JP2009099523A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を負極活物質として用いたリチウム二次電池において、充放電サイクル特性を向上させる。
【解決手段】層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極活物質及び正極バインダーを含む正極活物質層を正極集電体上に配置した正極と、ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を含む負極活物質及び負極バインダーを含む負極活物質層を負極集電体上に配置した負極と、正極及び負極の間に配置されるセパレータと、非水電解質とを備え、正極と負極とをセパレータを介して対向させ巻回させてなる電極体を電池容器内に収納させたリチウム二次電池において、リチウム遷移金属複合酸化物が、固着前に比べ、固着後のBET比表面積が1.5倍〜8倍となるように、その表面上にAl粒子を固着させたリチウム遷移金属複合酸化物であることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池に関するものである。
近年、高出力、高エネルギー密度の新型二次電池の1つとして、非水電解液を用い、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うようにしたリチウム二次電池が利用されている。
リチウム二次電池は、高エネルギー密度であることから、携帯電話やノート型パソコンなどの情報技術関連のエレクトロニクス携帯機器の電源として実用化され、広く普及している。今後、これらの携帯機器の更なる小型化、高機能化により、電源であるリチウム二次電池への負荷が大きくなっていくことが予想されるので、リチウム二次電池の高エネルギー密度化への要求は非常に高いものとなっている。
電池の高エネルギー密度化には、活物質に大きなエネルギー密度を有する材料を用いることが有効な手段である。そこで、最近、リチウム二次電池においては、高いエネルギー密度を有する負極活物質として、実用化されている黒鉛に代わり、リチウムとの合金化反応によってリチウムを吸蔵するAl、Sn、Siなどの元素の合金材料が提案され、多く検討されている。
しかしながら、リチウムと合金化する材料を活物質として用いた電極においては、リチウムの吸蔵、放出の際に活物質の体積が膨張、収縮するため、活物質の微粉化や、集電体からの剥離を生じるために、電極内の集電性が低下し、充放電サイクル特性が劣悪になるという問題がある。
そこで、電極内に高い集電性を達成するため、ケイ素を含む材料から成る活物質とバインダーとを含む合剤層を非酸化性雰囲気下で焼結して配置することによって得た負極が、良好な充放電サイクル特性を示すことが見出されている(特許文献1)。
上記先行技術においては、負極内の密着性、すなわち集電性を改善させることにより充放電サイクル特性を向上させているが、正極及び負極の間での電解液の量の分布も、電池特性に大きく影響する。このような観点からも、ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を負極活物質として用いたリチウム二次電池の充放電サイクル特性の向上が求められている。
特許文献2〜4においては、コバルト酸リチウムの表面にAl粒子を被覆することが開示されているが、ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を負極活物質として用いたリチウム二次電池での検討はなされていない。
特開2002−260637号公報 特開2001−143703号公報 特開2002−151077号公報 特開2005−276454号公報
本発明の目的は、ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を負極活物質として用いたリチウム二次電池において、充放電サイクル特性を向上させることができるリチウム二次電池を提供することにある。
本発明は、層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極活物質及び正極バインダーを含む正極活物質層を正極集電体上に配置した正極と、ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を含む負極活物質及び負極バインダーを含む負極活物質層を負極集電体上に配置した負極と、正極及び負極の間に配置されるセパレータと、非水電解質とを備え、正極と負極とをセパレータを介して対向させ巻回させてなる電極体を電池容器内に収納させたリチウム二次電池において、リチウム遷移金属複合酸化物が、固着前に比べ、固着後のBET比表面積が1.5倍〜8倍となるように、その表面上にAl粒子を固着させたリチウム遷移金属複合酸化物であることを特徴としている。
ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を負極活物質として用いた場合、充放電サイクル特性の進行に伴い、粒子の体積変化が生じ、これにより、割れが粒子内で進行していく。特に、活物質粒子表面での割れが激しいため、活物質粒子の表面積が大きく増加する。このような表面積の増加に伴い、負極活物質粒子の表面に存在可能な電解液の量が増加し、負極の電解液の吸液性が増加する。しかしながら、電池内の電解液の量は限られたものであるため、負極の吸液性が増加すると、正極からの電解液の放出が促進され、サイクル初期の電池状態とは異なった電解液量の分布となる。
正極内の電解液の量の減少は、正極内での不均一反応や分極が増加するため、正極活物質表面上での電解液の酸化分解や、正極活物質の構造破壊を引き起し、電池特性を大きく低下させる。
本発明においては、リチウム遷移金属複合酸化物の表面上にAl粒子を固着させることにより、固着前に比べ、固着後のBET比表面積が1.5倍〜8倍となるようにしている。このため、正極活物質の表面積が増加し、正極における吸液性、すなわち保液性を向上させることができる。このため、充放電サイクル特性の進行に伴い、負極の吸液性が増加しても、正極における吸液性すなわち保液性が高いため、正極における電解液の枯渇を生じにくくすることができる。従って、充放電サイクル特性を向上させることができる。
また、リチウム遷移金属複合酸化物の表面にAl粒子が存在しているため、電解液と直接接触する正極活物質の部分を減少させることができ、正極における電解液の酸化分解反応を生じにくくすることができる。このような観点からも、充放電サイクル特性を高めることができる。
本発明において、固着後のBET比表面積は、固着前に比べ2.5倍〜7.5倍の範囲であることがさらに好ましい。
固着後のBET比表面積が、固着前に比べ1.5倍未満であると、正極の吸液性すなわち保液性の向上が十分に得られない場合がある。また、固着後のBET比表面積が、固着前に比べ8倍を越えると、リチウム遷移金属複合酸化物に固着するAl粒子の固着量が多くなりすぎ、正極活物質粒子間の電子伝導性が低下し、充放電特性が低下する場合がある。
固着後のBET比表面積は、好ましくは0.4〜2.5m/gの範囲であり、さらに好ましくは1.0〜2.0m/gの範囲である。また、固着前のBET比表面積、すなわちベースとなるリチウム遷移金属複合酸化物のBET比表面積は、0.15〜1.0m/gの範囲であることが好ましい。
本発明において、正極活物質層は、その空隙率が15%〜28%の範囲であることが好ましい。このような範囲内とすることにより、高エネルギー密度で、かつ優れた充放電サイクル特性を得ることができる。正極活物質層の空隙率が28%を越えると、正極の保液性は向上するが、正極のエネルギー密度が低下するため、電池の高エネルギー密度化が得られなくなる場合がある。さらに、正極活物質の粒子間の接触が少なくなるため、集電性が低下し、充放電特性が低下する場合がある。
また、正極活物質層の空隙率が15%未満であると、高エネルギー密度にすることができるが、正極活物質層内での保持可能な電解液量が減少し、正極と負極の間の電解液量の分布に変化が生じやすくなり、良好な充放電サイクル特性が得られない場合がある。
