JP2005327521A - 非水電解液二次電池の製造方法及び使用方法 - Google Patents

非水電解液二次電池の製造方法及び使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容量のバラツキを低減し、設計容量を確保可能な非水電解液二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】正極活物質に層状結晶構造を有するマンガン酸リチウムを用いた正極板と、負極活物質に非晶質炭素を用いた負極板とを、ポリエチレン製セパレータを介して捲回した捲回群を非水電解液に浸潤させてリチウムイオン電池を作製した。初充電後、リチウムイオン電池を1Cの充電電流で充電上限電圧まで充電し、1Cの放電電流で放電終止電圧まで放電して放電容量を測定した。測定した放電容量に対してSOC40%の充電状態にリチウムイオン電池を1Cの充電電流で充電した。この充電状態のリチウムイオン電池を3日間放置した。非水電解液が正極板に浸透してマンガン酸リチウム全体と反応可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は非水電解液二次電池の製造方法及び使用方法に係り、特に、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極板と、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な炭素材を含む負極板とを非水電解液に浸潤させた非水電解液二次電池の製造方法及び該非水電解液二次電池の使用方法に関する。
非水電解液二次電池を代表するリチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度であるメリットを活かして、主にVTRカメラやノートパソコン、携帯電話等のポータブル機器の電源に使用されている。一般的な円筒型リチウムイオン二次電池の寸法は、18650型と呼ばれる、直径が18mm、高さ65mmであり、小形民生用リチウムイオン電池として広く普及している。18650型リチウムイオン二次電池の正極活物質には、高容量、長寿命を特徴とするコバルト酸リチウムが主として用いられており、電池容量は概ね1.3Ah〜1.8Ah、出力はおよそ10W程度である。
一方、自動車産業界においては環境問題に対応すべく、動力源を完全に電池のみにした排出ガスのない電気自動車と、内燃機関エンジンと電池との両方を動力源とするハイブリッド(電気)自動車の開発が加速され、一部実用化の段階にきている。電気自動車の電源となる電池には当然高容量、高出力、高エネルギー密度であることが要求され、電池の内部抵抗を低減することが重要となっており、この要求にマッチした電池としてリチウムイオン二次電池が注目されている。また、電気自動車の普及には、電池の低コスト化が必須であるため、低コスト電池材料が求められ、例えば、正極活物質であれば、資源的に豊富なマンガンの酸化物が特に注目され、電池の高性能化を狙った改善がなされてきた。
一般に、リチウムイオン二次電池は、正極活物質のリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極板と負極活物質の炭素材を含む負極板とがセパレータを介して積層又は捲回された極板群を非水電解液に浸潤させて電池容器内に収容することで作製されている。作製されたリチウムイオン二次電池は、初充電によりリチウム遷移金属複合酸化物から放出されたリチウムイオンが炭素材に吸蔵されて電池機能が付与される。初充電時には、リチウムイオン二次電池が設計容量に対して90〜100%の充電状態に充電される。初充電で炭素材に吸蔵されたリチウムイオンのうち、炭素材の不可逆容量分のリチウムイオンは放電時にも放出されないため、炭素材の可逆容量分で以降の充放電が行われる。
一方、リチウムイオン二次電池を作製した後に、予備充放電、エージング及び本充電を順に行うことで容量、出力及び安全性を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−102729号公報
しかしながら、上述した電気自動車等の電源に使用されるリチウムイオン二次電池は、高容量、高出力を得るため、複数個の電池を接続した組電池として使用されるので、個々の電池の容量にバラツキがあると組電池として充分な電池性能を発揮することが難しくなる。容量のバラツキの原因の1つとして、正極板、負極板への非水電解液の浸透が不十分なことが挙げられる。この場合には、非水電解液と正負極の活物質との界面で起こる電極反応の進行にバラツキが生じ、活物質が電極反応に利用されないことがある。このため、容量が低下すると共に、容量のバラツキが生じる。極板群を非水電解液に浸潤させるのみでは、セパレータを介して積層又は捲回された正負極間が近接しているため、極板群に非水電解液を浸透させるには十分とはいえない。
