JP2007042525A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】出入力性能を高めることができ、かつ、高出入力を短時間でパルス的に繰り返す挙動に対しても長寿命なリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池20は、有底円筒状の電池容器7内に、帯状の正負極板がセパレータを介して捲回された電極群6が収容されている。正極板は、正極集電体両面の正極合剤層W2の厚さDpがDp≦100にプレス加工されている。正極合剤層W2の空隙率Ppが式Pp=Ap×Sp+Bp/Dp+KpでAp=10、Bp=500、Kp≦23の定数として設定されている。負極板は、負極集電体両面の負極合剤層W4の厚さDnがDn≦100にプレス加工されている。負極合剤層W4の空隙率Pnが式Pn=An×Sn+Bn/Dn+KnでAn=1.5、Bp=500、Kn≦23の定数として設定されている。正負極の空隙に適量の非水電解液が浸潤する。
【選択図】図1

Description

本発明はリチウムイオン電池に係り、特に、正極集電体の両面にリチウム遷移金属複酸化物を正極活物質とする正極活物質合剤が実質的に均等かつ均質に塗布された正極と、負極集電体の両面に炭素質物質を負極活物質とする負極活物質合剤が実質的に均等かつ均質に塗布された負極と、がセパレータを介して配置された電極群を電池容器内に非水電解液に浸潤させて収容したリチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池を代表するリチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度であるメリットを活かして、主にVTRカメラやノートパソコン、携帯電話等のポータブル機器用の電源に使用されている。また、自動車産業界においては環境問題に対応すべく、動力源を完全に電池のみとした排出ガスのない電気自動車や、内燃機関エンジン及び電池の両方を動力源とするハイブリッド(電気)自動車の開発が加速され、一部は既に実用化されている。
ハイブリッド自動車用電池には、車載を考慮して小型化・軽量化に伴う高エネルギー密度化が要求される。それと同時に、自動車の発進時・加速時などをモータ駆動でアシストするハイブリッド自動車においては、強力なアシスト力を必要とするため、電源に使用される電池の高出力化が必要となる。また、減速時にはモータを発電機として利用して、その電力を電池に回生充電するため、高入力特性も必要である。更に、自動車の使用環境を鑑みると、市街地等の走行では、発進・加速・減速・停止が頻繁に繰り返される。このため、ハイブリッド自動車用電池では、満充電状態と完全放電状態とを繰り返すような使われ方ではなく、充電量としては満充電状態の約半分程度の充電量を基準として、その上下2割程度(満充電状態の3割から7割程度充電した状態)で使用される頻度が高く、この領域で高出力と高入力とが短時間で頻繁に繰り返される。従って、ハイブリッド自動車用電池としては、高出入力特性に加え、この出力と入力とを短時間でパルス的に繰り返す挙動への追従性・耐久性に優れていることが重要である。
一般に、リチウムイオン電池では、正極と、負極とがセパレータを介して配置された電極群が電池容器内に非水電解液に浸潤させて収容されている。この電極群部分の抵抗は、概ね、正極、セパレータ、負極の厚さによって決まる電極間の距離に比例し、電極面積に反比例する。例えば、同一体積の電極群を作製しようとすると、電極を薄くすることで電極面積が増大するため、電極群部分の抵抗が小さくなる。また、電池寿命は、初期の電池容量と現在の電池容量との比較や現在の電池容量が装置を運転するために必要な容量の基準値を下回るか否かというような容量比較で判定されることが主流であるが、ハイブリッド自動車用電池では、この容量比較による寿命判定に加え、初期と現在との出入力比較や出入力基準値との比較による寿命判定が用いられる。このため、活物質の劣化等により電極群部分の抵抗が上昇すると、低負荷率の電流による充放電容量では寿命判定基準値を満足しても、高負荷率の電流による出入力では寿命判定基準値を満足しない(寿命と判定される)ことがある。
また、リチウムイオン電池の電極では、単一又は複数の種類の粉体で構成される多孔質体のため、電極表面のみならずその空隙に浸潤した非水電解液と活物質との界面でもリチウムイオンを授受することにより電極反応が生じる。このため、電極幅と電極長さとの積による電極面積もさることながら、空隙内に浸潤した非水電解液と接している表面積も合わせた全体の表面積が電極群部分の抵抗に影響する。空隙率と正極活物質合剤層の厚さとに一定の比例関係を持たせることで、リチウムイオン電池の出力及び寿命を高める技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−325949号公報
しかしながら、電極反応が非水電解液と活物質との界面で進行するため、リチウムイオン電池の電極群部分の抵抗には、リチウムイオンの授受に寄与する活物質の比表面積も大きく影響する。特許文献1の技術では、空隙率に正極活物質合剤層の厚さとの比例関係を持たせているものの、活物質の比表面積に対して非水電解液が不足し、活物質に接する非水電解液が偏在し電極反応が部分的に集中することがある。上述した特定の充電量の領域で高出入力が短時間で頻繁に繰り返されると、電極反応の集中した活物質の劣化等により電極群部分の抵抗が上昇して高負荷率の電流での出入力が低下するため、出入力による寿命判定基準値を満足しない、ということが起こる。従って、例えば、ハイブリッド自動車にリチウムイオン電池を搭載するためには、高出入力のみならず、高出入力をパルス的に繰り返す挙動に対する長寿命なリチウムイオン電池の実現が必要である。
本発明は、上記事案に鑑み、出入力性能を高めることができ、かつ、高出入力を短時間でパルス的に繰り返す挙動に対しても長寿命なリチウムイオン電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、正極集電体の両面にリチウム遷移金属複酸化物を正極活物質とする正極活物質合剤が実質的に均等かつ均質に塗布された正極と、負極集電体の両面に炭素質物質を負極活物質とする負極活物質合剤が実質的に均等かつ均質に塗布された負極と、がセパレータを介して配置された電極群を電池容器内に非水電解液に浸潤させて収容したリチウムイオン電池において、前記正極活物質の比表面積をSp(単位:m/g)、前記正極集電体両面の正極活物質合剤層の厚さをDp(単位:μm)、該正極活物質合剤層の空隙率をPp(単位:体積%)、前記正極活物質合剤の塗布重量をWp(単位:g/m)、該正極活物質合剤の比重をGpとしたときに、前記比表面積Sp≧0.7m/g、かつ、前記厚さDp≦100μmの範囲において、前記空隙率Ppを、定数Ap=10(単位:体積%・g/m)、定数Bp=500(単位:体積%・μm)、Kp={100・(Dp−Wp/Gp)−Bp}/Dp−Ap・Sp(単位:体積%)で求められる定数(Kp≦23)として、下記式(1)により設定したことを特徴とする。
Figure 2007042525
本発明では、式(1)に示すように、空隙率Ppに比表面積Spと一定の比例関係及び厚さDpと一定の反比例関係を持たせKpを所定範囲内の定数とすることで、空隙率Ppを比表面積Spと厚さDpとに応じて適正な値に設定することができ、正極活物質合剤層の空隙に適量の非水電解液が浸潤するため、リチウムイオン電池の出入力性能を高めることができると共に、高出入力を短時間でパルス的に繰り返す挙動に対しても電池寿命を高めることができる。
