JP4392207B2 - 画像形成用トナー - Google Patents
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Description
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものである。本発明の第1の目的は、クリーニング性を維持しつつ、低温定着システムに対応し、耐オフセット性が良好で、定着装置および画像を汚染することのないトナーを提供することにある。本発明の第2の目的は、帯電量分布がシャープで、鮮鋭性の良好な可視画像を長期にわたり形成することができるトナーを提供することにある。
[1] 樹脂微粒子及び無機微粒子を表面に付着させてなることを特徴とする画像形成用トナー。これにより、良好な電子写真特性を有しつつ、低温定着性及び耐オフセット性の優れた画像形成用トナーを得る事ができる。
[2] 活性水素基との反応性を有する重合体を用いて得た組成物を含むトナーであって、樹脂微粒子及び無機微粒子を表面に付着させてなることを特徴とする画像形成用トナー。これにより、耐オフセット性に優れた画像形成用トナーを得る事ができる。
[3] 前記樹脂微粒子は、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、及びポリカーボネート樹脂からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成用トナー。これにより、粒径を良好に保ちながら、良好な電子写真特性を有しつつ、耐オフセット性の優れた画像形成用トナーを得ることができる。
[4] 前記トナーの表面に付着する前記樹脂微粒子は、前記トナーの全重量に対し0.5以上5.0wt%以下であることを特徴とする請求項1又は3のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、保存性を有しつつ、耐オフセット性の優れたトナーを得ることができる。
[5] 前記樹脂微粒子の体積平均径は、5以上500以下nmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、耐オフセット性並びにクリーニング性の優れたトナーを得ることができる。
[6] 前記樹脂微粒子の酸価は、0以上30mgKOH以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、保存性の向上した画像形成用トナーを得ることができる。
[7] 前記樹脂微粒子の重量平均分子量は、8000以上400000以下であり、かつ前記樹脂微粒子のTHF不溶解成分は、80%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、耐熱保存性を維持しつつ、定着性が良好な画像形成用トナーを得る事ができる。
[8] 前記無機微粒子は、リン酸三カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ヒドロキシアパタイトからなるグループより選ばれることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、粒径を良好に保ちながら、耐熱保存性及び電子写真性の向上した画像形成用トナーを得る事ができる。
[9] 前記無機微粒子の一次粒子径は、0.5以上200nm以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、耐熱保存性及び電子写真性の向上した画像形成用トナーを得る事ができる。
[10] 前記トナーに対し、前記樹脂微粒子及び前記無機微粒子の被覆率は、75%〜100%であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、トナーの円形度を保ちながら、耐性オフセット性に優れたトナーを得ることができる。
[11] 前記樹脂微粒子と前記無機微粒子の重量比は、100:10以上100:99以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、トナーの円形度を保ちながら、耐性オフセット性に優れたトナーを得ることができる
[12] 前記組成物は、活性水素基との反応性を有する変性ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項2乃至11のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、耐オフセット性に優れた画像形成用トナーを得ることができる。
[13] 前記組成物は、さらに未変性ポリエステル系樹脂を含むことを特徴とする請求項3乃至11のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、耐オフセット性を有しながら、良好な電子写真特性を持つ画像形成用トナーを得る事ができる。
[14] 前記未変性ポリエステル系樹脂に対する前記変性ポリエステル系樹脂の重量比は、5/95以上75/25以下であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成用トナー。これにより、耐オフセット性を有しながら、良好な電子写真特性を持つ画像形成用トナーを得る事ができる。
[15] 前記組成物の酸価は、1以上30mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項2乃至14のいずれかに記載の画像形成用トナー。これにより、良好な電子写真特性を有する画像形成用トナーを得る事ができる。
[16] 前記組成物のガラス転移点は、30以上70℃以下であることを特徴とする請求項2乃至15のいずれかに記載の画像形成用トナー。これにより、耐熱保存性を有しつつ、低温定着性を有する画像形成用トナーを得ることができる。
[17] ガラス転移点は、40以上70℃以下であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、耐熱保存性を維持しつつ、定着性の向上した画像形成用トナーを得ることができる。
[18] BET比表面積は、0.5以上6.0m2以下であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、良好な電子写真特性を有する画像形成装置トナーを得ることができる。
[19] 重量平均粒径は、4以上8μm以下であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の画像形成用トナー。これにより、耐熱保存性、低温定着性、耐オフセット性の向上したトナーを得る事ができる。
[20] 重量平均粒径/個数平均粒径は、1.00以上1.25以下であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、耐熱保存性、低温定着性、耐オフセット性の向上したトナーを得る事ができる。
[21] 平均円形度は、0.900以上0.960以下であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、電子写真特性が優れ、かつ良好な耐オフセット性を有する画像形成用となーを得ることができる。
[22] 離型剤としてワックスを含有することを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、離型性を有する画像形成用となーを得ることができる。