本発明は上記事案に鑑み、容量のバラツキを低減し、設計容量を確保可能な非水電解液二次電池の製造方法及び使用方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極板と、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な炭素材を含む負極板とを非水電解液に浸潤させた非水電解液二次電池の製造方法であって、前記非水電解液二次電池を初充電後に放電容量を測定し、前記非水電解液二次電池をSOC0%から前記測定された放電容量に対してSOC0%〜60%の範囲の充電状態に充電し、前記充電状態の非水電解液二次電池を所定期間放置する、ステップを含むことを特徴とする。
第1の態様の製造方法では、非水電解液二次電池を初充電後に、SOC0%から測定された放電容量、すなわち、非水電解液二次電池が実際に充放電可能な容量に対してSOC0%〜60%の範囲の充電状態に充電することで、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶の層間距離を大きくでき、この状態で非水電解液二次電池を所定期間放置することで、非水電解液が正極板に浸透してリチウム遷移金属複合酸化物の全体と反応可能となるので、非水電解液二次電池の容量のバラツキを低減することができると共に、設計容量を確保することができる。
第1の態様において、所定期間を3日以上としてもよい。また、リチウム遷移金属複合酸化物が、少なくともニッケル、コバルト及びマンガンの1種の遷移金属元素を含む層状結晶構造を有してもよい。
本発明の第2の態様は非水電解液二次電池の使用方法であり、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極板と、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な炭素材を含む負極板とを有する非水電解液二次電池の使用方法であって、前記非水電解液二次電池の実放電容量を測定し、前記非水電解液二次電池をSOC0%から前記測定された実放電容量に対してSOC0%〜60%の範囲の充電状態に充電し、前記充電状態の非水電解液二次電池を所定期間放置し、前記放置した非水電解液二次電池を充電して使用することで、低下した実放電容量を設計容量の近くまで回復させることができる。また、所定期間を3日以上としてもよい。更に、リチウム遷移金属複合酸化物が、少なくともニッケル、コバルト及びマンガンの1種の遷移金属元素を含む層状結晶構造を有してもよい。
本発明によれば、非水電解液二次電池を初充電後に、SOC0%から測定された放電容量、すなわち、非水電解液二次電池が実際に充放電可能な容量に対してSOC0%〜60%の範囲の充電状態に充電することで、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶の層間距離を大きくでき、この状態で非水電解液二次電池を所定期間放置することで、非水電解液が正極板に浸透してリチウム遷移金属複合酸化物の全体と反応可能となるので、非水電解液二次電池の容量のバラツキを低減することができると共に、設計容量を確保することができる、という効果を得ることができる。
以下、本発明に係る製造方法を円筒型リチウムイオン電池に適用した実施の形態について説明する。
(正極の作製)
図1に示すように、層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物としてのマンガン酸リチウム(LiMnCoNiO)粉末、導電材の黒鉛粉末(日本黒鉛工業株式会社製、商品名J−SP)、アセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名デンカブラック)(以下、ABと略記する。)、及び、バインダ(結着材)のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する。)のN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する。)希釈液を所定割合で配合し、均一となるように混練し、必要に応じてNMPを加えて粘度調整し、正極スラリを作製した。この正極スラリを厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)W1の両面に、乾燥後重量で180g/mとなるようにほぼ均等に片面ずつ塗布した。このとき、正極長寸方向の一方の側縁に幅30mmの未塗布部を残した。
側縁に残した未塗布部に切り欠きを入れ、切り欠き残部を正極リード片とした。隣り合う正極リード片を50mm間隔とし、正極リード片の幅を5mmとした。正極混合材層W2のかさ密度が2.65g/cmとなるようにプレス加工し、幅82mm、所定長さに裁断して、正極板を得た。なお、プレス加工には、正極板を均一な厚さとするため、プレス圧を低くすることができ、プレスロールが加熱可能なプレス装置を使用した。
