JP4204360B2 - 尿素系樹脂表面被覆トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、尿素系樹脂により薄膜被覆されたトナー、特に加熱定着法に好適な尿素系樹脂表面被覆トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式における現像剤の定着方式としては、加熱ロール等を用いる接触加熱方式、フラッシュ定着法など非接触加熱方式、加圧ロール等を用いる接触加圧方式、加熱加圧ロール等を用いる接触加熱加圧方式などが提案されており、実用化されている。
【0003】
これらの定着方式の中でも、接触加熱方式、非接触加熱方式および接触加熱加圧方式などの加熱定着方式においては、主にトナーの軟化温度により定着温度が決定される。トナーの軟化温度が十分に低ければ定着温度を十分に下げることができ、定着温度が十分に低ければ、定着に要する熱エネルギーを低減でき定着時間を短縮できるため、定着工程の省エネルギー化および高速化を実現できる。この様な観点から、例えば、軟化温度が低い低融点トナー等が開発されている。
【0004】
しかしながら、軟化温度が低いトナーを使用すると、トナー同士が凝集し易い傾向にあり、搬送性が低下し、ブロッキングが発生する傾向にある。
【0005】
一方、軟化温度が高いトナーを使用した場合、ブロッキング性は低く搬送性は良好であるが、例えば、加熱ロール定着法の場合、十分な定着を実現するには、定着温度を十分に高くする必要がある。また、トナーが付着した支持体がニップを通過する時間を十分に確保する必要があるため、定着に長時間を要する場合がある。更に、フラッシュ定着法で高速定着を実現するためには、高強度のフラッシュ光を照射する必要があり、エネルギーの消費が激しく、支持体が劣化する場合もあり、高速化に技術的な限界があった。
【0006】
トナーの低凝集性(抗ブロッキング性)および高速定着性を両立する手段の一つに、表面が被覆されたトナーが考えられる。表面被覆トナーは表面が樹脂壁などであるため、軟化温度の低い結着樹脂を用いてもトナー同士が凝集しブロッキングすることは殆どなく、十分に軟化温度の低い結着樹脂を用いることができ、色材を含有する液体を用いることもできる。
【0007】
例えば、特許文献1及び2には、外殻がメラミン樹脂および尿素樹脂などのカプセルトナーが記載されている。また、特許文献3には、外殻がウレタン樹脂などのカプセルトナーが記載されている。更に、特許文献4〜7には、メラミン樹脂を使用したトナーが記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭55−070853号公報
【特許文献2】
特開昭58−111050号公報
【特許文献3】
特開昭59−166966号公報
【特許文献4】
特開昭57−104148号公報
【特許文献5】
特開昭61−122656号公報
【特許文献6】
特開平09−054455号公報
【特許文献7】
特開平09−006039号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、表面被膜によりトナーを表面被覆すると、ブロッキング性は低下するものの、十分な抗ブロッキング性を実現できる表面被膜を形成すると表面被覆されたトナーの軟化温度が上昇する場合があった。このため、軟化温度の低いトナーに表面被膜を施しているにも関わらず、表面被覆されたトナーの軟化温度は高温となり、定着にも高温を必要とする場合があった。
【0010】
このため、トナーの表面を被覆する試みは従来より多数なされているものの、十分な抗ブロッキング性および低温定着性を両立することは困難であった。
【0011】
この様な状況に鑑み、軟化温度の低いトナーの表面を被覆することにより、軟化温度を大きく上昇させることなく、十分な抗ブロッキング性を実現し、低い定着温度および低いロッキング性を両立し得る表面被覆トナーを本発明の目的とする。
【0012】
更に、低い定着温度および低いロッキング性を両立し得る表面被覆トナーを使用することにより、十分に低い定着温度での定着を実現し、定着に要する熱エネルギーを低減し、定着時間を短縮し、定着工程の省エネルギー化および高速化を実現することを本発明の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、濃縮型尿素系樹脂前駆体をトナーの表面で該トナーを溶融することなく樹脂化して形成された尿素系樹脂で表面被覆されたトナーが提供される。
【0014】
また、尿素および尿素誘導体の少なくとも何れか一方と、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体の少なくとも何れか一方とを含む尿素系樹脂前駆体混合物をトナーの表面で該トナーを溶融することなく樹脂化して形成された尿素系樹脂で表面被覆されたトナーが提供される。
【0015】
ここで「溶融」とは、加熱によりトナーが完全に溶融したり液化する場合を言い、軟化および熱変形などは含まない。加熱によりトナーが部分的に溶融したとしても、それがトナーの軟化および変形などの程度であれば、トナーの表面に被膜を形成できるからである。
【0016】
また、「樹脂化」とは、重合度が十分に高く完全な樹脂化のみならず、重合度が中程度の部分的な樹脂化も含むものであり、トナー同士の融着が阻害される程度の重合度を有する重合体を形成することを意味する。
【0017】
軟化温度の十分低いトナーの表面を尿素系樹脂により被覆することにより、軟化温度を大きく上昇させることなく、十分な抗ブロッキング性を実現し、低い定着温度および低いロッキング性を両立し得る表面被覆トナーを実現できる。
【0018】
具体的には、トナーの表面を尿素系樹脂で被覆することによる定着温度の上昇幅を、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下、更に好ましくは10℃以下に抑えることができる。
【0019】
また、最終的に得られる表面薄膜被覆トナーの定着温度を、好ましくは145℃以下、より好ましくは125℃以下、更に好ましくは100℃以下とできる。
【0020】
この様な、低い定着温度および低いロッキング性を両立し得る表面被覆トナーを使用することにより、十分に低い定着温度での定着を実現でき、定着に要する熱エネルギーを低減でき、定着時間を短縮でき、定着工程の省エネルギー化および高速化を実現できる。
【0021】
