した。トナーバインダー(1)の酸価は1
0であった。
【0081】(トナーの作製)撹拌棒及び温度計を備え
た容器に、上記のトナーバインダー(1)371部、カ
ルナバWAX(分子量2000、酸価3、融点84℃)
108部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリ
エント化学工業)22部、酢酸エチル930部を仕込
み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持し
た後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に銅フ
タロシアニンブルー顔料250部、酢酸エチル500部
を仕込み、1時間混合し原料溶解液を得た。原料溶解液
430部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミ
ル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/h
r、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビ
ーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAX
の分散を行った。続いて、トナーバインダー(1)の6
5%酢酸エチル溶液1430部加え、上記条件のビーズ
ミルで1パスし、顔料・WAX分散液を得た。
【0082】ビーカー内にイオン交換水706部、ハイ
ドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)
製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。次い
で、60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000
rpmに攪拌しながら、上記顔料・WAX分散液を投入
し10分間攪拌した。続いて、この混合液を攪拌棒及び
温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を
除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、体積平
均粒径が5μmトナー粒子を得た。次いで、トナー粒子
100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン
0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナー
(1)を得た。このトナー(1)のピーク分子量は、5
000、30000以上の部分は5重量%で、Tgは6
2℃であった。本トナー中でワックスの分散径が0.1
〜3μmである粒子は90個数%であった。
【0083】実施例2 (トナーの作製)原料溶解液の調製において、酢酸エチ
ルの仕込み量を751部に代えたこと以外は、実施例1
と同様にして、体積平均粒径が5μmのトナー粒子を得
た。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5
部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサー
にて混合して、トナー(2)を得た。トナー(1)に比
べ分散径の大きいワックスが多く、0.1〜3μmであ
る粒子は70個数%であった。
【0084】実施例3 (トナーの作製)原料溶解液中の顔料、ワックスのビー
ズミルによる分散において、パス数を5パスに代えたこ
と以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径が5μ
mのトナー粒子を得た。次いで、トナー粒子100部に
疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部を
ヘンシェルミキサーにて混合して、トナー(3)を得
た。トナー(1)に比べ分散径の小さいワックスが多
く、0.1〜3μmである粒子は85個数%であった。
【0085】実施例4 (トナーの作製)ワックスをパラフィンワックス(分子
量400、酸価0.5、融点78℃)に代えたこと以外
は、実施例1と同様にして、体積平均粒径が5μmのト
ナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部に疎水性
シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシ
ェルミキサーにて混合して、トナー(4)を得た。本ト
ナー中でワックスの分散径が0.1〜3μmである粒子
は78個数%であった。
【0086】実施例5 (トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物924部、テレフタル酸276
部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜
15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5
000の変性されていないポリエステル(b)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)100部と変性されてい
ないポリエステル(b)900部を酢酸エチル/MEK
(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナー
バインダー(5)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一
部減圧乾燥し、トナーバインダー(5)を単離した。ト
ナーバインダー(7)の酸価は0.5であった。
【0087】(トナーの作製)トナーバインダー(1)
をトナーバインダー(5)に変える以外は実施例1と同
様にし、体積平均粒径が5μmのトナー(5)を得た。
このトナー(5)のピーク分子量は、5000、300
00以上の部分は50重量%で、Tgは62℃であっ
た。本トナー中でワックスの分散径が0.1〜3μmで
ある粒子は80個数%であった。
【0088】実施例6 (トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物824部、テレフタル酸276
部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜
15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5
000の変性されていないポリエステル(c)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)100部と変性されてい
ないポリエステル(c)900部を酢酸エチル/MEK
(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナー
バインダー(6)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一
部減圧乾燥し、トナーバインダー(6)を単離した。ト
ナーバインダー(6)の酸価は2であった。
【0089】(トナーの作製)トナーバインダー(1)
をトナーバインダー(6)に代える以外は、実施例1と
同様にし、体積平均粒径が5μmのトナー(6)を得