[23] 帯電制御剤を含有することを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。これにより、良好な電子写真特性を有する画像形成トナーを得ることができる。
[24] 請求項1乃至23のいずれか一項に記載の画像形成用トナー及び磁性粒子を含むことを特徴とする二成分系現像剤。これにより、より向上した電子写真特性を有する画像形成用トナーを得ることができる。
[25] 請求項1乃至24のいずれかに記載の画像形成用トナーは、充填されたことを特徴とするトナーカートリッジ。これにより、良好な電子写真特性を有しつつ、耐オフセット性に優れたトナーカートリッジを得ることができる。
[26] 請求項1乃至25のいずれか一項に記載の画像形成用トナーを有することを特徴とする画像形成装置。これにより、良好な電子写真特性を有しつつ、耐オフセット性に優れたトナーカートリッジを得ることができる。
本発明トナーにおける樹脂微粒子は、後述するトナー形状(円形度、粒度分布など)を制御するために、製造工程で添加されるが、樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)が30〜70℃であり、重量平均分子量が8000〜400000であり、トナー粒子に対する残存率が0.5〜5.0wt%にすることが重要である。樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)が30℃未満、及び/又は重量平均分子量が8000未満では、トナーの保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でブロッキングの発生が見られる。また、樹脂微粒子のTgが70℃以上、及び/又は重量平均分子量が40万以上では、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。残存率が、0.5wt%未満の時、トナーの保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でブロッキングの発生が見られ、また、残存量が5.0wt%以上では、樹脂微粒子がワックスのしみ出しを阻害し、ワックスの持つ離型性効果が得られず、オフセットの発生が見られる。
本発明におけるトナーは特定の形状と形状の分布を有すことが重要であり、平均円形度が0.90未満の、球形からかけ離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。なお形状を計測する方法として、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し解析する、光学的検知帯の手法が適当である。この手法により平均円形度を得ることができる。つまり、この手法により、上述の粒子画像を得、画像解析により、この投影面積と等しい面積を持つ相当円を外挿し、この相当円のもつ周囲長を、実在粒子の周囲長で除した値が平均円形度である。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。具体的な測定方法は後述する。本発明におけるトナーの平均円形度は、0.960〜0.900であることが好ましい。これにより、再現性のある、適正な画像濃度を持つ、高精細な画像を形成することができる。より好ましくは、平均円形度が0.945〜0.955であり、かつ粒子全体に対し、0.94未満の円形度を持つ粒子が10%以下であることである。ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、平均円形度が0.960以上の場合、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。例えば、画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、転写残トナーが多くなる場合(カラー写真画像などの画像面積率の高い場合や、画像形成したトナーが給紙不良等により未転写のまま感光体上に残る場合など)では、蓄積すると画像の地汚れの原因となる。さらに、感光体を接触帯電させる機能を有する帯電ローラー等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。
本発明におけるトナーの 重量平均粒径(D4)は 4〜8μmであり、個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.25以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.05〜1.20である。この乾式トナーにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れている。更に二成分現像剤を用いた場合、長期にわたるトナーの収支に関し、現像剤中のトナー粒子径の変動が少ない。現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。また、一成分現像剤として用いた場合においても、トナーの収支に関し、トナー粒子径の変動が少なく、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、長期間、現像装置を使用(攪拌)しても、良好で安定した現像性及び画像が得られた。
本発明において、有機溶媒としてトナー組成物を溶解、及び/又は分散可能な溶媒で有れば特に限定するものではない。好ましいものとしては、除去が容易である点から、該溶剤の沸点は150℃未満の揮発性であることが好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフランなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。トナー組成物100部に対する溶剤の使用量は、通常40〜300部、好ましくは60〜140部、さらに好ましくは80〜120部である。
活性水素と反応性を有する基は、公知のものであれば全て使用でき、好ましくはイソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基であるが、さらに好ましくはイソシアネート基である。従って、本発明に使用される特に好ましい樹脂としては、ウレア結合し得る基で変性されたポリエステル系樹脂(RMPE)である。例えば、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)などが挙げられる。プレポリマー(A)としては、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物で、かつ活性水素を有するポリエステルにポリイソシアネート(PIC)を反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素を有する基には、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものは。アルコール性水酸基である。
、ビスフェノールF 、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA
、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