より具体的には、加熱ロール等を用いる接触加熱方式、フラッシュ定着法など非接触加熱方式、加熱加圧ロール等を用いる接触加熱加圧方式などの加熱定着方式において、十分に低い定着温度での定着を実現でき、定着に要する熱エネルギーを低減でき、定着時間を短縮でき、定着工程の省エネルギー化および高速化を実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(製造方法)
本発明のトナーとしては、尿素系樹脂を含んでなる薄膜により実質的に連続して表面被覆されているものが好ましい。実質的に連続した被膜は、固体表面上で原料を樹脂化することで形成できる。
【0023】
なお、「実質的に連続して」とは、例えば粉体状の被覆材が融着して被覆されている様な状態ではないことを意味し、トナーの性能が低下する程の欠損は存在していないことを意味し、この様な表面被膜は電子顕微鏡などを用いて確認できる。
【0024】
実質的に連続した被膜は、固体表面上で原料を樹脂化することで形成できる。
【0025】
具体的には、分散剤が溶解している水系媒体に粉体トナーを固体状態で分散する工程と、
この分散物に濃縮型尿素系樹脂前駆体または尿素系樹脂前駆体混合物を混合する工程と、
粉体トナーを溶融することなく、濃縮型尿素系樹脂前駆体または尿素系樹脂前駆体混合物を樹脂化して尿素系樹脂を含む薄膜をトナーの表面に被覆する工程と
を具備する方法により製造できる。
【0026】
以上の製造方法によれば、先ず、分散剤が溶解している水系媒体にトナーを固体状態で分散する。これに、被膜となる尿素系樹脂の原料を添加し、固体状態のトナーの表面で樹脂化する。この結果、個々のトナーを夫々に尿素系樹脂により薄膜被覆できる。尿素系樹脂の膜厚は十分に薄く、また、実質的に連続して表面に被覆される。
【0027】
この場合、薄膜樹脂被膜をカプセル樹脂壁と考えれば、夫々のマイクロカプセルはトナー微粒子を1つ含む単核マイクロカプセルと考えることもできる。そして、トナーの表面には薄膜の尿素系樹脂壁があるため、例え、軟化温度の低いトナーの場合でも、表面に薄膜被覆を形成することによりトナー同士が凝集することを抑制できる。
【0028】
以上の方法は、粉砕トナー及び重合トナーの何れを被覆する場合にも有効である。しなしながら、例えば乳化重合法により製造される重合トナーの場合、乳化重合法で重合トナーを製造後に引続き重合トナーの表面を尿素系樹脂で被覆することにより、重合トナーを被覆工程に先立ち分離精製するなど必要がないため、良好な生産性および性能を実現できる。
【0029】
即ち、結着樹脂の原料である結着樹脂モノマーを含むトナー原料を乳化重合してトナーの分散物を調製する工程と、
このトナー分散物に尿素系樹脂の原料である濃縮型尿素系樹脂前駆体または尿素系樹脂前駆体混合物を混合する工程と、
トナーを溶融することなく、濃縮型尿素系樹脂前駆体または尿素系樹脂前駆体混合物を樹脂化して尿素系樹脂を含む薄膜をトナーの表面に被覆する工程と
を具備する方法により製造できる。
【0030】
また、必要に応じて、被覆工程後に薄膜被覆トナを沈降法により回収し、洗浄し、加熱乾燥する。
【0031】
更に、必要に応じて、加熱乾燥工程後に薄膜被覆トナを解砕する。
【0032】
(被覆樹脂)
十分な抗ブロッキング性および低温定着性を両立するため、表面被膜は濃縮型尿素系樹脂前駆体または尿素系樹脂前駆体混合物を樹脂化することで形成する。
【0033】
濃縮型尿素系樹脂前駆体とは、尿素および尿素誘導体の少なくとも何れか一方と、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体の少なくとも何れか一方とを部分縮合し、樹脂成分を所定濃度に調整したものを言う。
【0034】
なお、得られる尿素系樹脂被覆トナーの性能の観点からは、尿素およびホルムアルデヒドを部分縮合することが好ましい。
【0035】
部分縮合の際の仕込み比としては、尿素および尿素誘導体の少なくとも何れか一方の1モル部に対して、十分な抗ブロッキング性を実現する観点から、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体の少なくとも何れか一方を1.5モル部以上とすることが好ましく、1.7モル部以上がより好ましく、1.8モル部以上が更に好ましい。一方、十分な低温定着性を実現する観点から、2.5モル部以下が好ましく、2.3モル部以下がより好ましく、2.2モル部以下が更に好ましい。
【0036】
また、部分縮合後の樹脂成分の濃度としては、十分な抗ブロッキング性を実現する観点から、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、一方、十分な低温定着性を実現する観点から、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましい。
【0037】
尿素系樹脂前駆体混合物は、尿素および尿素誘導体の少なくとも何れか一方と、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体の少なくとも何れか一方とを含む。
【0038】
また、必要に応じて、尿素、尿素誘導体、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体以外の単量体成分を共縮合させた共縮合型尿素系樹脂が好ましい場合もある。
【0039】
共縮合成分としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノール等の芳香族2価アルコール類などを使用する。
【0040】
中でも、非着色性の共縮合成分が好ましく、この観点から、ハイドロキノン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノール等が好ましい。これらの共縮合成分を使用して作製された尿素系樹脂の表面被膜は、トナーの被覆工程や定着工程において安定であり、着色が少ないため好ましい。
【0041】
また、固体状のトナー上に被膜を形成するため、尿素系樹脂の原料を反応場に水系媒体側からのみ供給する方式で作製される。具体的には、in situ重合法、液中硬化被覆法、コアセルベーション法などにより作製される被膜が好ましく、反応性などの観点から、in situ重合法により作製される被膜が好ましい。in situ重合法においては、原料が微粒子上で反応して樹脂化し、被膜が形成される。
【0042】