この場合において、正極活物質を層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複酸化物としてもよい。また、負極活物質の比表面積をSn(単位:m/g)、負極集電体両面の負極活物質合剤層の厚さをDn(単位:μm)、該負極活物質合剤層の空隙率をPn(単位:体積%)、負極活物質合剤の塗布重量をWn(単位:g/m)、該負極活物質合剤の比重をGnとしたときに、比表面積Sn≧5.0m/g、かつ、厚さDn≦100μmの範囲において、空隙率Pnを、定数An=1.5(単位:体積%・g/m)、定数Bn=500(単位:体積%・μm)、Kn={100・(Dn−Wn/Gn)−Bn}/Dn−An・Sn(単位:体積%)で求められる定数(Kn≦23)として、下記式(2)により設定するようにすれば、空隙率Pnを比表面積Snと厚さDnとに応じて適正な値に設定することができ、負極活物質合剤層の空隙に適量の非水電解液が浸潤するため、リチウムイオン電池の出入力性能を更に高めることができると共に、高出入力を短時間でパルス的に繰り返す挙動に対しても電池寿命を高めることができる。
Figure 2007042525
本発明によれば、式(1)に示すように、空隙率Ppに正極活物質の比表面積Spと一定の比例関係及び正極活物質合剤層の厚さDpと一定の反比例関係を持たせKpを所定範囲内の定数とすることで、空隙率Ppを比表面積Spと厚さDpとに応じて適正な値に設定することができ、正極活物質合剤層の空隙に適量の非水電解液が浸潤するため、リチウムイオン電池の出入力性能を高めることができると共に、高出入力を短時間でパルス的に繰り返す挙動に対しても電池寿命を高めることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明をハイブリッド自動車に搭載される円筒型リチウムイオン二次電池に適用した実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池20は、ニッケルメッキが施されたスチール製で有底円筒状の電池容器7及び帯状の正負極板がセパレータを介して断面渦巻状に捲回された電極群6を有している。
電極群6の捲回中心には、ポリプロピレン樹脂製で中空円筒状の軸芯1が使用されている。電極群6の上側には、軸芯1のほぼ延長線上に正極板からの電位を集電するための円環状導体の正極集電リング4が配置されている。正極集電リング4は、軸芯1の上端部に固定されている。正極集電リング4の周囲から一体に張り出している鍔部周縁には、正極板から導出された正極リード片2の端部が超音波溶接で接合されている。正極集電リング4の上方には、安全弁を内蔵し正極外部端子となる円盤状の電池蓋11が配置されている。正極集電リング4の上部は、導体リードを介して電池蓋11に溶接で接合されている。
一方、電極群6の下側には負極板からの電位を集電するための円環状導体の負極集電リング5が配置されている。負極集電リング5の内周面には軸芯1の下端部外周面が固定されている。負極集電リング5の外周縁には、負極板から導出された負極リード片3の端部が溶接で接合されている。負極集電リング5の下部は、導体リードを介して電池容器7の内底部に溶接で接合されている。電池容器7の寸法は、本例では、外径40mm、内径39mmに設定されている。
電池蓋は、絶縁性及び耐熱性のEPDM樹脂製ガスケット10を介して電池容器7の上部にカシメ固定されている。このため、リチウムイオン二次電池20の内部は密封されている。また、電池容器7内には、非水電解液が注液されている。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比1:1:1の混合溶媒中にリチウム塩として6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解したものが用いられている。なお、リチウムイオン二次電池20は、所定電圧及び電流で初充電を行うことで、電池としての機能が付与される。
電極群6は、正極板と負極板とが、これら両極板が直接接触しないように厚さ30μmでリチウムイオンが通過可能なポリエチレン製セパレータW5を介し、軸芯1の周囲に捲回されている。正極リード片2と負極リード片3とは、それぞれ電極群6の互いに反対側の両端面に配置されている。電極群6の直径は、正極板、負極板、セパレータW5の長さを調整することで、38±0.5mmに設定されている。電極群6及び正極集電リング4の鍔部周面全周には、電極群6と電池容器7との電気的接触を防止するために絶縁被覆が施されている。絶縁被覆には、ポリイミド製の基材の片面にヘキサメタアクリレートの粘着剤が塗布された粘着テープが用いられている。粘着テープは鍔部周面から電極群6外周面に亘って一重以上巻かれている。電極群6の最大径部が絶縁被覆存在部となるように巻き数が調整され、該最大径が電池容器7の内径より僅かに小さく設定されている。
電極群6を構成する正極板は、正極集電体として厚さ20μmのアルミニウム箔W1を有している。アルミニウム箔W1の両面には、正極活物質としてリチウム遷移金属複酸化物を含む正極合剤(正極活物質合剤)が実質的に均等かつ均質に塗着されている。すなわち、塗着された正極合剤層W2の厚さがほぼ一様であり、かつ、正極合剤層W2内では正極合剤がほぼ一様に分散されている(負極板についても同じ)。リチウム遷移金属複酸化物には、比表面積Sp(単位:m/g)がSp≧0.7m/gの範囲の層状結晶構造を有するマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末、スピネル結晶構造を有するマンガン酸リチウム粉末のいずれかが用いられている。正極合剤には、例えば、リチウム遷移金属複酸化物の100重量部に対して、導電材として鱗片状黒鉛の8重量部及びアセチレンブラックの2重量部と、バインダ(結着材)としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する。)の5重量部が配合されている。アルミニウム箔W1に正極合剤を塗着するときには、分散溶媒のN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する。)が用いられる。アルミニウム箔W1の長寸方向一側の側縁には、幅30mmの正極合剤の未塗着部が形成されている。未塗着部は櫛状に切り欠かれており、切り欠き残部で正極リード片2が形成されている。隣り合う正極リード片2の間隔が20mm、正極リード片2の幅が5mmに設定されている。
正極板は、乾燥後、正極集電体両面の(正極集電体の厚さを含まない)正極合剤層W2の厚さDp(単位:μm)がDp≦100μmの範囲となるようにプレス加工され、幅80mmに裁断されている。プレス加工時には、正極合剤層W2の空隙率Pp(単位:体積%)は、比表面積Spから体積%の値を求めるための定数Ap=10(単位:体積%・g/m)、厚さDpから体積%の値を求めるための定数Bp=500(単位:体積%・μm)とし、Kp(単位:体積%)が正極合剤の塗布重量Wp(単位:g/m)、該正極合剤の比重GpからKp={100・(Dp−Wp/Gp)−Bp}/Dp−Ap・Sp≦23体積%で求められる定数として、下記式(1)により設定されている。プレス加工時の圧力を変えることで、正極合剤層W2のかさ密度を変えることができ、空隙率Ppを変えることができる。なお、正極合剤はNMPに分散させたスラリ状でアルミニウム箔W1に塗布されるため、塗布時の厚さバラツキや乾燥ムラが生じることから、厳密には均等かつ均質とまではいえないが、正極板として使用するには支障となるものではなく実質的に均等かつ均質である(負極合剤についても同じ)。
Figure 2007042525
一方、負極板は、負極集電体として厚さ10μmの圧延銅箔W3を有している。圧延銅箔W3の両面には、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵、放出可能な非晶質炭素粉末を含む負極合剤(負極活物質合剤)が実質的に均等かつ均質に塗着されている。負極活物質には、比表面積Sn(単位:m/g)がSn≧5.0m/gの範囲の非晶質炭素粉末が用いられている。負極合剤には、例えば、非晶質炭素粉末の90重量部に対して、バインダとしてPVDFの10重量部が配合されている。圧延銅箔に負極合剤を塗着するときには、分散溶媒のNMPが用いられる。圧延銅箔W3の長寸方向一側の側縁には、正極板と同様に幅30mmの負極合剤の未塗着部が形成されており、負極リード片3が形成されている。隣り合う負極リード片3の間隔が20mm、負極リード片3の幅が5mmに設定されている。
