JP6380332B2 - 静電潜像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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ΔpH=pH(Tg-15)−pH(Tg+15)・・・(1)
混練工程では、少なくともポリエステル樹脂と離型剤とを溶融しながら混練して、混練物を形成する。混練工程では、ポリエステル樹脂と離型剤とに加えて、任意のトナー成分(例えば、着色剤、磁性粉、又は電荷制御剤)を混練してもよい。
液中粉砕工程では、混練物を水性媒体中で粉砕して、複数の混練物粒子を含む分散液を調製する。水性媒体中で混練物を粉砕することで、乾式粉砕よりも少ないエネルギーで、混練物を微粒子化できると考えられる。また、水性媒体中で混練物を粉砕するため、低い融点を有する材料も使用できると考えられる。
凝集工程では、分散液中の混練物粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。凝集工程では、凝集粒子の個数中位径を、液中粉砕工程後における分散液中の混練物粒子の個数中位径の10倍以上にする(例えば、数百nmの個数中位径を有する粒子を、その個数中位径が数μmになるまで凝集させる)ことが好ましい。分散液に凝集剤を添加して分散液中の混練物粒子を凝集させてもよい。あるいは、分散液の温度を所定の温度に調整して分散液中の混練物粒子を凝集させてもよい。
合一化工程では、凝集粒子を加熱することにより合一化して、トナーコアを形成する。凝集粒子に含まれる成分を合一化させる方法は任意である。例えば、凝集粒子を含む分散液を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させてもよい。凝集粒子に含まれる成分を合一化させることで、トナーコアを含む分散液が得られる。
シェル層形成工程では、水性媒体の温度を上昇させながら、水性媒体中でトナーコアとシェル層形成材料とを混合して、トナーコアの表面にシェル層を形成する。
ΔpH=pH(Tg-15)−pH(Tg+15)・・・(1)
洗浄工程では、例えば、水を用いてトナー母粒子を洗浄する。トナー母粒子の洗浄方法としては、例えば、トナー母粒子を含む分散液を固液分離して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を回収し、回収されたウェットケーキ状のトナー母粒子を水で洗浄する方法が挙げられる。また、トナー母粒子の別の洗浄方法としては、トナー母粒子を含む分散液中のトナー母粒子を沈降させ、上澄み液を水と置換し、置換後にトナー母粒子を水に再分散させる方法が挙げられる。
乾燥工程では、例えば、乾燥機(より具体的には、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、又は減圧乾燥機等)を用いてトナー母粒子を乾燥する。乾燥中のトナー母粒子の凝集を抑制するためには、スプレードライヤーを用いてトナー母粒子を乾燥することが好ましい。スプレードライヤーを用いる場合には、例えば、外添剤(より具体的には、シリカ粒子等)が分散された分散液をトナー母粒子に噴霧することで、乾燥工程と後述の外添工程とが同時に行われてもよい。
外添工程では、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。例えば、トナー母粒子と外添剤とを混合機を用いて混合することで、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。混合条件は、外添剤がトナー母粒子に埋め込まれないような条件に設定することが好ましい。
本実施形態に係るトナーの製造方法は、以下の成分及び物性を有するトナー(例えば、正帯電性トナー)の製造に適している。
トナーコアは、ポリエステル樹脂と離型剤とを少なくとも含有する。トナーコアは、必要に応じて、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉の1種以上を含有してもよい。なお、トナーの用途に応じて必要のない成分(例えば、着色剤、電荷制御剤、又は磁性粉)を割愛してもよい。
ポリエステル樹脂は、結着樹脂としてトナーコアに含有される。トナーコアがポリエステル樹脂を含有することにより、トナー中での着色剤の分散性、トナーの帯電性、及び記録媒体に対するトナーの定着性が向上すると考えられる。
トナーコアは、離型剤を含有する。離型剤は、例えば、トナーの定着性を向上させる目的で使用される。
トナーコアは、必要に応じて着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナー粒子の色に合わせて公知の顔料又は染料が用いられる。