また、本発明においては、Al粒子とともにLiPO粒子が固着されることにより、上記のBET比表面積の範囲とされていることが好ましい。LiPO粒子が、正極活物質表面に存在することにより、正極活物質の劣化を抑制することができる。LiPOは、リチウム遷移金属複合酸化物の構造破壊を抑制する効果がある。リチウム二次電池においては、非水電解液の電解質として、LiPFが一般に使用されるが、LiPFは電池内に存在する微量の水分と反応し、HFを生じる。このHFは、リチウム遷移金属複合酸化物の構造破壊を引き起こすことが知られている。しかしながら、正極活物質表面にLiPOが存在することにより、HFがLiPOと優先的に反応し、HFを捕捉することができるため、HFによるリチウム遷移金属複合酸化物の構造破壊を抑制することができる。
また、LiPOとAlが同時に存在する場合、高いリチウムイオン導電性が得られる。このため、正極活物質表面に、LiPOとAlが同時に存在することにより、電解液と正極活物質表面が直接接触する面積が減少しても、正極活物質へのリチウムイオン導電性が保持されるため、優れた充放電特性を得ることができる。
本発明のリチウム二次電池は、正極と負極とをセパレータを介して対向させ巻回させてなる電極体を電池容器内に収納させたものであり、特に限定されるものではないが、電極体が円筒形状の渦巻状電極体であり、電池容器が円筒型であることが好ましい。すなわち、本発明のリチウム二次電池は、円筒型電池であることが好ましい。
円筒型電池においては、正極、負極、及びセパレータを有する機械的強度によって、巻き取り体である電極体自体の変形が生じにくくなっている。このため、本発明のように、リチウムを吸蔵したときに体積が膨張するケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を負極活物質に用いた場合には、活物質の体積膨張による応力は、全て電極体内部の正極、負極、及びセパレータにかかる。従って、活物質が膨張する充電時においては、正極活物質層が押し潰され、非水電解質が正極活物質層から絞り出されやすくなり、正極の保液性が低下しやすくなっている。本発明においては、上述のように、Alを正極活物質表面に固着することにより、正極の保液性を向上させているので、円筒型電池において、本発明の効果がより発揮されやすくなっている。
本発明において、リチウム遷移金属複合酸化物の表面に固着しているAl粒子の量は、リチウム遷移金属複合酸化物の0.1〜1.5重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、0.3〜1重量%の範囲である。従って、リチウム遷移金属複合酸化物100重量部に対し、Alが0.1〜1.5重量部の範囲で固着されていることが好ましく、0.3〜1重量部の範囲で固着されていることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、正極の保液性を高めることができ、よりエネルギー密度が高く、かつより優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
また、本発明において、リチウム遷移金属複合酸化物の表面に固着させるLiPO粒子の量は、リチウム遷移金属複合酸化物の0.4〜1.2重量%の範囲であることが好ましい。すなわち、リチウム遷移金属複合酸化物100重量部に対し、0.4〜1.2重量部の範囲であることが好ましい。LiPO粒子の量が0.4重量%未満であると、LiPO粒子の量が少なくなりすぎるため、正極活物質の劣化を抑制する効果が十分に得られない場合がある。また、1.2重量%を越えると、LiPO粒子の量が多すぎるため、正極活物質粒子間の電子伝導性が低下し、充放電特性が低下する場合がある。
本発明において、リチウム遷移金属複合酸化物の表面に、Al粒子を固着させる方法は、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム塩を含有した水溶液に、アルカリ性溶液を滴下し、Al(OH)粒子を析出させ、その中にリチウム遷移金属複合酸化物を添加して、表面にAl(OH)粒子を付着させた後、焼成する方法が挙げられる。焼成温度としては、一般に400〜600℃が挙げられる。
具体的には、例えばアルミニウム塩水溶液として硝酸アルミニウムを用い、アルカリ水溶液としてアンモニア水溶液を用いる方法が挙げられる。このような方法によれば、Al(NO水溶液に、NH水溶液を滴下し、Al(OH)粒子を析出させる。次に、これに水を加えて、Al(OH)粒子の分散液を作製し、これにリチウム遷移金属複合酸化物を添加し、リチウム遷移金属複合酸化物の表面にAl(OH)粒子を付着させる。次に、これを400℃以上の温度に焼成することにより、Al(OH)粒子をAl粒子に変化させ、リチウム遷移金属複合酸化物表面にAl粒子を固着させる。
Al(NO水溶液に、リチウム遷移金属複合酸化物を添加しておき、その後NH水溶液を滴下する方法も可能である。しかしながら、このような場合、酸性であるAl(NO水溶液により、リチウム遷移金属複合酸化物の劣化が生じ、充放電特性が低下するおそれがある。
リチウム遷移金属複合酸化物の表面に固着させるAlは、特に限定されるものではないが、例えば、γ−Alであることが好ましい。
リチウム遷移金属複合酸化物の表面に、Al粒子とともにLiPO粒子を固着させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
先ず、(NHHPO水溶液に、pHが7以上になるようにNH水溶液を加えて調整し、これにリチウム遷移金属酸化物を加え、更にAl(NO水溶液を徐々に滴下し、リチウム遷移金属酸化物表面にAlPO粒子を固着させる。次に、LiOH水溶液を加えることにより、AlPO粒子をAl(OH)−LiPO粒子に変化させる。最後に、400℃以上で焼成することにより、Al(OH)−LiPO粒子を、Al−LiPO粒子と変化させ、リチウム遷移金属酸化物表面にAl−LiPO粒子を固着したものと得ることができる。この方法においては、(NHHPO水溶液に、pHが7以上になるようにNH水溶液を加えて調整しておくことが重要である。処理中の水溶液がアルカリ性に保たれていることにより、処理中に水溶液が酸性になる場合に生じるリチウム遷移金属複合酸化物の劣化が起こらず、更には、リチウム遷移金属複合酸化物表面に固着するAl−LiPO粒子径が小さくなり、均一性の高い表面固着を行うことが可能となる。
正極における保液性は、上記の正極活物質表面へのAl粒子の固着による表面積の増加に加え、非水電解質の粘度を低下させることによっても向上させることができる。これは、非水電解質の粘度が低くなると、正極内での浸透性が高まるためである。また、充放電サイクルの経過に伴って、ケイ素またはケイ素合金粒子が劣化し始め、正極と負極の間の吸液性のバランスに僅かな変化が生じ始めた際においても、正極の保液性を高めることにより、正極と負極の間の非水電解質の分布の変化が生じにくくなり、ケイ素またはケイ素合金粒子が劣化するのを抑制することができる。
本発明においては、正極活物質及び負極活物質の表面でのリチウムの吸蔵及び放出を円滑に生じさせるため、非水電解質の溶媒として、カーボネート系溶媒を用いることが好ましい。カーボネート系溶媒の中でも、特に粘度の低いものとして、ジメチルカーボネートが挙げられる。従って、ジメチルカーボネートを用いることにより、非水電解質の粘度を低下させ、正極の保液性を高めることができる。しかしながら、ジメチルカーボネートは、電極の電位が高くなると、酸化分解しやすいという問題がある。
本発明においては、負極活物質として、ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を用いている。このような負極は、黒鉛の負極に比べ、充放電時の電位が高くなり、特に充放電サイクルによる負極活物質の劣化の抑制を目的として、正極に対する負極の理論電気容量比を1以上にし、負極におけるリチウムの吸蔵・放出の深度を浅くした充放電条件下においては、さらに充放電の電位が高くなる。このため、同じ電池電圧の範囲で充放電を行っても、負極電位が高くなると、正極電位も高くなるので黒鉛負極電池の場合に比べて、本発明においては正極の電位が高くなる。従って、ジメチルカーボネートを非水電解質中に含有させた場合、正極活物質表面での酸化分解が非常に生じやすくなる。
しかしながら、本発明に従い、負極活物質の表面にAl粒子を固着させることにより、正極活物質と直接接するジメチルカーボネートの割合を少なくすることができ、ジメチルカーボネートの酸化分解を抑制することが可能になる。従って、本発明によれば、ジメチルカーボネートの酸化分解を抑制することができるので、ジメチルカーボネートを非水電解質の溶媒として用いることができ、非水電解質の粘度を低減することができる。このため、非水電解質の正極での保持を高めることができ、優れた充放電特性を得ることができる。
