JP2007212753A - トナーの製造方法およびトナー - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルミング、スリーブ固着等の発生を防止することができ、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性に優れ、従来にないレベルの省エネルギー化を達成できる定着装置に適したトナーを得る。
【解決手段】少なくとも離型剤を含むトナーを水系で造粒するトナーの製造方法において、離型剤を溶剤に分散する離型剤分散液形成工程と、前記離型剤分散液と他のトナー組成物とを混合する混合工程と、得られた混合物を水系で造粒する造粒工程とを有し、前記混合工程は、混合系内の全領域の温度が、前記離型剤の軟化点をTmとしたとき、(Tm−30)℃以下の温度に制御されるトナーの製造方法および該方法により製造されたトナー。
【選択図】図1

Description

本発明は、トナーの製造方法および該方法により製造されたトナーに関し、さらに詳しくは、フィルミング、スリーブ固着等の発生を防止することができ、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性に優れ、従来にないレベルの省エネルギー化を達成できる定着装置に適したトナーの製造方法および該方法により製造されたトナーに関するものである。
電子写真、静電記録、静電印刷等において使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤として、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤及びキャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。従来、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル等の結着樹脂(バインダー)を着色剤等と共に溶融混練し、微粉砕したものが用いられている。
これらのトナーは紙等に現像転写された後、熱ロールを用いて加熱溶融することにより定着される。その際、熱ロール温度が高すぎると、トナーが過剰に溶融し熱ロールに融着する問題(ホットオフセット)が発生する。また、熱ロール温度が低すぎると、トナーが充分に溶融せず、定着が不十分になる問題が発生する。省エネルギー化、複写機等の装置の小型化の観点から、よりホットオフセット発生温度が高く(耐ホットオフセット性)、かつ定着温度が低い(低温定着性)トナーが求められている。
とりわけ、フルカラー複写機、フルカラープリンターにおいては、その画像の光沢性及び混色性が必要なことから、トナーはより低溶融粘度であることが必要であり、シャープメルト性のポリエステル系のバインダーが用いられている。このようなトナーでは、ホットオフセットの発生が起こりやすいことから、従来からフルカラー用の機器では、熱ロールにシリコーンオイル等を塗布することが行われている。しかしながら、熱ロールにシリコーンオイルを塗布する方法は、オイルタンク、オイル塗布装置が必要であり、装置が複雑化、大型化することとなる。また、熱ロールの劣化をも引き起こし、一定期間毎のメンテナンスを必要とする。さらに、コピー用紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルム等にオイルが付着することが不可避であり、とりわけ、OHPにおいては付着オイルによる色調の悪化が問題となる。
そこで、熱ロールにオイル塗布することなくトナーの融着を防ぐために、トナーに離型剤を添加する方法が一般的に用いられているが、その離型効果には、離型剤のバインダー中での分散状態が大きく影響している。離型剤はバインダー中に相溶してしまうと離型性を発現できず、非相溶なドメイン粒子として存在することにより初めて離型性を向上させることができる。ドメイン粒子の分散径が大きすぎると、トナー粒子表面近傍に存在する離型剤の割合が相対的に増加するため、凝集性を示して流動性が悪化したり、長期の使用において離型剤がキャリアや感光体に移行してフィルミングを生じたりして、良好な画質を得るのを妨げるという問題を生じる。また、カラートナーにおいては、色再現性や透明性を損なうという問題もある。逆に、分散径が小さすぎると、離型剤が過度に微分散されて十分な離型性が得られない。このように離型剤の分散径のコントロールは必要不可欠であるにもかかわらず、いまだ適切な方法が見つかっていないのが現状である。
粉砕法により製造されるトナーの場合、分散径を決定する大きな要因は溶融混練時の練りのせん断力であるが、近年、トナー用バインダーに多く用いられているポリエステル樹脂は、その粘度の低さから充分な練りのせん断力が加わらず、離型剤の分散を制御するのがきわめて困難で、適度な分散径が得られ難いものであった。また、粉砕法におけるもう一つの問題として、離型剤が破断面になりやすいために、表面に露出する離型剤が多くなってしまうということがあった。
一方、近年、重合トナーが開発、商品化され、重合トナーは、まず小粒径トナーが製造しやすく、したがって高画質が得られ、さらに、流動性、転写性が良好であるという利点を有する。例えば懸濁重合法によってトナー粒子を得ることが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、従来の懸濁重合法では、低融点離型剤を使用した場合、モノマーに離型剤を分散させる際、大きな攪拌シェアがかかると、混合したモノマー−離型剤分散液が満たされた攪拌槽内の一部領域、特に攪拌手段近傍で局部的な温度上昇がおこり、該低融点離型剤が溶融し、表面に離型剤がブリードアウトし、離型剤のみからなる粒子が生成してしまうという欠点がある。また、重合の際の熱により、同様に離型剤が溶融し離型剤のみからなる粒子が生成してしまう場合がある。
また、乳化重合法によって得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、従来の乳化重合法では、水に分散した、樹脂微粒子、離型剤微粒子、着色剤微粒子などを加熱凝集し会合トナー粒子を構成させるが、離型剤粒子として低融点離型剤を使用した場合、水に離型剤を分散させる際、大きな攪拌シェアがかかると、混合した離型剤分散液が満たされた攪拌槽内の一部領域、特に攪拌手段近傍で局部的な温度上昇がおこり、該低融点離型剤が溶融し、表面に離型剤がブリードアウトし、離型剤のみからなる粒子が生成してしまう場合がある。また、加熱凝集させる際の熱により、同様に離型剤が溶融し離型剤のみからなる粒子が生成してしまう場合がある。
最近、厳密には従来にいう重合ではないが、重合に分類される水中造粒法で製造されるウレア結合によって伸長されたポリエステルトナーが提案されているが(特許文献3)、離型剤を溶媒に分散した離型剤分散液を他のトナー組成物を含有する油相と混合する工程において、この混合した油相に大きな攪拌シェアがかかった場合に、混合した油相が満たされた攪拌槽内の一部領域、特に攪拌手段近傍で局部的な温度上昇がおこり、油相中に均一に分散された離型剤微粒子が粒子間で凝集して、離型剤のみより構成される粒子を形成してしまう欠点がある。
特開平9−43909号公報 特許第2537503号公報 特開2003−131430号公報
以上のように重合法で、低融点の離型剤を用いて造粒した場合、顔料が含まれていない離型剤のみで構成される粒子が観測される。そして、この離型剤のみから構成される粒子は非常に柔軟であることから、フィルミングやスリーブ固着の要因となってしまう。