本発明において、架橋剤及び/又は伸長剤として、アミン類を用いることができる。アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2より大きい、あるいは1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明においては、前記変性されたポリエステル(A)単独使用だけでなく、この(A)と共に、0.5〜40mgKOH/gの酸価をもった変性されていないポリエステル(C)をトナーバインダー成分として含有させることが重要である。(C)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上する。(C)としては、前(A)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(C)と同様である。また、(C)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。
メインピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。分子量1000未満成分の量が増えると耐熱保存性が悪化傾向、及びキャリア汚染が起こるため、5.0重量%以下にすることが好ましい。分子量30000以上成分が増えると単純には低温定着性が低下傾向になるがバランスコントロールで低下を極力押さえることも可能である。分子量30000以上の成分の含有量は1%以上で、トナー材料により異なるが好ましくは3〜6%である。1%未満では充分な耐ホットオフセット性が得られず、10%以上では光沢性、透明性が悪化するケースも発生する。
樹脂又はトナー約1.0g(A)を秤量する。これにTHF約50gを加えて20℃で24時間静置する。これを、まず遠心分離で分けJIS規格(P3801)5種Cの定量用ろ紙を用いてろ過する。このろ液の溶剤分を真空乾燥し樹脂分のみ残査量(B)を計測する。この残査量がTHF溶解分である。THF不溶解分(%)は下記式より求める。
THF不溶解分(%)=(A−B)/A
トナーの場合樹脂以外のTHF不溶解成分量(W1)とTHF溶解成分量(W2)は別途公知の方法例えばTG法による熱減量法で調べておき下記式より求める。
THF不溶解分(%)=(A−B−W2)/(A−W1−W2)×100
(トナー、及び未変性ポリエステルのガラス転移点)
本発明において、トナーの樹脂成分として変性ポリエステルと未変性ポリエステルを含むが、変性ポリエステルを伸長、及び/または架橋させたポリマーは分子量が高いため、明確なガラス転移挙動が観測されない。そのため、トナーのガラス転移点(Tg)と未変性ポリエステルのガラス転移点(Tg)に差は見られず、トナーのガラス転移点(Tg)は未変性ポリエステルのガラス転移点(Tg)によって調整することが可能であり、トナーのガラス転移点として、通常40〜70℃、好ましくは45〜55℃である。40℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。架橋及び/又は伸長されたポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットする。次に、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置後、室温まで試料を冷却して10min放置した。窒素雰囲気化で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
また、トナーバインダー、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。本発明のワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
本発明で使用される樹脂微粒子は、ガラス転移点(Tg)が30〜70℃であり、重量平均分子量が8千〜40万であることが条件であり、前述したようにガラス転移点(Tg)が30℃未満、及び/又は重量平均分子量が8千未満の場合、トナーの保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でブロッキングを発生してしまう。ガラス転移点(Tg)が70℃以上、及び/又は重量平均分子量が40万以上の場合、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。また、樹脂微粒子の酸価を0〜30mg/KOHにすることが重要である。酸価が30mg/KOH以上の場合、トナーの保存性が悪化し保管時および現像機内でブロッキングを発生してしまう。
さらに、トナー粒子に対する残存率が0.5〜5.0wt%にすることが重要である。残存率が、0.5wt%未満の時、トナーの保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でブロッキングの発生が見られ、また、残存量が5.0wt%以上では、樹脂微粒子がワックスのしみ出しを阻害し、ワックスの離型性効果が得られず、オフセットの発生が見られる。
樹脂微粒子の残存率は、トナー粒子に起因せず樹脂微粒子に起因する物質を熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計で分析し、そのピーク面積から算出し測定することができる。検出器としては、質量分析計が好ましいが、特に制限はない。
本発明で得られた着色粒子の耐熱保存性、帯電性を補助するために、無機微粒子を用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、0.5nm〜200nmであることが好ましく、特に0.5nm〜50nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい.0.01wt%未満、及び/又はトナーのBET比表面積が20m2/g未満では、トナーの保存性が悪化してしまい、保管ジおよび現像機内でブロッキングの発生がみられる。また、5
wt%より大きく、及び/又はBET比表面積が500m2/gを越えると、むき微粒子が定着しとの接着性を阻害し、定着下限温度の上昇がみられ、さらにワックスのしみ出しを阻害し、ワックスの離型性効果が得られず、オフセットの発生が見られる。
樹脂微粒子と無機微粒子によるトナー表面に対する被覆率は、トナー母体の表面積に占める樹脂微粒子、無機微粒子の面積によって定義され、トナーの電子顕微鏡写真を画像解析することによって測定することができる。本発明における、樹脂微粒子と無機微粒子による被覆率は、トナーに対し75〜100%であることが好ましい。
本発明のトナーは、BET比表面積が0.5〜6.0(m2/g)であることが好ましく、BET比表面積が0.5(m2/g)未満では粗大粒子の存在や添加剤の内包により、また、6.0(m2/g)を超えた場合は微細粒子の存在、添加剤の浮出し、表面の凹凸により画質に影響が現れやすい。
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性を補助するために、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
トナーバインダーは以下の方法などで製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。
本発明の乾式トナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
