JP2005100955A - 捲回式リチウムイオン電池 - Google Patents

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昇次 平畑
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Abstract

【課題】負極板への非水電解液のぬれ性を改善して充放電効率や充放電サイクル特性の向上が可能な捲回式リチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】正極活物質にマンガン酸リチウムを用いた正極板P及び負極活物質に黒鉛粉末を用いた負極板Nを、正極板Pの内側にセパレータS1を介し、負極板Nの内側にセパレータS2を介して捲回し捲回群を作製した。このとき用いたセパレータS1、S2は、セパレータS1の空隙率をV1、厚さをT1とし、セパレータS2の空隙率をV2、厚さをT2としたときに、V1<V2かつT1≦T2、又は、V1=V2かつT1<T2とした。セパレータS2に保持される非水電解液量がセパレータS1に保持される非水電解液量より増大する。
【選択図】図1

Description

本発明は捲回式リチウムイオン電池に係り、特に、リチウム遷移金属複酸化物を正極活物質に用いた正極板と、黒鉛を負極活物質に用いた負極板とを捲回した電極捲回群を備えた捲回式リチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池は高エネルギー密度であるメリットを活かして、主にVTRカメラやノート型パソコン、携帯電話などのポータブル機器に使用されている。近年では、電気自動車用や電力貯蔵用を目的とする大形のリチウムイオン電池の研究開発が活発に行われている。特に、自動車産業界においては環境問題に対応すべく、動力源としてモータを用いる方式の電気自動車や、内燃機関とモータの両方を用いるハイブリッド方式の電気自動車の開発が進められており、その一部はすでに実用化されている。
また、リチウムイオン電池はその形状で円筒形と角形とに分類されるが、電気自動車用電源としては現時点で円筒形のものが多く用いられている。一般的な円筒型リチウムイオン電池の内部は、正極板及び負極板が共に活物質を金属箔の両面に塗着した帯状とされ、セパレータを挟んでこれら両電極が直接接触しないように断面が渦巻状に捲回され、電極捲回群が形成された捲回式の構造とされている。そして、電極捲回群が円筒状の電池缶内に収容され、非水電解液注液後、封口されている。
一般にリチウムイオン電池の負極活物質には、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛系材料や非晶質炭素材料等の炭素材が用いられている。一方、正極活物質にはリチウム遷移金属酸化物が用いられており、中でも資源が豊富なマンガン酸リチウム等のリチウムマンガン複酸化物が有望視され、開発が進められている。
電気自動車の動力源に使用される大型のリチウムイオン電池には、高容量、高出力が強く要求されると共に、電気自動車の長期の使用に適合する長寿命特性も望まれている。ところが、電気自動車用の大型電池では、大電流の充放電に伴う急激な電子の流れにリチウムイオンの移動が追従しないので、セパレータや電極内に濃度勾配を生じて極端に出力が低下する。これを解決するために、正負極を離隔する2枚のセパレータの空隙率を正極合剤及び負極合剤の空隙率より大きいか同じとする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、リチウムイオン電池内の空間体積に対する遊離電解液体積の割合を適正範囲とすることで、電池特性の低下を抑制する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−223029号公報(段落番号「0008」) 特開2001−185223号公報(段落番号「0008」)
しかしながら、有機(非水)電解液の電極に対するぬれ性(浸透性)は、炭素材を用いた負極板に比べ金属酸化物を用いた正極板の方が優れているため、上述した特許文献1の技術では、非水電解液の負極板に対するぬれ性が十分とは云えない。特に、正負極板の両面は、製造コスト上均質な状態に作製することが一般的であるが、正負極板を捲回した電極捲回群では、負極板曲面の内側(捲回中心側)の空隙が圧縮されるので、曲面の外側に比べ空隙量が減少し非水電解液量が不足する。このため、負極板の内側への非水電解液のぬれ性が低下すると共に、充電に伴う負極板の膨張時に負極板から押し出された非水電解液が放電時に再吸収されにくくなる。この現象は負極活物質として黒鉛を用いた場合に、より顕著に現れる。