本実施形態では、トナー粒子は正帯電性の電荷制御剤を含んでもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー粒子は、必要に応じて磁性粉を含んでもよい。磁性粉としては、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、強磁性金属(より具体的には、コバルト又はニッケル等)、鉄及び/又は強磁性金属を含む合金、強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)を施した強磁性合金、又は二酸化クロムが挙げられる。
シェル層は、トナーコアを被覆する。シェル層は、例えば、トナーコアの表面でシェル層形成材料を重合又は共重合させることにより形成される。シェル層形成材料は、カチオン性を有することが好ましい。カチオン性を有するシェル層形成材料は、アニオン性を有するトナーコアに電気的に引き寄せられ易い。そのため、例えばin−situ重合によりトナーコアの表面にシェル層が形成され易くなる。なお、シェル層形成材料がカチオン性を有するとは、シェル層形成材料がカチオン性の置換基(例えばアミノ基、具体的には−NH2基、−NH−基、又は=N−基)、又はカチオン性の原子(例えば、窒素原子)を含む分子骨格を有することを意味する。
トナー粒子は、外添剤を含んでもよい。具体的には、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。外添剤は、例えば、トナーの流動性及び取扱性を向上させるために使用される。
まず、実施例及び比較例で採用した測定方法を説明する。軟化点(Tm)の測定値は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定される温度(℃)/ストローク(mm)に関するS字カーブにおいて、ストロークの値が(S1+S2)/2となる温度である。また、融点(Mp)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定されるDSC曲線中の最大吸熱ピークの温度である。また、数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)の各々の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。また、酸価、ガラス転移点(Tg)、軟化点(Tm)、個数中位径、体積中位径(D50)、変動係数(CV)、及び個数平均円形度の測定方法はそれぞれ、何ら規定していなければ、次に示すとおりである。
試料のガラス転移点(Tg)は以下の方法で測定した。示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて、試料(例えば、ポリエステル樹脂)の吸熱曲線を求めた。続けて、得られた吸熱曲線から試料のガラス転移点を読み取った。得られた吸熱曲線中の比熱の変化点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度が、試料のガラス転移点に相当する。
試料(例えば、ポリエステル樹脂)の酸価は、JIS(日本工業規格)K0070−1992に準拠する方法で測定した。
試料(例えば、液中粉砕工程における水性媒体)のpHは、pHメーター(株式会社堀場製作所製「D−51」)を用いて測定した。
以下の方法で測定された試料(例えば、凝集粒子、又はトナー母粒子)の粒度分布から、個数中位径、体積中位径(D50)、及び変動係数(CV)を求めた。まず、試料20mgと、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mLと、電解液(ベックマン・コールター株式会社製「ISOTON−2」)50mLとを混合した。続けて、得られた混合物に対して、超音波分散器(アズワン株式会社販売「VS−D100」)を用いて、周波数20kHzで3分間超音波照射を行った。その結果、評価用分散液が得られた。続けて、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」)を用いて、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000の条件で、評価用分散液における試料の個数粒度分布及び体積粒度分布を測定した。そして、測定された個数粒度分布及び体積粒度分布から、それぞれ、試料の個数中位径及び体積中位径を求めた。なお、個数中位径は、コールターカウンター法により測定された個数基準のメディアン径である。体積中位径は、コールターカウンター法により測定された体積基準のメディアン径である。更に、試料の変動係数は、体積粒度分布における標準偏差を体積中位径で除することにより算出した。
