JP2007165114A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電可能な容量を確保することができるリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池は、軸芯に正負極板がセパレータを介して捲回された捲回群を有している。正極活物質にはマンガン酸リチウムが用いられており、負極活物質には非晶質炭素粉末が用いられている。非晶質炭素粉末は、初回充電開始から充電終止までの初回充電容量をA(mAh/g)、定電圧領域の容量をB(mAh/g)、初回充電容量Aに対する不可逆容量の比率をC(%)としたときに、C≦B/A×100≦50の関係を満たしている。リチウムイオン二次電池として充放電に利用されない定電圧領域の容量Bを初回充電容量Aの50%以下に減少し、不可逆容量分が定電圧領域の容量Bで充足される。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウム二次電池に係り、特に、正極活物質にリチウム遷移金属酸化物、負極活物質に非晶質炭素材をそれぞれ用いたリチウム二次電池に関する。
従来、再充電可能な二次電池の分野では、鉛電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等の水溶液系電池が主流であった。しかしながら、地球温暖化や燃料枯渇の問題から電気モータのみで駆動する電気自動車や駆動の一部を電気モータで補助するハイブリッド電気自動車が着目され、その電源に用いられる電池には、より高容量で高入出力な特性が求められるようになってきた。このような要求に合致する電源として、高電圧を有する非水溶液系のリチウム二次電池が注目されている。
リチウム二次電池の正極活物質には、リチウム遷移金属酸化物が用いられており、中でも容量やサイクル特性等のバランスからコバルト酸リチウムが用いられている。ところが、コバルト酸リチウムは、原料であるコバルトの資源量が少なくリチウム二次電池のコスト高を招く。このため、電気自動車やハイブリッド電気自動車用のリチウム二次電池の正極活物質として、資源量が豊富なマンガンを用いたマンガン酸リチウムが有望視され開発が進められている。
一方、負極活物質としては、電気自動車やハイブリッド電気自動車用のリチウム二次電池には高入出力特性が要求されるため、一般に、フルフリルアルコール等のフラン樹脂等の合成樹脂を焼成した非晶質炭素材が用いられている。非晶質炭素材では、黒鉛系炭素材の理論容量以上の容量が得られ、サイクル寿命にも優れるという特徴を有し、かつ、高入出力特性を有するため、注目されている材料である。
ところが、非晶質炭素材では、黒鉛系炭素材と比較して不可逆容量が大きいため、電池での高容量化が難しい、という欠点がある。非晶質炭素材の不可逆容量を抑制して充放電容量を向上させるために、非水電解液中にカーボネート添加剤を加える技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、非晶質炭素材は、初回充電時に、充電開始から容量増加に対して電圧が一定となるまでの電圧が変化する定電流領域と、電圧が一定となってから充電終止までの定電圧領域とを有している。この定電圧領域の容量まで充放電に利用すると、リチウムの吸蔵、放出が非晶質構造の深部にまで及び非晶質炭素材の劣化が進行するため、サイクル寿命が低下する。これを回避するため、非晶質炭素材の充放電の利用範囲が定電圧領域を避けて定電流領域となるように電池設計されている。
特開2000−133306号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、非晶質炭素材の表面で非水電解液の還元分解反応が抑制されるため、不可逆容量の抑制に一応の効果は認められているものの、リチウムの吸蔵、放出が非晶質構造の深部にまで及ぶことで非晶質炭素材の劣化を招き、サイクル寿命が低下する。また、添加剤がコスト高なため、リチウム二次電池のコスト高を招く、という欠点もある。非晶質炭素材の充放電の利用範囲を定電流領域とすることで、サイクル寿命の低下は抑制されるが、定電圧領域の容量が大きくなると、充放電に利用されない容量が増加するため、充放電可能な容量が低下する。
本発明は上記事案に鑑み、充放電可能な容量を確保することができるリチウム二次電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、正極活物質にリチウム遷移金属酸化物、負極活物質に非晶質炭素材をそれぞれ用いたリチウム二次電池において、前記非晶質炭素材は、初回充電容量をA(mAh/g)、初回の充電容量の増加に対して電圧が一定となってから充電終止までの定電圧領域の容量をB(mAh/g)、前記初回充電容量Aに対する不可逆容量の比率をC(%)としたときに、C≦B/A×100≦50の関係を満たすことを特徴とする。
