JP2003140378A - 静電荷現像用トナー - Google Patents

静電荷現像用トナー

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JP2003140378A
JP2003140378A JP2001338477A JP2001338477A JP2003140378A JP 2003140378 A JP2003140378 A JP 2003140378A JP 2001338477 A JP2001338477 A JP 2001338477A JP 2001338477 A JP2001338477 A JP 2001338477A JP 2003140378 A JP2003140378 A JP 2003140378A
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resin
acid
solvent
dispersion
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JP2001338477A
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Shinichiro Yagi
慎一郎 八木
Masami Tomita
正実 冨田
Toshiki Minamitani
俊樹 南谷
Shigeru Emoto
茂 江本
Shinko Watanabe
真弘 渡邊
Koshin Sugiyama
恒心 杉山
Hiroshi Yamada
博 山田
Yuji Yamashita
裕士 山下
Tadao Takigawa
唯雄 滝川
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー表面上の樹脂微粒子や溶媒などの付着
量を抑制し、臭気のない低温定着トナーを提供する。 【解決手段】 有機溶媒中に活性水素と反応可能な変性
ポリエステル系樹脂からなるトナーバインダー成分を含
むトナー組成分を溶解又は分散させて形成した溶解物又
は分散物を樹脂微粒子を含む水系媒体中で架橋剤及び/
又は伸長剤と反応させ、得られた分散液から溶媒を除去
し、かつトナー表面に付着した該樹脂微粒子を洗浄・脱
離して得られたトナーにおいて、ガスクロマトグラフィ
の測定による該トナー中の残留溶媒量が500ppm以
下および該トナー粒子のフロー式粒子像分析装置による
平均円形度が0.92〜0.96であることを特徴とす
る静電荷現像用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真や静電記
録などにおいて、感光体表面に形成された静電荷像を顕
像化する静電荷像現像用トナー、該トナーを用いた現像
剤及び該トナーを用いる現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真装置や静電記録装置
等において、電気的または磁気的潜像は、トナーによっ
て顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体
上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像をトナ
ーを用いて現像して、トナー画像を形成している。トナ
ー画像は、通常、紙等の転写材上に転写され、次いで、
加熱等の方法で定着させている。静電荷像現像に使用さ
れるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制
御剤、その他の添加剤を含有させた着色粒子であり、そ
の製造方法には、大別して粉砕法と懸濁重合法とがあ
る。粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御
剤、オフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散さ
せ、得られた組成物を粉砕、分級することによりトナー
を製造している。粉砕法によれば、ある程度優れた特性
を有するトナーを製造することができるが、トナー用材
料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られ
る組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分
級できるものでなければならない。この要請から、溶融
混合した組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このた
め、実際に上記組成物を粉砕して粒子にする際に、高範
囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性の
ある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以
下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなけ
ればならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。
また、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性
樹脂中に均一に分散することが困難である。配合剤の不
均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像
品質などに悪影響を及ぼす。
【0003】近年、これらの粉砕法における問題点を克
服するために、懸濁重合法によるトナーの製造方法が提
案され、実施されている。懸濁重合法では、一般に、重
合性単量体、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤、
重合開始剤などを均一に溶解または分散せしめた単量体
組成物を、分散安定剤を含有する水または水を主体とす
る水系分散媒体中に投入し、高剪断力を有する混合装置
を用いて分散し、単量体組成物を微小な液滴として造粒
した後、重合して着色重合体粒子(すなわち、重合トナ
ー)を形成している。懸濁重合法では、低粘度の液体状
単量体中に着色剤などを分散させるため、樹脂中にこれ
らの配合剤を添加する粉砕法に比べて、充分な均一分散
性が確保される。また、懸濁重合法では、極めてシャー
プな粒径分布を有する重合トナーを高収率で得ることが
できる。この重合トナーは、球形で表面が均一であり、
良好な現像特性を示す。重合法や乳化分散法により小粒
径で球形のトナーの開発が活発に行われている。重合法
では小粒径化や球形化は問題ないが、結着樹脂の主成分
はラジカル重合が可能なビニル重合体に限られており、
カラートナーおよび低温定着などに好適なポリエステル
樹脂やエポキシ樹脂によるトナー粒子は懸濁重合法では
製造できない。また、重合法では未反応モノマーなどか
ら成る揮発性有機化合物の低減が難しいという問題もあ
り改善が望まれている。一方、乳化分散法によるトナー
の製法は、特開平5−66600号公報や特開平8−2
11655号公報などに開示されているように、結着樹
脂と着色剤等の混合物を水性媒体と混合し乳化させてト
ナー粒子を得るという方法で、重合法と同様に、トナー
の小粒径化や球形化に容易に対応できる。更に、重合法
に比べ、使用する結着樹脂種が幅広く選択できる、揮発
性有機化合物の低減が容易である、着色剤等の濃度を低
濃度から高濃度まで任意に変えることが容易である、な
どという長所を有しており、小粒径の球形トナーの製法
として優れた特徴を持っている。
【0004】重合トナーには、残存モノマーや低揮発分
などが含まれており、臭気が強い、感光体へのフィルミ
ングが発生し易いなどの問題に対し、従来、残存モノマ
ー量を少なくし、臭気を抑制する方法が開示されてい
る。例えば、重合性単量体に脱水処理したカーボンブラ
ックを添加し、これを加熱重合させて転化率40%以下
のプレポリマーを作製し、次いで、該プレポリマーをラ
ジカル重合開始剤を含む懸濁水溶液中に加えて、残留重
合性単量体が0.5%以下になるまで懸濁重合させる方
法が提案されている(特開昭60−243664号公
報)。しかし、この方法は、プレポリマーを調製する工
程が必要であり、工程が煩雑である。また、懸濁重合
後、得られる樹脂のガラス転移点以上の温度で加熱し、
重合終了時の水量に対して5〜50重量%の水を留去す
ることにより、樹脂中の残存モノマーを200ppm以
下とする方法が提案されている(特開昭64−7076
5号公報)。しかし、この方法は、脱水中に重合体粒子
が凝集し易いという欠点がある。実際には、この方法で
得られた樹脂に、カーボンブラックや荷電制御剤などを
溶融混練し、粉砕、分級してトナー粒子を得ており、該
公報には、懸濁重合法による着色重合体粒子の製造例は
示されていない。
【0005】一方、球形化されたトナーは良好な現像・
転写特性を有するが、クリーニング性に劣るという欠点
がある。画像面積率の低い現像・転写では転写残トナー
が少なく、クリーニング不良が問題となることはない
が、写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給
紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転
写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像
汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる
帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮
できなくなってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、有機
溶媒中に活性水素と反応可能な変性ポリエステル系樹脂
からなるトナーバインダー成分を含むトナー組成分を溶
解又は分散させて形成した溶解物又は分散物を樹脂微粒
子を含む水系媒体中で架橋剤及び/又は伸長剤と反応さ
せ、得られた分散液から溶媒を除去し、かつトナー表面
に付着した該樹脂微粒子を洗浄・脱離して得られたトナ
ーにおいて、反応開始剤の分解物や残留溶媒などの量を
抑制し、臭気のない低温定着トナー、該トナーを用いた
現像剤及び現像方法を提供することにある。本発明の他
の課題は、初期の印字品質が良好で、連続印字での画質
の安定性にも優れ、クリーニング安定性を有し、感光体
に対するフィルミングのないトナーを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の有する問題点を克服するために鋭意研究した結
果、ポリエステル樹脂及び着色剤を含む材料を前記ポリ
エステル樹脂が溶解可能な溶媒中に溶解又は分散させて
形成したトナー母液を、樹脂微粒子を添加した水系媒体
中で架橋剤及び/又は伸長反応させ、反応終了後、前記
溶媒を除去し、かつトナー表面に付着した該樹脂微粒子
を洗浄・脱離することにより、臭気の発生や感光体に対
するフィルミングが顕著に抑制された低温定着トナーの
得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0008】本発明によれば、以下に示すトナー、現像
剤及び現像方法が提供される。 (1)有機溶媒中に活性水素と反応可能な変性ポリエス
テル系樹脂からなるトナーバインダー成分を含むトナー
組成分を溶解又は分散させて形成した溶解物又は分散物
を樹脂微粒子を含む水系媒体中で架橋剤及び/又は伸長
剤と反応させ、得られた分散液から溶媒を除去し、かつ
トナー表面に付着した該樹脂微粒子を洗浄・脱離して得
られたトナーにおいて、ガスクロマトグラフィの測定に
よる該トナー中の残留溶媒量が500ppm以下および
該トナー粒子のフロー式粒子像分析装置による平均円形
度が0.92〜0.96であることを特徴とする静電荷
現像用トナー。 (2)該分散液から溶媒を除去する工程が、減圧および
/もしくは加熱の条件下で行われることを特徴とする前
記(1)に記載の静電荷現像用トナー。 (3)該分散液から溶媒を除去する工程が、濾過により
行われることを特徴とする前記(1)〜(2)のいずれ
かに記載の静電荷現像用トナー。 (4)該トナー中のバインダーの酸価が、1〜30mg
KOH/gであることを特徴とする前記(1)〜(3)
のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。 (5)該トナー中のバインダーのガラス転移点(Tg)
が、50〜70℃であることを特徴とする前記(1)〜
(5)のいずかに記載の静電荷現像用トナー。 (6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の静電荷現
像用トナーとキャリアよりなる現像剤。 (7)トナーリサイクル機構を有する現像装置におい
て、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の静電荷現像
用トナーを用いる現像方法。
【0009】
【発明の実施の形態】(活性水素と反応可能な反応性変
性ポリエステル)活性水素と反応可能な反応性変性ポリ
エステル系樹脂(RMPE)としては、例えば、イソシ
アネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)な
どが挙げられる。このプレポリマー(A)としては、ポ
リオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合
物で、かつ活性水素を有するポリエステルにポリイソシ
アネート(PIC)を反応させたものなどが挙げられ
る。上記ポリエステルの有する活性水素を含む基として
は、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水
酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基など
が挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性
水酸基である。ウレア変性ポリエステル等の変性ポリエ
ステル(MPE)はその高分子成分の分子量を調節しや
すく、乾式トナー、特にオイルレス低温定着特性(定着
用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない広範な離型性
及び定着性)を確保するのに好都合である。特にポリエ
ステルプレポリマーの末端をウレア変性したものは未変
性のポリエステル樹脂自体の定着温度域での高流動性、
透明性を維持したまま、定着用加熱媒体への接着性を抑
制することができる。
【0010】ポリオール(PO)としては、ジオール
(DIO)および3価以上のポリオール(TO)が挙げ
られ、DIO単独、またはDIOと少量のTOの混合物
が好ましい。ジオールとしては、アルキレングリコール
(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレン
エーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール
(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビス
フェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上
記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド
など)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキ
サイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。こ
れらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレ
ングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキ
サイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノー
ル類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素
数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3
価以上のポリオールとしては、3〜8価またはそれ以上
の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(ト
リスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾー
ルノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類
のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0011】ポリカルボン酸(PC)としては、ジカル
ボン酸(DIC)および3価以上のポリカルボン酸(T
C)が挙げられ、DIC単独、およびDICと少量のT
Cとの混合物が好ましい。ジカルボン酸としては、アル
キレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フ
マール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸な
ど)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、
炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素
数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポ
リカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカ
ルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)など
が挙げられる。なお、ポリカルボン酸としては、上述の
ものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエ
ステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)
を用いてポリオールと反応させてもよい。ポリオールと
ポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシ
ル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]とし
て、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/
1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1であ
る。
【0012】ポリイソシアネート(PIC)としては、
脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジ
イソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイ
ソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘ
キシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシ
アネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネー
ト(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイ
ソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラ
クタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上
の併用が挙げられる。ポリイソシアネートの比率は、イ
ソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエス
テルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]と
して、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2
/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1であ
る。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が
悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、架橋及び
/又は伸長反応により生成する変性ポリエステル中のウ
レア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化す
る。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー
(A)中のポリイソシアネート構成成分の含有量は、通
常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さ
らに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未
満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐
熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、
40重量%を超えると低温定着性が悪化する。イソシア
ネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の
1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個
以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましく
は、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未
満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、
耐ホットオフセット性が悪化する。
【0013】アミン類(B)としては、ジアミン(B
1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコー
ル(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸
(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックした
もの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)とし
ては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチル
トルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン
など);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,
3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロ
ヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジ
アミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価
以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミ
ノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒ
ドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメル
カプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタ
ン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。ア
ミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノ
カプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基を
ブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5の
アミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化
合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これら
アミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1
と少量のB2の混合物である。
【0014】さらに、必要により伸長停止剤を用いて生
成するウレア変性ポリエステル等の分子量を調整するこ
とができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチ
ルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルア
ミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミ
ン化合物)などが挙げられる。
【0015】アミン類(B)の比率は、イソシアネート
基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基
[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]
の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜
2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好
ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/
[NHx]が2を超えたり1/2未満では、生成するウ
レア変性ポリエステル等の分子量が低くなり、耐ホット
オフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結
合で変性されたポリエステル中に、ウレア結合と共にウ
レタン結合を含有していてもよい。この場合のウレア結
合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100
/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20
/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70で
ある。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホット
オフセット性が悪化する。
【0016】ウレア変性ポリエステル等は、ワンショッ
ト法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポ
リエステル等の重量平均分子量は、通常1万以上、好ま
しくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜10
0万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化
する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、後
述の変性されていないポリエステルを用いる場合は特に
限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするの
に得やすい数平均分子量でよい。変性ポリエステル単独
の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ま
しくは1000〜10000、さらに好ましくは200
0〜8000である。20000を超えると低温定着性
およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化す
る。
【0017】本発明においては、前記活性水素と反応可
能な変性ポリエステル(MPE)単独使用だけでなく、
このものと共に、変性されていないポリエステル(P
E)をトナーバインダー成分として含有させることもで
きる。PEを併用することで、低温定着性およびフルカ
ラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より
好ましい。PEとしては、前記変性ポリエステルのポリ
エステル成分と同様なポリオールとポリカルボン酸との
重縮合物などが挙げられ、好ましいものも変性ポリエス
テルの場合と同様である。また、PEは無変性のポリエ
ステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性さ
れているものでもよく、例えばウレタン結合で変性され
ていてもよい。MPEとPEは少なくとも一部が相溶し
ていることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で
好ましい。従って、MPEのポリエステル成分とPEは
類似の組成が好ましい。PEを含有させる場合のMPE
とPEの重量比は、通常5/95〜80/20、好まし
くは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95
〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80で
ある。MPEの重量比が5%未満では、耐ホットオフセ
ット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の
両立の面で不利になる。
【0018】未変性ポリエステルのピーク分子量は、通
常1000〜30000、好ましくは1500〜100
00、さらに好ましくは2000〜8000である。1
000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超え
ると低温定着性が悪化する。PEの水酸基価は5以上で
あることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、
特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存
性と低温定着性の両立の面で不利になる。PEの酸価は
通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持た
せることで負帯電性となりやすい傾向がある。
【0019】本発明において、トナー中のバインダー
(トナーバインダー)のガラス転移点(Tg)は、通常
50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。50℃
未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超える
と低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル
樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公
知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が
低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。トナーバイン
ダーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおい
て10000dyne/cm2となる温度(TG’)
が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃で
ある。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化す
る。トナーバインダーの粘性としては、測定周波数20
Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通
常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。1
80℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低
温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、T
G’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとT
G’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好まし
い。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましく
は20℃以上である。差の上限は特に限定されない。ま
た、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、Tηと
Tgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは
10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃であ
る。
【0020】本発明で用いる着色剤としては、公知の染
料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラッ
ク、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハ
ンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエ
ロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイ
エロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、
RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロ
ー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バ
ルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレ
ーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエロー
BGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、
鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレ
ッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレ
ッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニ
リンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリ
アントファストスカーレット、ブリリアントカーンミン
BS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、
FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベ
ルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレット
G、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、
ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3
B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネント
ボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10
B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオ
シンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキ
Y、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオイ
ンジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、
ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリ
オン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイル
オレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカ
リブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリア
ブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシ
アニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレン
ブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アント
ラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイ
オレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサン
バイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグ
リーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エ
メラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトール
グリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレー
キ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリー
ン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リ
トボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有
量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3
〜10重量%である。
【0021】本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化され
たマスターバッチとして用いることもできる。マスター
バッチの製造またはマスターバッチとともに混練される
バインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリ
エステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチ
レン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換
体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、
スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトル
エン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、
スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アク
リル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共
重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル
共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共
重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マ
レイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重
合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレ
ート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリ
ウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリア
クリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂
肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素
化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単
独あるいは混合して使用できる。
【0022】本マスターバッチはマスターバッチ用の樹
脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマス
ターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相
互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。
またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含
んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練
し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を
除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用い
る事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いら
れる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分
散装置が好ましく用いられる。
【0023】また、トナーバインダー、着色剤とともに
ワックスを含有させることもできる。本発明のワックス
としては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィン
ワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワ
ックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、
サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスな
どが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボ
ニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックス
としては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワック
ス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベ
ヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペ
ンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセ
リントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオール
ジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(ト
リメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート
など);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベ
ヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリッ
ト酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケ
トン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。こ
れらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、
ポリアルカン酸エステルである。本発明のワックスの融
点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜1
20℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が
40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、1
60℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオ
フセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度
は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1
000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜10
0cpsである。1000cpsを超えるワックスは、
耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏し
い。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%
であり、好ましくは3〜30重量%である。
【0024】本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御
剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが
全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニル
メタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸
キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミ
ン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム
塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、
タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サ
リチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等であ
る。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第
四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ
染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯
体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェ
ノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業
社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−
302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、
第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2
038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーP
R、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGV
P2036、コピーチャージ NX VP434(以
上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であ
るLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシア
ニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他ス
ルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の
官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0025】本発明において荷電制御剤の使用量は、バ
インダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の
有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定さ
れるもので、一義的に限定されるものではないが、好ま
しくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜
10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜
5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはト
ナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退さ
せ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流
動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御
剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練す
る事もできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際
に加えても良い。
【0026】本発明における樹脂微粒子には、樹脂
(a)としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば
いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっ
ても熱硬化性樹脂であっても良いが、例えはビニル系樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン
樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙
げられる。樹脂(a)については、上記樹脂の2種以上
を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微
細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点
から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用樹脂からな成
るものである。
【0027】ビニル系樹脂は、ビニル系モノマーを単独
重合または共重合したポリマーである。ビニル系モノマ
ーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。 (1)ビニル系炭化水素: (1−1)脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例え
ばエチレン、プロピレンレン、ブテン、イソブチレン、
ぺンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデ
セン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;ア
ルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4
−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オク
タジエン等。 (1−2)脂環式ビニル系炭化水素:モノーもしくはジ
−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えばシクロ
ヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘ
キセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、
例えばピネン、リモネン、インデン等。 (1−3)芳香族ビニル系炭化水素:スチレンおよびそ
のハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラ
ルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−
メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルス
チレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチ
ルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレ
ン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベ
ンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビ
ニルベンゼン等;およびビニルナフタレン等。
【0028】(2)カルボキシル基含有ビニル系モノマ
ー及びその塩:炭素数3〜30の不飽和モノカルボン
酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびその
モノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メ
タ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノ
アルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエ
ステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアル
キルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シ
トラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮
酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー等。
【0029】(3)スルホン基含有ビニル系モノマー、
ビニル系硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:炭素数
2〜14のアルケンスルホン酸、例えはビニルスルホン
酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸;およびその炭素数2〜24の
アルキル誘導体、例えはα−メチルスチレンスルホン酸
等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレ
ートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホ
プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メ
タ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスル
ホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホ
ン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキ
シプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリル
アミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル
(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=
2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、
ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ
(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜
15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステ
ル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸
エステル、および硫酸エステルもしくはスルホン酸基含
有モノマー;ならびそれらの塩等。
【0030】
【化1】
【化2】
【化3】
【0031】前記式中、Rは炭素数1〜15のアルキル
基、Aは炭索数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数
の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はラン
ダムでもブロックでもよい。Arはベンゼン環を示し、
nは1〜50の整数を示し、R’はフッ素原子で置換さ
れていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示す。
【0032】(4)燐酸基含有ビニル系モノマー及びそ
の塩:(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C
24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−
アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリ
ロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸
類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸、
なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカ
リ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土
類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモ
ニウム塩、アミン塩もしくは4級アンモニウム塩が挙げ
られる。 (5)ヒドロキシル基含有ビニル系モノマー:ヒドロキ
シスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコー
ル、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1
−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−
ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、
2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリル
エーテル等。
【0033】(6)含窒素ビニル系モノマー:(6−
1)アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチル−アミノエチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミ
ノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミ
ン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニ
ルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、
N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトア
ミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピ
ロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェ
ニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾー
ル、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダ
ゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等。 (6−2)アミド基含宥ビニル系モノマー;(メタ)ア
クリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N
−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メ
チレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジル
アクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル
N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等。 (6−3)ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)
アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレー
ト等。 (6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系モ
ノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3
級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルク
ロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチ
ルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの
等。 (6−5)ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチ
レン等。 (7)エポキシ基含有ビニル系モノマー:グルシジル
(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサ
イド等。 (8)ハロゲン元素含有ビニル系モノマー:塩化ビニ
ル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、
クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、
クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロ
ロプレン等。
【0034】(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エ
ーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類: (9−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、、ビニ
ルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジア
リルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニル
アセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニル
ベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビ
ニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル
α−エトキシアクリレート、炭紫数1〜50のアルキル
基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシ
ル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリ
レート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシ
ル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート
(2個のアルキル堪は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖
もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート
(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖
もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシ
アルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタ
ン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパ
ン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエ
タン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニ
ル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量30
0)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ール(分子量500)。モノアクリレート、メチルアル
コールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アク
リレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30
モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)ア
クリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリ
レート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート箏]等。
【0035】(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例え
ばビニルメテルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニ
ルプロピルエーテル、ヒニルブチルエーテル、ビニル2
−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、
ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエ
ン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒ
トロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシ
ジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチル
エーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン
等。 (9−3)ビニルケトン、例えはビニルメチルケトン、
ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン;ビニルス
ルホン、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフ
ェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニ
ルエチルスルフォン、ジヒニルスルフォン、ジビニルス
ルフォキサイド等。 (10)その他のビニル系モノマー:イゾシアナトエチ
ル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α
−ジメチルベンジルイソシアネート等。
【0036】ビニル系モノマーの共重合体としては、上
記(1)〜(10)の任意のモノマー同土を、2元また
はそれ以上の個数で、任意の割合で共重合したポリマー
が挙げられるが、例えはスチレン−(メタ)アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、ス
チレンーアクリロニトリル共現合体、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重
合体、スチレン−(メタ)アクリル酸、ジビニルベンゼ
ン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)
アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
【0037】樹脂(a)は、水性分散体中で樹脂微粒子
(A)形成することが必要であることから、少なくとも
水性分散体を形成する条件下で水に完全に溶解していな
いことが必要である。そのため、ビニル系樹脂が共重合
体である場合には、ビニル系樹脂を構成する疎水性モノ
マーと親水性モノマーの比率は、選ばれるモノマーの種
類によるが、一般に疎水性モノマーが10%以上である
ことが好ましく、30%以上であることがより好まし
い。疎水性モノマーの比率が、10%以下になるとビニ
ル系樹脂が水溶性になり、トナーの粒径均一性が損なわ
れる。ここで、親水性モノマーとは水に任意の割合で溶
解するモノマーをいい、疎水性モノマーとは、それ以外
のモノマー(基本的に水に混和しないモノマー)をい
う。
【0038】樹脂(a)を樹脂微粒子(A)の水性分散
液にする方法は、特に限定されないが、以下の〜が
挙げられる。 ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料と
して、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分
散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子(A)
の水性分散液を製造する方法。 ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂
等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体
(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液を適当
な分散剤存在下で水性媒休中に分散させ、その後に加熱
したり、硬化剤を加えたりして硬化させて樹脂微粒子
(A)の水性分散体を製造する方法。 ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂
等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体
(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液(液体
であることが好ましい。加熱により液状化しても良い)
中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化
する方法。 あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付
加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっ
ても良い)により作成した樹脂を機械回転式またはジェ
ット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級する
することによって樹脂粒子を得た後、適当な分散剤存在
下で水中に分散させる方法。 あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付
加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっ
ても良い)により作成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶
液を霧状に噴霧することにより樹脂粒子を得た後、該樹
脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
【0039】あらかじめ高分子化反応(付加重合、開
環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反
応様式であっても良い)により作成した樹脂を溶剤に溶
解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ
溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂
粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂粒子を得
た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散さ
せる方法。 あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付
加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっ
ても良い)により作成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶
液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、こ
れを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法。 あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付
加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっ
ても良い)により作成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶
液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳
化する方法。
【0040】本発明で用いる樹脂微粒子(A)の粒径
は、通常、トナーの粒径よりも小さくなり、粒径均一性
の観点から、粒径比[樹脂微粒手(A)の体積平均粒
径]/[トナーの体積平均粒径]の値が0.001〜
0.3の範囲であるのが好ましい。かかる粒径比が、
0.3より大きいと(A)がトナーの表画に効率よく吸
着しないため、得られるトナーの粒度分布が広くなる傾
向がある。樹脂微粒子(A)の体積平均粒径は、所望の
粒径のトナーを得るのに適した粒径になるように、上記
粒径比の範囲で適宜調整することができる。例えば、体
積平均粒子径5μmのトナーを得たい場合には、好まし
くは0.0025〜1.5μm、特に好ましくは0.0
05〜1.0μmの範囲、10μmのトナーを得た場合
には、好ましくは0.005〜3μm、特に好ましくは
0.05〜2μmである。なお、体積平均粒径は、レー
ザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)
やマルチサイザーII(コールター社製)で測定できる。
【0041】本発明におけるトナーは特定の形状と形状
の分布を有すことが重要であり、平均円形度が0.94
以下で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナー
では、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られ
ない。なお形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を
平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学
的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が
適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当
円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円
形度が0.96〜0.94のトナーが適正な濃度の再現
性のある高精細な画像を形成するのに有効である事が判
明した。より好ましくは、平均円形度が0.955〜
0.945で円形度が0.94未満の粒子が10%以下
である。また、平均円形度が0.96以上の場合、ブレ
ードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感
光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生
し、画像上の汚れを引き起こす。例えば、画像面積率の
低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニン
グ不良が問題となることはないが、写真画像など画像面
積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像
形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生す
ることがあり、蓄積すると画像汚れを発生してしまう。
また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染して
しまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。
この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−1000
(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計