試料(例えば、トナー母粒子)5mgに界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)1mLを添加して、混合物を得た。続けて、得られた混合物に対して超音波照射を行った。続けて、混合物をシース液(シスメックス株式会社製「パーティクルシース PSE−900A」)100mLで希釈して、希釈液を得た。その後、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、希釈液における試料の円形度(詳しくは、3000個の粒子の個数平均値)を測定した。
実施例及び比較例に係るトナー1〜11を、以下の方法で製造した。
トナーコアに含有させるポリエステル樹脂として、以下の物性値を有するポリエステル樹脂A〜Eを準備した。Mn、Mw、Mw/Mn、Tm、及びTgは、各々、数平均分子量、質量平均分子量、分子量分布、軟化点、及びガラス転移点を示す。
ポリエステル樹脂A:Mn2082、Mw4861、Mw/Mn2.3、酸価49.7mgKOH/g、Tm94.7℃、Tg56.0℃、
ポリエステル樹脂B:Mn2027、Mw3978、Mw/Mn2.0、酸価36.2mgKOH/g、Tm88.4℃、Tg52.3℃、
ポリエステル樹脂C:Mn1887、Mw3219、Mw/Mn1.7、酸価25.7mgKOH/g、Tm92.7℃、Tg58.1℃、
ポリエステル樹脂D:Mn1965、Mw4221、Mw/Mn2.1、酸価18.4mgKOH/g、Tm93.7℃、Tg56.1℃、及び
ポリエステル樹脂E:Mn2359、Mw4865、Mw/Mn2.1、酸価10.7mgKOH/g、Tm95.5℃、Tg55.4℃。
(混練工程)
ポリエステル樹脂Aの3280gと、離型剤(酸価0.1mgKOH/g、Mp76℃)328gと、マスターバッチ着色剤(シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)とポリエステル樹脂Aとを質量比1:1で混合した混合物)392gとを、容量20LのFMミキサーを用いて3分間混合した。なお、トナー1の製造方法における離型剤の添加量328gは、トナーコアの質量4000g(=3280g+328g+392g)に対して8.2質量%(=100×328/4000)に相当する。
次に、容量2Lのアルミナセラミックス製容器を備える卓上サンドミル(株式会社林商店製)を準備した。続けて、得られた混練物の中粉砕品240gと、1N−水酸化ナトリウム水溶液192gと、濃度10質量%のアニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマール(登録商標)0」、ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液24gと、イオン交換水144gとを、卓上サンドミルの容器に投入した。続けて、容器内容物の温度を60℃に保って、超音波洗浄装置(シャープ株式会社製「UT−106」、高周波出力:最大100W、発振周波数:37kHz)を用いて、容器内容物に5分間超音波照射を行った。その結果、液中に混練物の中粉砕品が分散して、混練物の中粉砕品の分散液が得られた。
次に、攪拌羽根を備えた容量2Lのステンレス製丸底フラスコを準備し、フラスコをウォーターバスにセットした。続けて、得られた混練物の液中粉砕品(混練物粒子)の分散液を、フラスコ内に投入した。そして、フラスコ内容物を、回転速度100rpmで10分間攪拌した。続けて、フラスコ内に、固形分濃度50質量%の塩化マグネシウム六水和物(凝集剤)水溶液195gを5分間かけて滴下した。続いて、フラスコ内容物の温度を速度0.2℃/分で昇温した。昇温により、フラスコ内の混練物粒子が凝集し、凝集粒子が形成された。凝集粒子の個数中位径が4.5μmになるまで昇温を続けた。具体的には、65℃で昇温を停止した。
続けて、攪拌回転速度を200rpmに上げて、フラスコ内容物の温度を速度0.2℃/分で70℃まで昇温した。そして、フラスコ内容物の温度を70℃に保ち、フラスコ内容物を60分間攪拌して、フラスコ内の凝集粒子を合一化させた。その結果、トナーコアが得られた。トナーコアの個数平均円形度は0.972であった。
続けて、トナーコアを含むフラスコ内容物を常温まで冷却した。フラスコ内に希塩酸を加えて、フラスコ内の水性媒体(イオン交換水)のpH(シェル層形成時のpH)を4に調整した。続けて、シェル層形成材料の水溶液(ヘキサメチロールメラミン初期重合体の水溶液、昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSM−607」、固形分濃度80質量%)1.6mLをフラスコ内に添加した。そして、フラスコ内容物を攪拌して、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物を水性媒体に溶解させた。続けて、フラスコ内に88mLのイオン交換水を添加した。フラスコ内容物を攪拌しながら、フラスコ内容物の温度を0.5℃/分の速度で70℃まで昇温した。つまり、シェル層形成工程における水性媒体の昇温速度は、0.5℃/分であった。そして、フラスコ内容物の温度を70℃に保ち、2時間攪拌した。その結果、トナーコアの表面にシェル層が形成された。フラスコ内に水酸化ナトリウムを加えて70℃のフラスコ内容物のpHを7に調整(中和処理)した後、更にフラスコ内容物を40℃まで冷却した。その結果、トナー母粒子(シェル層で被覆されたトナーコア)を含む分散液を得た。