また、ジメチルカーボネートは、ケイ素負極活物質の表面において、還元分解されやすい。この還元分解による生成物は、正極へ移動し、正極表面上でさらに分解されて堆積し、電極と非水電解質との界面における充放電の反応抵抗を増加させ、充放電特性を低下させる。しかしながら、本発明に従い、正極活物質の表面にAl粒子を固着させることにより、正極活物質と直接接する非水電解質の割合の少なくすることができるので、還元分解生成物が、正極表面上でさらに分解するのを抑制することができる。このような観点からも、本発明によれば、ジメチルカーボネートを用いることによる問題を解消することができ、ジメチルカーボネートを用いることによる非水電解質の粘度低下により、充放電特性を高めることができる。
本発明において、溶媒中におけるジメチルカーボネートの含有割合は、10〜90体積%であることが好ましい。ジメチルカーボネートの含有割合が10体積%未満であると、非水電解質の粘度を低下させる効果が十分に得られず、ジメチルカーボネート含有による充放電特性の向上の効果が十分に得られない場合がある。また、ジメチルカーボネートの含有割合が90体積%を超えると、ケイ素負極活物質表面における還元分解が過剰に生じ、電解液組成変化によりリチウムイオン伝導性が低下し、充放電特性が低下する場合がある。
以下、本発明における負極、正極、非水電解質、及びバインダーについて詳細に説明する。
(負極活物質)
本発明の負極活物質は、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子であるが、ケイ素合金としては、ケイ素と他の1種以上の元素との固溶体、ケイ素と他の1種以上の元素との金属間化合物、ケイ素と他の1種以上の元素との共晶合金などが挙げられる。
また、本発明の負極活物質粒子としては、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子の表面を金属等で被覆したものを用いてもよい。被覆方法としては、無電解めっき法、電解めっき法、化学還元法、蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法などが挙げられる。
また、本発明の負極活物質粒子としては、ケイ素単体の粒子も好ましく用いることができる。
本発明のリチウム二次電池における負極活物質粒子の平均粒径は、7μm以上17μm以下であることが好ましい。負極活物質粒子の平均粒径が7μm未満である場合、充放電前の状態における元々のケイ素活物質の表面積が大きいため、充放電サイクルに伴ってケイ素の割れが進行した場合の表面積の増加量も大きなものとなる。このため、負極の吸液性の増加も大きくなりやすいため、正極と負極間の電解液量分布変化も起こりやすく、充放電サイクル特性が低下する。負極活物質粒子の平均粒径が17μmを超える場合、負極活物質粒子1つ当りのリチウム吸蔵時の体積膨張の絶対量が大きくなるため、この体積変化による応力も大きくなる。このため、電極巻取体内での正極活物質層の押し潰しも大きくなるので、正極からの電解液の放出も大きくなり、正極と負極間の電解液量分布変化も起こりやすく、充放電サイクル特性が低下する。
また、上記以外にも以下のことが挙げられる。負極活物質粒子の平均粒径が7μm未満である場合、充放電前の状態における元々のケイ素活物質の表面積が大きいため、充放電サイクルに伴ってケイ素の割れが進行した場合の表面積の増加量も大きなものとなる。割れが発生した部分は、活性な新生面であるため、電解液の分解反応とこれに伴ったケイ素活物質の変質が生じやすいが、表面積が大きいほど、この度合も大きくなるため、電池特性が大きく低下する。負極活物質粒子の平均粒径が17μmを超える場合、負極活物質粒子1つ当りのリチウム吸蔵時の体積膨張の絶対量が大きくなるが、負極活物質層内の密着を担っている負極バインダーへの変形も大きくなるため、負極バインダーの破壊が生じやすくなって集電性が低下し、充放電特性が低下する。
また、本発明のリチウム二次電池における負極活物質粒子の粒度分布は、できる限り狭いことが好ましい。幅広い粒度分布である場合、粒径が大きく異なる活物質粒子間において、リチウムの収蔵、放出に伴う体積の膨張、収縮の絶対量に大きな差が存在することになるため、合剤層内で歪みが生じ、バインダーの破壊が生じる。従って、電極内の集電性が低下し、充放電特性が低下する。
本発明の負極活物質であるケイ素及び/又はケイ素合金の粒子は、結晶子サイズが100nm以下であることが好ましい。本発明の結晶子サイズが100nm以下のケイ素粒子等では、粒子径に対する結晶子サイズの小ささから、粒子内に多くの結晶子が存在している。それら結晶子の方位は無秩序であるため、単結晶に比べ、非常に割れが生じにくい構造となっている。
また、結晶子サイズが100nm以下と小さいことより、活物質粒子径に対する結晶子サイズの小ささから、粒子内に多くの粒界が存在しているので、充放電時、Liの粒界拡散によって、活物質粒子内部へのリチウムの移動が生じやすくなっており、粒子内の反応均一性が非常に高くなる。これより、粒子内での反応均一性が低い場合のように、粒子内での体積変化量の違いの増大による大きな歪みの発生により、粒子の割れが促進されるようなことがないので、粒子の割れが抑制される。
このように、活物質粒子内の割れの発生が抑制された場合、非水電解液との反応性が高い新生面が充放電反応中に増加することもないため、非水電解液との副反応による新生面からの活物質粒子の変質に伴う膨化も抑制される。従って、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
結晶子サイズが100nm以下であるケイ素及び/又はケイ素合金の粒子は、熱分解法または熱還元法で作製することができる。熱分解法とは、三塩化シラン(SiHCl)、モノシラン(SiH)、ジシラン(Si)等のシラン化合物を含む材料を熱分解することによって生成されるケイ素を析出させる方法である。熱還元法とは、三塩化シラン(SiHCl)、モノシラン(SiH)、ジシラン(Si)等のシラン化合物を含む材料を還元雰囲気下で熱分解することによって生成されるケイ素を析出させる方法である。
結晶子サイズのより小さなケイ素粒子を熱分解法または熱還元法で作製するには、シラン化合物を熱分解する温度が可能な限り低いことが好ましい。温度が低いほど、結晶子サイズが小さな粒子が生成される可能性が高くなる。熱分解法、熱還元法の原料として、三塩化シラン(SiHCl)を用いた際には、ケイ素を適切に析出できる熱分解に必要な最低温度は900〜1000℃程度となるが、モノシラン(SiH)を用いた際には、600〜800℃程度であり、より低い温度でのケイ素の析出が可能となる。従って、本発明に適した結晶子サイズの小さいケイ素粒子の作製には、モノシラン(SiH)を原料とすることが好ましい。
また、本発明のケイ素粒子及びケイ素合金粒子は、熱分解法や熱還元法で作製されたケイ素の塊を粉砕、分級することにより、作製することが好ましい。ケイ素の塊の中に、粒界が存在する場合、機械的に塊の粉砕を行うと、粒界に沿って割れが生じる。熱分解法や熱還元法で作製された結晶子サイズの小さなケイ素の塊は、多くの粒界を有しているので、本発明で好ましい平均粒径7μm以上17μm以下の大きさの粒子にまで粉砕を行った場合、粒子表面には多くの粒界面が現れるため、粒子表面は非常に多くの凹凸を持った形状となる。このように、負極活物質粒子表面に凹凸を有する場合、負極バインダーがこの凹凸部に入り込み、アンカー効果が発現するため、負極活物質間の密着性が更に向上する。負極バインダーが、熱可塑性の場合には、電極作製の熱処理を、バインダーの熱可塑領域温度以上で行うことにより、更に負極活物質粒子凹凸内へのバインダーの入り込みが大きくなるため(バインダーの熱融着効果が発現されるため)、更に密着性を向上することができる。負極内の密着性が高いほど、充放電により負極活物質の体積変化が生じている際にも、高い集電性が保持させるため、負極内の反応均一性が向上し、負極活物質の劣化による膨化の進行を抑制することができるため、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