したがって本発明の目的は、フィルミング、スリーブ固着等の発生を防止することができ、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性に優れ、従来にないレベルの省エネルギー化を達成できる定着装置に適したトナーの製造方法および該方法により製造されたトナーを提供することである。
本発明者らは、この離型剤のみで構成される粒子のできる要因を検討した結果、離型剤を溶剤に分散した離型剤分散液を他のトナー組成物とを混合する工程の温度変動が支配的であることを見出した。すなわち、一度溶剤に分散された離型剤分散液と他のトナー組成物を混合する際、この混合した油相に大きな攪拌シェアがかかった場合に、混合した油相が満たされた攪拌槽内の一部領域、特に攪拌手段近傍で局部的な温度上昇が起こると考えられる。この温度上昇により油相中に均一に分散された離型剤微粒子が粒子間で凝集して、離型剤のみより構成される粒子を形成してしまっていることを突き止めた。
そこで本発明者らは、下記のような本発明の構成とすることで、上記のような離型剤を含むトナーを造粒する際における課題を解決し、離型剤のみよりなる粒子の形成を防ぐことで均一なトナー粒子形成を確立したものである。
本発明は以下のとおりである。
1)少なくとも離型剤を含むトナーを水系で造粒するトナーの製造方法において、
離型剤を溶剤に分散する離型剤分散液形成工程と、前記離型剤分散液と他のトナー組成物とを混合する混合工程と、得られた混合物を水系で造粒する造粒工程とを有し、前記混合工程は、混合系内の全領域の温度が、前記離型剤の軟化点をTmとしたとき、(Tm−30)℃以下の温度に制御されることを特徴とするトナーの製造方法。
2)前記離型剤の軟化点Tmが60〜80℃であることを特徴とする上記1)に記載のトナーの製造方法。
3)前記混合工程が有機溶剤相中で行われ、前記トナー組成物が、少なくとも結着樹脂と顔料を含有することを特徴とする上記1)または2)に記載のトナーの製造方法。
4)前記結着樹脂が、反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(i)を少なくとも含有することを特徴とする上記3)に記載のトナーの製造方法。
5)前記変性ポリエステル(i)の反応可能な置換基がイソシアネート基であることを特徴とする上記4)に記載のトナーの製造方法。
6)前記結着樹脂が、前記反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)を含有し、(i)/(ii)の質量比が5/95〜30/70であることを特徴とする上記3)〜5)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
7)上記1)〜6)のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするトナー。
8)凝集度が3〜20%である上記7)に記載のトナー。
9)体積平均粒径(Dv)が3〜8μmである上記7)または8)に記載のトナー。
10)体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)が1.00〜1.2であることを特徴とする上記7)〜9)のいずれかに記載のトナー。
11)円相当径0.6〜2μmを有する小粒子率が、5%以下であることを特徴とする上記7)〜10)のいずれかに記載のトナー。
本発明によれば、離型剤分散液と他のトナー組成物とを混合する際の混合系の温度を特定したので、フィルミング、スリーブ固着等の発生を防止することができ、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性に優れ、従来にないレベルの省エネルギー化を達成できる定着装置に適したトナーの製造方法および該方法により製造されたトナーを提供することができる。
本発明では、少なくとも離型剤を含むトナーを水系で造粒するトナーの製造方法において、離型剤を溶剤に分散する離型剤分散液形成工程と、前記離型剤分散液と他のトナー組成物とを混合する混合工程と、得られた混合物を水系で造粒する造粒工程とを有し、前記混合工程は、混合系内の全領域の温度が、前記離型剤の軟化点をTmとしたとき、(Tm−30)℃以下で、かつ水相の凝固点以上に制御される。(Tm−30)℃以下の温度に制御されることにより、離型剤粒子がトナー粒子内に安定して分散されることを見出した。これは、混合系内の全領域の温度が前記離型剤の軟化点Tmに対し、充分低いため、離型剤の溶融が起こらず離型剤を安定的に分散させることができるようになるからと考えられる。
離型剤分散液形成工程において、離型剤の分散は、通常の混合、撹拌装置を使用して行う。具体的には、離型剤を溶解させた原材料溶解液を溶解撹拌タンク等で攪拌した後、例えば、アトライター、ボールミル、サンドミル、振動ミル等の粒状メデイアを装備した装置により湿式粉砕する。粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が好ましく用いられる。
なお、本発明では、離型剤と同時に顔料を投入して分散させてもよい。上記の攪拌装置により、着色剤の凝集を解き、着色剤の平均粒径が0.7μm程度以下、好ましくは0.4μm程度以下になるまで、着色剤を分散させることができる。したがって、カラートナーとした場合の光沢性、透明性にも優れ、鮮明で色再現に優れた画像を得ることができる。また、離型剤と同時に結着樹脂の一部を投入して分散させてもよい。
本発明の離型剤として用いるワックスとしては公知のものが使用でき、本発明において離型剤として機能するワックス成分としては、以下の材料が使用できる。即ち、具体例としては、ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。またこれら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリn−ステアリルメタクリレート、ポリn−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
本発明の離型剤の軟化点Tmは、好ましくは60〜80℃である。軟化点が60℃未満のワックスは、耐熱保存性に悪影響を与え、80℃を超える離型剤は、低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。ここで、本発明における離型剤の軟化点Tmとは、示差走査型熱量測定(DSC)において、そのDSC曲線の最大吸熱量を示したピークトップで決定される。また測定は島津製作所製TA-60WS、及びDSC-60を用い、次に示す測定条件で行われる。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は前記島津製作所製データ解析ソフト(TA-60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次にDSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能をもちいてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がワックスのTmに相当する。
また、離型剤の溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超える離型剤は、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中の離型剤の含有量は通常1〜40質量%であり、好ましくは3〜30質量%である。