(負極の作製)
炭素材としての非晶質炭素粉末(呉羽化学工業株式会社製、商品名カーボトロン)、必要に応じて気相成長炭素繊維(昭和電工株式会社製、商品名VGCF)やABを配合し、PVDFのNMP希釈液を所定の割合で配合し、均一となるように混練し、必要に応じてNMPを加えて粘度調整し、負極スラリを作製した。この負極スラリを厚さ10μmの圧延銅箔(負極集電体)W3の両面に、塗着量90g/mとなるようにほぼ均等に塗布した。このとき、負極長寸方向の一方の側縁に幅30mmの未塗布部を残した。未塗布部に正極板と同様に切り欠きを入れ、切り欠き残部を負極リード片とした。負極混合材層W4の空隙率が約35%となるように、正極板と同様のプレス装置でプレス加工し、幅86mm、所定長さに裁断して、負極板を得た。
(電池の作製)
作製した正極板と負極板とを、これら両極板が直接接触しないように幅90mm、厚さ40μmのポリエチレン製セパレータW5を介して捲回した。捲回の中心には、ポリプロピレン製の中空円筒状の軸芯1を用いた。このとき、正極リード片2と負極リード片3とが、それぞれ捲回群(極板群)6の互いに反対側の両端面に配置した。また、正極板、負極板、セパレータの長さを調整して捲回群6の直径を38±0.1mmに設定した。正極リード片2を変形させ、その全てを、捲回群6の軸芯1のほぼ延長線上にある正極集電リング4の周囲から一体に張り出している鍔部周辺に集合、接触させた後、正極リード片2と鍔部周面とを超音波溶接した。一方、負極集電リング5と負極リード片3との接続操作も、正極集電リング4と正極リード片2との接続操作と同様に実施した。
その後、正極集電リング4の鍔部周面全周に絶縁被覆を施した。この絶縁被覆には、基材がポリイミドで、片面にヘキサメタアクリレートの粘着剤が塗布された粘着テープを用いた。この粘着テープを鍔部周面から捲回群6外周面に亘って一重以上巻いて絶縁被覆とし、捲回群6をニッケルメッキが施されたスチール製で外径40mm、内径39mmの電池容器7内に挿入した。
負極集電リング5には予め電気的導通のための負極リード板8を溶接しておき、電池容器7に捲回群6を挿入後、電池容器7の底部と負極リード板8とを溶接した。一方、正極集電リング4には、予め複数枚のアルミニウム製のリボンを重ね合わせて構成した正極リード9を溶接しておき、正極リード9の他端を、電池容器7を封口するための電池蓋の下面に溶接した。電池蓋には、円筒型リチウムイオン電池20の内圧上昇に応じて開裂する内圧開放機構として開裂弁(内部ガス排出弁)11が配置されている。開裂弁11の開裂圧は、約9×10Paに設定されている。電池蓋は、蓋ケース12と、蓋キャップ13と、気密を保つ弁押え14と、開裂弁11とで構成されており、これらが積層されて蓋ケース12の周縁をカシメることで組立てられている。
電池容器7内に非水電解液を所定量注液し、正極リード9を折りたたむようにして電池蓋で電池容器7に蓋をし、EPDM樹脂製ガスケット10を介してカシメて密封することで円筒型リチウムイオン電池20の組立を完成させた。非水電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:1:1の混合溶媒中へ6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解したものを用いた。なお、リチウムイオン電池20には、電池温度の上昇に応じて電気的に作動する、例えば、PTC素子や、電池内圧の上昇に応じて正極又は負極の電気的リードが切断される電流遮断機構を必要に応じて配置することができる。
(初充電及び容量確認)
組み立てたリチウムイオン電池20は、非水電解液の注液後24時間以上放置した後、初充電を実施する。初充電は、約1Cの充電電流でリチウムイオン電池20の設計容量に対して90%〜100%の範囲に充電し、1週間以上放置する。初充電後、容量確認のため、約1Cの充電電流で充電上限電圧まで充電し、約1Cの放電電流で放電終止電圧まで放電して電流値を積算することで放電容量を測定する。
(放置)
初充電後、容量確認したリチウムイオン電池20は、約1Cの充電電流で、測定した放電容量に対してSOC0〜60%の範囲の充電状態に充電する。この状態でリチウムイオン電池20を所定期間放置する。放置後に約1Cの充電電流で充電上限電圧まで充電することで、リチウムイオン電池20の製造が終了する。
次に、本実施形態に従って作製したリチウムイオン電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例の電池についても併記する。
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、容量確認後、SOC60%まで充電して室温環境下で7日間放置した。なお、表1において、材料は、少なくともマンガン、コバルト及びニッケルの1種の遷移金属元素を含むリチウム遷移金属複合酸化物を示す。