負極板は、乾燥後、負極集電体両面の(負極集電体の厚さを含まない)負極合剤層W4の厚さDn(単位:μm、)がDn≦100μmの範囲となるようにプレス加工され、幅86mmに裁断されている。プレス加工時には、負極合剤層W4の空隙率Pn(単位:体積%)は、比表面積Snから体積%の値を求めるための定数An=1.5(単位:体積%・g/m)、厚さDnから体積%の値を求めるための定数Bn=500(単位:体積%・μm)とし、Kn(単位:体積%)が負極合剤の塗布重量Wn(単位:g/m)、該負極合剤の比重GnからKn={100・(Dn−Wn/Gn)−Bn}/Dn−An・Sn≦23体積%で求められる定数として、下記式(2)により設定されている。正極板と同様に、プレス加工時の圧力を変えることで、負極合剤層W4のかさ密度を変えることができ、空隙率Pnを変えることができる。なお、負極板の長さは、正極板及び負極板を捲回したときに、捲回最内周及び最外周で捲回方向に正極板が負極板からはみ出すことがないように、正極板の長さより120mm長く設定されている。また、負極合剤塗布部の幅は、捲回方向と垂直方向において正極合剤塗布部が負極合剤塗布部からはみ出すことがないように、正極合剤塗布部の幅より6mm長く設定されている。
Figure 2007042525
次に、本実施形態に従い作製した円筒型リチウムイオン二次電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例の円筒型リチウムイオン二次電池についても併記する。
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層(正極合剤塗布部)W2の厚さ(正極集電体の厚さは含まない。)Dpを75μm、空隙率Ppを33.0体積%(以下、単に%と記す。)とした正極板を作製した。この場合、式(1)のKpの値は15.3体積%(以下、単に%と記す。)となる。ここで空隙率Ppは、正極合剤層W2の厚さDpと、塗布重量Wp及び正極合剤の構成材料の比重(真密度)とから計算される値を用いた。各構成材料の比重は、例えば、ピクノメータを用いて測定することができる(負極板についても同じ)。なお、本実施例並びに以下の実施例及び比較例の電池を構成する電極において、各構成材料の比重は、マンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末5.0、マンガン酸リチウム4.28、導電剤の黒鉛2.23、導電剤のアセチレンブラック1.31、PVDF1.77、非晶質炭素1.52である。
また、下表2に示すように、負極活物質に比表面積Snを3.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層(負極合剤塗布部)W4の厚さ(負極集電体の厚さは含まない。)Dnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、式(2)のKnの値は22.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例1の電池とした。
Figure 2007042525
Figure 2007042525
(実施例2)
表1、表2に示すように、実施例2では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は15.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを120μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は19.3%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例2の電池とした。
(実施例3)
表1、表2に示すように、実施例3では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は15.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを5.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm、空隙率Pnを38.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は25.5%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例3の電池とした。
(実施例4)
表1、表2に示すように、実施例4では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを50μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は18.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを50μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は13.5%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例4の電池とした。
(実施例5)
表1、表2に示すように、実施例5では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は21.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は16.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例5の電池とした。
(実施例6)
表1、表2に示すように、実施例6では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを100μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は23.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は18.5%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例6の電池とした。
(実施例7)
表1、表2に示すように、実施例7では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は17.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は16.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例7の電池とした。
(実施例8)
表1、表2に示すように、実施例8では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.3m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は15.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は16.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例8の電池とした。
(実施例9)
表1、表2に示すように、実施例9では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを50μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は12.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを50μm、空隙率Pnを35.5%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は15.0%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例9の電池とした。
(実施例10)