本発明の混合工程において、前記離型剤分散液と他のトナー組成物とを混合する工程は、通常の混合、撹拌装置を使用して行う。具体的には、離型剤分散液と他のトナー組成物(好ましくは少なくとも結着樹脂と顔料を含有する)を溶解撹拌タンク等で通常の攪拌羽、例えばU字型羽、V字型羽、アンカー型羽、ヘリカルリボン型羽等を用い、均一に攪拌し混合した油相(有機溶剤相)を得る。さらに分散をよくするために、この混合した油相をホモミキサー(TKロボミックスf model、特殊機化工業社製)、エバラマイルダー(MDN304、太平洋機工社製)等の分散装置を用いて分散させることが好ましい。特に、その分散性能からエバラマイルダーを用いることが好ましい。ただし、これら分散装置を用いると、大きな攪拌シェアがかかった場合に、混合した油相が満たされた攪拌槽内の一部領域、特に攪拌手段近傍で局部的な温度上昇が起こり、この温度上昇により油相中に均一に分散された離型剤微粒子が粒子間で凝集して、離型剤のみより構成される粒子を形成してしまう可能性があるので、その混合系内の全領域での温度を、前記離型剤の軟化点Tmに対し、(Tm−30)℃以下に保持することが好ましい。そのためには、例えば、エバラマイルダーであれば、そのパス回数を3〜12にすることが好ましい。パス回数が3未満では、分散が不十分であり、パス回数が12超では、攪拌手段近傍で局部的な温度上昇が起こり、この温度上昇により油相中に均一に分散された離型剤微粒子が粒子間で凝集して、離型剤のみより構成される粒子を形成してしまう可能性がある。なお、前記混合系内の全領域での温度は、混合工程後に行われる造粒工程における水相の凝固点以上であるのが好ましい。
また、本発明において前記離型剤分散液と他のトナー組成物とを混合する混合工程は、熱電対等で温度モニタリングすることが好ましい。さらに好ましくは、混合する系全体をモニタリングできるようサーモグラフィ等を用いることが好ましい。これら手段は単独で使用してもかまわないが、併用してモニタリングすることが好ましい。特にホモミキサー、エバラマイルダー等の分散装置を用いて分散させる場合には、特に攪拌手段近傍で局部的な温度上昇が起こるので、この部分の温度モニタリングを行うことが必要である。
具体的には株式会社佐藤計量器製作所製デジタル温度計SK−250WP及びセンサーSWP-01を用い図1に示すようにエバラマイルダーの混合部2出口の温度を、該センサーでモニタリングする。従来では図1のAに示す点において温度のモニタリングを行っていたが、その場合、混合部2の攪拌手段近傍での局部的な温度上昇がモニタリングできず、離型剤微粒子の凝集が起こってしまう場合があった。そのため、出口の温度のモニタリングは図1の符号1で示す混合部出口配管の中心部にセンサー先端を位置することが好ましい。なお図1において、符号3は混合部における図示しない混合手段の駆動モーターであり、4は原料タンクであり、5は循環モーターである。
本発明において結着樹脂としては、公知のものならば何如なるものでも使用することができる。具体的には、熱可塑性樹脂、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の不飽和結合を有するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和結合を有するニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類等の単量体を用いた重合体または共重合体、またはこれらの混合物等があげられ、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル系縮合樹脂、これら縮合樹脂に前記ビニル系樹脂を混合したもの、これら重合体の存在下でビニル系単量体を重合することによって得られるグラフト重合体等を使用することができる。これらのうち、低温定着性、色再現性等に優れる点でポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂は、変性ポリエステル(i)、変性されていないポリエステル(ii)を用いることができる。これらは、単独で使用してもかまわないが、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上するため、(i)および(ii)を併用することが好ましい。以下に、(i)および(ii)についての詳細を記す。
本発明においては、変性ポリエステルとは、ポリエステル樹脂中に酸、アルコールのモノマーユニットに含まれる官能基とエステル結合以外の結合基が存在したり、また、ポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合等により結合した状態のものをいう。
例えば、ポリエステル末端をエステル結合以外のもので反応させたもの、具体的には、末端に酸基、水酸基と反応するイソシアネート基等の官能基を導入し、活性水素化合物とさらに反応させ、末端を変性したり伸長反応させたものも含まれる。
さらに、活性水素基が複数存在する化合物であれば、ポリエステル末端同士を結合させたものも含まれる(ウレア変性ポリエステル、ウレタン変性ポリエステル等)。また、ポリエステル主鎖中に二重結合等の反応性基を導入し、そこからラジカル重合を起こして側鎖に炭素−炭素結合のグラフト成分を導入したり、二重結合同士を橋かけしたものも含まれる(スチレン変性、アクリル変性ポリエステル等)。
また、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共重合させたり、末端のカルボキシル基や水酸基と反応させたもの、例えば、末端がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、メルカプト基によって変性されたシリコーン樹脂と共重合させたものも含まれる(シリコーン変性ポリエステル等)。以下に、具体的に説明する。
ウレア結合で変性されたポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有する変性ポリエステル(A)とアミン類(B)との反応物等が挙げられる。イソシアネート基を有する変性ポリエステル(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物等が挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)及び3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独又は(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものは、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)及び3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独及び(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸等);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上記のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常、2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