JP2011029079A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】異物等により正極と負極が内部短絡した際の異常発熱を抑制することを課題とする。
【解決手段】正極と、負極と、前記正極及び負極間にセパレータとを備え、正極及び負極の少なくとも一方が、高温時に電気抵抗が増大する材料を含む活物質層を備え、前記材料が前記活物質層の前記セパレータ側近傍に偏在することを特徴とした非水電解液二次電池により上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。更に詳しくは、本発明は、高容量で高い安全性を有する非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池をはじめとする非水電解質二次電池(以下、単に二次電池という)は、高容量・高エネルギー密度を有し、かつ、貯蔵性能や充放電の繰り返し特性に優れるため、広く民生機器に利用されている。一方で、二次電池は、リチウム金属及び非水電解液を使用することから、安全性に対する十分な対応策が必要になる。
たとえば、高容量・高エネルギー密度を有する二次電池の正極と負極との間に何らかの原因によって短絡が生じた場合、正極と負極間に過大な短絡電流が流れる。短絡電流は、二次電池の内部抵抗によってジュール熱を発生させるので、二次電池の温度を上昇させ、その結果、二次電池が異常状態(例えば、発火)に陥ることになる。特に、非水電解液を使用している二次電池は、異常状態に陥ることを防止することが望まれており、防止機能が一般に設けられている。
防止機能として、特開2002−42886号公報(特許文献1)には、導電性充填材と樹脂から構成される電子導電性材料を正極及び/又は負極の活物質層全体に混在させた二次電池が報告されている。この公報では、正極と負極間に異物が混入する等が原因の短絡により異常発熱が生じた際、樹脂が溶解することで、活物質層の電気抵抗を増加させている。電気抵抗を増大させた結果、短絡電流を減少できるので、温度上昇を抑制でき、安全性が向上するとされている。
また、特開平11−102711号公報(特許文献2)には、正極及び/又は負極に、融点が130〜170℃の樹脂フィルム層を金属層で挟み込んだ三層構造の集電体を用いることが提案されている。この集電体を備えた電池では、短絡電流により異常発熱が発生した場合、樹脂フィルムが溶断するとともに、樹脂フィルムを挟む金属層も破壊される。金属層が破壊されることで、短絡電流がカットされるので、二次電池内部の温度上昇が抑制された結果、発火を防止できるとされている。
特開2002−42886号公報 特開平11−102711号公報
自動車や家庭用に使用される二次電池は屋外に設置されることが多く、炎天下では周囲の温度が60℃程度まで達することが想定される。特開2002−42886号公報における活物質層には、電子導電性材料を構成する樹脂が混在している。この樹脂は、60℃程度の環境下で、体積が膨張すること等により活物質層の電気抵抗を増大させるため、電池特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、特開平11−102711号公報では、集電体に短絡防止機能を付与しているため、集電体を構成する樹脂フィルムが溶断するまで短絡電流による発熱が必要である。しかしながら、より安全性を高める観点から、更に初期の段階で短絡電流を抑制することが望まれている。
本発明の発明者等は、高温時に電気抵抗が増大する材料(以下、高温時抵抗増大材料)を、正極及び/又は負極活物質層のセパレータ側近傍に集中的に偏在させることにより、内部短絡等による異常電流のカット機能を電極に付与できることを見い出し本発明に至った。偏在させることで、通常の電池使用温度(例えば、60℃程度)の環境下で、高温時抵抗増大材料が電池特性へ与える影響を小さくすることができることも発明者等は見い出している。
かくして本発明によれば、正極と、負極と、前記正極及び負極間にセパレータとを備え、正極及び負極の少なくとも一方が、高温時に電気抵抗が増大する材料を含む活物質層を備え、前記材料が前記活物質層の前記セパレータ側近傍に偏在することを特徴とした非水電解液二次電池が提供される。
本発明の二次電池は、正極と、負極と、正極及び負極間にセパレータとを備え、正極及び負極の少なくとも一方が、高温時に電気抵抗が増大する材料(以下、高温時抵抗増大材料)を含む活物質層を備え、材料が活物質層のセパレータ側近傍に偏在している。この構成を備える二次電池は、活物質層のセパレータ側近傍に高温時抵抗増大材料を多く存在させることで、集電体に短絡電流を抑制する機能を付与する場合より、異物等により正極と負極が内部短絡した際の異常発熱に対する電気抵抗増加の応答を速くすることが可能となる。また、高容量化のために活物質層を厚くした場合にも、電気抵抗増加への応答速度の低下が抑制できる。