表1、表2に示すように、実施例10では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを50μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は12.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを75μm、空隙率Pnを35.5%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は18.3%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例10の電池とした。
(実施例11)
表1、表2に示すように、実施例11では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを50μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は12.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm、空隙率Pnを35.5%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は20.0%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例11の電池とした。
(実施例12)
表1、表2に示すように、実施例12では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを100μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は23.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを5.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm、空隙率Pnを35.5%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は23.0%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例12の電池とした。
(実施例13)
表1、表2に示すように、実施例13では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを100μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は23.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを9.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm、空隙率Pnを35.5%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は17.0%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例13の電池とした。
(実施例14)
表1、表2に示すように、実施例14では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は15.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを3.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを75μm、空隙率Pnを33.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は21.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例14の電池とした。
(実施例15)
表1、表2に示すように、実施例15では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は15.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを120μm、空隙率Pnを33.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は18.3%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例15の電池とした。
(実施例16)
表1、表2に示すように、実施例16では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は15.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを5.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm、空隙率Pnを37.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は24.5%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例16の電池とした。
(実施例17)
表1、表2に示すように、実施例17では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを50μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は18.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを50μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は13.5%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例17の電池とした。
(実施例18)
表1、表2に示すように、実施例18では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は21.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は16.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例18の電池とした。
(実施例19)
表1、表2に示すように、実施例19では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを100μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は23.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は18.5%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例19の電池とした。
(実施例20)
表1、表2に示すように、実施例20では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は17.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は16.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例20の電池とした。
(実施例21)
表1、表2に示すように、実施例21では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.3m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は15.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は16.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例21の電池とした。