常、5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化し、[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常、0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.5質量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化すると共に、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になり、また、40質量%を超えると、低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有する変性ポリエステル(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常、1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等が挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)等が挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、上記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物等が挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)等が挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有する変性ポリエステル(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常、1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明においては、変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常、100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明の変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の質量平均分子量は、通常、1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。変性ポリエステルの数平均分子量は、後記の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、上記質量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常、20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
本発明においては、上記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)を結着樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することにより、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、上記(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物等が挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、例えば、ウレア結合やウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。したがって、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の質量比は、通常、5/95〜30/70、好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の質量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化すると共に、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
ウレア変性ポリエステルは以下の方法等で製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで、40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有する変性ポリエステル(A)を得る。
ウレア変性ポリエステルの場合、伸長及び/又は架橋反応時間は、反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常、10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができ、具体的には、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等が挙げられる。
さらに、(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを上記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
本発明の着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して、通常、1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
本発明で用いる着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチと共に混練されるバインダー樹脂としては、上記の変性、未変性ポリエステル樹脂の他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独又は混合して使用できる。
本マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには、3本ロールミル等を有する高せん断分散装置が好ましく用いられる。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有していてもよい。帯電制御剤としては、公知のものが全て使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明における荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一律に決定されるものではないが、好ましくは、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5質量部の範囲がよい。10質量部を越える場合には、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤は、マスターバッチ、樹脂と共に溶融混練することもでき、有機溶剤に溶解、分散する際に加えてもよい。
本発明で得られたトナーの流動性や現像性、帯電性を補助するために用いられる外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。