本発明の負極活物質であるケイ素粒子には、酸素と、リン、ホウ素、アルミニウム、鉄、カルシウム、ナトリウム、ガリウム、リチウム、及びインジウムから成る群から選択される少なくとも1種とが不純物として含まれていることが好ましい。
ケイ素に上記不純物が含まれていれば、ケイ素粒子の電子伝導性が向上するため、負極合剤層内の集電性が向上し、電極反応の均一性が向上する。なお、リン等の不純物の他に酸素も含めているのは、酸素はケイ素の表面酸化により必ず存在するものだからである。
上記不純物の中でも、リンとホウ素が好ましい。リンとホウ素は、数百ppmまでの量であれば、ケイ素に固溶する。この場合、特に、粒子内の電子伝導性が高くなる。このような、リンやホウ素が固溶したケイ素を作製するには、熱分解法や熱還元法の原料であるシラン化合物にリン源やホウ素源となるホスフィン(PH)やジボラン(B)を適量添加する方法を好ましく用いることができる。
(負極バインダー)
本発明の負極バインダーは、高い機械的強度を有し、更には弾性に優れていることが好ましい。バインダーが優れた機械的特性を有していることにより、リチウムの吸蔵、放出時に、ケイ素負極活物質の体積変化が生じた場合でもバインダーの破壊が生じず、ケイ素活物質の体積変化に追随した合剤層の変形が可能となるので、電極内の集電性が保持され、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。また、その高い機械的強度によって、充電時にケイ素粒子が体積膨張した際にも、ケイ素粒子を強く負極集電体側に押さえ付ける応力が付加されることになる。この応力により、サイクル経過時にケイ素の劣化による膨化の進行が抑制される。ケイ素活物質は、充放電時に外力を付加しておくことにより、膨化の進行が抑制される傾向がある。このように、高い機械的特性を有したバインダーとしては、ポリイミド樹脂を好ましく用いることができる。また、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂も好ましく用いることができる。
また、負極バインダーとしては、熱可塑性であることが特に好ましい。例えば、負極バインダーがガラス転移温度や融点を有する場合、ガラス転移温度や融点より高い温度で負極合剤層を負極集電体表面上に焼結して配置するための熱処理を行うことにより、バインダーが活物質粒子や集電体と熱融着し、活物質粒子間や合剤層と集電体との密着性が更に大きく向上し、電極内の集電性を大きく向上させることができ、更に優れた充放電サイクル特性を得ることができる。熱融着のための熱処理を行う場合、熱処理はバインダーの熱分解開始温度以下で行うことが好ましい。バインダーの熱分解開始温度を超える温度で熱処理を行った場合、バインダーの分解が生じて機械的特性が低下するため、バインダーの機能が十分に得られなくなって、負極内の集電性が低下し、充放電特性も低下する。
本発明のリチウム二次電池における負極バインダーの量は、負極合剤層の総重量の5重量%以上、バインダーの占める体積が負極活物質層の総体積の5%以上であることが好ましい。ここで、負極活物質層の総体積とは、活物質層内に含まれる活物質やバインダーなどの材料それぞれの体積を総和したものであり、活物質層内に空隙が存在する場合にはこの空隙が占める体積を含まないものとする。
(負極集電体)
本発明の負極集電体としては導電性金属箔が好ましく用いられ、負極活物質層が配置される面の表面粗さRaが0.2μm以上10μm以下であることが好ましい。このような表面粗さRaを有する導電性金属箔を負極集電体として用いることにより、集電体の表面凹凸部分に負極バインダーが入り込み、バインダーと集電体間にアンカー効果が発現して高い密着性が得られため、リチウム吸蔵、放出に伴うケイ素活物質粒子の体積変化を生じても、活物質層の集電体からの剥離が抑制される。集電体の両面に負極活物質層を配置する場合には、集電体の両面において、表面粗さRaが0.2μm以上であることが好ましい。
上記の表面粗さRaと局部山頂の平均間隔Sは、100Ra≧Sの関係を有することが好ましい。表面粗さRa及び局部山頂の平均間隔Sは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められており、例えば、表面粗さ計により測定することができる。
導電性金属箔の表面粗さRaを0.2μm以上とするためには、導電性金属箔に粗面化処理を行う方法が好ましい。このような粗面化処理としては、めっき法、気相成長法、エッチング法、及び研磨法などが挙げられる。
また、本発明における負極集電体は、上記のように、負極バインダーの熱融着による密着性向上のための負極の熱処理を行う場合、熱処理による軟化性が小さい、すなわち耐熱性が高いものが好ましい。軟化により機械的強度が低下した場合、充放電時のケイ素活物質の体積変化に伴い、集電体の変形が生じるため、充放電サイクル特性が低下する。
このような高い機械的強度及び耐熱性を有する導電性金属箔としては合金箔が挙げられ、特に、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト、マンガン、錫、ケイ素等の元素またはこれらの組み合わせからなる合金箔が好ましい。
(負極導電剤)
本発明の負極においては、活物質層内に導電剤として導電性粉末を混合してもよい。導電性粉末を混合することにより、活物質粒子の周囲に導電性粉末による導電性ネットワークが形成されるので、電極内の集電性を更に向上させることができる。導電性粉末としては、上記導電性金属箔と同様の材質のものを好ましく用いることができる。具体的には、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト、マンガン等の金属またはこれらの組み合わせからなる合金または混合物である。特に、金属粉末としては銅粉末が好ましく用いられる。また、導電性の炭素材料粉末も好ましく用いることができる。
導電性粉末の平均粒径は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
(負極作製方法)
本発明の負極は、負極バインダーの溶液中に負極活物質粒子を均一に混合、分散させたスラリーを負極集電体の表面上に塗布することにより、負極合剤層を配置することにより作製することが好ましい。このように作製することにより、負極活物質層中に負極バインダーが均一に存在することによって、負極バインダーによる結着効果が有効に発現され、負極内に高い密着性が得られる。
また、本発明の負極は、上記に述べたように、負極バインダーとして熱可塑性材料を用いた場合、バインダーの熱融着による更なる結着性向上のために、負極合剤層を負極集電体上に配置した状態で、負極バインダーのガラス転移温度または融点以上、熱分解開始温度以下で、熱処理を行うことにより作製することが好ましい。また、この熱処理を行う場合で、負極集電体として銅元素を含む箔を使用した場合に、200℃以上で熱処理を行うことにより、負極集電体中の銅元素が負極活物質層中のケイ素負極活物質に拡散することにより、焼結効果が得られ、更に高い密着性を得ることができる。この熱処理を行う雰囲気としては、真空下または窒素雰囲気下またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下や、水素雰囲気などの還元性雰囲気下が好ましい。
(正極活物質)
本発明の正極活物質としては、化学式LiNiMnCo(0≦a≦1.1、x+y+z=1で、且つ0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が好ましく用いられる。このようなものとしては、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiNi0.5Co0.5、LiNi0.7Co0.3、LiNi0.8Co0.2、LiNi0.33Co0.33Mn0.34などが例示されるが、特には、LiNi0.8Co0.2とLiCoOとを好ましく用いることができる。また、リチウム遷移金属複合酸化物には、チタン、マグネシウム、ジルコニウム、アルミニウムから成る群から選択される少なくとも1種の元素が添加されていてもよい。
また、リチウム遷移金属複合酸化物の平均粒子径(二次粒子の平均粒子径)は、20μm以下であることが好ましい。平均粒子径が20μmを超える場合、リチウム遷移金属複合酸化物粒子内のリチウムイオンの移動距離が大きくなるため、充放電特性が低下する。