また、正極板に非水電解液が十分に浸透しても、負極板への非水電解液のぬれ性が悪く浸透が不十分な状態では、負極板の電流密度が増大し、特に充電時には負極板表面にリチウムが析出するため、充放電効率や充放電サイクル特性の低下を招く。更に、電気自動車の電源として用いられるような大型の電池においては、正負極の面積も大型化されるので、非水電解液の正負極へのぬれ性の問題はより一層深刻なものとなる。
上記事案に鑑み本発明は、負極板への非水電解液のぬれ性を改善して充放電効率や充放電サイクル特性の向上が可能な捲回式リチウムイオン電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、リチウム遷移金属複酸化物を正極活物質に用いた正極板と、黒鉛を負極活物質に用いた負極板とを捲回した電極捲回群を備えた捲回式リチウムイオン電池において、前記電極捲回群は前記正極板の曲面の内側に第1のセパレータが介在し、前記負極板の曲面の内側に第2のセパレータが介在しており、前記第1のセパレータの空隙率をV1、厚さをT1とし、前記第2のセパレータの空隙率をV2、厚さをT2としたときに、V2>V1かつT2≧T1、又は、V2=V1かつT2>T1の関係を有することを特徴とする。
本発明によれば、第1、第2のセパレータの空隙率及び厚さがV2>V1かつT2≧T1、又は、V2=V1かつT2>T1の関係を有するため、空隙率や厚さを大きくすると非水電解液を保持する空隙量が増大することから、第2のセパレータに保持される非水電解液量が第1のセパレータより増大するので、負極板のぬれ性を改善し充放電効率を向上させることができると共に、充放電サイクル時の負極板の膨張、収縮により負極板に浸透していた非水電解液が押し出されても再び負極板に吸収されるので、充放電サイクル特性を向上させることができる。この場合において、リチウム遷移金属複酸化物をリチウムと、マンガン、コバルト及びニッケルの少なくとも1種との複酸化物としてもよい。また、空隙率V2を40〜50%の範囲とし、厚さT2を35〜45μmの範囲としてもよい。
本発明の捲回式リチウムイオン電池は、第1、第2のセパレータの空隙率及び厚さがV2>V1かつT2≧T1、又は、V2=V1かつT2>T1の関係を有するため、空隙率や厚さを大きくすると非水電解液を保持する空隙量が増大することから、第2のセパレータに保持される非水電解液量が第1のセパレータより増大するので、負極板のぬれ性を改善し充放電効率を向上させることができると共に、充放電サイクル時の負極板の膨張、収縮により負極板に浸透していた非水電解液が押し出されても再び負極板に吸収されるので、充放電サイクル特性を向上させることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明が適用可能な円筒型リチウムイオン電池の実施の形態について説明する。
(正極板の作製)
正極活物質のマンガン酸リチウム(LiMn)粉末と、導電材として燐片状黒鉛(平均粒径:20μm)と、結着材としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)とを、質量比が90:4.5:5.5で混合し、この混合物に分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという。)を添加した後、混練してスラリを作製した。このスラリを厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面にほぼ均等に塗布して正極合材層を形成した。スラリの塗布の際には、アルミニウム箔の長寸方向に対して、側縁の一方に幅50mmの未塗布部分を残した。その後、乾燥、プレス、裁断して幅300mm、長さ5500mmの正極板を得た。なお、正極合材層の厚さ(ただし、アルミニウム箔の厚さは含まない)を260μm、正極集電体片面あたりの正極活物質塗布量を344g/mとした。
スラリの塗布の際に残した幅50mmの未塗布部分に切り欠きを入れて、その一部を除去し、矩形状の部分を形成して集電用のリード片とした。なお、リード片の幅を約10mm、隣り合うリード片の間隔を約20mmとした。
(負極板の作製)
負極活物質の黒鉛粉末92質量部に、結着材として8質量部のPVDFを添加し、これに分散溶媒のNMPを添加後、混練してスラリを作製した。このスラリを、厚さ10μmの圧延銅箔(負極集電体)の両面にほぼ均等に塗布した。スラリの塗布の際には、銅箔の長寸方向に対して、側縁の一方に幅50mmの未塗布部を残した。その後乾燥、プレス、裁断して幅305mm、所定長さの負極板を得た。なお、負極合材層のかさ密度は約1.4g/cmとした。