この他、高分子系微粒子、例えば、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合等によって製造されたポリマー微粒子等を挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
本発明で使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)及びエーテル類(テトラヒドロフラン等)等のイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。
造粒工程において、用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。水と混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。
トナー粒子は、水系媒体中で反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)からなる分散体を(B)と反応させて形成してもよく、あらかじめ製造した変性ポリエステル(i)を用いてもよい。
水系媒体中でのトナー原料の分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波等の公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするためには高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転速度は特に限定はないが、通常、1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常、0.1〜5分である。分散時の温度としては、水相の凝固点以上かつ離型剤の軟化点Tmに対し(Tm−30)℃以下であるのが好ましいが、高温な方が、変性ポリエステル(i)や反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
変性ポリエステル(i)や反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)を含むトナー組成物100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常、50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。50質量部未満では、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000質量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いた方が、粒度分布がシャープになると共に分散が安定である点で好ましい。
トナー原料が分散された油相を、水が含まれる液体に乳化、分散するために用いる分散剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、きわめて少量でその効果を上げることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガーフルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102、(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてはリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等も用いることができる。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸等の酸類、又は水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば、酢酸ピニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子又はその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が使用できる。
さらに、トナー原料の粘度を低くするために、変性ポリエステル(i)や(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いた方が粒度分布がシャープになる点で好ましい。この溶剤は、沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。このような溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独又は2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)100質量部に対する溶剤の使用量は、通常、0〜300質量部、好ましくは0〜100質量部、さらに好ましくは25〜70質量部である。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。また、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルン等により、短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する等の方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他、酵素による分解等の操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長及び/又は架橋反応後、洗浄除去する方がトナーの帯電面から好ましい。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子または粗粒子は、再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子又は粗粒子はウェットの状態でも構わない。用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、上記の分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子等の異種粒子と共に混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等がある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
このような製造法によれば、粉体流動性、転写性に優れ、小粒径で高画質な画像を提供するトナーを得ることができる。さらには、低温定着性、耐ホットオフセット性にも優れ、かつフィルミング・スペントを生じることもない。このように、各種要求特性を満足するようなトナーは、粉砕トナーも含め、従来得られていなかったものである。
トナーのピーク分子量は、通常、1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると低温定着性が悪化する。
ここで、本発明におけるトナーのピーク分子量は、具体的に次のような手順で決定される。
(トナーのピーク分子量の測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
試料の前処理:トナーをテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)に0.15質量%で溶解後、0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