続けて、ブフナーロートを用いてトナー母粒子の分散液を固液分離(吸引ろ過)して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。続けて、ウェットケーキ状のトナー母粒子を再度イオン交換水に分散させてトナー母粒子を洗浄した。そして、イオン交換水による同様の洗浄(ろ過及び分散)を、洗浄液のろ液の導電率が3μS/cm未満になるまで繰り返した。洗浄後のろ液の導電率は、株式会社堀場製作所製の電気伝導率計「HORIBA ES−51」を用いて測定した。
続けて、洗浄されたウェットケーキ状のトナー母粒子を、角形真空定温乾燥器(ヤマト科学株式会社販売「DP63」)を用いて、真空度1kPa、且つ、温度40℃の条件で、72時間乾燥した。その結果、トナー母粒子が得られた。
ジメチルポリシロキサン100gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)100gとを、トルエン200gに溶解させて、溶液を得た。続けて、得られた溶液を10倍に希釈した。続けて、得られた希釈溶液を、フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)90」)200gに徐々に滴下しながら、シリカを攪拌して、混合物を得た。更に、混合物を攪拌しながら混合物に30分間超音波照射した。
作製されたシリカ3gと、トナー母粒子200gとを、容量5LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて5分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面にシリカ粒子を付着させた(外添した)。その後、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いて篩別を行った。その結果、多数のトナー粒子を含むトナー1が得られた。
以下の点を変更した以外は、トナー1の製造と同様の方法で、トナー2〜11を製造した。トナーコアに含有させるポリエステル樹脂の種類を、トナー1の製造におけるポリエステル樹脂Aから、表1に示す種類に変更した。液中粉砕工程の粉砕開始時における水性媒体のpHを、トナー1の製造における12.9から、表1に示す値に変更した。液中粉砕工程の粉砕開始時における水性媒体の温度を、トナー1の製造における60℃から、表1に示す値に変更した。シェル層形成工程における水性媒体の昇温速度を、トナー1の製造における0.5℃/分から、表1に示す値に変更した。また、トナー5の製造においては、トナー1の製造における1N−水酸化ナトリウム水溶液192gに代えて、トリエタノールアミン26.0gを使用した。また、トナー11の製造においては、トナー1の製造における1N−水酸化ナトリウム水溶液192gに代えて、トリエタノールアミン21.0gを使用した。また、トナー8の製造においては、シェル層形成工程を行わなかった。トナー8の製造においては、合一化工程で得られたトナーコアがトナー母粒子に相当し、トナー母粒子(トナーコア)に対して洗浄工程、乾燥工程、及び外添工程を行った。
トナー1〜11を、以下の方法で評価した。
トナー1〜11に含有されるトナーコアのpH変化量を、以下の方法で評価した。まず、試料(トナーコア)をpH12のイオン交換水に添加して、固形分濃度10質量%の混合物(スラリー)を得た。詳しくは、10質量部のトナーコアと、90質量部のpH12のイオン交換水とを混合して、混合物(スラリー)を調製した。続けて、得られた混合物50mLの温度を、Tg(トナーコアに含有されるポリエステル樹脂のガラス転移点)−30℃からTg+20℃まで、速度1℃/分で上昇させた。混合物の温度を上昇させながら、Tg−15℃における混合物のpHと、Tg+15℃における混合物のpHとを、pHメーター(株式会社堀場製作所製「D−51」)を用いて測定した。測定されたTg−15℃における混合物のpHを、pH(Tg-15)とした。測定されたTg+15℃における混合物のpHを、pH(Tg+15)とした。そして、混合物のpH変化量(ΔpH)を数式(1)「ΔpH=pH(Tg-15)−pH(Tg+15)」から算出した。算出したトナーコア含有混合物のpH変化量を表1に示す。
トナー1〜11に含有されるトナー母粒子(外添工程前のトナー母粒子)の体積中位径及び変動係数を、既に述べた方法で測定した。測定されたトナー母粒子の体積中位径及び変動係数を表1に示す。なお、トナー母粒子の変動係数が小さいほど、トナー母粒子の粒度分布がシャープであることを示す。