(実施例2〜実施例5、比較例1〜比較例3)
表1に示すように、実施例2〜実施例5、比較例1〜比較例3では、容量確認後のSOCを変える以外は実施例1と同様にした。SOCは、実施例2では50%、実施例3では40%、実施例4では20%、実施例5では0%とし、比較例1では100%、比較例2では90%、比較例3では70%とした。
(実施例6〜実施例8)
表1に示すように、実施例6〜実施例8では、室温環境下で放置する期間を変える以外は実施例3と同様にした。放置期間は、実施例6では1日間、実施例7では2日間、実施例8では3日間とした。
(実施例9)
表1に示すように、実施例9では、正極活物質に層状結晶構造を有するコバルト酸リチウム(LiCoO)粉末を使用すること以外は実施例1と同様にした。
(実施例10〜実施例13、比較例4〜比較例6)
表1に示すように、実施例10〜実施例13、比較例4〜比較例6では、容量確認後のSOCを変える以外は実施例9と同様にした。SOCは、実施例10では50%、実施例11では40%、実施例12では20%、実施例13では0%とし、比較例4では100%、比較例5では90%、比較例6では70%とした。
(実施例14)
表1に示すように、実施例14では、正極活物質に層状結晶構造を有するニッケル酸リチウム(LiNiO)粉末を使用すること以外は実施例1と同様にした。
(実施例15〜実施例18、比較例7〜比較例9)
表1に示すように、実施例15〜実施例18、比較例7〜比較例9では、容量確認後のSOCを変える以外は実施例14と同様にした。SOCは、実施例15では50%、実施例16では40%、実施例17では20%、実施例18では0%とし、比較例7では100%、比較例8では90%、比較例9では70%とした。
(実施例19)
表1に示すように、実施例19では、正極活物質にスピネル結晶構造を有するマンガン酸リチウム(LiMnO)粉末を使用すること以外は実施例1と同様にした。
(実施例20〜実施例23、比較例10〜比較例12)
表1に示すように、実施例20〜実施例23、比較例10〜比較例12では、容量確認後のSOCを変える以外は実施例19と同様にした。SOCは、実施例20では50%、実施例21では40%、実施例22では20%、実施例23では0%とし、比較例10では100%、比較例11では90%、比較例12では70%とした。
<試験・評価>
実施例及び比較例の各20個の電池(n=20)について、約1Cの放電電流で放電終止電圧まで放電して放置後の容量確認を実施した。容量の測定結果から、(放置後の容量/放置前の容量×100)を算出して単電池容量割合(単位;%)とした。また、(放置後の容量の標準偏差/放置後の容量の平均×100)を算出して容量バラツキ(単位;%)とした。更に、10個のリチウムイオン電池20を直列接続して作製した組電池の容量を測定した。(組電池容量/放置前の単電池の容量×100)を算出して組電池容量割合(単位;%)とした。単電池容量割合、容量バラツキ、組電池容量割合の結果を下表2に示す。
表2に示すように、正極活物質に用いた材料にかかわらず、SOC70〜100%に充電して7日間放置した比較例1〜3、比較例4〜6、比較例7〜9、比較例10〜12のリチウムイオン電池では、単電池容量割合が100%以下となり、容量バラツキが1.8〜2.8%の値を示した。これに対して、各材料ともSOC0%〜60%に充電して7日間放置した実施例1〜5、実施例9〜13、実施例14〜18、実施例19〜23のリチウムイオン電池20では、単電池容量割合が100%以上又はほぼ100%を示し、容量バラツキが0.5〜1.5%と小さい値を示した。また、組電池容量割合についても、各実施例のリチウムイオン電池20では、100%以上又はほぼ100%を示しており、容量バラツキが小さいことによる有効性が明らかとなった。この理由については、明確にはなっていないが、SOC0%〜60%の範囲では、正極材の層間距離が広くなっているため、電解液の浸透性がよく、正極材の全体が性能を発揮しやすくなるので、設計容量の確保や容量バラツキの低減に効果が得られたと考えられる。
また、放置期間を1〜3日とした実施例6〜8のリチウムイオン電池20を比較すると、放置期間1日では設計容量の確保や容量バラツキの低減の効果は小さいが、放置期間3日では十分な効果が認められた。このことから、放置期間は3日以上とすることが好ましいことが判った。
更に、層状結晶構造を有するマンガン酸リチウム(LiMnCoNiO)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)を用いたリチウムイオン電池20の場合には、単電池容量割合の増大に効果があり、スピネル結晶構造を有するマンガン酸リチウム(LiMnO)を用いたリチウムイオン電池20の場合には、容量バラツキの低減に、より大きな効果があることが判明した。