トナーの水酸基価は、5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。トナーの酸価は通常、1〜40、好ましくは5〜30、更に好ましくは15〜28である。酸価を持たせることにより、負帯電性となりやすい傾向があり、また、定着時における紙との親和性が増大し、定着力が強くなる。
ここで、本発明における酸価(AV)、水酸基価(OHV)とは、具体的に次のような手順で決定される。
測定装置:電位差自動滴定装置 DL-53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極:DG113−SC(メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度:23℃
測定条件は以下のとおりである。
Figure 2007212753
(酸価の測定方法)
JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調整 :トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定は上記記載の装置にて計算することが出来るが、具体的には次のように計算する。
あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量
(ただしNはN/10KOHのファクター)
(水酸基価の測定方法)
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁を良く洗う。この液を前記電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行いOH価を求める(JISK0070−1966に準ずる。)。
本発明において、トナーのガラス転移点(Tg)は、通常、40〜70℃、好ましくは45〜60℃である。40℃未満では、トナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると、低温定着性が不十分となる。変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
ここで、本発明におけるガラス転移点(Tg)とは、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA-60WS、及びDSC-60を用い、次に示す測定条件で測定した。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は前記島津製作所製データ解析ソフト(TA-60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線のもっとも低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次にDSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能をもちいてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がトナーのTgに相当する。
また、本発明のトナーにおいては、凝集力は小さい方が好ましい。トナーの凝集力が小さいと、トナー各々の帯電が均一になりトナー飛散を減少させることができる。
ここで、前記トナーの凝集力は凝集度(%)として表すことができる。凝集度の値が大きいほど、トナーの凝集力が強いと言える。
前記トナーの凝集度は3〜20%が好ましい。前記凝集度が3%未満であると、トナーの流動性が良すぎて、転写の際にトナー飛散が発生しやすくなることがあり、20%を超えると、現像、転写時のトナー飛散が悪化することがある。
ここで、前記凝集度は、パウダテスター(PT−N型、ホソカワミクロン社製) を用いて測定を行った。すなわち、トナー2.0gを目開き150μm、75μm、45μmの篩(平織金網、規格JIS Z 8801−1)を通過させたときの、それぞれの篩上の残トナー量を測定して、以下に示す式を用いて算出した。
凝集度(%)=(A+0.6×B+0.2×C)/2.0×100
A:目開き150μmの篩上のトナー残量(g)、B:目開き75μmの篩上のトナー残量(g)、C:目開き45μmの篩上のトナー残量(g)
本発明のトナーの体積平均粒径は、3〜8μmであることが好ましい。8μmより大きいと、高画質の画像を得るのが困難になり、3μmよりも小さいと転写性、クリーニング性が低下したり、フィルミングやキャリアへのスペント等が発生しやすくなる。
本発明において、トナーの体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比、Dv/Dnは好ましくは1.00〜1.20である。このようなトナーにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れ、更に二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。また、一成分現像剤として用いた場合においても、トナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なくなると共に、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られた。
トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W-113MK-II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
本発明においては、円相当径0.6〜2μmを有する小粒子率が、5%以下であることが好ましい。該小粒子率は、次のようにして測定される。フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行う。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加する。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理する。前記分散液を前記FPIA−2100を用いて濃度を5000〜15000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定する。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5000〜15000個/μlにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことが出来ないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜7μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5000〜15000個/μlにあわせる事が可能となる。
前記の測定法による本発明のトナーのフロー式粒子像分析装置による解析基準が個数基準での円相当径0.6〜2μmの小粒子率は5%以下であることが好ましい。個数解析基準での円相当径0.6〜2μmの小粒子率が5%を超えると、転写性、クリーニング性が低下したり、フィルミングやキャリアへのスペント等が発生しやすくなる。