本発明に用いる水性相には、予め有機微粒子を添加することにより使用する。水性相に用いる水は、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー粒子は、水性相で有機溶媒に溶解、又は分散させたイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体を、アミン類(B)と反応させて形成することにより得られる。水性相でポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水性相に有機溶媒に溶解、又は分散させたポリエステルプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。有機溶媒に溶解、又は分散させたポリエステルプレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、変性されていないポリエステル樹脂などは、水性相で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合後、有機溶媒に溶解、又は分散させた後、水性相にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水性相で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
トナー組成物が分散された油性相を水性相に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやNーアルキルーN,Nージメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
〜樹脂微粒子エマルションの合成〜
製造例1
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液1]を得た。[樹脂微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[樹脂微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。
製造例2
イオン交換水709gに0.1M−Na3
PO4 水溶液451gを投入し60℃に加温した後、TKホモミキサーを用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2
水溶液68gを徐々に添加し、Ca3 (PO4
)2 を含む水系媒体[無機微粒子分散液1]を得た。
製造例3
水990部、[樹脂微粒子分散液1]73部、[無機微粒子分散液1] 10部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON-7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
製造例4
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
製造例5
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
製造例6
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
製造例7
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、 ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を、2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
製造例8
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、CCA(サリチル酸金属錯体E-84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
〔実施例1〕
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%塩酸を加えPh 2.8に調製し、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、樹脂微粒子残存率3.5wt%の[トナー1]を得た。
製造例9
水990部、[樹脂微粒子分散液1]56部、[無機微粒子分散液1]
27部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON-7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相2]とする。
実施例1での[水相1]の代わりに[水相2]を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂微粒子残存率2.0wt%の[トナー2]を得た。
製造例10
水990部、[樹脂微粒子分散液1]50部、[無機微粒子分散液1]
33部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON-7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相3]とする。
実施例1での[水相1]の代わりに[水相3]を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂微粒子残存率1.3wt%の[トナー3]を得た。
製造例11
水990部、[樹脂微粒子分散液1]43部、[無機微粒子分散液1]
40部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON-7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相4]とする。
実施例1での[水相1]の代わりに[水相4]を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂微粒子残存率0.6wt%
の[トナー4]を得た。
水990部、[樹脂微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON-7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相5]とする。
の[トナー5]を得た。
(a)粒径
トナーの粒径は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径100μmで測定した。体積平均粒径および個数平均粒径は上記粒度測定器により求めた。
現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込みブローして帯電量を求める。トナー濃度は4.5〜5.5wt%に調製する。
トナーの熱特性を測定するフローテスターとしては、例えば島津製作所製の高架式フローテスターCFT500型がある。このフローテスターのフローカーブは図1(a)および(b)に示されるデータになり、そこから各々の温度を読み
取ることができる。図中、Tsは軟化温度、Tfbは流出開始温度であり、1/2法における溶融温度とあるのはT1/2温度のことである。
荷重:10kg/cm_、昇温速度:3.0℃/min、
ダイ口径:0.50mm、ダイ長さ:10.0mm