正極導電剤としては、公知の様々な導電剤を用いることができ、例えば、導電性の炭素材料を好ましく用いることができ、特には、アセチレンブラックやケッチェンブラックを好ましく用いることができる。
正極バインダーとしては、公知の様々なバインダーにおいて、本発明における非水電解質の溶媒に溶解しないものであれば制限なく用いることができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアクリロニトリルなどを好ましく用いることができる。
正極集電体としては導電性金属箔が好ましく用いられる。このようなものとしては、充放電時に正極に加わる電位において、非水電解質に溶解せず安定に存在するものであれば制限なく用いることができ、特にアルミニウム箔を好ましく用いることができる。
(非水電解質)
本発明のリチウム二次電池における非水電解質の溶媒は、特に限定されるものではないが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートや、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートや、フルオロエチレンカーボネート等のフッ素化カーボネートや、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類や、1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、テロラヒドロフラン、1、2−ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類や、アセトニトリル等の二トリル類や、ジメチルホルムアミド等のアミド類などを用いることができ、これらを単独または複数組み合わせて使用することができる。特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒を好ましく用いることができる。
上述のように、本発明によれば、ジメチルカーボネートを用いる際の従来の問題を解消することができ、このような問題を生じることなく、ジメチルカーボネートを溶媒として用いることができる。このため、非水電解質の粘度を低下させ、さらに充放電特性を向上させることができる。
また、本発明における非水電解質の溶質としては、特に限定されるものではないが、LiPF、LiBF、LiAsFなどの化学式LiXF(式中、XはP、As、Sb、B、Bi、Al、Ga、またはInであり、XがP、AsまたはSbのときyは6であり、XがB、Bi、Al、Ga、またはInのときyは4である)で表されるものや、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12などのリチウム化合物を用いることができる。これらの中でも、特にLiPFを好ましく用いることができる。
更に、本発明における非水電解質としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、LiNなどの無機固体電解質が挙げられる。
本発明の非水電解質は、CO及び/またはフルオロエチレンカーボネートを含有していることが好ましい。COや、F元素を含む炭酸エステル(フルオロエチレンカーボネート等)は、充放電時のケイ素活物質表面でのリチウムとの反応を円滑に生じさせる効果がある。これより、反応均一性が向上し、ケイ素活物質の膨化が抑制されるので、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
本発明における非水電解質は、リチウムイオン導電性を発現させる溶質としてのリチウム化合物と、これを溶解、保持する溶媒が電池の充放電時あるいは保存時に分解しない限り、制約なく用いることができる。
(セパレータ)
本発明のセパレータとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン微多孔膜が好ましく用いられ、特に突き刺し強度350g以上、且つ空孔率40%以上のポリエチレン製微多孔膜であることが好ましい。突き刺し強度350g以上、且つ空孔率40%以上であることより、充放電サイクルの経過に伴うケイ素活物質の膨化が進行した際にも、この膨化による応力付加によるセパレータの押し潰しによる目詰まりが生じにくくなり、正負極間のリチウムイオン伝導性の低下が抑制できるので、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
本発明によれば、ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を負極活物質として用いたリチウム二次電池において、充放電サイクル特性を向上させることかできる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
<実験1>
〔正極活物質A1の調製〕
(1)リチウム遷移金属複合酸化物の調製
LiCOとCoCOとを、LiとCoのモル比が1:1になるようにして乳鉢にて混合した後、空気雰囲気中にて800℃で24時間熱処理後に粉砕して、平均粒子径11μmのLiCoOで表されるリチウムコバルト複合酸化物の粉末を得た。
(2)Alによる被覆
0.1M(モル/リットル)のAl(NO水溶液5Lに、NH水溶液を滴下し、これを10分間撹拌し、遠心分離して上澄み液を除去して、Al(OH)を得た。これを5Lの水に加えて、10分間撹拌し、Al(OH)粒子が分散した分散液を作製した。ここに、LiCoOを5400g添加し、10分間撹拌し、再び遠心分離して上澄み液を除去し、その後、空気中、400℃5時間の焼成を行い、正極活物質としてのLiCoO表面にAlの粒子を固着させたものを得た。表面に固着したAl量は、LiCoOに対し0.94重量%であった。
上記処理で得られるAl粒子を同定するため、上記処理においてLiCoOの添加を行わずにAl粒子を調製し、このAl粒子についてXRD測定を行ったところ、γ−Alのプロファイルが得られた。従って、上記処理により、γ−Alが生成していることが確認された。
〔正極活物質A2〜A5の調製〕
上記のAlによる被覆において、Al(NO水溶液の濃度を、0.12M、0.07M、0.04M、及び0.02Mとする以外は、上記と同様にして、正極活物質A2〜A5を調製した。得られた正極活物質A2〜A5において、固着したAlの量は、LiCoOに対して、それぞれ、1.13重量%、0.66重量%、0.38重量%、及び0.19重量%であった。
〔正極活物質A6の調製〕
以下のようにして、LiCoOの表面に、Al及びLiPOを固着した正極活物質A6を調製した。
0.25Mの(NHHPO水溶液1Lに、pHが10以上になるようにNH水溶液を加えた。この水溶液に、上記で作製したLiCoOを6800g添加し、その後、0.25MのAl(NO水溶液1Lを徐々に滴下した。これを10分間撹拌し、遠心分離して上澄み液を除去した後、0.15MのLiOH水溶液5Lを加えて撹拌し、再び遠心分離して上澄み液を除去し、その後、空気中、400℃5時間の焼成を行い、正極活物質としてのLiCoO表面にAlとLiPOの粒子を固着させたものを得た。表面に固着したAlとLiPOの量は、LiCoOに対し、それぞれ0.38重量%、及び0.43重量%であった。
上記の処理により、LiCoOに固着したAlとLiPOの粒子について確認するため、上記の正極活物質の調製において、LiCoOを添加せずに、Al及びLiPOを析出させ、これを上記と同様に焼成した。得られたものについてXRD測定を行った。
図6は、得られた粉末についてのXRD分析結果を示す図である。図6に示すように、Al及びLiPOのピークが得られており、Al及びLiPOが生成していることが確認された。
〔正極活物質のBET比表面積の測定〕
上記のようにして得られた正極活物質A1〜A6、及びベースとして用いた正極活物質X1(LiCoO)のBET比表面積を測定し、測定結果を表1に示した。また、固着前の正極活物質(すなわち、正極活物質X1)と比較した、固着後の正極活物質のBET比表面積の増加割合(固着後のBET比表面積/固着前のBET比表面積)を表1に併せて示す。
Figure 2009099523
表1に示すように、正極活物質A1〜A6においては、固着前と比較した固着後のBET比表面積が、1.5倍〜8倍となっていることが確認された。
<実験2>
上記の正極活物質A1〜A6及びX1を用いて、扁平型リチウム二次電池を作製した。
〔正極の作製〕