スラリの塗布の際に残した幅50mmの未塗布部に切り欠きを入れて、その一部を除去し、矩形状の部分を形成して集電用のリード片とした。なお、リード片の幅を約10mm、隣り合うリード片の間隔を約20mmとした。
正極板及び負極板を捲回したときに、捲回最内周では捲回方向に正極板が負極板からはみ出すことがなく、また最外周でも捲回方向に正極板が負極板からはみ出すことがないように、負極板の長さを正極板の長さよりも18cm長くなるようにした。正極板と負極板の幅方向においても、正極活物質の塗布部と負極活物質の塗布部との対向に位置ずれが起きないように、負極活物質の塗布部の幅は、正極活物質の塗布部の幅よりも約5mm大きくした。
(捲回群の作製)
図1に示すように、正極板P及び負極板Nを、軸芯(図2の符号21参照。)を中心として、正極板Pの内側にポリエチレン製のセパレータS1を介し、負極板Nの内側にポリエチレン製のセパレータS2を介して捲回した。セパレータS2の捲回開始端は軸芯に熱溶着した。負極板N、セパレータS1、正極板Pの順に積層して捲回し捲回群を作製した。このとき用いたセパレータS1、S2は、セパレータS1の空隙率をV1、厚さをT1とし、セパレータS2の空隙率をV2、厚さをT2としたときに、V1<V2かつT1≦T2、又は、V1=V2かつT1<T2とした。また、捲回群に捲回された正極板P及び負極板Nからは、それぞれ捲回群の互いに反対側にリード片が導出されている。
(電池の作製)
図2に示すように、正極板Pから導出されているリード片9を集めて束にした状態で折り曲げて変形させた後、軸芯21のほぼ延長線上にある極柱(正極外部端子1a)周囲から一体に張り出した鍔部7に接触させた。そして、この状態でリード片9と鍔部7とを、超音波溶接装置を用いて溶接して電気的に接続した。負極板Nについても正極板Pと同様に、リード片9と負極外部端子1bに形成した鍔部7とを超音波溶接して電気的に接続した。
その後、正極外部端子1aの鍔部7、負極外部端子1bの鍔部7及び捲回群6の外周面を絶縁被覆8で被覆した。この絶縁被覆8として、片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗布したポリイミド製の粘着テープを用いた。絶縁被覆8で被覆された捲回群6の外周部分が、ステンレス製の電池容器5の内径よりもわずかに小さくなるように粘着テープの巻き数を調整した後、捲回群6を電池容器5内に挿入した。なお、電池容器5には、外径が67mm、内径が66mmの円筒形状のものを用いた。
円盤状をした電池蓋4の外側の面と当接する部分の厚さが2mm、内径が16mm、外径が25mmの第2のセラミックワッシャ3bを、正極外部端子1a及び負極外部端子1bのそれぞれの先端に嵌め込んだ。そして、厚さが2mm、内径が16mm、外径が28mm平板状の第1のセラミックワッシャ3aを電池蓋4に載置し、正極外部端子1a、負極外部端子1bのそれぞれを第1のセラミックワッシャ3aに通した。
その後、電池蓋4の周端面を電池容器5の開口部に嵌合し、電池蓋4と電池容器5との接触部分の全域をレーザ溶接した。このとき正極外部端子1a、負極外部端子1bは、電池蓋4の中心にある穴を貫通して外部に突出している。そして、第1のセラミックワッシャ3a、ナット2底面よりも平滑な金属ワッシャ11を、この順に正極外部端子1a、負極外部端子1bのそれぞれに嵌め込んだ。電池蓋4には、電池の内部圧力の上昇に応じて開裂する開裂弁10が設けられており、その開裂圧力は1.3〜1.8MPa(13〜18kg/cm)とした。なお、本電池には、電池内部の圧力上昇に応じて作動する電流遮断機構は設けられていない。
金属性ナット2を、正極外部端子1a、負極外部端子1bにそれぞれ螺着し、第2のセラミックワッシャ3b、第1のセラミックワッシャ3aを介して電池蓋4を鍔部7とナット2の間で締め付けて固定した。この時の締め付けトルク値は、6.86N・mとした。電池蓋4の裏面と鍔部7の間に介在させたゴム製(EPDM製)のOリング12を締め付け時に圧縮することにより、電池容器内部の発電要素等は外気から遮断される。
その後、電池蓋4に設けた注液口13から、所定量の非水電解液を電池容器5内に注液した後、注液口13を封止することにより円筒型リチウムイオン電池20を完成させた。非水電解液には、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを体積比1:1:1で混合した後、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1mol/l溶解して用いた。非水電解液の注液量は、注液前の正極板P、負極板N、セパレータS1、S2の空隙量の総和体積量とした。注液後は速やかに注液口13の蓋を閉じて電池を密閉化し注液後6h以内に初充電を実施した。