また、高温時抵抗増大材料が、セパレータ側から30%までの全厚に対する厚さの範囲内の活物質層中に、前記材料の全量の90重量%以上含まれる場合、正極と負極が内部短絡した際の異常発熱に対する電気抵抗増加への応答をより速くすることが可能となる。
更に、高温時抵抗増大材料が、導電性物質と、高温時に融解することで電気抵抗を増大させる樹脂とを含む場合、正極と負極が内部短絡した際の異常発熱に対する電気抵抗増加への応答をより速くすることが可能となる。
また、高温時抵抗増大材料が、120℃以上160℃以下の高温時に融解する樹脂を含む場合、正極と負極が内部短絡した際の異常発熱に対する電気抵抗増加への応答をより速くすることが可能となる。
更に、高温時抵抗増大材料が粒子状の樹脂を含み、活物質層が粒子状の活物質を含み、樹脂が、活物質の平均粒径の10%以上かつ50μm以下の平均粒径を有する場合、正極と負極が内部短絡した際の異常発熱に対する電気抵抗増加への応答をより速くすることが可能となる。
また、高温時抵抗増大材料が、黒鉛、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、ニッケル及び金から選択される導電性物質と、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレンとプロピレンの共重合体から選択される高温時に融解する樹脂とを含む場合、正極と負極が内部短絡した際の異常発熱に対する電気抵抗増加への応答をより速くすることが可能となる。
更に、活物質層が、15〜80%の範囲の空隙率を有する場合、通常充放電下で、特に、高出力(高電流:0.2C以上)下で、より良好な電池特性を示す。ただし、電流1Cとは、1時間で満充電できる電流値を示す。
本発明の二次電池の異常発熱に対して電気抵抗が増加する機構を説明する模式的な図である。 本発明の二次電池の一実施形態を示す模式的な図である。 集電体側から、負極活物質層、負極活物質と高温時抵抗増大材料との混在層、高温時抵抗増大材料層の積層構造からなる本発明の二次電池を構成する活物質層を示す模式的な図である。 実施例1及び比較例1の放電レートと放電特性の関係を示すグラフである。 実施例2の空隙率と放電レート容量比との関係を示すグラフである。
以下、図面に基づいて本発明を説明する。なお、以下の図面において同一又は相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。また、図面における長さ、大きさ、幅等の寸法は、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法を表してはいない場合がある。負極、正極及び樹脂等の粒子の粒径は、粒子径分布測定装置SALD−1100(島津製作所社製)を用いて測定した値である。また、本文中に記載の空隙率Z%は、活物質層の真密度Xg/cc、実密度Yg/ccとして、Z=100×((1/Y)−(1/X))/(1/Y)より求めた値を示している。
まず、図1A〜Cを用いて本発明の二次電池の異常発熱に対して電気抵抗が増加する機構を説明する。これら図では、負極側に高温時抵抗増大材料が含まれている場合が示されている。まず、図1Aは、通常の温度での充放電が行われている場面を示しており、正極と負極間で正常にリチウムがやり取りされている。図中、1は負極、1aは集電体、1bは活物質層、1cは高温時抵抗増大層を意味する。次に、異物Xがセパレータを通過して正極2と負極1とを短絡させた直後の場面を図1Bに示す。異物Xにより正極2と負極1が短絡した箇所αでは、正極2と負極1間に大電流aが流れ、箇所αで発熱が生じる。更に、図1Cに発熱が生じた後、しばらく時間が経過した場面を示す。図1Cでは、図1Bにおいて発熱が生じた箇所αに存在している高温時抵抗増大材料が箇所αを経由する正極2と負極1間の電気抵抗を増加させることで、正極2と負極1間に流れる電流をシャットダウンする。この結果、発熱を抑制できる。なお、図1Cにおいて、βは、電気抵抗増大箇所を意味する。
次に、図2に本発明の二次電池の一実施形態を示す模式的な図を示す。本発明の二次電池は、正極2と、負極2と、前記正極2及び負極1間にセパレータ3とを備えている。
負極1は、通常、集電体1a上に負極活物質層1bを固定した構造を有している。正極2は、通常、集電体2a上に正極活物質層2bを固定した構造を有している。また、セパレータ3は、正極2と負極1間の電気的な絶縁を図り、電解液を保持して正極2と負極1間のイオン伝導を確保する役割を有する。図2は、高温時抵抗増大材料4が、負極活物質層1bとセパレータ3との界面近傍の負極活物質層1b側に偏在している場合を示している。