た。このトナー(6)のピーク分子量は、5000、3
0000以上の部分は50重量%で、Tgは62℃であ
った。本トナー中でワックスの分散径が0.1〜3μm
である粒子は83個数%であった。
【0090】実施例7 (トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276
部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで、10
〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃ま
で冷却して、これに32部の無水トリメリット酸を加え
て2時間反応し、(酸価付与)ピーク分子量5000の
変性されていないポリエステル(d)を得た。ウレア変
性ポリエステル(1)100部と変性されていないポリ
エステル(d)900部を酢酸エチル/MEK(1/
1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバイン
ダー(7)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧
乾燥し、トナーバインダー(7)を単離した。トナーバ
インダー(7)の酸価は25であった。
【0091】(トナーの作製)トナーバインダー(1)
をトナーバインダー(7)に代えた以外は、実施例1と
同様にし、体積平均粒径が5μmのトナー(7)を得
た。このトナー(7)のピーク分子量は、5000、3
0000以上の部分は50重量%で、Tgは62℃であ
った。本トナー中でワックスの分散径が0.1〜3μm
である粒子は86個数%であった。
【0092】実施例8 (トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276
部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで、10
〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃ま
で冷却して、これに48部の無水トリメリット酸を加え
て2時間反応し(酸価付与)、ピーク分子量5000の
変性されていないポリエステル(e)を得た。ウレア変
性ポリエステル(1)100部と変性されていないポリ
エステル(e)900部を酢酸エチル/MEK(1/
1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバイン
ダー(8)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧
乾燥し、トナーバインダー(8)を単離した。トナーバ
インダー(8)の酸価は35であった。
【0093】(トナーの作製)トナーバインダー(1)
をトナーバインダー(8)に代えた以外は、実施例1と
同様にし、体積平均粒径が5μmのトナー(8)を得
た。このトナー(8)のピーク分子量は、5000、3
0000以上の部分は50重量%で、Tgは62℃であ
った。本トナー中でワックスの分散径が0.1〜3μm
である粒子は89個数%であった。
【0094】実施例9 (トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276
部を常圧下、230℃で2(低分子量化のため短くし
た)時間重縮合し、次いで、10〜15mmHgの減圧
で5時間反応して、ピーク分子量1000の変性されて
いないポリエステル(f)を得た。ウレア変性ポリエス
テル(1)100部と変性されていないポリエステル
(f)900部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶
剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(9)
の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、ト
ナーバインダー(9)を単離した。トナーバインダー
(9)の酸価は10であった。
【0095】(トナーの作製)トナーバインダー(1)
をトナーバインダー(9)に代えた以外は、実施例1と
同様にし、体積平均粒径が5μmのトナー(9)を得
た。このトナー(9)のピーク分子量は、1000、3
0000以上の部分は4重量%で、Tgは45℃であっ
た。本トナー中でワックスの分散径が0.1〜3μmで
ある粒子は73個数%であった。
【0096】実施例10 (トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276
部を常圧下、230℃で4(低分子量化のため短くし
た)時間重縮合し、次いで、10〜15mmHgの減圧
で5時間反応して、ピーク分子量2000の変性されて
いないポリエステル(g)を得た。ウレア変性ポリエス
テル(1)100部と変性されていないポリエステル
(g)900部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶
剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(1
0)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥
し、トナーバインダー(10)を単離した。トナーバイ
ンダー(10)の酸価は10であった。
【0097】(トナーの作製)トナーバインダー(1)
をトナーバインダー(10)に代えた以外は、実施例1
と同様にし、体積平均粒径が5μmのトナー(10)を
得た。このトナー(10)のピーク分子量は、200
0、30000以上の部分は50重量%で、Tgは52
℃であった。本トナー中でワックスの分散径が0.1〜
3μmである粒子は76個数%であった。
【0098】実施例11 (トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276
部を常圧下、230℃で10(高分子量化のため長くし
た)時間重縮合し、次いで、10〜15mmHgの減圧
で5時間反応して、ピーク分子量20000の変性され
ていないポリエステル(h)を得た。ウレア変性ポリエ
ステル(1)100部と変性されていないポリエステル
(h)900部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶
剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(1
1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥
し、トナーバインダー(11)を単離した。トナーバイ
ンダー(11)の酸価は10であった。
【0099】(トナーの作製)トナーバインダー(1)
をトナーバインダー(11)に代えた以外は、実施例1
と同様にし、体積平均粒径が5μmのトナー(11)を
得た。このトナー(11)のピーク分子量は、2000
0、30000以上の部分は6重量%で、Tgは69℃
であった。本トナー中でワックスの分散径が0.1〜3
μmである粒子は79個数%であった。
【0100】実施例12 (トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276
部を常圧下、230℃で12(高分子量化のため長くし