トナー表面に形成された薄膜の表面被膜の平均膜厚は、十分な抗ブロッキング性を実現する観点から、0.005μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.02μm以上が更に好ましく、一方、表面被膜の形成による定着温度の上昇を抑制する観点から、0.1μm以下が好ましく、0.08μm以下がより好ましく、0.05μm以下が更に好ましい。
【0043】
なお、トナーの要求性能上など理由から必要に応じては、1μm以下とする場合や、0.5μm以下とする場合もある。
【0044】
(原料トナー)
尿素系樹脂により十分に薄膜の被膜が個々のトナー上に形成されている場合、被覆前のトナーの平均粒子径および粒子径分布と、被覆後のトナーの平均粒子径および粒子径分布と相違は僅かとなる。
【0045】
被覆前のトナーの体積平均粒子径としては、トナーの総合的な性能の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上が更に好ましく、一方、画像の解像度の観点から、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。
【0046】
同様に、被覆後のトナーの体積平均粒子径としても、トナーの総合的な性能の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上が更に好ましく、一方、画像の解像度の観点から、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。
【0047】
結着樹脂はトナーの構成要素を十分結着し、トナーの良好な定着性および帯電性などを実現するものであれば特に制限されないが、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂およびプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ワックス類;これらの樹脂の単量体成分の共重合体などを使用し、必要に応じて複数の樹脂を併用することもできる。
【0048】
中でも、フラッシュ定着法を念頭とする場合は、エステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂などが好ましく、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体、これらの樹脂のアロイ等も使用できる。
【0049】
また、解像度の観点からは、エチレン系樹脂およびプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂が好ましい。
【0050】
例えば、エステル系樹脂の場合、アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等を使用する。
【0051】
また、必要に応じて、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等の2価のアルコール;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールを使用することもでき、以上のアルコール成分を2種以上併用することもできる。
【0052】
また、酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、これらの無水物などを使用し、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロへキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等の2価のカルボン酸を使用し、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸などの3価以上のカルボン酸成分も使用できる。
【0053】
なお、エステル系樹脂の形成反応を促進するために、例えば、酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート等を使用することもできる。
【0054】
一方、スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂の単量体成分の共重合体の具体例としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びスチレン誘導体のホモポリマー;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体などを使用する。
【0055】
更に、架橋構造を有する樹脂を結着樹脂として使用することもできる。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
【0056】
なお、結着樹脂のトナー全体に占める割合は、普通、50〜95質量%とする。
【0057】
また、以上の様な結着樹脂には、軟化温度を低下させるために、高沸点(300℃以上)のオイル類、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、流動パラフィン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を、トナー全体に対して、0.1〜20質量%添加することもできる。
【0058】
表面被膜を被覆する前のトナーの軟化温度は、トナーを尿素系樹脂薄膜で被覆する際にトナーが軟化することを抑制するため、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、一方、定着温度を十分低温とし、また高速の定着を実現する観点から、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましく、80℃以下とする場合もある。
【0059】
表面被膜を被覆する前のトナーの定着温度は、十分な抗ブロッキング性を実現する観点から、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、一方、定着温度を十分低温とし、また高速の定着を実現する観点から、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましく、80℃以下とする場合もある。
【0060】