また、図3には、負極2の構造の他の例が示されている。図3では、集電体1a側から、負極活物質層1b、負極活物質と高温時抵抗増大材料との混在層1d、高温時抵抗増大材料層1cの積層構造からなる活物質層が示されている。図3では、高温時抵抗増大材料がセパレータ側に層1cとして存在することで、活物質層中に高温時抵抗増大材料を偏在させている。
なお、図3のように明確に層1cとして存在する必要はなく、図2のようにセパレータ側に向かって連続的に高温時抵抗増大材料の濃度を増加させてもよい。
図1及び2では、負極活物質層側にのみ高温時抵抗増大材料を偏在させた場合を示しているが、正極活物質層側にのみ高温時抵抗増大材料を偏在させてもよく、正極活物質層及び負極活物質層の両方に高温時抵抗増大材料を偏在させてもよい。負極活物質層及び/又は正極活物質層のセパレータ側近傍に高温時抵抗増大材料を集中的に偏在させることで、異物等により正極と負極が内部短絡した際の異常発熱に対する電気抵抗増加の応答を、集電体に樹脂フィルムを使用する従来技術より速くすることができる。電気抵抗増加する部位をセパレータ側に偏在させているため、電気抵抗増加の応答速度が活物質層の厚みに依存しない。従って、高容量化等のために活物質層を厚くした場合にも、電気抵抗増加の応答速度が遅くなることはない。
(正極)
正極は、例えば、正極活物質、導電剤、増粘材、結着剤を含有するペーストを集電体に塗布、乾燥することにより作製できる。作製された正極は、活物質密度を高めるために、プレスしてもよい。
<正極活物質>
正極活物質としては、リチウムを含有した酸化物が挙げられる。具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiFeO2、LiMnO2、LiMn24及び、これら酸化物中の遷移金属を一部他の金属元素で置換した化合物等が用いられる。中でも通常の使用において、正極が保有するリチウム量の80%以上を電池反応に利用し得るものを正極活物質に用いることが好ましい。このような正極活物質は、過充電等の事故に対する電池の安全性を高めることが可能となる。このような正極活物質としてはLiMn24等のスピネル構造を有する化合物や、LiMPO4(MはCo、Ni、Mn、Feから選ばれる少なくとも1種以上の元素)で表されるオリビン構造を有する化合物等がある。中でもMn及び/又はFeを含む正極活物質がコストを下げる観点から好ましい。更に、安全性及び充電電圧の観点からはLiFePO4が好ましい。LiFePO4は、全ての酸素が強固な共有結合によって燐と結合しており、温度上昇による酸素の放出が起こり難いため、安全性に優れる。また、燐を含んでいるため、消炎作用も期待できる。
正極活物質は、通常粒子の形状を有している。その粒径は、小さ過ぎると粒子がセパレータを通り抜けてしまうという不具合が起こり、大き過ぎると正極の形成が困難となることがある。よって、正極活物質の粒径は0.2〜50μmの範囲であることが好ましい。
正極は、電解液を保持するために、所定の範囲の空隙率を有していることが好ましい。正極ペーストを乾燥させることで得られる正極の空隙率は通常40〜80%の範囲である。乾燥後にプレスする場合でも、正極の導電性と電解液保持率とを考慮すると空隙率は15〜50%の範囲であることが好ましい。これらの空隙率の範囲は、二次電池を高出力(高電流:0.2C以上)下で、動作させる場合特に有効である。
<結着剤>
結着剤には、正極活物質粒子間及び正極活物質粒子と集電体とを結着させることができ、かつ電池充放電時の電位で安定なものであれば特に限定はされない。結着剤としては、例えば、スチレンブタジエンゴムあるいはポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。結着剤は、その添加量が少ないと結着力が低下し、多いと電池抵抗が上昇する。よって、例えば、スチレンブタジエンゴムを結着剤に用いた場合、正極活物質1重量部に対して、結着剤の添加量は0.5〜8重量部であることが好ましい。
<増粘材>
スチレンブタジエンゴムのような水系分散型の結着剤を用いる場合、正極活物質粒子の分散を保ち、ペーストの集電体への塗布を容易にするため、増粘材を加えることが好ましい。増粘材には分散性と塗布容易性を確保でき、かつ充放電時の電位でも安定なものを使用することが好ましい。増粘材としては、カルボキシメチルセルロースが挙げられる。増粘材の添加量は、増粘材の種類、製造条件によって異なるが、正極活物質の分散性及び塗布時の粘度を考慮すると、正極活物質1重量部に対して、増粘材の添加量は0.5〜2重量部であることが好ましい。