リコー製imagio Neo 450を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製 タイプ6200及びNBSリコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、1.0±0.1mg/cm_のトナーが現像される様に調整を行ない、定着ベルトの温度が可変となる様に調整を行なって、普通紙でオフセットの発生しない温度を、厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
フロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
トナー中のスチレンアクリル樹脂微粒子の熱分解生成物であるスチレンモノマーを指紋成分として、下記条件で、トナー粒子へスチレンアクリル樹脂微粒子を0.01wt%、0.10wt%、1.00wt%、3.00wt%、10.0wt%添加する標準添加法を用いて、トナー表面に偏在する樹脂微粒子をスチレンモノマーのピーク面積で算出し測定した。
装置;島津製作所 QR−5000 日本分析工業JHP−3S
熱分解温度;590℃×12秒
カラム; DB-1L=30m
I.D=0.25mm
Film=0.25μm
カラム温度;40℃(保持2分)〜(10℃/分昇温)300℃
気化室温度;300℃
ベタ画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定。これを各色単独に5点測定し各色ごとに平均を求めた。
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定。
清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.01以下のものを○(良好)、それを越えるものを×(不良)として評価した。
現像ローラーまたは感光体上のトナーフィルミング発生状況の有無を観察した。○は、フィルミングがなく、△は、スジ上のフィルミングが見られ、×は、全体的にフィルミングがある。
Claims (26)
- 有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体及び着色剤を溶解乃至分散させ、該溶液または分散液を、樹脂微粒子と無機微粒子を含む水系媒体中で乳化させ、前記活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を反応させた後もしくは反応させながら、前記有機溶媒を除去して得られることを特徴とする画像形成用トナー。
- 前記樹脂微粒子は、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、及びポリカーボネート樹脂からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1に記載の画像形成用トナー。
- 前記樹脂微粒子は、前記トナーの全重量に対し0.5以上5.0wt%以下であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 前記樹脂微粒子の体積平均径は、5以上500以下nmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 前記樹脂微粒子の酸価は、0以上30mgKOH以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 前記樹脂微粒子の重量平均分子量は、8000以上400000以下であり、かつ前記樹脂微粒子のTHF不溶解成分は、80%以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 前記無機微粒子は、リン酸三カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ヒドロキシアパタイトからなるグループより選ばれることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 前記無機微粒子の一次粒子径は、0.5以上200nm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 前記トナーに対し、前記樹脂微粒子及び前記無機微粒子の被覆率は、75%〜100%であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 前記樹脂微粒子と前記無機微粒子の重量比は、100:10以上100:99以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 前記重合体は、活性水素基との反応性を有する変性ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 請求項11の画像形成用トナーにおいて、さらに未変性ポリエステル系樹脂を含むことを特徴とする画像形成用トナー。
- 前記未変性ポリエステル系樹脂に対する前記変性ポリエステル系樹脂の重量比は、5/95以上75/25以下であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成用トナー。
- 前記トナーの酸価が、1以上30mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 前記トナーのガラス転移点は、30以上70℃以下であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- ガラス転移点は、40以上70℃以下であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- BET比表面積は、0.5以上6.0m 2 以下であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 重量平均粒径は、4以上8μm以下であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 重量平均粒径/個数平均粒径は、1.00以上1.25以下であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 平均円形度は、0.900以上0.960以下であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 離型剤としてワックスを含有することを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 帯電制御剤を含有することを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体及び着色剤を溶解乃至分散させ、該溶液または分散液を、樹脂微粒子と無機微粒子を含む水系媒体中で乳化させ、前記活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を反応させた後もしくは反応させながら、前記有機溶媒を除去することを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
- 請求項1乃至22のいずれか一項に記載の画像形成用トナー及び磁性粒子を含むことを特徴とする二成分系現像剤。
- 請求項1乃至22のいずれかに記載の画像形成用トナーが、充填されたことを特徴とするトナーカートリッジ。
- 請求項1乃至22のいずれか一項に記載の画像形成用トナーを有することを特徴とする画像形成装置。
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