一般に、リチウムイオン電池では、非水電解液と正負極の活物質との界面で電極反応が進行するため、非水電解液の正負極板への浸透が不十分な場合には、活物質が電極反応に利用されないことがあり、容量が低下すると共に、容量のバラツキが生じる。電池組立後には、24時間程度放置することで正負極板への非水電解液の浸透を図り、その後初充電により電池機能を付与している。ところが、初充電前の放置では積層又は捲回された極板群に非水電解液が十分浸透しないことがある。また、初充電はリチウムイオン電池を設計容量に対して90〜100%に充電して行うが、初充電で負極の炭素材に吸蔵されたリチウムイオンのうち、炭素材の不可逆容量分のリチウムイオンは放電時にも放出されなくなるので、リチウムイオン電池の充放電可能な容量は、炭素材の可逆容量分となり設計容量より小さくなる。このため、初充電後に設計容量に対して充電状態を大きくすると、負極の炭素材に負担がかかることとなる。
本実施形態の製造方法では、リチウムイオン電池20を初充電した後、約1Cの充電電流で充電上限電圧まで充電し、約1Cの放電電流で放電終止電圧まで放電して放電容量を測定する。測定した放電容量、すなわち、リチウムイオン電池20が実際に充放電可能な容量に対してSOC0〜60%の範囲に充電する。正極活物質のリチウム遷移金属複合酸化物が層状結晶構造の場合には、充電に伴いリチウムイオンが放出されると層間距離が大きくなり、スピネル結晶構造の場合には、SOCが大きくなるとリチウムイオンの放出による結晶の収縮が起こる。このため、SOC0〜60%の範囲とすることで、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶の層間距離を大きくしておくことができる。この状態でリチウムイオン電池20を所定期間放置することで、非水電解液が正極板に浸透してリチウム遷移金属複合酸化物の全体と反応可能となり、リチウム遷移金属複合酸化物の利用量が高くなるので、非水電解液二次電池の容量バラツキを低減することができると共に、設計容量を確保することができる。
また、本実施形態の製造方法では、初充電後に測定した放電容量に対してSOCを定めるため、負極の炭素材の可逆容量分を対象とするので、放置期間中に炭素材に負担をかけることがなく、容量の低下を招くことはない。
更に、本実施形態の製造方法では、放置期間が1〜2日でも容量バラツキの低減や設計容量の確保に効果が見られるが、放置期間3日では顕著な効果が認められる。このことは、放置期間3日で非水電解液の浸透性が格段によくなるためと考えられ、容量バラツキの低減、設計容量の確保には放置期間を3日以上とすることが好ましいことが判明した。
なお、本実施形態では、リチウムイオン電池20の製造時にSOC0〜60%の範囲に充電して放置した後充電して製造を終了する例を示したが、放置する時期は初充電後であれば特に制限されるものではない。例えば、SOC0〜60%の範囲に充電したリチウムイオン電池20を製品として出荷してもよい。この場合には、製品出荷後の輸送期間中に放置期間を取ることができる。また、製品の在庫期間中に放置期間を取るようにしてもよい。更に、SOC0〜60%の範囲での放置は、単独のリチウムイオン電池で行ってもよく、複数個を接続した組電池で行ってもよい。
また、本実施形態では、リチウムイオン電池20の製造方法を例示したが、使用中に実放電容量の低下したリチウムイオン電池を、予めSOC0〜60%の範囲に充電し所定期間放置してから充電して使用するようにしてもよい。この場合には、リチウムイオン電池の実放電容量を測定し、測定した実放電容量に対してSOC0〜60%の範囲の充電状態に充電し、所定期間放置する。これにより、リチウムイオン電池の容量を設計容量近くまで回復させて使用することができる。この理由については明らかとなっていないが、負極の炭素材に捕捉されたまま放出されなくなったリチウムイオンが移動可能となり容量が回復したと考えられる。
更に、本実施形態では、ハイブリッド電気自動車用電源に用いられるリチウムイオン電池20を例示したが、本発明は電池の大きさ、電池容量には制限されるものではない。また、本実施形態では有底円筒型電池を例示したが、本発明は電池形状や電池構造についても限定されず、角形、その他の多角形の電池や積層タイプの電池にも適用可能である。本実施形態以外に適用可能な電池構造としては、例えば、正負外部端子が電池蓋を貫通し電池容器内で軸芯を介して押し合っている構造の電池を挙げることができる。
また更に、本実施形態では、リチウムイオン電池20の正極にマンガン酸リチウム等のリチウム遷移金属複合酸化物、負極に非晶質炭素、非水電解液にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:1:1の混合溶媒中へ6フッ化リン酸リチウムを1モル/リットル溶解したものを用いたが、本発明の適用可能な電池はこれらに制限されるものではなく、また、導電材、バインダも通常用いられているいずれのものも使用可能である。