<集電体>
集電体の材料としては、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、ニッケル等が挙げられる。電気化学的安定性、延伸性及び経済性を考慮すると、正極用にはアルミニウムが好ましい。集電体の形状としては、箔状が挙げられるが、箔状に特に限定されない。箔状以外の形状としては、例えば高容量化のため正極を厚くする際、集電性及び形状を維持するために、箔状のような平面ではなく三次元的な構造としてもよい。
(負極)
負極は、例えば、負極活物質、導電剤、増粘材、結着剤を含有するペーストを集電体に塗布、乾燥することにより作製できる。作製された負極は、活物質密度を高めるために、プレスしてもよい。
<負極活物質>
負極活物質としては、充電時にリチウムイオンを吸蔵し、かつ放電時には放出する性質を有する活物質を使用できる。具体的な負極活物質としては、天然黒鉛、粒子状(例えば、鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、破砕状等)の人造黒鉛、あるいは、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末等の黒鉛化品等に代表される高結晶性黒鉛(黒鉛質炭素材料)、樹脂焼成炭素等の難黒鉛化炭素等が挙げられる。これら負極活物質は、混合して用いてもかまわない。また、錫の酸化物、シリコン系の負極活物質(例えば、SnO、SiO等)、容量の大きい合金系の負極活物質(例えば、リチウム合金)等も使用可能である。中でも黒鉛質炭素材料は、充放電反応の電位の平坦性が高く、金属リチウムの溶解析出電位に近いため、高エネルギー密度化が達成できる上で好ましい。更に、表面に非晶質炭素が付着した黒鉛質炭素材料は、充放電に伴う非水電解質の分解反応を抑え、電池内でのガス発生を少なくできる上で好ましい。
負極活物質としての黒鉛質炭素材料の平均粒径は、2〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。平均粒径が2μmより小さくなるとセパレータの孔を負極活物質が通り抜けることがあり、通り抜けた負極活物質は電池を短絡させることがある。一方、50μmより大きくなると負極が成形し難くなることがある。更に、黒鉛質炭素材料の比表面積は1〜100m2/gが好ましく、2〜20m2/gがより好ましい。比表面積が1m2/gより小さくなると、リチウムの挿入/脱離反応ができる部位が少なくなり、電池の大電流放電性能が低下することがある。一方、100m2/gより大きくなると、負極活物質表面上の非水電解質の分解反応が起こる場所が増えてしまい、電池内でガス発生等が引き起こされることがある。ここで、本発明において、平均粒径及び比表面積は、日本ベル社製の自動ガス/蒸気吸着量測定装置 BELSORP18を用いて測定した値である。
銅箔集電体を用いた場合、電池容量と電極抵抗の観点から、負極活物質層の厚さは20〜200μmの範囲であることが好ましい。ただし、集電体構造を変える等した場合は、この限りではない。負極の空隙率について、負極ペーストを乾燥させた際の空隙率は通常40〜80%であり、これに圧力をかけることで電極を成形するが、この際、電極の導電性と電解液保持率とを考慮すると空隙率は15〜50%であることが好ましい。これらの空隙率の範囲は、二次電池を高出力(高電流:0.2C以上)下で、動作させる場合特に有効である。
<導電剤、増粘材、結着剤>
導電剤、増粘材、結着剤は、正極と同種の導電剤、増粘材、結着剤をいずれも使用でき、それらの使用量も正極と同様とできる。
<集電体>
集電体の材料及び形状としては、正極の集電体と同様の材料及び形状が挙げられる。電気化学的安定性、延伸性及び経済性を考慮すると、負極用には銅が好ましい。
(高温時抵抗増大材料)
正極及び負極の少なくとも一方の活物質層には、高温時に電気抵抗が増大する材料(高温時抵抗増大材料)が含まれる。正極及び負極の両方の活物質層に高温時抵抗増大材料が含まれていてもよい。
高温時抵抗増大材料は、高温時に電気抵抗が増大する材料であれば特に限定されない。ここで言う高温時とは、例えば、正極と負極が短絡することにより流れる短絡電流により生じる異常発熱により上昇する、通常の二次電池の使用温度より高い温度を意味する。具体的には、通常の使用温度とは、−20〜60℃であり、高温とは、120〜160℃であることが好ましい。また、高温時に増大する電気抵抗の程度は、通常の使用温度での電気抵抗の3倍以上であることが好ましい。なお、通常の使用温度での高温時抵抗増大材料の抵抗値は、0.05〜10Ω・cmであることが好ましく、これら抵抗値の範囲内であれば、通常の使用温度での二次電池の機能を阻害せず、高温時のみ短絡電流の発生を抑制できる。