次に、本実施形態に従って作製した円筒型リチウムイオン電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例の電池についても併記する。
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、セパレータS1の空隙率V1を40%、厚さT1を35μm、セパレータS2の空隙率V2を50%、厚さT2を35μmとした。
(実施例2)
表1に示すように、実施例2では、セパレータS2の厚さT2を45μmとする以外は実施例1と同様にした。
(実施例3〜実施例4)
表1に示すように、実施例3では、セパレータS1の厚さT1を45μmとし、実施例4では、セパレータS2の空隙率V2を40%とする以外は実施例2と同様にした。
(比較例1)
表1に示すように、比較例1では、セパレータS1の空隙率V1を50%、厚さT1を45μm、セパレータS2の空隙率V2を50%、厚さT2を45μmとした。
(比較例2〜比較例3)
表1に示すように、比較例2では、セパレータS1の空隙率V1を40%、セパレータS2の厚さT2を35μmとし、比較例3では、セパレータS2の空隙率V2を40%、厚さT2を35μmとする以外は比較例1と同様にした。
(放電試験)
作製した実施例及び比較例の電池について、以下に示す初充電条件により充放電を行い初回充放電クーロン効率を測定した後、充放電サイクル試験を行った。初回充放電クーロン効率は、充電容量に対する放電容量の割合を百分率で求めた(初回充放電クーロン効率(%)=放電容量(Ah)/充電容量(Ah)×100)。また、充放電サイクル試験は、初充電条件と同条件の充放電を、環境温度10°Cにて200回繰り返した。200サイクル目の放電容量を、初回放電容量を100とした相対値で算出して200サイクル目放電容量比とした。初回充放電クーロン効率及び200サイクル目放電容量比の結果を下表2に示す。
<初充電条件>
充電条件:1CA、4.2V(定電流・定電圧)、3.5h、25°C
放電条件:1CA、終止電圧3.0V、25°C
休 止:0.5h
表2に示すように、セパレータS1、S2の空隙率及び厚さをそれぞれ同じ(V1=V2、T1=T2)とした比較例1の電池では、初回充放電クーロン効率が91%、200サイクル目放電容量比が88%となった。また、V1<V2かつT1>T2とした比較例2の電池、V1>V2かつT1>T2とした比較例3の電池では、初回充放電クーロン効率、200サイクル目放電容量比共に低下した。これに対して、空隙率V2を40〜50%の範囲、厚さT2を35〜45μmの範囲とし、V1<V2かつT1≦T2、又は、V1=V2かつT1<T2とした実施例1〜実施例4の電池では、いずれの電池も初回充放電クーロン効率、200サイクル目放電容量比共に高い値を示した。
比較例3の電池で初回充放電クーロン効率が低い値となったのは、負極板曲面の内側の活物質層に供給される非水電解液が少なくなり、充電の電流密度が増大したためにリチウムが活物質である黒鉛に収容されることなく析出したことが原因であると思われる。また、比較例1〜比較例3の電池で200サイクル目放電容量比が低い値となったのは、次の理由によるものと考えられる。すなわち、充電時に負極の黒鉛粒子は、結晶層間にリチウムイオンが挿入されて体積膨張する。黒鉛粒子が膨張すると粒子間の空隙は減少し、電極から非水電解液が押し出され、放電時には収縮するという充放電で電極活物質が膨張・収縮を繰り返すことにより、非水電解液の押し出し、吸収を繰り返す。特に非水電解液のぬれ性(浸透性)の低い負極板曲面の内側では非水電解液の押し出しより吸収の方がなされにくく、充放電サイクルを繰り返すことにより負極板曲面の内側の非水電解液が外側に対して不足して、サイクル累積の充放電効率が低下し、容量低下につながったものと思われる。
円筒型リチウムイオン電池の電極捲回群において、正極板Pの内側に捲回したセパレータS1の空隙率V1、厚さT1及び負極板Nの内側に捲回したセパレータS2の空隙率V2、厚さT2が、V1>V2及び/又はT1>T2の関係を有すると、セパレータS2に保持される非水電解液量がセパレータS1に保持される非水電解液量より低下する。このため、負極板Nへの非水電解液のぬれ性が低下する。また、V1=V2かつT1=T2の関係を有すると、ぬれ性の低い負極板Nの内側では、捲回により空隙が圧縮されて空隙量が減少しているため、負極板N内に浸透している非水電解液量が不足する。更に、負極板Nの内側の空隙量が減少しているので、充放電が繰り返されると、負極板Nが膨張したときに押し出された非水電解液が、収縮するときに再び負極板N内に吸収されにくくなる。従って、負極板Nの電流密度が増大して抵抗が増大するため、充放電効率及び充放電サイクル特性を低下させる。