本実施形態以外で用いることのできる非水電解液二次電池用のバインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロ−ス、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体及びこれらの混合体などを挙げることができる。
また、本実施形態以外で用いることのできるリチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウムを挿入・脱離可能であり、予め十分な量のリチウムが挿入された材料であればよく、結晶中のマンガンやリチウムの一部をそれら以外の例えば、Fe、Co、Ni、Cr、A1、Mg、等の元素で置換又はドープした材料、結晶中の酸素の一部をS、P等の元素で置換又はドープした材料を使用するようにしてもよい。更に、スピネル結晶構造や層状結晶構造等の結晶構造にも制限されるものではない。これら以外に、電池電圧として5V級が可能なリチウムマンガン複合酸化物を用いても、本発明の効果には変わりない。
更に、本実施形態以外で用いることのできる負極の炭素材としては、例えば、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークス、非晶質炭素等の炭素材を挙げることができ、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
また更に、非水電解液としては、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解して用いることができ、用いられるリチウム塩や有機溶媒は特に制限されない。例えば、電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等やこれらの混合物を用いることができる。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエ−テル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等又はこれら2種類以上の混合溶媒を用いてもよく、混合配合比についても限定されるものではない。
本発明は、容量のバラツキを低減し、設計容量を確保可能な非水電解液二次電池の製造方法を提供するものであり、製造、販売に寄与し、産業上利用することができる。
本発明が適用可能な実施形態の円筒型リチウムイオン電池の断面図である。
符号の説明
6 捲回群(電極群)
20 円筒型リチウムイオン電池(非水電解液二次電池)
W2 正極混合剤層
W4 負極混合剤層

Claims (6)

  1. リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極板と、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な炭素材を含む負極板とを非水電解液に浸潤させた非水電解液二次電池の製造方法であって、
    前記非水電解液二次電池を初充電後に放電容量を測定し、
    前記非水電解液二次電池をSOC0%から前記測定された放電容量に対してSOC0%〜60%の範囲の充電状態に充電し、
    前記充電状態の非水電解液二次電池を所定期間放置する、
    ステップを含むことを特徴とする製造方法。
  2. 前記所定期間が3日以上であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記リチウム遷移金属複合酸化物が、少なくともニッケル、コバルト及びマンガンの1種の遷移金属元素を含む層状結晶構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  4. リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極板と、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な炭素材を含む負極板とを有する非水電解液二次電池の使用方法であって、
    前記非水電解液二次電池の実放電容量を測定し、
    前記非水電解液二次電池をSOC0%から前記測定された実放電容量に対してSOC0%〜60%の範囲の充電状態に充電し、
    前記充電状態の非水電解液二次電池を所定期間放置し、
    前記放置した非水電解液二次電池を充電して使用する、
    ことを特徴とする使用方法。
  5. 前記所定期間が3日以上であることを特徴とする請求項4に記載の使用方法。
  6. 前記リチウム遷移金属複合酸化物が、少なくともニッケル、コバルト及びマンガンの1種の遷移金属元素を含む層状結晶構造を有していることを特徴とする請求項4に記載の使用方法。
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