高温時抵抗増大材料には、導電性物質と高温時に融解する樹脂とが含まれていることが好ましい。導電性物質が含まれていることで、通常の使用温度での活物質層の電気抵抗が増加することを抑制できる。導電性物質としては、10-4〜10Ω・cmの抵抗値を有する物質を使用できる。前記導電性材料としては、例えば黒鉛、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、ニッケル、金等が挙げられる。
高温時に融解する樹脂としては、120〜160℃で融解する樹脂を一種類以上含むことが好ましい。そのような樹脂には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体が挙げられる。
また、異常発熱が生じた際に十分に電気抵抗を増大させるために、高温時抵抗増大材料は、高温時に融解する樹脂を重量比率で全体の70%以上含有していることが好ましい。
高温時に融解する樹脂の形状としては、球状、フィラー形状等いずれの形状のものでも可能である。この内、活物質層への均一な混合が容易な球状であることが好ましい。樹脂の粒径は、活物質粒子と比較して、小さ過ぎると樹脂粒子が活物質粒子の隙間に入り込むことにより、異常熱発生の際に十分に電気抵抗が増大しない可能性がある。よって、樹脂の粒径は、活物質粒子の粒径の10%以上であることが好ましい。また、樹脂の粒径は、大き過ぎると活物質層の形成が困難になるため、50μm以下であることが好ましい。より好ましい粒径は、10〜30μmである。
高温時に融解する樹脂は、通常温度での充放電において、高温時抵抗増大材料の電気抵抗を活物質層の形成材料より低くし、かつ電解液中のイオン移動を阻害しない程度の空隙率を活物質層に与える樹脂であることが好ましい。具体的には、高温時抵抗増大材料の電気抵抗を活物質層の形成材料より50%以上低くし、かつ15%以上の空隙率を活物質層に与える樹脂であることが望ましい。空隙率は、80%以下であることが、層中の電子移動速度の保持、及び層の構造の維持の観点から好ましい。
導電性物質は、例えば、粒子状であり、かつ高温時に融解する樹脂の粒子と混合して使用してもよく、あるいは高温時に融解する樹脂の粒子を被覆する形態で使用してもよい。
高温時抵抗増大材料は、セパレータ側から30%までの全厚に対する厚さの範囲内の活物質層中に、その材料の全量の90重量%以上が含まれることが好ましい。
セパレータ側から30%までの厚さとは、一般的な高温時に融解する樹脂の粒子の粒径を考慮すると0.5μm以上であることが好ましい。また、セパレータ側から30%までの厚さが厚すぎると、正負極間距離が長くなることで二次電池の電気抵抗が大きくなることがある。よって、セパレータ側から30%までの厚さの上限は、2000μmであることが好ましい。更に、二次電池の特性への影響を考慮して、全量の90重量%以上含む部分は、活物質層の厚みに対して10〜30%の厚みであり、その部分は15%以上の空隙率を有していることが好ましい。
高温時抵抗増大材料をセパレータ側近傍に偏在させる方法としては、特に限定されないが、次の方法がある。まず、正極及び/又は負極ペーストを集電体に塗布し、次いで乾燥させて正極及び/又は負極ペースト層とする。次いで、正極及び/又は負極ペースト層上に高温時抵抗増大材料を含むペーストを塗布し、次いで乾燥させて高温時抵抗増大材料ペースト層とする。正極及び/又は負極ペースト層と高温時抵抗増大材料ペースト層を必要に応じてプレスすることで、高温時抵抗増大材料がセパレータ側近傍に偏在した正極及び/又は負極を得ることができる。
高温時抵抗増大材料を含むペーストには、正極と同種の導電剤、増粘材、結着剤が含まれていてもよい。導電剤、増粘材、結着剤の使用量は、高温時抵抗増大材料1重量部に対して、0.05〜0.4重量部、0.005〜0.02重量部及び0.005〜0.08重量部とできる。
(セパレータ)
セパレータは、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄膜であれば、当該分野で公知のセパレータをいずれも使用できる。その材質としては、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系、ポリアミド(ナイロン)、セルロース系樹脂、ガラス繊維が用いられる。形態として、不織布、織布、微多孔性フィルムが挙げられる。