本発明では、関係式のうち、C≦B/A×100は、初回充電容量A(mAh/g)に対する不可逆容量の比率C(%)が、初回充電容量Aに対する定電圧領域の容量B(mAh/g)の比率以下であること、すなわち、不可逆容量が定電圧領域の容量B以下であることを示し、B/A×100≦50は、初回充電容量Aに対する定電圧領域の容量Bの比率が50%以下であることを示している。本発明によれば、負極活物質の非晶質炭素材が、初回充電容量Aに対する定電圧領域の容量Bの比率が50%以下のため、電池として充放電に利用されない定電圧領域の容量Bを減少させた分で充放電に利用可能な容量を相対的に増加させることができると共に、不可逆容量が定電圧領域の容量B以下のため、不可逆容量分が定電圧領域の容量Bで充足されるので、電池として充放電に利用可能な容量分を確保することができる。この場合において、不可逆容量の比率Cが30%以下であれば、不可逆容量が減少するので、充放電に利用可能な容量を増加させることができる。
本発明によれば、非晶質炭素材が、C≦B/A×100≦50の関係を満たすため、定電圧領域の容量Bを減少させた分で充放電に利用可能な容量を相対的に増加させることができると共に、電池として充放電に利用可能な容量分を確保することができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明をハイブリッド電気自動車用の円筒型リチウムイオン二次電池に適用した実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池20は、ニッケルメッキが施されたスチール製で有底円筒状の電池容器7及びポリプロピレン製で中空円筒状の軸芯1に帯状の正負極板がセパレータを介して断面渦巻状に捲回された捲回群6を有している。
捲回群6の上側には、軸芯1のほぼ延長線上に正極板からの電位を集電するための正極集電リング4が配置されている。正極集電リング4は、軸芯1の上端部に固定されている。正極集電リング4の周囲から一体に張り出している鍔部周縁には、正極板から導出された正極リード片2の端部が超音波溶接で接合されている。正極集電リング4の上方には、正極外部端子となる円盤状の電池蓋が配置されている。電池蓋は、蓋ケース12と、蓋キャップ13と、気密を保つ弁押え14と、内圧上昇により開裂する開裂弁(内部ガス排出弁)11とで構成されており、これらが積層されて蓋ケース12の周縁をカシメることで組立てられている。正極集電リング4の上部には複数枚のアルミニウム製リボンを重ね合わせて構成した2本の正極リード9のうち1本の一端が固定されており、蓋ケース12の下面には他の1本の一端が溶接されている。2本の正極リード9の他端同士は溶接で接合されている。
一方、捲回群6の下側には負極板からの電位を集電するための負極集電リング5が配置されている。負極集電リング5の内周面には軸芯1の下端部外周面が固定されている。負極集電リング5の外周縁には、負極板から導出された負極リード片3の端部が溶接で接合されている。負極集電リング5の下部には電気的導通のための負極リード板8が溶接されており、負極リード板8は電池容器7の内底部に溶接で接合されている。電池容器7は、本例では、外径40mm、内径39mmに設定されている。
電池蓋は、絶縁性及び耐熱性のEPDM樹脂製ガスケット10を介して電池容器7の上部にカシメることで固定されている。このため、正極リード9は電池容器7内に折りたたむようにして収容されており、リチウムイオン二次電池20は密封されている。また、電池容器7内には、図示しない非水電解液が注液されている。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比1:1:1の混合溶媒中にリチウム塩として6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解したものが用いられている。
捲回群6は、正極板と負極板とがこれら両極板が直接接触しないように、幅90mm、厚さ40μmでポリエチレン製のセパレータを介して軸芯1の周囲に捲回されている。正極リード片2及び負極リード片3は、それぞれ捲回群6の互いに反対側の両端面に配置されている。捲回群6及び正極集電リング4の鍔部周面全周には、絶縁被覆が施されている。絶縁被覆には、ポリイミド製の基材の片面にヘキサメタアクリレートの粘着剤が塗布された粘着テープが用いられている。粘着テープは鍔部周面から捲回群6外周面に亘って一重以上巻かれている。正極板、負極板、セパレータの長さを調整することで、捲回群6の直径が38±0.1mmに設定されている。