トナー1〜11の凝集度を、以下の方法で測定し、トナーの耐熱保存性を評価した。詳しくは、試料(トナー)3gを、容量20mLのポリ容器に投入し、60℃に設定された恒温器(三洋電機株式会社製「CONVECTION OVEN」)内に3時間静置した。これにより、耐熱保存性評価用のトナーが得られた。次に、3種類の篩を重ねた。詳しくは、目開き105μmの篩の下に、目開き63μmの篩を設置した。目開き63μmの篩の下に、目開き45μmの篩を設置した。そして、目開き105μmの篩上に耐熱保存性評価用のトナーを投入した。耐熱保存性評価用のトナーが投入された後、目開き105μmの篩、目開き63μmの篩、及び目開き45μmの篩をパウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製「TYPE PT−E 84810」)に取り付けた。パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)のマニュアルに従い、レオスタッド目盛り5、時間30秒の条件で、耐熱保存性評価用のトナーを篩別した。篩別後に、目開き105μmの篩上に残留したトナーの質量(M105)、目開き63μmの篩上に残留したトナーの質量(M63)、及び目開き45μmの篩上に残留したトナーの質量(M45)を各々測定した。測定したトナーの質量(M105、M63、及びM45)から下記数式に従い、トナーの凝集度(質量%)を算出した。算出したトナーの凝集を表1に示す。なお、凝集度が20質量%未満であるトナーを、トナーの耐熱保存性が良好であると評価した。
凝集度(質量%)=a+b+c
a=(M105/3)×100
b=(M63/3)×100×(3/5)
c=(M45/3)×100×(1/5)
Claims (7)
- 静電潜像現像用トナーの製造方法であって、
少なくともポリエステル樹脂と離型剤とを溶融しながら混練して、混練物を形成する混練工程と、
前記混練物を水性媒体中で粉砕して、複数の混練物粒子を含む分散液を調製する液中粉砕工程と、
前記分散液中の前記混練物粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する凝集工程と、
前記凝集粒子を加熱することにより合一化して、トナーコアを形成する合一化工程と、
前記合一化工程にて得られた前記トナーコアを含む前記水性媒体の分散液のpHを調整し、前記分散液にシェル層形成材料を加え、前記水性媒体の温度を上昇させながら前記水性媒体中で前記トナーコアと前記シェル層形成材料とを混合して、前記トナーコアの表面にシェル層を形成するシェル層形成工程と、を含み、
前記水性媒体の昇温速度は、0.5℃/分以下であり、
前記トナーコアは、ポリエステル樹脂と離型剤とを少なくとも含有し、
下記数式(1)で表される前記トナーコアのpH変化量(ΔpH)は2.5以上である、静電潜像現像用トナーの製造方法。
ΔpH=pH(Tg-15)−pH(Tg+15)・・・(1)
(数式(1)中、pH(Tg-15)及び、pH(Tg+15)は、各々、前記トナーコア10質量部とpH12の水90質量部との混合物の温度をTg−15℃からTg+15℃に変化させたときに、Tg−15℃で測定される前記混合物のpH、及びTg+15℃で測定される前記混合物のpHを示し、Tgは、前記ポリエステル樹脂のガラス転移点を示す。) - 前記液中粉砕工程の粉砕開始時において、前記水性媒体のpHは12.0以上である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記液中粉砕工程の粉砕開始時において、前記水性媒体の温度は、前記ポリエステル樹脂のガラス転移点以上である、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記混練工程において混練される材料全体の質量に対する前記離型剤の質量比率は、7質量%以上25質量%以下である、請求項1〜3の何れかに記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂の酸価は、25mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記トナー中に含まれるトナー母粒子の体積粒度分布における変動係数は21〜27%である、請求項1〜5の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記合一化工程後、前記分散液の温度を室温まで冷却する、請求項1〜6の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
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