た)時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で
5時間反応して、ピーク分子量30000の変性されて
いないポリエステル(i)を得た。ウレア変性ポリエス
テル(1)100部と変性されていないポリエステル
(i)900部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶
剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(1
2)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥
し、トナーバインダー(12)を単離した。トナーバイ
ンダー(12)の酸価は10であった。
【0101】(トナーの作製)トナーバインダー(1)
をトナーバインダー(12)に代えた以外は、実施例1
と同様にし、体積平均粒径が5μmのトナー(12)を
得た。このトナー(12)のピーク分子量は、3000
0、30000以上の部分は7重量%で、Tgは73℃
であった。本トナー中でワックスの分散径が0.1〜3
μmである粒子は81個数%であった。
【0102】実施例14 (プレポリマーの製造例)冷却管、攪拌機及び窒素導入
管を備えた付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレ
ンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸25
0部、テレフタル酸24部、及びジブチルチンオキサイ
ド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに
10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応し
た後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタ
ル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却
し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート18
8部と2時間反応を行い、重量平均分子量12000の
イソシアネート基含有プレポリマー(1)を得た。
【0103】(ケチミン化合物の製造例)攪拌棒及び温
度計を備えた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメ
チルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応
を行いケチミン化合物(1)を得た。
【0104】(トナーの製造例)撹拌棒及び温度計を備
えた容器に、ポリエステル(a)371部、カルナバW
AX(分子量2000、酸価3、融点84℃)108
部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント
化学工業)22部、酢酸エチル930部を仕込み、撹拌
下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1
時間で30℃に冷却した。次いで、容器に銅フタロシア
ニンブルー顔料250部、酢酸エチル500部を仕込
み、1時間混合し原料溶解液を得た。原料溶解液143
0部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、
アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、
ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズ
を80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分
散を行った。続いて、ポリエステル(a)の65%酢酸
エチル溶液1430部、プレポリマー(1)209部を
加え、上記条件のビーズミルで1パスし、顔料・WAX
分散液を得た。これにケチミン化合物37部を加え溶解
させた。これをトナー材料溶液(1)とする。ビーカー
内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト1
0%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)
294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
2部を入れ均一に溶解した。ついで60℃に昇温し、T
K式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、
上記トナー材料溶液(1)を投入し10分間攪拌した。
次いで、この混合液を攪拌棒及び温度計付のコルベンに
移し、98℃まで昇温して、ウレア化反応をさせながら
溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、
体積平均粒径が5μmのトナー粒子を得た。続いて、ト
ナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸
化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、
トナー(14)を得た。このトナー(14)の酸価は1
0であった。本トナー中でワックスの分散径が0.1〜
3μmである粒子は88個数%であった。
【0105】実施例15 (ポリスチレングラフト変性ポリエステルの合成)冷却
管、攪拌機及び窒素導入管備えた反応槽中に、ビスフェ
ノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イ
ソフタル酸200部及びフマール酸70部、ジブチルチ
ンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応
し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した
後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル
酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却
し、酢酸エチル中にてスチレン200部、過酸化ベンゾ
イル1部、ジメチルアニリン0.5部を加えと2時間反
応を行い、酢酸エチルを蒸留除去し、重量平均分子量9
2000のポリスチレングラフト変性ポリエステルを得
た。
【0106】(トナーの作製)ウレア変性ポリエステル
(1)を上記に示したポリスチレングラフト変性ポリエ
ステルに代えたこと以外は、実施例1と同様にして、体
積平均粒径5μmのトナー(15)を得た。本トナー中
でワックスの分散径が0.1〜3μmである粒子は91
個数%であった。
【0107】比較例1 (トナーバインダーの合成)冷却管、攪拌機及び窒素導
入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド2モル付加物343部、イソフタル酸166部
及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230
℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で