捲回群6を構成する正極板は正極集電体としてアルミニウム箔を有しており、負極板は負極集電体として圧延銅箔を有している。アルミニウム箔及び圧延銅箔の厚さは、本例では、それぞれ20μm及び10μmに設定されている。アルミニウム箔及び圧延銅箔の長寸方向一側の側縁には、それぞれ幅30mmで正極合剤及び負極合剤の未塗着部が形成されている。未塗着部は櫛状に切り欠かれており、切り欠き残部でそれぞれ正極リード片2及び負極リード片3が形成されている。隣り合う正極リード片2の間隔及び負極リード片3の間隔がそれぞれ50mm、正極リード片2及び負極リード片3の幅がそれぞれ5mmに設定されている。
正極板は、正極活物質にリチウム遷移金属酸化物としてのマンガン酸リチウムが用いられている。マンガン酸リチウムを含む正極合剤がアルミニウム箔の両面に略均等に塗着されている。正極合剤には、例えば、マンガン酸リチウムの100重量部に対して、導電材として鱗片状黒鉛の10重量部及びバインダ(結着材)としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する。)の5重量部が配合されている。アルミニウム箔に正極合剤を塗着するときは、分散溶媒のN−メチルピロリドン(以下、NMPと略記する。)で粘度調整される。正極板は、乾燥後、厚さ90μmとなるようにプレス加工され、幅82mmに裁断されている。
一方、負極板は、負極活物質に非晶質炭素材としての非晶質炭素粉末が用いられている。非晶質炭素粉末には、対極に金属リチウムを用いたときの初回充放電の結果により、以下に示す関係を満たすものが選別して使用されている。すなわち、図2に示すように、非晶質炭素粉末の初回充電時には、充電開始から単位重量あたりの容量増加に伴い電圧が低下した後、電圧が一定となり、初回充電終止に到る。このため、初回充電では、充電開始から電圧が一定となるまでの定電流領域と、電圧が一定となってから充電終止までの定電圧領域とに分けられる。初回放電時には、容量減少に伴い電圧が上昇し、充電された容量が全て放電される前に初回放電終止に到る。初回放電で放電されずに残された容量が不可逆容量となる。初回充電開始から充電終止までの初回充電容量をA(mAh/g)、定電圧領域の容量をB(mAh/g)、初回充電容量Aに対する不可逆容量の比率をC(%)としたときに、C≦B/A×100≦50の関係を満たす非晶質炭素が選別される。
選別された非晶質炭素粉末を含む負極合剤が圧延銅箔の両面に略均等に塗着されている。負極合剤には、例えば、非晶質炭素粉末の90重量部に対して、バインダのPVDFの10重量部が配合されている。圧延銅箔に負極合剤を塗着するときは、分散溶媒のNMPで粘度調整される。負極の厚さは負極の放電容量と正極の放電容量の比(−/+容量比)が1.2で一定となるように調整されている。負極板は、乾燥後、正極板と同様にプレス加工され、幅86mmに裁断されている。
次に、本実施形態に従い作製したリチウムイオン二次電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例のリチウムイオン二次電池についても併記する。
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、初回充電容量Aが450mAh/g、定電圧領域の容量Bが225mAh/g、不可逆容量比率Cが30%の非晶質炭素粉末を選別して用いた。この非晶質炭素粉末では、初回充電容量Aに対する定電圧領域の容量Bの比率(B/A×100)(以下、定電圧容量比率という。)は50%となる。
Figure 2007165114
(実施例2〜実施例4)
表1に示すように、実施例2〜実施例4では、定電圧領域の容量B及び不可逆容量比率Cが異なる非晶質炭素粉末を用いた以外は実施例1と同様にした。実施例2では、容量Bが90mAh/g、不可逆容量比率Cが15%の非晶質炭素粉末、実施例3では、容量Bが225mAh/g、不可逆容量比率Cが35%の非晶質炭素粉末、実施例4では、容量Bが225mAh/g、不可逆容量比率Cが50%の非晶質炭素粉末を用いた。定電圧容量比率は、実施例2では20%、実施例3では50%、実施例4では50%となる。
(比較例1〜2)
表1に示すように、比較例1〜比較例2では、定電圧領域の容量B及び不可逆容量比率Cが異なる非晶質炭素粉末を用いた以外は実施例1と同様にした。比較例1では、容量Bが247mAh/g、不可逆容量比率Cが30%の非晶質炭素粉末、比較例2では、容量Bが90mAh/g、不可逆容量比率Cが30%の非晶質炭素粉末を用いた。定電圧容量比率は、比較例1では55%、比較例2では20%となる。従って、比較例1のリチウムイオン二次電池では、B/A×100≦50の関係を満たしていない非晶質炭素粉末が使用されており、比較例2のリチウムイオン二次電池では、C≦B/A×100の関係を満たしていない非晶質炭素粉末が使用されている。