また、以上と同様の観点から、トナー又は結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、30℃以上が更に好ましく、一方、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、70℃以下が更に好ましい。
【0061】
トナーは乾式トナー及び湿式トナーに大別され、乾式トナーは製造方法により粉砕トナーと重合トナーとに大別される。
【0062】
粉砕トナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、磁性剤などの必要なトナー成分を、ヘンシェルミキサー及びボールミル等の混合機で十分に混合する。
【0063】
次に、得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を相溶させ、トナー成分を均一に分散させる。その後、得られた混練物を冷却固化し、ハンマーミル及びジェットミル等で粉砕し、サイクロン及びミクロンセパレーター等で分級して造粒し、所望のトナーを得る。
【0064】
さらに必要に応じて表面処理剤などを、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合することもできる。
【0065】
一方、重合トナーの製造方法としては、例えば、ディスク及び多流体ノズル等を用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法などの乳化重合法;予め一次極性乳化重合粒子を調製後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いる。
【0066】
中でも、重合性モノマーと他のトナー成分とを含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も好ましい。
【0067】
(色材)
色材としては、トナーの特性を低下させることなく十分に着色できるものであれば特に制限されないが、チャネルカーボン、ファーネスカーボン等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;分散染料、油溶性染料などを用い、必要に応じて複数の色材を併用することもできる。
【0068】
また、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、ホワイトカーボン、シリカ、アルミナホワイト、水酸化アルミニウム、カオリンクレー等の粘土鉱物、タルク、マイカ、ネフェリンサイアナイト等の体質顔料も使用できる。
【0069】
黒色トナーの場合、黒色色材として、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー色材、マゼンタ色材およびシアン色材を混合して黒色に調色された色材などを用いる。
【0070】
カラー画像の場合、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー等を作製する。
【0071】
イエロー色材としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168及び180等を使用し、C.I.ソルベントイエロー93,162,163等の染料を併用しても良い。
【0072】
マゼンタ色材としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などを使用し、具体的には、C.Iピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221及び254等を使用する。
【0073】
シアン色材としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62及び66等を使用する。
【0074】
白色トナーの場合、白色色材として、酸化チタン、チタン白、酸化亜鉛、亜鉛白、硫化亜鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、ジルコニア、酸化ジルコニア等を使用する。
【0075】
なお、色材のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0076】
(電荷制御剤)
電荷制御剤としては、トナーの特性を低下させることなく十分に電荷を制御できるものであれば特に制限されないが、負極性電荷制御剤および正極性電荷制御剤を用いる。
【0077】
負極性電荷制御剤の具体例としては、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸およびそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、及びノンメタルカルボン酸系化合物などが有るが、Cr錯塩染料などの電子受容性染料、電子受容性有機錯体、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、塩素化パラフィン等が好ましい。
【0078】
また、正極性電荷制御剤の具体例としては、ニグロシン、脂肪酸金属塩による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジンアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩および4級アンモニウム塩又はオニウム塩のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、例えば、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類などが有るが、電子供与性のニグロシン染料、第四級アンモニウム塩などが好ましい。
【0079】
なお、電荷制御剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.01〜10質量%とする。
【0080】
(キャリア成分)
現像剤の種類には、一般に2成分系および1成分系が有る。2成分系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などを用いて作製され、キャリアと混合されて2成分系現像剤とされる。
【0081】