5時間反応した後、80℃まで冷却し、トルエン中にて
トルエンジイソシアネート14部を入れ110℃で5時
間反応を行い、次いで、脱溶剤し、重量平均分子量98
000のウレタン変性ポリエステルを得た。ビスフェノ
ールAエチレンオキサイド2モル付加物363部、イソ
フタル酸166部を実施例1と同様に重縮合し、ピーク
分子量3800、水酸基価25、酸価7の変性されてい
ないポリエステルを得た。上記ウレタン変性ポリエステ
ル350部と変性されていないポリエステル650部を
トルエンに溶解、混合後、脱溶剤し、トナーバインダー
(x)を得た。トナーバインダー(x)の酸価は7であ
った。
【0108】(トナーの作製)比較トナーバインダー
(x)100部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を下
記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサーを
用いて予備混合した後、連続式混練機で混練した。次い
で、ジェット粉砕機微粉砕した後、気流分級機で分級
し、体積平均粒径12μmのトナー粒子を得た。続い
て、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎
水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合
してトナー(16)を得た。このトナー(16)のピー
ク分子量は、3800、30000以上の部分は12重
量%で、Tgは58℃であった。
【0109】比較例2 (トナーの作製)トナーバインダー、顔料と共にカルナ
バワックス10部を加えたこと以外は、比較例1と同様
にして体積平均粒径12μmのトナー粒子を得た。次い
で、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎
水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合
してトナー(17)を得た。本トナー中でワックスの分
散径が0.1〜3μmである粒子は58個数%であっ
た。
【0110】比較例3 (トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物354部及びイソフタル酸16
6部をジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合
し、重量平均分子量8,000の比較トナーバインダー
(y)を得た。
【0111】(トナーの作製)ビーカー内に上記のトナ
ーバインダー(y)100部、酢酸エチル溶液200
部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、50℃に
てTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均
一に溶解、分散させた。次いで、実施例1と同様にトナ
ー化し、体積平均粒径5μmの比較トナー(18)を得
た。このトナー(18)のピーク分子量は、5000、
30000以上の部分は0.3重量%で、Tgは57℃
であった。
【0112】比較例4 (トナーの作製)ビーカー内に上記のトナーバインダー
(1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、カルナバワ
ックス(分子量2000、酸価3、融点84℃)10
部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、CCA(サリチ
ル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)1部を入
れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rpm
で攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオ
ン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁
液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を
入れ均一に溶解した。次いで60℃に昇温し、TK式ホ
モミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記ト
ナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。続いて、この
混合液を攪拌棒及び温度計付のコルベンに移し、98℃
まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、
風力分級し、体積平均粒径が5μmトナー粒子を得た。
次いで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部
と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーに
て混合して、トナー(4)を得た。本トナー中でワック
スの分散径が0.1〜3μmである粒子は60個数%で
あった。
【0113】<各種物性の測定方法> (トナー粒径の測定方法)コールターカウンター法によ
るトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールタ
ーカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーI
I(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測
定方法について説明する。まず、電解水溶液100〜1
50ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくはア
ルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え
る。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約
1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISO
TON−II(コールター社製)が使用できる。ここ
で、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁
した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を
行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして10
0μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの
体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出す
る。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D
4)、個数平均粒径を求めることができる。
【0114】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜
4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.