(評価)
各実施例及び比較例のそれぞれ複数個のリチウムイオン二次電池について、充放電の利用範囲を上述した定電圧領域を避けて定電流領域に設定した充放電試験を実施し、初期及びパルスサイクル試験後の放電容量を測定した。初期放電容量は、25±2°Cの雰囲気において充電した後放電して測定した。充電条件は4.1V定電圧、制限電流5A、3.5時間とし、放電条件は1A定電流、終止電圧2.7Vとした。パルスサイクル試験は、50±3°Cの雰囲気において各電池に約50Aの高負荷電流を充電方向と放電方向ともに約5秒間通電し、休止時間も含め1サイクル約30秒のパルスサイクル試験を連続して10万回繰り返した後、初期放電容量の測定と同様にしてパルスサイクル試験後の放電容量を測定した。初期放電容量に対するパルスサイクル試験後の放電容量の割合を百分率で求め、容量維持率とした。初期放電容量及び容量維持率の測定結果を下表2に示す。
Figure 2007165114
表2に示すように、定電圧容量比率が55%(B/A×100>50)で不可逆容量比率Cが30%である非晶質炭素粉末を用いた比較例1のリチウムイオン二次電池では、容量維持率は93%を示し優れていたものの、初期放電容量が3Ah以下となり、十分な電池容量を得ることができなかった。また、定電圧容量比が20%で不可逆容量比率Cが30%である(C>B/A×100)非晶質炭素粉末を用いた比較例2のリチウムイオン二次電池では、容量維持率は93%を示し優れていたものの、初期放電容量が3Ah以下となり、十分な電池容量を得ることができなかった。これに対して、定電圧容量比率が50%以下で不可逆容量比率Cが定電圧容量比率以下である(C≦B/A×100≦50の関係を満たす)非晶質炭素粉末を用いた実施例1〜実施例4のリチウムイオン二次電池20では、初期放電容量が4.0〜5.2Ah、容量維持率も90%以上となり優れた電池となった。このことから、C≦B/A×100≦50の関係を満たすことで、初期放電容量及び容量維持率共に優れた電池を得ることができることが判った。中でも、定電圧容量比率が20%で不可逆容量比率Cが15%である非晶質炭素を用いた実施例2のリチウムイオン二次電池20では、初期の放電容量が5.2Ah、容量維持率も90%以上を示し優れた電池となった。このことから、定電圧容量比率が小さくなれば初期放電容量を向上させることができることが判った。
また、定電圧容量比率が50%で不可逆容量比率Cが35〜50%である非晶質炭素粉末を用いた実施例3〜実施例4のリチウムイオン二次電池20では、初期放電容量が4.0Ah以上を示し、ハイブリッド電気自動車用の電池として十分な容量を持つものの、実施例1〜実施例2のリチウムイオン二次電池20と比較して15〜20%程度低下する結果となった。このことから、不可逆容量比率Cが30%以下の非晶質炭素粉末を使用することで容量維持率を低下させることなく初期放電容量を向上させることができることが判った。
以上説明したように、本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、負極活物質に定電圧容量比率が50%以下(B/A×100≦50を満たす)の非晶質炭素粉末が使用されている。このため、電池として充放電に利用されない定電圧領域の容量Bを初回充電容量Aの50%以下に減少させた分で充放電に利用可能な定電流領域の容量を相対的に増加させることができる。また、使用される非晶質炭素粉末は、不可逆容量比率Cが定電圧容量比率以下(C≦B/A×100)の関係も満たしている。このため、不可逆容量が定電圧領域の容量Bより小さいことから、不可逆容量分が電池として充放電に利用されない定電圧領域の容量Bで充足されるので、定電流領域の容量を減少させることなく充放電に利用可能な容量を確保することができる。従って、C≦B/A×100≦50の関係を満たす非晶質炭素粉末を用いたリチウムイオン二次電池20では、容量維持率を低下させることなく初期放電容量を確保することができる。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、不可逆容量比率Cが30%以上の非晶質炭素粉末が用いられている。このため、初回充電後の初回放電で放電されない不可逆容量が減少するので、充放電に利用可能な容量を増加させることができる。