(実施例22)
表1、表2に示すように、実施例22では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は15.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを50μm、空隙率Pnを35.5%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は15.0%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例22の電池とした。
(実施例23)
表1、表2に示すように、実施例23では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は15.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを75μm、空隙率Pnを35.5%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は18.3%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例23の電池とした。
(実施例24)
表1、表2に示すように、実施例24では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを1.1m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを75μm、空隙率Ppを33.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は15.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm、空隙率Pnを35.5%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は20.0%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例24の電池とした。
(実施例25)
表1、表2に示すように、実施例25では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを100μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は23.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを5.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm、空隙率Pnを35.5%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は23.0%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例25の電池とした。
(実施例26)
表1、表2に示すように、実施例26では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層W2の厚さDpを100μm、空隙率Ppを35.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は23.0%となる。また、負極活物質に比表面積Snを9.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm、空隙率Pnを35.5%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は17.0%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池20を作製し、実施例26の電池とした。
(比較例1)
表1、表2に示すように、比較例1では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.3m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さ(集電体厚さは含まない。)Dpを75μm、空隙率Ppを27.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は17.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを3.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さ(集電体厚さは含まない。)Dnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は22.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例1の電池とした。
(比較例2)
表1、表2に示すように、比較例2では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.3m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さDpを75μm、空隙率Ppを27.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は17.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は16.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例2の電池とした。
(比較例3)
表1、表2に示すように、比較例3では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さDpを150μm、空隙率Ppを27.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は16.7%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さDnを150μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は20.2%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例3の電池とした。
(比較例4)
表1、表2に示すように、比較例4では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さDpを75μm、空隙率Ppを40.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は26.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを5.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さDnを75μm、空隙率Pnを40.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は25.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例4の電池とした。
(比較例5)
表1、表2に示すように、比較例5では、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガンニッケルコバルト複酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さDpを75μm、空隙率Ppを40.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は26.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを5.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は19.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例5の電池とした。