測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不
純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤と
して界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン
酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1
〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波
分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を
3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの
形状及び分布を測定することによって得られる。
【0042】本発明で得られた着色粒子の流動性や現像
性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒
子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一
次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特
に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、B
ET法による比表面積は、20〜500m2/gである
ことが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナー
の0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.
01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子
の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタ
ン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン
酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸
化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ
土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アン
チモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バ
リウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、
窒化ケイ素などを挙げることができる。この他、高分子
系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分
散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エ
ステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベ
ンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹
脂による重合体粒子が挙げられる。
【0043】このような外添剤は表面処理を行って、疎
水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の
悪化を防止することができる。例えばシランカップリン
グ剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカ
ップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アル
ミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性
シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げ
られる。感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像
剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例
えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリ
レート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー
乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子など
を挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分
布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが
好ましい。
【0044】(製造方法)トナーバインダーは以下の方
法などで製造することができる。ポリオールとポリカル
ボン酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオ
キサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜
280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する
水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次
いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネートを
反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー
(A)を得る。さらにこのAにアミン類(B)を0〜1
40℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエス
テルを得る。ポリイソシアネートを反応させる際および
AとBを反応させる際には、必要により溶剤を用いるこ
ともできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(ト
ルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステ
ル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類
(テトラヒドロフランなど)などのポリイソシアネート
に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性
されていないポリエステルを併用する場合は、水酸基を
有するポリエステルと同様な方法でこの未変性ポリエス
テルを製造し、これを前記変性ポリエステルの反応完了
後の溶液に溶解し、混合する。
【0045】乾式トナーは以下の方法で製造することが
できるが勿論これらに限定されることはない。 (溶融混錬粉砕法)ウレア変性ポリエステル樹脂を含む
バインダー樹脂(トナーバインダー)、帯電制御剤およ
び顔料などのトナー成分を機械的に混合する。この混合
工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて
通常の条件で行えばよく、特に制限はない。以上の混合
工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶
融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混
練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いること
ができる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の
切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要で
ある。具体的には、溶融混練温度は、結着剤樹脂の軟化
点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切
断が激しく、高温過ぎると分散が進まない。以上の溶融
混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この
粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕する
ことが好ましい。この際、ジェット気流中で衝突板に衝
突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステ
ーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いら
れる。この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力な
どで気流中で分級し、もって所定の粒径例えば平均粒径
が5〜20μmの現像剤を製造する。
【0046】また、現像剤を調製する際には、現像剤の
流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上
のようにして製造された現像剤にさらに先に挙げた疎水
性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。
外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャ
ケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ま
しい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中ま
たは漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の
回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよ
い。、はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与え
ても良いし、その逆でも良い。使用できる混合設備の例
としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディ
ゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーな
どが挙げられる。得られたトナーを球形化するにはトナ
ーバインダー、着色剤からなるトナー材料を溶融混練
後、微粉砕したものをハイブリタイザー、メカノフュー
ジョンなどを用いて機械的に球形化する方法や、いわゆ
るスプレードライ法と呼ばれるトナー材料をトナーバイ
ンダーが可溶な溶剤に溶解分散後、スプレードライ装置
を用いて脱溶剤して球形トナーを得る方法。また、水系
媒体中で加熱することにより球形化する方法などが挙げ
られるがこれに限定されるものではない。
【0047】(水系媒体中でのトナー製造法)本発明に
用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和
可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤と
しては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、
エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テ
トラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブな
ど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンな
ど)などが挙げられる。トナー粒子は、水系媒体中でイ
ソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分
散体を、アミン類(B)と反応させて形成しても良い
し、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステルを用い
ても良い。水系媒体中でウレア変性ポリエステルやプレ
ポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方
法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステルやプ
レポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加え
て、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下ト
ナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型
剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系
媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あ
らかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混
合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本
発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他
のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成さ
せる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた
後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子
を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加する
こともできる。
【0048】分散の方法としては特に限定されるもので
はないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧
ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分
散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が
好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数
は特に限定はないが、通常1000〜30000rp
m、好ましくは5000〜20000rpmである。分
散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常
0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0
〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃であ
る。高温なほうが、ウレア変性ポリエステルやプレポリ
マー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な
点で好ましい。ウレア変性ポリエステルやプレポリマー
(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の
使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは10
0〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー
組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得
られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分
散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるととも
に分散が安定である点で好ましい。プレポリマー(A)
からウレア変性ポリエステルを合成する工程は水系媒体
中でトナー組成物を分散する前にアミン類(B)を加え
て反応させても良いし、水系媒体中に分散した後にアミ
ン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良
い。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変
性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設ける
こともできる。
【0049】トナー組成物が分散された油性相を水が含
まれる液体に乳化、分散するためには、各種の分散剤を
用いることができる。この分散剤には界面活性剤が包含
される。このようなものとしては、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エス
テルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、ア
ミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導
体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメ
チルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム
塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジ
ニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼト
ニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性
剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの
非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(ア
ミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グ
リシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウム
べタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0050】また、フルオロアルキル基を有する界面活
性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげ
ることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル
基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜
10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パ
ーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウ
ム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)
オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナト
リウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜
C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸
ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カル
ボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸
(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキ
ル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフ
ルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プ
ロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオク
タンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C
10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム
塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチ
ルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル
(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられ
る。商品名としては、サーフロンS−111、S−11
2、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−9
3、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M
社製)、ユニダインDS−101、DS−102、(タ
イキン工業社製)、メガファックF−110、F−12
0、F−113、F−191、F−812、F−833
(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、10
3、104、105、112、123A、123B、3
06A、501、201、204、(トーケムプロダク
ツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオ
ス社製)などが挙げられる。
【0051】また、カチオン界面活性剤としては、フル
オロアルキル基を右する脂肪族一級、二級もしくは二級
アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スル
ホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂
肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベ
ンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、
商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、
フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダイン
DS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−
150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップ
EF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェ
ントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0052】また、水に難溶の無機化合物分散剤として
リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コ
ロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事
が出来る。また高分子系保護コロイドにより分散液滴を
安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル
酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、
イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸また
は無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有す
る(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、
アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−
ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸
3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコー
ルモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノ
メタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エス
テル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチ
ロ−ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとの
エーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニ
ルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエス
テル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸
ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合
物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドな
どの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリド
ン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原
子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマー
または共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロ
ピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキ
シプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアル
キルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用
できる。
【0053】なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム
塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、
塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、
水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシ
ウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作に
よっても除去できる。
【0054】分散剤を使用した場合には、該分散剤がト
ナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸
長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナ
ーの帯電面から好ましい。さらに、トナー組成物の粘度
を低くするために、ウレア変性ポリエステルやプレポリ
マー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤
を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好まし
い。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが
除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例
えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩
化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−ト
リクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、
モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いるこ
とができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶
媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好まし
い。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量
は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さら
に好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合
は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下
にて加温し除去する。伸長および/または架橋反応時間
は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造
とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択
されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24
時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好まし
くは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触
媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラ
ウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられ
る。なお、架橋剤及び/又は伸長剤としては、前記アミ
ン類(B)が用いられる。
【0055】得られた乳化分散体から有機溶媒を除去す
るためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒
を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あ
るいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液
滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子
を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能
である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、
空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特
に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱され
た各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、
ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処
理で十分目的とする品質が得られる。乳化分散時の粒度
分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行
われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整え
ることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカン
ター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことが
できる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級
操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で
好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び
混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。そ
の際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わな
い。用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り
除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行
うのが好ましい。
【0056】得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微
粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒
子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械
的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化さ
せ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を
防止することができる。具体的手段としては、高速で回
転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速
気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複
合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがあ
る。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社
製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造し
て、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイシ
ョンシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシ
ステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられ
る。
【0057】(二成分用キャリア)本発明のトナーを2
成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合し
て用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比
は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量
部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜2
00μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、
磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用でき
る。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿
素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹
脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデ
ン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレ
ート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重
合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハ
ロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート
樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエ
ステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、
ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプ
ロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共
重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テ
トラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体
とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシ
リコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電
粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉として
は、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、
酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子
径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよ
りも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。ま
た、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の
磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることが
できる。
【0058】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳述する。
【0059】(有機微粒子エマルションの合成) 製造例1 攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683
部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステ
ルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成
工業製)11部・スチレン138部、メタクリル酸13
8部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/
分で15分間攪拌したところ、白色の乳濁液が得られ
た。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応さ