一方、1成分系現像剤の場合、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などに加え、キャリア成分がトナーに配合されており、トナーのみで現像剤として使用する。1成分系現像剤用のトナーはキャリア成分を含んでいるため、2成分系現像剤用のトナーと比較して、密度が高い。このため、薄膜被覆トナーを洗浄後、沈降法により薄膜被覆トナーを回収する際、薄膜被覆トナーの高い沈降速度を実現できるため、回収を良好に行うことができ、分散剤などを容易に除去できる。
【0082】
この様な観点から、キャリア成分としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等の金属;これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属;これらの金属の合金、酸化物およびその混合物などを使用し、具体的には、表面酸化の鉄粉、表面未酸化の鉄粉、ニッケル粉、銅粉、亜鉛粉、コバルト粉、マンガン粉、クロム粉、希土類粉などの金属粉;これらの金属の酸化物粉;これらの金属の合金粉;これらの合金の酸化物粉;フェライト粉;マグネタイト粉などを使用し、トナー全体に対して1〜60質量%添加する。
【0083】
トナーは、必要に応じてキャリアと混合される。混合は、Vブレンダーなどを用いて行われる。
【0084】
また、湿式トナーの場合は、ボールミル及びアトライタ等の混合機にトナー成分とキャリア液体とを投入し、十分に分散させて、混合工程および造粒工程を同時に行う。
【0085】
(表面被膜の形成)
トナー表面に薄膜を被覆する工程は、分散剤が溶解している水系媒体にトナーを固体状態で分散した状態で行われるか、重合トナーの場合、乳化重合法などによりトナー粒子を形成後に引続き行われるため、良好な薄膜被覆を実現するためには、分散剤の選択が重要である。分散剤は、トナーを十分に分散し、トナー表面で樹脂化を十分に進行させ、薄膜形成後の洗浄工程において分散剤を十分に除去できる等の観点から選択される。洗浄工程において分散剤を十分に除去できない場合、薄膜被覆トナーの洗浄後に加熱乾燥すると、薄膜被覆トナーが結着することがある。薄膜被覆トナーが結着すると、トナーの平均粒子径および粒子径分布が乱れることとなり、結着した薄膜被覆トナーを強制的に解砕すると被膜が剥離する場合がある。
【0086】
トナーを十分に分散し、トナー表面で樹脂化を十分に進行させる観点からは、カルボキシル基などを有するアニオン性分散剤が好ましい。また、薄膜形成後の洗浄工程において分散剤を十分に除去する観点からは、分散剤の分子量は500,000以下が好ましい。
【0087】
より具体的には、重量平均分子量500,000以下の高分子化合物および分子量10,000以下の低分子化合物が好ましい。また、高分子化合物の場合、重量平均分子量は100,000以下がより好ましく、10,000以下が更に好ましく、低分子化合物の場合、分子量は1,000以下がより好ましい。
【0088】
なお、分散剤の分子量の指標として、分散剤の25質量%水溶液の25℃における溶液粘度は、500mPa・s以上が好ましく、1,000mPa・s以上がより好ましく、2,000mPa・s以上が更に好ましく、一方、100,000mPa・s以下が好ましく、50,000mPa・s以下がより好ましく、30,000mPa・s以下が更に好ましい。
【0089】
また、樹脂化反応による被覆工程において分散剤の混合物に占める濃度は、トナーを十分に分散し、トナー表面で樹脂化を十分に進行させる観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、一方、薄膜形成後の洗浄工程において分散剤を十分に除去する観点から、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、5質量%以下とする場合もある。
【0090】
なお、分子量の高い分散剤を使用する場合は、分散剤の濃度を低下させる。例えば、重量平均分子量が100,000〜1,000,000の分散剤を使用する場合や、25質量%水溶液の25℃における溶液粘度が100,000〜1000,000mPa・sの場合、樹脂化反応による被覆工程において分散剤の混合物に占める濃度を、例えば0.01〜0.1質量%とする。但し、5質量%以下とすることもある。
【0091】
また、分散剤の種類としては、ポリ及びオリゴ(メタ)アクリル酸、スチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、スチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、エチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、エチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、ポリ及びオリゴビニルアルコール、ヘキサエチルセルロース由来のオリゴマー、メチルセルロース由来のオリゴマー、カルボキシメチルセルロース由来のオリゴマー、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルフォン酸塩、ポリオキシエチレン硫酸塩などを使用でき、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0092】
ここで、樹脂化反応が急激に進行することを抑制するために、トナーを分散する温度と樹脂薄膜の原料を混合する温度とは、原料を樹脂化し被覆を形成する樹脂化反応温度より低くすることが好ましく、更に樹脂化反応温度は徐々に昇温することが好ましい。具体的には、分散温度および混合温度は10〜40℃が好ましく、樹脂化反応温度は、昇温後の最高温度が40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、一方、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下が更に好ましい。
【0093】
なお、樹脂化反応の最高温度は、トナーの軟化温度より低温が好ましい。
【0094】
また、樹脂化反応が急激に進行することを抑制するために、樹脂化反応用の混合物は弱酸性が好ましく、具体的にはpHを3〜6程度にする。
【0095】
以上の様にして得られた薄膜被覆トナーは、被覆工程後の洗浄工程において沈降法により容易に回収でき、分散剤を容易に除去できるので、加熱乾燥しても、薄膜被覆トナー同士が結着することは殆どない。このため、加熱乾燥工程後に薄膜被覆トナを容易に解砕でき、所望の平均粒子径および粒子径分布を有する薄膜被覆トナーを製造できる。