分散媒としてのN−メチル−2−ピロリドンに、上記の正極活物質粉末と、正極導電剤としての平均粒径2μmの黒鉛粉末と、正極バインダーとしてのポリフッ化ビニリデンとを、活物質と導電剤とバインダーとの重量比が95:2.5:2.5となるように加えた後、混練し、正極合剤スラリーとした。
この正極合剤スラリーを、正極集電体としての厚み15μm、長さ402mm、幅50mmのアルミニウム箔の両面に、塗布部が表面で長さ340mm幅50mm、裏面で長さ270mm幅50mmとなるように塗布し、乾燥した後、圧延した。集電体上の活物質層量、及び正極の厚みは、両面に活物質層が形成されている部分で45mg/cm、143μmであった。
なお、正極の端部にある正極合剤層の未塗布部分には、正極集電タブとしてアルミニウム板を接続した。
〔負極の作製〕
(1)ケイ素負極活物質の調製
先ず、熱還元法により、多結晶ケイ素塊を作製した。具体的には、金属反応炉(還元炉)内に設置されたケイ素芯を通電加熱して800℃まで上昇させておき、これに精製された高純度モノシラン(SiH)ガスの蒸気と精製された水素とを混合したガスを流すことで、ケイ素芯の表面に多結晶ケイ素を析出させ、これにより、太い棒状に生成された多結晶ケイ素塊を作製した。
次に、この多結晶ケイ素塊を粉砕分級することで、純度99%の多結晶ケイ素粒子(負極活物質)を作製した。この多結晶ケイ素粒子においては、結晶子サイズは32nmであり、平均粒径は10μmであった。
なお、上記結晶子サイズは、粉末X線回折のケイ素の(111)ピークの半値幅を用いて、scherrerの式により算出し、平均粒径はレーザー回折法により求めた。
(2)負極合剤スラリーの作製
分散媒としてのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に、上記作製の負極活物質と、負極導電剤としての平均粒径3.5μmの黒鉛粉末と、負極バインダーとしての下記化1で示される分子構造を有するガラス転移温度300℃、重量平均分子量50000である熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体のワニス(溶媒;NMP、濃度;熱処理によるポリマー化+イミド化後のポリイミド樹脂の量で47質量%)とを、負極活物質粉末と負極導電剤粉末とイミド化後のポリイミド樹脂との質量比が100:3:8.6となるように混合し、負極合剤スラリーとした。ここでのポリイミド樹脂の前駆体のワニスは、下記化2に示す3、3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジエチルエステルと、下記化3に示すm−フェニレンジアミンとから作製できる。3、3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジエチルエステルは、下記化4に示す3、3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物にNMPの存在下、2当量のエタノールを反応させることにより作製できる。
Figure 2009099523
Figure 2009099523
Figure 2009099523
Figure 2009099523
(3)負極の作製
上記で作製の負極合剤スラリーを、厚さ18μmの銅合金箔(C7025合金箔、組成;Cu96.2重量%、Ni3重量%、Si0.65重量%、Mg0.15重量%)の両面を、表面粗さRa(JIS B 0601−1994)が0.25μm、平均山間隔S(JIS B 0601−1994)が0.85μmとなるように電解銅により粗化した負極集電体の両面に、25℃空気中で塗布、120℃空気中で乾燥後、25℃空気中で圧延した。得られたものを、長さ380mm、幅52mmの長方形に切り抜いた後、アルゴン雰囲気下で400℃、10時間熱処理し、負極集電体の表面に負極活物質層が形成された負極を作製した。負極集電体上の負極合剤層量は5.6mg/cm、厚みは56μmであった。
なお、負極の端部には、負極集電タブとしてのニッケル板を接続した。
〔非水電解液の作製〕
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7で混合した溶媒に対し、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解させた後、この溶液に対して、0.4重量%の二酸化炭素ガス、10重量%のフルオロエチレンカーボネートを添加し、非水電解液とした。
〔電極体の作製〕
上記正極を1枚、上記負極を1枚、厚さ20μm、長さ450mm、幅54.5mmである、突き刺し強度340g、空孔率39%のポリエチレン製微多孔膜のセパレータを2枚用いて、正極と負極とをセパレータで介して対向させ、正極タブ、負極タブ共に最外周となるようにして、直径18mmの巻き芯で、渦巻き状に巻回した後、巻き芯を引き抜いて、渦巻状の電極体を作製した後、押し潰して、扁平型の電極体を得た。ここで、作製した渦巻き状電極体の構造の模式図を図5に示す。
図5に示すように、扁平型の渦巻状電極体25には、正極集電タブ23及び負極集電タブ24が取り付けられている。
〔リチウム二次電池の作製〕
上記扁平型電極体及び上記作製の電解液を、25℃、1気圧のCO雰囲気下でアルミニウムラミネート製の外装体内に挿入し、図3(平面図)に示す構造を有する扁平型電池を作製した。図4は、図3に示すA−A線に沿う断面図である。
図3及び図4に示すように、アルミニウムラミネートから形成した外装体21内に、上記の扁平型の渦巻状電極体25が挿入されており、正極集電タブ23及び負極集電タブ24が外部に引き出された状態で、外装体21の周辺の封止部22をヒートシールすることにより、リチウム二次電池が作製されている。
本発明に従う正極活物質A1〜A6を用いた電池を本発明電池A1〜A6とし、比較の正極活物質X1を用いた電池を比較電池X1とした。
また、比較の正極活物質X1に、Al粉末を、0.94重量%となるように添加し、混合したものを正極活物質として用い、比較電池X2を作製した。なお、Al粉末としては、上記の「Alによる被覆」において、LiCoOを添加させずにAl(OH)を析出させ、これを分離して、上記と同様に焼成して粉砕したものを用いた。
〔充放電サイクル特性の評価〕
上記の本発明電池A1〜A6及び比較電池X1〜X2について、以下の充放電サイクル条件にて充放電サイクル特性を評価した。容量維持率(nサイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した値)が50%になったときのサイクル数を、サイクル寿命とした。
(充放電サイクル条件)
・1サイクル目の充電条件
45mAの電流で4時間定電流充電を行った後、180mAの電流で電池電圧が4.2Vとなるまで定電流充電を行い、更に、4.2Vの電圧で電流値が45mAとなるまで定電圧充電を行った。
・1サイクル目の放電条件
180mAの電流で電池電圧が2.75Vとなるまで定電流放電を行った。
・2サイクル目以降の充電条件
900mAの電流で電池電圧が4.2Vとなるまで定電流充電を行い、更に、4.2Vの電圧で電流値が45mAとなるまで定電圧充電を行った。
・2サイクル目以降の放電条件
900mAの電流で電池電圧が2.75Vとなるまで定電流放電を行った。
〔初期充放電後の電池厚みの評価〕
上記本発明電池A1〜A6及び比較電池X1〜X2について、上記の充放電条件にて1サイクルを行った後の電池厚みを測定した。厚みは、図4に示す電池の平面部分を、2枚の平板で挟み込んだ際の平板間の距離とした。初期充放電後電池厚みは、本発明電池A1を100とした指数で示している。
本発明電池A1〜A6及び比較電池X1〜X2のサイクル寿命と初期充放電後電池厚みを表2に示す。
〔正極活物質層の空隙率の算出〕
正極活物質層の空隙率を以下の式から計算した。なお、LiCoOの真密度を4.9g/cm、黒鉛粉末の真密度を2.25g/cm、ポリフッ化ビニリデンの真密度を1.77g/cm、Alの真密度を3.98g/cmとして計算した。
Figure 2009099523
上記のように、本発明電池A1については正極活物質層の空隙率が22.8%であった。本発明電池A2〜A6及び比較電池X1〜X2についても、上記と同様に正極活物質層の空隙率を計算し、表2に計算結果を示した。
Figure 2009099523