本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対して、トナー1〜10質量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリア等従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒径1μm以下のものが好ましい。平均粒径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー又は非磁性トナーとしても用いることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
−−微粒子分散液1の調製−−
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11質量部、スチレン83質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、質量平均分子量は15万であった。
−−ポリエステル樹脂(1)の合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧、230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧で5時聞反応させた後、該反応容器に無水トリメリット酸30質量部を入れ、180℃、常圧で2時間反応させることにより、ポリエステル樹脂(1)を得た。該ポリエステル樹脂(1)は、質量平均分子量(Mw)が6,700であり、ガラス転移温度(Tg)が43℃であり、酸価が20mgKOH/gであった。
−−水相の調製−−
水990質量部、前記微粒子分散液183質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。
−−低分子ポリエステルの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下、230℃にて5時間反応させて、低分子ポリエステルを合成した。
得られた低分子ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、質量平均分子量(Mw)が9,500、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5mgKOH/gであり、水酸基価が51であった。
−−反応可能な置換基を有する変性ポリエステルの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記低分子ポリエステル410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られた反応可能な置換基を有する変性ポリエステルの遊離イソシアネート含有量は、1.53質量%であった。
−−マスターバッチ(MB)の調製−−
水1200質量部、着色剤としてのカーボンブラック(「Printex35」;デクサ社製、DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5)540質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)1200質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
−−有機溶媒相の調製−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、前記ポリエステル樹脂(1)378質量部、パラフィンワックス(日本精鑞製HNP−11)110質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま30時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1324質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で9時間分散して、前記パラフィンワックスの分散を行った。
次いで、該分散液に前記低分子ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液1324質量部を添加し、前記マスターバッチ500質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、1時間混合した。次いで前記混合液を25℃に保ちエバラマイルダー(入り口側よりG、M、Sの組み合わせ)で、流量1kg/minで4パスし、有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、30分)は、50質量%であった。
−−乳化・分散−−
反応容器中に、前記有機溶媒相749質量部、前記反応可能な置換基を有する変性ポリエステル115質量部、及びイソホロンジアミン(和光純薬製)化合物2.9質量部を仕込み、ホモミキサー(特殊機化製TKホモミキサーMKII)を用いて回転速度5,000rpmにて1分間混合した後、反応容器中に前記水相1200質量部を添加し、前記ホモミキサーで、回転速度9,000rpmにて25℃で3分間混合した。その後攪拌機で20分攪拌し、乳化スラリーを調製した。
次に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、25℃にて脱溶剤行った。有機溶剤を除去した後45℃にて15時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーは、マルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)で測定した体積平均粒径が4.53μm、個数平均粒径が4.19μmであった。
−−洗浄工程−−
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後、減圧濾過した。ここで得た濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキに10質量%塩酸100質量部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。ここで得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機で45℃にて48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩うと、実施例1のトナー母体粒子が得られた。
−−外添剤処理−−
得られた実施例1のトナー母体粒子2.5質量部と、外添剤としてのシリコーンフェライトキャリア(芯材粒径45μm)97.5質量部をターブラーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて攪拌処理し、実施例1のトナー1を製造した。実施例1のトナーの評価を行った。表2にトナー製造条件、表3にトナー評価結果を示す。
(実施例2)
有機溶剤相の調製時の混合液の混合温度を10℃に変更した以外は実施例1と同様にトナー2を得た
(実施例3)
実施例1のパラフィンワックス(日本精鑞製HNP−11)をパラフィンワックス日本精鑞製HNP−9)に変更した以外は実施例1と同様にトナー3を得た。
(実施例4)
実施例1のパラフィンワックス(日本精鑞製HNP−11)をパラフィンワックス日本精鑞製SP−0145に変更した以外は実施例1と同様にトナー4を得た。
(実施例5)
有機溶剤相の調製時の混合液の混合温度を45℃に変更した以外は実施例3と同様にトナー5を得た。