【0096】
(定着方法)
以上で得られた薄膜被覆トナーの定着方法は、加熱ロール等を用いる接触加熱方式、フラッシュ定着法など非接触加熱方式、加熱加圧ロール等を用いる接触加熱加圧方式などに好適である。
【0097】
これらの加熱方式の場合、加熱により薄膜被覆トナーの内芯トナーが熱膨張し薄膜被覆が破壊されることで内芯トナーが露出され支持体に定着される。加熱の際の熱エネルギーは薄膜被覆が破壊されるのに必要な量で十分であり、内芯トナーとして軟化温度が十分に低いものを使用すれば低エネルギーで高速な定着を実現できる。また、フラッシュ定着法においては、赤外線の照射により内芯トナーの温度が瞬時に昇温されるため、内芯トナーが瞬時に熱膨張し薄膜被覆が瞬時に破壊され、高速な定着を実現できる。更に、加圧方式の場合、圧力により薄膜被服が破壊されるので、加熱定着法およびフラッシュ定着法などと併用することにより、支持体に対する高速定着を実現できる。
【0098】
以上の定着方式において、軟化温度が低い内芯トナーを使用すれば低エネルギーで高速な定着を実現できるが、内芯トナーは薄膜被覆されているため、軟化温度が低い内芯トナーを使用しても、薄膜被覆トナー同士が凝集することを抑制できる。
【0099】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用した。
【0100】
(平均粒子径)
トナーの平均粒子径は、トナーを電子顕微鏡で観察し、得られた画像中のトナーの直径を計測し平均することで、数平均粒子径および粒子径分布を算出できる。また、体積平均粒子径および粒子径分布は、オリフィスを利用する方法および光散乱法などにより測定できる。オリフィスを利用する方法の場合、例えばCoulter Electronics社(英国)製のコールターマルチサイダーを用いて測定できる。
【0101】
(被覆薄膜の平均膜厚)
トナー上に被覆された薄膜の平均膜厚は、被覆前のトナーの平均粒子径と被覆後のトナーの平均粒子径とから算術的に計算できる。また、薄膜被覆トナーをエポキシ樹脂中などで固定し、切断して、断面を電子顕微鏡で観察することによっても計測できる。更に、薄膜の形成で消費された原料の量とトナーの平均粒子径とからも算術的に計算できる。
【0102】
(軟化温度)
軟化温度(℃)は、一定加圧下での溶融押出法により測定できる。この方法では、所定量の試料を昇温しながら一定加重でノズルより押出し、所定量の試料が流出するか又は流出速度が所定の値に達する温度(流出開始温度)をもって軟化温度を決定する。また、JIS K 7234に従い環球法によっても軟化温度を測定できる。
【0103】
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度(Tg、℃)は、示差走査熱量測定法および動的粘弾性測定法により測定できる。また、Foxらによる以下の経験式に従って、ガラス転移温度(Tg)を計算することもできる;
1/Tg=Σ(1/Tgi
なお、式中、Tgiはi番目の単量体を重合して得られるホモポリマーのガラス転移温度であり、Σはiについて総和を取ることを意味する。
【0104】
(接触加熱方式による定着試験)
スライドガラスに所定量のトナーを乗せ、シャルマンホットプレート社製ホットプレート(商品名:HHP401)上で、所定温度により1分間加熱した。その後、株式会社クレシア社製の産業用ワイパー(登録商標:キムワイプ)により、スライドガラス上の未定着のトナーを拭取り、拭取り後にスライドガラス上に残存したトナーの量を目視により判定して、トナーの定着性を以下の基準で評価した;
◎:殆どのトナーがスライドガラスに残存し、殆どのトナーがスライドガラスに定着した、
○:半分量以上のトナーがスライドガラスに残存し、半分量以上のトナーがスライドガラスに定着した、
△:半分量以上のトナーが拭取られ、半分量以上のトナーが定着しなかった、
×:殆どのトナーが拭取られ、殆どのトナーが定着しなかった。
【0105】
また、以上の接触加熱方式の定着試験において、定着性が◎となるに必要な最低温度を定着温度(℃)として測定した。
【0106】
(非接触加熱方式による定着試験)
市販のPPC用紙に所定量のトナーを乗せ、市販のクセノンフラッシュランプにより、所定のランプ強度(0〜10段階)で光照射した。その後、ニチバン株式会社製の事務用セロテープ(登録商標)を貼付および剥離して、PPC用紙上の未定着のトナーを付着および除去し、除去後にPPC用紙上に残存したトナーの量とセロテープに付着したトナーの量とを目視により判定して、トナーの定着性を以下の基準で評価した;
◎:殆どのトナーがPPC用紙に残存し、殆どのトナーがセロテープに付着せず、殆どのトナーがPPC用紙に定着した、
○:半分量以上のトナーがPPC用紙に残存し、半分量以上のトナーがセロテープに付着せず、半分量以上のトナーがPPC用紙に定着した、
△:半分量以上のトナーがPPC用紙に残存せず、半分量以上のトナーがセロテープに付着し、半分量以上のトナーがPPC用紙に定着しなかった、
×:殆どのトナーがPPC用紙に残存せず、殆どのトナーがセロテープに付着し、殆どのトナーがPPC用紙に定着しなかった。
【0107】
(ブロッキング試験)
得られたトナーを1〜1.5cm厚の層として振動を加え、タッピング充填した。これを55℃で24時間加温した後に、aperture(目開き)180μm及び63μmの篩の振動通過性により、トナーのブロッキング性を評価した。具体的には、180μmを通過せず180μm上に残存した最も粗いトナーの質量%(WC)と、180μmを通過し63μmを通過せず63μm上に残存したトナーの質量%(WM)と、63μmを通過し何れの篩上にも残存しなかった最も微粉のトナーの質量%(WF)とを計測した。
【0108】
(画像形成性)
0.1質量%ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液(和光順薬製)40質量部と、オリエント化学社製トナー用荷電制御剤(商品名:BONTRON N−01、BONTRON P−51、BONTRON S−34、BONTRON E−84)とを10質量部と計量し、ガラスビーズ(直径2mm)100質量部を加え、フタ付きの容器に投入する。これを、RED DEVIL EQUIP MENT社製RED DEVIL 5400(商品名)で2時間粉砕し、次に150メッシュの振るいでガラスビーズを除去して帯電制御剤分散物を調製する。