04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未
満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜1
2.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;
16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.
40μm未満;25.40〜32.00μm未満;3
2.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用
し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒
子を対象とする。
【0115】(ワックスの融点の測定方法)理学電機製
のRigaku THERMO FLEX TG811
0 型により昇温速度10℃/min の条件で測定
し、発吸熱曲線の主体極大ピークを融点とした。
【0116】(分子量分布の測定方法)トナーのTHF
溶出成分の分子量分布は、以下に示す方法により測定さ
れる。トナー約1gを三角フラスコで精評した後、TH
F(テトラヒドロフラン)10〜20gを加え、バイン
ダー濃度5〜10%のTHF溶液とする。40℃のヒー
トチャンバー内でカラムを安定させ、この温度における
カラムに、溶媒としてTHFを1ml/minの流速で
流し、上記THF試料溶液20μlを注入する。試料の
分子量は、単分散ポリスチレン標準試料により作成され
た検量線の対数値とリテンションタイムとの関係から算
出する。検量線はポリスチレン標準試料を用いて作成さ
れる。単分散ポリスチレン標準試料としては、例えば東
ソー社製の分子量2.7×102〜6.2×106の範囲
のものを使用する。検出器には屈折率(RI)検出器を
使用する。カラムとしては、例えば、東ソー社製のTS
Kgel、G1000H、G2000H、G2500
H、G3000H、G4000H、G5000H、G6
000H、G7000H、GMHを組み合わせて使用す
る。分子量ピークトップとは上記測定により得られた分
子量分布の中でもっとも多く存在する分子量を読み取る
ことで表される。
【0117】(水酸基価試験法)JISK0070の規
定の方法による。ただし、サンプルが溶解しない場合
は、溶媒にジオキサン又はテトラヒドロフランを用い
る。
【0118】(Tgの測定方法)Tgの測定方法につい
て概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製
TG−DSCシステムTAS−100を使用した。ま
ず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、これを
ホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。次い
で、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加
熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料
を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150
℃まで昇温速度10℃/minで加熱して、DSC測定
を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析シ
ステムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベース
ラインとの接点から算出した。
【0119】<特性の評価方法> (定着下限温度及びホットオフセット発生温度)リコー
製カラー複写機プリテール550を用いて、1.0±
0.1mg/cm 2のトナーが現像されるように調整を
行い、定着装置のバネ圧を高めニップ幅が1.6倍にな
るように改造し、さらに定着温度が可変となるように改
造し、定着ローラの温度を5℃ずつ変化させ、オフセッ
トの発生しない温度を測定した。なお、転写紙はリコー
製タイプ6000−70Wを用いた。定着機の線速は1
80±2mm/sec、定着ニップ幅は10±1mmと
した。
【0120】(フィルミング評価)感光体上に発生した
フィルミングについて、感光体上を目視してその状況に
より以下の3段階で評価した。 (良)○:観察されない。△:わずかに観察される。
×:観察される。(悪)
【0121】(粉体流動性)ホソカワミクロン製パウダ
ーテスターを用いてかさ密度を測定した。流動性の良好
なトナーほど、かさ密度は大きい。以下の4段階で評価
した。 ×:0.25未満。 △:0.25〜0.30。 ○:0.30〜0.35。 ◎:0.35以上。
【0122】(光沢度)リコー製カラー複写機プリテー
ル550を用いて、1.0±0.1mg/cm 2のトナ
ーが現像されるように調整を行い、定着装置のバネ圧を
高めニップ幅が1.6倍になるように改造し、定着ロー
ラ表面温度が160℃のときの画像サンプルの光沢度
を、日本電色工業株式会社製のグロスメーターにより、
入射角60°により計測した。なお、転写紙はリコー製
タイプ6000−70Wを用いた。この光沢度は、値の
高い程、光沢があり、鮮明で色再現性に優れた画像を得
るには、約10%以上の光沢度が必要である。
【0123】(ヘイズ度:透明性の代用特性)リコー製
カラー複写機プリテール550を用いて、1.0±0.