せた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加
え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−
メタクリル酸−メタクリル酸エテレンオキサイド付加物
硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液
[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA
−920で測定した体積平均粒径は、0.14μmであ
った。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単
離した。該樹脂分のTgは152℃であった。
【0060】(水相の調製) 製造例2 水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフ
ェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水
溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)3
7部、酢酸エチル90部を混合攪拌し、乳白色の液体を
得た。これを[水相1]とする。
【0061】(低分子ポリエステルの合成) 製造例3 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応容器中
に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物
220部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モ
ル付加物561部、テレフタル酸218部、アジピン酸
48部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧
で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHg
の減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリッ
ト酸45部を入れ、180℃、上圧で2時間反応し、
[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステ
ル1〕は、数平均分子量2500、重量平均分子量67
00、Tg43℃、酸価25であった。
【0062】(中間体ポリエステルの合成) 製造例4 冷却管、攪拌機および窒索導入管の付いた反応容器中
に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物
682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モ
ル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリ
ツト酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入
れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15
mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル
1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子
量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸
価0.5、水酸基価49であった。次に、冷却管、攪拌
機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポ
リエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート
89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反
応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]
の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
【0063】(ケチミンの合成) 製造例5 攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロ
ンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込
み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]
を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であ
った。
【0064】(マスターバッチの合成) 製造例6 水1200部、カーボンブラック(Printex35
デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/10
0mg、pH=9.5〕、ポリエステル樹脂1200部
を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合
し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練
後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッ
チ1]を得た。
【0065】(油相の作成) 製造例7 攪拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリ
エステル1]378部、カルナバWAX110部、CC
A(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工
業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、攪拌下80
℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で
30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]
500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し
[原料溶解液1]を得た。[原料溶解液1]1324部
を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイ
メックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディ
スク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを8
0体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、W
AXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル
1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件
のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を
得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130
℃、30分)は50%であった。
【0066】(乳化⇒脱溶剤) 実施例1 [顔料・WAX分散液1]648部、[プレポリマー
1]を154部、[ケチミン化合物1]6.6部を容器
に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000
rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200
部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000r
pmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。攪拌
機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー
1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で
4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散
スラリー1]は、体積中心粒径5.95μm、個数中心
粒径5.45μm(マルチサイザーIIで測定)であっ
た。
【0067】(洗浄⇒乾燥) [乳化スラリー1]100部を減圧濾過した後、 :濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホ
モミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分
間)した後濾過した。 :の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1
00部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,
000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。 :の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TK
ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10
分間)した後濾過した。 :の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、T
Kホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで1
0分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ
1]を得た。[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃
で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[ト
ナー1]を得た。
【0068】実施例2 実施例1での油相の作成時にCCAを22部加えない以
外は実施例1と同様にしてトナーを得た。このトナー1
00部にCCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエ
ント化学工業)0.8部を添加し、Qミキサー(三井鉱
山製)にてCCA打ち込み処理を施し[トナー2]を得
た。
【0069】(L体の合成) 製造例8 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応容器中
に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物
262部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モ
ル付加物202部、ビスフェノールAプロピレンオキサ
イド3モル付加物236部、テレフタル酸266部、ア
ジピン酸48部およびジブチルチンオキサイド2部を入
れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15
mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水ト
リメリット酸34部を入れ、180℃、上圧で2時間反
応し、[低分子ポリエステル2]を得た。[低分子ポリ
エステル2]は、数平均分子量2390、重量平均分子
量6010、Tg62℃、酸価20.7であった。
【0070】(油相の作成) 製造例9 攪拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリ
エステル2]378部、カルナバWAX110部、CC
A(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工
業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、攪拌下80
℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で
30℃に冷却した。次いで容盤に[マスターバッチ1]
500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し
[原料溶解液2]を得た。[原料溶解液2]1324部
を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイ
メックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディ
スク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを8
0体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、W
AXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル
2]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件
のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液2]を
得た。[顔料・WAX分散液2]の固形分濃度(130
℃、30分)は52%であった。
【0071】実施例3 実施例1での[顔料・WAX分散液1]の代わりに[顔
料・WAX分散液2]を使用した以外は実施例1と同様
にして[トナー3]を得た。
【0072】(L体の合成) 製造例10 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応容器中
に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加
物719部、テレフタル酸274部、アジピン酸48部
およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で23
0℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧
で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸7
部を入れ、180℃、上圧で2時間反応し、[低分子ポ
リエステル3]を得た。[低分子ポリエステル3]は、
数平均分子量2290、重量平均分子量5750、Tg
65℃、酸価4.9であった。
【0073】(油相の作成) 製造例11 攪拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリ
エステル3]378部、カルナバWAX110部、CC
A(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工
業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、攪拌下80
℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で
30℃に冷却した。次いで容盤に[マスターバッチ1]
500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し
[原料溶解液3]を得た。[原料溶解液3]1324部
を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイ
メックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディ
スク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを8
0体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、W
AXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル
3]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件
のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液3]を
得た。[顔料・WAX分散液2]の固形分濃度(130
℃、30分)は49%であった。
【0074】実施例4 実施例1での[顔料・WAX分散液1]の代わりに[顔
料・WAX分散液3]を使用した以外は実施例1と同様
にして[トナー4]を得た。
【0075】比較例1 ポリビニルアルコール(「PVA−235」、(株)ク
ラレ製)1部を水100部に溶解した。これを[水相
2]とする。実施例1において、[水相1]の代わりに
[水相2]を使用した以外は、実施例1と同様にして
[トナー5]を得た。
【0076】比較例2 洗浄⇒乾燥工程において、循風乾燥機にて40℃で8時
間で乾燥した以外は、実施例1と同様にして[トナー
6]を得た。
【0077】比較例3 実施例1での有機微粒子エマルションの合成時(製造例
1)に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加えない
以外は、実施例1と同様にして[トナー7]を得た。
【0078】比較例4 (ワックス粒子水性分散液の調製) 製造例12 1000mlの攪拌装置、温度センサー、窒素導入管及
び冷却管付き4頭コルベンに脱気した蒸留水500ml
にニューコール565C(日本乳化剤社製)28.5
g、キャンデリアワックスNo.1(野田ワックス社
製)185.5gを添加し窒素気流下攪拌を行いつつ、
温度を昇温した。内温85℃の時点で5N−水酸化ナト
リウム水溶液を添加しそのまま75℃まで昇温した後、
そのまま1時間加熱攪拌を続け、室温まで冷却し〔ワッ
クス粒子水性分散液1〕を得た。
【0079】(顔料水性分散液の調製) 製造例13 カーボンブラック(商品名:モーガルL、キャボット社
製)100g、ドデシル硫酸ナトリウム25gを蒸留水
540mlに添加し、十分攪拌を行った後、加圧型分散
機(MINI−LAB:ラーニー社製)を用い、分散を
行い〔顔料分散液1〕を得た。
【0080】(バインダー微粒子水性分散液の合成) 製造例14 攪拌装置、冷却管、温度センサー及び窒素導入管を装着
した1Lの4頭コルベンに蒸留水480ml、ドデシル
硫酸ナトリウム0.6g、スチレン106.4g、n−
ブチルアクリレート43.2g、メタクリル酸10.4
gを添加し攪拌を行いながら窒素気流下70℃まで昇温
した。ここで過硫酸カリウム2.1gを120mlの蒸
留水に溶解した開始剤水溶液を添加し、窒素気流下70
℃、3時間攪拌を行い、重合を完結させた後室温まで冷
却し、〔高分子量バインダー微粒子分散液1〕を得た。
攪拌装置、冷却管、温度センサー及び窒素導入管を装着
した5Lの4頭コルベンに蒸留水2400ml、ドデシ
ル硫酸ナトリウム2.8g、スチレン620g、n−ブ
チルアクリレート128g、メタクリル酸52g及びt
ert−ドデシルメルカプタン27.4gを添加し攪拌
を行いながら窒素気流下70℃まで昇温した。ここで過
硫酸カリウム11.2gを600mlの蒸留水に溶解し
た開始剤水溶液を添加し、窒素気流下70℃、3時間攪
拌を行い、重合を完結させた後室温まで冷却し、〔低分
子量バインダー微粒子分散液2〕を得た。
【0081】(トナーの合成) 製造例15 攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた1Lセパラブ
ルフラスコに、〔高分子量バインダー微粒子分散液1〕
47.6g、〔低分子量バインダー微粒子分散液2〕1
90.5g、〔ワックス粒子水性分散液1〕を7.7
g、〔顔料分散液1〕を26.7g及び蒸留水252.