(比較例1)
有機溶剤相の調製時の混合液の混合温度を55℃に変更した以外は実施例3と同様にトナー6を得た。
(比較例2)
実施例1のパラフィンワックス(日本精鑞製HNP−11)をパラフィンワックス(日本精鑞製パラフィンワックス115)に変更した以外は実施例1と同様にトナー7を得た。
Figure 2007212753
(1)定着性
定着ローラーとしてテフロン(登録商標)ローラーを使用した(株)リコー製複写機 MF2200定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行った。このときの結果を表3に示した。
定着温度を変化させて、コールドオフセット温度(定着下限温度)と、ホットオフセット温度(耐ホットオフセット温度)とを求めた。従来における低温定着トナーの定着下限温度は、140〜150℃程度である。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/sec、面圧1.2kgf/cm、ニップ幅3mm、ホットオフセットの評価条件は、紙送りの線速度を50mm/sec、面圧2.0kgf/cm、ニップ幅4.5mmの条件と設定した。各特性評価の基準は、以下の通りである。
低温定着性(5段階評価)
5・・・120℃未満
4・・・120℃超140℃以下
3・・・140℃超150℃以下
2・・・150℃超160℃以下
1・・・160℃超
ホットオフセット性(5段階評価)
5・・・201℃以上
4・・・200〜191℃
3・・・190〜181℃
2・・・180〜171℃
1・・・170℃以下
(2)フィルミング
現像剤、トナーを、(株)リコー製複写機imagioMF−4550の現像部を改造したフィルミング評価機にセットして室温23℃、湿度55%の常温環境で黒ベタを印刷方向に対して2cm、幅を印字可能幅と白ベタを印刷方向に対して2cm、幅を印刷可能幅をA4紙の印刷方向先頭から後端まで繰り返したA4横チャート(画像パターンA)を2万枚、5万枚及び10万枚コピーした。次いで室温30℃、湿度90%の環境にて3時間放置を用したA3の用紙を用いて室温30℃、湿度90%の環境下で1dotX1dotのハーフトーン画像を出力し、得られたハーフトーン画像において、黒ベタを繰り返した部分に対応する部分と白ベタを繰り返した部分を反射濃度計(マクベス濃度計)を用いて測定し、黒ベタを繰り返した部分に対応する部分でもっとも濃い部分と、白ベタを繰り返した部分に対応する部分でもっとも薄い部分を反射濃度計(マクベス濃度計)で測定し、その差ΔIDを求めた。ΔIDは以下の判断基準により5段階で評価を行った。なお、まったくフィルミングがおきていない状態は同等な値であり、その値が大きいほどハーフトーンムラが悪い結果となっている。また、フィルミングの発生はランニング枚数が多いほど不利である。
◎:0.05以下、
○:0.06〜0.1、
□:0.11〜0.25、
△:0.26〜0.4、
×:0.41以上。
(3)トナー飛散、スリーブ固着
リコー社製複写機imagioMF7070改造機にて現像を行い、5000枚/日で初期及び100K枚(100000枚)ラン後の画像濃度(画像濃度測定)、トナー飛散〔目視評価〕、スリーブ固着〔目視評価〕を評価した。評価結果を次の5段階でランク付けした。
◎:大変良い、○:良い、□:普通、△:悪い、×:大変悪い
(4)耐熱保存性評価
トナー試料20gを20mlのガラス瓶に入れ、60℃の高温槽に4時間放置し、その後針入度試験(JIS K2235−1991)にて針入度を測定し、以下のように評価した。
◎:10mm以上、
○:9.9〜5mm、
△:4.9〜3mm、
×:2.9〜0mm。
(5)耐久性評価
(株)リコー製MF−2200に現像剤をセットし、常温/常湿の環境下において100000万枚の連続画像出力を行い、その後の現像剤の帯電量と画質から4段階で評価した。
4:初期に比べて帯電量と画質に大きな変化がない
3:初期に比べて帯電量が低下しているが、画質に大きな変化はない
2:地汚れが発生するが実用上問題ないレベル
1:実用上問題があるレベルの地汚れが発生する
Figure 2007212753
表3において、0.6〜2μmの微粒子含有率とは、本発明でいう小粒子率に相当する。
表3に示す通り、実施例1〜5については、低温定着性、耐ホットオフセット性、フィルミング、スリーブ固着、トナー飛散、耐熱保存性、および耐久性の評価結果が良好であった。比較例1および2では離型剤のみからなる粒子が見られ、これにより、フィルミング、スリーブ固着、トナー飛散、耐熱保存性、耐久性が悪化した。
本発明のトナーの製造方法およびこれにより製造されたトナーは、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤に使用することができ、具体的には、直接又は間接電子写真現像方式を用いた複写機、レーザープリンター及び普通紙ファックス等に使用することができる。
本発明における混合工程で使用可能な分散装置を説明するための図である。
符号の説明
2 混合物
3 駆動モーター
4 原料タンク
5 循環モーター

Claims (11)

  1. 少なくとも離型剤を含むトナーを水系で造粒するトナーの製造方法において、
    離型剤を溶剤に分散する離型剤分散液形成工程と、前記離型剤分散液と他のトナー組成物とを混合する混合工程と、得られた混合物を水系で造粒する造粒工程とを有し、前記混合工程は、混合系内の全領域の温度が、前記離型剤の軟化点をTmとしたとき、(Tm−30)℃以下に制御されることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記離型剤の軟化点Tmが60〜80℃であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記混合工程が有機溶剤相中で行われ、前記トナー組成物が、少なくとも結着樹脂と顔料を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記結着樹脂が、反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(i)を少なくとも含有することを特徴とする請求項3に記載のトナーの製造方法。
  5. 前記変性ポリエステル(i)の反応可能な置換基がイソシアネート基であることを特徴とする請求項4に記載のトナーの製造方法。
  6. 前記結着樹脂が、前記反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)を含有し、(i)/(ii)の質量比が5/95〜30/70であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするトナー。
  8. 凝集度が3〜20%である請求項7に記載のトナー。
  9. 体積平均粒径(Dv)が3〜8μmである請求項7または8に記載のトナー。
  10. 体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)が1.00〜1.2であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のトナー。
  11. 円相当径0.6〜2μmを有する小粒子率が、5%以下であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のトナー。
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