更に、本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、定電圧領域の容量Bが電池として充放電に利用されていない。このため、電池として充放電に使われない無駄な部分の仕込みを抑制することができる。また、リチウムの吸蔵、放出が非晶質構造の深部にまで及ぶことなく非晶質炭素材の劣化が抑制されることから、容量維持率を向上させることができ長寿命のリチウムイオン二次電池20を得ることができる。
なお、本実施形態では、負極活物質に上述した関係を満たす非晶質炭素粉末を例示したが、非晶質炭素粉末の調製法には特に制限されるものではない。非晶質炭素粉末は、炭素源を焼成することで得られるが、例えば、原料の選定、焼成温度や焼成時間等の焼成条件を変えることで、上述した関係を満たす非晶質炭素粉末を調製することができる。
また、本実施形態では、円筒型リチウムイオン二次電池20について例示したが、本発明は電池の形状については限定されず、角形、その他の多角形の電池にも適用可能である。また、本発明の適用可能な電池構造としては、電池容器に電池蓋をカシメることで封口されている構造の電池以外であっても構わない。このような構造の一例として正負極外部端子が電池蓋を貫通し電池容器内で軸芯を介して押し合っている状態の電池を挙げることができる。更に、本発明は、正極板及び負極板を捲回式の構造とせず、積層式の構造としたリチウムイオン二次電池にも適用可能である。
更に、本実施形態では、正極活物質としてマンガン酸リチウムを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態以外で用いることのできる正極活物質としては、リチウムイオンを挿入・脱離可能な材料であり、予め十分な量のリチウムイオンが挿入されたリチウム遷移金属酸化物であればよく、結晶中のリチウムや遷移金属の一部をそれら以外の元素で置換又はドープした材料を使用してもよい。
また更に、本実施形態では、導電材に鱗片状黒鉛、バインダにPVDFを例示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、通常リチウムイオン二次電池に用いられているいずれのものも使用可能である。本実施形態以外で用いることのできるリチウムイオン電池用極板活物質結着剤(バインダ)としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体及びこれらの混合体等を挙げることができる。
更にまた、本実施形態では、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを体積比1:1:1で混合した混合溶媒にLiPFを溶解した非水電解液を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した非水電解液を用いてもよい。用いられるリチウム塩や有機溶媒にも特に制限されるものではない。例えば、電解質としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等やこれらの混合物を用いることができる。また、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等、又はこれらの2種以上を混合した混合溶媒を用いることができ、更に、混合配合比についても限定されるものではない。このような非水電解液を用いることにより電池容量の向上や寒冷地での使用にも適合させることが可能となる。
本発明は充放電可能な容量を確保することができるリチウム二次電池を提供するため、リチウム二次電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池の断面図である。 非晶質炭素粉末の初回充放電曲線を示すグラフである。
符号の説明
6 捲回群
7 電池容器
20 円筒型リチウムイオン二次電池(リチウム二次電池)

Claims (2)

  1. 正極活物質にリチウム遷移金属酸化物、負極活物質に非晶質炭素材をそれぞれ用いたリチウム二次電池において、前記非晶質炭素材は、初回充電容量をA(mAh/g)、初回の充電容量の増加に対して電圧が一定となってから充電終止までの定電圧領域の容量をB(mAh/g)、前記初回充電容量Aに対する不可逆容量の比率をC(%)としたときに、C≦B/A×100≦50の関係を満たすことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記不可逆容量の比率Cが30%以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
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