(比較例6)
表1、表2に示すように、比較例6では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.3m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さDpを75μm、空隙率Ppを27.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は17.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを3.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は22.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例6の電池とした。
(比較例7)
表1、表2に示すように、比較例7では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.3m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さDpを75μm、空隙率Ppを27.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は17.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は16.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例7の電池とした。
(比較例8)
表1、表2に示すように、比較例8では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さDpを150μm、空隙率Ppを27.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は16.7%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さDnを120μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は19.3%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例8の電池とした。
(比較例9)
表1、表2に示すように、比較例9では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さDpを150μm、空隙率Ppを27.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は16.7%となる。また、負極活物質に比表面積Snを7.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さDnを100μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は18.5%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例9の電池とした。
(比較例10)
表1、表2に示すように、比較例10では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さDpを75μm、空隙率Ppを40.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は26.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを5.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さDnを75μm、空隙率Pnを40.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は25.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例10の電池とした。
(比較例11)
表1、表2に示すように、比較例11では、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であり、比表面積Spを0.7m/gとしたマンガン酸リチウム粉末を用い、正極合剤層の厚さDpを75μm、空隙率Ppを40.0%とした正極板を作製した。この場合、Kpの値は26.3%となる。また、負極活物質に比表面積Snを5.0m/gとした非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層の厚さDnを75μm、空隙率Pnを34.0%とした負極板を作製した。この場合、Knの値は19.8%となる。正極板及び負極板を組み合わせてリチウムイオン二次電池を作製し、比較例11の電池とした。
<試験・評価>
次に、以上のように作製した実施例及び比較例の各電池について、室温で充電した後放電し、放電容量を測定した。充電条件は、4.1V定電圧、制限電流5A、4時間とした。放電条件は、1A定電流、終止電圧2.7Vとした。
その後、得られた放電容量を基準に、放電容量の半分の容量まで充電した状態(SOC50%)の各電池を、1C、3C、5C、10Cの各電流値で各10秒間連続放電した。横軸電流値に対して、各10秒目の電圧を縦軸にプロットし、4点を直線近似した直線が、終止電圧である2.7Vと交差する点の電流値を読み取り、この電流値と2.7Vとの積を求めて電池の出力とした。求めた出力を電池重量で除して、初期における各電池の単位重量当りの出力密度(単位:W/g)を算出した。
更にその後、実施例及び比較例の各電池について、上述した充電条件で放電容量の65%まで充電した状態(SOC65%)とし、各電池を40±2°Cの雰囲気下で以下の条件により高出力と高入力とを短時間でパルス的に繰り返した。高出力(放電)条件として、放電容量の65%まで充電した状態(SOC65%)から、制限電流10Cで108秒間(放電容量の30%分)放電して、放電容量の35%まで充電した状態(SOC35%)にし、1分間放置する。次に、高入力(充電)条件として、高出力(放電)した状態である放電容量の35%まで充電した状態(SOC35%)から、制限電流10Cで108秒間(放電容量の30%分)充電して、放電容量の65%まで充電した状態(SOC65%)にし、1分間放置する。この高出力と高入力の充放電を1万サイクル繰り返して、1万サイクル目の出力密度を初期の出力密度と同様にして求め、初期の出力密度に対する1万サイクル目の出力密度の百分率を出力維持率として算出した。下表3にこれら一連の試験の試験結果を示す。
Figure 2007042525
表3に示すように、すべての実施例の電池では、Kpの値を23%以下の範囲として式(1)で空隙率Ppを設定したことで、出力密度は初期で2266W/kg以上、1万サイクル後で1875W/kg以上、出力維持率は82.1%以上の優れた結果が得られている。これに対して、比較例1、2、6、7の各電池のように正極活物質の比表面積Spが0.7m/gを下回ると、たとえKpの値が23%以下の範囲に入ったとしても、出力密度、出力維持率で表された寿命を高める効果はいずれも得られなかった。また、比較例3、8、9の各電池のように正極合剤層W2の厚さDpが100μmを超えると、たとえKpの値が23%以下の範囲に入ったとしても、出力密度、寿命を高める効果は得られなかった。逆に、比較例4、5、10、11の各電池のように、Kpの値が23%を上回っても、出力密度、寿命を高める効果は得られなかった。