【0109】
得られた帯電制御剤分散物を、薄膜被覆後のトナーの洗浄工程の最後で、混合物の全体に対して0.5質量%となる様に加える。その後、洗浄操作を4〜5回繰り返し、トナーを洗浄し、ステンレス製バットに移した後、40℃に設定したヤマト科学製の送風乾燥機(商品名:FineOvenDH−42)中で10時間乾燥する。
【0110】
得られた現像剤を市販の複写機のトナーカートリッジに充填し、ベタ画像を形成して、Macbeth社製の測定器(商品名:TR927、Rフィルター)を用いて定着性を以下の基準で評価する;
○:高品位の画像が得られた、
△:実用に耐え得る画像が得られた、
×:実用上の不具合が懸念される画像が得られた。
【0111】
(実施例1)尿素系樹脂薄膜被覆トナー1
市販の加熱定着方式用トナーに、以下の様にして尿素系樹脂製の薄膜を被覆した。使用した加熱定着方式用トナーの体積平均粒子径は8μm、軟化温度は80℃、結着樹脂はエステル系(ガラス転移温度:45℃)であり、色材はカーボンブラックであった。
【0112】
先ず、尿素1モル部とホルムアルデヒド2モル部とをアンモニア存在下75℃で縮合し、粘稠なシロップ状物を得た。これを真空蒸発させ樹脂成分を60質量%に調整し、濃縮型尿素系樹脂前駆体を得た。
【0113】
次に、25質量%水溶液の25℃における溶液粘度が8,000mPa・sのポリアクリル酸を水に溶解し、pHが4.5で濃度が5質量%の水系媒体を調製した。この水系媒体300質量部に加熱定着方式用トナー100質量部を室温で分散し、これに上記の濃縮型尿素系樹脂前駆体1.5質量部(乾燥)を室温で混合した。得られた室温の混合物を20分で70℃に昇温し2時間で樹脂化反応を行い、加熱定着方式用トナーの表面を尿素系樹脂で被覆した。
【0114】
樹脂化反応を終了後、混合物を室温まで冷却し、4,000rpmで10分の遠心により薄膜被覆トナーを沈殿させ、上澄みを除去して薄膜被覆トナーを回収した。沈降性は良好であった。
【0115】
回収された薄膜被覆トナーを再び水に懸濁し遠心沈降して上澄みを除去する操作を4回繰返し、薄膜被覆トナーを洗浄して、ポリアクリル酸を除去した。洗浄性は良好であった。
【0116】
その後、薄膜被覆トナーを40℃で加熱乾燥したが結着などが発生することはなく、簡単な解砕操作により、尿素系樹脂薄膜被覆トナー1を得た。
【0117】
得られた尿素系樹脂薄膜被覆トナー1の体積平均粒子径を測定すると8.05μmであり、平均膜厚0.03μmの薄い薄膜が形成されたと考えられる。
【0118】
(実施例2及び3)尿素系樹脂薄膜被覆トナー2及び3
平均膜厚が0.1μm及び0.6μmとなる様に作製した以外は尿素系樹脂薄膜被覆1の場合と同様にして、尿素系樹脂薄膜被覆トナー2及び3を作製した。
【0119】
以上で得られた尿素系樹脂薄膜被覆トナー1〜3と、ヘキサメチロールメラミン初期重合物を加熱定着方式用トナーの表面で樹脂化して作製したメラミン系樹脂薄膜被覆トナー1〜3と、表面被膜が形成されていない加熱定着方式用トナーとについて接触加熱方式により定着試験を行い、定着温度を決定した。結果を表1に示す。
【0120】
【表1】
Figure 0004204360
【0121】
表1より明らかな様に、尿素系樹脂薄膜被覆トナー1〜3の定着温度は、表面被膜が形成されていないフラッシュ定着用トナーの定着温度と同じであるか同程度であり、メラミン系樹脂薄膜被覆トナー1〜3と比較して低温で定着できることが分った。
【0122】
また、尿素系樹脂薄膜被覆トナー1〜3と、ヘキサメチロールメラミン初期重合物を加熱定着方式用トナーの表面で樹脂化して作製したメラミン系樹脂薄膜被覆トナー1〜3と、表面被膜が形成されていない加熱定着方式用トナーとについて非接触加熱方式により定着試験を行った。結果を表2に示す。
【0123】
【表2】
Figure 0004204360
【0124】
表2より明らかな様に、尿素系樹脂薄膜被覆トナー1〜3の定着温度は、表面被膜が形成されていないフラッシュ定着用トナーの定着温度と同じであるか同程度であり、メラミン系樹脂薄膜被覆トナー1〜3と比較して低温で定着できることが分った。
【0125】
また、尿素系樹脂薄膜被覆トナー1〜3と、ヘキサメチロールメラミン初期重合物を加熱定着方式用トナーの表面で樹脂化して作製したメラミン系樹脂薄膜被覆トナー1〜3と、表面被膜が形成されていない加熱定着方式用トナーとについてブロッキング試験を行った。結果を表3に示す。
【0126】
【表3】
Figure 0004204360
【0127】
表3より明らかな様に、尿素系樹脂薄膜被覆トナー1〜3のブロッキング性は十分に低いことが分った。
【0128】
また、尿素系樹脂薄膜被覆トナー1〜3について画像形成性を試験したが、十分に低い定着温度で定着でき、定着に要する熱エネルギーをでき、定着時間を短縮でき、定着工程の省エネルギー化および高速化を実現でき、得られた画像の評価結果は全て○であった。
【0129】
(実施例4)尿素系樹脂薄膜被覆トナー4
市販の加熱定着方式用トナーに、以下の様にして尿素系樹脂製の薄膜を被覆した。使用した加熱定着方式用トナーの体積平均粒子径は8μm、軟化温度は80℃、結着樹脂はエステル系(ガラス転移温度:45℃)であり、色材はカーボンブラックであった。
【0130】
先ず、25質量%水溶液の25℃における溶液粘度が8,000mPa・sのポリアクリル酸を水に溶解して、10質量%の水系媒体を調製した。この水系媒体300質量部と尿素5質量部とを混合して、水酸化ナトリウム水溶液によりpHを3.2とした。これに加熱定着方式用トナー100質量部を室温で分散し、更に、ホルマリン12.5質量部を室温で混合した。得られた室温の混合物を20分で60℃に昇温し2時間で樹脂化反応を行い、加熱定着方式用トナーの表面を尿素系樹脂で被覆した。
【0131】
樹脂化反応を終了後、混合物を室温まで冷却し、4,000rpmで10分の遠心により薄膜被覆トナーを沈殿させ、上澄みを除去して薄膜被覆トナーを回収した。沈降性は良好であった。
【0132】
回収された薄膜被覆トナーを再び水に懸濁し遠心沈降して上澄みを除去する操作を4回繰返し、薄膜被覆トナーを洗浄して、ポリアクリル酸を除去した。洗浄性は良好であった。
【0133】
その後、薄膜被覆トナーを40℃で加熱乾燥したが結着などが発生することはなく、簡単な解砕操作により、尿素系樹脂薄膜被覆トナー4を得た。
【0134】