セパレータを構成する樹脂は、電解液によって侵されないものが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、6−ナイロン、66−ナイロン、全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。セパレータは、1種類から構成されていてもよく、2種類以上から構成されていてもよい。
セパレータは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の不織布、微多孔質膜から選択することが、品質の安定性等の点から好ましい。不織布及び微多孔質膜は、二次電池が異常発熱した場合に、セパレータが熱により融解し、正負極間を遮断する機能(シャットダウン)を二次電池に付加できる。
また、セパレータに用いる樹脂が、高温時に融解する樹脂の融点より高い軟化点(形状変化をしない温度)を有することが、二次電池の安全性を高めるために好ましい。この温度関係を有することで、セパレータのシャットダウン機能が作動する前に、高温時に融解する樹脂が溶融することでシャットダウンが可能となる。よって、セパレータに用いる樹脂は、0〜160℃で形状変化しないものが好ましい。例えばポリイミド、ポリアミドにおいては、形状安定性に優れており、温度が高くなっても形状が安定しているという長所を有する。なお、セパレータに用いる樹脂の軟化点は、高温時に融解する樹脂の融点より、40℃以上高いことが好ましい。
セパレータの厚みは特に限定されないが、必要量の電解液を保持することが可能で、かつ正極と負極との短絡を防ぐ厚さがあればよい。例えば、厚さは、0.01〜1mm程度であり、好ましくは0.02〜0.05mm程度である。また、セパレータを構成する材質は、透気度が1〜500秒/cm3であることが、低い内部抵抗を維持しつつ、内部短絡を防ぐだけの強度を確保できるため好ましい。
(非水電解液)
二次電池には、通常、非水電解液が含まれている。非水電解液としては、電解質塩を有機溶剤に溶解してなる溶液を挙げることができる。
電解質塩としては、リチウムイオン二次電池を使用する場合、リチウムをカチオン成分とするものが好ましく、例えば、ホウフッ化リチウム、六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、フッ素置換有機スルホン酸等の有機酸をアニオン成分とするリチウム塩等が挙げられる。
有機溶媒は、上記電解質塩を溶解するものであれば、どのようなものでも使用できる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル類等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で使用でき、また2種類以上の混合物として使用できる。
非水電解液中の電解質塩の濃度は、いずれの電解質塩を用いた場合でも、0.5mol/l〜2.0mol/lの範囲とすることが好ましい。濃度が、0.5mol/lより小さい場合、溶液の電子伝導性が小さくなることがあり、2.0mol/lより大きい場合、イオン−イオン間の相互作用による自由イオン数の減少が起こり電子伝導性が低下することがある。より好ましい濃度は、0.8mol/l〜1.5mol/lの範囲の範囲である。
非水電解液は、高分子マトリックスに含浸させてゲル電解質として使用してもよい。電解質塩以外にも、無機及び有機の固体電解質を用いることも可能である。
(二次電池の組立)
二次電池の組立には、公知の方法を利用できる。例えば、ラミネート型の二次電池は、次のようにして作製できる。まず、負極と、正極を所定の寸法に切断し、負極と正極の間にセパレータを設置する。セパレータの設置法としては、正極をセパレータで包む方法がある。この作業を繰り返し、所望の枚数を積層させ、積層体の負極と正極がずれないように固定する。積層体以外に、負極シート、セパレータ及び正極シートを巻回することで巻回体としてもよい。
次に、積層体又は巻回体の負極の集電をとるために、例えばニッケルからなるタブの一端を負極の集電体に圧着又は接合させる。また、積層体又は巻回体の正極の集電を取るために、例えばアルミとニッケルからなるタブの一端を正極の集電体に圧着又は接合させる。積層体又は巻回体に形成したタブの他端が、ラミネートフィルムの外部に出るように配置した状態でラミネートフィルムに積層体又は巻回体を納め、電解液注入口以外を封止する。このような構造とすることで集電体タブと外部電極との間の導通を持たせる。このようにして作製したラミネート型の電池容器の中に非水電解液を所定量注入し、最後に電解液注入孔を封止することで、二次電池を作製できる。
なお、上述の説明はラミネート型の二次電池についての説明であるが、本発明は、円筒型、直方体型、コイン型、カード型等、いかなる形状の二次電池についても適用することが可能である。