表2に示す結果から明らかなように、本発明に従う正極活物質を用いた本発明電池A1〜A6は、比較電池X1及びX2に比べ、サイクル寿命が高くなっており、良好な充放電サイクル特性が得られている。また、比表面積増加割合が、2.5倍〜7.5倍の範囲において、特に良好な充放電サイクル特性が得られていることがわかる。
Alとともに、LiPOを固着させた正極活物質を用いた本発明電池A6は、Al粒子のみを固着させた正極活物質を用いた本発明電池A1、A4などに比べ、サイクル寿命が長くなっており、より良好な充放電サイクル特性が得られている。これは、LIPO粒子が、LiCoO表面に存在することにより、LiCoOの劣化が抑制されたためであると考えられる。
<実験3>
〔本発明電池A1−1〜本発明電池A1−6の作製〕
正極活物質A1を用い、本発明電池A1の正極の作製において、圧延条件のみを変更させて、表3に示す正極厚みとする以外は、上記本発明電池A1と同様にして、本発明電池A1−1〜本発明電池A1−6を作製した。
〔比較電池X1−1〜比較電池X1−6の作製〕
比較の正極活物質X1を用い、圧延条件を変更させて正極厚みを表3に示す値とする以外は、比較電池X1と同様にして、比較電池X1−1〜比較電池X1−6を作製した。
〔充放電サイクル特性及び初期充放電後電池厚みの評価〕
本発明電池A1−1〜本発明電池A1−6及び比較電池X1−1〜比較電池X1−6について、上記と同様にして充放電サイクル特性を評価し、その結果を表3に示した。また、上記と同様にして初期充放電後電池厚みについても測定し、その結果を表3に示した。また、上記と同様にして算出した正極活物質層の空隙率も表3に示す。なお、表3には本発明電池A1の測定結果も併せて示している。
Figure 2009099523
表3に示すように、サイクル寿命すなわち充放電サイクル特性は、正極厚み及び正極活物質層空隙率の影響を受けることがわかる。正極厚み及び正極活物質層空隙率が小さくなるにつれて、電池として高いエネルギー密度が得られるが、正極厚み及び正極活物質層空隙率が小さくなりすぎると、表3に示すように、充放電サイクル特性が低下する。高いエネルギー密度が得られ、かつ良好な充放電サイクル特性が得られるためには、正極活物質層の空隙率が、15%〜28%の範囲内であることが好ましいことがわかる。
なお、本発明電池A1−6のサイクル寿命は、比較電池X1−1〜比較電池X1に比べ短くなっているが、同じ正極厚みである比較電池X1−6と比較すれば、サイクル寿命は長くなっており、充放電サイクル特性に優れていることが理解される。
<実験4>
上記の正極活物質A1〜A6及びX1〜X2を用いて、円筒型リチウム二次電池を以下のようにして作製した。
正極集電体として、厚み15μm、長さ480mm、幅33.7mmのアルミニウム箔を用い、このアルミニウム箔の両面に、塗布部が表面及び裏面ともに、長さ450mm、幅33.7mmとなるように塗布した後乾燥し、圧延して正極を作製する以外は、上記実験2の正極の作製と同様にして、正極を作製した。
〔負極の作製〕
負極のサイズを、長さ495mm、幅35.7mmとする以外は、上記実験2の負極の作製と同様にして、負極を作製した。
〔電極体の作製〕
上記正極1枚及び上記負極1枚と、本発明電池A1と同様のポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータ2枚を用い、正極と負極とをセパレータを介して対向させ、正極タブが最内周、負極タブが最外周となるようにして、直径4mmの巻き芯を用いて、渦巻状に巻回した。セパレータのサイズとしては、長さ545mm、幅37.7mmのものを用いた。巻回した後、巻き芯を引き抜いて、直径12.8mm、高さ37.7mmの円筒型の電極体を作製した。
図2は、作製した円筒型の電極体を示す斜視図である。図2に示すように、電極体5の上方には正極集電タブ7が引き出されており、下方には負極集電タブ8が引き出されている。
〔リチウム二次電池の作製〕
上記円筒型電極体及び電解液を、25℃、1気圧のCO雰囲気下でSUS製の円筒型外装体内に挿入し、図1に示す断面構造を有する直径14mm、高さ43mmの円筒型の本発明電池B1を作製した。
図1に示すように、円筒型電池は、上部に開口部を有する円筒型の金属外装缶1と、正極2と負極3とセパレータ4を介して対向させ渦巻状に巻回させてなる電極体5と、電極体内に含浸された非水電解液と、上記金属外装缶1の開口部を封口する封口蓋6などから構成されている。
封口蓋6が正極端子、金属外装缶1が負極端子となっており、電極体5の上面側に取り付けられている正極集電タブ7が封口蓋6と、下面側に取り付けられている負極集電タブ8が金属外装缶1と接続されている。電極体5の上面及び下面は、電極体5と金属外装缶1とを絶縁するための上部絶縁板9及び下部絶縁板10で覆われている。封口蓋6は、金属外装缶1の開口部に絶縁パッキング11を介してかしめられて固定されている。
以上のように、円筒型の本発明電池B1は、二次電池として充電及び放電が可能な構造となっている。
なお、非水電解液としては、本発明電池A1の作製において用いたものを用いた。
上記と同様にして、正極活物質A2〜A6及び比較の正極活物質X1及びX2を用いて、円筒型リチウム二次電池を作製した。正極活物質A2〜A6を用いて作製した電池を、本発明電池B2〜B6とした。また、比較の正極活物質X1及びX2を用いて作製した電池を、比較電池Y1及びY2とした。
<充放電サイクル特性の評価>
本発明電池B1〜B6及び比較電池Y1〜Y2について、上記と同様にして充放電サイクル特性を評価し、その結果を表4に示した。また、上記と同様にして算出した正極活物質層の空隙率も表4に示す。
Figure 2009099523
表4に示す結果から明らかなように、本発明に従う正極活物質を用いた本発明電池B1〜B6は、比較電池Y1及びY2に比べ、サイクル寿命が長くなっており、良好な充放電サイクル特性が得られている。表4に示すように、円筒型電池においては、表2に示す扁平型電池の場合によりも、本発明電池と比較電池の充放電サイクル特性の差が大きくなっており、円筒型電池において、本発明の効果がより顕著に得られることがわかる。これは、円筒型電池では、扁平型電池に比べ、巻き取り体の変形が生じにくく、ケイ素負極活物質が膨張する充填時に、正極活物質層の押し潰しによる正極での保液性の低下が生じやすいため、本発明に従いAl粒子を固着させることによる正極の保液性向上の効果が、より大きく影響するためであると考えられる。
<実験5>
〔本発明電池B1−1〜本発明電池B1−4の作製〕
正極活物質A1を用い、本発明電池B1の正極の作製において、圧延条件のみを変更して、表5に示す正極厚みとする以外は、上記本発明電池B1と同様にして、本発明電池B1−1〜本発明電池B1−4を作製した。ただし、円筒型の電極体の直径が、本発明電池B1〜B6及び比較電池Y1〜Y2と同じ直径12.8mmとなるように、正極厚みの変化に伴い、正極、負極、及びセパレータの長さを、表5に示すように変えている。
〔比較電池Y1−1〜比較電池Y1−4の作製〕
比較の正極活物質X1を用い、圧延条件を変更させて、正極の厚みを表5に示す値とする以外は、比較電池Y1と同様にして、比較電池Y1−1〜比較電池Y1−4を作製した。ただし、円筒型の電極体の直径が、本発明電池B1〜B6及び比較電池Y1〜Y2と同じ直径12.8mmとなるように、正極厚みの変化に伴い、正極、負極、及びセパレータの長さを、表5に示すように変えている。
〔充放電サイクル特性の評価〕
本発明電池B1−1〜本発明電池B1−4及び比較電池Y1−1〜比較電池Y1−4について、上記と同様にして充放電サイクル特性を評価し、その結果を表5に示した。また、上記と同様にして算出した正極活物質層の空隙率も表5に示す。
Figure 2009099523
表5に示すように、円筒型電池においても、充放電サイクル特性は、正極活物質層の空隙率の影響を受け、正極活物質層の空隙率が小さくなりすぎると、充放電サイクル特性が低下している。しかしながら、正極活物質層の空隙率が小さくなると、電池としてのエネルギー密度が高くなる。高エネルギー密度化及び充放電サイクル特性改善の観点からは、円筒型電池においても、正極活物質層の空隙率は、15〜28%の範囲であることが好ましいことがわかる。
また、表5に示す結果からも、扁平型電池の場合よりも円筒型電池の場合の方が、本発明の効果がより顕著に発揮されることがわかる。これは、上述のように、円筒型電池では、扁平型電池に比べ、正極での保液性の低下が生じやすくなるためであると考えられる。