得られた尿素系樹脂薄膜被覆トナー4の体積平均粒子径を測定すると8.05μmであり、平均膜厚0.03μmの薄い薄膜が形成されたと考えられる。
【0135】
以上で得られた尿素系樹脂薄膜被覆トナー4とについて接触加熱方式により定着試験を行い、定着温度を決定した。定着温度は110℃であり、十分低温で定着できることが分った。また、非接触加熱方式により定着試験を行った結果、十分低温で定着できることが分った。更に、ブロッキング試験を行った結果、ブロッキングが十分抑制されていることが分った。
【0136】
加えて、画像形成性を試験したが、十分に低い定着温度で定着でき、定着に要する熱エネルギーをでき、定着時間を短縮でき、定着工程の省エネルギー化および高速化を実現でき、得られた画像の評価結果は○であった。
【0137】
(実施例5)尿素系樹脂薄膜被覆トナー5
市販の加熱定着方式用トナーに、以下の様にして尿素系樹脂製の薄膜を被覆した。使用した加熱定着方式用トナーの体積平均粒子径は8μm、軟化温度は80℃、結着樹脂はエステル系(ガラス転移温度:45℃)であり、色材はカーボンブラックであった。
【0138】
先ず、25質量%水溶液の25℃における溶液粘度が8,000mPa・sのポリアクリル酸を水に溶解して、10質量%の水系媒体を調製した。この水系媒体300質量部と尿素5質量部とハイドロキノン0.5質量部とを混合して、水酸化ナトリウム水溶液によりpHを3.2とした。これに加熱定着方式用トナー100質量部を室温で分散し、更に、ホルマリン12.5質量部を室温で混合した。得られた室温の混合物を20分で60℃に昇温し2時間で樹脂化反応を行い、加熱定着方式用トナーの表面を尿素系樹脂で被覆した。
【0139】
樹脂化反応を終了後、混合物を室温まで冷却し、4,000rpmで10分の遠心により薄膜被覆トナーを沈殿させ、上澄みを除去して薄膜被覆トナーを回収した。沈降性は良好であった。
【0140】
回収された薄膜被覆トナーを再び水に懸濁し遠心沈降して上澄みを除去する操作を4回繰返し、薄膜被覆トナーを洗浄して、ポリアクリル酸を除去した。洗浄性は良好であった。
【0141】
その後、薄膜被覆トナーを40℃で加熱乾燥したが結着などが発生することはなく、簡単な解砕操作により、尿素系樹脂薄膜被覆トナー5を得た。
【0142】
得られた尿素系樹脂薄膜被覆トナー5の体積平均粒子径を測定すると8.05μmであり、平均膜厚0.03μmの薄い薄膜が形成されたと考えられる。また、着色などの不具合は確認されなかった。
【0143】
以上で得られた尿素系樹脂薄膜被覆トナー5とについて接触加熱方式により定着試験を行い、定着温度を決定した。定着温度は110℃であり、十分低温で定着できることが分った。また、非接触加熱方式により定着試験を行った結果、十分低温で定着できることが分った。更に、ブロッキング試験を行った結果、ブロッキングが十分抑制されていることが分った。
【0144】
加えて、画像形成性を試験したが、十分に低い定着温度で定着でき、定着に要する熱エネルギーをでき、定着時間を短縮でき、定着工程の省エネルギー化および高速化を実現でき、得られた画像の評価結果は○であった。
【0145】
(実施例6)尿素系樹脂薄膜被覆トナー6
スチレン単量体100質量部およびn−ブチルアクリレート単量体20質量部にキナクリドン系顔料およびジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物を混合し5時間分散させた後、60℃に加温して2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.3質量部を添加し、更にアクリル系モノマーでシード重合して、体積平均粒子径8μmの重合トナーを製造した。
【0146】
これを室温まで冷却し、重合トナーを単離することなく、尿素系樹脂薄膜被覆トナー1の場合と同様にして、生産性良好に尿素系樹脂薄膜被覆トナー6を得た。
【0147】
得られた尿素系樹脂薄膜被覆トナー6の体積平均粒子径を測定すると8.05μmであり、平均膜厚0.03μmの薄い薄膜が形成されたと考えられる。
【0148】
以上で得られた尿素系樹脂薄膜被覆トナー6とについて接触加熱方式により定着試験を行い、定着温度を決定した。定着温度は110℃であり、十分低温で定着できることが分った。また、非接触加熱方式により定着試験を行った結果、十分低温で定着できることが分った。更に、ブロッキング試験を行った結果、ブロッキングが十分抑制されていることが分った。
【0149】
加えて、画像形成性を試験したが、十分に低い定着温度で定着でき、定着に要する熱エネルギーをでき、定着時間を短縮でき、定着工程の省エネルギー化および高速化を実現でき、得られた画像の評価結果は○であった。
【0150】
【発明の効果】
濃縮型尿素系樹脂前駆体をトナーの表面でトナーを溶融することなく樹脂化して形成された尿素系樹脂表面被覆トナーを使用することで、抗ブロッキング性および低温定着を両立する。
【0151】
また、尿素および尿素誘導体の少なくとも何れか一方と、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体の少なくとも何れか一方とを含む尿素系樹脂前駆体混合物をトナーの表面で該トナーを溶融することなく樹脂化して形成された尿素系樹脂表面被覆トナーを使用することで、抗ブロッキング性および低温定着を両立する。

Claims (6)

  1. 濃縮型尿素系樹脂前駆体をトナーの表面で該トナーを溶融することなく樹脂化して形成された尿素系樹脂で表面被覆されたトナー。
  2. 尿素および尿素誘導体の少なくとも何れか一方と、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体の少なくとも何れか一方とを含む尿素系樹脂前駆体混合物をトナーの表面で該トナーを溶融することなく樹脂化して形成された尿素系樹脂で表面被覆されたトナー。
  3. 前記尿素系樹脂は共縮合型尿素系樹脂である請求項1又は2記載の尿素系樹脂表面被覆トナー。
  4. 前記共縮合型尿素系樹脂の共縮合成分は非着色性である請求項3記載の尿素系樹脂表面被覆トナー。
  5. 前記表面被膜の平均膜厚は0.005〜1μmである請求項1乃至4何れか記載の尿素系樹脂表面被覆トナー。
  6. 定着温度が145℃以下である請求項1乃至5何れか記載の尿素系樹脂表面被覆トナー。
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