5mlを加え混合攪拌した後、5N−水酸化ナトリウム
水溶液を用いpH=9.5に調節を行った。更に攪拌
下、塩化ナトリウム50gを蒸留水600mlに溶解し
た塩化ナトリウム水溶液、イソプロパノール77ml及
びフルオラードFC−170C(住友3M社製:フッ素
系ノニオン界面活性剤)10mgを10mlの蒸留水に
溶解した界面活性剤水溶液を順次添加し、内温を85℃
まで上昇させ6時間反応を行った後、室温まで冷却し
た。この反応液を5N−水酸化ナトリウム水溶液を用い
pH=13に調整した後、濾過を行い、更に蒸留水に再
懸濁を行い濾過、再懸濁を繰り返し、洗浄を行った後乾
燥し、[トナー8]を得た。
【0082】得られたトナー100部に疎水性シリカ
0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミ
キサーにて混合した。得られたトナー物性値については
表1に示した。外添剤処理を施したトナー5重量%とシ
リコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜
鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製
し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製
imagio Neo 450を用いて、連続印刷して
下記の基準で評価し、表2に示した。
【0083】(a)定着性 リコー製imagio Neo 450を用いて、転写
紙(リコー製 タイプ6200)にベタ画像で、1.0
±0.1mg/cm2のトナーが現像される様に調整を
行ない、定着ベルトの温度が可変となる様に調整を行な
って、オフセットの発生しない温度を測定した。また、
得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存
率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限
温度とした。 (b)フィルミング 目視により現像ローラへのフィルミングの有無を判定し
た。 (c)クリーニング性 清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチ
テープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それ
をマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランク
との差が0.01以下のものを○(良好)、ブランクと
の差が0.02以下のものを△(良)それを越えるもの
を×(不良)として評価した。 (d)トナー臭気の測定方法 容器50m3の密閉した室内で20℃60%の環境下、
画像出し開始時と10万枚連続ラン中の両方を30人の
パネラーにより臭気評価を行なう。評価項目は臭気強
度、快・不快度、事務機器としての臭気問題度等を得点
にし、総合的な尺度からランク付けする。 ランクA:事務機器として問題ないレベル。ほぼ全員が
不快とは感じない。 ランクB:ランクAとBの中間で人によっては不快と感
じるレベル。 ランクC:ほぼ全員が不快と感じ、事務機器として問題
となるレベル。 (e)トナー中残留溶媒の測定方法 トナーの残留溶媒量は、以下の測定方法により測定され
る。測定対象となるトナー1重量部に2−プロパノール
2重量部を加え、超音波で30分分散させた後、冷蔵庫
(5℃)にて1日以上保存し、トナー中の溶媒を抽出し
た。上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A、
SHIMADZU)で分析し、トナー中の溶媒および残
留モノマーを定量することにより溶媒濃度を測定した。
かかる分析時の測定条件は、以下の通りである。
【0084】装置:島津GC−14A カラム:CBP20−M 50−0.25 検出器:FID 注入量:1〜5μl キャリアガス:He 2.5kg/cm2 水素流量:0.6kg/cm2 空気流量:0.5kg/cm2 チャートスピード:5mm/min 感度:Range101×Atten20 カラム温度:40℃ Injection Temp:150℃
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】トナー8については定着不良により連続印
刷できず、評価を中止した。
【0088】
【発明の効果】本発明のトナーは、初期の印字品質が良
好で、連続印字での画質の安定性にも優れ、クリーニン
グ安定性を有し、臭気の発生や感光体に対するフィルミ
ングが顕著に抑制された低温定着トナーが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南谷 俊樹 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 江本 茂 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 渡邊 真弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 杉山 恒心 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山田 博 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山下 裕士 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 滝川 唯雄 愛知県新城市川治字藤波13 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA15 AB03 CA08 EA10 FA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒中に活性水素と反応可能な変性
    ポリエステル系樹脂からなるトナーバインダー成分を含
    むトナー組成分を溶解又は分散させて形成した溶解物又
    は分散物を樹脂微粒子を含む水系媒体中で架橋剤及び/
    又は伸長剤と反応させ、得られた分散液から溶媒を除去
    し、かつトナー表面に付着した該樹脂微粒子を洗浄・脱
    離して得られたトナーにおいて、ガスクロマトグラフィ
    の測定による該トナー中の残留溶媒量が500ppm以
    下および該トナー粒子のフロー式粒子像分析装置による
    平均円形度が0.92〜0.96であることを特徴とす
    る静電荷現像用トナー。
  2. 【請求項2】 該分散液から溶媒を除去する工程が、減
    圧および/もしくは加熱の条件下で行われることを特徴
    とする請求項1に記載の静電荷現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該分散液から溶媒を除去する工程が、濾
    過により行われることを特徴とする請求項1〜2のいず
    れかに記載の静電荷現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該トナー中のバインダーの酸価が、1〜
    30mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
  5. 【請求項5】 該トナー中のバインダーのガラス転移点
    (Tg)が、50〜70℃であることを特徴とする請求
    項1〜5のいずかに記載の静電荷現像用トナー。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷
    現像用トナーとキャリアよりなる現像剤。
  7. 【請求項7】 トナーリサイクル機構を有する現像装置
    において、請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷現像
    用トナーを用いる現像方法。
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