1mg/cm 2のトナーが現像されるように調整を行
い、転写紙としてリコー製のOHPシート(タイプPP
C−DX)を用い、定着装置のバネ圧を高めニップ幅が
1.6倍になるように改造し、定着ローラ表面温度が1
60℃のときOHPモードで画像を出力し、ヘイズ度
を、スガ試験機株式会社製の直読ヘイズ度コンピュータ
ーHGM−2DP型により測定した。
【0124】このヘイズ度は、曇り度とも言われ、トナ
ーの透明性を示す尺度として測定され、値の低いほど透
明性が高く、OHPシートを用いた場合の発色性が良好
なものとなると共に、積層されたトナーの下層の発色が
良好となり、色再現範囲の広い画像が得られる。また、
良好な発色性を示すヘイズ度の値は、30%以下が好ま
しく、特に20%以下である場合が好ましい。以上のト
ナーの物性及び性状を表1に、トナーの評価結果を表2
に示す。
【0125】
【表1】
【0126】
【表2】
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、低温定着性と耐ホット
オフセット性とのいずれにも優れ、耐フィルミング性、
耐スペント性が良好であり、しかもカラートナーとして
用いた場合の光沢性、透明性に優れ、かつ粉体流動性が
良好なことから、転写性、現像性の向上した高品質の画
像を与えることのできる乾式トナーが提供され、電子写
真分野に寄与するところはきわめて多大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 381 (72)発明者 江本 茂 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山下 裕士 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA15 AA21 AB02 AB03 CA08 CA14 DA06 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 FB02 4J002 AE033 CF00X CF27W GS00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変性ポリエステル(i)を少なくともト
    ナーバインダーとして含有する乾式トナーにおいて、該
    トナーがワックスを含有し、該トナー内部のワックス分
    散径が0.1〜3μmである粒子が70個数%以上を占
    めることを特徴とする乾式トナー。
  2. 【請求項2】 該トナーバインダーが、該変性ポリエス
    テル(i)と共に、変性されていないポリエステル(i
    i)を含有し、(i)/(ii)の重量比が5/95〜8
    0/20である請求項1に記載の乾式トナー。
  3. 【請求項3】 該トナーのピーク分子量が、1000〜
    30000である請求項1又は2に記載の乾式トナー。
  4. 【請求項4】 該トナーバインダーの酸価が、1〜30
    mgKOHである請求項1〜3のいずれかに記載の乾式
    トナー。
  5. 【請求項5】 該トナーのガラス転移点(Tg)が、4
    0〜70℃である請求項1〜4のいずれかに記載の乾式
    トナー。
  6. 【請求項6】 変性ポリエステルを含むトナー組成物
    を、有機溶剤に溶解又は分散させ、水系媒体中で分散し
    て得られる請求項1〜5のいずれかに記載の乾式トナ
    ー。
  7. 【請求項7】 プレポリマーを含むトナー組成物を有機
    溶剤に溶解又は分散し、水系媒体中で分散する工程中
    に、変性ポリエステルを生成させて得られる請求項6に
    記載の乾式トナー。
  8. 【請求項8】 該変性ポリエステルが、ウレア変性ポリ
    エステルである請求項1〜7のいずれかに記載の乾式ト
    ナー。
  9. 【請求項9】 体積平均粒径が、3〜10μmである請
    求項1〜8のいずれかに記載の乾式トナー。
  10. 【請求項10】 円形度が、0.94〜0.99である
    請求項1〜9いずれかに記載の乾式トナー。
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