以下では、実施例と比較例を挙げ、これらを対比することによって、本発明の作用・効果を具体的に説明するが、これらの実施例や比較例によって、本発明の技術的範囲は何ら限定されるものではない。
ただし、実施例に記載の高温時抵抗増大層とは、高温時抵抗増大材料を層内に重量比率で90%含んでいる部位を示すものとする。同様に、負極活物質層とは、活物質を90%以上含んでいる部位を示すものとする。また、混在層とは、活物質層中で高温時抵抗増大層と負極活物質層以外の部位を示すものとする。
本実施例では負極に安全性機構を施した場合を示してあるが、正極に同じ機構を施した場合でも同様の結果が得られる。
<活物質層表面への高温時抵抗増大材料塗布による電池特性への影響>
実施例1
実施例1では、負極活物質層表面に高温時抵抗増大材料層を設けた負極の作製法及び構造について説明する。作製した負極の模式図を図2に示してある。
負極活物質に天然黒鉛(平均粒径20μm、BET比表面積3m2/g)を、導電材として人造黒鉛(平均粒径6μm、BET比表面積17m2/g)を用いた。負極活物質層は、活物質及び導電材に増粘材としてカルボキシメチルセルロース(商品名#2200、ダイセル工業社製)、水系バインダとしてスチレンブタジエンゴム(商品名TRD2001、JSR社製)を加えることでペースト状にしたものより形成させた。これらの組成は活物質:導電材:増粘材:バインダ=100:10:1.5:2とした。
高温時抵抗増大材料層は、高ポリエチレン樹脂粒子(軟化点120℃、粒径3μm、温時に融解する樹脂)を金(導電性物質)でコーティングしたもの(以下、金コート樹脂粒子)、導電材として人造黒鉛(平均粒径6μm、BET比表面積17m2/g)、増粘材としてカルボキシメチルセルロース(商品名#2200、ダイセル工業社製)、バインダとしてスチレンブタジエンゴム(商品名TRD2001、JSR社製)から構成されるペーストから形成させた。これらの組成は金コート樹脂粒子:導電材:増粘材:バインダ=100:25:1.5:2とした。
負極活物質ペーストを銅箔に塗布・乾燥させ、さらにその表面に高温時抵抗増大材料ペーストを塗布・乾燥させることで、ペースト層を得た。得られたペースト層に、適度な圧力を均一に加えることで図3に示すような構造を持つ負極を作製した。活物質層、混在層、高温時抵抗増大材料層の厚みはそれぞれ45μm、5μm、10μmであり、負極の平均空隙率は30%であった。
比較例1
実施例1で使用した高温時抵抗増大材料の量と同等の量を、活物質全体に均一に混在させること以外は実施例1と同様にして以下のように負極を作製した。
まず、実施例1と同様に、負極活物質ペーストと高温時抵抗増大材料ペーストを作製した。作製した負極活物質ペーストと高温時抵抗増大材料ペーストを体積比5:1で混合させて、混合ペーストを作製した。得られた混合ペーストを、銅箔上に塗布・乾燥させた後に、適度な圧力を均一に加えることで、負極活物質と高温時抵抗増大材料が均一に混在した負極を作製した。但し、この負極の材料組成は活物質:金コート樹脂粒子:導電材:増粘材:バインダ=100:20:15:1.8:2.4となっており、負極厚みは60μm、空隙率は30%とした。
(評価)
実施例1及び比較例1について、負極の構成及び60℃での電池特性を表1に示した。
実施例1は、比較例1より、電気抵抗が小さいことが分かる。このことから、負極表面(セパレータ側近傍)に高温時抵抗増大材料を偏在させた負極は、電気抵抗への影響が少ないこと分かる。
また、実施例1及び比較例1について、単極試験より得られた放電特性を図4に示した。図4から、比較例1(白抜きひし形)より、実施例1(黒丸)は、60℃における放電特性が優れていることが分かる。
なお、表1及び図4の測定は、以下の方法により行った。
作製した負極の評価は、3電極式セルにて行った。具体的には、対極にLi金属を、参照極にLi金属を用い、電解液にエチレンカーボネート−ジエチルカーボネート(1:2)混合溶液にビニレンカーボネート1%を溶解させたものを用いて行った。抵抗比率は放電時のIRドロップより算出した。
<空隙率−充電特性>
実施例2
活物質層の空隙率は、低すぎると電解液含有量が十分でなくなり、電気抵抗に大きく影響する。その最適な範囲を求めるため、本実施例を行った。
空隙率のみを2%、20%、40%及び50%に変更すること以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。
実施例2について、負極の構成を表2に示した。