<参考実験>
負極活物質として人造黒鉛を用いた場合における、正極活物質表面へのAl粒子の固着が与える影響について検討した。
〔負極の作製〕
分散媒としての水に、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースを溶かした水溶液中に、負極活物質としての平均粒径20μmの人造黒鉛と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴムとを、活物質と結着剤と増粘剤の重量比が97.5:1:1.5の比率になるように混合し、負極スラリーを作製した。作製したスラリーを、負極集電体としての厚さ9μm、長さ380mm、幅52mmの電解銅箔の両面に、塗布部が表面で長さ350mm幅52mm、裏面で長さ290mm幅52mmとなるように塗布し、乾燥した後、圧延した。集電体上の活物質層量、及び負極の厚みは、両面に活物質層が形成されている部分で195mg/cm、130μmであった。
〔非水電解液の作製〕
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)を体積比3:7で混合した溶媒に対し、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解させた後、この溶液に対して、2重量%のビニレンカーボネート(VC)を添加し、非水電解液とした。
〔リチウム二次電池の作製〕
上記正極及び上記非水電解液と、上記本発明電池A1において用いた正極とを用いて、上記本発明電池A1と同様にして、扁平型リチウム二次電池を作製した。この電池を参考電池Z1とした。
比較電池X1において用いた正極を用いる以外は、上記参考電池Z1と同様にして扁平型リチウム二次電池を作製した。この電池を、参考電池Z2とした。
本発明電池A6において用いた正極を用いる以外は、上記参考電池Z1と同様にして、扁平型リチウム二次電池を作製した。この電池を、参考電池Z3とした。
〔充放電サイクル特性及び初期充放電後電池厚みの評価〕
参考電池Z1〜Z3について、上記と同様にして充放電サイクル特性を評価し、その結果を表6に示した。また、上記と同様にして初期充放電後電池厚みについても測定し、その結果を表6に示した。また、上記と同様にして算出した正極活物質層の空隙率も表6に示す。
Figure 2009099523
表6に示すように、本発明に従う正極活物質を用いた参考電池Z1,Z3は、比較の正極活物質を用いた参考電池Z2と、ほぼ同程度の充放電サイクル特性しか得られておらず、負極活物質として黒鉛材料を用いた場合には、本発明の効果が得られていない。従って、本発明の効果は、負極活物質としてケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を用いた場合に特有の効果であることがわかる。
<実験6>
本実験においては、非水電解質の溶媒としてジメチルカーボネートを用いる場合の、充放電サイクル特性に与える影響について検討した。
〔本発明電池B1−5及びB6−2並びに比較電池Y1−5及びY2−2の作製〕
(非水電解液の作製)
フルオロエチレンカーボネート(FEC)とジメチルカーボネート(DMC)を体積比2:8の割合で混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解させた後、この溶液に0.4重量%の二酸化炭素ガスを添加し、非水電解液を作製した。
本発明電池B1及びB6並びに比較電池Y1及びY2の作製において、非水電解液として、上記の非水電解液を用いる以外は同様にして、本発明電池B1−5及びB6−2並びに比較電池Y1−5及びY2−2をそれぞれ作製した。
〔本発明電池B1−6及びB6−3並びに比較電池Y1−6及びY2−3の作製〕
(非水電解液の作製)
フルオロエチレンカーボネート(FEC)とジメチルカーボネート(DMC)とプロピオン酸メチル(MP)を体積比2:3:5の割合で混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解させた後、この溶液に0.4重量%の二酸化炭素ガスを添加し、非水電解液を作製した。
本発明電池B1及びB6並びに比較電池Y1及びY2の作製において、非水電解液として、上記の非水電解液を用いる以外は同様にして、本発明電池B1−6及びB6−3並びに比較電池Y1−6及びY2−3を作製した。
〔充放電サイクル特性の評価〕
上記の各電池について、上記本発明電池A1と同様に、充放電サイクル特性を測定した。測定結果を表7に示す。なお、サイクル寿命は、本発明電池A1のサイクル寿命を100とした指数である。
Figure 2009099523
表7に示す結果から明らかなように、本発明電池B1−5、B1−6、B6−2、及びB6−3においては、非水電解液の溶媒として、ジメチルカーボネートを用いることにより、充放電サイクル特性が向上していることがわかる。また、比較電池Y1−5、Y1−6、Y2−2、及びY2−3では、ジメチルカーボネートを用いることにより、逆に充放電サイクル特性が低下している。
これは、本発明電池においては、正極活物質の表面にAl粒子またはAl−LiPO粒子が固着されているため、正極活物質と直接に接触する非水電解液の割合が著しく少なくなり、正極表面上でのジメチルカーボネートの酸化分解や、ジメチルカーボネートの還元分解物のさらなる分解を抑制することができ、低粘度のジメチルカーボネートの使用による正極内での電解液の浸透性向上の効果が得られるためであると考えられる。
本発明に従う実施形態の円筒型リチウム二次電池を示す模式的断面図。 本発明に従う実施形態の円筒型リチウム二次電池に用いられる電極体を示す斜視図。 本発明に従う実施形態の扁平型リチウム二次電池を示す正面図。 図3に示すA−A線に沿う断面図。 本発明に従う実施形態の扁平型リチウム二次電池に用いる電極体を示す斜視図。 本発明の実施例において作製したAl−LiPO粒子のXRD分析チャート。
符号の説明
1…金属外装缶
2…正極
3…負極
4…セパレータ
5…電極体
6…封口蓋
7…正極集電タブ
8…負極集電タブ
9…上部絶縁板
10…下部絶縁板
11…絶縁パッキング
21…外装体
22…封止部
23…正極集電タブ
24…負極集電タブ
25…電極体

Claims (6)

  1. 層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極活物質及び正極バインダーを含む正極活物質層を正極集電体上に配置した正極と、ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子を含む負極活物質及び負極バインダーを含む負極活物質層を負極集電体上に配置した負極と、前記正極及び前記負極の間に配置されるセパレータと、非水電解質とを備え、前記正極と前記負極とを前記セパレータを介して対向させ巻回させてなる電極体を電池容器内に収納させたリチウム二次電池において、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物が、固着前に比べ、固着後のBET比表面積が1.5倍〜8倍となるように、その表面上にAl粒子を固着させたリチウム遷移金属複合酸化物であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記正極活物質層が、15%〜28%の空隙率を有することを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 固着前に比べ、固着後のBET比表面積が2.5倍〜7.5倍となるようにAl粒子が固着されていることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記BET比表面積となるようにAl粒子とともにLiPO粒子が固着されていることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記電極体が渦巻状であり、前記電池容器が円筒型であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  6. 前記非水電解質が、その溶媒としてジメチルカーボネートを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
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