また、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物を使用した実施例1〜13において、とりわけ中でも、実施例4〜13の電池では、負極活物質に比表面積Snを5.0m/g以下の非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm以下とし、Knの値を23%以下の範囲として式(2)で空隙率Pnを設定したので、出力密度及び出力維持率で表された寿命を更に高める効果が得られている。ところが、実施例1の電池のように負極活物質の比表面積Snが5.0m/gを下回ると、たとえKnの値が23%以下の範囲に入ったとしても、実施例4〜13の電池に比べて出力密度及び出力維持率への効果がそれほど大きくなかった。また、実施例2の電池のように負極合剤層W4の厚さDnが100μmを超えると、たとえKnの値が23%以下の範囲に入ったとしても、実施例4〜13の電池に比べ出力密度及び出力維持率への効果がそれほど大きくなかった。また、逆に、実施例3の電池のように、Knの値が23%を上回っても、実施例4〜13の電池に比べ出力密度及び出力維持率への効果がそれほど大きくなかった。
更に、正極活物質にスピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物を使用した実施例14〜26において、とりわけ中でも、実施例17〜26の電池では、負極活物質に比表面積Snを5.0m/g以下の非晶質炭素粉末を用い、負極合剤層W4の厚さDnを100μm以下とし、Knの値を23%以下の範囲としたので、出力密度及び出力維持率で表された寿命を更に高める効果が得られている。ところが、実施例14の電池のように負極活物質の比表面積Snが5.0m/gを下回ると、たとえKnの値が23%以下の範囲に入ったとしても、実施例4〜13の電池に比べ出力密度及び出力維持率への効果がそれほど大きくなかった。また、実施例15の電池のように負極合剤層W4の厚さDnが100μmを超えると、たとえKnの値が23%以下の範囲に入ったとしても、実施例4〜13の電池に比べ出力密度及び出力維持率への効果がそれほど大きくなかった。また、逆に、実施例16の電池のように、Knの値が23%を上回っても、実施例4〜13の電池に比べ出力密度及び出力維持率への効果がそれほど大きくなかった。
また更に、実施例4〜6の電池と実施例17〜19の電池を比較すると、正極活物質の比表面積Sp、正極合剤層W2の厚さDp、Kpの値、負極活物質の比表面積Sn、負極合剤層W4の厚さDn、Knの値がそれぞれ同じ場合には、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物を使用した実施例4〜6の電池の方が、スピネル構造を有するリチウム遷移金属複酸化物を使用した実施例17〜19の電池より高出力であり、出力維持率で表した寿命を高める効果も大きかった。
以上の評価結果から、リチウムイオン二次電池20の高出力化及び長寿命化を図るためには、上述した式(1)で、正極活物質の比表面積SpがSp≧0.7m/g、かつ、正極合剤層W2の厚さDpがDp≦100μmの範囲において、Kp≦23%の定数として空隙率Ppを設定することが好ましく、上述した式(2)で、負極活物質の比表面積SnがSn≧5.0m/g、かつ、負極合剤層W4の厚さDnがDn≦100μmの範囲において、Kn≦23%の定数として空隙率Pnを設定することが更に好ましいことが判った。また、リチウムイオン二次電池20の高出力化及び長寿命化の効果を更に高めるためには、正極活物質に層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物を用いることが好ましいことが判った。
次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池20の作用等について説明する。
一般に、物質の電気抵抗R(Ω)は下記式(3)のように体積固有抵抗ρ(Ω・cm)と通電部距離L(cm)に比例し、通電部断面積S(cm)に反比例する。
Figure 2007042525
式(3)の関係は、リチウムイオン二次電池の電極群構造にも同様に反映され、リチウムイオン二次電池の電極群部分の抵抗は、概ね、正極板・セパレータ・負極板の厚さによって決まる電極間距離に比例し、電極面積に反比例する。このため、捲回式電極群を想定した場合、セパレータの厚さと幅、及び、正負極板の幅を変えずに同一体積の電極群を作製すると、正負極板の厚さを薄くすることで捲回ターン数が多くなり、正負極板が長くなる。この結果、電極面積が増大するため、電極群部分の抵抗は小さくなる。よって、正負極板の厚さは、電極群部分の抵抗に大きく影響し、電池の高出力化にとって非常に重要な要因である。また、電極群部分の抵抗には、正負極板の厚さ、電極面積のほかに正負極の活物質の比表面積や合剤層の空隙率も大きく影響する。すなわち、正負極合剤層がそれぞれ単一又は複数の種類の粉体で構成される多孔質体のため、正負極板の表面のみならず正負極合剤層の空隙に浸潤した非水電解液と活物質との界面でもリチウムイオンを授受することにより電極反応が進行する。このため、正負極板の幅と長さの積による電極面積もさることながら、空隙内の非水電解液と接している表面積も合わせた全体の表面積、リチウムイオンの授受に寄与する活物質の比表面積も電極群部分の抵抗に影響する。
また、正負極の活物質の比表面積及び合剤層の空隙率は、高出力と高入力とを短時間にパルス的に繰り返す挙動に対する電池寿命にも影響する。高出入力を短時間にパルス的に繰り返す挙動では、非水電解液と活物質との界面でリチウムイオンの授受が大量に短時間で行われる必要があるため、活物質の比表面積の大小と、空隙内の表面積も合わせた全体の表面積の大小とが高出入力の追従性に大きく影響する。更に、電池寿命は、一般に、初期の電池容量と現在の電池容量との比率による比較や現在の電池容量が装置を運転するために必要な容量の基準値を下回るか否かというような容量比較で判定されることが主流であるが、ハイブリッド自動車用電池では、この容量比較による寿命判定に加え、現在の出入力を初期の出入力や出入力基準値と比較する出入力比較による寿命判定が用いられる。このため、活物質の劣化等で電池抵抗が上昇すると、低負荷率の電流による充放電容量は寿命判定基準値を満足していても、高負荷率の電流による出入力が寿命判定基準値を満足しないということが起こる。よって、電池の出入力の支配因子である電池抵抗は電池寿命に大きく影響し、電池抵抗の因子である活物質の比表面積、電極の厚さや合剤層の空隙率が電池寿命に大きく影響する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、式(1)に示すように、正極合剤層W2の空隙率Ppに、正極活物質の比表面積Spと一定の比例関係、及び、正極合剤層W2の厚さDpと一定の反比例関係を持たせ、KpをKp≦23の範囲の定数とすることで、空隙率Ppを比表面積Spと厚さDpとに応じて適正な値に設定することができる。このため、正極合剤層W2の空隙には正極活物質との電極反応を促進する適量の非水電解液が浸潤する。これにより、空隙に浸潤した非水電解液と正極活物質との界面で電極反応が円滑に進行するので、リチウムイオン二次電池20の出入力性能を高めることができる。また、正極活物質の比表面積Spに応じて設定した空隙に非水電解液が浸潤するため、正極活物質の表面のほぼ全体で電極反応が進行する。これにより、高出入力を短時間でパルス的に繰り返しても電極反応の部分的な集中が抑制されるので、正極活物質の劣化が抑制され電池寿命を高めることができる。この空隙率Ppは、塗布重量Wp、正極合剤構成材料の比重、厚さDpから計算上求めることができるが、電池の出入力性能、電池寿命を高めるためには、比表面積Spも考慮しなければならない。従って、予め定数Kpを定めることで、式(1)により適正な空隙率Ppを一律に設定することができる(負極合剤層W4の空隙率Pnについても同じ。)。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、式(2)に示すように、負極合剤層W4の空隙率Pnに、負極活物質の比表面積Snと一定の比例関係、及び、負極合剤層W4の厚さDnと一定の反比例関係を持たせ、KnをKn≦23の範囲の定数とすることで、負極合剤層W4においても正極合剤層W2と同様に、適正な空隙率Pnを設定することができる。このため、負極合剤層W4の空隙にも適量の非水電解液が浸潤する。これにより、負極板での電極反応が円滑に進行するので、リチウムイオン二次電池20の出入力性能を更に高めることができる。また、負極活物質に対する部分的な電極反応の集中が抑制されるので、負極活物質の劣化が抑制され電池寿命を高めることができる。従って、本実施形態のリチウムイオン二次電池20は、高出入力でありながら長寿命であるので、特にハイブリッド(電気)自動車用の電源に適している。