本実施形態では、空隙率V1、V2及び厚さT1、T2が、V2>V1かつT2≧T1、又は、V2=V1かつT2>T1の関係を有する。これにより、負極板Nの内側に配置されたセパレータS2に保持される非水電解液量が、正極板Pの内側に配置されたセパレータS1に保持される非水電解液量より増大する。従って、負極板Nの内側への非水電解液のぬれ性が改善されるので、充放電効率を向上させることができる。また、充放電により負極板Nが膨張、収縮して、負極板Nに浸透していた非水電解液が押し出されても、セパレータS2に保持された非水電解液が再び負極板Nに吸収されるので、充放電サイクル特性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、大型の円筒型リチウムイオン電池の例を示したが、本発明を有底筒状の電池容器を用い上蓋をかしめによって封口する比較的小型のリチウムイオン電池に適用した試験においても同様の結果を得ている。また、本発明は、電池形状についても制限されるものではなく、円筒形電池以外に、例えば捲回群を角形に捲回した角形リチウムイオン電池にも適用が可能である。
また、本実施形態では、正極活物質としてマンガン酸リチウムを用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リチウムと、マンガン、コバルト及びニッケルの少なくとも1種との複酸化物、例えば、リチウムコバルト複酸化物や化学式LiMnCoNi(0<a<1.2、X+Y+Z=1、0<X<1、0<Y<1、0<Z<1)で表され層状結晶構造を有するリチウムマンガンコバルトニッケル複酸化物等であってもよい。これらのリチウム遷移金属複酸化物の結晶構造が本発明の効果を妨げるものではない。また、負極活物資として黒鉛を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、天然黒鉛、人造黒鉛、コークスなどの黒鉛系材料等も使用でき、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
更に、本実施形態では、結着材としてPVDFを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体やこれらの混合物を使用することもできる。
また更に、本実施形態以外の電解質としては、例えば、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi、等やこれらの混合物を用いることができる。また、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、又は、これらの2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
本発明に係る捲回式リチウムイオン電池によれば、負極板への非水電解液のぬれ性を改善して充放電効率や充放電サイクル特性の向上が可能なため、製造、販売等に寄与し、産業上利用することができる。
本発明が適用可能な実施形態の円筒型リチウムイオン電池の正負極とセパレータとの配置を模式的に示す説明図である。 実施形態の円筒型リチウムイオン電池の断面図である。
符号の説明
6 捲回群
S1 セパレータ(第1のセパレータ)
S2 セパレータ(第2のセパレータ)
20 円筒型リチウムイオン電池(捲回式リチウムイオン電池)

Claims (3)

  1. リチウム遷移金属複酸化物を正極活物質に用いた正極板と、黒鉛を負極活物質に用いた負極板とを捲回した電極捲回群を備えた捲回式リチウムイオン電池において、前記電極捲回群は前記正極板の曲面の内側に第1のセパレータが介在し、前記負極板の曲面の内側に第2のセパレータが介在しており、前記第1のセパレータの空隙率をV1、厚さをT1とし、前記第2のセパレータの空隙率をV2、厚さをT2としたときに、V2>V1かつT2≧T1、又は、V2=V1かつT2>T1の関係を有することを特徴とする捲回式リチウムイオン電池。
  2. 前記リチウム遷移金属複酸化物が、リチウムと、マンガン、コバルト及びニッケルの少なくとも1種との複酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の捲回式リチウムイオン電池。
  3. 前記空隙率V2が40%〜50%の範囲であり、前記厚さT2が35μm〜45μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の捲回式リチウムイオン電池。
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