ここで、低出力(低電流:0.1C)下での充電レート容量比を空隙率でプロットしたものを図5(a)に示した。但し、充電レート容量比とは、単極試験における一回の充放電について、そのときのCレートをcとし、(1/c)時間で充電された容量と全充電容をそれぞれA(Ah),B(Ah)としたときの、A/B×100(%)で表されるものを意味する。
図5(a)から、低出力の場合は、空隙率がどの値であっても、約70%以上の充電レート特性が維持されており、得られた負極が正常な特性を有することが分かる。
また、高出力(高電流:0.2C)下での充電レート容量比を空隙率でプロットしたものを図5(b)に示した。高出力とは、低出力の二倍の出力を意味する。
図5(b)から、空隙率が15%未満では充電レート容量比が急激に低下する傾向がある。これは空隙率が小さくなることで負極中の電解液含有量が少なくなり、リチウムイオンの移動がスムーズでなくなるためと考えられる。空隙率15%以上では十分な充電特性が得られていると発明者は考えている。よって、高出力で電池を動作させる場合、活物質層の空隙率は15%以上であることが好ましいことが分かる。
<安全性機構>
実施例3
実施例1と同様の方法で作製した負極と、高温時抵抗増大材料層を設けないこと以外は実施例1と同様の方法で作製した負極のそれぞれについて、常温(約25℃)における負極表面と集電体との間の抵抗値を測定した。次に、これらの負極を160℃に加熱し、その状態で上記と同様に抵抗値を測定した。
測定の結果、高温時抵抗増大材料層を設けない負極は、抵抗値に変化がなかった。これに対して、実施例1の負極は、160℃に加熱することで高温時抵抗増大材料層を構成する樹脂が溶解し、抵抗値が常温における抵抗値の3倍となった。
抵抗値は以下のようにして測定した。
抵抗値の測定では、1cm×2.5cmの長方形の外形を有し、かつその短辺に0.5cm×1cmの銅箔露出部位を有する負極を用いた。また、抵抗値は、負極表面と銅箔露出部位との間の距離が2cmとなる点を2箇所任意に選び、その2点間の抵抗値を測定することで得た。
高温時抵抗増大材料層を設けた負極を備えた電池では、異物混入により内部短絡が生じ発熱した際に、短絡部位の温度が樹脂材料の融点に達すると、その部分の高温時抵抗増大材料の電気抵抗が上昇する。これにより短絡による異常電流が抑制され、それ以上の発熱が起こらなくなる。すなわち、図1A〜Cに示したような安全性機構が発動することが分かる。
以上の実施例及び比較例により、高温時抵抗増大材料層を設けた負極を備えた電池は、多様な電池構造に対応可能であると共に、安全性が向上し、かつ電池特性を損なわないことが分かる。

Claims (7)

  1. 正極と、負極と、前記正極及び負極間にセパレータとを備え、正極及び負極の少なくとも一方が、高温時に電気抵抗が増大する材料を含む活物質層を備え、前記材料が前記活物質層の前記セパレータ側近傍に偏在することを特徴とした非水電解液二次電池。
  2. 前記材料が、セパレータ側から30%までの全厚に対する厚さの範囲内の活物質層中に、前記材料の全量の90重量%以上含まれる請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記材料が、導電性物質と、高温時に融解することで電気抵抗を増大させる樹脂とを含む請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 前記材料が、120℃以上160℃以下の高温時に融解する樹脂を含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の非水電解液二次電池。
  5. 前記材料が粒子状の樹脂を含み、前記活物質層が粒子状の活物質を含み、前記樹脂が、前記活物質の平均粒径の10%以上かつ50μm以下の平均粒径を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の非水電解液二次電池。
  6. 前記材料が、黒鉛、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、ニッケル及び金から選択される導電性物質と、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレンとプロピレンの共重合体から選択される高温時に融解する樹脂とを含む請求項1〜5のいずれか1つに記載の非水電解液二次電池。
  7. 前記活物質層が、15〜80%の範囲の空隙率を有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の非水電解液二次電池。
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