更に、本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、正極活物質にリチウム遷移金属複酸化物が用いられている。リチウム遷移金属複酸化物はリチウムイオンの吸蔵、放出性に優れるため、高出入力化を図ることができる。特に、層状構造のリチウム遷移金属複酸化物を用いることで、結晶構造内でリチウムイオンが二次元的に移動可能なため、三次元的に移動するスピネル構造と比較して、リチウムイオンの吸蔵、放出が円滑に進行し出入力性能を高めることができる。
なお、本実施形態では、正極活物質にマンガンニッケルコバルト複酸リチウム及びマンガン酸リチウムを例示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料であり、予め十分な量のリチウムを挿入したリチウム遷移金属複酸化物を使用することができる。また、リチウム遷移金属複酸化物の結晶構造についても、特に制限されるものではなく、層状構造、スピネル構造、オリビン構造等であってもよい。出入力性能、電池寿命の更なる向上を図るためには、層状構造を有するリチウム遷移金属複酸化物を用いることが好ましい。リチウム遷移金属複酸化物としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムを挙げることができ、また、結晶中の主元素遷移金属のコバルト、ニッケル、マンガンの一部やリチウムの一部を一種又は複数種の他の遷移金属元素で置換又はドープしたリチウム遷移金属複酸化物、例えば、コバルトニッケル複酸リチウム、コバルト鉄複酸リチウム、ニッケルコバルト複酸リチウム、ニッケルマンガン複酸リチウム、ニッケルコバルトアルミニウム複酸リチウム、ニッケルコバルトクロム複酸リチウム、マンガンニッケルコバルト複酸リチウム等を用いることもできる。
また、本実施形態では、負極活物質に非晶質炭素を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リチウムイオン電池に通常用いられる炭素質物質を用いることができる。本実施形態以外の負極活物質としては、例えば、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークス等を挙げることができ、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
更に、本実施形態では、非水電解液にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:1:1の混合溶媒中へ6フッ化リン酸リチウムを1モル/リットル溶解したものを例示したが、本発明は特に制限はなく、リチウムイオン電池に通常用いられているいずれのものも使用可能である。本実施形態以外の非水電解液としては、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した非水電解液を使用することができ、リチウム塩や有機溶媒にも特に制限されない。例えば、電解質としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等やこれらの混合物を用いることができる。また、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等又はこれらの2種以上の混合溶媒を用いることができ、更に、混合配合比についても限定されるものではない。
また更に、本実施形態では、結着材にPVDFを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体及びこれらの混合体等を用いてもよい。
更にまた、本実施形態では、絶縁被覆に、ポリイミド製の基材の片面にヘキサメタアクリレートの粘着剤を塗布した粘着テープを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、基材がポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン製で、その片面又は両面にヘキサメタアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル系粘着剤を塗布した粘着テープや、粘着剤を塗布しないポリオレフィン製やポリイミド製のテープ等を好適に使用することができる。
また、本実施形態では、ハイブリッド自動車の電源に用いられる大形のリチウムイオン二次電池を例示したが、本発明は電池の用途や大きさ、電池容量には特に制限されないことはいうまでもない。更に、電池構造にも制限されるものではなく、有底円筒状の電池容器(缶)に電池上蓋がカシメによって封口されている構造のリチウムイオン二次電池以外にも本発明を適用することができる。更に、円筒型電池に限らず、例えば電極群を角形に捲回した角形リチウムイオン二次電池にも適用可能である。
本発明は出入力性能を高めることができ、かつ、高出入力を短時間でパルス的に繰り返す挙動に対しても長寿命なリチウムイオン電池を提供するため、リチウムイオン電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池の断面図である。
符号の説明
W1 アルミニウム箔(正極集電体)
W2 正極合剤層(正極活物質合剤層)
W3 圧延銅箔(負極集電体)
W4 負極合剤層
W5 セパレータ
6 電極群
20 円筒型リチウムイオン二次電池(リチウムイオン電池)

Claims (3)

  1. 正極集電体の両面にリチウム遷移金属複酸化物を正極活物質とする正極活物質合剤が実質的に均等かつ均質に塗布された正極と、負極集電体の両面に炭素質物質を負極活物質とする負極活物質合剤が実質的に均等かつ均質に塗布された負極と、がセパレータを介して配置された電極群を電池容器内に非水電解液に浸潤させて収容したリチウムイオン電池において、前記正極活物質の比表面積をSp(単位:m/g)、前記正極集電体両面の正極活物質合剤層の厚さをDp(単位:μm)、該正極活物質合剤層の空隙率をPp(単位:体積%)、前記正極活物質合剤の塗布重量をWp(単位:g/m)、該正極活物質合剤の比重をGpとしたときに、前記比表面積Sp≧0.7m/g、かつ、前記厚さDp≦100μmの範囲において、前記空隙率Ppを、定数Ap=10(単位:体積%・g/m)、定数Bp=500(単位:体積%・μm)、Kp={100・(Dp−Wp/Gp)−Bp}/Dp−Ap・Sp(単位:体積%)で求められる定数(Kp≦23)として、下記式(1)により設定したことを特徴とするリチウムイオン電池。
    Figure 2007042525
  2. 前記正極活物質は、層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  3. 前記負極活物質の比表面積をSn(単位:m/g)、前記負極集電体両面の負極活物質合剤層の厚さをDn(単位:μm)、該負極活物質合剤層の空隙率をPn(単位:体積%)、前記負極活物質合剤の塗布重量をWn(単位:g/m)、該負極活物質合剤の比重をGnとしたときに、前記比表面積Sn≧5.0m/g、かつ、前記厚さDn≦100μmの範囲において、前記空隙率Pnを、定数An=1.5(単位:体積%・g/m)、定数Bn=500(単位:体積%・μm)、Kn={100・(Dn−Wn/Gn)−Bn}/Dn−An・Sn(単位:体積%)で求められる定数(Kn≦23)として、下記式(2)により設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン電池。
    Figure 2007042525
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